JP4116202B2 - 箱型成形品の成形金型装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ用ミニディスク等に用いる箱型成形品の成形用金型装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の箱型成形品を成形する金型装置の１例を図１０〜１３に基づき説明する。
【０００３】
図において、２６は可動側インサートブロック、２７は固定側インサートブロック、２８、２９はスライドコア、３１は固定側取付板、３２はランナープレート、３３はストリッパプレート、３４は受板、３５、３６はエジェクタプレート、３７は可動側取付板、３８はスペーサブロック、３９はターンブロック、４０は成形品、４１はランナー、４２、４３はリブである。
【０００４】
従来、オーディオ用ミニディスク用の箱型ストッカーを成形する場合、箱型の内側のリブ４２は、図１０に示すように四面の壁で形成される箱の内側である空間部を固定側金型２７、可動側インサートブロック２６で成形し、リブ４２の両端部がテーパ状になっているため、リブの中間で突き合わせる割型を構成し、また、箱型の外側に形成したリブ４３はスライドコア２８、２９で成型し、スライドコア２８側は、可動側のインサートブロック２６により、図１２に示すスリット状の空間４４を成形し、箱型の内側にリブ４２を成形し、１面には壁の内側にリブ４２を有し、他面にはスリット状の空間４４を有するリブ４２からなる成形品４０を成形していた。この成形品４０の内側のリブ４２は、ミニディスクが収納されているカートリッジケースを、平行に対向している内側のリブ４２で支持し、カートリッジケースを箱型の中に数枚収納できるようにし、またスリット状の空間４４によりカートリッジケースを引き出し引き込みを行うレバーを挿入可能にしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の成形品では、固定側金型２７と可動側インサートブロック２６をリブの中間で突き合わせる割型で成形するため、箱型の内側のリブ４２の中間に割型によるラインが現れ、わずかな段差、バリが発生し、カートリッジケースを引き出し引き込みする際、引っ掛りが生じ、メカ全体の機能に障害を生ずる原因となっていた。すなわち、前記成形品の成形は、図１０に示すように、四面の壁に囲われた中間の空間部側を、固定側金型２７、可動側のインサートブロック２６で成形し、内側のリブ４２の両端はテーパ状になっているため、リブの中間で突き合わせる割型を構成し、また、箱型の外側のリブ４３はスライドコア２８、及び２９で成型し、そして、スライドコア２８側は、可動側のインサートブロック２６により、図１３に示すようにリブ４２間にスリット状の空間４４を成形している。この前記金型の成形品の離型動作は、図１２に示すように、スライドコア２８、スライドコア２９が、後退し、その後ストリッパプレート３３により成形品の端面を突き出し離型していた。しかし、スリット状の空間が形成されている面には、突き出し面がないため、図１３に示すように、ストリッパプレート３３による突き出し状態において、スリット状の空間の内側のリブ４２には型内に残ろうとする変形力が発生し、成形品は離型時、折れるか、また変形力により変形を生じていた。
【０００６】
本発明は、上記課題を解決するもので、カートリッジケースを支持する箱型成形品の内側のリブの成形時に割ラインが発生せず、また、スリット状の空間をもつ内側のリブを変形させることなく成形することができる成形品を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、上下壁と、対向配置される第１及び第２の側壁を有し、第１及び第２の側壁の内側に、上下壁に平行に第１及び第２の内側リブを対向してそれぞれ延設し、両側壁の外側に断面をフック形状に形成した外側リブを内側リブに対して垂直方向にそれぞれ延設し、第２の内側リブのリブ間の一部にスリット状空間を設けるとともに頂部に略Ｌ字状の凹溝部を有する補強部を設けた箱型成形品を成形するための成形金型装置であって、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第１の内側リブを成形するための第１の内側スライドインサートブロックと、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第２の内側リブを成形するための第２の内側スライドインサートブロックと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックのテーパ状摺動面にそれぞれ形成されたＴ型状の溝とそれぞれ嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサートと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックとカムインサートの摺動ガイド部を保持するスライドブロックと、第２の内側リブの凹溝部を成形するためのスライドインサートと、両側壁の外側の壁面とフック形状の外側リブを成形するインサートと、上下壁を成形するインサートを設け、離型の際に、カムインサートの後退により、第１及び第２の内側スライドインサートブロックが内方向に動作するように構成したものである。