JP3930282B2 - ルームユニット等の構造物への枠体の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室ユニット等のルームユニットに、ドアや窓等を取付ける枠体を取付ける構造に係り、特に、構成が簡単であり、取付けが容易なルームユニット等の構造物への枠体の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の枠体の取付構造としては、特開平10−96373号公報に記載の開口部の枠取付構造がある。この公報に記載の技術は、枠体は開口部の開口幅より幅の狭い本体部の端部に外側へ突出するフランジ部を有し、開口部の内周側には該開口部の開口幅を狭くする別体のバックアップ材を固設させておき、該バックアップ材にフランジ部を当接させて枠体の本体部を開口部内に嵌め込むとともに、該枠体の本体部の少なくとも一辺とバックアップ材間にスペーサーを介在させるものである。そして、枠体の本体部は、ビスを主スペーサー及び調整スペーサーを通して、バックアップ材及びコーナーポストまたは壁パネルに螺合させて、ビスにより枠体を開口部に固定する構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記構造の開口部の枠取付構造は、枠体の本体部にビスを差込み、ビスを調整スペーサーを通してバックアップ材及びコーナーポストまたは壁パネルに螺合させて、ビスにより枠体を開口部に固定するため、多数本のビスをねじ込むという作業が煩雑であり、施工が面倒であった。また、構成が複雑であり、部品点数が多く、製造が煩雑であった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ビスや取付けねじ等が不要であり、ルームユニット等の開口部に窓やドア用の枠体を容易に取付けることができ、また構成が簡単で製造が容易である開口部への枠体の取付構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係る開口部への枠体の取付構造は、上と下に位置する2つの横枠部材と、左と右に位置する2つの縦枠部材とから構成される矩形状の枠体をルームユニット等の構造物に取付ける構造であり、前記構造物は、上下方向に形成されたスリットを有するスタッドを左右両側に備えた開口部を有し、前記縦枠部材を前記スタッドに隣接して立設し、前記スタッドと前記縦枠部材とを前記スリットに嵌合固定される挟持材で挟持するものであり、前記縦枠部材は、前記スタッドと対接するフランジを備えているとともに、前記スタッドとは反対側の面に凹溝を備え、前記挟持材は、2つの平行片と、これらの平行片を連結する連結片とから構成される断面が略コ字状をしており、平行片の一方が前記スリットに嵌合され、平行片の他方が前記縦枠部材の前記凹溝に係合されていることを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、開口部に矩形状の枠体を嵌め込み、開口部の左右両側のスタッドに枠体の縦枠部材を隣接させて立設し、挟持材をスタッドのスリットに挿入して嵌合させ、挟持材でスタッドと縦枠部材を挟持するだけで、枠体を開口部に極めて容易に取付けることができる。そして、構成が極めて簡単であり、製造が容易に行え、コストダウンを達成できる。
【0007】
また、この構成によれば、挟持材の平行片の一方をスタッドのスリットに挿入して嵌合させ、平行片の他方をスタッドの開口部側の面に対接させるだけで、枠体をルームユニット等の構造物の開口部に極めて容易に取付けることができる。
【0008】
さらに、この構成によれば、スタッドに縦枠部材を隣接させるとき、フランジが当たるまで開口部に挿入するため位置決めが容易に行え、挟持材の平行片の他方の端部を凹溝で係合するため、取付け状態が安定する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る開口部への枠体の取付構造の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る開口部への枠体の取付構造の概略構成を示す斜視図である。図1において、浴室ユニット等のルームユニット1には、ドア用の開口部2が形成されており、枠体10は引き戸用のドア枠3を支持する開口枠として開口部2に嵌め込まれて、取付けられるものである。開口部2の左右側部には、ルームユニット1を支持する柱材であるスタッド5,6が立設されており、枠体10はスタッド5,6間の開口部2に嵌め込むことができる寸法に設定されている。本発明はこれらのスタッド5,6を用いて浴室ユニット1の開口部2へ枠体10を取付ける構造であり、以下、図2〜4を参照して詳細に説明する。
【0010】
