JP4112699B2 - 集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は一対の集積回路の動作が基づくクロックを初期化する技術に関し、特にクロックの分周技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来のマスタチップ91及びスレーブチップ92の構造及び相互の接続関係を示す回路図である。マスタチップ91及びスレーブチップ92の構造自体は同一であり、それぞれのモード端子に与えられる電位によってマスタチップ91として機能するか、スレーブチップ92として機能するかが決定される。
【0003】
マスタチップ91は、クロックCKを分周して得られる分周クロック33に基づいて動作する内部回路10、クロックCKを分周して分周クロック33を内部回路10に与える分周器11、リセット信号バーRSの立ち上がりを検出してリセット解除パルスを発生するリセットエッジ検出回路12、モード端子32に与えられた電位を入力するインバータ16、モード端子32に与えられた電位で制御されるスリーステートバッファ13,14、インバータ16の出力で制御されるスリーステートバッファ15、及び入出力ポート31を備えている。
【0004】
スリーステートバッファ13の入力端はリセットエッジ検出回路12が出力するリセット解除パルスを入力し、出力端はスリーステートバッファ14の入力端に接続される。分周器11のリセット端Rはスリーステートバッファ13,15のいずれの出力端にも共通して接続されている。また入出力ポート31はスリーステートバッファ14の出力端及びスリーステートバッファ15の入力端に共通して接続されている。
【0005】
マスタチップ91においてはモード端子32には正電位が与えられているので、スリーステートバッファ13,14はいずれもイネーブルとなり、スリーステートバッファ15はディスエーブルとなる。従って、リセットエッジ検出回路12が出力するリセット解除パルスは分周器11のリセット信号として与えられ、入出力ポート31はリセット解除パルスを出力する出力ポートとして機能する。
【0006】
スレーブチップ92は、クロックCKを分周して得られる分周クロック43に基づいて動作する内部回路20、クロックCKを分周して分周クロック43を内部回路20に与える分周器21、リセット信号バーRSの立ち上がりを検出してリセット解除パルスを発生するリセットエッジ検出回路22、モード端子42に与えられた電位を入力するインバータ26、モード端子42に与えられた電位で制御されるスリーステートバッファ23,24、インバータ26の出力で制御されるスリーステートバッファ25、及び入出力ポート41を備えている。
【0007】
スリーステートバッファ23の入力端はリセットエッジ検出回路22が出力するリセット解除パルスを入力し、出力端はスリーステートバッファ24の入力端に接続される。分周器21のリセット端Rはスリーステートバッファ23,25のいずれの出力端にも共通して接続されている。また入出力ポート41はスリーステートバッファ24の出力端及びスリーステートバッファ25の入力端に共通して接続されている。
【0008】
スレーブチップ92においてはモード端子42は接地されているので、スリーステートバッファ23,24はいずれもディスエーブルとなり、スリーステートバッファ25はイネーブルとなる。従って、リセットエッジ検出回路22が出力するリセット解除パルスはどこにも与えられず、マスタチップ91の入出力ポート31に接続されたスレーブチップ92の入出力ポート41から得られる、リセットエッジ検出回路12が出力するリセット解除パルスが分周器21のリセット端Rに供給されることになる。つまり、入出力ポート41は入力ポートとして機能する。
【0009】
図11は分周器11,21の構成を例示する回路図である。この構成ではクロック端Cに入力する信号、例えばクロックCKを、4分周して出力端Kから出力し、リセット端Rに入力する信号によってリセットされる。
【0010】