これにより、内側のリブには割ラインが発生せず、スリット状の間の内側リブを変形させることなく成形することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明は、上下壁と、対向配置される第１及び第２の側壁を有し、第１及び第２の側壁の内側に、上下壁に平行に第１及び第２の内側リブを対向してそれぞれ延設し、両側壁の外側に断面をフック形状に形成した外側リブを内側リブに対して垂直方向にそれぞれ延設し、第２の内側リブのリブ間の一部にスリット状空間を設けるとともに頂部に略Ｌ字状の凹溝部を有する補強部を設けた箱型成形品を成形するための成形金型装置であって、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第１の内側リブを成形するための第１の内側スライドインサートブロックと、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第２の内側リブを成形するための第２の内側スライドインサートブロックと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックのテーパ状摺動面にそれぞれ形成されたＴ型状の溝とそれぞれ嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサートと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックとカムインサートの摺動ガイド部を保持するスライドブロックと、第２の内側リブの凹溝部を成形するためのスライドインサートと、両側壁の外側の壁面とフック形状の外側リブを成形するインサートと、上下壁を成形するインサートを設け、離型の際に、カムインサートの後退により、第１及び第２の内側スライドインサートブロックが 内方向に動作するように構成されていることを特徴とする成形金型装置であり、箱型成形品の内側リブに割ラインが発生しない成形品を成形でき、かつ内側リブ及びスリット状空間を有する内側リブを変形させることなく成形することができる作用を有する。
［実施の形態］
図１〜図５は、本発明により成形される樹脂成形品としてＭＤ（ミニディスク）ストッカーを示す。このＭＤストッカーは、上部壁１と、下部壁２と、内側にＭＤカートリッジケースを支持する内側のリブ４を有する側壁３と、その壁に対向してスリット状の空間６ａを設けて形成された内側のリブ６を有する側壁３ａを有し、図５に示すように前記リブ６の付け根のＬ字状補強部の肉厚部に凹溝部７をリブ６に沿って形成し、平行に対向し形成された内側のリブ４と内側のリブ６により、ＭＤカートリッジケースを支持し箱型形状の中に収納可能にしている。また壁３、３ａの外側には、リブ４、６に直交する方向に形成したフック状のリブ５を設け、図２に示すａ方向の離型力に対して成形品の形状を保持出来るように構成している。すなわち、後述するインサートブロック９、１０をａ方向に離形すると、成形品の収縮力により離型抵抗が増大し、リブや壁部に変形が生ずるが、壁部の外側にリブ４、６に直交する方向に列設したフック状リブ５を設けることにより、フック状リブにより離型抵抗を受け、離型時における成形品の形状の変形を防止することができる。また、内側のリブ６の付け根の肉厚部に設けた凹溝部７をリブに沿って形成することにより、リブ５と同様にリブ６のｂ方向の離型力に対して成形品の形状を保持出来るように構成している。
【０００９】
図６〜図９は、図１〜図５のＭＤストッカーを成形するための金型とその離型動作を示す。図において、８はカムインサート、９、１０は内側スライドインサートブロック、１１はスライドインサート、１２はインサート、１３はスライドブロック、１４、１５はシリンダ、１６はインサート、１７は固定側取付板、１８はランナープレート、１９は固定プレート、２０は可動プレート、２１，２２はエジェクタプレート、２３は突出ピン、２４はスプルーブッシュ、２５はロッキングブロックである。この金型において、箱型のＭＤストッカーの内側のリブ４を成形するための内側スライドインサートブロック９と、スリット状の空間を設けて形成された内側リブ６を成形するための内側スライドインサートブロック１０と、内側スライドインサートブロック９、１０のテーパ状摺動面に設けたＴ型状の溝と嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサート８と、前記内側ライドインサートブロック９、１０とカムインサート８の摺動ガイド部を保持するスライドブロック１３と、内側のリブ６の付け根の肉厚部に凹溝部７を成形するためのスライドインサート１１と、箱型の外側の壁３、３ａと、壁３、３ａに内側リブ４、６と直交する方向に形成したフック状外側リブ５を成形するため可動側プレート２０に組み込まれたインサート１２と、上、下部壁１、２を成形するためインサート１６を組み込まれた固定側のプレート１９によってＭＤストッカーを成形する。各インサートを駆動させるシリンダとして、カムインサート８を駆動させるシリンダ１４と、スライドブロック１３を駆動させるシリンダ１５と、スライドインサート１１を駆動させるシリンダ１４から構成している。
