JP4115719B2 - 不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素の存在下で不飽和アルデヒドとアルコールを反応させて不飽和カルボン酸エステルを製造する方法に関し、高い不飽和カルボン酸エステル生産速度と高い不飽和アルデヒド転化率を安定して維持し、反応器の損傷や触媒の発火の危険性を排除した不飽和カルボン酸エステルの製造方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
工業的に有用なメタクリル酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する方法として、メタクロレイン又はアクロレインをメタノールと反応させて直接、メタクリル酸メチル又はアクリル酸メチルを製造する酸化エステル化法が提案されている。この製法ではメタクロレイン又はアクロレインをメタノール中で分子状酸素と反応させることによって行われ、パラジウムと鉛、ビスマス、タリウム、水銀を含む触媒を用いた例が、特公昭57−35856〜35861号各公報に、また、パラジウムとこれら金属との金属間化合物を触媒とする例が、特公昭62−7902号公報に開示されている。
【0003】
また、特開平9−216850号公報他には、パラジウムとビスマスを用いた触媒が、特開2001−220367にはルテニウムと鉛を用いた触媒が例示されている。
これらの開示例に示される触媒は全て、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナなどの担体に担持された固体触媒であり、反応は、これらの固体触媒をアルコールと不飽和アルデヒドの溶液中に分散させて(以下、場合により触媒スラリーと略記する)酸素を含むガスを吹き込んで行われるのが一般的であり、本件発明者らも気泡塔反応器を用いてメタクロレインとメタノールからメタクリル酸メチルを製造する実験を長期にわたり連続的に行っていた。
【0004】
さて、実際の工業プロセスでは、定期的な点検修理、機器類や触媒などの交換などの理由で運転を休止する機会や、その後再スタートをかける機会が必ず発生する。
長期連続運転を行っていた本発明者らも、目的を達成した後、運転を休止した際、触媒スラリーを抜き出し、反応器内を洗浄し、反応器の中を点検して、損傷や腐食などの壁面の異常、接続部パッキングの劣化などを点検した。
【0005】
まず、反応器から触媒スラリーを抜き出した。反応器の底面、温度計のさや管や添加物投入管の上面などにも触媒が若干残っていたが、抜き出したスラリーの処理に追われて、残留触媒の処理が後回しになってしまった。
そこで、念のため、この反応器内に滞留していた触媒の性能を評価したところ、触媒スラリーとして常時循環していた触媒と比較して、不飽和アルデヒド転化率、不飽和カルボン酸エステル選択性ともに大幅に低下しており、触媒が化学的に変化している危険性が考えられた。
【0006】
さらに、反応器内を詳細に点検したところ、触媒の一部が反応器器壁に固着していた。このことから、固着触媒塊とスラリーとの摩擦による触媒の磨耗、脱離した固着触媒塊による反応器器壁の磨耗、磨耗個所からのエロージョン−コロージョン腐食、スラリー中を激しく流動する固着触媒塊と器壁などとの衝突による損壊、損壊触媒塊による反応性の低下など、固着触媒塊に起因するさまざまなトラブルが想定された。これらはどれ一つとっても、工業プラントにとっては極めて危険な状況をもたらしかねない重大なトラブルである。
【0007】
また、固着していた触媒をこそぎ落として分析しようとしたところ、極めて危険なことに、非常な発熱を伴うことがわかり、実験担当者の機転ですぐに水中に投入し事無きを得た。さらに、活性炭を担体として用いた実験では、触媒自体が赤熱発火してしまった場合もあり、この事実は、大量の可燃物を取り扱う実際の工業プロセスでは、大規模な爆発や火災につながりかねない極めて重篤な非常事態であり、なによりもまず安全が優先される化学プラントの実用化にとっては、致命的な障害である。
【0008】
このように、運転休止や何らかの理由で触媒を抜き出す際に、反応器内に触媒が残留することは、触媒の不可逆的な劣化をもたらすのみならず、化学プラントにとっては生命線とも言える爆発火災に対する安全性を著しく損ない、極めて危険なトラブルをもたらすことが判明した。また、触媒が残留する原因としては、反応器の底面、温度計のさや管や添加物投入管の上平面などに滞留するだけでなく、反応器の凹凸部における触媒の固着も深刻で、この固着触媒は、爆発火災などの直接的な着火源になる危険性をはらむのみならず、反応器の腐食や磨耗などの原因にもなり得て、日頃気付かないうちに徐々に損傷が進行し、あるとき、突然反応器が損壊するという致命的な危険をもはらむことがわかり、それらの安全面の解決無くしては、プロセスの工業化は絶対に有り得ないことも判った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、プロセスの安全を確保して、触媒の劣化を防ぎ、長期にわたり安定して、連続的に不飽和カルボン酸エステルの製造を行うことのできる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、最優先で本課題の解決にあたった。
