JP5183081B2 - 塀用パネルの連結構造 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅やマンション等の敷地境界部や隣地境界部に沿って設けられる外構塀の塀用パネルに関し、特に水平方向に長さ調節が可能となされた塀用パネルに関するものである。
一般に、住宅や工場等の敷地の境界部に沿って設けられる外構塀の塀用パネルとしては、金属、木材、コンクリート、合成樹脂等からなる矩形状のパネルに対して、その周縁部に桟材を取付けたものが提案されており、この桟材には、支柱と接合するためのものや、笠木や化粧用カバー材等と取付けるためのもの等、目的や、施工性、意匠の面から様々なものが提案されている。
例えば、縦桟と横桟とを組み合わせて枠体を形成し、この枠体の表裏にパネル材を取付けた建築用化粧パネルであって、縦桟と横桟との当接部において、少なくともいずれか一方に他方が嵌入される切り欠き部が設けられている建築用化粧パネルが提案されている。
この建築用化粧パネルは、パネル材の端部が縦桟と当接されると共に、パネル材の端部と縦桟の外表面とが連続するようになされているので、パネル材と縦桟との一体感があり、意匠的に優れた外観を奏することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭62−258083号公報
しかしながら、前記の枠部材には次のような問題点があった。すなわち、設置場所によっては、建築用化粧パネルの横幅を短くした端尺パネルが必要となる際は、この建築用化粧パネルを一旦分解して、パネル材及び横桟を必要な長さに切断した後、再び組み立てる必要があるため、切断作業が煩わしく、又、パネル材と横材をそれぞれ切断するため加工誤差が生じやすく、切断後に組み合わせた時に、パネル材の端部と縦枠の外表面との間に不必要に隙間が生じて却って意匠を損ねたり、寸法合わせのために再度切断作業をしたりする必要となる場合があり、その点が問題であった。
本発明は、前記の如き問題点を解消し、設置場所において、塀用パネルに対して横幅が短い端尺パネルが必要な際に、横幅を比較的容易に調節することができる塀用パネルの連結構造を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわちこの発明に係る塀用パネルの連結構造は、パネル本体と、該パネル本体の側端部に相対向して取付けられ、それぞれの対向面にパネル本体の側端部が挿入される溝部が設けられた2個の縦枠と、パネル本体の上下に相対向して設けられた2個の横枠とを備えた塀用パネルの連結構造であって、前記横枠は、中空部が形成され、該中空部に挿入される連結部材を介して塀用パネル同士が左右に複数連結されると共に、前記横枠の中空部を形成する側壁から中空部側に向けて突出された突条が、断面略コ字状に形成された前記連結部材の開口内に挿入されて、該連結部材に取付けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、パネル本体と2個の横枠とは、左右側端が略面一となされ、2個の横枠の左右側端に縦枠の基板が当接されると共に、基板より突出した二個の立壁間に形成された前記縦枠の溝部にパネル本体の左右側端がそれぞれ挿入されているので、施工現場において端尺パネルが必要な際は、必要な横幅となるように、塀用パネルを上下方向に切断すれば、切断面は、パネル本体及び2個の横枠により略面一となされるため、この切断面に縦枠を取付け直すことが可能となり、端尺パネルの作成が容易となされる。
本発明において、前記横枠は、長手方向に沿って支柱取付溝が設けられ、該支柱取付溝に摺動可能に挿入された支柱取付部材に、支柱を貫通させた取付ボルトのネジ部を螺合させることにより、支柱に固定されるようになされると共に、前記中空部を形成する側壁を兼ねる前記支柱取付溝の底部が中空部側に向けて突出されて、前記突条が形成されている構成としてもよい。