【００１０】
本金型による、離型動作を図８、図９の状態図を用いて説明する。１段目の動作として、シリンダ１４によりカムインサート８を後退させ、その動作によりＴ型状に嵌合したテーパ面のレールと内方向に動作するようにガイドされている内側スライドインサートブロック９、１０を内方向へ動作し、内側のリブ４、６を離型する。その際外側のフック状外側リブ５がインサート１２により形成されているため、内側スライドインサートブロック９、１０の離型時に成形品の収納によって生ずるリブや壁部の内側への変形を外側リブ５によって支え、離型時における成形品の形状の変形を防止する。また、スリット状の空間に延出して設けた内側リブ６の離型時には、リブに設けた凹溝部７がスライドインサート１１により形成されているため、離型時に生ずるリブ６の変形を防止する。２段目の動作として、箱型の空間の中から、内側スライドインサートブロック９、１０を抜くため、シリンダ１５を後退させ離型する。また、スリット状の空間に間に形成された内側リブ６に沿って形成された凹溝部７を離型するため、シリンダ１４を後退させ離型する。その状態が図９の状態である。この状態において図７に示す突き出しピン２３によりインサート１２より離型する。
【００１１】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、箱型成形品の両側壁の外側に内側リブに対して直交する方向にフック形状の外側リブを、さらにスリット状の空間を有する内側リブに沿って凹溝部を形成するように前記装置構成としたので、離型時における内側リブや壁面の変形、折れを防ぎ、内側リブに割ラインのない、スリット状の空間をもつＭＤストッカーを得ることができ、ＭＤカートリッジケースのスムーズな挿入引き出しを可能にするＭＤストッカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明により成形されるＭＤストッカーの全体概要図である。
【図２】 本発明により成形されるＭＤストッカーの平面断面図である。
【図３】 本発明により成形されるＭＤストッカーの側面図である。
【図４】 本発明により成形されるＭＤストッカーの内側リブの部分拡大側面図である。
【図５】 本発明により成形されるＭＤストッカーの内側リブの部分拡大図である。
【図６】 本発明の成形金型の可動側平面組図である。
【図７】 本発明の成形金型の側面断面図である。
【図８】 本発明の成形金型の可動側平面組図（動作状態図）である。
【図９】 本発明の成形金型の可動側平面組図（動作状態図）である。
【図１０】 従来の成形金型の側面断面図である。
【図１１】 従来の成形金型の部分可動側平面図である。
【図１２】 従来の成形金型の可動側側面断面図（突出し状態）である。
【図１３】 従来の成形金型の可動側部分側面断面図（突出し状態）である。
【符号の説明】
１ 上部壁
２ 下部壁
３ 側壁
３ａ 側壁
４ 内側リブ
５ フック状外側リブ
６ 内側リブ
６ａ スリット状空間
７ 凹溝部
８ カムインサート
９ 内側スライドインサートブロック
１０ 内側スライドインサートブロック
１１ スライドインサート
１２ インサート
１３ スライドブロック
１４ シリンダ
１５ シリンダ
１６ インサート
１７ 固定側取付板
１８ ランナープレート
１９ 固定プレート
２０ 可動プレート
２１ エジェクタプレート１
２２ エジェクタプレート２
２３ 突出ピン
２４ スプルーブッシュ
２５ ロッキングブロック
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ用ミニディスク等に用いる箱型成形品の成形用金型装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の箱型成形品を成形する金型装置の１例を図１０〜１３に基づき説明する。
【０００３】
図において、２６は可動側インサートブロック、２７は固定側インサートブロック、２８、２９はスライドコア、３１は固定側取付板、３２はランナープレート、３３はストリッパプレート、３４は受板、３５、３６はエジェクタプレート、３７は可動側取付板、３８はスペーサブロック、３９はターンブロック、４０は成形品、４１はランナー、４２、４３はリブである。
【０００４】
