JP4113313B2 - 車両用障害物警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両周辺の障害物を検出し、運転者に障害物の接近を知らせて衝突を未然に防止する車両用障害物警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用の障害物への衝突防止のための警報装置においては、音波や光を放射してから反射波を受信するまでの伝搬時間を測定し、車両に最も近い障害物までの距離を計算してその距離に応じてブザーの発音間隔を狭めたり、発光ダイオード等の発光素子の色や点滅間隔を変えるなどの警報を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来装置では、障害物と車両の距離値に基づいて警報が行われているので、例えば車両が壁と平行に走行する場合のように障害物である壁と車両が衝突する可能性がない状況においても、車両と壁との距離が所定の基準値以下であると警報が行われていた。また、運転者の死角領域に障害物が存在する場合に、障害物を回避することができるか否かが運転者に判り難く、障害物の位置を確認するために降車したり、何度も切り返しをしなければならないといった問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、不必要な警報を行わず、車両の切り返し等の操作を低減させて操縦性を向上することが可能な車両用障害物警報装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、車両に設置されて車両周辺に存在する障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置から車両までの最短距離を算定する距離算定手段と、車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、テアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、進行方向検出手段並びに操舵角検出手段の検出結果に基づいて車両の行軌跡を算定する進行軌跡算定手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置と進行軌跡算定手段によって算定された進行軌跡を比較して車両の障害物への衝突可能性を判定する衝突判定手段と、突可能性並びに距離算定手段によって算定された短距離に応じて運転者に警報を発する報知手段とを備え、障害物位置検出手段は、超音波信号を送信並びに受信する超音波送受信器と、超音波信号を受信する超音波受信器と、超音波送受信器により送信された超音波の送信開始時刻から障害物によって反射された反射波が超音波送受信器並びに超音波受信器で受信されるまでの経過時間を測定する時間測定手段と、時間測定手段により測定された時間に基づいて障害物までの距離を計算する距離計算手段と、時間測定手段により測定された超音波送受信器並びに超音波受信器の経過時間の差分から超音波送受信器と超音波受信器を結ぶ線分の中点を起点とし当該線分の垂直二等分線と反射波の到来方向とのなす角度を計算する角度計算手段とを有し、障害物位置検出手段により、最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での前進時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での前進時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での後退時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での後退時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域に障害物が存在することを検出した場合に、衝突判定手段は、操舵角が最大となるまでに障害物を回避可能とする衝突可能性を判定すると共に、超音波送受信器及び超音波受信器の両方の受信可能領域を、超音波送受信器からの距離と上記角度計算手段によって計算された角度によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器及び超音波受信器で反射波を受信した場合、いずれのセグメントに障害物が存在するかを、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離と上記角度計算手段によって計算された角度から算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とすることを特徴とし、車両から所定距離の範囲内においてステアリングの操舵角のゼロ(直進)から最大値までの車両の進行軌跡が移動する領域内に存在する障害物の位置を検出するため、一般に車両近傍の障害物を反対方向に回避する動作、例えば前進時に車両の左前側に障害物が存在した場合にステアリングを右に回して回避する動作等を行うときにステアリングを操舵角の最大値まで回すまでに回避可能になるかどうかを判定することができ、その結果、必要の無い切り返し動作を防ぐことができるので操縦性が向上する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、超音波送受信器の受信可能領域内であって超音波受信器の受信可能領域でない領域を、超音波送受信器からの距離によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とすることを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、超音波送受信器及び超音波受信器の両方で反射を受信できない場合においても障害物の存在する領域と車両から障害物までの最短距離を近似的に求めることができ、超音波送受信器の受信可能領域を有効に用いることができて縦性がさらに向上する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