JP4115398B2 - 機器の操作器 - Google Patents

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本発明は、複数のスイッチ等を備えた操作パネルを有する機器の操作器に関し、特にスイッチ等の操作を行わないときには操作パネルが外に露出しないように収容可能な機器の操作器に関する。
例えば、温調機能や調理タイマー機能などを有するガスこんろ等の調理器では、温調設定やタイマー設定を所望の設定条件に切り替えるための複数のスイッチ等を備えた操作パネルが調理器の前面操作部に設けられている。操作パネルに備えられているこれらのスイッチ等は不用意に触れられないために等の理由で、操作パネルのスイッチ等を操作しないときには、操作パネルを回動させて前面操作部の内側に収容するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1のような操作パネル(操作盤)を有する操作器は、上部に操作パネルを設けた操作パネル枠体の下端側が回動軸に支持されている。
特開平3−233226号公報
ところで、上記特許文献1のような下端側に設けた回動軸を回動中心にして操作パネルが回動される回動機構では、操作パネルが回動しながら出し入れされる為、操作器の前面開口の高さ方向の寸法は大きくなる。特に、操作パネルの操作面に多数のボタンや表示部等が備えられることにより操作面が大きくなり、大きな操作面を全部露出させるためには操作面から回転軸までの寸法が大きくなることになり、操作器の前面開口の高さを大きくする必要があるので操作器全体が大型化してしまう。
また、操作器の前面開口が大きくなると、ガスこんろ等の調理器の前面操作部にこのような操作器を組み込む場合には、前面操作部での設置スペースを確保するために前面操作部の高さを高くする必要がある。
そこで本発明は、大きな操作面を備えている場合でも前面の高さを大きくすることなく操作パネルを出し入れすることができる機器の操作器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、上面に操作面を有する操作パネルと、前面に設けた開口を通して前記操作パネルを出し入れ自在に収容するパネル箱と、前記操作パネルをその操作面が前記パネル箱内に収容される収容位置と前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱の外に露出される露出位置との間で変位させる変位手段とを備え、前記変位手段は、前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱内に収容される時には前記操作面が上になるようにして前記操作パネルを略水平状態で収容し、前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱の外に露出されるときには手前側を下げた傾斜状態とし、そして、前記パネル箱の左右の側面に前後方向に沿って上下に形成された2本のガイド溝と、前記操作パネルの両側面から側方に突出し、前記2本のガイド溝にそれぞれ挿設されるガイドピンと、前記操作パネルを前記開口から出る方向に付勢する力を与える付勢部材とを備え、前記上側に位置するガイド溝の先端側を漸次上向きに傾斜させ、前記下側に位置するガイド溝を略水平に形成したことを特徴としている。
また、前記下側に位置するガイド溝の先端を下向きの傾斜状としたことを特徴としている。
また、前記操作パネルと前記パネル箱の一方に設けられる係止部と他方に設けられる係合部とからなる係止手段を設け、前記操作パネルを前記パネル箱内に収容したときに前記係止手段で前記操作パネルを前記パネル箱内の収容位置に係止することを特徴としている。
また、前記操作パネルの前面に、前記操作パネルの操作面を前記パネル箱内に収容時に前記開口を閉じる前板を取り付けると共に、前記操作パネルの操作面を前記パネル箱内に収容したときの前記前板の下方に、前記前板の前面と略同一面となる飾り板を設けたことを特徴としている。
また、前記操作パネルの操作面が前記パネル箱から出された露出状態の前記操作パネルの下面が、前記開口の下縁又は前記飾り板の上部に近接又は略当接することを特徴としている。
