JP4114215B2 - コンタクトホールの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子の製造方法の、特に電極とコンタクトをとるためのボーダーレスコンタクトホールの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンタクトホールとして、基板とコンタクトをとるためのコンタクトホールや電極とコンタクトをとるためのコンタクトホールがある。これらコンタクトホールを形成するとき、構造体の各層間の合わせ精度や加工精度を考慮して、設計余裕と呼ばれる余裕値が設定されていて、例えば露光装置の合わせずれが生じても、所望の箇所とコンタクトをとるコンタクトホールを形成することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、デバイスの縮小に伴い、配線や各素子の微細化を実現するためには、上記設計余裕を排除する必要がある。このように設計余裕を排除してコンタクトホールを形成する技術は、ボーダーレスコンタクトと呼ばれている(文献1:電子情報通信学会論文誌 Vol.J78-C-II No.5 pp.165-176 1995 年 5月 クォーターミクロン世代に向けての多層配線技術の課題と展望)。ただ単に設計余裕を排除して従来の方法でコンタクトホールを形成しようとするとき、露光装置等の合わせずれが生ずると、目的部分すなわち正規の被エッチング領域以外の領域までエッチングされてしまう。この過剰なエッチングを伴ったコンタクトホールを用いてデバイスを完成すると、電気的ショートを起こすという、配線信頼性やその他のデバイスの信頼性を失う恐れがあった。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、電極間の絶縁膜にボーダーレスコンタクトホールを形成する場合には、電極の上面や側壁に、窒化シリコン膜を設けて、これをエッチングストッパとして利用する技術が知られている(文献2および文献3参照。文献2:強誘電体薄膜メモリ 株式会社サイエンスフォーラム 1995年 6月30日第1刷発行 pp.245 図−8、文献3:月刊Semiconductor World 増刊号 1995年 第14巻第11号 第6章 電極・ 配線形成技術 256M/1G時代の電極・配線形成技術 pp.255-258 )。ところが、この技術はデバイスの微細化に伴い電極間の距離が短くなると、コンタクトホールの溝幅も狭くなるため、わずかにエッチングされた窒化シリコン膜のエッチング反応生成物が、形成途中の電極間のコンタクトホールから外部に排出されず、コンタクトホールの底面に付着してしまう。そのため、このエッチング反応生成物がホール形成のためのエッチング反応を阻害し、以降のコンタクトホールの形成を妨げてしまう。
【0005】
一方、下地上に設けられた電極(この電極は複数近接しているようなものも含む)を覆う絶縁膜に、この電極と電気的接続を行うためのコンタクトホールを形成する技術に関しては、デバイス構造の微細化に対応できるような優れた技術はなかった。
【0006】
そこで、従来より、ボーダーレスコンタクトホールの形成位置がずれたとしても、当該ボーダーレスコンタクトホールが電極には達するが基板には達しないようにしたコンタクトホールの形成方法の出現が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、この出願に係る発明者は、研究および種々の実験を重ねた結果、従来はコンタクトホールの形成の妨げとなるとされていたエッチング反応生成物をボーダーレスコンタクトホールの形成中に新たなエッチングストッパとして積極的に利用すると、ボーダーレスコンタクトホールとして予定していた形成領域以外の領域のエッチングをデバイスの信頼性を損なわない程度に抑制できることを発見し、この発明をするに至った。
【0008】
また、一方においては、このようなエッチング反応生成物を利用しなくても、エッチングストッパ層を設ける位置によっては、ボーダーレスコンタクトホールの形成位置がずれたとしても、このコンタクトホールを基板に達しないように形成できることも分かった。
【0009】
