JP4111917B2 - 多層粉末金属ベアリング - Google Patents

Description

この発明は、一般的に、スチール基材青銅粉末金属エンジンベアリングに関する。

銅合金製エンジンベアリング及びブッシング（bushings）（集合名詞的にベアリング）では、銅合金機能層をスチール基材に結合する一つの普通の取り組みは、青銅ベアリング材料の単一層を、移動する基材ストリップに付与し、引き続いて、焼結し、冷却し、ロールにより圧縮し、次いで、後焼結する、ことを含む工程による。錫、又は、鉛−錫−銅のような上層が、ベアリングのよい適合特性及び埋没特性を達成するために、焼結した青銅のベアリング層上に、電気メッキ、又は物理的真空蒸着によってしばしば付けられる。青銅の機能層を結合する別の取り組みは、かかる層を、溶融源から、移動するスチール基材ストリップ上にキャストし、その後、キャスト機能層は、ベアリングの適合性及び埋没性を高めるために、別個の電気的又は物理的真空蒸着工程で、上層を受けることがある。

銅合金の機能層を準備するための上述の変形例の各々に対する一つの固有の欠点は、変形例が、単一の銅合金材料の付与に限定されることである。所定の付与の要件に応じて、機能層の全体が同じ合金で作られるように、粉末金属、又はキャスト青銅機能層の化学的性質が調節される。

ベアリングの荷重及び摩耗要件の要求が益々増加し、且つ、鉛のようなある元素の使用量を最小にする要求があるため、最新のベアリング及びブッシングの用途の全ての要求を満たす代替銅合金を準備するコストは益々挑戦的になり、というのは、特に、機能層が、典型的には、スチール基材に付けられる層の中で最も厚い層だからである。

本出願の発明者が認識したことは、多くの用途では、機能層の部分だけに高性能／高価な銅合金材料を設ければ十分であり、これに対して、スチール基材上に単層の青銅機能層を準備するのに利用できる現行工程の制約を別にすれば、機能層の材料の残りは低性能で安価な材料のものとすることもできる。したがって、本発明の目的は、ベアリングのスチール基材に多層の青銅機能層を形成する方法を提供するにある。

本発明の現在好ましい工程により、多層粉末金属銅合金ベアリングを製造する方法は、粉末金属銅合金の第一層を金属基材ストリップ上に置くステップと、第一層を実質的に加圧することなく、第一層上に粉末銅合金の少なくとも第二層を置くステップとを含み、少なくとも第二層は、第一層の組成と異なる組成のもである。さらに、層を実質的に加圧することなく、層は第一の焼結ステップを受け、その後、層は冷却され、次いで、金属基材ストリップ向かって圧縮ロール掛けされて、層を加圧し、且つ層を基材ストリップに、且つ互いに結合させる。圧縮ロール掛けに続いて、層は第二の焼結ステップを受ける。

本発明者は、第一の粉末銅合金層をスチール基材上に付与し、その後、第一層を実質的に加圧することなく、第一層上に、粉末金属銅合金ベアリング材料の少なくとも第二層を置き、続いて、第一焼結及び冷却操作を行い、その後、層はロール掛け結合され、続いて、焼結されることによって、機能層の最終特性を調整するために、第一及び第二層の所望の化学的性質を思いのままに選択して、多層粉末金属銅合金機能ベアリング材料を、互いに、且つスチール基材に効率的に結合することができることを見出した。

この発明は、一方の層のための安価な銅合金材料を、残りの層のためのより高価な材料と組み合わせて使用する能力を提供する利点を有する。

本発明は、ほとんど変更なしで、既存の焼結ラインに容易に適合できるという更なる利点を有する。

特定の特徴によれば、第一層は、比較的安価な粉末金属銅−錫合金で製造し、且つ比較的厚くすることができ、これに対して、第二層は、鉛含有青銅の代替品として役立つ、銅−錫−ビスマス、又は他の特性の粉末合金で作られるのがよい。

本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面と関連して考慮されるとき、より容易に理解されるであろう。

本発明により構成された多層粉末金属滑りベアリング又はブッシング（bushing）（集合名詞的にベアリング）が、図１に１０で全体的に示され、スチール基材１２を含み、このスチール基材に、少なくともベース層１６と、外側表面層１８とから成る多層焼結粉末金属ライナー１４が付けられ、ベース層と外側表面層の両方は、組み合わせたときに複合ライナー１４にベアリングライナー１４の所望の特性を与える異なる組成、且つ／又は個々の特性の焼結粉末銅合金層である。