又、本発明において、前記塀用パネルは、前記縦枠及び横枠に2個の溝部が前後に間隔を開けて設けられて、2個のパネル本体の両側端部と上下端部が前記縦枠の溝部と横枠の溝部にそれぞれ挿入されて、2個のパネル本体が前後に間隔を開けて取付けられているように構成してもよい。
2個のパネル本体を前後に間隔を開けて取付けるために、前記縦枠及び横枠に二個の溝部が前後に間隔を開けて設けるようになされれば、2個のパネル本体を前後に間隔を開けて取付けた塀用パネルを外構塀として設置した際に、外構塀の前面側で生じた騒音を効果的に遮音し、外構塀の背面側に伝わる騒音を低減させることができる
更に、前記塀用パネルは、2個のパネル本体が前後に間隔を開けて取付けられ、この2個のパネル本体間に、合成樹脂製の長繊維からなる吸音材が配置されいるるように構成してもよい。
2個のパネル本体が前後に間隔を開けて取付けられ、この2個のパネル本体間に、合成樹脂製の長繊維からなる吸音材が配置されるようになされれば、端尺パネルを作成する際、一方の縦枠を外し、端尺パネルの必要な横幅となるように、縦枠を外した端部から2個のパネル本体とその間に配置された吸音材及び2個の横枠を一緒に切除する場合、吸音材の切れ端が飛散しても、作業者の皮膚に刺さるようなことはなく、一般的に用いられるグラスウール等のガラス繊維からなる吸音材を用いた場合のように、切断時に吸音材の切れ端が飛散して、作業者の皮膚に付着したり、刺さったりして、作業者に不快な刺激を与えるようなことが起こりにくくなる。
又、前記縦枠に設けられた溝部は、パネル本体の表面側に位置する外側壁と、パネル本体の裏面側に位置する内側壁とからなり、内側壁の先端部は、根元部に比べて外側壁との間隔が広くなされ、かつ、外側壁の先端部からパネル本体側に向けて突部が突出されている構成としてもよい。
又、本発明において、 複数の塀用パネルが接合部において上下に接合され、一方の塀用パネルの接合部には長手方向に向かって脚片と、その脚片に並設された突条とを有し、他方の塀用パネルの接合部には、前記脚片が嵌合される切欠部と、前記突条が挿入される係止溝が形成されているように構成してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る塀用パネルの実施の第一形態を示す正面図、図2は図1のA−A部における要部拡大断面図、図3は図1の主要部の断面図、図4は図1の塀用パネルの取付構造を示す正面図、図5は図1の主要部の説明図、図6は図1の主要部の説明図、図7は図4のB−B部における要部拡大断面図、図8は図4のC−C部における要部拡大断面図、図9は図4のD−D部における要部拡大断面図、図10は本発明に係る塀用パネルの実施の第二形態を示す要部拡大断面図、図11は本発明に係る塀用パネルの実施の第三形態を示す正面図、図12は図11のD−D部における拡大断面図、図13は塀用パネルと支柱との取付構造の一形態を示す分解説明図、図14は、塀用パネルどうしの横方向の連結構造の一形態を示す分解斜視図である。
図面において、1はパネル本体、2は前後に間隔をあけて設けられた2個のパネル本体1の間に配置された吸音材、3はパネル本体1の左右に相対向して設けられた縦枠、4はパネル本体1の上下に相対向して設けられた横枠、本形態に係る塀用パネルPは、パネル本体1、吸音材2、縦枠3、及び横枠4とから主に構成されたものである。
パネル本体1は、図1及び図3に示すように、略矩形に形成され、芯材11の表面に化粧板12が貼着され、芯材11の裏面に裏面板13が貼着されたものである。芯材11は、一般には、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂から作製されるものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン単独のもの、或いはこれらを適宜混練されたものを用いてもよく、これらに水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機材料を適宜混練したものを用いてもよい。