したがって、この発明のコンタクトホールの形成方法によれば、基板上に、下地である第1シリコン酸化膜を形成する工程と、第1シリコン酸化膜上に、電極層を形成する工程と、電極層上に、窒化シリコン層を形成する工程と、電極層及び窒化シリコン層をエッチングして、上面に窒化シリコン層をエッチングストッパ層として有する電極パターンを形成する工程と、露出した第1シリコン酸化膜上に、窒化シリコン層を有する電極パターンを覆う第2シリコン酸化膜を形成する工程と、第2シリコン酸化膜の表面から電極パターンに至り、不可避的に発生するホール底面の位置ずれ部が、耐エッチング膜として機能する窒化シリコン層のエッチング反応生成物で覆われるボーダレスコンタクトホールを、C4F8を含むエッチングガスを用い、かつ窒化シリコン層に対する第2シリコン酸化膜のエッチング選択比を10から100の範囲とするエッチングにより形成する工程と、エッチング反応生成物及び露出している窒化シリコン層を除去する工程とを具えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、電極上の絶縁膜部分にボーダーレスコンタクトホールをエッチング形成するとき、露光機の合わせずれやマスク合わせ精度などに起因してボーダーレスコンタクトホールの形成位置がずれたとしても絶縁膜の下側で電極に接してエッチングストッパ層を設けてあるので、ずれた部分の下方への過剰エッチングを回避できる。すなわち例えば電極の表面と絶縁膜との間にエッチングストッパ層を介在させて、エッチングストッパ層を設けてあるので、ずれた部分が下地側の方向へと過剰にエッチングされてもこのストッパ層のエッチング反応生成物が形成されつつあるコンタクトホールに付着および堆積するので、コンタクトホールの底面が下地にまで到達するようなことはなくなる。このため後の処理でボーダーレスコンタクトホールに金属配線を施しても電極と下地との間が電気的にショートしてしまうことはない。
【0011】
したがって、好ましくは、電極の上面に接してエッチングストッパ層を設け、ボーダーレスコンタクトホール形成後に、少なくともこのコンタクトホール内に残存しているエッチングストッパ層の部分を除去するのがよい。
【0012】
このように構成すれば、電極の上面にエッチングストッパ層を設けると、まず、エッチングストッパ層の上面まで絶縁膜をエッチングしていき、その後、エッチングストッパ層を取り除く。電極の上面にボーダーレスコンタクトホールが位置ずれなく形成されているときにはエッチングストッパ層を取り除く手間がかかってしまう。通常コンタクトホールを形成するエッチング処理は多少過剰に行っている。ボーダーレスコンタクトホールの位置が電極からずれていた場合は、この過剰なエッチング処理によって電極からずれている部分の絶縁膜はどんどん下地の方へ向かって切削されて、ホールの底面が下地に到達することさえあり得る。しかしながら、電極の上面にエッチングストッパ層を設けておくことによって、エッチング処理によってわずかに切削されたエッチングストッパ層のエッチング反応生成物が電極からずれている部分のホール底面に付着および堆積し、これが耐エッチング膜となって以降のエッチング処理を妨げることができる。このためホールの底面が下地に到達することはなくなる。
【0013】
また、好ましくは、エッチングストッパ層を、電極パターンの側壁面を覆うサイドウォールであって、かつ電極パターンの上面、並びに電極パターン及びサイドウォールが非被覆である第1シリコン酸化膜の一部分を露出させるサイドウォールとして設けるのがよい。
【0014】
このように、電極の側壁面に接してエッチングストッパ層をサイドウォールのように設けると、ボーダーレスコンタクトホールの位置が電極からずれていても、ずれている部分はエッチングストッパ層が形成されているため、下地の方に向かってエッチングされるのを防ぐことができる。また、ボーダーレスコンタクトホールの位置が電極の側壁に接して設けられたエッチングストッパ層の幅よりもずれていた場合には、エッチング処理によってわずかに切削されたエッチングストッパ層のエッチング反応生成物がエッチングストッパ層の幅よりずれている部分のホール底面に付着および堆積し、これが耐エッチング膜となって以降のエッチング処理を妨げることができる。このためホールの底面が下地に到達することはなくなる。また、この方法では電極の上面には絶縁膜以外に何も形成されていないので、エッチング処理が終了した後エッチングストッパ層を除去する必要がない。