従来、オーディオ用ミニディスク用の箱型ストッカーを成形する場合、箱型の内側のリブ４２は、図１０に示すように四面の壁で形成される箱の内側である空間部を固定側金型２７、可動側インサートブロック２６で成形し、リブ４２の両端部がテーパ状になっているため、リブの中間で突き合わせる割型を構成し、また、箱型の外側に形成したリブ４３はスライドコア２８、２９で成型し、スライドコア２８側は、可動側のインサートブロック２６により、図１２に示すスリット状の空間４４を成形し、箱型の内側にリブ４２を成形し、１面には壁の内側にリブ４２を有し、他面にはスリット状の空間４４を有するリブ４２からなる成形品４０を成形していた。この成形品４０の内側のリブ４２は、ミニディスクが収納されているカートリッジケースを、平行に対向している内側のリブ４２で支持し、カートリッジケースを箱型の中に数枚収納できるようにし、またスリット状の空間４４によりカートリッジケースを引き出し引き込みを行うレバーを挿入可能にしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の成形品では、固定側金型２７と可動側インサートブロック２６をリブの中間で突き合わせる割型で成形するため、箱型の内側のリブ４２の中間に割型によるラインが現れ、わずかな段差、バリが発生し、カートリッジケースを引き出し引き込みする際、引っ掛りが生じ、メカ全体の機能に障害を生ずる原因となっていた。すなわち、前記成形品の成形は、図１０に示すように、四面の壁に囲われた中間の空間部側を、固定側金型２７、可動側のインサートブロック２６で成形し、内側のリブ４２の両端はテーパ状になっているため、リブの中間で突き合わせる割型を構成し、また、箱型の外側のリブ４３はスライドコア２８、及び２９で成型し、そして、スライドコア２８側は、可動側のインサートブロック２６により、図１３に示すようにリブ４２間にスリット状の空間４４を成形している。この前記金型の成形品の離型動作は、図１２に示すように、スライドコア２８、スライドコア２９が、後退し、その後ストリッパプレート３３により成形品の端面を突き出し離型していた。しかし、スリット状の空間が形成されている面には、突き出し面がないため、図１３に示すように、ストリッパプレート３３による突き出し状態において、スリット状の空間の内側のリブ４２には型内に残ろうとする変形力が発生し、成形品は離型時、折れるか、また変形力により変形を生じていた。
【０００６】
本発明は、上記課題を解決するもので、カートリッジケースを支持する箱型成形品の内側のリブの成形時に割ラインが発生せず、また、スリット状の空間をもつ内側のリブを変形させることなく成形することができる成形品を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、上下壁と、対向配置される第１及び第２の側壁を有し、第１及び第２の側壁の内側に、上下壁に平行に第１及び第２の内側リブを対向してそれぞれ延設し、両側壁の外側に断面をフック形状に形成した外側リブを内側リブに対して垂直方向にそれぞれ延設し、第２の内側リブのリブ間の一部にスリット状空間を設けるとともに頂部に略Ｌ字状の凹溝部を有する補強部を設けた箱型成形品を成形するための成形金型装置であって、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第１の内側リブを成形するための第１の内側スライドインサートブロックと、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第２の内側リブを成形するための第２の内側スライドインサートブロックと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックのテーパ状摺動面にそれぞれ形成されたＴ型状の溝とそれぞれ嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサートと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックとカムインサートの摺動ガイド部を保持するスライドブロックと、第２の内側リブの凹溝部を成形するためのスライドインサートと、両側壁の外側の壁面とフック形状の外側リブを成形するインサートと、上下壁を成形するインサートを設け、離型の際に、カムインサートの後退により、第１及び第２の内側スライドインサートブロックが内方向に動作するように構成したものである。これにより、内側のリブには割ラインが発生せず、スリット状の間の内側リブを変形させることなく成形することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明は、上下壁と、対向配置される第１及び第２の側壁を有し、第１及び第２の側壁の内側に、上下壁に平行に第１及び第２の内側リブを対向してそれぞれ延設し、両側壁の外側に断面をフック形状に形成した外側リブを内側リブに対して垂直方向にそれぞれ延設し、第２の内側リブのリブ間の一部にスリット状空間を設けるとともに頂部に略Ｌ字状の凹溝部を有する補強部を設けた箱型成形品を成形するための成形金型装置であって、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第１の内側リブを成形するための第１の内側スライドインサートブロックと、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第２の内側リブを成形するための第２の内側スライドインサートブロックと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックのテーパ状摺動面にそれぞれ形成されたＴ型状の溝とそれぞれ嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサートと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックとカムインサートの摺動ガイド部を保持するスライドブロックと、第２の内側リブの凹溝部を成形するためのスライドインサートと、両側壁の外側の壁面とフック形状の外側リブを成形するインサートと、上下壁を成形するインサートを設け、離型の際に、カムインサートの後退により、第１及び第２の内側スライドインサートブロックが 