項の発明において、音波受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離をDb、超音波送受信器と超音波受信器の間の距離をdとした場合に長径が2×Dbであり、短径が2×{Db2−(d/2)21/2であるとともに超音波送受信器並びに超音波受信器を焦点とする楕円上に障害物が存在していると算定し、超音波受信器の受信可能領域内であって超音波送受信器の受信可能領域でない領域を、複数のセグメントに分割して構成し、超音波受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とすることを特徴とし、請求項の発明の作用に加えて、超音波送受信器及び超音波受信器の両方で反射を受信できない場合においても障害物の存在する領域と車両から障害物までの最短距離を近似的に求めることができ、超音波受信器の受信可能領域を有効に用いることができて縦性がさらに向上する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項の発明において、進行軌跡算定手段が、障害物位置検出手段により障害物の位置を算定する毎に逐次操舵角検出手段により検出されたステアリングの操舵角と進行方向検出手段によって検出された進行方向とから車両の進行軌跡を算定することを特徴とし、請求項の発明の作用に加えて、現在のステアリングの操舵角に応じたより細かな衝突回避可能性の判定を行うことができ、さらに操縦性が向上する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項の発明において、超音波送受信器を超音波受信器よりも車両の中央側に配置したことを特徴とし、請求項の発明の作用に加えて、車両の側方に存在する障害物よりも衝突の可能性が高い車両の中央側に存在する障害物を確実に検知することができ、障害物の位置検出に対する信頼性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本実施形態の車両用障害物警報装置は、図1に示すように、自動車の車両が前後のどちらに進むのかを判定するためにオートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置(例えば、パーキング,リバース,ニュートラル,ドライブ,2nd,1st等)を検知するシフト位置センサ1と、車両の有するステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ2と、シフト位置センサ1及び操舵角センサ2の検出結果に基づいて車両の予定される進行軌跡(進行方向及び操舵角を維持したままで車両が進行したと仮定した場合の軌跡、以下同じ)を算定する進行軌跡算定手段3と、車両に設置される2次元超音波センサ(以下、「超音波センサ」と略す)4と、超音波センサ4を用いて検出される車両周辺の障害物までの距離及び角度から障害物の位置を算定する演算手段5と、演算手段5によって算定された障害物の位置から車両までの最短距離(車両表面、すなわち車体の輪郭までの最短距離、以下同じ)を算定する距離算定手段6と、演算手段5によって算定された障害物の位置と進行軌跡算定手段3によって算定された進行軌跡を比較して車両の障害物への衝突可能性を判定する衝突判定手段7と、衝突判定手段7により衝突可能性有りと判定された場合に運転者に衝突の危険があることを報知するためのブザー8と、少なくとも進行軌跡算定手段3により算定された進行軌跡並びに演算手段5にて算定された障害物の位置を表示する液晶ディスプレイ等から成る表示器9とを備え、超音波センサ4と演算手段5とで障害物位置検出手段が構成されている。なお、進行軌跡算定手段3、演算手段5、距離算定手段6並びに衝突判定手段7は、マイクロコンピュータ及びマイクロコンピュータで実行されるソフトウェア(プログラム)等で実現されるものである。また、操舵角センサ2は従来周知の構成を有するものであって、ステアリングが取り付けられているステアリングシャフトに共動して回転する円盤(図示せず)と、この円盤に設けられた孔の両側に対向配置される発光部及び受光部(図示せず)とを備え、発光部からの光を円盤の上記孔を通して受光部で受光したときの受光光量に応じて出力されるHレベル/Lレベルのパルス信号をカウントして、円盤の回転角度からステアリングの操舵角を検出するものである。
【0011】
超音波センサ4は、図2(a)(b)に示すように車両の前方(フロント側)に設けられたバンパーの両コーナ部分に各々2箇所ずつ埋め込まれ、車両の後方(リア側)に設けられたバンパーの両コーナ部分にも同じく2箇所ずつ埋め込まれている。なお、超音波センサ4の取付位置及び取付数はこれに限られるものではない。
【0012】
超音波センサ4と障害物との位置関係は、図3に示すパラメータを用いて表現される。すなわち、Hは超音波センサ4が設置されている平面であり、超音波センサ4において超音波を送波/受波する開口が形成される開口面である。Vは超音波センサ4の法線であり、超音波センサ4において超音波を送波/受波する開口の略中心Oを通り、後述する超音波センサ4a,4bの垂直二等分線を構成する。Lは開口の略中心Oから障害物までの距離であり、φは超音波センサ4と障害物を結ぶ直線と法線Vとのなす角である。
【0013】
超音波センサ4は、図4並びに図5に示すように、超音波送受信器たる送波/受波兼用の超音波センサ4aと、超音波受信器たる受波専用の超音波センサ4bと、それらを駆動する駆動回路(図示せず)とにより構成され、以下に示す方法により、障害物の位置関係を特定する。なお、図2(b)に示すように送波/受波兼用の超音波センサ4aが受波専用の超音波センサ4bよりも車両の中央側に配置してある。
【0014】
それぞれの超音波センサ4a,4bは距離dを隔てて同一平面H上に配置される。超音波センサ4aには、図6(a)に示すように、送波信号(パルス波形の信号)が印加され、送波信号がHレベルである間に超音波を送波するようになっている。送波信号がLレベルになった後も超音波センサ4aを構成する超音波振動子の振動が停止するまでに所定の時間を要するために残響現象が生じ、超音波信号がしばらく放射され続ける(図6(b)参照)。