図12はリセットエッジ検出回路12,22の構成を例示する回路図である。この構成ではリセット入力端RIに入力する信号、例えばリセット信号バーRSの立ち上がりを検出後、クロック端Cに入力する信号、例えばクロックCKの最初の一周期においてのみ“H”を出力端REへ出力する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された一対のマスタチップ91、スレーブチップ92を有する集積回路に対して電源を投入すると、その当初はリセット信号バーRSが“L”のままでありながら、クロックCKが“H”,“L”間で遷移を行う。そしてクロックCKの数十から数千周期が経過してからリセット信号バーRSが“H”となり、マスタチップ91、スレーブチップ92のリセットが解除される。
【0012】
このリセットが解除されるまでの間はマスタチップ91のリセットエッジ検出回路12はリセット解除パルスを出力せず、したがってマスタチップ91の分周器11とスレーブチップ92の分周器21とはそれぞれ異なる位相で分周を行っている。そのため、電源の投入後、リセットが解除されるまでの間、内部回路10と内部回路20とは分周クロック33,43の位相が合わないまま動作している。
【0013】
しかし、内部回路10と内部回路20の種類によっては、例えばRAMやROM等の記憶素子のように、リセットが解除される以前に既に互いに同期して動作していることが要求される場合がある。そして上記の従来の技術ではかかる要求に応えることができないという問題点があった。
【0014】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、上記の要求に対応することができる位相同期技術を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは、入力クロックを分周し、分周クロックと、前記分周クロックの周期で前記入力クロックの一周期分活性化する所定の信号とを生成し、初期化信号を受けて初期化される分周器と、第1の動作モードにおいて前記所定の信号を前記初期化信号として外部へ出力し、かつ前記分周器へ与え、第2の動作モードにおいて前記初期化信号を前記外部から入力する入出力部とを備える集積回路である。
【0016】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の集積回路であって、前記入出力部は、前記第1の動作モードにおいて前記所定の信号を一旦ラッチして前記外部へと出力する第1のラッチと、前記第2の動作モードにおいて前記外部から入力した前記初期化信号を一旦ラッチして前記分周器に与える第2のラッチとを有する。
【0017】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載の集積回路であって、前記入出力部は、前記第1の動作モードにおいて前記所定の信号を前記第1及び第2のラッチにおいてラッチに要する期間の合計だけ遅延させて前記所定の信号を前記分周器に与える遅延素子を更に備える。
【0018】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項3記載の集積回路であって、前記第1及び第2のラッチは前記入力クロックに基づいて動作するDラッチであり、前記遅延素子は前記入力クロックに基づいて動作するフリップフロップであり、前記分周器は、前記初期化信号を受けて、前記所定の信号を生成する時点よりも前記遅延素子の遅延量と前記入力クロックの1周期分だけ遅延した時点の内部状態に初期化される。
【0019】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項1記載の集積回路であって、前記分周器は、前記初期化信号を受けて、前記所定の信号を生成する時点よりも前記入力クロックの1周期分だけ遅延した時点の内部状態に初期化される。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本実施の形態にかかるマスタチップ101及びスレーブチップ201の構成と、それら相互の接続関係を示す回路図である。マスタチップ101及びスレーブチップ201の構造自体は同一であり、それぞれのモード端子32,42に与えられる電位によってマスタチップ101として機能するか、スレーブチップ201として機能するかが決定される。
【0021】
マスタチップ101の構成は、従来の技術として図10に示されたマスタチップ91の構成に対して、分周器11及びリセットエッジ検出回路12の代わりに分周器17を設けて得られる。
【0022】
具体的には、マスタチップ101は内部回路10、分周器17、スリーステートバッファ13,14,15、インバータ16、モード端子32、入出力ポート31を備えている。
【0023】
