JP4112956B2 - グローブボックス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグローブボックス装置の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8、図9の符号101は従来技術のグローブボックス装置を示している。このグローブボックス装置101は作業室110と、搬出入室120とを有している。作業室110は箱状であって、その一側面に開口が設けられており、搬出入室120はその開口に取り付けられている。
【0003】
搬出入室120と外部雰囲気との間及び搬出入室120と作業室110との間にはそれぞれ第一、第二の扉121、122が取り付けられており、第一の扉121を閉じた状態では搬出入室120が外部雰囲気から遮断され、第二の扉122を閉じた状態では、作業室110が搬出入室120から遮断されるようになっている。
【0004】
このグローブボックス装置101で処理対象物を処理するには、先ず第二の扉122を閉じた状態で第一の扉121を開け、搬出入室120と外部雰囲気とを接続し、処理対象物を搬出入室120内に搬入した後、第一の扉121を閉める。
【0005】
第一の扉121を開けたときに外部雰囲気から大気や水蒸気が浸入するが、搬出入室120に接続された真空排気系150と不活性ガス供給系140により、搬出入室120に不活性ガスを供給すると共に、搬出入室120を流れた不活性ガスを真空排気すると、大気や水蒸気が不活性ガスに押し流れ、不活性ガスと共に真空排気されるので、結果として大気や水蒸気が除去される。
【0006】
搬出入室120から大気や水蒸気を除去した後、第一の扉121を閉じた状態で第二の扉122を開け、搬出入室120と作業室110とを接続し、処理対象物を作業室110内に搬入する。
【0007】
作業室110の一側面には孔が設けられ、その孔にはグローブ115が取り付けられており、そのグローブ115に人の手を差し入れれば、グローブ115の上方に取り付けられた透明板113を介して作業室110内を観察しながら、作業室110に搬入された処理対象物を手作業で処理することができる。
【0008】
作業室110には不活性ガスのガス循環系130が接続されており、ガス循環系130から作業室110の間で不活性ガスが循環することで、作業室110内から予め水蒸気が除去されている。従って、処理対象物が作業室内で水によって汚染されることがなく、また処理対象物に処理を施す際に、不活性ガスを循環させておけば、処理対象物を清浄なまま保つことができる。
【0009】
しかし、従来のグローブボックス装置101では、搬出入室120や作業室110の水蒸気を除去するのに要する時間が長く、また搬出入室120や作業室110の内壁に吸着した水分を除去することは困難であった。
【0010】
【特許文献1】
特開平3−89949号公報 (第5−6頁、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の要求に応じるために創作されたものであり、その目的は、作業室や搬出入室の水分除去を迅速に行えるグローブボックス装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、前記搬出入室の側面と天井と底面には、通電によって発熱する第二のヒータが引き回されたグローブボックス装置である。
請求項2記載の発明は、箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、前記窓部上には、透光性を有し通電によって発熱する第三のヒータが引き回されたグローブボックス装置である。
請求項3記載の発明は、箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、前記搬出入室には、不活性ガスを循環させる第二のガス循環系が接続されたグローブボックス装置である。
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3のいずれか1項記載のグローブボックス装置であって、前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、前記搬出入室の側面と天井と底面には、通電によって発熱する第二のヒータが引き回されたグローブボックス装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項3のいずれか1項記載記載のグローブボックス装置であって、前記窓部上には、透光性を有し通電によって発熱する第三のヒータが引き回されたグローブボックス装置である。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項3いずれか1項記載のグローブボックス装置であって、前記作業室には、不活性ガスを循環させる第一のガス循環系が接続されたグローブボックス装置である。