【0015】
また、好ましくは、エッチングストッパ層を、第1シリコン酸化膜上に、電極パターンを覆う窒化シリコン層として設けておき、コンタクトホール形成後に、少なくともこのコンタクトホール内に残存しているエッチングストッパ層の部分を除去し、かつ電極パターンの上面を露出させるのがよい。
【0016】
このように構成すれば、電極の上面や側壁上に位置する絶縁膜をエッチングストッパ層に達するまでエッチング処理を行った後、ボーダーレスコンタクトホール内に露出したエッチングストッパ層を除去する。これにより、ボーダーレスコンタクトホールの位置が電極からずれていた場合に過剰にエッチング処理を行ってもエッチングストッパ層が存在するので、この層でエッチングの進行をストップさせることができる。このため、形成されるべきコンタクトホールの底面がエッチングによって下地まで到達することはなくなる。
【0019】
また、エッチングストッパ層を窒化シリコンによって形成するのが好ましい。特にエッチングストッパ層を電極の上面に設けたとき、ボーダーレスコンタクトホールの位置が電極からずれていた場合、過剰なエッチング処理を行うと、電極からずれている部分の絶縁膜に形成されたホールの底面に窒化シリコンのエッチングによる反応生成物が付着および堆積して、この堆積した窒化シリコンの反応生成物がエッチング処理を妨げる働きをする。このため電極からずれている部分の絶縁膜に形成されたホールはそれ以上にエッチングされることはない。
【0020】
また、エッチングストッパ層を有機SOGによって形成することもできるが、有機SOGは、電極と絶縁膜との間に介在させて設けるエッチングストッパ層に用いるのがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照してこの発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は発明を理解できる程度に概略的に示してあるに過ぎず、したがって発明を図示例に限定するものではない。また、各図において断面を示すハッチング(斜線)は一部を除き省略してある。
【0022】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態として、下地上に設けられた電極を覆う絶縁膜に電極と電気的接続を行うためのボーダーレスコンタクトホールを形成するにあたり、電極の上面に接してエッチングストッパ層を設けておいて、ボーダーレスコンタクトホール形成後に、少なくとも、コンタクトホール内に残存するエッチングストッパ層の部分を除去する例につき図1および図2を参照して説明する。図1および図2は第1の実施の形態の説明に供する概略的な工程図であり、各図は主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口で示してある。
【0023】
まず下地を形成する。この実施の形態では、基板11上に第1シリコン酸化膜13を設けて下地15を形成する。次に下地上に電極を設ける。第1シリコン酸化膜13上にCVD(Chemical Vapor Deposition) 法を用いてポリシリコン層17を設けてこのポリシリコン層17に不純物としてリンを拡散した後ポリシリコン層17の上にCVD法で窒化シリコン層19を形成する(図1(A))。
【0024】
次に窒化シリコン層19上にレジストを塗布してリソグラフィ技術を用いてレジストに電極パターンを形成する。その後プラズマエッチングによって窒化シリコン層19およびポリシリコン層17をエッチングして電極パターンを形成する。ここで、図において左側に位置する電極17x1 を第1電極とし、右側に位置する電極17x2 を第2電極とすると、この実施の形態では第2電極17x2 と電気的接続を行うためのコンタクトホールを形成することにする。上記エッチングを行うと、ポリシリコンからなる第1電極17x1 および第2電極17x2 の上面18aおよび18bに窒化シリコン膜19xによるエッチングストッパ層を形成することができる(図1(B))。
【0025】
次に絶縁膜を、電極を覆うように下地上に形成する。ここでは絶縁膜21として第2シリコン酸化膜を、上面にエッチングストッパ層19xの形成された電極17xを覆うように第1シリコン酸化膜13上に形成する(図1(C))。