内方向に動作するように構成されていることを特徴とする成形金型装置であり、箱型成形品の内側リブに割ラインが発生しない成形品を成形でき、かつ内側リブ及びスリット状空間を有する内側リブを変形させることなく成形することができる作用を有する。
［実施の形態］
図１〜図５は、本発明により成形される樹脂成形品としてＭＤ（ミニディスク）ストッカーを示す。このＭＤストッカーは、上部壁１と、下部壁２と、内側にＭＤカートリッジケースを支持する内側のリブ４を有する側壁３と、その壁に対向してスリット状の空間６ａを設けて形成された内側のリブ６を有する側壁３ａを有し、図５に示すように前記リブ６の付け根のＬ字状補強部の肉厚部に凹溝部７をリブ６に沿って形成し、平行に対向し形成された内側のリブ４と内側のリブ６により、ＭＤカートリッジケースを支持し箱型形状の中に収納可能にしている。また壁３、３ａの外側には、リブ４、６に直交する方向に形成したフック状のリブ５を設け、図２に示すａ方向の離型力に対して成形品の形状を保持出来るように構成している。すなわち、後述するインサートブロック９、１０をａ方向に離形すると、成形品の収縮力により離型抵抗が増大し、リブや壁部に変形が生ずるが、壁部の外側にリブ４、６に直交する方向に列設したフック状リブ５を設けることにより、フック状リブにより離型抵抗を受け、離型時における成形品の形状の変形を防止することができる。また、内側のリブ６の付け根の肉厚部に設けた凹溝部７をリブに沿って形成することにより、リブ５と同様にリブ６のｂ方向の離型力に対して成形品の形状を保持出来るように構成している。
【０００９】
図６〜図９は、図１〜図５のＭＤストッカーを成形するための金型とその離型動作を示す。図において、８はカムインサート、９、１０は内側スライドインサートブロック、１１はスライドインサート、１２はインサート、１３はスライドブロック、１４、１５はシリンダ、１６はインサート、１７は固定側取付板、１８はランナープレート、１９は固定プレート、２０は可動プレート、２１，２２はエジェクタプレート、２３は突出ピン、２４はスプルーブッシュ、２５はロッキングブロックである。この金型において、箱型のＭＤストッカーの内側のリブ４を成形するための内側スライドインサートブロック９と、スリット状の空間を設けて形成された内側リブ６を成形するための内側スライドインサートブロック１０と、内側スライドインサートブロック９、１０のテーパ状摺動面に設けたＴ型状の溝と嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサート８と、前記内側ライドインサートブロック９、１０とカムインサート８の摺動ガイド部を保持するスライドブロック１３と、内側のリブ６の付け根の肉厚部に凹溝部７を成形するためのスライドインサート１１と、箱型の外側の壁３、３ａと、壁３、３ａに内側リブ４、６と直交する方向に形成したフック状外側リブ５を成形するため可動側プレート２０に組み込まれたインサート１２と、上、下部壁１、２を成形するためインサート１６を組み込まれた固定側のプレート１９によってＭＤストッカーを成形する。各インサートを駆動させるシリンダとして、カムインサート８を駆動させるシリンダ１４と、スライドブロック１３を駆動させるシリンダ１５と、スライドインサート１１を駆動させるシリンダ１４から構成している。
【００１０】
本金型による、離型動作を図８、図９の状態図を用いて説明する。１段目の動作として、シリンダ１４によりカムインサート８を後退させ、その動作によりＴ型状に嵌合したテーパ面のレールと内方向に動作するようにガイドされている内側スライドインサートブロック９、１０を内方向へ動作し、内側のリブ４、６を離型する。その際外側のフック状外側リブ５がインサート１２により形成されているため、内側スライドインサートブロック９、１０の離型時に成形品の収納によって生ずるリブや壁部の内側への変形を外側リブ５によって支え、離型時における成形品の形状の変形を防止する。また、スリット状の空間に延出して設けた内側リブ６の離型時には、リブに設けた凹溝部７がスライドインサート１１により形成されているため、離型時に生ずるリブ６の変形を防止する。２段目の動作として、箱型の空間の中から、内側スライドインサートブロック９、１０を抜くため、シリンダ１５を後退させ離型する。また、スリット状の空間に間に形成された内側リブ６に沿って形成された凹溝部７を離型するため、シリンダ１４を後退させ離型する。その状態が図９の状態である。この状態において図７に示す突き出しピン２３によりインサート１２より離型する。