まず、触媒を反応器内に残留させないことが重要であり、できるだけ全量抜き出すこと、少なくともある割合以上はかならず抜き出すことで、触媒の劣化を防止し、安全を確保し得ることを見出し、本件発明の端緒とした。
さらに、触媒を抜き出す際に洗浄して残留する触媒を可及的少量に抑えること、洗浄に、反応液や原料である不飽和アルデヒドやアルコールなどを用いることで、その後、該抜き出し触媒を繰り返し使用しても、安定して反応成績を得られることを確認して本件発明をさらに発展させた。
【0011】
そして、反応器内に触媒が固着しないような処理を施すことで、プラントの安全を脅かす触媒の固着も防ぐことができ、これらの知見を総合して本件発明を完成させた。
すなわち、本件発明は、
1.気泡塔本体とコンデンサ−接続部の溶接部分を研磨した反応器を用いて、酸素の存在下で不飽和アルデヒドとアルコールを触媒と反応させて不飽和カルボン酸エステルを製造した後、不活性ガスを吹き込み、触媒スラリーの流動は維持したまま、触媒スラリーを反応器下部から自然落下させ、反応器内に残留していた触媒は反応液、触媒スラリー、アルコールまたは水の少なくとも一つで洗浄する触媒の抜き出し方法に係る。
2.該触媒がパラジウムおよび/またはルテニウムとX(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を示す)を含む触媒であることを特徴とする上記1記載の触媒の抜き出し方法に係る。
3.不飽和アルデヒドがアクロレイン又はメタクロレインで、アルコールがメタノールである上記1または2記載の触媒の抜き出し方法に係る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する不飽和アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドなどの脂肪族不飽和アルデヒド並びにこれらアルデヒドの誘導体などがあげられ、アクロレインとメタクロレインは好ましく用いられる。これらの不飽和アルデヒドは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いることができる。
【0015】
特に、イソブチレン、プロピレンから触媒存在下酸素で部分酸化されて製造されるアクロレインとメタクロレインはさらに好ましく用いられる。
本発明において使用するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノールなどの脂肪族飽和アルコール;エチレングリコール、ブタンジオールなどのジオール;アリルアルコール、メタリルアルコールなどの脂肪族不飽和アルコール;ベンジルアルコールなどの芳香族アルコールなどがあげられる。特にメチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールが反応が速やかで好ましい。これらのアルコールは単独もしくは任意の二種以上の混合物として用いることができる。
【0016】
本発明反応における不飽和アルデヒドとアルコールとの使用量比には特に限定はなく例えば不飽和アルデヒド/アルコールのモル比で10〜1/1000のような広い範囲で実施できるが、一般には不飽和アルデヒドの量が少ない方が好ましく、1/2〜1/50の範囲にするのが好ましい。
本発明で使用する酸素は分子状酸素、すなわち酸素ガス自体又は酸素ガスを反応に不活性な希釈剤、例えば窒素、炭酸ガスなどで希釈した混合ガスの形とすることができ、空気を用いることもできる。反応系に存在させる酸素の量は、反応に必要な化学量論量以上、好ましくは化学量論量の1.2倍以上あれば充分である。
【0017】
反応の全圧は減圧から加圧下の任意の広い圧力範囲で実施することができるが、通常は1〜20kg/cm2の圧力で実施される。反応系に供給する酸素の分圧は、反応器出口側の酸素分圧が0.8kg/cm2以下となるように管理するのが好ましく、より好ましくは0.4kg/cm2以下である。一方、反応器流出ガスの酸素濃度が爆発範囲(8%)を越えないように全圧を設定するとよい。
本発明反応は、気相反応、液相反応、潅液反応などの任意の従来公知の方法で実施できる。反応器形式も固定床式、流動床式、撹拌槽式などの従来公知の任意の形式によることができる。例えば液相で実施する際には気泡塔反応器、ドラフトチューブ型反応器、撹拌槽反応器などの任意の反応器形式によることができる。
【0018】
