以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(1)デッキ構造の全体構成
図1および図2は、本発明の実施形態にかかるデッキ構造を示す斜視図および側面断面図である。本図に示されるデッキ構造は、建物の一階部分の側壁Wから屋外側(庭)に突出するように設けられ、いわゆるガーデンテラスとして利用されるものである。なお、以下の説明において「前」「後」「左」「右」とは、側壁Wと直交しかつ屋外を向く方向を「前」、その反対側(屋内側)を「後」とした場合のものである。
本図に示されるデッキ構造10は、長尺状の複数のパネル材によって構成されたデッキフロア13と、デッキフロア13の上面の前縁側に設けられたフェンス構造1と、デッキフロア13を下側から支える複数本のデッキ支柱11と、デッキ支柱11の下端に設けられたコンクリート製ブロックの土台部12とを備えている。当実施形態では、前後2×左右4の合計8箇所に分布するように土台部12およびデッキ支柱11が配置されている。
フェンス構造1は、下端部がデッキフロア13に固定された複数本(図1では2本)の支柱2と、複数本の支柱2同士を架け渡すように支柱2の上端部に取り付けられた架設フレーム材3と、架設フレーム材3の下面に沿って当該下面に固定された上側フレーム横材4と、上側フレーム横材4の下側に位置する下側フレーム横材5と、上端部が上側フレーム横材4に固定されかつ下端部が下側フレーム横材5に固定される複数本(図1では11本)のフレーム縦材6とを有している。このフェンス構造1を構成する各部、すなわち支柱2、架設フレーム材3、上側フレーム横材4、下側フレーム横材5およびフレーム縦材6の少なくとも外周部は木材を模した材料で構成されている。このため、フェンス構造全体が木質材料で構成されているかのような一体感を出すことができ、デッキ用フェンス構造の意匠性を向上させることができる。ここでの木材を模した材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ABS共重合樹脂、ASA共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、EVA樹脂等の熱可塑性樹脂に対して木粉を配合した木質成形品が挙げられる。この木質成形品は、押出成型によってそれぞれ各部の形状に加工されている。
架設フレーム材3は、木材を模した材料で構成された左右方向に延びる断面矩形状の中実角材である。この架設フレーム材3の左右方向の長さは、隣接する支柱2間の長さよりも長くされており、かつ架設フレーム材3の幅長さ(前後方向の長さ)は支柱2の上端面における一辺の長さよりも長くされている。架設フレーム材3は、ビス30を介して複数の支柱2の上面に固定されている。すなわち、架設フレーム材3とその下面の支柱2の上面(後述のカバー部材23、図6〜図10参照)とを貫通するように架設フレーム材3の上面からビス30が締結されるとともに、そのビス30の先端が支柱2の内側まで達することにより、架設フレーム材3とカバー部材23とが互いに圧着され、これによって架設フレーム材3が支柱2の上面に固定されている。なお、ビス30は請求項にいう「第1締結部材」に相当する。
上側フレーム横材4は、架設フレーム材3と同様、木材を模した材料で構成された左右方向に延びる断面矩形状の中実角材であるが、架設フレーム材3よりも左右方向の長さが若干短くされている。また、上側フレーム横材4の横幅(前後方向の長さ)は支柱2の上端面の一辺と略同一とされている。この上側フレーム横材4は、上下方向に貫通するビス40により架設フレーム材3の下面に固定されている。すなわち、上側フレーム横材4を貫通するように上側フレーム横材4の下面からビス40が締結されるとともにそのビス40の先端が架設フレーム材3の内側まで達することにより、上側フレーム横材4が架設フレーム材3の下面に固定されている。なお、ビス40は請求項にいう「第2締結部材」に相当する。
上側フレーム横材4の左右の端部にはそれぞれ1つずつの第1固定金具31が取り付けられており、この第1固定金具31を介して上側フレーム横材4の左端部および右端部がそれぞれ隣接する支柱2の側面に固定されている。図3は第1固定金具の斜視図である。
