JP4118130B2 - 電気自動車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車、特に、電気自動車に電池を搭載する態様に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータを原動機とする電気自動車の開発と製造が、現在、活発に進められている。その種類も多岐に渡っており、従来からある充電式の電池を動力源として使う電気自動車を始めとして、原動機としての内燃機関を併用するハイブリッド型の電気自動車や、燃料ガスを使う燃料電池を動力源とする電気自動車などがある。
【0003】
電気自動車においては、このような動力源としての電池を安全に搭載することが不可欠である。特に、電気自動車が外部の物体と衝突したような場合に、電池が破損することの無いように適切に保護することが必要となる。このような配慮から、例えば、燃料電池を用いた自動車では、燃料電池を車体の中央下部、すなわち、座席の下に置くことが一般的に行われてきた。しかしながら、このように電池を車体の中央部に搭載することは、十分な乗車スペースを確保する観点から見て不都合である。もちろん、この事情は、従来の電池を用いる電気自動車であっても、ハイブリット車であっても変わらない。
【0004】
この観点から、燃料電池を車体の前方あるいは後方に配置した場合の安全対策が考案されている。特許文献1は、車体の前方に配置した場合に、燃料電池全体を覆う収納ケースを設け、この収納ケースをサイドメンバに取り付けることで、衝突時にはサイドメンバの変形に合わせて燃料電池部を分割して保護する内容を開示するものである。一方、特許文献2には、車両後部の機械室に配置された燃料電池を、衝撃吸収用の梁を設けて保護する手段が記載されている。
【0005】
なお、特許文献3には、衝突時に電気自動車の車体前部において衝突エネルギを効率よく吸収する手段、特に剛性の高い電力制御ユニットを衝撃力によって水平移動させる手段が述べられている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−192639号公報
【特許文献2】
特開平5−77648号公報
【特許文献3】
特開平9−272459号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、電気自動車が衝突した場合に、搭載された電池を保護することを目指すものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電気自動車は、電力を生成する電池部と、電池部に電気的に接続された電力制御回路、及び、この電力制御回路の設置部を含む電力制御ユニットと、を有する電気自動車であって、電池部と電力制御ユニットは上下方向に並んで車体に固定され、設置部は、衝撃が予想される所定方向に向かって電池部の縁から張り出した張出部を備え、さらに、設置部は、衝撃を吸収する衝撃吸収部と、衝撃による電池部の変形を防ぐ剛性部とを備えており、前記張出部は、前記衝撃吸収部を含む
【0009】
この構成においては、衝突時における電池部の破損を防止のための部材として、電力制御ユニットを兼用することができるため、搭載スペースや製造コストの観点から好ましい。電力制御ユニットを電池部の近傍に置くことは、電気接続の容易さの観点からも望ましい。
【0011】
この衝撃吸収部は、衝撃のエネルギをその内部に吸収する作用をもつ。この作用は、ゴムなどの弾性部材や、バネなどの機械的な構造、剛性が弱く塑性変形する構造などによって生み出される。一方、剛性部は、高い剛性を持ち、衝撃によってほとんど変形を受けないように構造されており、この部分と並ぶ電池部を衝撃から守ることができる。
【0012】
また、本発明の電気自動車においては、衝撃吸収部は、塑性変形により潰れる構造を有してもよい。塑性変形により潰れる構造とは、例えば、溝などを設けてこの部位の剛性を弱めた構造のことであり、これにより衝突時に塑性変形を受け衝撃を吸収しやすい構造となっている。このような衝撃吸収部は、極めて容易に設けることができるため、製造コストの増大を抑制することが可能となる。
【0013】
また、本発明の電気自動車においては、剛性部は、前記所定方向に伸びる複数のリブを有することが可能である。リブは、剛性部の剛性向上に著しい効果を発揮する。
【0014】
また、本発明の電気自動車においては、剛性部は、電力制御回路を流体によって冷却する冷却路を有することができ、前記複数のリブは、冷却路におけるフィンによって構成されても良い。この構成は、リブを特別に設ける必要を無くし、剛性部の小型化を可能にする点で優れている。