【0015】
なお、図6(d)は超音波センサ4bの受信信号であり、その中で左側の信号(時間的に先に受波する信号)は超音波センサ4aの送波信号を直接受信した波形であり、右側の信号(時間的に後から受波する信号)は障害物からの反射波を示している。また、図6(b)及び(d)に示す受波信号は超音波振動子の振動波形(約40kHz)の包絡線を示しており、その振幅が一定のレベル以上である場合にLレベルになり、一定レベル以下である場合にHレベルになるように整形される(図6(c)及び(e)参照)。超音波センサ4a及び4bでは、これら整形された信号(以下、「整形信号」という)a及びbのHレベルからLレベルへの立ち下がりを検出することで、受信された信号が反射波であることを認識するようになっている。
【0016】
超音波センサ4aから放射された超音波が近接物体に当たって反射すると、図6(b)及び(d)に示すように、超音波センサ4a,4bにおいて反射波(反射信号)が観測されることになる。超音波は空気中を音速c(=340m/s程度)で移動するので、近接物体までの距離は超音波の送波開始から反射波の受信までの時間を測定することで計算することが可能になる。
【0017】
ここで演算手段5は、超音波センサ4aから放射された超音波の送信開始時刻から障害物によって反射された反射波が超音波センサ4a並びに超音波センサ4bで受信されるまでの経過時間ta,tbを測定する時間測定部と、時間測定部により測定された時間ta,tbに基づいて障害物までの距離Dbを計算する距離計算部と、時間測定手段により測定された超音波センサ4a並びに超音波センサ4bの経過時間ta,tbの差分から超音波センサ4a,4bを結ぶ線分の中点Oを起点とし当該線分の垂直二等分線と反射波の到来方向とのなす角度φを計算する角度計算部とを有しており、これら各部はマイコンとマイコンで実行されるプログラムとで実現されるものであって図示は省略する。
【0018】
ところで、反射波が超音波センサ4a,4bで受信される時間は、それぞれの超音波センサ4a,4bが距離dだけ離れて配置されているため、近接物体の位置によって変わる。例えば、超音波センサ4a,4bが配置されている法線Vよりも近接物体が超音波センサ4a側に位置していれば、図7(b)に示すように超音波センサ4aが先に反射波を受波し(Δt=tb−ta>0)、超音波センサ4b側に位置していれば、図7(c)に示すように超音波センサ4bが先に反射波を受波する(Δt<0)。すなわち、図4及び図5に示すように超音波センサ4aから超音波が送波されてから超音波センサ4a,4bが反射波を受信するまでの時間ta,tbを時間測定部で測定することにより、法線Vと近接物体との角度φを角度計算部において計算できるとともに、超音波センサ4aから障害物までの距離DbをDb=tb×c/2として距離計算部にて計算することができる。
【0019】
以上のように、超音波センサ4並びに演算手段5から成る障害物位置検出手段により、近接物体までの距離Dbと角度φとが求められる。上述の手続により車両に取り付けられた全ての超音波センサ4から得られる情報から車両の周囲に存在する障害物が検出されるのである。ここで、超音波センサ4a,4bに対する送波信号は、例えば100msの周期で出力されており、一定の受信時間と距離、角度値の計算時間の後に距離Db及び角度φの情報が演算手段5から衝突判定手段7に出力される。
【0020】
ここで、上述のようにして超音波センサ4で近接物体(障害物)までの距離Dbと角度φを検出可能な領域、すなわち、2つの超音波センサ4a,4bの反射波が受信可能な領域(以下、「受信可能領域」という)の重なる部分が、直進からステアリングを左右最大に回転した状態までの範囲で車両のコーナ部分が描く進行軌跡に対して車両からの距離が所定の範囲内で重なるように、以下のように設定してある。
【0021】
まず、車両前部左側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについては、図8に示すように車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両左側の進行軌跡線FL1並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態(ステアリングを右一杯に切った状態)で前進した場合における車両左側の進行軌跡線FL2によって囲まれる領域FM1が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W1に含まれるようにしてある。また、車両前部右側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについても同様に、車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態(ステアリングを左一杯に切った状態)で前進した場合における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W1に含まれるようにしてある。
【0022】
一方、車両後部左側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについては、図9に示すように車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両左側の進行軌跡線FL1並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態で後退した場合における車両左側の進行軌跡線RL2によって囲まれる領域RM1が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W2に含まれるようにしてある。また、車両後部右側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについても同様に、車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態で後退した場合における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W2に含まれるようにしてある。