第1固定金具31は、金属板を折り曲げて形成した側面視L字状の部材であり、支柱2の側面に沿う矩形板状の支柱固定部31aと、支柱固定部31aの下端から横方向に延び、上側フレーム横材4の下面に沿う矩形板状の横材固定部31bとを一体に有している。支柱固定部31aには1つの挿通孔31cが形成されており、当該挿通孔31cを通じて支柱2の側面に螺着されるドリルビスにより支柱固定部31aが支柱2の側面に固定されている。同様に、横材固定部31bにも1つの挿通孔31dが形成されており、当該挿通孔31dを通じて上側フレーム横材4の下面に螺着されるドリルビスにより横材固定部31bが上側フレーム横材4の下面に固定されている。なお、第1固定金具31は、請求項にいう「第1固定具」に相当する。
下側フレーム横材5は、上側フレーム横材4と同形状および同一の材質で構成されている。下側フレーム横材5の左右の端部にはそれぞれ1つずつの固定具32が取り付けられており、この固定具32を介して下側フレーム横材5が支柱2の側面に固定されている。図4は固定具の斜視図である。
固定具32は、上述の第1固定金具31よりも幅広の金属板を折り曲げて形成した側面視L字状の部材であり、支柱2の側面に沿う矩形板状の下側支柱固定部32aと、下側支柱固定部32aの上端から横方向に延び、下側フレーム横材5の下面に沿う矩形板状の下側横材固定部32bとを一体に有している。
下側支柱固定部32aには2つの挿通孔32cが形成されており、当該挿通孔32cを通じて支柱2の側面に螺着される2本のドリルビスにより下側支柱固定部32aが支柱2の側面に固定されている。下側横材固定部32bには左右方向に穴が延びている2つの挿通長孔32dが形成されており、当該挿通長孔32dを通じて下側フレーム横材5の下面に螺着される2本のドリルビスにより下側横材固定部32bが下側フレーム横材5の下面に固定されている。挿通長孔32dは左右方向に延びているので、挿通長孔32dにドリルビスを取り付けた状態で固定具32を左右にスライド移動させることができる。これにより下側フレーム横材5に対する固定具32の左右方向の位置合わせができるようになっている。
フレーム縦材6は、木材を模した材料で構成された上下方向に延びる断面矩形状のパイプ材(角パイプ)により構成されている。フレーム縦材6は、その上端の開口部内に上側フレーム横材4の下面に取り付けられた側面視L字状の第2固定金具33を収容した状態で、第2固定金具33によってフレーム縦材6の上端が上側フレーム横材4の下面に固定されている。フレーム縦材6の下端も同様に第2固定金具33が取り付けられている。すなわち、フレーム縦材6の下端の開口部内に下側フレーム横材5の上面に取り付けられた第2固定金具33を収容した状態で、第2固定金具33によってフレーム縦材6の下端が下側フレーム横材5の上面に固定されている。なお、第2固定金具33は、請求項にいう「第2固定具」に相当する。
図5は、第2固定金具の斜視図である。第2固定金具33は、フレーム縦材6の幅長さよりも幅狭の金属板を折り曲げて形成した側面視L字状の部材であり、フレーム縦材6の内側面に固定される矩形板状の縦材固定部33aと、縦材固定部33aの上端から横方向に延び、上側フレーム横材4の下面に沿う矩形板状の上側横材固定部33bとを一体に有している。縦材固定部33aには1つの挿通孔33cが形成されており、当該挿通孔33cを通じてフレーム縦材6の内側面に螺着されるドリルビスにより縦材固定部33aがフレーム縦材6の内側面に固定されている。上側横材固定部33bには2つの挿通孔33dが形成されており、当該挿通孔33dを通じて上側フレーム横材4の下面に螺着されるドリルビスにより上側横材固定部33bが上側フレーム横材4の下面に固定されている。なお、下側フレーム横材5とフレーム縦材6との固定も、上側フレーム横材4とフレーム縦材との固定と同様に第2固定金具33を用いて行われている。
支柱2は、図6〜図11に示す構成とされている。図6は支柱を単独で示す斜視図であり、図7は支柱を前後方向に切断した断面図であり、図8は支柱を左右方向に切断した断面図であり、図9は支柱の上面図であり、図10は支柱の分解斜視図であり、図11は図10の状態から一部の部品を組み付けた状態を示す斜視図である。これらの図(特に図10)に示すように、支柱2は、デッキフロア13の上面に固定される固定金具21と、固定金具21に下端部が固定される中空パイプ状の支柱本体22と、支柱本体22の上端開口を覆うように取り付けられるカバー部材23と、前記支柱本体22よりも一回り大きい中空パイプ状に形成された当該支柱本体22の外周を取り囲む支柱カバー部材24とによって主に構成されている。