化粧板12は、一般にはアルミニウム合金、ステンレス鋼、銅等の金属箔からなり、その前面には、装飾性を高めるために塗装が施されてもよく、装飾用のシートやフィルムを貼着されてもよいが、そのまま用いてもよい。
裏面板13は、化粧板12とほぼ同じ形態であり、一般にはアルミニウム合金、ステンレス鋼、銅等の金属箔を好適に用いることができるが、裏面板13を用いず、パネル本体1の裏面が芯材11により形成されたものでもよい。
パネル本体1は、本形態では、化粧板12、芯材11、裏面板13とからなる積層体であるが、積層体の形態に限定されるものではなく、例えば化粧板12、或いは芯材11を単独で用いる形態でもよく、ポリカーボネートやアクリル樹脂等からなる透光材料からなる形態でもよい。
吸音材2は、本形態では、熱可塑性合成樹脂製繊維から構成された綿状の集合体であり、シート状に成形され、図2に示すように、その大きさはパネル本体1と同程度であり、2個のパネル本体1の間に配置されている。吸音材2の厚さは、2個のパネル本体1の間隔と同程度でもよいが、この間隔より厚めに設定し、2個のパネル本体1の間に押し込む様に配置してもよい。
吸音材2の材質は、本形態では、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルであるが、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート等のポリエステルを適宜混練したものでもよく、あるいは共重合させたものでもよい。又、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド等の合成樹脂を用いてもよい。更に、これらの合成樹脂で繊維を作成する際に、芯部とその外周上に配置された被覆部からなるように繊維を構成してもよい。要は、吸音材2を2個のパネル本体1の間に配置した際、一方のパネル本体1の外部から外力が加わり、パネル本体1が吸音材2に向かって撓んだ場合、その撓みを吸音材2で弾性的に吸収し、他方のパネル本体1に撓みが伝播しないようになされると共に、外力がなくなれば元の状態に戻るように吸音材2を構成できる材質であればよい。
吸音材2の繊維の形態は、長さが30〜100mm、太さが5〜100μmの合成樹脂製繊維であるが、特にこれに限定されるものではなく、塀用パネルPを適宜切断加工して端尺パネルを作製するために、吸音材2を施工現場等で切断する際、その切れ端が飛散しても、作業者の皮膚に刺さり、不快な刺激を与えるなことが起こりにくいものであればよい。
縦枠3は、図2に示すように、前後に間隔をあけて配置された2個のパネル本体1の側端部に相対向して取付けられたものであり、縦枠3の基板31には、パネル本体1の側端部がそれぞれ挿入される溝部32が長手方向に向かって立設されている。溝部32は、本形態では、基板31の両側端からそれぞれ立設されているが、基板31の任意の位置に形成することができる。
縦枠3の溝部32は、2個のパネル本体1の化粧板12側に位置する外側壁33と、2個のパネル本体1の裏面板13側に位置する内側壁34とからなる。外側壁33と内側壁34との間隔は、パネル本体1の厚さに対してやや広くなされると共に、内側壁34の端部は、外側壁33との間隔が広がるようになされ、更に、内側壁34の内側部の先端角部は切除され斜面が形成されている。これにより、パネル本体1は、溝部32の内部に挿入しやすくなる。
又、パネル本体1の側端部を溝部32に挿入した際、パネル本体1の裏面板13側の縁部は内側壁34の奥部に当接されると共に、パネル本体1の化粧板12側は、溝部32の外側壁33の端部からパネル本体1側に突出した突部35の先端に当接するようになされている。これにより、パネル本体1の側端部は、溝部32内で固定することができる。