【0023】
次に、障害物の検出結果から衝突可能性を判定して運転者に警告を行う手順を、車両後部左側のコーナ部分を例にとって説明する。なお、ここでは上記範囲の下限値Dbminを20cm、上限値Dbmaxを50cmとしており、超音波センサ4で検出された障害物までの最短距離Dbが下限値Dbminよりも大きくない場合には、衝突判定手段7にて車両がそれ以上動くと危険であると判断し、安全のためにブザー8を鳴動する等して停止を促す警報を行う。
【0024】
まず、図10に示すように車両後部左側のコーナ部分に設置されている2つの超音波センサ4a,4bの受信可能領域Xa,Xbが重なる部分Pについて、送信と受信を兼用する方の超音波センサ4aからの距離と、法線Vからの角度φと、車両からの距離とが各々所定の範囲内となるように複数のセグメントSa1,Sa2,…,Sanに分割するとともに、各セグメントSak(k=1〜n)に対してセグメント番号k、車両からの最短距離(距離算定手段6により算定される障害物から車両表面までの最短距離、以下同じ)、並びに当該セグメント内に存在する障害物との衝突を回避するために必要なステアリングの操舵角の各値を一つずつ対応付け、衝突判定手段7を構成するマイコンの記憶装置(図示せず)にテーブルとして予め記憶しておく。なお、本実施形態においては、進行軌跡線FL1及びRL1と、車両からの最短距離が一定値となる線とが各々識別可能なようにしてある。このようなステアリングの操舵角と車両の進行軌跡線の形状に関わるデータは、車両のホイールベースや車体形状等のように車両に固有の値であるから、車両に応じて予め測定した値をマイコンの記憶装置内にテーブルとして記憶させておくことが望ましい。
【0025】
そして、実際の車両運転時には衝突判定手段7において以下のような処理が実行される。まず、既に説明したように演算手段5から得られた障害物までの距離(超音波センサ4aから障害物までの距離)Db並びに角度φのデータの組(Db,φ)に対応するセグメントSakの番号kを上記テーブルを参照して特定するとともに、特定した番号kと対応付けられた車両からの最短距離及び衝突回避可能となる操舵角の値を上記テーブルから読み出し、読み出した操舵角の値を現在のステアリングの操舵角(すなわち、操舵角センサ2の検出値)と比較する。そして、操舵角センサ2の検出値が読み出した操舵角の値に満たない場合には衝突の可能性有りと判断し、読み出した車両からの最短距離の値に応じた周期でブザー8を鳴動させて運転者に警報を行う。また、操舵角センサ2の検出値が読み出した操舵角の値に略等しいか、あるいは上回っている場合には衝突の可能性無しと判断して運転者に対する警報を行わない。
【0026】
例えば、図10におけるセグメントSa10には、超音波センサ4aからの距離Dbが45cm以上48cm未満、角度φが15°以上30°未満に設定されるとともに、車両からの距離(最短距離)として40cm、衝突回避可能となる操舵角として右0°の各値が対応付けてある。よって、演算手段5で算定された障害物の位置が上記セグメントSa10内にあれば、衝突判定手段7はテーブルを参照してセグメントSa10に対応する操舵角の値(右0°)を操舵角センサ2の検出値と比較し、この検出値が上記操舵角の値を超えていれば、すなわちステアリングが右方向に0°以上回転していれば衝突の可能性がないと判断して警報を行わず、検出値が操舵角の値を超えていなければ、すなわちステアリングが左方向に回転していれば衝突の可能性があると判断して、セグメントSa10に対応した車両からの距離値(=40cm)に応じた警報を行う。例えば、車両から障害物までの距離に応じてブザー8の音量や周波数を変えたり、あるいは上記距離に応じてブザー8を断続して鳴動する間隔を変化させて所定の距離以下の場合には連続音とするなど、車両から障害物までの距離に応じて警報の形態を変えることで衝突の危険度を運転者に知らせるようにすればよい。さらに、表示器9には衝突可能性の有無に関わらず検出された障害物の車両に対する位置を表示するようにしてあり、衝突可能性がない場合にブザー8(音)による警報を行わない代わりに、表示器9の画面を見ることで本発明の車両用障害物警報装置が動作していることを運転者に知らせるようにしてある。
【0027】
このように超音波センサ4及び演算手段5にて障害物の距離Db及び角度φを求めれば、車両から障害物までの距離と、ステアリングの現在の操舵角を維持した場合における障害物への衝突可能性とを求めることができる。すなわち、車両から所定距離の範囲内においてステアリングの操舵角のゼロ(直進)から最大値までの車両の進行軌跡が移動する領域内に存在する障害物の位置を検出するため、一般に車両近傍の障害物を反対方向に回避する動作、例えば後退時に車両の左後側に障害物が存在した場合にステアリングを右に回して回避する動作等を行うときにステアリングを操舵角の最大値まで回しても回避不能であるか、あるいは最大値まで回すまでに回避可能になるかどうかを判定することができる。その結果、必要の無い切り返し動作を防ぐことができるとともに、切り返しが必要な場合には早めに運転者に切り返し操作の必要性を報知することができて操縦性が向上するものである。なお、上述の説明では車両後部左側のコーナ部分に設置された超音波センサ4で障害物を検出する場合を例示したが、その他の車両後部右側、車両前部左側並びに車両前部右側の各コーナ部分に設置された超音波センサ4で障害物を検出する場合についても同様であるから詳しい説明は省略する。また、衝突の可能性が無い場合にはブザー8を鳴動しないようにしているが、ブザー8の音量や周波数を変える等して衝突の可能性がある場合と区別し、障害物の存在のみを報知するようにしても良い。また、ブザー8の代わりに音声によって障害物の位置や衝突可能性の有無を報知するようにしても良い。
【0028】