本発明によれば、表面層１８の材料を、表面層１８の走行面に亘る滑り運動のために、ベアリング１０によって支持された回転シャフト、ピン又はその他の構成部品の滑り係合に適当な所望の特性を有する第一の粉末銅合金組成であるのがよい。表面層に適した特性を有する粉末金属組成物は、かかる特性を得るのに必要な合金添加物の必要のために、特質上より高価である。この比較的高価な表面層１８を、表面層に必要とされる支持体をもたらすが、全体のベアリングライナー１４に要求される最終特性を与えるために、外面層と同じ特性を持つことを必要としない第二の粉末金属銅合金組成の少なくとも一つの安価な基材層１６によって裏打ちするのがよい。図示した例では、表面層１８は、有利なことに、基材層１６より薄く、コストの節約に寄与する。
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したがって、層１６、１８は、異なる化学的性質を有し、その結果、異なる特性及びコストを有する。これにより、全体的に複合ライナー１４の性能の増加をもたらす、より強い、より簡単な、低コスト層１６の上面に、低強度、高潤滑性、高コスト層１８を付けることができる。

粉末金属銅合金層は、本質的に無鉛（＜０．１％鉛）である銅合金であることが好ましい。例えば、ベース層１６は、銅―錫−ビスマス粉末材料層でもよく、表面層１８を裏打ちする９０／１０銅−錫粉末金属層であるのがよく、銅−錫−ビスマス粉末材料層は、例えば、銅約９０部対錫１０部と、銅と錫を合わせた重量に対して約２乃至１０重量パーセントの範囲のビスマスと、を有する。他の銅合金及び化学物質が、本発明によって考えられ、そして、ここに援用される。勿論、層１６、１８が、焼結作業中、基材ストリップ１２に、及び互いに容易に結合するように、層１６、１８は互いに適合するように選択される。

図２は、かかる多層焼結ベアリングを作るための工程を概略的に示す。基材ストリップ１２は、ベース層１６を置く第一の粉末アプリケータ２０の下を通され、次いで、ベース層１６の粉末金属材料を実質的に加圧することなく表面層１８を置く第二の粉末アプリケータ２２の下を進む。本発明は、第二層の付与に先立って、粉末の制御のため或る量の、しかし、ベース層を著しく加圧する程ではない（すなわち、完全な理論的密度の８０％未満）加圧、又は、焼結に先立って、第二層の著しい加圧程ではない（例えば、完全な理論的密度の８０％未満）加圧を考えるが、好ましくは、粉末層を、焼結に先立って、ロールによる加圧をすることなく、基材ストリップにばらで付与する。基材ストリップ１２は、焼結ゾーン２４の中を進められ、ここで、層が焼結され、次いで、基材ストリップは、冷却ゾーン２６の中を進められ、これに続いて、層を圧縮して、層をストリップに、且つ層を結合するカレンダーローラー２８を通過させ、その後、部分的に焼結し且つローラー掛けされた層１６、１８を、最終焼結ゾーン３０で更に完全に焼結する。勿論、三つ以上の層があるように、更なる層を加えてもよく、それによって、所望ならば、三つ以上の粉末付与ゾーンを工程に加える。粉末銅合金層のばら層により、層が互いに且つ基材ストリップに良好に密着する。

明らかに、本発明の多くの変更及び変形が、上述の技術に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明を、詳細に説明したのと別の方法で実施することができる。本発明は、特許請求の範囲によって定められる。

本発明により作られたベアリングの概略部分断面図である。 本発明の方法を示す概略図である。

Claims (6)

1. 金属基材ストリップ上に、粉末銅合金の第一層を置き、
   前記第一層上に、最初、前記第一層を実質的に加圧することなく、粉末銅合金の少なくとも第二層を置き、前記少なくとも第二層は、第一層の組成と異なる組成のものであり、
   前記層を実質的に加圧することなく、前記層が第一の焼結ステップを受け、
   前記第一の焼結ステップに続いて、前記層を冷却し、その後、前記層を前記金属基材ストリップに向かって圧縮ロール掛けして、前記層を加圧し、そして、前記層を前記基材ストリップに、且つ互いに結合させ、
   圧縮ロール掛けに続いて、前記層が第二の焼結ステップを受ける、
   多層粉末金属銅合金ベアリングを製造する方法。
2. 前記層は、本質的に無鉛成分であるように選択される、請求項１記載の方法。
3. 前記第一層は、銅−錫合金からなり、前記少なくとも第二層は、銅−錫−ビスマス合金からなる、請求項２記載の方法。
4. 前記少なくとも第二層の合金のビスマスは、約２乃至１０重量％に等しい量で存在する、請求項３記載の方法。
5. 前記第一層は、前記少なくとも第二層より比較的厚い、請求項１記載の方法。
6. 前記基材ストリップはスチールで作られる、請求項１記載の方法。

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