JP4117045B2 - 乳化剤の造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は常温で結着性の高いロウ状塊であるジグリセリン飽和脂肪酸エステルを取り扱いやすくするために、ビーズ化あるいは粉末化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジグリセリン脂肪酸エステルは飲料、油脂加工品、一般加工食品に使用されているが、モノエステル含量の高いものは結着性のあるロウ状塊であるため取扱性が悪い。このため、融解して液状化してから使用することもあるが、その場合でも煩雑な加熱作業や、融解に長時間を要することなどがあり、いわゆるハンドリング性の悪さが問題となっていた。それらに対する対策として、カゼイン、カゼインNaなどの蛋白質、アルギン酸Na、カラギーナン等の増粘多糖類、デキストリン等の糖類を基材に用いて乳化物を形成し、これを噴霧乾燥して粉末物を得る方法や、硬化油を配合して噴霧冷却し粉末状とする方法、回転式滴下型造粒装置等を利用してビーズ化する方法等があげられる。しかし噴霧乾燥法ではジグリセリン脂肪酸エステルを被覆するためにある程度の基材の量が必要となり、硬化油配合の噴霧冷却法や回転式滴下型造粒装置を使用する方法にしても、ある程度の硬化油を配合する必要があるため、ジグリセリン脂肪酸エステルを高い割合で含有する粉末品あるいはビーズ品は得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、炭素数14〜22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステルの含有率を高い水準に保ったままハンドリング性の悪さを解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
1.エステルを構成する脂肪酸が炭素数14〜22の飽和脂肪酸の1種又は2種以上の混合物であるジグリセリン脂肪酸エステルをビーズあるいは粉末状等に造粒するに際し、構成脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸であるグリセリン有機酸脂肪酸エステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルを配合する乳化剤の造粒方法において、
前記グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する有機酸が、ジアセチル酒石酸、コハク酸、クエン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、
かつ前記ジグリセリン脂肪酸エステルと、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルの混合比率が85:15〜99:1であることを特徴とする乳化剤の造粒方法。
2.ジグリセリン脂肪酸エステルのモノエステル含量が70重量%以上である請求項1記載の乳化剤の造粒方法。
【0005】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、構成脂肪酸が炭素数14〜22の飽和脂肪酸であるグリセリン有機酸脂肪酸エステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルを造粒化剤として配合することで目的が達成されることを見いだした。すなわち、炭素数14〜22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステルに対し、造粒化剤として構成脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸であるグリセリン有機酸脂肪酸エステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルを85:15〜99:1になるように配合し、噴霧冷却法あるいは回転式滴下型造粒装置使用による造粒を行うことにより常温で結着性の少ない、ハンドリング性の良好な形態とすることが可能となった。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で粉末あるいはビーズ等に造粒しようとするジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、ジグリセリンと脂肪酸メチル等の他のエステルとのエステル交換反応、あるいは、ジグリセリンの脂肪酸ハライドによるエステル化等によって得られたエステル混合物を、蒸留分別、吸着クロマト分離、あるいは液液抽出分離等の方法により分離精製して得られるが、通常は分子蒸留法により目的にあった組成物が得られ、効率的、経済的である。しかしながら、これらの方法に限定されるものではない。このジグリセリン脂肪酸エステルはモノエステル含量が高くなるほど結着性が高くなる。従って本発明では、ジグリセリン脂肪酸エステル組成物の、エステル混合物中に占めるモノエステル含量が特に70重量%以上のものを対象としている。また構成脂肪酸は炭素数14〜22の飽和脂肪酸の1種又は2種以上の混合物である。
【0007】
本発明に用いられているソルビタン飽和脂肪酸エステルは、ソルビトール、ソルビタン、ソルバイドあるいはそれらの混合物と飽和脂肪酸のエステルであり、特に炭素数12〜22、好ましくは16〜22のものである。
【0008】