固定金具21は、金属板を折り曲げて形成した側面視コ字状の部材であり、デッキフロア13の上面に沿う矩形板状のベース壁部21aと、ベース壁部21aの前辺部および後辺部から上方に立ち上がる前後一対の縦壁部21bとを一体に有している。ベース壁部21aには一対の挿通孔が形成されており、当該挿通孔を通じてデッキフロア13に螺着される複数のドリルビス25によりベース壁部21aがデッキフロア13に固定されている。
支柱本体22は、上下方向に延びる断面ほぼ正方形の矩形状の金属製パイプ材(角パイプ)により構成されている。支柱本体22は、その下端の開口部内に固定金具21を収容した状態でデッキフロア13の上面に配置され、この状態で固定金具21に固定されている。すなわち、支柱本体22は、その下端部が固定金具21の外側面にそれぞれビス26で締結されることにより、固定金具21に固定されている。支柱本体22の内面間距離(内側面どうしの離間距離)は、一対の縦壁部21bの外面間距離(外側面どうしの離間距離)とほぼ同一に設定されている。このため、上記のように支柱本体22の下端部が固定金具21に外挿された状態において、支柱本体22の側面は縦壁部21bの外側面と当接または近接する位置に配置される。支柱本体22の側面には、それぞれビス26を挿通するための挿通孔Sが形成されている(図10参照)。そして、各挿通孔Sを通じてビス26が外側から縦壁部21bに螺着されることにより、支柱本体22の側面が縦壁部21bの外側面に固定されている。
また、支柱本体22の内面間距離は、固定金具21の各縦壁部21bの幅寸法とほぼ同一に設定されている。このため、上記のように支柱本体22の下端部が固定金具21に外挿された状態において、支柱本体22の側面は、それぞれ縦壁部21bの左右の側縁と当接または近接する位置に配置される。これにより、支柱本体22は、ビス26による締結がなされる前の状態においても、固定金具21に対し一定の位置に位置決めされるようになっている。
カバー部材23は、上記固定金具21と同様に金属板を折り曲げて形成した側面視コ字状の部材であり、架設フレーム材3の下面に沿う矩形板状の当接固定部23aと、当該当接固定部23aの左辺部および右辺部の前方および後方から下方に延びる二対の側壁部23bとを一体に有している。カバー部材23は、その二対の側壁部23bを支柱本体22の上端の開口部内に収容した状態で当接固定部23aを支柱本体22の上面に当接するように配置され、この状態で支柱本体22の上端開口を覆うように支柱本体22に固定されている。
上記二対の側壁部23bの外面間距離は、支柱本体22の内面間距離とほぼ同一に設定されている。このため、上記のようにカバー部材23を支柱本体22の上端開口部に挿入した状態において、二対の側壁部23bの外側面は支柱本体22の内側面と当接または近接する位置に配置される。支柱本体22の側面および二対の側壁部23bには、それぞれビス27を挿通するための挿通孔Tが形成されている(図10参照)。そして、各挿通孔Tを通じてビス27が支柱本体22の外側から側壁部23bに螺着されることにより、側壁部23bの外側面が支柱本体22の側面に固定されている。
当接固定部23aの前後方向の長さは、支柱本体22の外周間距離とほぼ同一に設定されている。このため、上記のようにカバー部材23を支柱本体22の上端開口部に挿入することで、当接固定部23aの前後方向の端部が支柱本体22の前後方向の外周上面に当接する。したがって、カバー部材23は、ビス27による締結がなされる前の状態においても支柱本体22に対し一定の位置に位置決めされるようになっている。
支柱カバー部材24は、支柱本体22よりもひと回り大きい上下方向に延びる断面矩形状の木質樹脂製のパイプ材により構成されている。すなわち、支柱カバー部材24は、全体として支柱本体22と相似でかつひと回り大きいほぼ正方形の中空断面を有するように形成されている。支柱カバー部材24の外周4面は、支柱2の外表面を構成する面であり、外部から視認されるため、支柱カバー部材24の外側面は、デッキ構造における支柱2以外の部品の外観(例えばデッキフロア13の外表面)と統一感をもたせるようにデザインされた面とされ、例えば天然木を模した外観を有するように形成されている。
