JP4111675B2 - ケーブル−またはボーデンチューブウィンドウリフタのためのガイドレールおよびそのガイドレールの製造方法。 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、請求項１の上位概念に記載したケーブルまたはボーデンチューブウィンドウリフタ（Bowdenrohr-Fensterheber）のためのガイドレールと、請求項２０の上位概念に記載するケーブル−またはボーデンチューブ−ウィンドウリフタのためのガイドレールの製造方法とに関する。
【０００２】
ケーブルウィンドウリフタの金属製ガイドレールとしては、その表面の一部がコーティングされてウィンドウリフタユニットの構成部分となっていて、それに対応した接合と取り付けを行わなければならないものが知られている。使用される金属や、接合と取り付けの箇所数と方法に応じて、このようにして製造されたウィンドウリフタユニットは比較的重くなる。個々の部品と場合によっては表面コーティングに利用した製造方法のいずれによっても、そしてまた用いられた接合および取り付け方法のいずれによっても、誤りを生じる可能性が高くなり、これはウィンドウリフタの品質にマイナスの影響をあたえ得る。
【０００３】
比較的高価な製造方法と、開発や品質管理にかかる費用によって、製造コストが高くなる。さらには、ガイドレールの金属表面とウィンドウガイドに付属するスライドピースの間に不都合な摩擦組合せが生じるため、接触面に潤滑処理を追加し、場合によってはガイドレールをコーティングする必要がある。
【０００４】
ドイツ連邦共和国公開特許公報第４１３１０９８号からは、ケーブルウィンドウリフタのためのガイドレールとして、その方向転換領域が、ガイドレールを同時に固定するためにドア内側パネルに設けられているものが知られている。この目的のため、固定ボルトがケーブル転換プーリーを、すなわちケーブルプーリーを貫いて導かれ、ドア内側パネルと連結される。これにより力の流れはリターンプーリーを通らず、ガイドレールを経由して直接ドア本体に導かれる結果、ガイドレールは主として案内の役割と、ドアを閉める場合の横方向の力を伝達する役目を引き受ければよい。これに関連して、これまで用いられた金属製ガイドレールをプラスチックガイドレールに代えることが提案されている。プラスチックガイドレールの設計構造に関しては、詳細な記載がない。
【０００５】
欧州特許公開公報第５６１４４０号からは、ウィンドウガラスとウィンドウリフタとを車両ドアに取り付けるための次のような取付キャリヤが知られている。すなわちそれは、プラスチックにより一体で形成されており、ウィンドウリフタを取り付けるための中央の固定プレートと、この中央の固定プレートから星形に伸びてこのプレートと一体連結される複数の中空スポークとを備える取付キャリヤであって、その端部にはこれも一体のガイドスロットが設けられて、ウィンドウガラスのエッジを収めている。これら中空スポークは、それらに一体連結された固定クリップを備え、これらのクリップは取付キャリヤを車両ドアに固定するために用いられている。
【０００６】
ウィンドウガラスのエッジを収めるウィンドウガイドチャンネルは、間隔をおいてならぶサイドパネルで形成されており、これらサイドパネルは１つのベースから延びかつ位置をずらして配置されたブラケットからなる。ブラケットの間のウィンドウガイドチャンネルにはエラストマー製のスライディング片が挿入されて、ウィンドウガラスエッジを案内する際の摺動性を改善している。これに代わる方法としては、別個のプラスチック素材または金属スライディング片からウィンドウガイドチャンネルを作り、そのチャンネルを適当な方法で取付キャリヤの中空スポーク末端に固定することが提案されている。この周知の取付キャリヤが必要とする剛性は、中空スポークの形状によって、そしてまた中央の固定部品のクロスリブ構造によって得られている。
【０００７】
この周知のプラスチック製取付キャリヤは複雑な形状を備え、これはかなりの費用をかけて、厳密な製造トレランスを順守してのみ得られるものである。ウィンドウリフトモジュールに必要とされる安定性や案内特性についての要件は周知の取付キャリヤでは限られた範囲でしか満たすことができず、剛性を高めるため、そしてウィンドウガラスを収めるガイドチャンネルの摺動特性を改善するには、追加的な措置が必要である。