本発明によれば、操作パネルは引出し式で、操作面が露出された状態では先端側が下がる傾斜状態となるので、操作器の高さを低くできると共に、操作性も良い。更に、操作パネルをパネル箱内に収容時には操作面が上になるようにして水平状態でパネル箱に保持し、操作パネルを開口を通してパネル箱の外に移動させて露出させたときには手前側を下げた傾斜状態で操作パネルを保持することにより、パネル箱を水平状態に機器に設定できて、デットスペースを生じることなく取付けられる。更に、操作パネルの操作面の視認性と操作性の向上を図ることができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る操作器を組み込んだ機器としてのガステーブルを示す斜視図である。このガステーブル1は、天板2に形成した開口に2つのガスバーナ3、4が設けられ、ガスバーナ3と4の間の下方にグリルGが設けられている。
前面操作面5の中央には、グリルGの前面開口を開閉するグリル扉6が設けられており、グリル扉6の両側には、ガスバーナ3、4とグリルGの点火・消火の操作をそれぞれ行う点火・消火ボタン7、8、9と、ガスバーナ3、4とグリルGの火力をそれぞれ調整する火力調整レバー10、11、12が配置され、更に、右側の点火・消火ボタン8、9の下に、本発明の実施形態に係る操作器13が一体的に組み込まれている。
操作器13には、図2、図3、図4に示すように、扁平箱状のパネル箱14をガステーブル1内に水平状態で取付け、このパネル箱14内の上部側にパネル箱14の上面14bと略平行状態で水平状態に収容される操作パネル15が出し入れ自在に配置されている。操作パネル15の上面の操作面15aには、例えばガスバーナ3、4又はグリルGで調理する際の温調設定やタイマー設定を行う複数(図では3つ)のボタン16a、16b、16cや、温度・時間切換えボタン16dや設定したタイマー時間や温度を表示する表示部17などが設けられている。各ボタン16a、16b、16cは軽く押圧する操作により、温調設定やタイマー設定を所望の設定条件に切換えることができる。
操作パネル15の前面には、操作パネル15を出し入れするパネル箱14の前面開口18を閉じる前面板19が取付けられている。パネル箱14の前面下部、更に詳細には上記前面開口18の下方には、前面板19の厚みと略同じ厚みの飾り板20が取付けられており、操作パネル15をパネル箱14内に略水平状態で収容したときに、前面板19と飾り板20の前面が同一面となるようにしている。更に、これらの前面は前面操作面5とも略同一面となっている。また、操作パネル15の後部には、その幅方向(左右方向)に沿ってパネル支持部21が一体的に形成されている。
パネル箱14の左右の側面には、その前後方向に沿って上部ガイド溝22と下部ガイド溝23がそれぞれ近接して設けられている。上部ガイド溝22と下部ガイド溝23には、操作パネル15のパネル支持部21の両側面にそれぞれ形成した突起状のガイドピン24、25が摺動可能にそれぞれ入れられており、操作パネル15を上部ガイド溝22と下部ガイド溝23に沿ってパネル箱14の前後方向に収容位置と露出位置との間に変位可能に支持している。
上部ガイド溝22は、パネル箱14の前側に向かうに従い漸次上向きに傾斜するように形成されており、下部ガイド溝23は、パネル箱14の前側に向けて上部ガイド溝22の前端よりも前方に伸びてパネル箱14内の上面14bと略平行に形成され、先端部で少し下っている先端傾斜部23aを有している。また、上部ガイド溝22に入るガイドピン24は、パネル支持部21の後端中央部の両側に設けられており、下部ガイド溝23に入るガイドピン25は、パネル支持部21の前端下部の両側に設けられている。
パネル箱14の底面14aには、薄板状の回動板26の左右下端部を軸着した軸27が取付けられており、軸27には回動板26を前方に向けて常に付勢するためのコイル状のばね28が巻装されている。ばね28の一方から延びた先端部28aは回動板26の後面に係止され、他方から延びた先端部28bはパネル箱14の底面14aの外側に係止されて、回動板26を軸27として上部を前方側に付勢して操作パネル15の背面に当接して、操作パネル15を前面開口18から出る方向に付勢している。また、回動板26の一方の側端面(紙面方向手前側)には、パネル箱14の底面14a上に回転自在に設けた減速用歯車29と噛み合う歯車列30が一体的に形成されている。
パネル支持部21の後面に形成した切欠き部21aには、パネル箱14内の後部に設けた係合部31に係止される係止部32が設けられている。係合部31は、開閉自在な一対の爪部31aと、該一対の爪部31aを後退位置に保持する保持ピン33とハートカム溝34を備えている。保持ピン33は一対の爪部31aを先端に備えた移動体35に植立されており、ハートカム溝34はパネル箱14に固定されている。移動体35の後面には、移動体35を前方に付勢するためのばね36が設けられている。