ところで、上述の動作説明は両方の超音波センサ4a,4bで反射波を受信した場合であって、図7(d)に示すように片方の超音波センサ4aのみで反射波を受信した場合や、一方の超音波センサ4aでの受信後の所定時間差以内に他方の超音波センサ4bで受信されなかった場合には、衝突判定手段7において以下のような処理が実行される。
【0029】
上述のような場合には、障害物が一方の超音波センサ4aの受信可能領域Xa内であり且つ他方の超音波センサ4bの受信可能領域Xb外である領域に存在することになる。そこで、図11に示すように一方の超音波センサ4aの受信可能領域Xaから他方の超音波センサ4bの受信可能領域Xbを除いた部分Qについて、超音波センサ4aからの距離に応じた複数のセグメントSb1,Sb2,…,Sbnに分割するとともに、各セグメントSbk(k=1〜n)の境界と車両からの最短距離を各セグメントSbkにおける車両からの最短距離とし、上述の場合(2つの超音波センサ4a,4bで反射波を受信した場合)と同様に各セグメントSbkに対してセグメント番号k、車両からの最短距離、並びに当該セグメント内に存在する障害物との衝突を回避するために必要なステアリングの操舵角の各値を一つずつ対応付け、衝突判定手段7を構成するマイコンの記憶装置(図示せず)にテーブルとして予め記憶しておく。但し、本実施形態においては送受信兼用の超音波センサ4aを車両の中央側に配置しているから、上記部分Qに存在する障害物に対してはステアリングを左右何れの方向に最大値まで回転させても、車両が後退する場合には必ず衝突することになるから、衝突回避のために必要な操舵角のデータは無しとしている。
【0030】
そして、実際の車両運転時には衝突判定手段7において以下のような処理が実行される。まず、既に説明したように演算手段5から得られた障害物までの距離(超音波センサ4aから障害物までの距離)Dbに対応するセグメントSbkの番号kを上記テーブルを参照して特定するとともに、特定した番号kと対応付けられた車両からの距離の値を上記テーブルから読み出し、読み出した車両からの距離の値に応じた周期でブザー8を鳴動させて運転者に衝突可能性有りの警報を行う。
【0031】
例えば、図11におけるセグメントSb10には、超音波センサ4aからの距離Dbが42cm以上45cm未満に設定されるとともに、車両からの距離(最短距離)として30cm、衝突回避可能となる操舵角として「無し」の各値が対応付けてある。よって、演算手段5で算定された障害物までの距離Dbが上記セグメントSb10に対応付けられた値(42cm〜45cm)の範囲内にあれば、衝突判定手段7は直ちに衝突可能性有りと判断して、セグメントSb10に対応した車両からの距離値(=30cm)に応じた警報を行う。
【0032】
上述のように送受信兼用の超音波センサ4aのみでしか反射波が受信できなかった場合、2つの超音波センサ4a,4bで反射波を受信した場合と異なり角度φを計算で求めることができず、障害物の位置を正確に検出することができなくなる。しかしながら、少なくとも片方の超音波センサ4aの受信可能領域Xa内に障害物が存在することと、超音波センサ4aから当該障害物までの距離Dbを算定することができるため、所定の領域内における障害物の存否を特定することが可能となる。したがって、上記所定領域が衝突回避不能な領域に設定されていれば、障害物が上記所定領域内に存在することが特定された時点で無条件に衝突の可能性有りと判断することができ、障害物の位置を正確に検出することができないような状況においても衝突の可能性を判定することができるのである。
【0033】
また、図7(e)に示すように片方の超音波センサ4bのみで反射波を受信した場合や、一方の超音波センサ4bでの受信後の所定時間差以内に他方の超音波センサ4aで受信されなかった場合には、衝突判定手段7において以下のような処理が実行される。
【0034】
上述のような場合には、障害物が一方の超音波センサ4bの受信可能領域Xb内であり且つ他方の超音波センサ4aの受信可能領域Xa外である領域に存在することになる。すなわち、図12に示すように上記領域内であって、且つ超音波センサ4bの受信時刻tbから求められる距離値Db並びに2つの超音波センサ4a,4b間の距離dから下式に基づいて求められる値を長径及び短径とし2つの超音波センサ4a,4bを焦点とする楕円上の領域R内に障害物が存在することになる。
【0035】
長径:W=2×Db
短径:H=2×{Db2−(d/2)21/2
そこで、図12に示すように上記領域Rについて、上記楕円の集合によって分割される複数のセグメントSc1,Sc2,…,Scnに分割するとともに、各セグメントSck(k=1〜n)の境界と車両からの最短距離を各セグメントSbkにおける車両からの最短距離とし、上述の場合と同様に各セグメントSckに対してセグメント番号k、車両からの最短距離、並びに当該セグメント内に存在する障害物との衝突を回避するために必要なステアリングの操舵角の各値を一つずつ対応付け、衝突判定手段7を構成するマイコンの記憶装置にテーブルとして予め記憶しておく。なお、本実施形態においては2つの超音波センサ4a,4b間の距離dを15cmとしている。
【0036】
そして、実際の車両運転時には衝突判定手段7において以下のような処理が実行される。まず、演算手段5から得られた距離Dbに対応するセグメントSckの番号kを上記テーブルを参照して特定するとともに、特定した番号kと対応付けられた車両からの距離及び衝突回避可能となる操舵角の値を上記テーブルから読み出し、読み出した操舵角の値を現在のステアリングの操舵角(すなわち、操舵角センサ2の検出値)と比較する。そして、操舵角センサ2の検出値が読み出した操舵角の値に満たない場合には衝突の可能性有りと判断し、読み出した車両からの距離の値に応じた周期でブザー8を鳴動させて運転者に警報を行う。また、操舵角センサ2の検出値が読み出した操舵角の値に略等しいか、あるいは上回っている場合には衝突の可能性無しと判断して運転者に対する警報を行わない。
【0037】