分周器17はクロックCKをそのクロック端Cに入力し、クロックCKを分周して得られる分周クロック33を出力端K1へ出力する。この分周クロック33は、分周器17のリセット端Rに与えられる信号が“H”である状態で、分周器17のクロック端Cに与えられる信号(即ちクロックCK)が立ち上がった際にリセットされる。
【0024】
図2は分周器17に採用される分周回路7aの回路図であり、ここでは4分周の場合の構成を例示している。分周回路7aの構成は、従来の技術として図11に示された分周器11の構成に対して、ANDゲートG3を追加して得られる。
【0025】
具体的には、分周回路7aはインバータI1,I2、ANDゲートG1,G2,G3、XORゲートX1、DフリップフロップF1,F2を備えている。DフリップフロップF1,F2はいずれも、クロック端Cに与えられた信号、即ちクロックCKの立ち上がりによって各々の入力端Dにおけるレベルを出力端Qへと伝達する。DフリップフロップF1,F2のそれぞれの出力Q1,Q2はそれぞれインバータI1、XORゲートX1に一方の入力端に与えられる。XORゲートX1の他方の入力端には出力Q1が与えられる。
【0026】
インバータI2にはリセット端Rに与えられた信号、即ちリセット信号バーRSが与えられ、その論理反転がインバータI2から出力される。このインバータI2の出力は、インバータI1の出力と共にANDゲートG1に入力し、両者の論理積がDフリップフロップF1の入力端Dに与えられる。またインバータI2の出力は、XORゲートX1の出力と共にANDゲートG2に入力し、両者の論理積がDフリップフロップF2の入力端Dに与えられる。
【0027】
出力Q2はそのまま出力端K1から分周クロック33として出力され、出力Q1,Q2の論理積がANDゲートG3から得られてキャリー信号CYとして出力端K2から出力される。出力Q1,Q2の周期はクロックCKの周期のそれぞれ2倍、4倍となり、キャリー信号CYは分周回路7aの内部状態、即ち出力Q1,Q2が共に“H”となるクロックCKの1周期分“H”となる。
【0028】
図1に戻り、マスタチップ101内の構成の説明を続ける。内部回路10は分周クロック33に同期して動作し、リセット信号バーRSによってリセットされる。スリーステートバッファ13,14はいずれもモード端子32に与えられた電位が“H”に対応する場合にイネーブルとなる。一方、インバータ16はモード端子32に与えられた電位が対応する論理を反転してスリーステートバッファ15の制御端に与えており、スリーステートバッファ15はモード端子32に与えられた電位が“H”に対応する場合にはディスエーブルとなる。
【0029】
入出力ポート31にはスリーステートバッファ14の出力端及びスリーステートバッファ15の入力端が接続されている。またスリーステートバッファ13の出力端と、スリーステートバッファ14の入力端と、スリーステートバッファ15の出力端とは、共通して分周器17のリセット端Rに接続されている。
【0030】
マスタチップ101においてはモード端子32に正電位が与えられており、その対応する論理値は“H”である。よって分周器17のリセット端Rにはスリーステートバッファ13を介して、入出力ポート31にはスリーステートバッファ13,14を介して、いずれにもキャリー信号CYが与えられる。入出力ポート31はキャリー信号CYを外部へ出力する出力ポートとして機能する。
【0031】
スレーブチップ201は、内部回路20、分周器27、スリーステートバッファ23,24,25、インバータ26、モード端子42、入出力ポート41を備えており、それぞれマスタチップ101の内部回路10、分周器17、スリーステートバッファ13,14,15、インバータ16、モード端子32、入出力ポート31に対応している。
【0032】
但し、スレーブチップ201においてはモード端子42が接地されており、その対応する論理値は“L”である。よって分周器27のリセット端Rにはスリーステートバッファ25を介して、入出力ポート41に与えられた信号が伝達される。入出力ポート41は外部から分周器27のリセットの為の信号を受ける入力ポートとして機能する。分周器27の出力端K2から得られる信号はいずれにも伝達されない。
【0033】
スレーブチップ201の入出力ポート41はマスタチップ101の入出力ポート31に接続されているので、分周器27のリセットと分周器17のリセットとは共通して、分周器17の出力するキャリー信号CYによって行われることになる。