支柱カバー部材24は、その内部に支柱本体22を同軸に収容した状態でデッキフロア13の上面に配置される。すなわち、支柱カバー部材24は、支柱本体22の側面を外側から覆うように配置される。支柱カバー部材24の上下方向の長さは支柱本体22の上下方向の長さとほぼ同一としているので、支柱本体22は、その下端部を含む大部分が外部から視認されないように支柱カバー部材24によって覆い隠される。
図7および図8に示すように、支柱カバー部材24の側面は、それぞれ支柱本体22の側面から離間するように配置されている。そして、このような位置関係に基づき形成される支柱本体22の外側面と支柱カバー部材24の内側面との間の隙間に、それぞれ合成樹脂製の板状体からなる樹脂プレート51が配置されている。樹脂プレート51は、支柱本体22の下側に位置する左右の側面と、支柱本体22の上側に位置する前後の側面とにそれぞれ接着等により取り付けられている。
そして、この状態で支柱カバー部材24が支柱本体22に外挿されることにより、樹脂プレート51が支柱本体22の外側面と支柱カバー部材24の内側面との間に配置され、支柱本体22と支柱カバー部材24との間隔を前後左右で均等に維持するスペーサとして機能し、支柱本体22に対する支柱カバー部材24の左右方向位置を安定化させる役割を果たす。支柱カバー部材24は、樹脂プレート51が取り付けられる箇所に外側から締結されるビスにより支柱本体22に固定されている。
(2)施工方法
以上のようなフェンス構造1を施工する方法について、図12〜図13を用いて説明する。図12および図13は、上記フェンス構造1を作製する手順を説明するための図面である。この説明の前提として、図10に示す手順で取り付けられた支柱2がデッキフロア13の上面に固定されているものとする。
上記の状態から始める作業としては、まず、図12(b)に示すように、上側フレーム横材4と下側フレーム横材5とフレーム縦材6とを締結したものを準備する。なお、図12(a)〜(c)では、固定具32の取付位置を見えやすくするため上下を反対にしている。図12(a)〜(c)に示す手順で上側フレーム横材4の下面および下側フレーム横材5の上面にそれぞれ第2固定金具33の上側横材固定部33bを固定する。図1に示すフェンス構造1を組み立てる場合を例として具体的に説明すると、上側フレーム横材4の下面に対して、11個の第2固定金具33が互いにほぼ等間隔となるように第2固定金具33を固定する。このとき、各第2固定金具33の縦材固定部33aが上側フレーム横材4の下面から下側に延びるように、上側横材固定部33bの挿通孔33dから上側フレーム横材4の下面にビスを螺着することにより、上側フレーム横材4の下面に11個の第2固定金具33を固定する。同様に、下側フレーム横材5の上面に対して、11個の第2固定金具33の縦材固定部33aが下側フレーム横材5の上面から上側に延びるように上側横材固定部33bの挿通孔33dから下側フレーム横材5の下面にビスを螺着することにより、下側フレーム横材5の上面に第2固定金具33を固定する。
次に、図12(b)に示すように、フレーム縦材6の上端の開口部内に第2固定金具33を収容した状態で、上側フレーム横材4の下面にフレーム縦材6の上端部を固定する。具体的には、上側フレーム横材4の下面に取り付けた第2固定金具33の縦材固定部33aをフレーム縦材6の上端の内側面に当接させた状態で、フレーム縦材6の側面から縦材固定部33aの挿通孔33cにビスを螺着することにより、上側フレーム横材4の下面にフレーム縦材6を固定する。同様に、フレーム縦材6の下端の開口部内に第2固定金具33を収容した状態で、下側フレーム横材5の上面にフレーム縦材6の下端部を固定する。このようにしてフレーム縦材6の上端部および下端部にそれぞれ上側フレーム横材4および下側フレーム横材5を固定する。
そして、図12(c)に示すように下側フレーム横材5の下面(ただし図12(c)においては上下反転させているので上面であるかのように見える)の左右の端部に固定具32を固定する。具体的には、下側支柱固定部32aが下側フレーム横材5の端面と面一となるように固定具32を位置合わせした上で、下側横材固定部32bの挿通長孔32dから下側フレーム横材5の下面の端部にビスを螺着することにより、下側フレーム横材5の端部に固定具32を固定する。