例えば、図12におけるセグメントSc8には、超音波センサ4bからの距離Dbが50cm以上55cm未満に設定されるとともに、車両からの距離(最短距離)として37cm、衝突回避可能となる操舵角として右0°の各値が対応付けてある。よって、演算手段5で算定された障害物までの距離Dbが上記セグメントSc8に対応付けられた値(50cm〜55cm)の範囲内にあれば、衝突判定手段7はテーブルを参照してセグメントSc8に対応する操舵角の値(右0°)を操舵角センサ2の検出値と比較し、この検出値が上記操舵角の値を超えていれば、すなわちステアリングが右方向に0°以上回転していれば衝突の可能性がないと判断して警報を行わず、検出値が操舵角の値を超えていなければ、すなわちステアリングが左方向に回転していれば衝突の可能性があると判断して、セグメントSc8に対応した車両からの距離値(=37cm)に応じた警報を行う。
【0038】
上述のように受信用の超音波センサ4bのみでしか反射波が受信できなかった場合、2つの超音波センサ4a,4bで反射波を受信した場合と異なり角度φを計算で求めることができず、障害物の位置を正確に検出することができなくなる。しかしながら、少なくとも片方の超音波センサ4bの受信可能領域内に障害物が存在することと、2つの超音波センサ4a,4bの位置を焦点とする楕円の径に応じた平面Hから当該障害物までの距離を算定することができるため、所定の領域内における障害物の存否を特定することが可能となり、障害物が存在する領域から車両までの最短距離を近似的に求めることができる。したがって、障害物から車両までの最短距離はセグメントSckと車両との最短距離であるから、各セグメントSckにおいて障害物が車両に最も接近している状態、すなわち最も衝突の危険性が高い状態となる距離を求めることができ、常に安全側に働くように警報を行うことが可能となる。
【0039】
ところで、超音波センサ4で障害物までの距離Dbと角度φを検出可能な領域を、以下に説明する領域を含むように設定しても良い。なお、設定した領域に対する具体的な衝突可能性の判定手順は上述の手順と共通であるから説明を省略する。
【0040】
まず、車両前部左側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについては、図8に示すように車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両左側の進行軌跡線FL1並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態(ステアリングを左一杯に切った状態)で前進した場合における車両左側の進行軌跡線FL3によって囲まれる領域FN1が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W1に含まれるようにする。また、車両前部右側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについても同様に、車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態(ステアリングを右一杯に切った状態)で前進した場合における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域重なる部分W1に含まれるようにする。
【0041】
一方、車両後部左側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについては、図9に示すように車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両左側の進行軌跡線FL1並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態で後退した場合における車両左側の進行軌跡線RL3によって囲まれる領域RM3が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W2に含まれるようにする。また、車両後部右側のコーナ部分に設置されている超音波センサ4a,4bについても同様に、車両から障害物までの最短距離Dbが所定の範囲内(Dbmin〜Dbmax)であって、直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態で後退した場合における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域が、各超音波センサ4a,4bの受信可能領域の重なる部分W2に含まれるようにする。
【0042】
そして、上述のように設定した各領域内の障害物の存否に応じて警報を行うようにすれば、車両の旋回方向に存在する障害物に対する衝突可能性を判定することができるため、内輪差による巻き込みや死角領域に存在する障害物への接触を未然に防止することができて安全性及び操縦性がさらに向上するという利点がある。なお、各コーナ部分について各々上述の2種類の領域FM1,FN1,…の両方を2つの超音波センサ4a,4bの受信可能領域が重なる分W1,W2に含まれるように設定すれば、より安全性並びに操縦性が高められる。
【0043】
また、本実施形態ではステアリングの操舵角を0°から右又は左方向の最大値まで回転した場合の進行軌跡線FL1,FL2,…に基づいて、衝突可能性を判定するためのセグメントデータを予めマイコンの記憶装置にテーブルとして記憶するようにしているが、演算手段5にて障害物の位置を算定する毎に逐次操舵角センサ2の検出値(ステアリングの操舵角)とシフト位置センサ1によって検出された進行方向とから進行軌跡算定手段3において車両の進行軌跡を算定するとともに、現在のステアリングの操舵角に基づいて予定される進行軌跡と障害物の位置とを比較し、障害物の位置が進行軌跡の内側(衝突可能性有り)か外側(衝突可能性無し)かの判定を行うようにしてもよい。このようにすれば、現在のステアリングの操舵角に応じたより細かな衝突回避可能性の判定を行うことができ、操縦の補助として運転者に対してより細かな情報を提供することが可能となって、さらに操縦性が向上するという利点がある。