JP4113956B2 - 水晶振動子を用いた微量物質の測定方法 - Google Patents

水晶振動子を用いた微量物質の測定方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、環境中の微量物質濃度を簡易かつ高精度に測定する方法に関する。詳しくは、本発明は、水晶振動子を用い、タンパク結合ダイオキシン複合体とダイオキシン類との抗原抗体反応の競争反応を利用して、環境中に混在する極微量のダイオキシン類濃度を簡易に測定し、かつその毒性等量(TEQ)の測定方法に関する。

背景技術
近年、ダイオキシン類をはじめとした環境ホルモン等による環境汚染が深刻な社会問題となっている。地球環境の保全のためには、これらの環境汚染物質の発生状況や暴露状況の実態調査用にppm〜pptレベルでの化学物質測定を行う高度な化学計測技術が必要である。また、モニタリングの精度を高めるためには測定試料および測定回数を増やすことが必要である。
ダイオキシン類には多くの異性体や同族体が存在し、また環境中における存在量が微量であることから、その分析は容易ではない。現時点ではガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)法がもっとも信頼性が高く、ダイオキシン類測定の公定法として広く実施されている。GC/MS法では、気化した試料成分をガスクロマトグラフィーで分離した後にイオン化し質量分析を行うことにより目的物質を検出する。
しかし、GC/MS法は測定値の信頼性は高いものの、装置や専用の試薬は高価である。また、熟練した技術を伴なう試料の前処理が必要である。すなわち、分析装置に注入する前に測定妨害物質をできるだけ取り除く必要があり、さらに、試料中に含まれるダイオキシン類はきわめて微量であるため前もって濃縮する必要がある。これらの前処理は、各種の特殊なガラス器具等が使用され、高度な技術を有する熟練した分析者によって数日かけて手作業で行われる。このため、GC/MS法では分析に時間とコストがかかり、モニタリングの頻度を上げることが制約されていた。
GC/MS法よりも簡易かつ迅速安価に測定できる方法のひとつとして、抗原抗体反応を利用した酵素免疫測定法(Enzyme−linked Immunosorbent Assay:ELISA法)が注目されている。ELISA法は、抗原又は抗体に酵素を共有結合で結合させたものをプローブとし、酵素活性を利用して抗体又は抗原の存在を検出する方法である。
しかしながら、ELISA法はGC/MS法に比べれば簡易かつ迅速安価に測定できる方法であるが、GC/MS法ではpg/ml単位(ppt単位)まで測定可能であるのに対し、ELISA法ではng/ml単位(ppb単位)までしか測定できなかった。そのため、ELISA法は、精密分析を行うか否かのスクリーニングレベルでのモニタリングとして半定量的に用いられるにとどまっていた。また、ELISA法では抗体又は抗原の標識化処理が必要であった。
また、免疫反応等の生物学的親和性を利用した微量成分の測定方法として、表面プラズモン共鳴(SPR)法を利用したバイオセンサー(軽部ら、Analytica Chimica Acta,304(1995)139−145、軽部ら、Analytica Chimica Acta,434(2001)223−230)や水晶振動子を用いた測定方法等が研究されている。
水晶振動子を用いた測定方法は、水晶振動子表面に物質が吸着することにより、その吸着物質の重量に比例して水晶振動子の周波数が変化することを利用して微量成分の検出、測定をすることができる。そのため、測定に用いる抗体、二次抗体又は抗原に対して放射性同位体、色素、蛍光物質、酵素又はラジカルプローブなどによる標識化処理が一切不要であり、簡便、迅速、安価な測定を可能とする。
水晶振動子は高精度で安定な発振素子として、時計、コンピュータ、通信・計測機器など多くの電子回路に使用されている。水晶振動子は、また、その電極上に付着した重さを発振周波数の変化に定量的に変換し、ナノグラム〜フェムトグラムオーダーの高感度分析が可能であることから超微量天秤(Quartz Crystal Microbalance:QCM)として知られ、膜厚計や化学センサに加えバイオセンシングにも利用されている。
水晶振動子を用いた微量成分の測定方法としては、通常、予め水晶振動子表面に認識素子を吸着・固定化させ、これと被測定物質とを反応させ、反応前後の周波数変化を求めることにより、被測定物質の認識素子との反応性及び被測定物質の質量を測定する方法が用いられている。
被測定物質を抗原として特異的に結合することができる抗体を認識素子に用い、該認識素子と水晶振動子とを組み合わせた抗原抗体反応の測定方法としては、例えば、以下の方法が提案されている。
