JP4112823B2 - フェンス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェンスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフェンスでは、例えば図13(a),(b)に示すように、支柱80に取り付けられた下部取付具81でフェンスパネルCの下端部を支持するとともに、上部取付具82でフェンスパネルCの上端部を固定することにより、フェンスパネルを支柱に取り付けていた。
【0003】
また、従来のフェンスパネルは、上下のパネルの胴縁とパネルとは一体となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術では、パネルの長さが固定長であるため、支柱間の間隔がそのパネル長と合わない場合にフェンスが取り付けられなくなり、支柱をパネル長に合わせた間隔に建て直さなければならないといったことが生じていた。
【0005】
また、支柱間の距離がパネルの長さよりも短い場合、パネルの長さを切断することも考えられるが、従来のフェンスパネルは、上下のパネルの胴縁とパネルとは一体となっていたため切断するのが容易でなく、現場で調整をすることが困難であった。
【0006】
そこで、本発明では、上記した従来技術における欠点を解消し、立設された支柱にフェンスパネルを取り付ける作業が容易で、施工工数も削減できるとともに、支柱間の間隔とパネルの長さとが合わない場合が生じても調整が容易なフェンスの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、離間して立設される複数本の支柱と、この支柱間に配されるフェンスパネルと、このフェンスパネルを上下から挟持する上枠及び下枠と、これら上枠及び下枠をそれぞれ前記支柱に固定する上取付金具及び下取付金具とを備えたフェンスであって、前記上枠は、その長手方向全長に亘って、閉空間部と上取付溝とが前記閉空間部の一部を構成する隔壁を介して一体的に形成されるとともに前記上取付溝の下方にパネル嵌入部が形成され、前記上取付溝には、その上下の縁部に、前記上取付金具と前記支柱との間に挟まれるとともに前記上取付金具を表裏両側から支持し得る幅の溝部を画成する折曲部がそれぞれ形成され、且つ、これら折曲部間に存する開口部に対峙する凹部が前記隔壁の一部を前記閉空間部側に膨出させることにより形成され、このようになる上枠が、その上取付溝における前記溝部間にスライド可能に挿入された上取付金具を介して支柱に固定される際、支柱と上取付金具とを螺着するビスの先端が前記上取付溝における前記凹部内に納まるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、上枠に挿入された上取付金具を任意の位置にスライドさせて上枠を支柱に取り付けるとともに、支柱に固定された下取付金具を下枠の任意の位置に掛止して下枠を支柱に取り付けることができる。
【0011】
本発明は、上記構成のフェンスにおいて、フェンスパネルの上下の縁部が予め上枠と下枠にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
【実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。図1は,本実施の形態に係る上枠2(図1(a))および下枠3( 図1(b))とそれぞれの取付金具4,5を示す斜視図である。図2は、上下の枠2,3を示す図、図3は、本実施の形態において、フェンスパネルAが支柱10に取り付けられた状態を示す図、図4は、上取付金具4,下取付金具5を示す図である。
【0018】
本実施の形態は、複数本の支柱10と、この支柱10間に配されるフェンスパネルAと、このフェンスパネルAを上下から挟持する上枠2及び下枠3と、上枠2に形成される上取付溝20と、下枠3に形成される下取付溝30と、上枠2に挿入される上取付金具4と、下枠3と係合する下取付金具5とから主要部が構成されている。以下、順次上記の各構成部分について説明する。
【0019】
本実施の形態におけるフェンスパネルAは、例えば、鉄板・アルミニウム板などの金属板、樹脂板、複合板、木材、竹など、またはこれらのこれらの組み合わせにより形成され、フラット板、パンチング、エンボス仕上げ、ルーバー材、波形曲板などの種々のパネルである。
【0020】
支柱10は、地面に離間して立設され、フェンスパネルAを支持するためのものである。この支柱10には、後述するビス6を貫入するための貫入孔11が形成されている。
【0021】