請求項7記載の発明は、請求項1記載のグローブボックス装置であって、前記搬出入室には、不活性ガスを循環させる第二のガス循環系が接続されたグローブボックス装置である。
【0013】
本発明は上記のように構成されており、窓部と壁面及びグローブの付け根部分と、壁面との間は大気が侵入しないように構成されている。従って、作業室と搬出入室との間の空間を遮断しておけば、外部の大気が侵入しないようになっている。第一のヒータに通電し、作業室の壁面が加熱されると、作業室の内壁面に付着した水分が蒸発し、作業室内に水蒸気が放出される。
【0014】
作業室を搬出入室から遮断しておき、その内部空間に不活性ガスを流し、その不活性ガスを内部空間から排出すれば、作業室内に放出された水蒸気が除去される。作業室内から不活性ガスを排出する方法としては、作業室に真空排気系を接続し、該真空排気系により不活性ガスを排出してもよいし、作業室にガス循環系を接続し、該ガス循環系から不活性ガスを作業室に導入し、作業室内を流れたガスを同じガス循環系に戻し、ガス循環系内の精製装置により水分や酸素を除去した後、その作業室に再び導入させてもよい。
【0015】
作業室を金属やセラミックのような耐熱性のある材料で構成しておけば、作業室の側面と天井面と底壁を含む全壁面を第一のヒータで加熱しても、作業室が加熱により変形することがない。
作業室の場合と同様に、透明板をガラスのように耐熱性のある材料で構成しておけば、第二のヒータで透明板を加熱しても透明板が変形することがない。
【0016】
作業室の内壁面にペンキや防腐剤等の塗装を施さなければ、作業室の壁面が加熱されても作業室内に有機溶媒等の汚染物質の蒸気が発生することがなく、作業環境が汚染されることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1、図2の符号1は本発明のグローブボックス装置を示している。グローブボックス装置1は、作業室10と搬出入室20とを有している。
作業室10は箱状であって、その箱の側面のうち、一側面を搬出入面11としたときに、搬出入室20はその搬出入面11に取り付けられている。
【0018】
搬出入室20と外部雰囲気との間及び作業室10と搬出入室20との間には第一、第二の扉21、22が設けられており、第一の扉21を閉じた状態では搬出入室20の内部空間が外部雰囲気から遮断され、第二の扉22を閉じた状態では作業室10の内部空間が搬出入室20の内部空間から遮断されるようになっている。
【0019】
作業室10と搬出入室20の天井、底面及び側面を含む全壁面の大気側にはそれぞれ第一、第二のヒータ51、52が取り付けられており、第一、第二のヒータ51、52はそれらの壁面の全ての領域を通るように引き回されている。図2は第一のヒータ51が作業室10の側面と天井に引き回された状態を示し、図3は第一のヒータ51が作業室10の底面に引き回された状態を示している。
【0020】
第一、第二のヒータ51、52は作業室10及び搬出入室20と絶縁されている。第一、第二のヒータ51、52はそれぞれ電源50に接続されており、電源50を起動し、第一、第二のヒータ51、52に通電すると、第一、第二のヒータ51、52が発熱し、作業室10の全壁面と搬出入室20の全壁面が加熱される。例えば、作業室10と搬出入室20の内壁面の表面温度が100℃以上になるように加熱すれば、それらの内壁面に付着した水分が蒸発して水蒸気が放出される。
【0021】
作業室10と搬出入室20にはそれぞれ第一、第二のガス循環系30、40が接続されている。作業室10の内部と搬出入室20の内部には、導入口31、41と導出口32、42が設けられており、各循環系30、40の不図示のポンプを起動すると、不活性ガスである窒素ガス(N2)が導入口31、41から搬出入室20の内部空間と作業室10の内部空間に導入され、内部空間を流れた不活性ガスが導出口32、42からガス循環系30、40に戻されるようになっている。
【0022】