特開昭63−11835号公報に記載された方法は、水晶振動子表面に抗体又は抗原を固定化した水晶振動子バイオセンサーにおいて、抗原抗体反応によって結合した基質にさらに抗体又は抗原を固定化したラテックス又はその他の微粒子を抗原抗体反応によって結合させることによって水晶振動子バイオセンサーの感度を増幅させるというものである。
また、特開平3−77061号公報に記載された方法は、抗原または抗体と、この抗原又は抗体に対応する抗体又は抗原を担持した不溶性担体粒子とを液体媒体中で反応させ、同時に、該反応にかかわる抗原又は抗体を表面に固定化していない水晶振動子を該液体媒体中で発振させ、該反応に起因する凝集体形成による水晶振動子の発振周波数の変化を測定する方法である。
しかし、特開昭63−11835号公報又は特開平3−77061号公報に記載された方法は、いずれも抗原が複数の抗体結合部位を有する高分子であることが不可欠である。すなわち、被測定物質がダイオキシン類をはじめとする環境汚染物質等のように低分子である場合や抗体結合部位を一箇所しか有さない場合には、抗体又は抗原を固定化したラテックスが被測定物質に結合できなかったり抗体又は抗原を固定化した不溶性担体が凝集体を形成して水晶振動子に結合できなかったりして、測定が困難であった。
このような問題点を解決する例として、被測定物質を高分子タンパク質等に複数個結合させて、これを競合標準物質とし、検体中の被測定物質と競合させる競合反応を用いることを特徴とする方法が、例えば特願2001−117308明細書、特願2001−117309明細書またはXi Chun Zhouら、Analyst,2001,126,pp.71−78などに記載されている。これらに記載の方法によれば、検体中に存在する被測定物質が多いほど、競合標準物質が水晶振動子表面の認識素子と結合するのを妨げるため、周波数の変化量が減少する。したがって、測定対象が低分子物質や、抗体結合部位を一箇所しか有さない物質であっても高感度かつ高精度で測定を行うことができる。
しかしながら、上記の水晶振動子を用いた測定方法は、いずれも単体の物質からなるモデル溶液を測定したものである。現実の環境中には複数の物質が混在している。例えばダイオキシン類については、モデル溶液では2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシン(2,3,7,8−TCDD)のみが存在するが、実際の環境由来試料(例えばゴミ焼却場の飛灰からの抽出物)では、試料中に百種類を超える多成分かつ濃度の異なったダイオキシン類やフラン類が混在する。
ところで、抗原抗体反応では溶媒にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いるが、ダイオキシン類のように水に難溶な物質を測定対象とする場合は、測定対象を可溶化するためPBSにジメチルスルホキシド(DMSO)や界面活性剤(0.05%のTween20(商品名、シグマケミカル社製)を添加したリン酸バッファー)を混合して用いている。この場合、DMSOや界面活性剤の影響により水晶振動子上に固定化された抗体の高次構造が変化し、特定の被測定物質のみを認識することができなくなるので、抗体の高次構造を保持するために安定剤が使用される。この安定剤には従来、ウシ血清アルブミン(BSA)やカゼイン加水分解物、変性タンパク質などが使用されていた。
しかしながら、環境試料を測定する場合には従来の安定剤の安定効果は低く、抗体の高次構造を保持できず、被測定物質を抗原として特異的に結合することができる抗体を使用しても、被測定物質と類似した物質と抗原抗体反応を起こす場合があり、環境中における多成分からなる混合系では正確な測定が困難であった。例えば、環境試料中の2,3,7,8−TCDDを測定対象とした場合、2,3,7,8−TCDDに対してのみ選択性のあるモノクローナル抗体が測定対象を正常に認識できず、正確な測定ができなかった。そのため、従来の水晶振動子を用いた測定方法により環境由来試料を実際に測定したという事例は報告されてない。
また、ダイオキシン類のスクリーニング(環境モニタリング)を行う場合、多数の分析用の試料を採取して一度に多数の検体を分析するために、分析検体の数に見合う大量の抗ダイオキシン抗体固定化水晶振動子を作り置きしておく必要がある。
しかし、従来の安定剤では該水晶振動子を長期間保存することができず、時間経過とともに抗体の高次構造が徐々に破壊され、特定の被測定物質のみを認識することができず、正確な測定ができなかった。
ところで、ダイオキシン類はその種類によって毒性が異なるため、環境モニタリングの観点からは環境中における毒性等量(TEQ)が重要である。ここで毒性等量は実測濃度に毒性等価係数をかけることにより導き出される。しかしながら、水晶振動子を用いた従来の測定方法では多成分からなる混合系の正確な測定が困難であるため、毒性等量についても正確に測定することができなかった。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面とともに考慮することにより、下記の記載からより明らかになるであろう。