アメリカ合衆国特許第４，８３５，９０７号から、ケーブルをガイドするための長手方向に延びるガイド部を有し、このガイド部の各端部にガイド部をガイドされるケーブルのための方向転換部を設けた、ウインドウリフタのためのガイドレールが周知である。これらの方向転換部はケーブルを駆動装置へと転向する役割を果たしている。ケーブルは各方向転換部では１つの湾曲した溝内を案内され、この溝には、ガイド特性を改善するためにプラスチックエレメントが追加挿入されている。これらの方向転換部は、さらにガイドレールを車両ドアに固定するための固定領域としても機能し、補強エレメントを備えている。
欧州特許公開公報第０３８５１６７号にはボーデンチューブウィンドウリフトのための１つのケーブル方向転換具が記載されているが、これは金属製またはプラスチック製の型材レールの端部に固定され、補強のため折り曲げられた側壁を備えている。
【０００８】
本発明は冒頭に述べた種類のケーブルまたはボーデンチューブウィンドウリフタのガイドレール、およびそのガイドレールを製造する方法であってガイドレールの少なくとも一部の素材としてプラスチックを使用することに適合したものを提供することを課題とするものである。
【０００９】
この課題は、ガイドレールに関しては請求項１の諸特徴によって、製造方法に関しては請求項１９の諸特徴によって達成される。
【００１０】
これによればガイドレールの案内部がプラスチックからなり、また、案内部とは別個の補強部を有する。補強部は案内部から隔てられていて、案内部とウェブ板を介して連結されており、また補強部はキャリヤーの案内機能を有しないものである。補強部は案内部に連結された付加的な補強エレメントを有し、補強エレメントは案内部の少なくとも中間部にわたって前記ガイドレールの長手方向に延びている。また、請求項１の特徴によればさらに少なくとも１つの固定部が補強部の一部となっている。
【００１１】
ガイドレールはその少なくとも案内部がプラスチックからなるので、ガイドレールを案内部と補強部とに構造的に分け、案内部が主としてスライドガイドの役目を引き受け、補強部の付加的な補強エレメントが必要な曲げおよびねじり強さを確保して、主としてガイドレールを機械的に支持する役目を引き受ける。従ってガイドレールを重量と製造コストが低い点ですぐれたものに設計することができる。

【００１２】
従来はたいていは複数の個々の部品を組み付けて製造していたものであるが、本発明の場合は複数の機能を統合することができるので、エラーを生じる可能性がさらに排除または削減され、従って構造ユニットの品質を全体として改善できる。
【００１３】
ケーブルまたはボーデンチューブウィンドウリフタに対するガイドレールについての本発明による実施形態では、曲げおよびねじれに対する剛性の点で、ガイドレールの機械的な応力に対して、そしてまた耐磨耗性、ガラス案内のための良好なスライド特性およびできるだけ少ない騒音発生等の、ガイドレールに課される摩擦特性（摩擦学（トライボロジー）上の要求）に対して対応できる。
【００１４】
ガイドレールの（とくにその案内部の）少なくとも一部がプラスチックで形成されることにより、プラスチック部品の設計の際により大きな設計上の自由度が得られる。レールの案内部とガラスを案内するスライド部材との間における、プラスチックによる摩擦組合せはガイドレールに課せられた摩擦特性（摩擦学上の要求）にとって特に適切な適合である。この適合によって、潤滑処理を追加することなくこの摩擦組合せを利用して、経済上かつ技術上の製品の改善が得られる。
【００１５】
好ましくは、ガイドレールのスライド面の背面を補強エレメントと直接には連結せず、案内部と補強部の間に必要かつ十分な分離が得られるようにする。こうすれば補強エレメントを、スライド面すなわちウィンドウガラスキャリヤの通路領域だけを除いて、ガイドレールの全領域に配置できるようになる。この場合案内面または案内部の前面がウィンドウガラスキャリヤまたはスライダーと接触を生じる。
【００１６】
これら補強エレメントは好ましくはリブおよび／またはウェブからなり、これらは補強部の面に対し、好ましくは一体でかつ補強部の面にほぼ垂直に形成されている。これらのリブおよび／またはウェブは、とくにワッフル模様すなわちクロスリブ構造の形状とすることができる。これに代わて、これら補強エレメントを中空形状部分からなるものとすることができる。
【００１７】
リブ、ウェブ板または中空型材といった補強エレメントを補強部に配置することによって、好ましい剛性／質量比を得ることができる。
【００１８】
たとえばガイドレールを内側パネル、ドアモジュールなどと連結する固定部の領域においては、そして／またはウィンドウリフタモーター、ケーブルプーリーなどのような追加的ユニットの固定箇所のまわりには、力の加わる点から放射状に伸びるリブおよび／またはウェブを配置するのが好ましい。