上枠2は、フェンスパネルAの上端部に取り付けられ、下枠3とともにフェンスパネルAを挟持し、フェンスパネルAを支柱10に取り付けるためのものである。この上枠2には、長手方向に沿って上取付溝20が形成されている。この上取付溝20には、溝部201の上下の縁に折曲部202がそれぞれ形成されており、この折曲部202が上取付金具4と支柱10との間に挟まれるようになされている。また、上枠2の下部には、フェンスパネルAを嵌入するためのパネル嵌入部21が設けられている。
【0022】
下枠3は、フェンスパネルAの下端部に取り付けられ、上枠2とともにフェンスパネルAを挟持し、フェンスパネルAを支柱10に取り付けるためのものである。この下枠3には、長手方向に沿って下取付溝30が形成されている。この下取付溝30には、溝部301の上の縁に折曲部302が形成されており、この折曲部302が下取付金具5と掛合するようになされている。また、下枠3の上部には、フェンスパネルAを嵌入するためのパネル嵌入部31が設けられている。上取付金具4は、図1(a)および図4(a),(b)に示すように、上取付溝20の溝幅よりも若干小さい幅の板状体であって、上取付溝20に挿入され、上取付溝20に沿ってスライドするようになされている。
【0023】
上取付金具4には、支柱10取付側に向かって突出する位置調整用突起40が形成されている。この位置調整用突起40は、上取付金具4を上取付溝20に沿ってスライドさせる場合の位置調整の便宜のために設けられるものであって、上取付溝20に上取付金具4が挿入された後、作業者が、この位置調整用突起40をつまんで上取付金具4の位置を調整することができるように図られている。また,上取付金具4には、ビス6と螺合するためのビス孔41が形成されている。
【0024】
なお、上取付金具4の幅寸法は、上取付溝20に取り付けられた状態でビス孔41を中心にして若干回転できる余裕があることが望ましい。かかる余裕があれば、緩やかな傾斜地でフェンスパネルを斜めに施工する場合であっても、取付金具を変更することなく、この上取付金具4を用いて施工することができるからである。
【0025】
下取付金具5は、図1(b)および図4(c),(d)に示すように、板状体の金具が折曲されて引っ掛け部50となされたものであって、この引っ掛け部50が下取付溝30の任意の位置において折曲部302と掛合するように図られている。また,下取付金具5には、ビス6と螺合するためのビス孔51が形成されている。なお、図中の符号52は、補強リブを示している。
【0026】
ビス6は、支柱10の貫入孔11に貫入されて上取付金具4および下取付金具5を支柱10側に引き込んで螺止めするためのものである。
【0027】
次に、本実施の形態に係るフェンスパネルAの取り付け手順について説明する。
【0028】
フェンスパネルAの縁部には上枠2、下枠3、縦枠7が当接され、縦枠7の上下の端部と上枠2、下枠3の端部がビス止めなどの手段により固着されている。フェンスパネルAのサイズを調整するときには、上枠2、下枠3、縦枠7をフェンスパネルAからはずし、上枠2、下枠3、フェンスパネルAの切断後、フェンスパネルAを組み立てればよい。
【0029】
まず、下取付金具5を支柱10にビス6を介して取り付け、次いで、下枠3の下取付溝30を下取付金具5の引っ掛け部50に引っ掛ける。
【0030】
次に、上枠2の上取付溝20に上取付金具4を挿入する。なお、上取付金具4は予め上取付溝20に挿入しておいてもよい。
【0031】
上取付金具4の位置調整用突起40をつまみながら取り付け位置を調整し、支柱10の貫入孔11に貫入したビス6と上取付金具4のビス孔41に螺合させて、上枠2を支柱10に取り付ける。
【0032】
なお、フェンスパネルAの縦方向の端末の目隠し処理のために、縦枠7を用いてもよい。この縦枠7は、フェンスパネルAの縦方向と略同一長さの細幅体のカバーである(図2参照)。
【0033】
また、フェンスパネルAは、縦方向に複数段設けることもできる。図3(b)に2段設けた例を示している。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について図5乃至図7を参照しながら説明する。この実施の形態は、上記した実施の形態において、上取付金具4が、支柱10と一体化されたものである。
【0035】
図5に示す上取付金具4は、支柱10と上取付金具4とが一体に形成されたタイプである。この上取付金具4は、板状体部42と支持部43とからなっており、支柱10との間に若干の間隙が生じるように図られ、この間隙に上取付溝20が嵌め込まれる。
【0036】