発明の開示
本発明は、水晶振動子を用いた環境由来試料又は生物由来試料中におけるダイオキシン類の濃度の測定方法、並びにその毒性等量の測定方法である。

発明を実施するための最良の形態
以下に本発明をさらに説明する。
すなわち本発明は、
(1)環境由来試料又は生物由来試料中の微量成分を測定するにあたり、多成分系の試料中の特定の被測定物質に対して特異的結合能を有する認識素子と、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする合成高分子からなる前記認識素子の安定剤とが固定された水晶振動子上に試料を固定して周波数変化量を測定し、その結果を競合標準物質を用いて得た水晶振動子の周波数変化量と対比して測定試料中の前記被測定物質の量を求める測定方法であって、前記被測定物質がダイオキシン類であり、前記認識素子がダイオキシン類を抗原として特異的に結合することができるモノクローナルまたはポリクローナル抗体であることを特徴とする測定方法
(2)認識素子を不溶性担体粒子に固定化した凝集素子を用い、該凝集素子と水晶振動子上の認識素子とを被測定物質に特異的に結合させることにより発振周波数変化量を増幅させて測定することを特徴とする(1)項に記載の測定方法、
(3)前記認識素子がモノクローナルまたはポリクローナル抗体のIgG、IgM、Fab、F(ab’)又はScFvであることを特徴とする(1)または(2)項に記載の測定方法、
(4)ダイオキシン類を抗原として特異的に結合することができるモノクローナルまたはポリクローナル抗体を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする合成高分子からなる安定剤の共存下で水晶振動子上に固定化した後、数日間保存してから抗原抗体反応を行ってダイオキシン類の濃度を測定することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の測定方法、
(5)前記安定剤が、抗原の非特異吸着の低減および抗体の分子認識能力の基本となる高次構造の保持の効果を与える試薬剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の測定方法、
(6)前記の水晶振動子の周波数変化量の測定を、電池駆動式もしくはバッテリー駆動式の周波数計と発振回路の一体化した小型センサーシステム又は当該システムとデータ収集及び制御用コンピューターを結合したシステムを用いて行うことを特徴とする(1)〜 5)項のいずれか1項に記載の測定方法、
(7)前記水晶振動子を、試料の抽出・前処理の機能を持つマイクロ流路に結合し、または、マイクロ流路中に埋め込み、マイクロ反応空間で抗原抗体反応時間を促進するマイクロ流路型化学反応システムを使用することを特徴とする(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の測定方法、
(8)被測定物質であるダイオキシン類が2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンであることを特徴とする(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の測定方法、
(9)環境由来試料又は生体由来試料から被測定物質を高速溶媒抽出法により抽出し、濃縮・クリーンアップ前処理を行うことを特徴とする(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の測定方法、
(10)(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の方法を用いて測定試料中の2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンの濃度を求め、かつ、試料全体の毒性等量を測定することを特徴とするダイオキシン類の毒性等量の測定方法、および
(11)特定の被測定物質に対して特異的結合能を有する認識素子と、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする合成高分子からなる前記認識素子の安定剤とが固定された水晶振動子からなり、(1)〜(10)項のいずれか1項に記載の方法に用いられることを特徴とするバイオチップ
を提供するものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の濃度測定方法について説明する。
本発明は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする合成高分子からなる安定剤を用いて、多成分の夾雑物中に含まれる被測定物質に対する特異的結合能を有する認識素子を水晶振動子に固定して、被測定物質を高分子タンパク質等に複数個結合させて、これを競合標準物質とし、検体中の被測定物質と競合させる競合反応を用いることを特徴とするものである。本発明では特定の合成高分子からなる安定剤を用いることにより従来の水晶振動子を用いた方法では測定できなかった多成分からなる混合系における正確な濃度測定が可能となる。
抗体の抗原認識は、対象とする分子の立体構造の二次元や三次元高次構造であり、特に抗体における抗原認識部位であるFab部先端のhindのアミノ酸配列が構成する三次元構造を安定化する必要がある。また各種の外的な変動(温度、乾燥、pH、イオン強度)に対しても抗体の構造を安定化することが必要である。本発明に用いられる安定剤はこれらを安定化することができる。
本明細書において、安定剤(ブロック剤ともいう)とは、免疫センサーや酵素固定化免疫測定、放射化固相化免疫測定等での抗原抗体反応において、抗原の非特異吸着の低減(選択性、感度の向上)および、抗体の分子認識能力の基本となる高次構造の保持(抗体の安定性、耐久性の向上)の効果を与える試薬剤をいう。
図1は、水晶振動子上に配置された認識素子(抗体)と安定剤との関係を示す説明図である。図1の上段は従来例を示し、下段は本発明例を示す。以下に図1を参照しながら従来の安定剤と本発明に用いられる安定剤の相違を説明する。
従来用いることができた安定剤5は、抗体3が固定される水晶振動子1の金電極2表面における抗体3が固定化されていない間隙に物理吸着又は化学結合することにより、試料中の被測定物質以外の共存タンパク質が水晶振動子1上における抗体3が固定されていない部分へ非特異的に吸着するのを排除(又は抑制)する役割を果たす。これにより抗原抗体反応の正味の応答のみを水晶振動子上で得ることができる。この作用については本発明に用いられる安定剤4でも同様である。
しかし、従来の安定剤5はBSAや変性タンパク質など生体由来のものが多かったためそれ自体の安定性がなく、経時的に安定剤5は変性して安定剤7となり、抗体3の高次構造を保持することができなかった。そのため、抗体3は抗体6に変性してしまい、特定の被測定物質以外の物質と反応を起こし、特定の被測定物質だけを正確に測定するということができなかった。
これに対し、本発明に用いられる安定剤4は、安定剤4自身が温度上昇や時間変化、pH変化などに対して耐久性を持つため、温度上昇や時間変化、pH変化などに対して抗体3の活性がほとんど低下せず、安定な抗体3の高次構造を保つことができ、抗体3を水晶振動子1に固定した状態で数日間保存することができる。