【0034】
図3は本実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。クロックCKを基準として、マスタチップ101の分周器17の動作及びスレーブチップ201の分周器27の動作に分けて示している。ここでは分周器17,27として図2に示された構成を採用している場合を例に採る。分周器17,27のそれぞれの出力Q1の上の数字は論理値“H”,“L”をそれぞれ数値“1”,“0”とした場合の、2・Q2+Q1の値を示している。
【0035】
電源投入直後は、分周器17,27はそれぞれ独立した初期値で動作を開始する。図3では、電源投入直後のクロックCKの立ち上がり時刻t0以前において、分周器17は初期値Q1,Q2共に“L”で、分周器27は初期値Q1,Q2共に“H”であった場合を例示している。時刻t1において分周器17の出力Q1,Q2が共に“H”となると、キャリー信号CYは“H”となる。
【0036】
分周器17のフリップフロップF1,F2は、キャリー信号CYをスリーステートバッファ13を介して受ける。一方、分周器17から得られたキャリー信号CYはスリーステートバッファ13,14、入出力ポート31及び入出力ポート41、スリーステートバッファ25を経由して、分周器27のリセット端Rに伝達される。
【0037】
この際、キャリー信号CYの伝達には遅延が生じ、分周器17,27のリセット端Rにおいてそれぞれ遅延量Δ1,Δ2だけの遅延が生じる。しかし、この遅延量Δ1,Δ2がクロックCKの1周期分内に収まる限り、時刻t2のクロックCKの立ち上がり時には分周器17,27のリセット端Rの論理値は“H”にある。従って分周器27のフリップフロップF1,F2のリセットは、分周器17のフリップフロップF1,F2のリセットと同期して時刻t2において行われ、いずれの出力Q1,Q2も全て“L”となる。
【0038】
時刻t2以降は分周器17,27のそれぞれの出力Q1,Q2の値が一致するので、分周器17の出力Q2である分周クロック33と、分周器27の出力Q2である分周クロック43とは同期することになる。しかも、分周器17,27がリセットされる内部状態は、キャリー信号CYが活性化する時点よりもクロックCKの一周期分だけ後の状態であるので、リセットによって分周の割合が損なわれることもない。
【0039】
以上のように本実施の形態によれば、一対の集積回路の分周器のリセットが、それぞれの集積回路においてリセット信号バーRSから生成されるリセット解除パルスに基づくのではなく、一方の分周器17のキャリー信号に共通して基づく。従って、電源投入後、リセット信号バーRSの遷移を待つことなく、多くても分周クロック33の1周期分が経過するまでには一対の分周器が共にリセットされるので、分周クロック33,43の位相が互いに揃うことになる。
【0040】
なお、このような分周器のリセットは、クロックCKをN分周(N>1)する分周器において、クロックCKのN周期分毎にクロックCKの1周期分だけ活性化する信号を、分周器の出力を初期化するための信号として採用することで実現できる。
【0041】
図4は分周器17,27として採用できる分周回路7bの構成を示す回路図である。分周回路7bは図2に示された分周回路7aの構成に対し、ANDゲートG1,G2をORゲートG10,G20にそれぞれ置換し、かつインバータI2を除去してリセット端RをORゲートG10,G20の入力端にそれぞれ直接に接続し、ANDゲートG3には出力Q1の代わりに、インバータI3によって得られる出力Q1の論理反転が入力された構成となっている。
【0042】
分周回路7bにおいては、ANDゲートG3の出力は、出力Q1,Q2がそれぞれ“L”,“H”となった場合のみ“H”となる信号CBである。従って、これはキャリー信号とは言えないが、リセット端Rに入力することにより、DフリップフロップF1,F2の入力端Dの値をいずれも“H”に初期化する。出力Q1,Q2が“L”,“H”となった直後のクロックCKの立ち上がりによって得られるべき出力Q1,Q2は、いずれもそれぞれ“H”である。従って分周回路7bを分周器17,27として採用し、分周器17の出力端K2から得られた信号を分周器27のリセット端Rに与えることにより、分周の割合を損なうことなく、分周器17,27は互いに位相の揃った分周クロック33,34をそれぞれ出力することができる。
【0043】
実施の形態2.