【0015】
また、本発明の電気自動車においては、電池部は、板状の複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックを含むことが可能であり、この積層方向が前記所定方向に垂直となるように配置することが出来る。積層方向よりも積層方向に垂直となる方向の方が、強度が大きいため、この構成により対衝撃性が高められる。
【0016】
また、本発明の電気自動車においては、電池部と電力制御部の車体への固定は、両者を接続して互いに一体化した組立体を構成し、この組立体を車体のサスペンションメンバに取り付けることで行っても良い。これにより、電池部と電力制御部の相対的な位置関係を確実に設定することが可能となる。
【0017】
また、本発明の電気自動車においては、サスペンションメンバへの取付は、組立体が前記所定方向からの衝撃を受けた際に曲げ変形される衝撃緩衝部材によって行うことができる。これにより、衝撃エネルギの一部を、この衝撃緩衝部材によって吸収されることが可能になる。
【0018】
また、本発明の電気自動車においては、電池部及び電力制御ユニットは電気自動車の前方または後方に設けられた動力源室に配置されても良く、この場合には前記所定方向は電気自動車の前後方向とすることが出来る。
【0019】
なお、本発明の電気自動車は、少なくとも、充電式の電池を動力源とする電気自動車、原動機としての内燃機関も備えたハイブリッド型の電気自動車、燃料電池を動力源とする電気自動車を含むものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を、図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、燃料電池を搭載した電気自動車10の前方部分について概略的に示した側面図である。電気自動車の外観の形状は特に限定されないが、図示したものは、一般的な乗用車の形状を有するものであり、車体中央部のキャビン12と、その進行方向前方にダッシュパネル14を介して設けられた動力源室16、そして、後方に設けられた図示していないトランクルームを備えている。これらの部分と、前輪18および図示していない後輪とは、やはり図示していないサスペンション、及び、サスペンションメンバ20を介して接続されている。電池部22は、燃料電池あるいは従来型の電池からなり、動力源室16内にサスペンションメンバ20の上方に取り付けられて固定されている。なお、電池部22が燃料電池である場合には、燃料ガスの供給部は別の位置に設けることを想定している。電池部22には、PCU24が、電池部22と上下方向に並んだ位置である電池部22の上側に固定されている。PCU24は、電力制御回路及びその設置部としての筐体を含む電力制御ユニットであり、その下部には、通電に伴い発生した熱を排出するための冷却路26が備えられている。
【0022】
図2は、これらの各部材の固定の詳細を示すものであり、電気自動車10の(運転手の向きを基準とした場合の)左前方から見た図である。サスペンションメンバ20は、井桁の形状をなしており、図示していない前輪18の保持部に接続されている。サスペンションメンバ20の四隅には、サイドメンバ固定孔28a−28dが設けられており、車体の左側に位置するサイドメンバ固定孔28a,28bには左側のサイドメンバ30aが、右側のサイドメンバ固定孔28c,28dには右側のサイドメンバ30bが、それぞれボルト32a−32cによって固定される。また、サスペンションメンバ20の前方の辺部には、その左右の端部付近に各2個のスタックフレーム固定孔34a−34dが設けられ、ここにアーチ状のスタックフレーム36aの脚部がボルト締めされる。また、サスペンションメンバ20の左右の辺部には、各2個のスタックフレーム固定孔34e−34hが設けられ、同様にもうひとつのスタックフレーム36bが固定される。スタックフレーム36a,36bは、両脚部に渡されたほぼ水平な部位を有しており、この水平部に直方体形状の電池部22が安定して配置される。電池部22は、この二つのスタックフレーム36a,36bとボルトによって強固に固定されることで、車体の一部をなすサスペンションメンバ20に固定される。電池部22の上方には、これと並ぶようにしてPCU24が設置されており、電池部22とPCU24とは一体化した組立品を構成している。PCU24の外形は、蓋部38と基部40からなるやや変則的な長方形形状であり、その前方および後方部分は電池部22の縁よりも張り出した張出部42a,42bとなっている。なお、ここで言う縁とは、電池部22の上面における外縁ではなく、電池部22上方から見た時に最も水平方向に広がっている部分を意味している。PCU24は、留め具44a,44bによって電池部22の堅固な筐体に固定されることで、電池部22を通じてサスペンションメンバ20に固定される。スタックフレーム36a,36bは、電池部22及びPCU24を支えるのに十分な強度を有しているが、サスペンションメンバ20やサイドメンバ30a,30bに比べれば強度は弱く、強い衝撃力などを受けた場合には曲げ変形されて衝撃力を吸収する衝撃緩衝部材となっている。