そして、操作パネル15の操作面15aを収納させるため前面板19を押して操作パネル15を押し込むと、その係止部32が係合部31に当たり、更に押し続けると、移動体35はばね36に抗して後退しハートカム溝34の後端部に当たる。ここで手を離すと移動体35はばね36の付勢力により前方に移動しようとするが、保持ピン33がハートカム溝34の中間部34aに係止されるので、移動体35は止まる。このとき、一対の爪部31aは奥に入り閉じられることによって係止部32を掴んでいるので、操作パネル15は収容位置に係止される。
そして、操作パネル15を露出位置に出すときには、前面板19を押すと保持ピン33はハートカム溝34の中間部34aから外れて一旦もう一方のハートカム溝34に達し、押すことを止めると移動体35が前方に出る。このとき、一対の爪部31aは開くので、係止部32を掴むことができず操作パネル15は前方に移動して、操作面15aが露出される。なお、係止部32と係合部31は逆に取付けてもよく、これらが保持手段を構成している。
次に、上記したガステーブル1の前面操作面5に組み込まれた操作器13における操作パネル15の出し入れ動作について説明する。最初に、パネル箱14内の上部側にその上面14bと略平行状態の水平状態で収容されている操作パネル15を前面操作面5に露出させるときの動作について説明する。
図2に示すように、操作パネル15がパネル箱14内に収容されている状態では、係止部32が係合部31に係止されており、操作パネル15がパネル箱14内に略水平状態に保持されている。そして、使用者が前面板19をばね28の力に抗して触れて軽く押し込むことにより、係合部31に係止されている係止部32の係止状態が上述したように解除される。前面板19の後面と飾り板20の前面との間には少し隙間Aが設けられていて、前面板19を押す際の逃げとなっている。
そして、ばね28のばね力による付勢力によって、回動板26は軸27を回動中心として前方側に回動する。この際、歯車列30が減速用歯車29とともに回動することによって、回動板26は緩やかに回動する。そして、パネル支持部21が、回動板26の緩やかな回動とともに前方側に押されることによって前方側に移動していき、操作パネル15が前面開口18から出てくる。
そして、回動板26が更に回動してパネル支持部21が前方に押されると、上部ガイド溝22の前方側が漸次上向きに傾斜しているので、その両側のガイドピン24が上部ガイド溝22に沿って斜め上向きに摺動しながら移動していく。これにより、パネル支持部21の後端側がガイドピン24の移動とともに少し持ち上がるので、操作パネル15は先端側が下がり状態となりつつ出てくる。
なお、下部ガイド溝23の先端に、先端側が下がっている先端傾斜部23aを有しているので、下部ガイド溝23に沿って直線的に移動してきたガイドピン25は下部ガイド溝23の先端傾斜部23aを下ることになり、操作パネル15はより先端側が下り状態になり易い。
図3、図4に示すように、各ガイドピン24、25が上部ガイド溝22と下部ガイド溝23内の先端にそれぞれ当接するとき、操作パネル15の操作面15a全体が前面開口18から露出すると共に、先端側が所定角度(図では13度程度)下がった状態で位置決めされて保持される。なお、操作パネル15の下向きの角度は、上部ガイド溝22の上向きの傾斜角度を変えることによって調整することができる。また、下部ガイド溝23の先端傾斜部23aによって操作パネル15の不用意な奥方向へ押されることが防止される。
即ち、操作パネル15を下向きに約10°〜20°の傾斜をつけることによって、使用者は操作パネル15を斜め上方から見ながらボタン16a、16b、16c、16dを押す操作を行うことができ、操作がし易く、かつ操作パネル15の操作面15aが見やすくなる。
また、操作パネル15が前面開口18から出た露出位置のときに、操作パネル15の後側下面が前面開口18の周囲縁の下縁又は飾り板20の上面に近接又は略当接させるようにすることにより、使用者が操作パネル15の操作面15aや前面板19に不用意に接触したり、各スイッチ16a、16b、16c、16dを強く押した場合でも、操作パネル15にかかる上方からの力を受止めることができるので、上下ガイド溝22、23とガイドピン24、25の当接だけで操作パネル15の露出位置が保持されるよりも、より確実に露出位置が保持される。