従って、搬出入室20と作業室10の内部空間に水蒸気が放出されているときに、第一、第二の扉21、22を閉めた状態で、作業室10の内部空間と搬出入室20の内部空間にそれぞれ不活性ガスを流しておけば、各内部空間に放出された水蒸気が不活性ガスによって別々に押し流され、水蒸気が混入された不活性ガスが第一、第二のガス循環系30、40に別々に戻される。
【0023】
第一、第二のガス循環系30、40は精製装置を有しており、ガス循環系30、40に戻された不活性ガスは精製装置によって精製され、水蒸気や酸素等の不純物が除去される。精製後であって、不純物が除去された状態の不活性ガスは再び作業室10と搬出入室20に別々に戻される。
【0024】
従って、不活性ガスが作業室10と第一のガス循環系30との間、及び搬出入室20と第二のガス循環系40との間を循環することによって、水蒸気や酸素等の不純物が搬出入室20と作業室10から除去されるようになっている。
【0025】
第一の扉21を開けると搬出入室20の内部空間は大気と直接接続されるようになっており、搬出入室20は作業室10に比べて大気や水蒸気が浸入しやすく、内部空間に放出される水蒸気量が作業室10よりも多いと考えられる。上述したように、作業室10と搬出入室20を循環する不活性ガスは別々のガス循環系30、40で精製されるようになっているので、このグローブボックス装置1では水蒸気量の多い不活性ガスと、水蒸気量が少ない不活性ガスはそれぞれ別のガス循環系30、40で処理されるようになっている。
【0026】
作業室10の側面のうち、搬出入面11以外の一側面を作業面12とすると、その作業面12には複数の開口が設けられており、各開口にはそれぞれ透明板13がはめ込まれ、該透明板で窓部が構成されている。
【0027】
各透明板13の下方には、透明板13がはめ込まれた開口よりも小径の開口(挿入口)が2個以上略水平に列設されており、それらの開口にはゴム製のグローブ15がそれぞれ取り付けられている。
【0028】
各グローブ15の指部分は作業室11の内部に位置しており、グローブ15に人の手を差し入れれば、透明板15により作業室10内を観察しながら、作業室10内に置かれた処理対象物5を手作業で処理することができる。
【0029】
透明板13は作業室10に対して気密に取り付けられ、グローブ15も作業室10に対して気密に取り付けられている。従って、第二の扉22を閉じた状態では、作業室10内に大気が浸入することがなく、処理対象物5を大気に晒さずに処理を施すことができる。
【0030】
作業室10の天井及び底壁の近傍にはパイプが引き回され、作業室10導出入口31、32はそれらのパイプに形成された孔で構成されており、一方のパイプ内に不活性ガスが供給されると各孔から均一に不活性ガスが供給され、また、作業室10内に充満した不活性ガスは他方のパイプの各孔から均等に排出され、ガス循環系30に戻るようになっている。
【0031】
従って、作業室10内部には均一に不活性ガスが流れ、すみずみまで水蒸気が排出されるので、不活性ガスを吹き付けながら処理対象物5に処理を施すことが可能であり、処理対象物5を清浄に保つことができる。
【0032】
次に、このグローブボックス装置1を用いて処理対象物5に処理を施す工程について説明する。
予め、第二の扉22を閉じた状態で、作業室10の壁面を加熱すると共にその内部空間に不活性ガスを循環させ、作業室10の内壁面に付着した水分が十分に除去されたところで、作業室10壁面の加熱を停止し、作業室10内が作業可能な温度になるまで放冷する。
【0033】
第二の扉22を閉じたまま、第一の扉21を開け、処理対象物5を外部雰囲気から搬出入室20内に搬入し、第一の扉21を閉める。搬出入室20の壁面を加熱し、搬出入室20の内壁に付着した水分を蒸発させると共に、不活性ガスを循環させ水蒸気を除去する。
【0034】
搬出入室20内から水蒸気が十分量除去されたところで、第一の扉21を閉めたまま第二の扉22を開け、搬出入室20の内部空間と作業室10の内部空間を接続し、処理対象物5を作業室10内に搬入する。
【0035】
処理対象物5を作業室10内に搬入するときには、作業室10内の温度は作業可能な温度まで低下しており、グローブ15に手を差し入れれば、処理対象物5を手作業で処理することができる。また、作業室10内に不活性ガスが循環させたままた処理を行えば、処理対象物5を清浄に保ったまま処理を行うことができる。
【0036】