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明は、車両に設置されて車両周辺に存在する障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置から車両までの最短距離を算定する距離算定手段と、車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、テアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、進行方向検出手段並びに操舵角検出手段の検出結果に基づいて車両の行軌跡を算定する進行軌跡算定手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置と進行軌跡算定手段によって算定された進行軌跡を比較して車両の障害物への衝突可能性を判定する衝突判定手段と、突可能性並びに距離算定手段によって算定された短距離に応じて運転者に警報を発する報知手段とを備え、障害物位置検出手段は、超音波信号を送信並びに受信する超音波送受信器と、超音波信号を受信する超音波受信器と、超音波送受信器により送信された超音波の送信開始時刻から障害物によって反射された反射波が超音波送受信器並びに超音波受信器で受信されるまでの経過時間を測定する時間測定手段と、時間測定手段により測定された時間に基づいて障害物までの距離を計算する距離計算手段と、時間測定手段により測定された超音波送受信器並びに超音波受信器の経過時間の差分から超音波送受信器と超音波受信器を結ぶ線分の中点を起点とし当該線分の垂直二等分線と反射波の到来方向とのなす角度を計算する角度計算手段とを有し、障害物位置検出手段により、最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での前進時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での前進時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での後退時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での後退時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域に障害物が存在することを検出した場合に、衝突判定手段は、操舵角が最大となるまでに障害物を回避可能とする衝突可能性を判定すると共に、超音波送受信器及び超音波受信器の両方の受信可能領域を、超音波送受信器からの距離と上記角度計算手段によって計算された角度によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器及び超音波受信器で反射波を受信した場合、いずれのセグメントに障害物が存在するかを、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離と上記角度計算手段によって計算された角度から算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とするので、車両から所定距離の範囲内においてステアリングの操舵角のゼロ(直進)から最大値までの車両の進行軌跡が移動する領域内に存在する障害物の位置を検出するため、一般に車両近傍の障害物を反対方向に回避する動作、例えば前進時に車両の左前側に障害物が存在した場合にステアリングを右に回して回避する動作等を行うときにステアリングを操舵角の最大値まで回すまでに回避可能になるかどうかを判定することができ、その結果、必要の無い切り返し動作を防ぐことができるので操縦性が向上するという効果がある。
【0045】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、超音波送受信器の受信可能領域内であって超音波受信器の受信可能領域でない領域を、超音波送受信器からの距離によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とするので、請求項1の発明の効果に加えて、超音波送受信器及び超音波受信器の両方で反射を受信できない場合においても障害物の存在する領域と車両から障害物までの最短距離を近似的に求めることができ、超音波送受信器の受信可能領域を有効に用いることができて縦性がさらに向上するという効果がある。
【0046】
請求項3の発明は、請求項の発明において、音波受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離をDb、超音波送受信器と超音波受信器の間の距離をdとした場合に長径が2×Dbであり、短径が2×{Db2−(d/2)21/2であるとともに超音波送受信器並びに超音波受信器を焦点とする楕円上に障害物が存在していると算定し、超音波受信器の受信可能領域内であって超音波送受信器の受信可能領域でない領域を、複数のセグメントに分割して構成し、超音波受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とするので、請求項の発明の効果に加えて、超音波送受信器及び超音波受信器の両方で反射を受信できない場合においても障害物の存在する領域と車両から障害物までの最短距離を近似的に求めることができ、超音波受信器の受信可能領域を有効に用いることができて縦性がさらに向上するという効果がある。
【0047】
請求項4の発明は、請求項の発明において、進行軌跡算定手段が、障害物位置検出手段により障害物の位置を算定する毎に逐次操舵角検出手段により検出されたステアリングの操舵角と進行方向検出手段によって検出された進行方向とから車両の進行軌跡を算定するので、請求項の発明の効果に加えて、現在のステアリングの操舵角に応じたより細かな衝突回避可能性の判定を行うことができ、さらに操縦性が向上するという効果がある。
【0048】
請求項5の発明は、請求項の発明において、超音波送受信器を超音波受信器よりも車両の中央側に配置したので、請求項の発明の効果に加えて、車両の側方に存在する障害物よりも衝突の可能性が高い車両の中央側に存在する障害物を確実に検知することができ、障害物の位置検出に対する信頼性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上における2次元超音波センサの車両への設置個所を説明するための説明図である。