【0026】
次に第2シリコン酸化膜21の上面にレジスト23を塗布して、リソグラフィ技術を用いてレジスト23にコンタクトホールパターン25を形成する(図2(A))。ここでは第2電極17x2 とコンタクトをとるためのコンタクトホールを形成するため、第2電極17x2 の上に位置する箇所のレジストにボーダーレスのコンタクトホールパターン25を形成する。このとき、コンタクトホールパターン25は第2電極17x2 のぴったり上方に位置するように形成するのは困難で、露光機の合わせずれ等によって多少ずれが生じている。ずれの程度は通常0.1μm以内である。この実施の形態でも第1電極17x1 の方向へ位置ずれAが生じている。
【0027】
次にボーダーレスコンタクトホールを形成する。この例では、レジスト23をマスクにして、絶縁膜21に対してプラズマエッチングを行うことによってコンタクトホール27を形成する。エッチング装置はME−RIE(Magnetron Enhanced Reactive Ion Etching)を用いていて、そのエッチング条件は圧力が40mTorr、rf-Powerが1500W 、磁場強度が120Gauss 、C4 F8 の流量が20sccm、COの流量が250sccm、Arの流量が500sccm、第2シリコン酸化膜21と窒化シリコン膜19xとの選択比(シリコン酸化膜21/窒化シリコン膜19x)は約30とした(図2(B))。レジスト23のコンタクトホールパターン25の位置は第2電極17x2 からずれていて、このコンタクトホール27は設計余裕を排除したボーダーレスコンタクトホールであるため、過剰なエッチング処理によって第2電極17x2 からずれている部分Aの第2シリコン酸化膜は下地15の方へ向かって切削されていく。しかしながら、第2電極17x2 の上面18bにはエッチングストッパ層19xとして窒化シリコン膜が設けてあるため、エッチング処理によってわずかに切削された窒化シリコン膜19xのエッチング反応生成物29が第2電極17x2 からずれている部分Aのおよそ0.1μmの幅のホール底面31に付着および堆積して耐エッチング膜となり、その後のエッチング反応の進行を妨げる。このためホールの底面31が下地15に到達することはない。
【0028】
次にコンタクトホール27内に残存する、エッチングストッパ層である窒化シリコン膜19xおよびエッチング反応生成物29を除去する。ここではRIE(Reactive Ion Etching)を用いる。エッチングは例えば圧力が200mTorr、rf-Powerが200W 、SF6 の流量が50sccmという条件で行う。これにより、ホール27内の窒化シリコン膜19xが除去される(図2(C))。
【0029】
この結果、第2電極17x2 の上面18bの一部分がコンタクトホール27から露出するボーダーレスコンタクトホール27を形成することができ、形成されたコンタクトホール27に金属メッキを施して第2電極17x2 と電気的接続を行うことができる。
【0030】
また、この実施の形態のように電極17xの上面18aおよび18bにエッチングストッパ層19xを設ける場合には、ボーダーレスコンタクトホール27の電極17xからの位置ずれAが0.15μm以内であれば、ずれている部分Aの第2シリコン酸化膜21のエッチングをよく阻止することができる。
【0031】
また、エッチングの条件として必須なのはエッチング選択比で、窒化シリコン膜19xに対する第2シリコン酸化膜21のエッチング選択比(第2シリコン酸化膜21/窒化シリコン膜19xが10から100であれば好ましく、最適なのは30である。
【0032】
また、エッチングガスとしては、C4 F8 等の炭素リッチのフッ化炭素系ガスを含んでいるのがよい。
【0033】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態として、下地上に設けられた電極を覆う絶縁膜に電極と電気的接続を行うためのボーダーレスコンタクトホールを形成するにあたり、電極の側壁面に接してエッチングストッパ層を設ける例につき図3を参照して説明する。図3は第2の実施の形態の説明に供する、主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口で示してある概略図である。また、以下、第1の実施の形態と相違する点につき説明し、第1の実施の形態と同様の点についてはその詳細な説明を省略する。