反応は、無溶媒でも実施できるが、反応成分に対して不活性な溶媒、例えば、ヘキサン、デカン、ベンゼン、ジオキサンなどを用いて実施することができる。
触媒の抜き出しは、反応器下部から自然落下させる方法、フィルター分離器、遠心分離器、沈降分離器などの触媒分離器で分離した触媒を反応器へ戻さずに回収する方法、ガスや化合物の蒸気と共に飛散させてサイクロンなどで回収する方法など、既知のいかなる方法も採用可能であるが、たとえば、液相で気泡塔反応器で反応を行っている場合は、ガスを吹き込みながら触媒スラリーを流動させたまま、触媒スラリーごと反応器下部から自然落下で抜く方法や、沈降分離装置やフィルター分離装置から抜く方法が好ましい。
【0019】
触媒を抜き出す際に反応器内に滞留することが許される量は、反応に投入した重量に対して3重量%、好ましくは1重量%、さらに好ましくは0.3重量%以下である。3重量%以上反応器に触媒が残ると、触媒が劣化してしまい、再スタートをかけても所定の反応成績を得ることが困難である。
さらに3重量%以上大量の触媒が滞留あるいは固着すると、一旦なにかのきっかけで発熱した際に、固着触媒塊の中に熱が蓄積してさらなる反応を誘発し、従来技術のところで述べたような赤熱現象に結び付く危険性が高く、プラントの安全上このような事態は絶対に避けなければならない。
【0020】
抜き出した触媒の保存方法については、アルコール、不飽和アルデヒド、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸などの可燃物を含むため、プラントの安全を確実に確保するためにも、燃焼の3要素である、可燃物、酸素、着火源のいずれかを避けて保存することが安全上必須である。
従って、保存には実質的に酸素に触れない条件(たとえば窒素中や二酸化炭素中)あるいは実質的に着火源が無い状態(たとえば反応液やアルコール中、水中)で保存する方法が好ましく例示される。可燃物を避けることは他の二つを避ける方法と比較すれば簡便とはいえないが、触媒スラリーを一旦水溶性アルコールなどで充分洗浄して、その後、水で充分洗浄する方法なども可能である。
【0021】
反応器を洗浄することも、排出を確実にする方法として本件発明では重要で、反応器外部からポンプなどで、反応液、触媒スラリー、アルコールまたは水の少なくとも一つを送液して、反応器内を洗浄する方法、窒素や二酸化炭素などの不活性ガスや水蒸気で吹き飛ばす方法、ふき取り、はき取り、ハンマリングなど既知の洗浄方法が採用可能である。しかしながら、反応系に含まれない物質を混入させない、触媒を激しい流動や衝突による破壊から守る、などの理由から、反応液、触媒スラリー、アルコールまたは水の少なくとも一つで洗浄する方法が好ましく、たとえば、先に例示した触媒スラリーを流動させたまま抜き出す方法は、触媒スラリーで洗浄しながら触媒を排出する一手段として、好ましく例示される。
反応器内を触媒が付着しないようにすることは、本発明の重要な要件の一つである。
【0022】
本発明の方法で触媒が付着しないようにする対象となる面は、各反応器、各反応器を接続する配管及び触媒スラリーを触媒分離装置へ導く配管などを示すことは勿論のこと、上記反応器や配管に接続された流量計、温度計、圧力計等も含まれる。
さらに、上記の触媒が付着しないようにする対象となる面には、触媒スラリーの流動により濡れたり乾いたりする反応器器壁の液相部と気相部の境界部分、流動するスラリーや回転する攪拌装置などから飛沫として飛んだスラリーが接触する可能性のある反応器内壁上面や上部側面、攪拌軸、攪拌翼面、蒸発したアルコールやアルデヒドなどと一緒に飛沫同伴してくるスラリーが触れるコンデンサーなども含まれる。
【0023】
触媒が付着あるいは滞留しないようにする方法としては、触媒が滞留しにくい構造とする、付着の起因となる細部への触媒の滞留を誘引する凹凸を無くする、触媒に対して不活性な表面処理をする(たとえば、表面をガラスコーティング(GL)やフッ素コーティングする(FL))、洗浄用の液体を反応器上部から壁面に沿って下方へ常時流す、静電気を防止する、などのさまざまな方法を取ることができる。
これらの方法のうち、どれが好ましいかは反応器の細部の構造や機能によるため一義的には決められない。
反応器を触媒が滞留しにくい構造とするのは、例えば、水平部分の面積を小さくする、排出口に向けて多少傾斜を持たせる、液だまりができないようにする、温度計や圧力計などの測定機器類のさや管、添加物投入管など突起物は必要最小限にする等の方法が挙げられる。
【0024】
触媒に対して不活性な表面処理をする方法としては、一般的には、ガラスコーティングやフッ素コーティングが想定されるが、コストが高く、ガラスの損壊やフッ素樹脂の剥離も懸念されるため、反応器内の触媒スラリーが激しく流動している部分には使い難い。たとえば、蒸発してきた有機化合物やそれに伴って飛沫同伴してきた触媒を凝縮させるコンデンサーなどの表面加工には採用できる。