次いで、図13(a)に示すように、支柱2の上端近傍の側面に第1固定金具31を固定する。具体的には、第1固定金具31の横材固定部31bが下側となるように、支柱固定部31aの挿通孔31cから支柱2の上端近傍の側面に対してビスを螺着することにより、第1固定金具31を支柱2の側面に固定する。
そして、上記図12で作製した一体化物の上下方向を反対にして、上側フレーム横材4の下面の端部を第1固定金具31の横材固定部31bの上面に載置し、この図13(b)に示す状態で、横材固定部31bの挿通孔31dから上側フレーム横材4の下面にビスを螺着することにより、図12(c)で作製した一体化物を支柱2に固定する。この固定後の状態において、下側フレーム横材5の下面に固定された固定具32の下側支柱固定部32aが支柱2に当接する位置に配置されているので、下側支柱固定部32aの挿通孔32cから支柱2の側面に対してビスを螺着することにより支柱2と下側フレーム横材5とを固定する。なお、図12で作製した一体化物を支柱2に固定したときに、固定具32の下側支柱固定部32aが支柱2に当接していない場合は、固定具32の左右方向の位置を微調整する。
そして、図13(c)に示すように、隣接する支柱2間を掛け渡すように架設フレーム材3を載置し、架設フレーム材3の上面から支柱2の上面のカバー部材23を貫くようにビス30を螺着することにより架設フレーム材3を支柱2の上面に固定する。最後に、上側フレーム横材4の下面側からビス40を螺着することにより上側フレーム横材4と架設フレーム材3とを締結する。このようにして上側フレーム横材4の上面に架設フレーム材3が固定される。以上のようにして図1に示すフェンス構造1が作製される。
(3)作用効果等
以上説明したように、上記実施形態では、デッキフロア13の上面に設けられるデッキ用フェンス構造1において、次のような特徴的な構成を採用した。
すなわち、上記実施形態では、上下方向に延びるように設けられ、下端部がデッキ構造10のデッキフロア13に固定された複数本の支柱2と、複数本の支柱2同士を架け渡すように支柱2の上端部に取り付けられた架設フレーム材3と、架設フレーム材3の下面に沿って延びるとともに当該下面に固定され、隣接する支柱2の側面に左右端部がそれぞれ固定された上側フレーム横材4とを備えている。すなわち、支柱2の上端部に取り付けられた架設フレーム材3の下面に沿って当該下面に上側フレーム横材4が固定されているので、架設フレーム材3の上面から下向きに外力が加わったとしても、その外力を架設フレーム材3と上側フレーム横材4との2本で受けることができる。また、上側フレーム横材4の左右端部がそれぞれ支柱2の側面に固定されているので、仮に架設フレーム材3の側面に対し架設フレーム材3の前後方向に外力が加わったとしても、その前後方向の外力を、架設フレーム材3の下部に固定された上側フレーム横材4を通じて支柱2に逃がすことができる。これらの効果が相俟って、架設フレーム材3に対して上側から外力が加わっても、架設フレーム材3に対して前後方向に外力が加わっても、その外力で架設フレーム材3が変形することを防止することができ、フェンス構造1の上部の強度を高めることができる。このため、支柱間距離が長くなるように各支柱2を配置したとしても、フェンス構造1における上部の強度を十分に確保することが可能となる。なお、本実施形態のフェンス構造は、上側フレーム横材4の下側に位置し、隣接する支柱2の側面に左右端部がそれぞれ固定された下側フレーム横材5と、上下方向に延びるように設けられ、上端部が上側フレーム横材4に固定されかつ下端部が下側フレーム横材5に固定されるフレーム縦材6とがさらに設けられている。
上記実施形態では、支柱2は、中空パイプ状の支柱本体22と、当該支柱本体22の上端開口を覆うように取り付けられるカバー部材23とを有し、支柱2と架設フレーム材3とは、カバー部材23と当該カバー部材23上に載置された架設フレーム材3とを上下方向に貫通するビス30(第1締結部材)により互いに結合されている。このように中空パイプ状の支柱本体22の上端にカバー部材23が取り付けられていることで、支柱2の上端に位置するカバー部材23と架設フレーム材3の下面とを面接触させることができる。そして、この面接触した部分、すなわち架設フレーム材3とカバー部材23との接触面を上下方向に貫通するビス30(第1締結部材)で互いに結合することにより、支柱2と架設フレーム材3とを締結することができる。これにより架設フレーム材3に対してその前後方向に外力が加わっても、その外力を支柱2に逃がすことができ、架設フレーム材3が変形することを防止することができる。