安定剤としては、抗体の高次構造を保持する観点から生体膜に類似した化学構造を持つ化合物が用いられる。具体的には、細胞膜を構成する脂質の極性基と同様の構造を有するホスホリルコリン基含有化合物を構成単位とする水溶性ポリマーである2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする合成高分子(MPCポリマー)からなるものである。MPCポリマーは、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー、マクロモノマーのアクリル酸エステル誘導体、フマル酸エチル誘導体、スチレン誘導体等であってもよい。MPCポリマーは、特開平6−313009号、特開平10−296063号、特開2001−261740等に記載された方法により製造することができる。
これらの生体膜に類似した化学構造を持つ化合物をPBS溶液に溶解したものが安定剤として用いられる。安定剤の具体例としては、Lipidure(商品名、日本油脂株式会社製)などが挙げられる。
安定剤の濃度及び使用量は安定剤の種類によって異なるが、Lipidure(商品名)の場合はPBS(pH7.0)10mMに0.01〜25質量%、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.2質量%を溶解した溶液として用いられ、水晶振動子の電極(電極直径0.5cm、面積0.196cm)に対して、0.01〜0.05mLを使用するのが好ましく、0.015〜0.03mLがより好ましい。
通常、抗原抗体反応では溶媒にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いるが、ダイオキシン類のように水に難溶な物質を測定対象とする場合は、測定対象を可溶化するためPBSにジメチルスルホキシド(DMSO)を混合して用いるのが好ましい。DMSOは、好ましくは体積比で10〜50%、より好ましくは25%混合する。また、DMSOの代わりに界面活性剤を混合して用いてもよい。界面活性剤としては例えば、0.05%のTween20(商品名、シグマケミカル社製)を添加したリン酸バッファーを用いることができ、好ましくは体積比で0.01〜5%、より好ましくは0.03〜1%混合する。
本発明における被測定物質は、例えば、ゴミ焼却場の燃焼灰、飛灰、土壌、燃焼器内部の残留物、汚染土壌、凝集沈殿物、排水、汚水、地下水、河川・湖沼の水、汚泥などの環境由来試料や牛乳、母乳、血液、尿、体液、細胞組織などの生物由来試料に含まれる微量成分が挙げられる。該微量成分はダイオキシン類である。しかし、例えば、コプラナーPCB類、フラン類、臭素化ダイオキシン類などの内分泌撹乱物質に指定されたいわゆる環境ホルモン等を始めとする環境汚染物質やヒト体内中の微量ホルモン類等も同様に測定することができる。なお、本発明において「ダイオキシン類」とは、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)をいい、具体例として2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシン、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフランが挙げられる。
本発明では、被測定物質が分子量100〜1000程度の低分子量物質や抗体結合部位を一箇所しか有さない物質であっても高感度に測定することができる。
本発明では被測定物質を高分子タンパク質等に複数個結合させて、これを競合標準物質とし、検体中の被測定物質と競合させる競合反応を用いる。本発明で用いられる競合標準物質は、被測定物質が高分子タンパク質に複数個結合したものである。
該タンパク質としては特に限定されないが、入手の容易さや経済的な面から、例えば、生化学分野等で汎用されている分子量数万以上のタンパク質である血清アルブミン、または酵素であるペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどが好適に用いられる。
被測定物質を高分子タンパク質に複数個結合させる方法としては、例えば、混合酸無水物法、N−ヒドロキシスクシンイミド法、同反応性架橋法、N−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシンイミド型架橋法などが挙げられる。
被測定物質は、認識素子が固定された水晶振動子により測定される。
本発明で使用される水晶振動子は従来用いられていたものを使用することができ、その種類としては、例えば、ATカット、GTカット、BTカット等が挙げられ、電極の材質としては金や銀などが適している。
前記水晶振動子の発振周波数は特に限定されず、用途に従い適宜選択すればよいが、5〜50MHzが好ましく、9〜30MHzがより好ましい。なお、発振周波数が5MHz未満の場合は感度が充分ではなく、50MHzを超える場合はノイズが生じるため実用的でない。
水晶振動子上に認識素子及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を構成単位とする安定剤を固定化してバイオチップを作製する。
水晶振動子に認識素子を固定化する方法としては特に限定されず、常法により行うことができる。例えば、水晶振動子の金電極表面をシステアミン処理した後グルタルアルデヒド処理を施し、該表面に認識素子を吸着させる方法などが挙げられる。
水晶振動子に固定された認識素子は被測定物質に対して特異的結合能を有する。本発明で使用される認識素子としては、被測定物質に対して特異的に結合するものであれば特に限定されず、例えば、被測定物質と抗原抗体反応を起こす抗体や被測定物質を特異的に認識するレセプター分子等が挙げられる。
被測定物質と抗原抗体反応を起こす抗体としては、例えば、被測定物質およびハプテン化被測定物質を抗原として、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等の動物を免疫して作製したモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体(IgG、IgM等)等が挙げられる。前記抗体として、例えば、酵素処理などにより得られるF(ab’)やFab’やFabを用いてもよく、さらに遺伝子組換え技術により調製したFab’やscFv等を用いてもよい。
被測定物質を認識するレセプター分子としては特に限定されないが、例えば、ダイオキシン類はAh(アリルハイドロカーボン)レセプターと結合することが知られており、このようなレセプターを用いることができる。
さらに認識素子としては、被測定物質との結合能を有するペプチドやDNAなどを用いてもよく、モレキュラーインプリンティング法により作製される、被測定物質と相補的な 結合部位を有した高分子ポリマーを用いてもよい。
認識素子は水晶振動子に固定されるが、遊離の認識素子が不溶性担体粒子に固定化されて凝集素子を形成してなることが好ましい。競合標準物質複合体を、水晶振動子に固定された認識素子と凝集素子とで挟み込みサンドイッチ状態にすることにより重量が増加し、その結果として周波数変化量が増幅して、より低濃度の被測定物質を検出・定量することが可能となる。認識素子が被測定物質と抗原抗体反応を起こす抗体である場合、凝集素子は第二抗体として働く。