【００１９】
これにより、固定箇所から出る力は補強部のクロスリブ構造に直接導かれ、そのためガイドレールはその避けられない弱い箇所でも安定を保証される。
【００２０】
ガイドレールが補強部と案内部に区分されることによって、次の前提条件が得られる。すなわち、補強部は高い機械的強度を持つプラスチックから、案内部は良好な摩擦特性（摩擦学的（トライボロジー）特性）を持つプラスチックから形成でき、その際両部を一体連結して、一体構造のユニットを得ることができる。このガイドレールを多種類の材料による射出成形プロセスにより製造することによって、このガイドレールを、剛性と弾性モジュラスの高い素材による補強部と、摩擦特性上好都合な素材によるウェブ、リブまたは案内エレメントを持つ案内部に区分できるようになる。後者の素材は、低い摩擦係数、少ない摩耗、そして低い騒音発生という点で最適化されているものとする。
【００２１】
従って案内機能と補強機能を構造的に分離され、その際案内部は補強部をともなわない仕様として、機械的に高い応力がかかる領域（補強部）から空間的に分離したものとすることができ、補強部のみに補強エレメントが設けられる。
【００２２】
この場合、案内部は短いレバーアームを介して補強部と連結し、少なくとも一部の部分について厚さを大きくすれば有利であることがわかっている。
【００２３】
補強部はプラスチックを強化する繊維を、とくにガラス繊維または炭素繊維を含むものとするのが好ましい。たとえば補強部の中央部分は、その端部より断面が大きされる。
【００２４】
プラスチックガイドレールと金属型材とを組み合わせる場合、レールの補強部は金属製とするが、案内部は摩擦特性を改善するためにプラスチック製とされる。この場合補強部は好都合な機械的特性を持つ金属型材からなり、これは重量が比較的軽くて抵抗モーメントが高い特徴を有するものである。プラスチック製案内部は金属型材と噛み合い連結および／または嵌合ロック係合により連結されるものであり、これはたとえば支持構造を形成する金属型材の全体または一部に対し重ね合わせ状に成形されるか、金属型材上にプラスチックを共押出されるか、あるいは接着、溶接、クリップ止めまたは押込嵌合によるプラスチックと金属との接合によって行われる。
【００２５】
金属型材のまわりにプラスチックを射出成形すると、そのプラスチックは案内機能のほかに、金属型材に対する意図的なさらなる補強に寄与することができる。これにより、リブ構造とウェブを、曲げにもねじれにも剛性がある、金属とプラスチックとのハイブリッド構造とすることができる。このようにして曲げ剛性がある金属型材を、プラスチックリブまたはプラスチック構造により、ねじれや曲げに対して剛性を与えることができる。
【００２６】
さらにはこの金属型材を、ガイドレールのプラスチック本体のチャンネルに装着することができる。それに代えて、曲げ剛性のある金属型材の上に、そのねじれ剛性を改善するためプラスチック構造を射出することができる。たとえば断面Ｕ字型の型材はそれほどねじれ剛性がないので、その型材の上にプラスチック構造を射出して、この型材をねじれ剛性のあるものとすることができるが、このプラスチック自体は、とくに摩擦特性が良好であるために使用されるものである。
【００２７】
ガイドウェブ、リブまたは案内エレメントの形態の案内部は、摩擦特性を改善するため、抗摩擦塗料でコーティングするか、または適当な材料を用いて真空コーティングまたはプラズマコーティングすることができ、これにはたとえばプラズマ−ＣＶＤ−コーティングを利用することができる。プラスチックが良好な機械的強度を有していて特に良好な支持能力を備えてはいるが、摩擦特性が良好でない場合にも抗摩擦塗料をプラスチックに対して用いることができる。
【００２８】
摩擦特性と強度特性の改善は、使用されるプラスチックの分子構造を架橋することによっても得ることができる。
【００２９】
プラスチックレールの強度と剛性は、適当なツールやプロセスを使用することによって、さらに向上することができる。
【００３０】
連続的な金属型材とは異なり、補強部は発生する曲げモーメントに応じてその断面が長手方向に適当なかたちとなった形状とすることができる。
【００３１】
プラスチックレールを製造する際、とくに長ガラス繊維強化熱可塑性プラスチックを使用する場合は、材料特性を最善に利用し、そしてとくに歪み少ないものを製造するのが望ましい。
【００３２】