上記実施形態では、支柱本体22が金属製のもので構成されているので支柱2の強度を高めることができる。しかも、支柱2は、支柱本体22よりも一回り大きい中空パイプ状に形成されて当該支柱本体22の外周を取り囲む支柱カバー部材24をさらに有し、支柱カバー部材24、架設フレーム材3、および上側フレーム横材4は、木材を模した材料で構成されているので、フェンス構造1全体が木質材料で構成されているかのような一体感を出すことができ、フェンス構造1の意匠性を向上させることができる。
上記実施形態では、架設フレーム材3と上側フレーム横材4とは、上側フレーム横材4を上下方向に貫通するビス40(第2締結部材)により互いに結合されているので、架設フレーム材3と上側フレーム横材4との接合強度を高めることができ、フェンス構造1の上部の強度をより高めることができる。しかも、上側フレーム横材4を上下方向に貫通するようにビス40(第2締結部材)が取り付けられていることで、ビス40が外部から視認されにくくなり、フェンス構造1の意匠性を向上させることができる。
上記実施形態のフェンス構造1は、支柱2の側面に上側フレーム横材4を固定するための第1固定金具31(第1固定具)をさらに備えており、第1固定金具31は、支柱2の側面に固定される支柱固定部31aと、当該支柱固定部31aの下端から横方向に延び、上側フレーム横材4の下面が固定される横材固定部31bとを有しているので、支柱2の側面に対して支柱固定部31aを当接させた状態で、支柱固定部31aを支柱2の側面に固定することによって支柱2と第1固定金具31とを締結させることができる。このように支柱固定部31aを支柱2の側面に取り付けた状態では、支柱2の側面から横材固定部31bが立設しているので、この横材固定部31bの上面に上側フレーム横材4を上側から載置することで支柱2の側面に対して上側フレーム横材4を容易に固定することができる。しかも、上側フレーム横材4の下面を受けるように第1固定金具31が固定されているので、上側フレーム横材4に対して下向きに外力が加わった時に、その外力を第1固定金具31から支柱2に逃がすことができる。また支柱2の側面と上側フレーム横材4の下面との両方に沿うように第1固定金具31が取り付けられているので、支柱2と上側フレーム横材4との取付強度を高めることができるし、フェンス構造1の上部の強度をさらに高めることが可能となる。
上記実施形態では、上側フレーム横材4の下面にフレーム縦材6を固定するための第2固定金具33(第2固定具)をさらに備え、フレーム縦材6は、中空パイプ状に形成されており、第2固定金具33は、フレーム縦材6の内側面に固定される縦材固定部33aと、縦材固定部33aの上端から横方向に延び、前記上側フレーム横材4の下面が固定される上側横材固定部33bとを有しているので、上側フレーム横材4の下面に上側横材固定部33bを当接させた状態で、上側横材固定部33bを上側フレーム横材4の下面に固定する。このように上側フレーム横材4に対して第2固定金具33を固定した状態では、縦材固定部33aが上側フレーム横材4の下面から下向きに突き出しているので、この縦材固定部33aに対して中空パイプ状のフレーム縦材6の内側面を固定することにより上側フレーム横材4の下面に対してフレーム縦材6を固定することができる。このように第2固定金具33を介して上側フレーム横材4とフレーム縦材6とを固定することにより、上側フレーム横材4に対してフレーム縦材6を簡便に取り付けることができるし、上側フレーム横材4とフレーム縦材6との取り付け強度を高めることができる。しかも、第2固定金具33をフレーム縦材6の内側面に固定することに伴い、第2固定金具33がフレーム縦材6の内側に隠れて外側から見えなくなるので、フェンス構造1の意匠性を向上させることができる。
(変形例)