クロックCKの周波数が高くなると、上記遅延量Δ1,Δ2がクロックCKの1周期分内に収まり切れない可能性が生じる。本実施の形態は遅延量Δ1,Δ2の上限を緩和する技術を提示する。
【0044】
図5は本実施の形態にかかるマスタチップ102及びスレーブチップ202の構成と、それら相互の接続関係を示す回路図である。マスタチップ102の構成は実施の形態1において図1で示されたマスタチップ101の構成に対し、分周器17を分周器18で置換し、スリーステートバッファ13,14,15の前段にそれぞれDフリップフロップ38、Dラッチ35、Dラッチ36を設け、クロックCKの論理反転をDラッチ35に供給するインバータ37を追加して得られる。
【0045】
分周器18はクロックCKを分周して分周クロック33を出力端K1から内部回路10へ供給する点で、分周器17と共通するが、出力端K2から得られる信号はキャリー信号CYではなく、フルカウントするよりもクロックCKの1周期分だけ前において活性化する信号CBである。
【0046】
Dフリップフロップ38の入力端Dは分周器18の出力端K2に接続され、クロックCKの立ち上がりによって信号CBが出力端Qへと伝達される。Dラッチ35はゲート端Gにインバータ37の出力を受け、クロックCKが“L”の場合には入力端Dの論理状態を素通しし、“H”の場合にはその直前の入力端Dの論理状態を保持する。Dラッチ36はゲート端GにクロックCKを受け、クロックCKが“H”の場合には入力端Dの論理状態を素通しし、“L”の場合にはその直前の入力端Dの論理状態を保持する。
【0047】
スレーブチップ202の構成はマスタチップ201と同様であり、具体的には内部回路20、内部回路20に分周クロック34を供給する分周器28、スリーステートバッファ23,24,25、モード端子42、入出力ポート41、Dラッチ45,46、Dフリップフロップ48、インバータ26,47を備えている。これらはそれぞれマスタチップ201の内部回路10、分周器18、スリーステートバッファ13,14,15、モード端子32、入出力ポート31、Dラッチ35,36、Dフリップフロップ38、インバータ16,37にそれぞれ対応している。実施の形態1と同様に、マスタチップ102とスレーブチップ202の相違は、モード端子32に正電位が与えられているのに対して、モード端子42が接地されている点にある。
【0048】
図6は分周器18,28に採用される分周回路8aの回路図であり、ここでは4分周の場合の構成を例示している。分周回路8aは図2に示された分周回路7aの構成に対し、ANDゲートG3には出力Q1の代わりに、インバータI3によって得られる出力Q1の論理反転が入力された構成となっている。このようにして、フルカウントするよりもクロックCKの1周期分だけ前において活性化する信号CBをANDゲートG3の出力として得ることができる。
【0049】
図7は本実施の形態の動作を示すタイミングチャートである。クロックCKを基準として、マスタチップ102の分周器18の動作及びスレーブチップ202の分周器28のリセット端Rの直前までの構成要素の出力に分けて示している。ここでは分周器18,28として図6に示された分周回路8aを採用している場合を例に採る。クロックCKの上の数字は、論理値“H”,“L”をそれぞれ数値“1”,“0”とした場合の、分周器18における2・Q2+Q1の値を示している。また、時刻t11,t12,t13,t14,t15はクロックCKの半周期間隔で設定されている。
【0050】
分周器18において、時刻t11にクロックCKが立ち上がり、これに対応して出力Q1,Q2がそれぞれ“L”,“H”となると、信号CBは立ち上がる。Dラッチ35はクロックCKが“H”である時刻t11〜t12においては時刻t11の直前の信号CBの値“L”を保持し、クロックCKが“L”である時刻t12〜t13においてはその期間中の信号CBの値を出力する。
【0051】
信号CBはクロックCKの1周期分活性化するので、時刻t11よりも後で時刻t13までであれば、信号CBの立ち上がりがDラッチ35の入力端Dにいくら遅延して伝達されても、Dラッチ35の出力は時刻t11,t12において“L”であり、時刻t13,t14を含みクロックCKの半周期よりも長い期間で“H”となる。
【0052】
Dラッチ35の出力はスリーステートバッファ14、入出力ポート31,41を介してDラッチ46に入力する。Dラッチ46はクロックCKが“L”である時刻t12〜t13においては時刻t12の直前の入力端Dの値“L”を保持し、クロックCKが“H”である時刻t13〜t14においてはその期間中の入力端Dの値を出力する。