以上は、作業室10の壁面にヒータ51を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図4に示すように、作業室10の壁面だけではなく、透明板13の大気側の面に第三の電極53を引き回しておき、第一のヒータ51に通電するときに、第三のヒータ53にも通電すれば、作業室10の壁面だけではなく、透明板13も加熱されるので、透明板13に付着した水分も効率良く除去することができる。
【0037】
また、第三のヒータ53を透光性のあるヒータで構成しておけば、透明板13の全領域に第三のヒータ53を引き回しても、作業室10内部の観察が妨げられることがない。
【0038】
以上は搬出入室20にガス循環系40を接続する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬出入室20を真空槽で構成し、該真空槽に真空排気系と不活性ガス供給系の両方を接続し、真空槽内に不活性ガスを供給しながら、その不活性ガスを真空排気すれば、不活性ガスを循環させなくても不活性ガスに押し流された水蒸気を除去することができる。
また、搬出入室20内を真空排気した後、不活性ガスを循環させて水分除去を行うこともできる。
【0039】
本発明に用いる不活性ガスは窒素ガスに限定されず、処理対象物に対して化学的に安定したガスであれば、例えばヘリウムガス(He)、アルゴンガス(Ar)等の種々の不活性ガス、又はそれらのガスの混合物を用いることができる。
【0040】
透明板13を構成する材料も特に限定されず、ポリカーボネート樹脂のような透明プラスチック板やガラス板等種々のものを用いることができる。また、グローブ15も気密性を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではない。
【0041】
本願発明のグローブボックス装置1と、従来のグローブボックス装置とを比較するために、下記に示すように、作業室10の「加熱試験」を行った。
〔加熱試験〕
第一、第二の扉21、22の両方を開け、作業室10を直接大気に接続し、2時間放置した後、第一、第二の扉21、22を閉じ、作業室10を大気から遮断した。尚、実験に用いたグローブボックス装置1の作業室10の大きさは、長さ730mm、幅400mm、高さ650mmであった。
【0042】
次に、内壁面の表面温度が100℃、加熱時間が2時間の条件で加熱した後、窒素ガス(露点:−50℃、流量:10l/分)を循環させながら水分濃度を測定した。尚、水分濃度とは作業室10から排出される不活性ガスの水分濃度のことである。また、比較のため、作業室10を大気から遮断した後、加熱をせずに不活性ガスを循環させた場合の作業室の水分濃度を測定した。
【0043】
図5のグラフの左方縦軸は水分濃度(ppm)を示し、右方縦軸は作業室10の内壁の表面温度を示し、横軸は不活性ガスの循環を開始した時からの経過時間(分)を示している。また、図5の符号L1、L2は、それぞれ作業室10を加熱した場合と、作業室10を加熱しなかった場合の水分濃度の変化を示す曲線であり、符号L3は作業室10の内壁面の表面温度の変化を示す曲線である。
【0044】
図5から分かるように、作業室10を加熱した場合はその内壁面から水分が蒸発するので、ある時間tが経過するまでは、加熱しなかった場合よりも加熱した場合の方が水分濃度が高いが、時間tが過ぎると水分濃度が逆転し、時間t経過後は加熱した場合の方が加熱しなかった場合よりも水分濃度が低いまま維持された。このことから、加熱終了後、時間tが経過すれば、加熱しなかった場合に比べ水分濃度の低い環境で処理対象物の作業を行えることがわかる。
【0045】
次に、搬出入室20に不活性ガスを循環させた場合の、水分除去効率を調べるために、下記に示す「ガス循環試験」を行った。
〔ガス循環試験〕
作業室10を加熱せず、不活性ガスの循環のみで水分を除去し、作業室10の水分濃度が約20ppmになるようにしておく。尚、ガス循環試験における水分濃度とは、作業室10から排出される不活性ガスの水分濃度のことである。
【0046】
搬出入室20に処理対象物5を搬入し、搬出入室20を加熱せずに窒素ガスを1時間循環させ水分除去を行った後、処理対象物を作業室10に搬入し、処理対象物が搬入される前後の水分濃度を測定し、処理対象物を作業室10に搬入したときから、水分濃度が20ppmに戻るまでの時間を求めた。
【0047】
また、比較のため搬出入室20に真空排気系を接続し、処理対象物5を搬出入室20に搬入した後、搬出入室20を1時間真空排気し、更に搬出入室20に窒素ガスを循環させた後に作業室10に搬入した場合の、水分濃度を測定した。
【0048】