上記実施形態においては、支柱2が金属製の中空パイプ状の支柱本体22の上面にカバー部材23を取り付けた上で、このカバー部材23と架設フレーム材3とをビス30によって締結する場合を説明したが、支柱本体22の上面が鉄板によって閉じられた金属製の中空パイプ状の支柱本体を用いてもよいし、支柱2として中実角材を用いてもよい。支柱2に中実角材を用いる場合には、支柱2の上面にビス30を打ち込むためのビス孔を予め設けておくことが好ましい。
上記実施形態においては、カバー部材23と架設フレーム材3とをビス30で貫通させることによって支柱2の上面に架設フレーム材3を固定する場合を説明したが、これらの部材の固定はビス30を螺着する手法のみに限られず、例えば支柱2のカバー部材23と架設フレーム材3の下面とを溶着させることによって固定してもよいし、支柱2の側面と架設フレーム材3の側面とを跨ぐようにコの字型の留め金を打ち付けることによって固定してもよい。架設フレーム材3と上側フレーム横材4との接合においても同様にビス40を螺着する手法のみに限られず、例えば架設フレーム材3の下面と上側フレーム横材4の上面とを溶着させることによって固定してもよいし、架設フレーム材3の側面と上側フレーム横材4の側面とを跨るようにコの字型の留め金を打ち付けることによって固定してもよい。
上記実施形態においては、支柱本体22の外周面に支柱カバー部材24を取り付ける場合を説明したが、支柱カバー部材24を省略してもよい。この場合には、支柱本体22の側面に取り付けられる樹脂プレート51も省略することができる。
上記実施形態においては、支柱2の側面に上側フレーム横材4を取り付ける際に、支柱2の側面に第1固定金具31を取り付けた上で、この第1固定金具31を介して支柱2の側面に上側フレーム横材4の端部を取り付ける場合を説明したが、例えば支柱2の側面に上側フレーム横材4の端部を挿入できる挿入口を予め設けておき、当該挿入口に上側フレーム横材4の端部を挿入することによって支柱2と上側フレーム横材4とを取り付けることもできる。
上記実施形態においては、上側フレーム横材4の下面に対してフレーム縦材6を取り付ける場合においても上記と同様のことが言え、上側フレーム横材4の下面にフレーム縦材6の上端部を挿入できる挿入口を予め設けておき、当該挿入口にフレーム縦材6の上端部を挿入することによって上側フレーム横材4とフレーム縦材6とを取り付けてもよい。同様に、下側フレーム横材5の上面に対してフレーム縦材6の下端部を挿入できる挿入口を予め設けておき、当該挿入口にフレーム縦材6の下端部を挿入することによって下側フレーム横材5とフレーム縦材6とを取り付けてもよい。
上記実施形態においては、図13(a)に示すように、第1固定金具31の横材固定部31bが下側となるように第1固定金具31を支柱2の側面に固定する場合を説明したが、図14に示すように第1固定金具31の横材固定部31bが上側となるように支柱固定部31aを支柱2の側面に固定してもよい。
上記実施形態においては、11本のフレーム縦材6が上下方向に延び、かつフレーム縦材6の上端部が上側フレーム横材4に固定されるとともにフレーム縦材6の下端部が下側フレーム横材5に固定される場合を説明したが、フレーム縦材6の本数や太さは図1に示すもののみに限られず、例えばフレーム縦材6の本数を増やしてもよいし、フレーム縦材6の本数を減らしてもよい。また、フレーム縦材6に対して垂直に延びる1本または複数本のフレーム横材をフレーム縦材6に取り付けてもよい。これにより複数のフレーム縦材6と複数のフレーム横材とが組み合わされて井桁の格子状とされることになり、フレーム縦材6の強度を高めることができる。逆に、下側フレーム横材5およびフレーム縦材6を省略することもできる。
上記変形例では、上側フレーム横材4および下側フレーム横材5に対して垂直にフレーム縦材6を取り付ける場合を説明したが、上側フレーム横材4と下側フレーム横材5との間において、上側フレーム横材4の下面に対して斜めに延びるフレーム材を取り付けてもよい。この場合、強度を高めるという観点から、左斜めに延びる左斜めフレーム材と右斜めに延びる右斜めフレーム材とを井桁格子状に組み合わせることが好ましい。
上記実施形態においては、フェンス構造1を構成する各部の外周面が木質樹脂によって構成される場合を説明したが、実際の木材によって構成されていてもよいし、金属鋼材で構成されていてもよい。