凹凸を無くする方法は、反応器内の表面加工など面積の大きな個所の加工に対して、簡便で安価である。このような平滑性を施す方法としては、JIS H 0400−1961に規定されているバフ研磨等の機械研磨、又は「金属表面技術便覧」(改定新版 p113,120金属表面技術協会編、日刊工業新聞社)に記載されている化学研磨、又は電解研磨等が好ましい。
【0025】
反応器の液相部と気相部の境界部分や攪拌軸などは、触媒スラリーが常時触れる一方で乾燥もし易く、いわゆる濡れ乾きによる固着が発生し易い。このような個所では、たとえば、反応器上部より洗浄の液体を常時流す方法が有効であり、反応器内壁上方の温度の低い部分で凝縮したアルコールなどが流下するのを利用することもできる。
静電気を除電する方法は、これらGL、FL、表面平滑化などと組合わせて行うことで一層固着防止効果が上がるものである。
静電気防止は、静電気によるスパーク着火を防ぐ安全上の目的からも好ましい。
【0026】
滞留したり固着してしまった触媒において、不飽和アルデヒド転化率、不飽和カルボン酸エステル選択性ともに大幅に低下した理由は明らかではないが、不飽和アルデヒドとしてメタクロレインを用いた実験では、滞留した触媒を分析したところ、触媒中にポリマー様の物質が認められ、分析の結果カルボニル基に由来する赤外吸収が認められたため、このポリマー様の物質はメタクロレイン、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどが重合したものと推定された。したがって、触媒の表面をポリマーが覆って不活性化してしまったと想定している。
【0027】
本発明に用いる触媒はパラジウムおよび/またはルテニウムと、X(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属)を含むことが必須である。パラジウムおよび/またはルテニウムとXが合金、金属間化合物を形成しても良い。
また、異種元素としてFe、Te、Ni、Cr、Co、C d、In、Ta、Cu、Zn、Zr、Hf、W、Mn、 Ag、Re、Sb、Sn、Rh、Ru、Ir、Pt、Au、Ti、Al、B、Si、Ge、Se、Ta等を含んでもよい。これらの異種元素は通常、5重量%、好ましくは1重量%を超えない範囲で含むことができる。
【0028】
さらにはアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも一員を含むものは反応活性が高くなるなどの利点がある。アルカリ金属、アルカリ土類金属は通常0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲から選ばれる。
これらの異種元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属化合物などは結晶格子間に少量、侵入したり、結晶格子金属の一部と置換していてもよい。また、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属化合物は、触媒調製時にパラジウム化合物、ルテニウム化合物、あるいはXの化合物を含む溶液に加えておき担体に吸着あるいは付着させてもよいし、あらかじめこれらを担持した担体を利用して触媒を調製することもできる。また、反応条件下に反応系に添加することも可能である。
【0029】
これらの触媒構成要素は単独にあるいはシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタン、炭酸塩、水酸化物、活性炭、ジルコニアなどの担体に担持されたものがよい。
本発明におけるパラジウムおよび/またはルテニウム担持触媒の担持量は、特に限定はないが、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%であり、アルカリ金属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物を使用する場合、担持量は、通常、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜15重量%である。
【0030】
本発明の触媒は公知の調製方法で準備することができる。代表的な触媒調製方法について説明すれば、たとえば、可溶性の鉛化合物および塩化パラジウムなどの可溶性のパラジウム塩を含む水溶液に担体を加えて加温含浸させ、パラジウム、鉛を含浸する。ついでホルマリン、ギ酸、ヒドラジンあるいは水素ガスなどで還元する。この例で示すならば、パラジウムを担持する前に鉛を担持してもよいし、パラジウムと鉛を同時に担持してもよい。
【0031】