図6に示す上取付金具4は、板状体部42とネジ400とが一体化されたものであって、このネジ400が支柱10の貫入孔11に貫入されてナット401で固定されるように図られている。この場合も、ナット401で固定された際に、板状体部と支柱10との間に若干の間隙が生じるようになされており、この間隙に上取付溝20が嵌め込まれる。
【0037】
図7に示す上取付金具4は、支柱10上部を覆う柱キャップEと金具が一体に形成されたものである。この上取付金具4は、板状体部42と支持部43とからなり、支柱10との間に若干の間隙が生じるように図られ、この間隙に上取付溝20が嵌め込まれる。なお、柱キャップEの形態の相違によって、図7(a)及び(b)に示す2つのタイプがあるが、上取付金具4自体の形状はほとんど同じである。
【0038】
次に、本実施の形態に係るフェンスパネルAの取り付け手順について説明する。
【0039】
本実施の形態では、上記した第1の実施の形態と上取付金具4のみが異なっており、その他の構成は同様であるので、取り付け手順も上枠2に係る取り付けについてのみ説明する。
【0040】
図5及び図7に示すタイプの場合は、予め支柱10に固定された上取付金具4に上枠2の上取付溝20を位置合わせをしながら嵌め込み、上枠20を支柱10に取り付ける。
【0041】
図6に示すタイプの場合は、支柱10に上取付金具4をネジ400とナット401によって支柱に取り付ける。次いで、上取付金具4に上枠2の上取付溝20を位置合わせをしながら嵌め込み、上枠20を支柱10に取り付ける。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態について図8乃至図10を参照しながら説明する。この実施の形態は、上記した実施の形態において、メッシュ状のフェンスパネルBを用いたものである。この実施の形態では、上枠2と下枠3には、図8に示すように、フェンスパネルBの横桟が嵌入される横桟嵌入部22、32が形成されている点が上記した実施の形態と異なっている。なお、メッシュ状のフェンスパネルBでは、端末の目隠し処理は不要であり、フェンスパネルB上下の横桟が上枠2と下枠3に形成された横桟嵌入部22,32に嵌入固着されるので、縦枠7は使用しないのが一般的である。
【0043】
その他の構造や,使用手順については、上記した実施の形態と同様である。
【0044】
図9は、メッシュ状のフェンスパネルBを取り付けた状態を示す図であり、また図10は、板状のフェンスパネルAとメッシュ状のフェンスパネルBとを繋ぎ合わせた例を示す図である。なお、パネル同士の接続は、隣り合う上枠2同士および下枠3同士をそれぞれの枠に嵌合するキャップD(図12参照)を用いること等によって行う。
【0045】
次に本発明の第4の実施の形態について図11を参照しながら説明する。この実施の形態は、上記した実施の形態において、下枠3および下取付金具5は、上枠2および上取付金具4と同様のものが用いられている。また、上枠2と下枠3の支柱10への取り付けは、上下の取付溝20,30に挿入された上下の取付金具4,5を上下の取付溝20、30に沿ってそれぞれスライドさせ、ビス6を介して支柱10に固定することによって行うものである。
【0046】
図11は、本実施の形態の(a)上枠2と上取付金具4、および(b)下枠3と下取付金具5を示す図である。これらの枠2、3と取付金具4、5は、第1の実施の形態における上枠2と上取付金具4と同様の構成であるので、詳細についての説明は省略する。
【0047】
次に、本実施の形態に係るフェンスパネルAの取り付け手順について説明する。
【0048】
フェンスパネルAの縁部には上枠2、下枠3、縦枠7が当接され、縦枠7の上下の端部と上枠2、下枠3の端部がビス止めなどの手段により固着されている。フェンスパネルAのサイズを調整するときには、上枠2、下枠3、縦枠7をフェンスパネルAからはずし、上枠2、下枠3、フェンスパネルAの切断後、フェンスパネルAを組み立てればよい。
【0049】
まず、上枠2の上取付溝20および下枠3の下取付溝30に上取付金具4および下取付金具5をそれぞれ挿入する。なお、上下の取付金具4、5は予め上下の取付溝20、30に挿入しておいてもよい。
【0050】
上下の取付金具4、5の位置調整用突起40、50をつまみながら取り付け位置をそれぞれ調整し、支柱10の貫入孔11に貫入したビス6を上下の取付金具4、5のビス孔41、51に螺合させて螺止めし、支柱10に上枠2および下枠3を取り付ける。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のフェンスは、フェンスパネルを上下から挟持する上枠と下枠を備え、上枠の支柱に接する側に長手方向に沿って上取付溝を形成し、上枠は、その上取付溝にスライド可能に挿入した上取付金具を介して支柱に固定され、一方下枠は、支柱に取り付けた下取付金具と係合されることによって支柱に固定されるので、上枠に挿入した上取付金具を任意の位置にスライドさせて上枠を支柱に取り付けるとともに、支柱に取り付けた下取付金具を下枠の任意の位置に係合して下枠を支柱に取り付けることができる。