図2は図1の開口部における水平方向の断面図、図3は図2のA部詳細図、図4は図2のB部詳細図である。図2〜4において、開口部2の右側にはスタッド5が、左側にはスタッド6が備えられ、スタッド5,6は例えば亜鉛鉄板等の金属板材を折り曲げ形成したものである。スタッド5は長手方向にスリット5aが形成され断面が凹状をした柱材であり、スタッド6は長手方向にスリット6aが形成され断面がL状をした柱材である。スリット5a,6aは入口部分が広く、奥に行くにしたがって徐々に狭くなり、さらに奥に行くと広がるように、断面が「く」字状と、逆「く」字状の弾性片5b、6bが対向して形成されている。
【0011】
スタッド5,6はルームユニット1の外周に沿って所定の間隔で複数本が立設されており、コーナー部にはスタッド6が固定され、中間部にはスタッド5が固定される。そして、開口部2は2本のスタッド5,6の間隔に形成される。スタッド5,6間に壁パネル7及び枠体10を嵌め込み、ルームユニット1の壁面が設定される。壁パネル7は、スリット5a,6a内に左右辺の引掛け部7aが挿入されて固定される。なお、スタッドは金属板材を折り曲げ形成したものに限らず、アルミニウムの押出し材等で形成してもよい。
【0012】
枠体10は図1に示すように、上と下に位置する2つの横枠部材11,12と、左と右に位置する2つの縦枠部材13,14とから構成され、全体形状が矩形状をしている。本実施形態の枠体10は、アルミニウムの押出し材からなる横枠部材11,12と縦枠部材13,14を連結固定し、縦枠部材13,14は断面形状が異なっている。枠体10は、その内部に窓枠等を固定するものや、上下の横枠部材11,12に溝を形成して、敷居、鴨居として内部に引き戸を装着するもの、あるいは図2に示すように、枠体10の外部に引き戸8,8を移動可能に装着するドア枠3を支持するもの等、適宜の形態とすることができる。引き戸8、8はドア枠3のレール3a,3a上を移動可能であり、一方の引き戸8には、開閉用のハンドル8a,8aが固定されている。枠体10とドア枠3との隙間は、袖壁9(図2参照)で閉塞されている。引き戸8と縦枠部材13との間には隙間を塞ぐパッキング13a(図3参照)が嵌め込まれている。
【0013】
縦枠部材13,14のスタッド側、すなわち開口部と反対側の面にはフランジ15が突設され、このフランジ15はスタッド5,6のスリットと反対側の面に対接するように突設されている。縦枠部材13,14のフランジ15と反対側の面、すなわちスタッド5,6の隣接面と反対面にはスリットの開口方向と同じ方向に開口する凹溝16が形成され、この凹溝16に挟持材20の平行片22の端部が挿入して係合可能となっている。
【0014】
挟持材20はアルミニウム等の押出し材で形成され、2つの平行片21,22と、これらを連結する連結片23とから構成される断面が略コ字状をしている。一方の平行片21は、先端に「く」字状に屈曲した係合部21aが形成され、スタッド5,6のスリット5a,6aに嵌合することができる。他方の平行片22は、端部に段差部22aが形成され、縦枠部材13,14の凹溝16に挿入して係合することができる。本実施形態の挟持材20は、2つの平行片21,22の中央部に第3の平行片24が突設され、縦枠部材の段差面17に当接するように構成されている。なお、2つの平行片21、22の間隔を好適に設定して平行片22が縦枠部材13,14を押圧するように対接することが好ましい。
【0015】
スタッド5,6のスリット5a,6aに挿入された挟持材20と壁パネル7との隙間には、必要に応じてバックアップ材25を挿入してコーキング材26を注入し、スタッド部分における壁パネル7と挟持材20との連結状態を強固にすると共に、水が浸入することを防止している。スタッド5の部分においては、挟持材20と壁パネル7とは平面的に連結され、バックアップ材25を挟んでコーキング材26で連結され、スタッド6の部分では、挟持材20と壁パネル7とは直交して連結され、コーキング材26のみで連結されており、連結状態が補強されている。
【0016】
前記の如く構成された本実施形態の開口部への枠体の取付構造の動作について以下に説明する。先ず、ルームユニット1の開口部2に外部側から枠体10を挿入する。これにより、枠体10の縦枠部材13,14が、開口部2の側辺を形成するスタッド5,6の内側、すなわち開口部側に隣接して立設される。このとき、縦枠部材13,14のフランジ15がスタッド5,6のスリットと反対側の面に対接し、枠体10の位置決めが容易に行える。
【0017】
つぎに、図3に示すように、挟持材20の開口側の平行片22を縦枠部材13の開口側の面に沿わせて平行移動し、平行片21の係合部21aをスリット5a内に挿入する。すなわち、ルームユニット1の内部に向けて開口するスリット5aに向けて、挟持材の平行片21を内部側から挿入する。スリットの弾性片5bと挟持材の係合部20aとの少なくとも一方が弾性変形し、弾性片5bの内部に係合部20aが嵌合して、挟持材20はスタッド5に固定される。これにより、枠体10の一方側の縦枠部材13は開口部2のスタッド5に固定される。
【0018】
また、スタッド6のスリット6aにも、挟持材の係合部20aを挿入し、同様にして挟持材20が嵌合してスタッド6と縦枠部材14とを挟持し、枠体10の他方側の縦枠部材14は開口部2のスタッド6に固定される。この後、スタッド5,6のスリット5a,6a内に壁パネル7の係合片7aを挿入して壁パネル7を取付ける。スタッド5の部分では壁パネル7と挟持材20との間にバックアップ材25を挟み、コーキング材26を注入し、スタッド6の部分では壁パネル7と挟持材20との間にコーキング材26を注入して連結する。