本発明で使用される不溶性担体粒子としては、本発明で用いられる液体媒体に実質的に不溶性であれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ソーダ共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−クロルメチルスチレン共重合体、塩素化ポリスチレン等の有機高分子物質からなる粒子;シリカ、シリカ−アルミナ等の無機酸化物微粒子;有機薄膜を被覆したフェライト等の磁性金属微粒子などが挙げられる。
その粒径は、十分な発振周波数変化をもたらすために液体媒体中に安定に分散することが可能な範囲で大きくできるが、0.01μm〜1μmが好ましく、0.05μm〜0.5μmがより好ましい。
不溶性担体粒子に認識素子を担持させて凝集素子を形成する方法としては特に限定されず、常法により行うことができる。例えば、不溶性担体粒子にカップリング剤等を用いて化学的に吸着させる方法、反応性官能基を粒子表面に有する高分子物質のラテックスを不溶性担体として用いて化学的に吸着させる方法、または疎水性相互作用などを利用した物理的に吸着させる方法等が挙げられる。
凝集素子の濃度は特に限定されず適宜設定することができるが、0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.05質量%〜0.5質量%がより好ましい。0.01質量%未満であると抗原抗体反応を充分に行わせることができず、1.0質量%であると凝集素子が液体媒体中で安定に分散することが困難になる。
本発明で使用される装置としては、例えば特開平3−77061号公報に記載されているものを用いることができる。該測定装置において、水晶振動子チップは発振回路、周波数カウンター及びデータ処理用のマイクロコンピュータによって構成される測定システムに接続される。
また、本発明は、電池駆動式又はバッテリー駆動式の周波数計と発振回路の一体化した小型センサーシステムを使用して測定を行うことができる。これにより測定装置を携帯することができ、任意の場所で測定することができる。
また、本発明は、水晶振動子をマイクロ流路中に埋め込みマイクロ反応空間で抗原抗体反応時間を促進するマイクロ流路型化学反応システムを使用して測定を行うことができる。このシステムを用いることにより、測定試料中の被測定物質と競争反応を1分以内に完了させることができ、さらに迅速な測定が可能となる。具体的には、北森ら、Analytical Chemistry,Vol.73,No.6,1213−1218(2001)、北森ら、Analytical Chemistry,Vol.74,No.9,2014−2020(2002)等に記載されたシステムを使用することができる。
認識素子を抗体とした場合を例として、以下に本発明の測定方法の一実施態様を説明する。
測定に際して、環境由来試料又は生体由来試料は、高速溶媒抽出法により数時間内で抽出し、濃縮・クリーンアップ前処理を行う。高速溶媒抽出法については、坂田一登ら、「高速溶媒抽出法と免役測定法を組み合わせた迅速ダイオキシン分析技術」、資源環境対策、Vol.37,No.9,87−91(2001)に記載されている。この前処理方法と組み合わせて本発明を実施することにより、従来の公定法では試料採取から測定まで2週間近くかかっていたのを、試料採取からわずか4〜5時間以内に分析結果を得ることができる。
まず、抗体等を固定化するための各種の化学処理を行った水晶振動子を緩衝溶液等の液体媒体中に浸漬させ、かつ液体媒体は測定用の恒温セル中に入れた撹拌子により一定速度で撹拌しておく。または、抗体等を固定化するための各種の化学処理を行った水晶振動子を測定用の恒温セル中に入れて、以下の抗体固定化操作を行う。ここで、本発明で用いられる液体媒体としては、例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が好ましい。また、撹拌子の回転速度は、抗原抗体反応を速やかに行わせると同時に発振を安定に行わせる観点から500〜1500rpmが好ましく、800〜1000rpmがより好ましい。また反応中は一定の回転速度を保つことが好ましい。
次に、バイオチップを作製する。水晶振動子を前記恒温セル中の液体媒体に浸漬して発振させ、水晶振動子に抗体を担持させる。次いで、0.1〜5%の安定剤を水晶振動子上に添加し、その後水晶振動子上に固定されていない安定剤を水洗除去する。水晶振動子を乾燥後、または溶液中で、発振周波数が安定したところで周波数F1を測定する。なお、本発明では、抗体を安定剤により水晶振動子上に固定化した後、数日間保存してから抗原抗体反応を行いダイオキシン類の濃度を測定することができる。したがって、抗体を固定した水晶振動子(バイオチップ)を大量に調製して保存しておくことができ、一度に多数の検体を分析することができる。作製したバイオチップは保存可能日数経過前に使用するのが好ましい。保存可能日数は、25℃、乾燥状態では、好ましくは1〜60日、より好ましくは1〜7日である。また、0〜4℃(冷蔵状態)の乾燥状態では、好ましくは1〜1000日、より好ましくは1〜365日、特に好ましくは30日以内である。
次に、抗原を複数結合したタンパク質および抗原が含まれている検体の混合物を添加、競合的免疫反応を行う。このとき検体中に抗原が含まれていれば、抗原を複数結合したタンパク質が水晶振動子表面に担持された抗体に結合することを阻害する。水晶振動子の周波数は表面上に結合した物質の重量に依存して減少するため、抗原結合タンパク質が水晶振動子に吸着する重量が減少すれば周波数減少値も小さくなる。
水晶振動子表面上の抗体と結合していない、遊離している抗原結合タンパク質を除去・洗浄する。撹拌はそのまま続け、周波数が一定に安定した値F2を測定する。得られたF1からF2を引き算することにより周波数変化量ΔFを算出する。
以上の測定の間の反応温度は室温でも可能であるが、水晶振動子の高い周波安定性を確定するため、25〜37℃の環境下で±0.1℃の精度で温度を制御して行うことが好ましい。
本発明では、既知濃度の被測定物質を用いて検量線を作成し、これを用いて検体中の被測定物質の濃度を算出する。
なお、本発明で使用した水晶振動子は、硫酸・過酸化水素水の混合溶液や過マンガン酸カリ溶液等で表面に固定化した抗体等を洗浄除去して再度使用してもよいが、この水晶振動子は100円程度と非常に廉価であることから一測定毎に取り替えてもよい。
特にダイオキシン類の分析の場合には、ダイオキシン類の毒性が非常に高く、また洗浄後の溶液は濃縮後に1500℃以上の高温で燃焼・分解しなければならないので、水晶振動子は基本的に使い捨てとするのが好ましい。
次に、本発明の毒性等量の測定方法について説明する。
ダイオキシン類については、各成分濃度に所定の毒性等価係数をかけることにより、各成分の毒性等量(TEQ)を算出することができる。毒性等価係数は、世界保健機関/国際化学物質安全性計画(WHO/IPCS)により規定されている。
2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシン(2,3,7,8−TCDD)は毒性等価係数が1であり、環境中における他のダイオキシン類に比べて毒性等価係数が高いことが知られている。また、2,3,7,8−TCDDはダイオキシン類の中でも環境中における濃度が高いことが知られている。したがって、上記本発明の方法により2,3,7,8−TCDDの濃度を測定することにより、予めGC/MS法を用いて作成した検量線から、試料中のダイオキシン類全体の毒性等量を測定することが可能となる。この毒性等量測定方法は、環境由来試料又は生体由来試料について適用することができる。