【0052】
したがって、枠を支柱に取り付ける作業が簡単で、またフェンスパネルの横方向のいかなる位置に支柱が存する場合であっても、フェンスパネルを取り付けることができ、施工誤差を吸収しやすくなる。また、上枠の上取付溝内に上取付金具が収容されるので、上取付金具が外部に露出することがなく、美観に優れている。下取付金具についても、下枠によって外観上遮られるので外部に露出する部分を無くすことができる。さらに、枠とフェンスパネルとは一体構造ではないので、フェンスパネルのサイズの調整は、現場でパネルを切断することにより、容易に行うことができる。また、フェンスパネルは上下の枠に挟持しているので、フェンスパネルの付け替えも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における枠と取付金具を示し、(a)は上枠と上取付金具、(b)は下枠と下取付金具を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における枠を示し、(a)は上枠、(b)は下枠を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における施工例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における取付金具を示し、(a)は上取付金具の平面図、(b)は上取付金具の正面図、(c)は下取付金具の平面図、(d)は下取付金具の側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における上取付金具を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における上取付金具を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における上取付金具を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における枠を示し、(a)は上枠、(b)は下枠を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態においてメッシュ状のフェンスパネルを取り付けた例を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態と第3の実施の形態における施工例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における枠と取付金具を示し、(a)は上枠と上取付金具、(b)は下枠と下取付金具を示す図である。
【図12】フェンスパネルを接続するキャップを示す図である。
【図13】従来のフェンスを示す図である。
【符号の説明】
10 支柱
2 上枠
20 上取付溝
3 下枠
30 下取付溝
4 上取付金具
40 突起
5 下取付金具
A,B,C フェンスパネル
Claims (2)
- 離間して立設される複数本の支柱と、この支柱間に配されるフェンスパネルと、このフェンスパネルを上下から挟持する上枠及び下枠と、これら上枠及び下枠をそれぞれ前記支柱に固定する上取付金具及び下取付金具とを備えたフェンスであって、
前記上枠は、その長手方向全長に亘って、閉空間部と上取付溝とが前記閉空間部の一部を構成する隔壁を介して一体的に形成されるとともに前記上取付溝の下方にパネル嵌入部が形成され、
前記上取付溝には、その上下の縁部に、前記上取付金具と前記支柱との間に挟まれるとともに前記上取付金具を表裏両側から支持し得る幅の溝部を画成する折曲部がそれぞれ形成され、且つ、これら折曲部間に存する開口部に対峙する凹部が前記隔壁の一部を前記閉空間部側に膨出させることにより形成され、
このようになる上枠が、その上取付溝における前記溝部間にスライド可能に挿入された上取付金具を介して支柱に固定される際、支柱と上取付金具とを螺着するビスの先端が前記上取付溝における前記凹部内に納まるように構成されたことを特徴とするフェンス。 - 請求項1に記載のフェンスにおいて、
フェンスパネルの上下の縁部が予め上枠と下枠にそれぞれ取り付けられていることを特徴とするフェンス。
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