更に、パネル本体1の両側端部が、相対向する縦枠3の溝部32にそれぞれ挿入されれば、パネル本体1に対して、裏面板13側から化粧板12側に向かって撓むように外力がかかった場合、パネル本体1の側端部に当接している溝部32の外側壁33の突部35と内側壁34とがその撓みの発生を阻止するように作用するので、その撓みが生じにくくなる。又、2個のパネル本体1の間に吸音材2を配置する際に、2個のパネル本体1の間隔より、吸音材2の厚さを厚く設定すると共に、この吸音材2を押し込むように配置すれば、前記とは逆に、パネル本体1の化粧板12側から裏面板13側に向かって撓むように外力がかかった場合、この吸音材2の弾性的な反発力により、その撓みが生じにくくなる。つまり、この構造により、パネル本体1は、風、振動、騒音等による外力が加わっても撓みにくくなり、ばたつきが生じにくくなる。
横枠4は、図1に示すように、パネル本体1の上下端部に相対向して取付けられた上横枠5と下横枠6とからなる。上横枠5は、図7に示すように、基板51の両端部から下方に向かってそれぞれ延出部52が形成されると共に、この延出部52の先端には、パネル本体1の上端部が挿入される溝部53が長手方向に向かってそれぞれ下向きに開口されて形成されている。そして、溝部53の一方の内側壁54から他方の内側壁54に向かって接続部55が形成されている。
下横枠6は、図7に示すように、基板61の両端部から上方に向かって延出部62が形成されると共に、この延出部62の先端には、パネル本体1の下端部が挿入される溝部63が長手方向に向かってそれぞれ上向きに開口して形成されている。そして、溝部63の一方の内側壁64から他方の内側壁64に向かって接続部65が形成されている。尚、上横枠5の溝部53、及び下横枠6の溝部63は、縦枠3の溝部32と同様な形態となされ、溝部32と同様な効果を奏することができる。
この構造により、上横枠5及び下横枠6は、延出部52、62や接続部55、65を形成しない場合に比べて、その剛性を効果的に高めることができるので、上横枠5及び下横枠6を水平方向に設置した際に、撓みが生じにくくなる。
次に、縦枠3と上横枠5との接合方法について説明する。図5に示すように、縦枠3の基板31には、その上端部の溝部32が切除され平面部36が形成されると共に、この平面部36にはビス孔37が形成されている。又、上横枠5の基板51には、長手方向に亘って断面C字状のビスホール56がそれぞれ形成されている。そして、縦枠3の基板31の平面部36に上横枠5の側端面をそれぞれ当接させると共に、基板31のビス孔37からビスホール56に向かって固定ビス7が螺合されて、縦枠3と上横枠5とが接合される。この際、溝部32の上端部と、上横枠5の溝部53の外側壁54とが重合せず、その外側面が略面一となされる。本形態では、ビス孔37は平面部36に2個形成され、この位置に対応して、上横枠5にも2個のビスホール56が形成されているが、縦枠3と上横枠5とが必要な接合強度を発現できる形態であれば、ビス孔37及びビスホール56は1個でもよく、3個以上の複数個でもよい。尚、縦枠3と下横枠6とは、同様な構成によって接合することができる。
この構造により、2個のパネル本体1、上横枠5及び下横枠6とは、左右側端面が略面一の状態とすれば、その側端面に縦枠3を接合することが可能となり、塀用パネルPの組立作業が容易となる。又、塀用パネルPを施工する際、塀用パネルPに対して横幅を短くした端尺パネルが必要となった場合は、必要な横幅となるように、塀用パネルPを上下方向に切断すれば、図6に示すように、切断面Aは、2個のパネル本体1、吸音材2(図示せず)、上横枠5、及び下横枠6により略面一の面が形成されるため、この切断面に縦枠3を取付け直すことが可能となり、端尺パネルの作成が容易となされる。尚、塀用パネルPを上下方向に切断する際は、予め一方の縦枠3を外して、切断した後に縦枠3を切断面に取付け直してもよく、切断した後に、塀用パネルPの切れ端から縦枠3を外し、切断面に取付け直してもよく、作業性に応じて適宜実施することができる。
次に、パネル本体1の上下への接合構造について説明する。具体的には、パネル本体1の上横枠5と、隣接するパネル本体1の下横枠6との接合構造について説明する。