【0019】
このように、枠体10の開口部2への取付けは、開口部2のスタッド5,6の内側に枠体10を位置させ、枠体10の縦枠部材13,14とスタッド5,6を挟持するように挟持材20の平行片22を縦枠部材13,14の開口側の面に対接させ、平行片21をスリット5a,6a内に挿入して嵌合させることだけで、挟持材20がスタッド5、6と縦枠部材13、14を挟持して確実に枠体10を開口部2に取付けることができる。
【0020】
また、スタッド5,6の開口部側に縦枠部材13,14を位置させるとき、スタッドの面に縦枠部材のフランジ15が対接するため、所定の位置に縦枠部材13,14を位置決めでき、挟持材20の平行片21をスタッドのスリット5a,6aへ挿入することが容易に行える。そして、挟持材20の平行片22が縦枠部材13,14の開口部側の面を押圧すると挟持状態が安定し、挟持材20の平行片22の他方端の段差部22aが縦枠部材の凹溝16に係合するため、縦枠部材13,14を確実に固定できる。
【0021】
さらに、開口部2への枠体10の取付けは、開口部2を形成するスタッド5,6のスリット5a,6a内に挟持材20の平行片の一方21を挿入し、平行片の他方22を枠体10の縦枠部材13,14の開口部側の面に対接させる構成なので、部品単数が極めて少なく、構成が簡単となる。スリット5a,6aがルームユニット1内部に向けて開口しているため、スリット内に壁パネル7の端部の係合部7aを挿入することができ、スリット5a,6aに挟持材20と壁パネル7の両方を支持させることができ、部品点数の削減と構成の簡素化が図れる。このため、製造が容易となり、コストダウンも可能となる。
【0022】
なお、前記した実施形態では枠体の外側に引き戸を装着する例について述べたが、矩形状の枠体の内部に窓枠を装着してもよく、枠体の内部に蝶番によりドアを揺動可能に支持してもよく、また枠体の上と下の2つの横枠部材に溝を形成し、鴨居及び敷居として内部に引き戸を装着するように構成してもよい。さらに、枠体及びスタッドは金属押出し材から形成したものに限らず、木材で形成したものでもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明のルームユニット等の構造物ヘの枠体の取付構造は、開口部を形成するスタッドのスリットに挟持材を挿入して嵌合させるだけで、スタッドと縦枠部材を挟持してルームユニット等の構造物の開口部に枠体を容易に取付けることができる。また、構成が簡単であり、製造が容易でコストダウンを達成できる。挟持材の2つの平行片でスタッドと枠体の縦枠部材とを挟持して、枠体を開口部に容易に取付けできる。さらに、位置決めが容易に行え、取付け状態が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルームユニット等の構造物への枠体の取付構造の一実施形態の概略構成を示す斜視図。
【図2】図1の開口部における水平方向の断面図。
【図3】図2のA部詳細図。
【図4】図2のB部詳細図。
【符号の説明】
1 ルームユニット、 2 開口部、
5,6 スタッド、 5a,6a スリット、
10 枠体、 11,12 横枠部材、
13,14 縦枠部材、
15 フランジ、 16 凹溝
20 挟持材、 21 平行片の一方、
21a 係合部、 22 平行片の他方、
22a 段差部(端部)、 23 連結片
Claims (1)
- 上と下に位置する2つの横枠部材と、左と右に位置する2つの縦枠部材とから構成される矩形状の枠体をルームユニット等の構造物に取付ける、ルームユニット等の構造物への枠体の取付構造であって、
前記構造物は、上下方向に形成されたスリットを有するスタッドを左右両側に備えた開口部を有し、前記縦枠部材を前記スタッドに隣接して立設し、前記スタッドと前記縦枠部材とを前記スリットに嵌合固定される挟持材で挟持するものであり、前記縦枠部材は、前記スタッドと対接するフランジを備えているとともに、前記スタッドとは反対側の面に凹溝を備え、前記挟持材は、2つの平行片と、これらの平行片を連結する連結片とから構成される断面が略コ字状をしており、平行片の一方が前記スリットに嵌合され、平行片の他方が前記縦枠部材の前記凹溝に係合されていることを特徴とするルームユニット等の構造物への枠体の取付構造。
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JP4521044B2 (ja) * | 2008-04-14 | 2010-08-11 | 株式会社 エヌエイホーム | サッシ取付構造 |
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2001
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