【0034】
まず、第1の実施の形態と同様にして基板11上に第1シリコン酸化膜13を設けて、これらを下地15とする。次にこの下地15上にCVD法を用いてポリシリコン層17を設けてこのポリシリコン層17にリンを拡散する。この後リソグラフィおよびエッチングによってポリシリコン層からなる電極17x(第1電極17x1 および第2電極17x2 )を形成する(図3(A))。
【0035】
次にCVD法を用いて電極17xを覆うように下地15上に窒化シリコン層19を形成する(図3(B))。
【0036】
次にこの構造体の上面に対してプラズマエッチングを行い、電極17xの上面18aおよび18bを露出させ、かつ電極17xの側壁面33に窒化シリコン層からなるサイドウォール35を形成する(図3(C))。
【0037】
この後、第1の実施の形態と同様にして電極17xを覆うように第2シリコン酸化膜21を形成して、第2シリコン酸化膜21上にコンタクトホールパターンを有するレジストを形成する。このコンタクトホールパターンは第2電極17x2 と導通させるためのコンタクトホールに相当するものとする。その後プラズマエッチングにより第2シリコン酸化膜21にボーダーレスコンタクトホール27を形成する(図3(D))。エッチング装置およびエッチング条件は第1の実施の形態と同様である。このボーダーレスコンタクトホール27の形成位置は第2電極17x2 に対してずれることが多い。ずれている部分Aがサイドウォール35の幅以内であればエッチングストッパ層としてのサイドウォール35によって、ずれている部分Aの第2シリコン酸化膜21のエッチングをそれ以上進行させずにすむ。また、図3(D)に示しているようにコンタクトホール27のずれAがサイドウォール35の幅以上である場合には、サイドウォール35から0.15μm以内のずれであれば、エッチングによって第2シリコン酸化膜21に形成されたホールの底面31に窒化シリコンのエッチング反応生成物29が付着および堆積して耐エッチング膜となって、それ以上のエッチングを阻止することができる。したがって第2電極17x2 の上面18bの一部分が露出するボーダーレスコンタクトホール27を形成することができる。
【0038】
また、第2シリコン酸化膜21をエッチングして得られたコンタクトホールの底面31には第2電極17x2 の上面18bの一部分が露出しているため、第1の実施の形態のようにエッチングによって窒化シリコン膜を除去する必要はない。
【0039】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態として、下地上に設けられた電極を覆う絶縁膜に電極と電気的接続を行うためのボーダーレスコンタクトホールを形成するにあたり、エッチングストッパ層を、電極の上面および側壁面と、電極間の下地の上面とを被覆させて設けておいて、ボーダーレスコンタクトホール形成後に少なくともコンタクトホール内に残存しているエッチングストッパ層の部分を除去する例につき図4を参照して説明する。図4は第3の実施の形態の説明に供する、主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口で示してある概略図である。また、以下、第1の実施の形態および第2の実施の実施の形態と相違する点につき説明し、同様の点についてはその詳細な説明を省略する。
【0040】
第1の実施例と同様にして下地15(基板11および第1シリコン酸化膜13)を形成した後、第2の実施の形態と同様にして下地15上に電極17x(第1電極17x1 および第2電極17x2 )を形成して、この電極17xを覆うように下地上に窒化シリコン膜19xを形成する(図4(A))。これにより、電極17xの上面18aおよび18bと、側壁面と、また電極17x間の下地15の上面とをエッチングストッパ層によって被覆させることができる。
【0041】