触媒調製のために用いられるパラジウム化合物及びルテニウム化合物は、例えば蟻酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩のごとき無機酸塩、アンミン錯体、ベンゾニトリル錯体、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体などの有機金属錯体、酸化物、水酸化物などのなかから適宜選ばれるが、パラジウム化合物としては塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどが、ルテニウム化合物としては塩化ルテニウムなどが好ましい。
【0032】
Xの化合物としては硝酸塩、酢酸塩などの無機塩、ホスフィン錯体など有機金属錯体を用いることができ、硝酸塩、酢酸塩などが好適である。
またアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物についても有機酸塩、無機酸塩、水酸化物などから選ばれる。
触媒の使用量は、反応原料の種類、触媒の組成や調製法、反応条件、反応形式などによって大巾に変更することができ、特に限定はないが、触媒をスラリー状態で反応させる場合には反応液1リットル中に0.04〜0.5kg使用するのが好ましい。
【0033】
本発明の反応は、反応系にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物(例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩など)を添加して反応系のpHを6〜9に保持することが好ましい。特にpHを6以上にすることで触媒中のX成分の溶解を防ぐ効果がある。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の化合物は単独もしくは二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明反応は、100℃以上の高温でも実施できるが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるので一義的には決められないが 通常1〜20時間である。
【0034】
以下、実施例をもって本発明の実施の形態を具体的に説明する。
担体として富士シリシア社製のシリカゲル(キャリアクト10 商品名 平均粒子径 50μm)にパラジウム5重量%、鉛5重量%、マグネシウム4重量%を担持した触媒3750gを、液相部が30リットルのステンレス製外部循環型気泡塔反応器に仕込み、34重量%のメタクロレイン/メタノールを13.5リットル/h、NaOH/メタノールを1.5リットル/hで供給し、温度80℃、圧力5.0kg/cm2で空気を供給しながら反応を行った。
【0035】
反応液のpHが7.1となるようにNaOH濃度調製し、また、供給原料液中の鉛濃度が20ppmとなるように酢酸鉛をメタクロレイン/メタノールに溶かして連続的に供給した。
一方、反応器出口酸素濃度は、4モル%(酸素分圧0.20kg/cm2)となるように空気量を調整しながら反応器に空気を供給した。反応器の概略図を図1に示す。反応器には接地を取った。
【0036】
滞留あるいは固着していた触媒と本件発明に従って適切に排出し触媒の反応成績の評価は、以下のように行った。
電磁誘導撹拌器付き60mlのステンレス製オートクレーブに触媒4.0g、原料として、メタクロレイン濃度が20重量%のメタノールを30ml加え、滞留時間3時間となる様にメタクロレイン濃度20重量%のメタノールを連続的に供給し、温度80℃、圧力4kg/cm2、回転数1000rpm(撹拌チップ速度:1.2m/s)、pH7となるようにNaOH/メタノール溶液を、出口酸素濃度8%となる様に、空気および窒素を供給し、連続反応を約200時間行った。
【0037】
不飽和アルデヒド転化率(モル%)、不飽和カルボン酸エステル選択率(モル%)は以下のように評価した。
反応液ならびに反応器出口ガスの分析は、通常のガスクロマトグラム法にて、島津製作所製GC−8A型機に化学品検査協会製G−100カラム(ほぼ沸点順に溶出する)を装着し、恒温槽をプログラム昇温させて、水素炎検出器(FID)を用いて行った。
【0038】
【実施例1】
反応器内面がJIS B0601で測定される表面粗さの値として100μm以下になるように研磨した反応器を用いて、反応を240時間連続して行った。その後、吹き込みガスを窒素に切り替えて触媒スラリーの流動は維持し、反応温度を室温までさげ、反応圧力を大気圧まで下げた。触媒スラリーを、流動させたまま、反応器下部から自然落下させた。
反応器内に残留していた触媒は、上記排出作業の直後にメタノールで洗浄して回収した。反応成績評価後、水置換して重量を測ったところ9.5gであった。反応器壁面に触媒の固着は見られなかった。
排出触媒はメタノール中で保存し、滞留していた9.5gの触媒と共に、再スタート時に反応器に戻した。