プラスチックレールに高価なツールを用いずに機械的な剛性を持たせ、しかしその表面には摩擦特性を改善するのに好都合な表面状態を与えるために、ニ種類の材料を射出して重ね合わせ状に成形するのが有利である。その場合表面とくに摩擦力のかかる案内部は未強化材料によって、しかし中核部分は繊維強化材料によって形成することができる。
【００３３】
補強部からガイドレール固定点への移行部分には可撓性のある領域を配置して、それによりガイドレールとドア構造間の長さトレランスおよび／または角度トレランス、それに場合によっては発生する熱膨張の差の補償を得ることができる。
【００３４】
ガイドレールにはプラスチック部品として、そのほかの隣接する部品またはそれらの機能を組み込むことができる。これらはたとえばベースプレート、支持カバー、支持箇所、固定箇所であり得る。ガイドレールはドアモジュールの一部として構成することができ、このドアモジュールはたとえばドアロック、ドア電子装置、シール機能といったそのほかの機能を組み込んだものである。
【００３５】
そのほかの集積化の可能性としては、付随して回るベアリングを方向転換プーリーと一緒に成形することが可能である。その前提条件は、レールをその方向転換プーリーの支持箇所でドア構造に固定すること、たとえば鋲止めまたはネジ止めすることである。
【００３６】
図に示した実施形態を参照して、本発明の根底にある概念を以下に説明する。
【００３７】
図１に平面図で、図２に斜視側面図で、そして図３〜図５にいくつかの断面図で示したガイドレール１０は、ケーブルプーリーのための一体成形されたベースプレートすなわち支持ポイント４と、ベアリングカバーすなわちウィンドウリフタドライブのための連結点３４〜３６とを備える。このガイドレールは、上記に説明した仕様、素材選択、素材構成により、その全部がプラスチックからなるか、または部分的にプラスチックを重ね合わせ状に成形された金属型材からなる。ガイドレール１０は案内部１と補強部２に区分されており、また２つの固定箇所３１、３２を備え、ガイドレールはこれらの固定箇所で車両ドアの固定ベース、たとえばキャリヤプレートまたはドア内側プレートと連結される。
【００３８】
案内部１は、ウィンドウガラスキャリヤすなわちスライダーを受けるための前部スライド面１１と後部スライド面１２とを備え、このキャリヤまたはスライダーは、ガイドレール１０の長手方向にスライド面１１、１２に沿ってスライドし、一方でそのまわりに噛み合い係合している。
【００３９】
補強部２は補強エレメント２０を備え、これら補強エレメントは補強部２の面から垂直に張り出して、ワッフル模様すなわちクロスリブ構造を形成している。とくに図１のIII−III線に沿う断面図である図３と、同じくＶ−Ｖ線に沿う断面図である図５に示されるように、案内部１は短いレバーアームすなわちウェブ板９を介して補強部２と連結されている。従って、キャリヤとそれに固定されたウィンドウガラスがスライド面１１、１２に沿ってスライドする結果案内部１に曲げが生じても、それに対する高い抵抗力が保証されている。そのほか図１、図３、および図５は次のことを明らかにしている。すなわち、案内部１の案内面の背側を形成するスライド面１２は、補強部２のリブまたはウェブ板として形成されている補強エレメント２０とは連結されておらず、その理由は、案内部１と補強部２の間にウェブ板９が追加されて配置されており、案内部と補強部とが一体に連結されているからである。
【００４０】
補強部２に隣接する支持箇所４は、該支持箇所４の基礎面から垂直に突出する多数のリブまたはウェブ板４０を備え、これらの一部はベアリングカバーやウィンドウリフタドライブなどのために、連結点３４〜３６を中心として放射状に配置されており、補強部２への最適な力の伝達を得られる。同様にして平行に伸びるリブまたはウェブ板も、ガイドレール１０の剛性を高めるのに役立つ。
【００４１】
支持箇所４は中空円筒形の内側スペース５０を駆動ハウジングの一部として備え、このハウジングから駆動ケーブルの導入路５１、５２が伸び、このハウジングのボーデンカバーはボーデン支持部５３、５４で駆動ハウジングと連結されている。この駆動ケーブルは、固定箇所３１、３２の上側および下側のそれぞれのケーブル方向転換具を通じて、案内部１に沿って位置調節できる状態で案内されるキャリヤと連結されている。駆動ハウジングの中空円筒形内側スペース５０にはケーブルドラムが挿入され、ケーブルドラムの円筒形の外面には駆動ケーブルを受けるためのケーブル案内具が設けられている。
【００４２】