図6、図7はそれぞれ搬出入室20に窒素ガスのみを循環させた場合と、真空排気後に更に窒素ガスを循環させた場合の水分濃度と時間との関係を示すグラフであり、図6、7の符号tsは処理対象物5を作業室10に搬出した時を示し、符号teは水分濃度が20ppmに戻った時を示す。
【0049】
図6と図7を見ると明らかなように、窒素ガスの循環のみを行った場合であっても、真空排気と窒素ガスの循環の両方を行った場合と同様に、水分濃度が20ppmに戻るのに要した時間が約42分しかかからなかった。このことから、搬出入室20に不活性ガスを循環させるだけで、真空排気を併用した場合と同程度の水分除去効果があることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のグローブボックス装置では、作業室と搬出入室の全壁面が加熱されるようになっており、作業室と搬出入室の壁面を加熱しながら不活性ガスの循環を行えば、内壁に付着する水分が迅速に蒸発し、除去される。従って、本発明のグローブボックス装置は、従来のグローブボックス装置に比べて作業室の水分除去を迅速に行うことができる。また、作業室と搬出入室には不活性ガス循環系が接続され、不活性ガスの循環によって処理対象物の汚染原因となる不純物(水分、酸素)を除去するようになっており、従来のグローブボックス装置のように、搬出入室や作業室を真空排気する必要がないので、装置の製造コストが安くなるだけではなく、真空排気では蒸発してしまうような材料の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグローブボックス装置の一例を説明する模式図
【図2】本発明のグローブボックス装置の一例を説明する斜視図
【図3】作業室の底壁部分を説明するための斜視図
【図4】透明板を説明するための平面図
【図5】作業室を加熱した場合の水分濃度の変化を説明するグラフ
【図6】搬出入室に不活性ガスを循環させた場合の水分濃度の変化を説明するグラフ
【図7】搬出入室を真空排気した場合の水分濃度の変化を説明するグラフ
【図8】従来技術のグローブボックス装置を説明する模式図
【図9】従来技術のグローブボックス装置を説明する斜視図
【符号の説明】
1……グローブボックス装置 10……作業室 20……搬出入室 21……第一の扉 22……第二の扉 51……第一のヒータ 52……第二のヒータ
Claims (7)
- 箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、
前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、
前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、前記搬出入室の側面と天井と底面には、通電によって発熱する第二のヒータが引き回されたグローブボックス装置。 - 箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、
前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、
前記窓部上には、透光性を有し通電によって発熱する第三のヒータが引き回されたグローブボックス装置。 - 箱状の作業室と、前記作業室に気密にはめ込まれ、作業室の内部を観察可能な窓部と、前記作業室の挿入口に気密に取り付けられ、人の手を差し入れ可能なグローブとを有し、
前記作業室の底面と側面と天井面には、通電によって発熱する第一のヒータが引き回されたグローブボックス装置であって、
前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、
前記搬出入室には、不活性ガスを循環させる第二のガス循環系が接続されたグローブボックス装置。 - 前記作業室に接続された箱状の搬出入室を有し、前記搬出入室の側面と天井と底面には、通電によって発熱する第二のヒータが引き回された請求項2又は請求項3のいずれか1項記載のグローブボックス装置。
- 前記窓部上には、透光性を有し通電によって発熱する第三のヒータが引き回された請求項1又は請求項3のいずれか1項記載記載のグローブボックス装置。
- 前記作業室には、不活性ガスを循環させる第一のガス循環系が接続された請求項1乃至請求項3いずれか1項記載のグローブボックス装置。
- 前記搬出入室には、不活性ガスを循環させる第二のガス循環系が接続された請求項1記載のグローブボックス装置。
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