実施例
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

実施例1
<水晶振動子の抗2,3,7,8TCDD抗体固定化と安定化処理>
低分子化合物である2,3,7,8−TCDDを被測定物質として試験を行った。
水晶振動子はATカット(9MHz)を用いた。まず、水晶振動子の金電極表面を硫酸・過酸化水素混合溶液で洗浄した。純水で洗浄後、乾燥のため窒素を水晶振動子上に流速2.5L/分で流通した。次いで、水晶振動子の金電極表面を0.01Mのシステアミンで処理し、続いて1%グルタルアルデヒド溶液で処理して、抗体結合のために金電極表面を活性化した後、1mLの純水で3回洗浄した。
次に50μg/mLの抗2,3,7,8−TCDDモノクローナル抗体のPBS溶液(pH7.4)30μLを水晶振動子上に添加し、25℃で90分間反応させることにより水晶振動子上に抗体を固定化した。1mLの純水で3回洗浄後、水晶振動子上に残存する未反応のアルデヒド基をキャップ処理するため0.02Mのグリシン液30μLを水晶振動子上に添加し、25℃で30分間反応させた。1mLの純水で3回洗浄後、安定剤の0.2%−PBS溶液30μLを水晶振動子上に添加し、25℃で90分間反応させた。安定剤としてはLipidure−HM(商品名、日本油脂株式会社製)を用いた。1mLの純水で3回洗浄後、乾燥のため窒素を水晶振動子上に流速2.5L/分で流通し、60分後に抗体固定化水晶振動子の発振周波数測定を行い、その測定値をF1とした。
<抗原抗体反応I>
100ng/mLの2,3,7,8−TCDD結合卵白アルブミン(RDI社製)の10mMのPBS溶液(pH7.4)に2,3,7,8−TCDDのDMSO溶液を1:3の割合で混合し、25%DMSO溶液とした。2,3,7,8−TCDD濃度をそれぞれ0.001、0.01、0.1、1、10、100ng/mLとなるように溶解した競争反応の抗原溶液を調製した。
この抗原液10μLを上記で調製した抗2,3,7,8−TCDD抗体固定化水晶振動子に加え、25℃にて60分間反応させることにより抗原抗体反応Iを行った。当該抗原抗体反応は約300Hzと大きいため、抗原抗体反応率が65%で充分であると判断した場合には反応時間10分で反応を終了させてもよい。反応終了後、1mLの純水で3回洗浄し、乾燥のため窒素を水晶振動子上に流速2.5L/分で流通し、30分後に抗体固定化水晶振動子の発振周波数測定を行い、その測定値をF2とした。
F1からF2を差し引いた値をΔF1とし、結果を表1に示す。また、2,3,7,8−TCDD濃度との関係を図2に示し、後述する実施例1におけるゴミ焼却場の飛灰から抽出した試料に含まれるダイオキシン濃度測定の際の検量線として用いた。
Figure 0004113956
表1から明らかなように、本発明では0.001ng/mL(1pg/mL)〜100ng/mLの微小濃度の2,3,7,8−TCDDを測定することができる。

実施例2
<抗原抗体反応II(ラテックス試薬による増感反応)>
1ng/mLの2,3,7,8−TCDD結合卵白アルブミン(RDI社製)溶液に2,3,7,8−TCDD(RDI社製)を1ng/mLとなるように溶解した液を調製し、これを抗原液とした。実施例1と同様にして抗原抗体反応Iを行い、洗浄後に免疫試薬用ラテックス(積水化学工業社製)に抗2,3,7,8−TCDDモノクローナル抗体を固定化した抗2,3,7,8−TCDDラテックス懸濁液(固形分0.01%)10μLを加え、25℃にて60分間インキュベーションすることにより抗原抗体反応IIを行った。反応終了後、精製水で洗浄し、抗体固定化水晶振動子の発振周波数測定を行い、その測定値をF3とした。
F2からF3を差し引いた値をΔF2とした。結果を表2に示す。
なお、参考として、競合標準物質である1ng/mLの2,3,7,8−TCDD結合卵白アルブミン(RDI社製)溶液のみを抗原液として同様の試験を行い、その結果を表2に示す。