そして、出されている操作パネル15をパネル本体14内に収容する場合には、ばね28のばね力に抗して前面板19を前方から押し込むことにより、上記移動動作と逆の移動動作によってパネル本体14内に操作パネル15が押し込まれていく。そして、操作パネル15がパネル本体14内の元の位置に収容されると、係止用突起片32が係止部材31に係止されて保持され、前面開口18が前面板19で閉じられる。
このように、上記した本発明の実施形態に係る操作器13では、操作面15aが露出された状態では先端側が下がる傾斜状態となるので、操作器13の高さを低くできると共に、操作性が良い。更に、操作パネル15をパネル箱14内に収容時には操作面15aが上になるようにして水平状態でパネル箱14に保持し、操作パネル15を開口を通してパネル箱14の外に移動させて露出させたときには手前側を下げた傾斜状態で操作パネル15を保持することにより、パネル箱14を水平状態にガステーブルに設定できて、デットスペースを生じることなく取付けられる。更に、操作パネル15の操作面15aの視認性と操作性の向上を図ることができる。
また、上記した本発明の実施形態では、ガステーブル1に組み込まれる操作器13を示したが、機器としてはガステーブルに限定されることはなく、他の調理器や電気製品などの各種の機器であってもよい。
本発明の実施形態に係る操作器が組み込まれたガステーブルを示す概略斜視図。 本発明の実施形態に係る操作器を示す概略斜視図。 本発明の実施形態に係る操作器から操作パネルを出した状態を示す一部破断した概略斜視図。 本発明の実施形態に係る操作器から操作パネルを出した状態を示す一部破断した概略断面図。
符号の説明
1 ガステーブル
3、4 ガスバーナ
5 前面操作面
6 グリル扉
7、8、9 点火・消火ボタン
13 操作器
14 パネル箱
15 操作パネル
16a、16b、16c、16d スイッチ
17 表示部
18 前面開口
19 前面板
21 パネル支持部
22 上ガイド部材
23 下ガイド部材
24、25 ガイドピン
26 回動板
28 ばね
29 減速用歯車
30 歯車列
31 係合部
32 係止部

Claims (5)

  1. 上面に操作面を有する操作パネルと、前面に設けた開口を通して前記操作パネルを出し入れ自在に収容するパネル箱と、前記操作パネルをその操作面が前記パネル箱内に収容される収容位置と前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱の外に露出される露出位置との間で変位させる変位手段とを備え、
    前記変位手段は、前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱内に収容される時には前記操作面が上になるようにして前記操作パネルを略水平状態で収容し、前記操作パネルの操作面が前記開口を通して前記パネル箱の外に露出されるときには手前側を下げた傾斜状態とし、そして、前記パネル箱の左右の側面に前後方向に沿って上下に形成された2本のガイド溝と、前記操作パネルの両側面から側方に突出し、前記2本のガイド溝にそれぞれ挿設されるガイドピンと、前記操作パネルを前記開口から出る方向に付勢する力を与える付勢部材とを備え、前記上側に位置するガイド溝の先端側を漸次上向きに傾斜させ、前記下側に位置するガイド溝を略水平に形成した、ことを特徴とする機器の操作器。
  2. 前記下側に位置するガイド溝の先端を下向きに傾斜状とした、ことを特徴とする請求項1に記載の機器の操作器。
  3. 前記操作パネルと前記パネル箱の一方に設けられる係止部と他方に設けられる係合部とからなる係止手段を設け、前記操作パネルを前記パネル箱内に収容したときに前記係止手段で前記操作パネルを前記パネル箱内の収容位置に係止する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の機器の操作器。
  4. 前記操作パネルの前面に、前記操作パネルの操作面を前記パネル箱内に収容時に、前記開口を閉じる前板を取り付けると共に、前記操作パネルの操作面を前記パネル箱内に収容したときの前記前板の下方に、前記前板の前面と略同一面となる飾り板を設けた、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の機器の操作器。
  5. 前記操作パネルの操作面が前記パネル箱から出された露出状態の前記操作パネルの下面が、前記開口の下縁又は前記飾り板の上部に近接又は略当接する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の機器の操作器。
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