もう１つの固定箇所３３は、支持箇所４の取付を行うために、そしてまたキャリヤプレート、ドア内側プレートまたはドアモジュールといった車両ドアの固定ベースに対するガイドレール１０の支持を補助するために用いられる。この固定ベースにガイドレール１０を必要に応じて組み込むことができる。
【００４３】
図１〜図５に示したガイドレールは、選択的にその全部または一部を、上記に記した構造的特徴と素材構成で、プラスチックから製造することができる。ガイドレールを案内部と補強部に区分することにより、複数種類の材料を用いた射出成形プロセスを選択することができ、ここで補強部は剛性と弾性モジュラスが高い素材からなり、案内部のためには好ましい摩擦特性を有する素材が選択され、この素材は低摩擦、僅少な摩耗、低い騒音レベルに関し最適なものである。
【００４４】
また参考形態において、ガイドレールの補強部は、好ましい機械的特性を持つ金属型材から製造することができ、この型材は重量は比較的小さくて高い抵抗力を保証するものであり、他方、案内部は摩擦特性を改善するためにプラスチックから形成される。両部を噛み合い及び／もしくは嵌合ロック係合させること、たとえば金属型材のまわりにプラスチックを射出成形することによって連結することができ、このプラスチックは案内機能だけでなく、金属型材を意図的にさらに補強するのに寄与し、リブ構造と補強材とによって、曲げにもねじりにも抗し得るハイブリッド構造が提供される。
【００４５】
この種の構造は図６に示されており、そこには案内部１またはスライド面１１、１２に必要な場所に、そしてさらに金属型材をさらに補強するため、そしてプラスチック６を金属型材７と噛み合いロック連結するための射出成形の理由で、補強部２の領域で一部をプラスチック６で囲まれた金属型材７が示されている。
【００４６】
これに代えて、として金属型材とプラスチックの間の連結を、共押出によって、あるいは接着、溶接、クリップ止め、または押込み嵌合といった形態の後続の連結プロセスによって行うことができる。
【００４７】
図６に記載の構成でも図１〜図５に記載の構成でも、さらに抗摩擦塗料または適当な物質で、案内部１に真空コーティングまたはプラズマコーティングをほどこすことで、案内部１の摩擦特性を改善することができる。
【００４８】
図７および図８は、ガイドレールのもう一つの参考形態を示す。
【００４９】
この参考形態は補強部２を有するが、この補強部２は曲げ剛性を改善するため中央は端部より断面積が大きくなっている。これらの端部には可撓性の領域８１、８２がつながり、これらの領域は補強部２と固定箇所３７、３８を連結して、長さおよび／または角度トレランス、ならびにガイドレールと車両ドア固定ベースとの間の熱膨張差に対する補償を与える。補強部２は上記の方法により案内部１と連結されており、したがって案内部のスライド面の背側が補強部２の補強エレメントと直接には連結しないようになっている。
【００５０】
このような構造や図１〜図５の実施形態では、たとえばベースプレート、ベアリングカバー、支持箇所または固定箇所といった、そのほかの隣接するコンポーネントまたはその機能をガイドレールに組み込むことができる。組み込みのもう１つの可能性は、付随して回転可能な軸受けを方向転換プーリーに、複数種類の材料を用いた射出成形プロセスによって重ね合わせ状に成形することである。これは、最初の射出工程でガイドレールを方向転換プーリーと軸の領域のキャビティーに押し出し、第二の射出工程で方向転換プーリーを射出することによって行う。車両ドアの固定ベースへのガイドレールの固定、すなわち鋲止めまたはネジ止めは、ドイツ国特許公開公報第４１３１０９８号の諸特徴にしたがって行う。これは方向転換プーリーの軸を固定ベースに直接連結するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 案内部、補強部、ならびに固定箇所、ピボット式連結箇所を備えるガイドレールの平面図である。
【図２】 図１のガイドレールの斜視側面図である。
【図３】 図１のガイドレールのIII―III線に沿う断面図である。
【図４】 図１のガイドレールのIV―IV線に沿う断面図である。
【図５】 図１のガイドレールのＶ−Ｖ線に沿う断面図である。
【図６】 その一部にプラスチックを重ね合わせ状に成形された金属型材の概略断面図である。
【図７】 補強部と固定部の間に長手方向膨脹部分を有するガイドレールの概略側面略図である。
【図８】 その概略平面図である。

Claims (16)