本発明に用いられるグリセリン有機酸飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと有機酸及び飽和脂肪酸との混合エステルである。グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する有機酸はジアセチル酒石酸、コハク酸、クエン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、また構成脂肪酸は炭素数12〜22、好ましくは16〜22の飽和脂肪酸である。
【0009】
本発明においてジグリセリン飽和脂肪酸エステルをビーズあるいは粉末状等に造粒するために混合されるグリセリン有機酸飽和脂肪酸エステル又は/及びソルビタン飽和脂肪酸エステルの混合割合は全量に対して1〜15重量%である。1重量%未満ではジグリセリン脂肪酸エステルの結着性を十分に抑えることができず、従ってハンドリング性の改善を十分に行うことができない。逆に15重量%を越えて混合してもジグリセリン脂肪酸エステルの結着性を低下する効果はさほど向上せず、またジグリセリン飽和脂肪酸エステルの含有率が低くなってジグリセリン脂肪酸エステルとしての利用価値が低くなる。
【0010】
本発明においてジグリセリン飽和脂肪酸エステルは、造粒化剤としてグリセリン有機酸飽和脂肪酸エステル又は/及びソルビタン飽和脂肪酸エステルを上記割合で混合されたあと加熱溶融され、噴霧冷却機や回転式滴下型造粒装置等の公知の造粒装置によって粉末状あるいはビーズ状に造粒される。
【0011】
こうして製造された粉末品、ビーズ品には、必要に応じて微粒二酸化ケイ素やコーンスターチ、粉糖、乳糖、デキストリン等の固結防止剤、その他の添加剤を粉体混合することができる。
【0012】
本発明によって粉末化、ビーズ化されたジグリセリン飽和脂肪酸エステルはハンドリング性がよく、飲料、油脂加工品、一般加工食品に対して供する際の取扱が容易となり、溶解性、分散性も向上したものとなる。
【0013】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、参考例1〜4、比較例1〜9)
ジグリセリンと飽和脂肪酸とを、240℃で3時間エステル化反応し、次いで分子蒸留機にてモノエステル含量を高めたものを得た。得られたジグリセリン飽和脂肪酸エステルは表1のとおりである。
【0014】
【表1】
【0015】
これらのジグリセリン飽和脂肪酸エステルに造粒化剤を表1に示す通りに混合溶融し、サンドビック社製の回転式滴下型造粒装置「ロートフォーマー」を用いて長径5mmサイズのビーズ化を試みた。この時のビーズ化の加工適性と、その後の60日間30℃に放置した場合の状態を評価した。その結果を表2、表3に示す。
【0016】
【表2】
【0017】
【0018】
【表3】
【0019】
◎…ベタつきがなく流動性の良好なビーズ
○…わずかにベタつくが流動性があるビーズ
△…一応ビーズだが、ベタつきがあり流動しにくい
×…一つ一つのビーズどうしがくっつき合い、大きなブロック状となっている。
【0020】
(実施6〜10、比較例11〜14)
ジグリセリンパルミテート(DP)に造粒化剤を表4に示す通りに混合溶融し、−10℃の雰囲気中に噴霧して冷却、粉末化を試みた。この時の粉末化の加工適性と、その後60日間30℃に放置した場合の状態を評価した。その結果を示す。尚、固結防止剤の配合は粉末化後の粉体混合によるものである。
【0021】
【表4】
【0022】
◎…さらさらの状態で非常に良好な粉末
○…良好な粉末
△…ブロック状になっているが、ほぐすと粉末状にもどる
×…かたいブロック状で、容易にほぐれない。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、常温で結着性の高いロウ状塊であるジグリセリン飽和脂肪酸エステルのモノエステル含有率を高い水準に保ったまま造粒化することができるため、飲料、油脂加工品、一般加工食品に対して供する際の取扱が容易となり、溶解性、分散性も向上し、しかもジグリセリン脂肪酸エステルとしての利用価値が高い製品を得ることができるようになる。
Claims (2)
- エステルを構成する脂肪酸が炭素数14〜22の飽和脂肪酸の1種又は2種以上の混合物であるジグリセリン脂肪酸エステルをビーズあるいは粉末状等に造粒するに際し、構成脂肪酸が炭素数12〜22の飽和脂肪酸であるグリセリン有機酸脂肪酸エステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルを配合する乳化剤の造粒方法において、
前記グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する有機酸が、ジアセチル酒石酸、コハク酸、クエン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、
かつ前記ジグリセリン脂肪酸エステルと、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル又は/及びソルビタン脂肪酸エステルの混合比率が85:15〜99:1であることを特徴とする乳化剤の造粒方法。 - ジグリセリン脂肪酸エステルのモノエステル含量が70重量%以上である請求項1記載の乳化剤の造粒方法。
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1997
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