次に、ボーダーレスコンタクトホールを形成する。この例では、まず、窒化シリコン膜19x上に第2シリコン酸化膜21を形成して、第2シリコン酸化膜21上にコンタクトホールパターン25を有するレジスト23を形成する。このコンタクトホールパターン25は第2電極17x2 と導通させるためのコンタクトホールに相当するものとする。その後プラズマエッチングにより第2シリコン酸化膜21にボーダーレスコンタクトホール27を形成する(図4(B))。エッチング装置およびエッチング条件は第1の実施の形態と同様である。このエッチングはコンタクトホールの底面31が第2電極17x2 上の窒化シリコン膜19xに到達するまで、少し過剰に行う。コンタクトホール27の形成位置が第2電極17x2 に対してずれている場合、ずれている部分Aがエッチングストッパ層19xの幅以内であれば、第2電極17x2 を覆うエッチングストッパ層19xによって、ずれている部分Aの第2シリコン酸化膜21のエッチングをそれ以上進行させずにすむ。また、図4(B)に示しているようにコンタクトホール27の位置ずれAがエッチングストッパ層19xの幅以上である場合、エッチングストッパ層19xから0.15μm以内のずれであれば、エッチングによって第2シリコン酸化膜21に形成されたホールの底面31に窒化シリコン膜19xのエッチング反応生成物29が付着および堆積して耐エッチング膜となって、それ以上のエッチングを阻止することができる。また、ほとんどあり得ないが、0.15μm以上のずれが生じた場合において、電極17xが設けられていない下地15上にも窒化シリコン膜19xが形成されているため、ずれている部分Aの第2シリコン酸化膜21をエッチングし続けて下地15をもエッチングしてしまうようなことはない。
【0042】
この後、コンタクトホール27内に露出している窒化シリコン膜19xの部分をプラズマエッチングによって除去する。これにより、第2電極17xの上面18bの一部分がホールの底面31に露出するボーダーレスコンタクトホール27を形成することができる(図4(C))。
【0043】
また、エッチングストッパ層19xを有機SOGによって形成することもできる。この場合、コンタクトホール27を形成するエッチング条件のうち有機SOGに対する第2シリコン酸化膜21のエッチング選択比(第2シリコン酸化膜21/有機SOG)は5以上であればよい。
【0044】
<参考例>
参考例として、下地上に設けられた電極を覆う絶縁膜に電極と電気的接続を行うためのボーダーレスコンタクトホールを形成するにあたり、エッチングストッパ層を下地の上面に設ける例につき図5を参照して説明する。図5は参考例の説明に供する、主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口で示してある概略図である。また、以下、第1、第2および第3の実施の形態と相違する点につき説明し、同様の点についてはその詳細な説明を省略する。
【0045】
第1の実施例と同様にして下地15(基板11および第1シリコン酸化膜13)を形成した後、下地15上の全面にわたり窒化シリコン膜19xを形成する(図5(A))。
【0046】
次にこの窒化シリコン膜19x上にポリシリコンによって第1〜第3の実施の形態と同様にして電極17x(第1電極17x1 および第2電極17x2 )を形成する(図5(B))。
【0047】
この後、第1の実施の形態と同様にして電極17xを覆うように第2シリコン酸化膜21を形成して、第2シリコン酸化膜21上にコンタクトホールパターンを有するレジストパターンを形成する。このコンタクトホールパターンは第2電極17x2 と導通させるためのコンタクトホールに相当するものとする。その後プラズマエッチングにより第2シリコン酸化膜21にボーダーレスコンタクトホール27を形成する(図5(C))。エッチング装置およびエッチング条件は第1の実施の形態と同様である。このコンタクトホール27が第2電極17x2 に対して形成する位置がずれていたとしても、下地15上に設けたエッチングストッパ層19xによって、ずれている部分Aの第2シリコン酸化膜21のエッチングを下地15へ進行させずにすむ。また、この実施の形態では第2電極17x2 の少なくとも1部がコンタクトホール27に露出していれば、コンタクトホール27が第2電極17x2 からいくらずれていても、第2電極17x2 のみと導通させるためのコンタクトホール27を形成することができる。
【0048】
また、第2シリコン酸化膜21をエッチングして得られたコンタクトホールの底面31には第2電極17x2 の上面18bの一部分が露出しているため第1の実施の形態のようにエッチングによって窒化シリコン膜19xを除去する必要はない。