【図3】同上における2次元超音波センサと障害物との位置関係を表示するパラメータの説明図である。
【図4】同上における障害物の位置を検出する過程の説明図である。
【図5】同上における障害物の位置を検出する過程の説明図である。
【図6】同上における2次元超音波センサの送受波信号のタイムチャートである。
【図7】同上における2次元超音波センサの送受波信号を整形した整形信号のタイムチャートである。
【図8】同上の動作説明図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上の動作説明図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 シフト位置センサ
2 操舵角センサ
3 進行軌跡算定手段
4 2次元超音波センサ
5 演算手段
6 距離算定手段
7 衝突判定手段
8 ブザー

Claims (5)

  1. 車両に設置されて車両周辺に存在する障害物の位置を検出する障害物位置検出手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置から車両までの最短距離を算定する距離算定手段と、車両の進行方向を検出する進行方向検出手段と、テアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、進行方向検出手段並びに操舵角検出手段の検出結果に基づいて車両の行軌跡を算定する進行軌跡算定手段と、障害物位置検出手段によって検出された障害物の位置と進行軌跡算定手段によって算定された進行軌跡を比較して車両の障害物への衝突可能性を判定する衝突判定手段と、突可能性並びに距離算定手段によって算定された短距離に応じて運転者に警報を発する報知手段とを備え、
    障害物位置検出手段は、超音波信号を送信並びに受信する超音波送受信器と、超音波信号を受信する超音波受信器と、超音波送受信器により送信された超音波の送信開始時刻から障害物によって反射された反射波が超音波送受信器並びに超音波受信器で受信されるまでの経過時間を測定する時間測定手段と、時間測定手段により測定された時間に基づいて障害物までの距離を計算する距離計算手段と、時間測定手段により測定された超音波送受信器並びに超音波受信器の経過時間の差分から超音波送受信器と超音波受信器を結ぶ線分の中点を起点とし当該線分の垂直二等分線と反射波の到来方向とのなす角度を計算する角度計算手段とを有し、
    障害物位置検出手段により、最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での前進時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での前進時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両左側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が右方向最大となる状態での後退時における車両左側の進行軌跡線によって囲まれる領域又は最短距離が所定の範囲内であって直進時における車両右側の進行軌跡線並びにステアリングの操舵角が左方向最大となる状態での後退時における車両右側の進行軌跡線によって囲まれる領域に障害物が存在することを検出した場合に、衝突判定手段は、操舵角が最大となるまでに障害物を回避可能とする衝突可能性を判定すると共に、
    超音波送受信器及び超音波受信器の両方の受信可能領域を、超音波送受信器からの距離と上記角度計算手段によって計算された角度によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器及び超音波受信器で反射波を受信した場合、いずれのセグメントに障害物が存在するかを、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離と上記角度計算手段によって計算された角度から算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とすることを特徴とする車両用障害物警報装置。
  2. 超音波送受信器の受信可能領域内であって超音波受信器の受信可能領域でない領域を、超音波送受信器からの距離によって複数のセグメントに分割して構成し、超音波送受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を算定結果とすることを特徴とする請求項1記載の車両用障害物警報装置。
  3. 音波受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離をDb、超音波送受信器と超音波受信器の間の距離をdとした場合に長径が2×Dbであり、短径が2×{Db2−(d/2)21/2であるとともに超音波送受信器並びに超音波受信器を焦点とする楕円上に障害物が存在していると算定し、超音波受信器の受信可能領域内であって超音波送受信器の受信可能領域でない領域を、複数のセグメントに分割して構成し、超音波受信器でのみ反射波を受信した場合、障害物位置検出手段は、超音波送受信器の受信時刻から距離計算手段によって計算された距離によっていずれのセグメントに障害物が存在するかを算定し、距離算定手段は、そのセグメントから車両までの最短距離を 算定結果とすることを特徴とする請求項記載の車両用障害物警報装置。
  4. 進行軌跡算定手段は、障害物位置検出手段により障害物の位置を算定する毎に逐次操舵角検出手段により検出されたステアリングの操舵角と進行方向検出手段によって検出された進行方向とから車両の進行軌跡を算定することを特徴とする請求項記載の車両用障害物警報装置。
  5. 超音波送受信器を超音波受信器よりも車両の中央側に配置したことを特徴とする請求項記載の車両用障害物警報装置。
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