【００１１】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、箱型成形品の両側壁の外側に内側リブに対して直交する方向にフック形状の外側リブを、さらにスリット状の空間を有する内側リブに沿って凹溝部を形成するように前記装置構成としたので、離型時における内側リブや壁面の変形、折れを防ぎ、内側リブに割ラインのない、スリット状の空間をもつＭＤストッカーを得ることができ、ＭＤカートリッジケースのスムーズな挿入引き出しを可能にするＭＤストッカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明により成形されるＭＤストッカーの全体概要図である。
【図２】 本発明により成形されるＭＤストッカーの平面断面図である。
【図３】 本発明により成形されるＭＤストッカーの側面図である。
【図４】 本発明により成形されるＭＤストッカーの内側リブの部分拡大側面図である。
【図５】 本発明により成形されるＭＤストッカーの内側リブの部分拡大図である。
【図６】 本発明の成形金型の可動側平面組図である。
【図７】 本発明の成形金型の側面断面図である。
【図８】 本発明の成形金型の可動側平面組図（動作状態図）である。
【図９】 本発明の成形金型の可動側平面組図（動作状態図）である。
【図１０】 従来の成形金型の側面断面図である。
【図１１】 従来の成形金型の部分可動側平面図である。
【図１２】 従来の成形金型の可動側側面断面図（突出し状態）である。
【図１３】 従来の成形金型の可動側部分側面断面図（突出し状態）である。
【符号の説明】
１ 上部壁
２ 下部壁
３ 側壁
３ａ 側壁
４ 内側リブ
５ フック状外側リブ
６ 内側リブ
６ａ スリット状空間
７ 凹溝部
８ カムインサート
９ 内側スライドインサートブロック
１０ 内側スライドインサートブロック
１１ スライドインサート
１２ インサート
１３ スライドブロック
１４ シリンダ
１５ シリンダ
１６ インサート
１７ 固定側取付板
１８ ランナープレート
１９ 固定プレート
２０ 可動プレート
２１ エジェクタプレート１
２２ エジェクタプレート２
２３ 突出ピン
２４ スプルーブッシュ
２５ ロッキングブロック
Claims (1)
- 上下壁と、対向配置される第１及び第２の側壁を有し、第１及び第２の側壁の内側に、上下壁に平行に第１及び第２の内側リブを対向してそれぞれ延設し、両側壁の外側に断面をフック形状に形成した外側リブを内側リブに対して垂直方向にそれぞれ延設し、第２の内側リブのリブ間の一部にスリット状空間を設けるとともに頂部に略Ｌ字状の凹溝部を有する補強部を設けた箱型成形品を成形するための成形金型装置であって、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第１の内側リブを成形するための第１の内側スライドインサートブロックと、Ｔ字状の溝が形成されたテーパ状摺動面を有し、第２の内側リブを成形するための第２の内側スライドインサートブロックと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックのテーパ状摺動面にそれぞれ形成されたＴ型状の溝とそれぞれ嵌合するＴ型状のレールを有するカムインサートと、第１及び第２の内側スライドインサートブロックとカムインサートの摺動ガイド部を保持するスライドブロックと、第２の内側リブの凹溝部を成形するためのスライドインサートと、両側壁の外側の壁面とフック形状の外側リブを成形するインサートと、上下壁を成形するインサートを設け、離型の際に、カムインサートの後退により、第１及び第２の内側スライドインサートブロックが内方向に動作するように構成されていることを特徴とする成形金型装置。
Priority Applications (1)
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| JP24550599A JP4116202B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 箱型成形品の成形金型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP24550599A JP4116202B2 (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | 箱型成形品の成形金型装置 |
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Family Applications (1)
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-
1999
- 1999-08-31 JP JP24550599A patent/JP4116202B2/ja not_active Expired - Fee Related
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