【0053】
上述のように、Dラッチ35の出力はクロック半周期分よりも長く“H”となるので、時刻t13よりも後で時刻t15までであれば、スリーステートバッファ14の信号がDラッチ46の入力端Dにいくら遅延して伝達されても、Dラッチ46の出力は時刻t12,t13において必ず“L”であり、時刻t14,t15において必ず“H”となる。
【0054】
更にDラッチ46の出力はスリーステートバッファ25を介して分周器28のリセット端Rへと伝達されるが、分周器28のリセット端Rでの信号の立ち上がりは時刻t15まで遅延してもよい。リセットの契機となるクロックCKの立ち上がりは時刻t15において生じるからである。
【0055】
そして分周器28は分周器18と同様にして、そのリセット端Rに伝達された信号が“H”である期間のクロックCKの立ち上がりにより、出力Q1,Q2が共に“L”となる。
【0056】
以上のように、マスタチップ102のDラッチ35とスレーブチップ202のDラッチ46が、信号CBについてのクロックCKの一周期分の遅延を許す。但し、分周器28は時刻t13におけるクロックCKの立ち上がりでリセットされることはない。上述のDラッチ35の動作の故にDラッチ46の入力は必ず時刻t12において“L”であり、これを受けたDラッチ46の動作の故に分周器28のリセット端Rの論理値は必ず時刻t13において“L”となるからである。よって遅延量を制限する時間を緩和する為にDラッチ35,36が設けられた故に、これらにおいて遅延される合計の遅延量、即ちクロックCKの1周期分だけキャリー信号CYよりも前に、信号CBが活性化する必要がある。
【0057】
分周クロック33,43の相互の同期を採るため、分周器18についてもDラッチ35,36において遅延される合計の遅延量だけ信号CBを遅延させる必要がある。このため、Dフリップフロップ38が分周器18の出力端K2と分周器18のリセット端Rとの間に設けられている。よって本実施の形態では分周クロック33,43の相互の同期を得つつも、実施の形態1の場合と比較して遅延量を制限する期間を2倍に緩和することができる。
【0058】
しかし、信号CBは分周器27,28の出力を所定の値に初期化することができれば、クロックCKをN分周(N>1)する分周器において、クロックCKのN周期分毎にクロックCKの1周期分だけ活性化する信号を採用することができる。
【0059】
図8は分周器18,28として採用できる分周回路8bの構成を示す回路図である。分周回路8bは図2に示された分周回路7aの構成に対し、ANDゲートG1をORゲートG10に置換し、ORゲートG10の入力端にはインバータI2の出力の代わりにリセット端Rを直接接続した構成となっている。
【0060】
分周回路8bでは出力端K2からはキャリー信号CYが出力されるが、リセット端Rに与えられる論理値が“H”となることによって初期化される出力Q1,Q2は、“H”,“L”となっている。出力Q1,Q2はキャリー信号CYが出力される時の状態(Q1=Q2=“H”)からクロックCKの2周期分経過すると、上記の初期化の状態に移行するので、4分周の機能を保ちつつ、分周器18,28は互いに位相の揃った分周クロック33,34をそれぞれ出力することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、クロックCKのN周期分毎にクロックCKの1周期分だけ活性化する信号を分周器18から得て、これをDラッチ35,45で遅延させて分周器28の初期化に供する。よってDラッチ35,46を統合してDフリップフロップとし、いずれか一方のチップに設けることもできる。しかし、マスタチップ102及びスレーブチップ202のいずれも同じ構成で得ることができるという点において、それぞれにDラッチを設けることが望ましい。
【0062】
図9は本実施の形態の変形を示す回路図であり、マスタチップ103及びスレーブチップ203の構成が示されている。図5ではマスタチップ102及びスレーブチップ202において、それぞれDフリップフロップ38,48を設けているが、図9ではこれに替えてDラッチ35と共にDフリップフロップを構成するDラッチ39、Dラッチ45と共にDフリップフロップを構成するDラッチ49を設けている。但し、Dラッチ39の入力端Dはスリーステートバッファ14の入力端、出力端のいずれに接続してもよく、Dラッチ49の入力端Dはスリーステートバッファ24の入力端、出力端のいずれに接続してもよい。かかる構成においても、本実施の形態の効果を得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる集積回路を複数用意し、一の集積回路を第1の動作モードで動作させ、他の集積回路を第2の動作モードで動作させ、両方の集積回路の入出力部を結合することにより、一の集積回路の分周器が生成する所定の信号を以て両方の集積回路の初期化信号とすることができるので、別個にリセット信号を必要とすることなく、両方の集積回路の分周クロックの位相を整合させることができる。