図7に示すように、下横枠6の下面には、その両端部から長手方向に沿って脚片66が相対向して設けられ、この脚片66の間には、並設された2個の突条67が設けられている。又、上横枠5は、その接合部が下横枠6の脚片66の間に挿入されると共に、上横枠5の上面には係止溝57が形成され、突条67が挿入され係合されている。本形態では、上横枠5の接合部には、下横枠6の脚片66と相対する箇所である延出部52の外側面に切欠58が形成され、上下のパネル本体1を接合した際に、下横枠6の脚片66の外側面と、上横枠5の溝部53の外側面59とが略面一となされ、つまり、上横枠5と下横枠6の外側面が略面一となされる。
この構造において、上側の塀用パネルPの一方(矢印の方向)から風が当たるとすると、このパネル本体1の下横枠6は、脚片66aの先端部を支点Cとして回動しようとする。この時、相対向する脚片66bは、支点Cから離れており、且つほぼ同じ高さに位置しているので、ほぼ垂直上向きに移動するため、上横枠5の接合部が下横枠6の脚片66の間から外れる恐れがあるが、突条67aは、支点Cの近傍でかつ斜め上方に位置しているので、水平方向に近い斜め上向きに移動するため、突条67aの外側面が相対する係止溝57aの側壁面に接触し、下横枠6の回動が抑制される。つまり、パネル本体1を上下に接合させた際に、上側のパネル本体1は、この接合構造により倒れにくくなる。尚、風が反対側から当たる場合も、同様な効果を奏することができる。
突条67は、脚片66に対してなるべく近傍に設けることが好ましい。これによって、前記下横枠6が前記のように回動する際、突条67aの移動方向は、より水平方向に近くなり、突条67aの外側面が相対する係止溝57aの側壁面に接触しやすくなり、下横枠6の回動をより効果的に抑制することができる。
突条67は、本形態では、相対向する脚片66の近傍にそれぞれ相対して形成されているが、パネル本体1が倒れる恐れのある面側に形成されていれば、その効果を奏するので、パネル本体1を接合した際に、いずれか一方のみに倒れるおそれがある場合は、その面側のみに脚片66及び突条67が形成されていてもよい。
上横枠5の係止溝57は、本形態では、開口部から底部に向かって幅が広くなる蟻溝状に形成されている。これにより、前記の効果に加えて、図8に示すように、この上横枠5が最上段に位置する際に、その上端部を覆うためのカバー材Dを取付けると共に、カバー材Dの内面に形成された断面台形状の突部83が係止溝57に嵌合され、カバー材Dが上横枠5から容易に外れないようにすることができる。
次に、塀用パネルPの取付構造について説明する。先ず、図4に示すように、塀用パネルPは、適宜間隔をあけて立設された支柱9の間に設けられている。支柱9に対する塀用パネルPの取付方法は特に限定されるものではないが、本形態では、図9に示すように、塀用パネルPは、縦枠を介して支柱9に取付けられている。すなわち、縦枠は、支柱9の側面に対向する外側面に、支柱9に向かって挟持片38が上下方向に亘って突出され、この挟持片38は、支柱9の側面に設けられた取付部材91の前面側に配置されると共に、挟持片38の前面側はカバー片92が配置され、取付部材91及びカバー片92によって挟持されると共に、ボルトとナットにより締結されている。
この構造により、塀用パネルPは支柱9の前面側から取付けることが可能となり、又、塀用パネルPと支柱9との取付箇所は、取付部材91及びカバー片92により隠蔽され、美観を奏するものとなる。
縦枠3、上横枠5、及び下横枠6は、一般にはアルミニウムや合成樹脂を押出成型して得られる長尺の型材を適宜長さに切断した部材からなるものであるが、アルミニウム以外の金属、または金属や無機材料と合成樹脂との複合材料、例えば合成樹脂に金属フィルムをラミネートしたもの、表面に着色がなされたもの、装飾性を向上させるために表面に凹凸が形成されたもの等、必要な強度に応じて、適宜使用できる。尚、縦枠3、上横枠5、及び下横枠6のそれぞれに形成された溝部32、53、63は、本形態ではそれぞれ2個ずつ並設されたものであるが、1個設けられたものでもよく、3個以上の複数個設けられたものでもよく、パネル本体1の仕様数量や仕様形態に合わせて適宜選択することができる。