【0023】
図3は、PCU24の基部40の構造を透視的に示す図であり、図2と同様に視点を搭載位置の左前方やや上側に置いている。この基部40は側面46を有する箱状であり、その底面48は冷却路26が設けられた二重構造となっている。基部40内には、電池部22と電気的に接続された電力制御回路が配置され、電池部22で生成された直流の電力を交流に変換して、原動機たる交流モータに送り出すなどの電力制御を行っている。この電力制御回路においては、大量の電流が流されるため、電気抵抗に伴う大量の発熱がある。冷却路26の機能は、この熱を排出することであり、流入口52から流出口54へと流される水などの流体に熱を奪わせる働きをする。
【0024】
図4は、PCU24の基部40を、図3のAA’面で切った断面図である。箱状の基部40の底面48が、冷却路26を備えた二重構造となっていることが明瞭に示されている。基部40の構造は特に限定されないが、一般には、冷却路26の底蓋部分を除いてアルミの鋳造によって作られており、本質的に堅固な構造となっている。ただし、冷却路26よりの前方(図の左)および後方(図の右)の底面48部分には、それぞれ複数の溝部が切られた凹凸部56a,56bを設け、強度を下げる工夫がなされている。
【0025】
図5には、この凹凸部56aの拡大図を示した。凹凸部56aは、4つの溝部58a−58dが含まれており、このため、凹凸部56a,56bは、他の部分に比べて剛性が弱くなっている。例えば、前方(図の左)から後方に向けて衝撃力が加えられ、それに抵抗する前向きの抗力とによってこの部分が両側から圧縮される場合について考える。この時、他に比べて強度が弱い凹凸部56aでは、溝部58a−58dが塑性変形により潰れることで、衝撃エネルギを吸収し、他の箇所に加わる衝撃力を弱めることになる。すなわち、凹凸部56a,56bは衝撃吸収部となっており、他方、凹凸を含まない他の箇所は変形しにくい剛性部となっている。
【0026】
図6は、冷却路26を含む水平面で基部40を切った図であり、図の左側が搭載時の前方にあたる。冷却路26は、流入口52と流出口54を以外の場所では幅広の構造となっており、直線上の部分と半円状の部分とによって大きく蛇行しながら基部40全体を覆っている。冷却路26中には、冷却路26の形状に沿って複数のフィン60が設けられており、冷却路26内の表面積を増やして冷却効果を高める働きをしている。また、このフィン60は、基部40の剛性を高める機能も果たしている。基部40の中央付近には、直線状の冷却路26に沿って前後方向(図の左右方向)に複数のフィン60が設けられており、リブの役割を担っている。すなわち、フィン60がある部分では、前後方向の加重に対し、基部40が大きな剛性を有することになる。したがって、フィン60を含む基部40の中央付近は剛性部となり、フィン60を含まない部分は相対的に衝撃吸収部となる。剛性部と衝撃吸収部との強度の対比は、凹凸部56a,56b及びフィン60の効果を組み合わせることで、様々に設定することが可能となる。なお、フィン60の代わりに、あるいは、フィン60とは別に、補強専用の複数のリブを設けることも可能である。補強用のリブは、フィン60で説明したのと同様に、二つの衝撃吸収部を結ぶ方向、すなわち、今の場合には自動車の前後方向に伸びるように設置することが可能であるのはもちろん、様々な方向からの衝撃力に対応できるように、複数の方向に伸びる複数のリブを設置することも可能である。
【0027】
前に説明したように、基部40を含むPCU24は、図2を用いて示したように、電池部22とともに車体に固定される。PCU24は、電池部22の縁よりも水平方向に前後にはみ出した張出部42a,42bを有しており、この部分には、凹凸部56a,56bからなる衝撃吸収部が含まれることになる。また、電池部22と重なる部分には、フィン60によって強化された剛性部が設置される。
【0028】