【0049】
また、エッチングストッパ層19xを有機SOGによって形成することもできる。この場合、コンタクトホール27を形成するエッチング条件のうち有機SOGに対する第2シリコン酸化膜21のエッチング選択比(第2シリコン酸化膜21/有機SOG)は5以上であればよい。
【0050】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、この発明のコンタクトホールの形成方法によれば、電極に接してエッチングストッパ層を形成した後、ボーダーレスコンタクトホール形成のためのエッチングを行う。電極上の絶縁膜に形成されるボーダーレスコンタクトホールは、露光機の合わせずれ等によって電極と位置ずれを生じて形成されることが多い。このためエッチング処理によって余分に切削されてしまう絶縁膜部分ができてしまう。ここで、電極に接してエッチングストッパ層を設ける。例えばエッチングストッパ層を電極の少なくとも上面に接して設けるとすれば、エッチング処理によってわずかに切削されたエッチングストッパ層のエッチング反応生成物が、余分に切削されてしまう絶縁膜に形成されつつあるホールの底面に付着および堆積して耐エッチング膜となって、それ以降の切削を抑制することができる。
【0051】
また、エッチング反応生成物の積極的利用を図らない場合には、エッチングストッパ層を電極の表面および電極間の下地の上面と絶縁膜との間に介在させて設けたり、電極の下面と下地との間に介在させて設けたりする。これらの場合には、ボーダーレスコンタクトホールの位置ずれのために余分に切削される絶縁膜の切削されつつあるホールの底面がエッチングストッパ層に到達すれば、それ以降の切削を抑制することができる。
【0052】
したがって、下地上に設けられた電極を覆う絶縁膜に、電極と電気的接続を行うために形成されるボーダーレスコンタクトホールは、電極との間に位置ずれがあっても、コンタクトホールを形成するエッチング処理によって余分に下地まで切削してしまうことはなく、所望の電極のみと導通可能なボーダーレスコンタクトホールを形成することができる。このため、この発明のコンタクトホールの形成方法を用いればデバイス構造の微細化にも対応することができる。
【0053】
また、この発明をビアホールの形成に適用しても好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、第1の実施の形態の説明に供する概略的な工程断面図である。
【図2】(A)〜(C)は、第1の実施の形態の説明に供する図1に続く概略的な工程断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、第2の実施の形態の説明に供する概略的な工程断面図である。
【図4】(A)〜(C)は、第3の実施の形態の説明に供する概略的な工程断面図である。
【図5】 (A)〜(C)は、参考例の説明に供する概略的な工程断面図である。
【符号の説明】
11:基板 13:第1シリコン酸化膜
15:下地 17:ポリシリコン層
17x:電極
17x1 :第1電極 17x2 :第2電極
18a:第1電極の上面 18b:第2電極の上面
19:窒化シリコン層
19x:エッチングストッパ層、窒化シリコン膜
21:絶縁膜、第2シリコン酸化膜
23:レジスト
25:コンタクトホールパターン
27:コンタクトホール、ボーダーレスコンタクトホール、ホール
29:エッチング反応生成物
31:底面 33:側壁面
35:サイドウォール、エッチングストッパ層
A:位置ずれ、ずれている部分
Claims (4)
- 基板上に、下地である第1シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1シリコン酸化膜上に、電極層を形成する工程と、
前記電極層上に、窒化シリコン層を形成する工程と、
前記電極層及び前記窒化シリコン層をエッチングして、上面に前記窒化シリコン層をエッチングストッパ層として有する電極パターンを形成する工程と、