図2に示された塀用パネルPは、一方のパネル本体1の外表面側で発生した騒音が、他方のパネル本体1の外表面側へ伝播することを抑制し、効果的に遮音するための構成であるが、図10に示された塀用パネルPは第二の実施形態に係るものであり、発生した騒音を塀用パネルPで効果的に吸音するように構成したものである。
すなわち、前後に間隔をあけて設けられた2個のパネル本体1の間に吸音材2を配置する点では、図2に示された塀用パネルPと同様であるが、騒音源側のパネル本体1aには、その全面に貫通孔が多数設けられ(図示せず)、反対側のパネル本体1bと吸音材2の間には、鋼板14が配置され、これにより、発生した騒音は、パネル本体1aの貫通孔を通過して吸音材2で吸音されると共に、吸音材2を通過した騒音は、鋼板14で跳ね返り、再び吸音材2で吸音されるので、この塀用パネルPにより効果的に吸音される。尚、鋼板14は、パネル本体1bと吸音材2との間に配置されていれば、その効果を奏するので、本形態のように鋼板14の両側端部がパネル本体1bと同様に溝部32に挿入されたものでもよく、単にパネル本体1bと吸音材2との間に配置された形態でもよい。後者の場合は、鋼板14の上下端部をパネル本体1a側にそれぞれ折り返し断面コ字状とし、その折り返し部が吸音材2の上下両面に位置するように配置し、鋼板14が不用意に移動しないようになされてもよい。
図11は、塀用パネルPの実施の第3形態を示す正面図である。すなわち、図9に示された塀用パネルPは、縦枠3を介して支柱9に取付けられた形態であるが、本形態に係る塀用パネルPは、横枠4を介して支柱9に取付けられたものである。尚、縦枠3と横枠4との接合形態、及び縦枠3及び横枠4に対するパネル本体1の取付構造は、前記に示された塀用パネルPと同様である。又、本形態に係る塀用パネルPは、上下方向に積み重ねる際に、横枠4の当接面において一方の当接面に他方に向けて設けられた突起が、対向する当接面に設けられた凹み部に挿入されて両横枠4が接合されるものであるが、塀用パネルPを上下方向により安定的に積み重ねるために、前記と同様な接合部を横枠4に設けてもよい。
図12は、図11のE−E部における断面図である。横枠4には、支柱9と接する側に長手方向に沿って支柱取付溝41が設けられ、この支柱取付溝41に支柱取付部材42が摺動可能に挿入されるものである。支柱取付溝41には、支柱9と接する側の長手方向に沿って開口部43が設けられ、この開口部43は、支柱取付溝41、及び支柱取付部材42の縦寸法より短くなされている。そして、縦枠3には、図13に示すように、支柱取付溝41に支柱取付部材42が挿入されるための挿入孔が設けられている。
図13は、横枠4と支柱9との固定構造の説明図であり、(a)は概略を示す分解斜視図、(b)はその要部の拡大図である。まず、支柱9に設けられた貫通孔94に取付ボルト95を挿入し、支柱9を貫通させる。次に、取付ボルト95のネジ部を前記開口部43に通し、支柱取付溝41に挿入された支柱取付部材42の取付孔44に螺合される。これにより、横枠4が支柱9に固定される。本形態に係る塀用パネルPを支柱9に取付ける際は、図14に示すように、上下両横枠4を支柱9に固定した方が、塀用パネルPを支柱により強固に取付けることができるので好ましいが、支障のない範囲で、一方の横枠4のみを支柱9に固定したものでもよい。
次に、この実施形態に係る塀用パネルPの連結構造について詳しく説明する。図13に示すように、横枠4には、支柱取付溝41の背面側に中空部45が設けられている。そして、隣接する2個の塀用パネルの両横枠4において、それぞれの中空部45の内側面に連結部材82が取付けられ、塀用パネルPどうしが連結される。
連結部材82の形状や取付箇所は特に限定されるものではないが、本形態では、横枠4の支柱取付溝41において、底部から中空部45側に向けて長手方向に沿って凹んだ断面コ字状の凹溝46が設けられ、つまり、中空部45側に突出した突条47が設けられている。又、連結部材82は前記突条47側に開口した断面略コ字状に形成されている。そして、突条47が連結部材82の開口に挿入されて取付けられるようになされている。