1. ガイドレールに対して移動可能に取り付けられるキャリヤーを受けて案内するための案内面を持つ案内部と、ガイドレールを車両ドアの固定ベースに連結するための少なくとも１つの固定部とを備え、ガイドレールの少なくとも案内部（１）がプラスチックからなっているケーブルまたはボーデンチューブウィンドウリフタのためのガイドレールであって、
   前記ガイドレールは案内部（１）から隔てられた、案内部（１）とは別個の補強部（２）を有し、該補強部（２）は案内部（１）とウェブ板（９）を介して連結されており、補強部（２）は前記キャリヤーの案内機能を有しないものであり、補強部（２）は付加的な補強エレメント（２０）を有し、補強エレメント（２０）は案内部（１）の少なくとも中間部に相当する長さにわたって前記ガイドレールの長手方向に延びており、さらに少なくとも１つの固定部（３１、３２）が補強部（２）の一部となっていることを特徴とするガイドレール。
2. 案内部（１）のスライド面（１１、１２）の背側（１２）は、ウェブ板（９）を介して補強エレメント（２０）と連結されていることを特徴とする請求項１に記載のガイドレール。
3. 補強エレメント（２０）はリブまたはウェブからなり、これらは補強部（２）の面にほぼ垂直で一体形成されていることを特徴とする請求項１もしくは２に記載のガイドレール。
4. リブまたはウェブ（２０）がクロスリブ構造として形成されていることを特徴とする請求項３に記載のガイドレール。
5. ガイドレール（１０）はベースプレート（４）を備えており、該ベースプレート（４）にはリブ又はウェブ（４０）が形成されており、該リブ又はウェブ（４０）はその固定箇所および他の部材を支持するための支持箇所（３４〜３６）のような力が加わる箇所の周囲に配置されており、力の加わる点を出発点として放射状にまたはたがいに平行に延びていることを特徴とする請求項３に記載のガイドレール。
6. 補強エレメント（２０）が中空型材からなることを特徴とする請求項１もしくは２に記載のガイドレール。
7. 補強部（２）が補強繊維、とくにガラス繊維または炭素繊維を含むプラスチックにより形成されていることを特徴とする請求項１〜６の少なくとも１項に記載のガイドレール。
8. 案内部（１）および補強部（２）がプラスチックにより形成されており、案内部（１）および補強部（２）のためのプラスチックが、複数種類のプラスチック材料を用いてガイドレール（１０）に成形されていることを特徴とする請求項１〜６の少なくとも１項に記載のガイドレール。
9. 一体成形された支持箇所（４）を有し、該支持箇所（４）はこれに一体成形された固定箇所（３３〜３６）を有することを特徴とする請求項１〜８の少なくとも１項に記載のガイドレール。
10. ガイドレール（１０）がプラスチック製ドアモジュールの一部を構成することを特徴とする請求項１〜９の少なくとも１項に記載のガイドレール。
11. ガイドレールに対して移動可能に取り付けられるキャリヤーを受けて案内するための案内面を持つ案内部（１）と、ガイドレール（１０）を車両ドアの固定ベースに連結するための少なくとも１つの固定部（３１，３２）とを備え、ガイドレールの少なくとも案内部（１）がプラスチックにより形成されてなる、ケーブルまたはボーデンチューブウィンドウリフタのためのガイドレールの製造方法であって、
    案内部（１）とは別個であって、案内部（１）から隔てられておりかつ案内部（１）とウェブ板（９）を介して連結された、前記キャリヤーの案内機能を有しない補強部（２）を、補強部（２）の付加的な補強エレメント（２０）が案内部（１）の少なくとも中間部に相当する長さにわたって前記ガイドレールの長手方向に延びるように形成しさらに少なくとも１つの固定部（３１、３２）が補強部（２）の一部となるように形成することを特 徴とする製造方法。
12. ガイドレール（１０）が均質なプラスチックから製造されることを特徴とする請求項１１に記載の方法。
13. ガイドレール（１０）がさまざまな特性のプラスチックの混合物および／または結合物から製造されることを特徴とする請求項１１に記載の方法。
14. ガイドレール（１０）の原形を得た後、ガイドレール（１０）のプラスチックが、ガイドレール（１０）の摩擦特性を改善するために処理されることを特徴とする請求項１１〜１３の少なくとも１項に記載の方法。
15. プラスチックにおける分子構造の架橋を行うことを特徴とする請求項１１〜１４の少なくとも１項に記載の方法。
16. プラスチックの分子構造が一様な方向にそろえられることを特徴とする請求項１１〜１５の少なくとも１項に記載の方法。

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