比較例1
ラテックス試薬及び安定剤を使用しなかったこと以外は実施例2と同様に試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004113956
表2から明らかなように、ラテックス粒子を添加することによって周波数変化の測定値は10倍以上となり、高感度の測定を行うことができる。

実施例3
ゴミ焼却場の飛灰から抽出した試料中に含まれる2,3,7,8−TCDDについての抗原抗体反応測定試験を行った。実施例1と同様に水晶振動子の抗2,3,7,8−TCDD抗体固定化と安定化処理を行い、競争反応の標準となる100ng/mLの2,3,7,8−TCDD結合卵白アルブミン(RDI社製)溶液にゴミ焼却場の飛灰から抽出した試料を1ng/mLとなるように溶解した競争反応液を調製し、これを抗原液とした。これを用いて実施例1と同様の抗原抗体反応試験を行った。結果を表3に示す。

比較例2
安定剤を使用しなかったこと以外は実施例3と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004113956
表3から明らかなように、混合物である環境試料を測定すると、安定剤が添加されていない場合は発振周波数の応答量は著しく減少する。これに対し、安定剤を添加した本発明例では安定剤を添加していない場合に比べて周波数変化の測定値が10倍以上となり、高感度の測定を行うことができる。
安定剤を添加しない場合では、実際の環境試料中に含まれる多成分・高濃度の物質による阻害や抗体自身の持つ交差反応性のために抗原抗体反応による周波数変化が小さく、かつ応答は安定して得られない。また、安定剤を添加しない場合は、測定溶液中のダイオキシン類やフラン類の種々の高濃度な多成分の混合物により、抗2,3,7,8−TCDDモノクローナル抗体が正常な抗原抗体反応をするための高次構造が維持できなくなり、その結果として異常な周波数応答を示すと考えられる。

実施例4
実施例3で用いた試料中の2,3,7,8−TCDD濃度について、ELISA法により測定し、本発明の方法による測定結果との相関を調べた。結果を図3に示す。図3は本発明の方法による測定結果とELISA法による測定結果との相関関係を示すグラフである。
また、同じ試料についてGC/MS法により測定し、本発明の方法による測定結果との相関を調べた。測定装置には、ガスクロマトグラフィー/質量分析計としてHP−6890/JMS−700MStation(商品名、日本電子株式会社製)を、データ処理システムとしてMS−MP8220D(商品名、日本電子株式会社製)を用いた。GC/MS法では、試料中に存在するダイオキシン類(テトラクロロジベンゾパラジオキシン類(TeCDDs)、ペンタクロロジベンゾパラジオキシン類(PeCDDs)、ヘキサクロロジベンゾパラジオキシン類(HeCDDs)、ヘプタクロロジベンゾパラジオキシン類(HpCDDs)、オクタクロロジベンゾパラジオキシン類(OCDDs)、テトラクロロジベンゾフラン類(TeCDFs)、ペンタクロロジベンゾフラン類(PeCDFs)、ヘキサクロロジベンゾフラン類(HeCDFs)、ヘプタクロロジベンゾフラン類(HpCDFs)、オクタクロロジベンゾフラン類(OCDFs)等)の個々の成分について濃度を測定し、個々の成分濃度に個々の毒性等価係数をかけて個々の毒性等量を算出し、個々の毒性等量を総和して、試料中のダイオキシン類全体の毒性等量(TEQ)を算出した。結果を図4に示す。図4は本発明の方法による測定結果とGC/MS法による測定結果との相関関係を示すグラフである。
図3から明らかなように、本発明の方法による測定結果はELISA法による測定結果と良好に相関している。したがって、本発明の方法はELISA法に代わる濃度測定方法として利用することができる。また、図4から明らかなように、本発明の方法による測定結果はGC/MS法による毒性等量測定の結果とも良好に相関している。したがって、本発明の方法はGC/MS法に代わる毒性等量測定方法として利用することができる。

実施例5
100ng/mLの2,3,7,8−TCDD結合卵白アルブミン(RDI社製)溶液を抗原液とし、実施例1と同様に水晶振動子の抗2,3,7,8−TCDD抗体固定化と安定化処理を行った。その後、試料を25℃で一夜保存してから実施例1と同様に2,3,7,8−TCDDの抗原抗体反応測定実験を行った。測定結果を表4に示す。

比較例3
安定化処理を行わずかつ一夜保存しなかったこと以外は実施例5と同様にして、試料を調製し、2,3,7,8−TCDDの抗原抗体反応測定実験を行った。測定結果を表4に示す。

比較例4〜6
安定化処理を行わなかったこと以外は実施例5と同様にして、試料を調製し、2,3,7,8−TCDDの抗原抗体反応測定実験を行った。同じ試験を3回行ない、それぞれを比較例4〜6とした。それぞれの測定結果を表4に示す。
Figure 0004113956
表4から明らかなように、ダイオキシン分析用の抗体固定化水晶振動子を一夜保存すると抗原抗体反応量は著しく減少する。この場合安定剤なしでは、抗原抗体反応による周波数変化が小さく、かつ応答は安定して得られない。
これに対して、安定剤を添加した本発明例は、一夜保存すると抗原抗体反応量は一夜保存していない比較例3に比べて10%程度減少するものの安定した応答が得られることがわかる。