以上の設置構成において、電気自動車10が前方から外部物体と衝突し、変形を受けた車体の外板などが電池部22に向かって来る場合を考える。外板は、特殊な変形をしない限り、まず、電池部22よりも前方に位置するPCU24の張出部42aに衝突し、衝撃力をPCU24に伝える。一方、PCU24は、その固定部から反対向きの抗力を得てPCU24を押し返そうとする。この結果、衝撃吸収部である凹凸部56aは押し潰されて変形し、衝撃エネルギの一部を吸収する。衝撃吸収部の変形がほぼ終わったあとは、衝撃力は剛性部に直接的に伝達される。しかし、剛性部は十分な剛性を持っているため、ほとんど変形することがない。同時に、剛性部と並列に配置された電池部22も、ほとんど変形せず、破損を免れる。衝撃がさらに強い場合には、スタックフレーム36a,36bが後方に曲げ変形を受けて衝撃エネルギの一部を吸収するとともに、電池部22及びPCU24が後方(図2の右奥)に配置された図示していない車体の補強材等に、衝突する可能性がある。この場合には、後ろ側の衝撃吸収部である凹凸部56bが変形して衝撃エネルギを吸収するため、電池部22が受ける衝撃力はさらに軽減される。
【0029】
このように、電池部22を衝突から守るためには、衝撃吸収部と剛性部との境目と、張出部42a,42bとの位置関係が重要となる。すなわち、衝撃吸収部の変形は電池部22よりも前後に張り出した張出部42a,42bにおいて起こることが望ましく、剛性部は少なくとも電池部22の前方の端から後方の端までを覆っていることが望ましい。そして、この端の部分において、剛性部から電池部22の側に飛び出した剛性の強い板や棒などの保護部を設けて、電池部22の前面あるいは後面を保護することも可能である。また、衝撃吸収部が変形したあとで剛性部としての役割を果たすように設計してあれば、衝撃吸収部の一部を電池部22と重ねることも可能である。
【0030】
また、後方の張出部42bにおける衝撃吸収部は、必ずしも設ける必要がない。図示した例のように、電気自動車10の前方の動力源室16に電池部22を設置した場合には、電気自動車10の衝突によって電池部22が衝撃力を受けるのは、前方からであることが最も可能性が高い。したがって、電池部22の前方におけるPCU24の張出部42aおよび衝撃吸収部を大きくとり、後方の張出部42bは剛性部を若干張り出させただけとする構成も考えられる。さらに、電池部22を電気自動車10の左右どちらかにずらして配置する際には、張出部および衝撃吸収部をこの側面に設けることが重要となるし、電気自動車10の前方ではなく後方に動力原室16を設けて電池部22を格納する場合には、張出部を前後方向、特に後方に備えることが大切となる。すなわち、張出部および衝撃吸収部は、電気自動車10の衝突時に、電池部22が最も衝撃力を受けやすい側に設置することが重要である。もちろん、周囲の全ての水平方向に張出部および衝撃吸収部を配置してもよい。なお、張出部のみを設けて衝撃吸収部を備えない構成とした場合にも、効果は小さいものの、一定の保護機能を得ることは可能である。
【0031】
ここで、燃料電池からなる電池部22自体の強度を高める工夫について、図7を用いて説明する。図7は、図2と同方向からみた電池部22の斜視図であり、その内部構造も同時に示したものである。電池部22の主たる構成物は、電池ケース62とその中に格納された複数の燃料電池セル64である。個々の燃料電池セル64は、薄い板状であり、一般的には、それを複数重ね合わせたスタック状として電池ケース62に格納されている。このような燃料電池スタックを含む電池部22においては、燃料電池セル64の積層方向の耐衝撃性よりも、これに垂直な方向の耐衝撃性の方が大きい。したがって、前に述べた設置場所と衝撃力を受けやすい側との関係を踏まえた上で、衝撃が予想される方向に対し、積層方向が垂直となるように電池部22を構成することが、衝突時の破損を防ぐ観点からは望ましい。
【0032】
次に、実施の形態の様々な改良可能性について説明する。図2などの説明においては、PCU24の外形形状を箱状の基部40のおよび蓋部38からなるとしたが、この形状は本質的ではない。基部40は、電力制御回路が置かれる設置部としての役割を果たせば、箱形でなく、水平的な構造であっても構わない。また、蓋部38は、それ自体にも衝撃吸収部や剛性部としての役割を持たせてもできるが、単なる電力制御回路を水や汚れから守る部材とする場合には基部40の全体を覆う必要はない。したがって、例えば、衝撃吸収部についてだけは板状とし、そこに凹凸部56a,56bをもたせた構成とすることも可能である。この場合には、溝部を表面まで貫通する態様とすることも可能になる。いずれにせよ、重要なことは、電力制御回路の設置部としてのPCU24が、電池部22の保護機能の一翼を担っていることである。これにより、部品数、設置スペース、製造コストなどの抑制が可能となる。