露出した前記第1シリコン酸化膜上に、前記窒化シリコン層を有する前記電極パターンを覆う第2シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第2シリコン酸化膜の表面から前記電極パターンに至り、不可避的に発生するホール底面の位置ずれ部が、耐エッチング膜として機能する前記窒化シリコン層のエッチング反応生成物で覆われるボーダレスコンタクトホールを、C4F8を含むエッチングガスを用い、かつ前記窒化シリコン層に対する前記第2シリコン酸化膜のエッチング選択比を10から100の範囲とするエッチングにより形成する工程と、
前記エッチング反応生成物及び露出している前記窒化シリコン層を除去する工程と
を具えることを特徴とするコンタクトホールの形成方法。 - 基板上に、下地である第1シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1シリコン酸化膜上に、電極層を形成する工程と、
前記電極層をエッチングして、電極パターンを形成する工程と、
露出した前記第1シリコン酸化膜上に、前記電極パターンを覆う窒化シリコン層を形成する工程と、
前記窒化シリコン層をエッチングして、前記電極パターンの側壁面を覆うサイドウォールであって、かつ前記電極パターンの上面、並びに当該電極パターン及び前記サイドウォールが非被覆である前記第1シリコン酸化膜の一部分を露出させる前記サイドウォールを形成する工程と、
露出した前記第1シリコン酸化膜上に、前記サイドウォール及び前記電極パターンを覆う第2シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第2シリコン酸化膜の表面から前記電極パターンの上面に至り、不可避的に発生するホール底面の位置ずれ部が、耐エッチング膜として機能する前記サイドウォールである前記窒化シリコン層のエッチング反応生成物で覆われるボーダレスコンタクトホールを、C4F8を含むエッチングガスを用い、かつ前記サイドウォールに対する前記第2シリコン酸化膜のエッチング選択比を10から100の範囲とするエッチングにより形成する工程と、
を具えることを特徴とするコンタクトホールの形成方法。 - 基板上に、下地である第1シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1シリコン酸化膜上に、電極層を形成する工程と、
前記電極層をエッチングして、電極パターンを形成する工程と、
露出した前記第1シリコン酸化膜上に、前記電極パターンを覆う窒化シリコン層を形成する工程と、
前記窒化シリコン層上に、第2シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第2シリコン酸化膜の表面から、前記電極パターンの上面の少なくとも一部分の直上に位置する前記窒化シリコン層に至り、不可避的に発生するホール底面の位置ずれ部が、耐エッチング膜として機能する前記窒化シリコン層のエッチング反応生成物で覆われるボーダレスコンタクトホールを、C4F8を含むエッチングガスを用い、かつ前記窒化シリコン層に対する前記第2シリコン酸化膜のエッチング選択比を10から100の範囲とするエッチングにより形成する工程と、
前記エッチング反応生成物を除去し、かつ前記電極パターンの上面を露出させる工程とを具えることを特徴とするコンタクトホールの形成方法。 - 基板上に、下地である第1シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第1シリコン酸化膜上に、電極層を形成する工程と、
前記電極層をエッチングして、電極パターンを形成する工程と、
露出した前記第1シリコン酸化膜上に、前記電極パターンを覆う有機SOG(Spin on glass)層を形成する工程と、
前記有機SOG層上に、第2シリコン酸化膜を形成する工程と、
前記第2シリコン酸化膜の表面から、前記電極パターンの上面の少なくとも一部分の直上に位置する前記有機SOG層上に至り、不可避的に発生するホール底面の位置ずれ部が、耐エッチング膜として機能する前記有機SOG層のエッチング反応生成物で覆われるボーダレスコンタクトホールを、前記有機SOG層に対する前記第2シリコン酸化膜のエッチング選択比を5以上とするエッチングにより形成する工程と、
前記エッチング反応生成物を除去し、かつ前記電極パターンの上面を露出させる工程とを具えることを特徴とするコンタクトホールの形成方法。
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