再スタートをかけて50時間後(合計290時間)の反応成績を、41時間、235時間の反応成績と共に表1にまとめた。
触媒スラリーとして抜き出した触媒と、滞留していた触媒(滞留触媒1とする)の反応成績は表2にまとめた。
【0039】
【表1】
Figure 0004115719
【0040】
【表2】
Figure 0004115719
【0041】
【比較例1】
触媒スラリーを排出する際、窒素の供給を止めて流動させなかった以外は、実施例1と同様の反応器で同様の反応を行った。
反応時間228時間で反応停止後、反応器内を点検したところ、反応器底面水平部分に触媒が大量に残留しており、ちいさなスコップを用いて数回でほぼ全量すくいだした。実験室内は室温15℃〜20℃でメタノールやメタクロレインが揮発する温度ではなかったが、触媒は、スコップ上にある間から速やかに乾燥し、スコップ底面は手で触れないほど熱くなっていた。
安全のため室温まで冷ました後、実施例1と同様に小スケールで反応成績を比較し、その後、重量を測定したところ、235.8gで、投入触媒に対して6.3%であった。
回収した触媒を全量反応器に戻して再度上記大型反応器で反応を再開した。再スタートをかけて67時間後(合計295時間)の反応成績を、38時間、220時間の反応成績と共に表3にまとめた。
触媒スラリーとして抜き出した触媒と、滞留していた触媒(滞留触媒2とする)の反応成績は表4にまとめた。
【0042】
【表3】
Figure 0004115719
【0043】
【表4】
Figure 0004115719
【0044】
【比較例2】
反応器上部の気泡塔本体とコンデンサ−接続部の溶接部分を研磨しなかった以外は実施例1と同様に反応を行った。213時間反応後、触媒スラリーを実施例1と同様に排出し、滞留した触媒はメタノールで洗浄して回収した。
反応器内を点検すると、接続部の溶接部分に沿って、ハチマキ状に触媒が固着しており、発火する危険もあったため、固着個所に部分的に細いチューブで窒素を吹きかけながら、こそげ落とすようにして回収した。
固着触媒は白い固形状の物質と共に塊となっていたので、重量はその白色固体を含めた値であるが、48.5gであった。
【0045】
固着触媒を実施例1と同様に小スケールで反応成績を比較し、その後、白色固体を一部けずりとり分析したところ、ナトリウムが検出され、カルボニルに由来する赤外吸収も認められたことから、メタクリル酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩類、メタクロレイン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸などの重合物が想定された。
回収した触媒は白色固体も含めて全量反応器に戻して再度上記大型反応器で反応を再開した。再スタートをかけて71時間後(合計284時間)の反応成績を、52時間、284時間の反応成績と共に表5にまとめた。
触媒スラリーとして抜き出した触媒と、滞留していた触媒(滞留触媒3とする)の反応成績は表6にまとめた。
【0046】
【表5】
Figure 0004115719
【0047】
【表6】
Figure 0004115719
【0048】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、高い不飽和カルボン酸エステル生産速度と高い不飽和アルデヒド転化率を長期に渡り安定して維持できるのみならず、反応器の損傷や触媒の発火の危険性を排除でき、プラントの安全操業も確保でき、工業的有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に使用の反応器である。
【符号の説明】
1 コンデンサー
2 気泡反応器、
3 フランジ、
4 スラリー循環ダウンカマー、
5 酸素を含むガス

Claims (3)

  1. 気泡塔本体とコンデンサ−接続部の溶接部分を研磨した反応器を用いて、酸素の存在下で不飽和アルデヒドとアルコールを触媒と反応させて不飽和カルボン酸エステルを製造した後、不活性ガスを吹き込み、触媒スラリーの流動は維持したまま、触媒スラリーを反応器下部から自然落下させ、反応器内に残留していた触媒は反応液、触媒スラリー、アルコールまたは水の少なくとも一つで洗浄する触媒の抜き出し方法。
  2. 該触媒がパラジウムおよび/またはルテニウムとX(Xは鉛、ビスマス、水銀、タリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を示す)を含む触媒であることを特徴とする請求項1記載の触媒の抜き出し方法。
  3. 不飽和アルデヒドがアクロレイン又はメタクロレインで、アルコールがメタノールである請求項1または2記載の触媒の抜き出し方法。
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