連結部材82を固定ビスFで横枠4に取付ける際は、凹溝46(突条47)に設けられた固定ビスFの螺子部より大径の横長孔(図示せず)に固定ビスFを挿入し、連結部材82のビス孔83に螺入させる。本形態では、連結部材82の開口において、その入り口の縦寸法は突条47の縦寸法より広く、且つ開口の縦寸法は奥ほど狭くなっている。これにより、突条47を連結部材82の開口部に挿入しやすくなる。又、固定ビスFで取付ける際に、突条47の頂部が連結部材82の開口に少しでも挿入された状態で固定ビスFをビス孔83に螺入させておけば、作業者は連結部材82を支持していなくても、固定ビスFを締め付ける程、連結部材82の開口の上下壁部は突条47に規制され、連結部材82の長手方向と突条47の長手方向とのずれが小さくなるように取付けられる。連結部材82の開口において、最奥部の縦寸法が突条47の縦寸法と一致していれば、前記のずれがほとんどなくなるため最も好ましいが、連結部材82の加工誤差や、施工誤差等を考慮して、最奥部の縦寸法を突条47の縦寸法よりやや大きくしていれば、連結部材82は、開口の最奥部が突条47に当接されるので、横枠4に対して前後方向の位置が固定されるため、塀用パネルPを横方向に連結する際に、両パネルの前面がほぼ面一となり、又両パネルの高さをほぼ合わせることができる。尚、固定ビスFの取付箇所は1個でもよいが、本形態のように横方向に2個並べて設けられてもよく、取付作業等が煩雑にならない程度で3個以上の複数でもよい。
固定ビスFの頭部の幅寸法は、前記凹溝46の深さ寸法より小さいほうが好ましい。これにより、支柱取付部材42を横枠4の支柱取付溝41に挿入する際に、お互いに接触しないようになされる。
図14に示すように、横枠4の両端部には縦枠3の基板31が当接され、その基板31には、横枠4の中空部に通じ、連結部材82が挿入される透孔39が設けられている。透孔39の形状は、特に限定されるものではないが、連結部材82を挿入しやすく、且つ連結部材82を横枠4に取付ける際に、その作業性が向上されるものがより好ましい。すなわち、透孔39は、本形態のように、連結部材82の取付位置に合わせて、連結部材82の断面形状よりやや大きい程度に形成されたものでもよいが、少なくとも連結部材82の取付高さに対して透孔39の下側と背面側の位置が極端にずれない程度となされれば、連結部材82の挿入位置を合わせやすくなり、又、連結部材82の一端を一方の塀用パネルPに取付けた後、他端を他方の塀用パネルPに取付ける際に、この他端を他方の塀用パネルP側の透孔39に挿入すれば、塀用パネルPを仮止めすることが可能となり、連結作業がより容易になされる。
塀用パネルPを連結する際は、上下の横枠4にそれぞれ連結部材82を取付けた方が、連結した塀用パネルPの連結強度が高められ、位置ずれ等も起こりにくくなり好ましいが、塀用パネルPの縦寸法や施工性を考慮して、上下の横枠4の一方のみに取付けられたものでもよい。
又、図14に示すように、塀用パネルPを連結する際は、その連結部にパッキンG等の弾性部材を配設した形態でもよい。これにより、隣接する2個の塀用パネルにおいて、横方向の加工誤差や傾斜等の施工誤差によって生じる隙間を埋めることが可能となり、この隙間から伝播する騒音等を低減させ、吸音性能や遮音性能を高めることができる。尚、同様なパッキンと塀用パネルPと地面との間に配設された形態でもよい。
本発明によれば、設置場所において、塀用パネルに対して横幅が短い端尺パネルが必要な際に、横幅を比較的容易に調節することができるので、塀用パネルを用いて外構塀を施工する際、外構塀の端部等で支柱間の幅が所定の長さでない場合、あるいは、外構塀等の設置予定箇所に樹木や岩等の移動できないようなものがあり、その場所を避けて外構塀を施工する等、施工現場等で、塀用パネルの端尺パネルが必要となる場合に、好適に利用できる。