【0064】
この発明のうち請求項2にかかる集積回路によれば、一の集積回路の分周器が生成する所定の信号を他の集積回路の分周器の初期化信号として伝達する際の遅延量の上限を緩和することができる。
【0065】
この発明のうち請求項3にかかる集積回路によれば、一の集積回路の分周器が生成する所定の信号を一の集積回路の分周器自身の初期化信号として採用する際、一の集積回路の遅延素子が所定の信号を、一の集積回路の第1のラッチにおける遅延量と他の集積回路の第2のラッチにおける遅延量との合計だけ遅延するので、両方の集積回路の分周器に与えられる初期化信号の位相を揃えることができる。
【0066】
この発明のうち請求項4及び5にかかる集積回路によれば、分周器の初期化によって分周の割合が変化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の構成を示す回路図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の構成を示す回路図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態1の変形の構成を示す回路図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の構成を示す回路図である。
【図6】 本発明の実施の形態2の構成を示す回路図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態2の変形の構成を示す回路図である。
【図9】 本発明の実施の形態2の他の変形の構成を示す回路図である。
【図10】 従来の技術の構成を示す回路図である。
【図11】 従来の技術の構成を示す回路図である。
【図12】 従来の技術の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
7a,7b,8a,8b 分周回路、13〜15,23〜25 スリーステートバッファ、17,18,27,28 分周器、31,41 入出力ポート、32,42 モード端子、33,43 分周クロック、35,36,39,45,46,49 Dラッチ、38,48 Dフリップフロップ、101〜103 マスタチップ、201〜203 スレーブチップ、C クロック端、R リセット端、CY キャリー信号、CK クロック、K1,K2 出力端。
Claims (5)
- 入力クロックを分周し、分周クロックと、前記分周クロックの周期で前記入力クロックの一周期分活性化する所定の信号とを生成し、初期化信号を受けて初期化される分周器と、
第1の動作モードにおいて前記所定の信号を前記初期化信号として外部へ出力し、かつ前記分周器へ与え、第2の動作モードにおいて前記初期化信号を前記外部から入力する入出力部と
を備える集積回路。 - 前記入出力部は、
前記第1の動作モードにおいて前記所定の信号を一旦ラッチして前記外部へと出力する第1のラッチと、
前記第2の動作モードにおいて前記外部から入力した前記初期化信号を一旦ラッチして前記分周器に与える第2のラッチと
を有する、請求項1記載の集積回路。 - 前記入出力部は、
前記第1の動作モードにおいて前記所定の信号を前記第1及び第2のラッチにおいてラッチに要する期間の合計だけ遅延させて前記所定の信号を前記分周器に与える遅延素子
を更に備える、請求項2記載の集積回路。 - 前記第1及び第2のラッチは前記入力クロックに基づいて動作するDラッチであり、前記遅延素子は前記入力クロックに基づいて動作するフリップフロップであり、
前記分周器は、前記初期化信号を受けて、前記所定の信号を生成する時点よりも前記遅延素子の遅延量と前記入力クロックの1周期分だけ遅延した時点の内部状態に初期化される、請求項3記載の集積回路。 - 前記分周器は、前記初期化信号を受けて、前記所定の信号を生成する時点よりも前記入力クロックの1周期分だけ遅延した時点の内部状態に初期化される、請求項1記載の集積回路。
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