【0033】
衝撃吸収部についても、様々な改良をすることができる。すなわち、ゴムなどの弾性に優れた部材を用いて衝撃を吸収することが可能であるし、また、バネなどの機械的な衝撃吸収構造を持たせてもよい。塑性変形を利用する場合にも、前に説明した凹凸部56a,56bにおいては、溝部を一本だけとしたり、溝の方向を水平方向以外とするなどの変化をもたせることもできる。また、溝の代わりに、この部位の壁の厚みを全体に薄くしたり、複数の穴部によって局所的に薄くしたりすることでも、塑性変形によって潰れる衝撃吸収部を構成することができる。
【0034】
電池部22、及び、PCU24の設置態様については、図2においては、井桁形状をもつサスペンションメンバ20であるとした。しかし、サスペンションメンバ20には様々な形状があり、もちろん、こうした多様な形状のものを用いることも可能である。スタックフレーム36a,36bについては、電池部22をサスペンションメンバ20に固定することが本質であって、その形状は様々なものが考えられる。例えば、車体の左右ではなく、前後に渡されるアーチ形状であっても良いし、井桁状に組まれたものであっても良い。アーチ状である必要性もない。また、PCU24は、電池部22との位置関係が前述した状態を維持できるのであれば、電池部22に固定せずに、直接、サスペンションメンバ20等車体部に設置することも可能である。同様に、電池部22もサスペンションメンバ20ではなく、車体の他の部位に取り付けることができる。また、電池部22とPCU24の上下の位置関係を反対にしても良い。
【0035】
本実施の形態は、充電式の電池を用いる電気自動車や、原動機としてガソリンエンジンなどの内燃機関を別途備えた電気自動車10に対しても適用可能である。内燃機関を備える場合には、エンジンの振動がPCU24に直接伝わらないようにするなどの工夫を行うことが望ましいが、基本的には、上に説明した全ての事項をそのまま適用することができる。
【0036】
なお、図1に示したように、電気自動車10の前方の動力源室16に電池部22を設置する場合には、電池部22の保護と同時に、キャビン12を守る緩衝部としての動力源室16の役割も両立させなければならない。しかし、この点については、動力源室16に十分なスペースを取るなどすれば、本実施の形態を遂行する上で障害となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の概要を示す側面図である。
【図2】 本実施の形態の主要部を説明する立体分解図である。
【図3】 PCUの主要部を示す図である。
【図4】 PCUのAA’面の鉛直断面図である。
【図5】 図4の部分拡大図である。
【図6】 PCUのBB’面の鉛直断面図である。
【図7】 燃料電池の場合の電池部の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 電気自動車、20 サスペンションメンバ、22 電池部、24 PCU、26 冷却路、36a,36b スタックフレーム、38 蓋部、40 基部、42a,42b 張出部、56a,56b 凹凸部、58a−58d 溝部、60 フィン、62 電池ケース、64 燃料電池セル。

Claims (4)

  1. 電力を生成する電池部と、
    電池部に電気的に接続された電力制御回路、及び、この電力制御回路の設置部を含む電力制御ユニットと、
    を有する電気自動車であって、
    電池部と電力制御ユニットは上下方向に並んで車体に固定され、
    設置部は、衝撃が予想される所定方向に向かって水平方向に電池部の縁から張り出した張出部を備え
    さらに、設置部は、衝撃を吸収する衝撃吸収部と、衝撃による電池部の変形を防ぐ剛性部とを備えており、
    前記張出部は、前記衝撃吸収部を含むことを特徴とする電気自動車。
  2. 請求項に記載の電気自動車であって、
    衝撃吸収部は、塑性変形により潰れる構造をもつことを特徴とする電気自動車。
  3. 請求項またはに記載の電気自動車であって、
    剛性部は、前記所定方向に伸びる複数のリブを有することを特徴とする電気自動車。
  4. 請求項に記載の電気自動車であって、
    剛性部は、電力制御回路を流体によって冷却する冷却路を有し、
    前記複数のリブは、冷却路におけるフィンによって構成されていることを特徴とする電気自動車。
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