JP4117048B2 - 搬送板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は木質セメント板を製造する場合に使用される搬送板に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
木質セメント板は、セメント、木質補強材、ケイ酸含有無機粉末等の原料の混合物に30〜45重量%程度の水分を添加した上で搬送板上に散布して原料マットをフォーミングし、このようにして原料マットをフォーミングした搬送板を複数段積重ねて圧締装置に挿入して圧締し予備養生するが、表面に凹凸模様を有する木質セメント板を製造する場合には、上記搬送板の上に更に型面に凹凸模様を形成した型板を載置し、その上に原料混合物を散布して原料マットをフォーミングして同様に圧締し予備養生する。この状態は図6に示される。
図6において、(1) は型板であって四辺には肉厚外辺部(2) および該肉厚外辺部(2) の内側型面にはエンボス模様(3)が形成されている。該型板(1) 上には木質セメント板の原料マット(4) がフォーミングされている。上記原料マット(4) をフォーミングした型板(1) 付搬送板(5) は複数段積重ねられる。
該原料マット(4) の圧締予備養生の後は通常常圧養生もしくはオートクレーブ養生が行なわれ、かくして該原料マット(4) は上記予備養生と常温養生もしくはオートクレーブ養生とからなる二段階養生によって硬化して木質セメント板となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記圧締予備養生工程においては、該原料マット(4) は型板(1) と搬送板(5) との間で圧縮されかつ含んでいる水分を搾出されるが、該型板(1) には肉厚外辺部(2) が形成されているので、この部分において該原料マット(4) は他の部分よりも大きく圧縮される結果、原料マット(4) のこの部分の搾水量も多くなりかつ高密度となって搬送板 (5) の裏面に粘着し養生により硬化する。したがって得られた予備養生体を搬送板(5) から離脱させた場合、図7に示すように該搬送板(5) の裏面外部に原料マット硬化物(4A)が固着する。
このように搬送板(5) の裏面に原料マット硬化物(4A)が固着したまゝで次回の木質セメント板の製造に使用すると、得られる木質セメント板には凹陥部が出来てしまうので、次回の製造に該搬送板(5) を使用する際には完全に該原料マット硬化物(4A)を取除く必要があるが、該原料マット硬化物(4A)は搬送板(5) の裏面に可成り強固に固着しているので、取除きに非常に手間がかゝる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、型板(1) 上に木質セメント板の原料マット(4) をフォーミングし積重ねるために使用する搬送板(5) として、該型板(1) の肉厚外辺部(2 ) に対応する搬送板(5) の裏面外辺部にブラッシング処理 (5A) を形成することにより、この部分に対する原料マット硬化物(4A)の固着を防止するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図5に示す一具体例によって説明すれば、図1において(1) は木質セメント板を製造する際に使用される型板であり、該型板(1) の四辺には肉厚外辺部(2) が形成されており、該肉厚外辺部(2) の内側型面にはタイル目地状のエンボス模様(3)が形成されている。該肉厚外辺部(2) は相対する辺のみに形成されてもよい。
【0006】
図2において(5) は搬送板であり、該搬送板(5) の裏面外部において、該型板(1) の肉厚外辺部(2) に対応する部分を覆ってブラッシング処理部(5A)が形成されている。該ブラッシング処理は例えばサンダー、スクレーバー、ワイヤブラシ等を用いて該搬送板(5) の裏面をブラッシングすることによって行なわれる。該搬送板(5) の裏面外辺部のブラッシング処理部(5A)の厚みは、該搬送板(5) の他の部分に比してブラッシングによって若干薄くなっている。該搬送板(5) 上には型板(1) が一体的に設けられている。該型板(1) は搬送板(5) と別体とされてもよい。
【0007】
木質セメント板を製造するには、例えばセメントとケイ砂、ケイ石粉、パーライト等のケイ酸含有無機粉末と、パルプ、木質繊維、木片等の木質補強材とを主体とする原料混合物に水分を30〜45重量%添加混合した上で、上記搬送板(5) 上の型板(1) 上に散布して図3に示すように厚さ約100mm程度の原料マット(4) をフォーミングする。そして該原料マット(4) をフォーミングした搬送板(5) 上の型板(1) は、図4に示すように搬送板(5) と共に複数段積重ねらた上で図示しない圧締装置内に挿入され、通常30〜40 kgf/cm2 の圧力で圧締され、この状態で60〜80℃の雰囲気温度下6〜15時間放置して予備養生を行なう。このようにして厚さ15〜20mm程度の予備養生体が製造され、該予備養生体は型板(1) 付搬送板(5) から離脱され、通常常温で2〜4日養生するか蒸気圧力3〜4 kgf/cm2 、飽和蒸気温度140〜150℃の条件で5〜10時間オートクレーブ養生され、図5に示すような表面にタイル目地状のエンボス模様(3)が施された木質セメント板原体(6) が製造される。該木質セメント板原体(6) は図5点線a−a、点線b−bに沿って切断され、外周部を切除され製品となる。
【0008】
上記予備養生中、原料マット(4) は図4に示すように型板(1) の肉厚外辺部(2) において、他の部分よりも大きく圧縮されその結果この部分の搾水量も多くなるが、この部分に当接する搬送板(5) の裏面外辺部にはブラッシング処理部(5A)が形成されているので、原料マット硬化物のこの部分への付着は殆どなくなるか、また付着しても極く僅かになり、該硬化物の取り除きに手間がかゝらなくなる。
【0009】
ブラッシング処理によって原料マット硬化物の付着が制限される理由は明らかではないが、この部分において搬送板の厚みが若干薄くなっているので、積重ね状態で各搬送板のこの部分の厚みの差が相和されて圧締力が緩和されること、またブラッシングによってこの部分の表面の粗さが小さくなっていること等が考えられる。
【0010】
【発明の効果】
したがって本発明においては、予備養生中の搬送板裏面への原料マット硬化物の付着が殆どなくなるか、または付着しても極く僅かとなるので、搬送板から該硬化物を取除く手間が省け、生産効率が大巾に向上する。
【図面の簡単な説明】
図1〜図5は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】 上面に一体的に型板を設けた搬送板の斜視図
【図2】 搬送板裏面斜視図
【図3】 原料マットフォーミング状態説明図
【図4】 原料マット圧締状態説明図
【図5】 養生後の木質セメント板原体斜視図
図6および図7は従来例を示すものである。
【図6】 原料マット圧締状態説明図
【図7】 予備養生後の搬送板の状態説明図
【符号の説明】
1 型板
2 肉厚外辺部
4 原料マット
5 搬送板
5A ブラッシング処理部

Claims (1)

  1. 木質セメント板の原料マットがフォーミングされる型板を一体的または別体として載置する搬送板であって、該型板の四辺に形成された肉厚外辺部に対応する裏面外辺部にはブラッシング処理部が形成されており、該ブラッシング処理部はブラッシングによって若干薄くなっていることを特徴とする搬送板
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