本発明に係る塀用パネルの実施の第一形態を示す正面図である。 図1のA−A部における要部拡大断面図である。 図1の主要部の断面図である。 図1の塀用パネルの取付構造を示す正面図である。 図1の主要部の説明図である。 図1の主要部の説明図である。 図4のB−B部における要部拡大断面図である。 図4のC−C部における要部拡大断面図である。 図4のD−D部における要部拡大断面図である。 本発明に係る塀用パネルの実施の第二形態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る塀用パネルの実施の第三形態を示す正面図である。 図11のE−E部における拡大断面図である。 本発明に係る塀用パネルと支柱との取付構造の一形態を示す分解説明図 塀用パネルどうしの横方向の連結構造の一形態を示す分解斜視図である。
1、1a、1b パネル本体
12 化粧板
13 裏面板
2 吸音材
3 縦枠
31 基板
32 溝部
39 透孔
4 横枠
41 支柱取付溝
42 支柱取付部材
43 開口部
45 中空部
46 凹溝
47 突条
5 上横枠
51 基板
53 溝部
57、57a 係止溝
6 下横枠
61 基板
63 溝部
66、66a、66b 脚片
67、67a 突条
7 固定ビス
8 カバー片
82 連結部材
9 支柱
91 取付部材
A 切断面
C 支点
P 塀用パネル

Claims (6)

  1. パネル本体と、該パネル本体の側端部に相対向して取付けられ、それぞれの対向面にパネル本体の側端部が挿入される溝部が設けられた2個の縦枠と、パネル本体の上下に相対向して設けられた2個の横枠とを備えた塀用パネルの連結構造であって、前記横枠は、中空部が形成され、該中空部に挿入される連結部材を介して塀用パネル同士が左右に複数連結されると共に、前記横枠の中空部を形成する側壁から中空部側に向けて突出された突条が、断面略コ字状に形成された前記連結部材の開口内に挿入されて、該連結部材に取付けられていることを特徴とする塀用パネルの連結構造。
  2. 前記横枠は、長手方向に沿って支柱取付溝が設けられ、該支柱取付溝に摺動可能に挿入された支柱取付部材に、支柱を貫通させた取付ボルトのネジ部を螺合させることにより、支柱に固定されるようになされると共に、前記中空部を形成する側壁を兼ねる前記支柱取付溝の底部が中空部側に向けて突出されて、前記突条が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塀用パネルの連結構造。
  3. 前記塀用パネルは、前記縦枠及び横枠に2個の溝部が前後に間隔を開けて設けられて、2個のパネル本体の両側端部と上下端部が前記縦枠の溝部と横枠の溝部にそれぞれ挿入されて、2個のパネル本体が前後に間隔を開けて取付けられているものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塀用パネルの連結構造。
  4. 前記塀用パネルは、2個のパネル本体が前後に間隔を開けて取付けられ、この2個のパネル本体間に、合成樹脂製の長繊維からなる吸音材が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の塀用パネルの連結構造。
  5. 前記縦枠に設けられた溝部は、パネル本体の表面側に位置する外側壁と、パネル本体の裏面側に位置する内側壁とからなり、内側壁の先端部は、根元部に比べて外側壁との間隔が広くなされ、かつ、外側壁の先端部からパネル本体側に向けて突部が突出されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塀用パネルの連結構造。
  6. 複数の塀用パネルが接合部において上下に接合され、一方の塀用パネルの接合部には長手方向に向かって脚片と、その脚片に並設された突条とを有し、他方の塀用パネルの接合部には、前記脚片が嵌合される切欠部と、前記突条が挿入される係止溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の塀用パネルの連結構造。
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