実施例6
実施例3と同様にして、ゴミ焼却場の飛灰から抽出した試料中に含まれる2,3,7,8−TCDDの濃度を測定した。測定結果は97ng/mLであった。測定した濃度を図4に示す検量線に適用した結果、毒性等量は49ng−TEQ/mLであった。
同じ試料についてGC/MS法により各成分濃度を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0004113956
表5の結果から明らかなように、試料中の全ダイオキシン類の毒性等量は58ng−TEQ/mLであった。
したがって、環境中におけるダイオキシン類の中で最も濃度が高く毒性が高いことが知られている2,3,7,8−TCDDの濃度を測定することにより、予めGC/MS法を用いて作成した検量線から、試料中におけるダイオキシン類全体の毒性等量を測定することができた。
本発明によれば、環境由来試料又は生物由来試料などの多成分からなる夾雑物中に含まれる微量成分を、非常に簡単な操作で迅速かつ高感度に測定することができる。例えば、分析試料として、ヒト血清、尿、体液等の生体由来試料または河川・湖沼の水、汚泥、焼却炉の煤塵等の環境由来試料などを用いて微量成分の検出を行うことができる。特に、ダイオキシン類などの内分泌撹乱物質に指定されたいわゆる環境ホルモン等を始めとする環境汚染物質や、ヒト体内中の微量ホルモン類などを高感度に測定することができる。
従来のダイオキシン類測定の公定法(GC/MS法)では、1件あたりの分析コストが約25万円かかり、分析時間も4週間近くかかっていたのに対し、本発明によれば、1件あたり約2万円で4時間程度で公定法と同レベルの精度で測定することができる。また、測定装置についても、公定法では装置本体が約6000万円であるのに対し、本発明では約1万円である。したがって、本発明は経済的に非常に有利である。
また、本発明によれば、環境中における濃度が高く猛毒な2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシン(2,3,7,8−TCDD)の濃度を測定し、毒性等量を算出することにより、環境由来試料又は生物由来試料などの多成分からなる夾雑物におけるダイオキシン類の全体の毒性等量を測定することが可能となる。

産業上の利用可能性
非常に簡単な操作で迅速かつ高感度に測定することができ、環境由来試料又は生物由来試料などの多成分からなる夾雑物中におけるダイオキシン類などの内分泌撹乱物質に指定されたいわゆる環境ホルモン等を始めとする環境汚染物質や、ヒト体内中の微量ホルモン類などの測定方法、並びにその毒性等量の測定方法として好適である。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
【図面の簡単な説明】
図1は、水晶振動子上に配置された認識素子(抗体)と安定剤との関係を示す正面図である。
図2は、本発明における2,3,7,8−TCDD濃度と水晶振動子の発振周波数変化の関係を示すグラフである。
図3は、本発明の方法による測定結果とELISA法による測定結果との相関関係を示すグラフである。
図4は、本発明の方法による測定結果とGC/MS法による測定結果との相関関係を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 環境由来試料又は生物由来試料中の微量成分を測定するにあたり、多成分系の試料中の特定の被測定物質に対して特異的結合能を有する認識素子と、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする合成高分子からなる前記認識素子の安定剤とが固定された水晶振動子上に試料を固定して周波数変化量を測定し、その結果を競合標準物質を用いて得た水晶振動子の周波数変化量と対比して、多成分系の測定試料中の前記被測定物質の量を求める測定方法であって、
    前記の特定の被測定物質がダイオキシン類のうち2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンであり、
    前記認識素子が、前記2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンを抗原として特異的に結合することができるモノクローナルまたはポリクローナル抗体であることを特徴とする測定方法。
  2. 認識素子を不溶性担体粒子に固定化した凝集素子を用い、該凝集素子と水晶振動子上の認識素子とを被測定物質に特異的に結合させることにより発振周波数変化量を増幅させて測定することを特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記認識素子がモノクローナルまたはポリクローナル抗体のIgG、IgM、Fab、F(ab’)又はScFvであることを特徴とする請求項1または2に記載の測定方法。
  4. 前記の2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンを抗原として特異的に結合することができるモノクローナルまたはポリクローナル抗体を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする合成高分子からなる安定剤の共存下で水晶振動子上に固定化した後、数日間保存してから抗原抗体反応を行ってダイオキシン類の濃度を測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の測定方法。
  5. 前記安定剤が、抗原の非特異吸着の低減および抗体の分子認識能力の基本となる高次構造の保持の効果を与える試薬剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の測定方法。
  6. 前記の水晶振動子の周波数変化量の測定を、電池駆動式もしくはバッテリー駆動式の周波数計と発振回路の一体化した小型センサーシステム又は当該システムとデータ収集及び制御用コンピューターを結合したシステムを用いて行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の測定方法。
  7. 前記水晶振動子を、試料の抽出・前処理の機能を持つマイクロ流路に結合し、または、マイクロ流路中に埋め込み、マイクロ反応空間で抗原抗体反応時間を促進するマイクロ流路型化学反応システムを使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の測定方法。
  8. 環境由来試料又は生体由来試料から被測定物質を高速溶媒抽出法により抽出し、濃縮・クリーンアップ前処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の測定方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を用いて測定試料中の2,3,7,8−テトラクロロジベンゾパラジオキシンの濃度を求め、かつ、試料全体の毒性等量を測定することを特徴とするダイオキシン類の毒性等量の測定方法。
  10. 特定の被測定物質に対して特異的結合能を有する認識素子と、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする合成高分子からなる前記認識素子の安定剤とが固定された水晶振動子からなり、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法に用いられることを特徴とするバイオチップ。
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