JP4111204B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置に関し、詳しくは、各画素ごとに3値以上の濃度表現が可能な印刷装置に関する。
従来、コンピュータの出力装置として、種々のプリンタが多色多階調の画像を印刷するのに広く用いられている。かかるプリンタの一つとして、例えば、ヘッドに備えられた複数のノズルから吐出される数色のインクによりドットを形成して画像を記録するインクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、通常、各画素ごとにはドットのオン・オフの2階調しか表現し得ない。従って、原画像データの有する多階調をドットの分布により表現するハーフトーン処理を施した上で画像を印刷する。
近年では、豊かな階調表現を実現を図る技術として、各ドットごとにオン・オフの2値よりも多くの階調表現を可能としたプリンタ、いわゆる多値プリンタが提案されている。多値プリンタとしては、印刷データとして各画素ごとに与えられた階調値に応じてインク量の異なるドットを形成可能とするものや、各画素に複数のドットを重ねて形成するものなどが挙げられる。かかる多値プリンタでは、滑らかな階調表現を実現して高画質な印刷を行うことができる。
一般にプリンタでは、ドットの視認性を低くし粒状感に優れた画像を印刷すること、滑らかな階調表現を実現することによる画質の向上が重要な課題である。また、画像の印刷速度を確保することも重要である。従来の多値プリンタでは、これらの両面を考慮して、各画素ごとに表現可能な階調値が設定されていた。
従来の多値プリンタでは、各画素ごとの階調値とドットの形成態様との関係が、全ての色について統一されていた。例えば、インク量を大中小の3段階に変化させてドットを形成する多値プリンタでは、大ドットのインク量、中ドットのインク量、小ドットのインク量がそれぞれ全ての色について統一されていた。
しかし、一般に同じインク量でドットを形成しても色によってドットの視認性は異なる。例えば、イエロのインクで形成された小ドットと、ブラックのインクで形成された小ドットでは、後者の方がドットとしての視認性が高い。また、インク量を変化させた場合の階調表現への寄与も異なる。例えば、小ドットで表現される濃度と大ドットで表現される濃度との差異を、イエロとブラックで比較すると、後者の方が前者よりも大きい。
ドットの視認性を抑えて粒状感に優れた画像を印刷するため、各ドットのインク量を少なく設定すれば、イエロのような一部の色については階調表現を豊かにする効果が低減する。一方、かかる色について階調表現を豊かにするために各ドットのインク量の差異を大きくすれば、ブラックのような一部の色についてはドットが視認されやすくなり、粒状感が悪く滑らかさに欠けた画像になる。また、各ドットのインク量を増大すれば、印刷されたドットににじみが生じやすい。ドットの視認性が高いインクについて生じたにじみは非常に視認されやすく画質を低下させる原因となる。このように従来の多値プリンタでは、画像の粒状感やにじみの向上と階調表現の向上とを十分に図ることができる態様で各ドットを形成することが困難であった。
一方、多色を印刷するプリンタは、単色のみを印刷するモードを備えているのが一般的である。かかるプリンタでは、単色印刷時における印刷速度を確保するために、単色印刷で使用される色のノズルを他の色のノズルよりも多く備えていることが多い。多色印刷時には、全色について同数のノズルを用いて印刷が実行されるため、単色印刷用の余剰のノズルは印刷に用いられず、十分に活用されていなかった。多色印刷時に、これらの余剰ノズルを活用して画質を向上することについては検討されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、各画素ごとに3値以上の階調値を表現可能な多色の印刷装置において、ドットの視認性およびにじみを抑制するとともに階調表現を向上して画質の向上を図る技術を提供することを目的とする。また、ヘッドに備えられたドット形成要素の有効活用により画質を向上する技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は、次の構成を採用した。
本発明の印刷装置は、
駆動信号に応じて多色のドットを形成可能なヘッドを印刷媒体の一方向に相対的に往復動する主走査を行いつつ、各画素ごとに3値以上にハーフトーン処理された印刷データの階調値に応じたドットを形成することで該印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、
前記階調値と形成されるドットとの対応関係であって、前記多色のうち少なくとも1色の特定色については他の色と異なって設定された対応関係を記憶する記憶手段と、
前記主走査中に前記ヘッドに前記駆動信号を出力して、前記対応関係に応じた形成態様で、各画素ごとに前記多色のドットを形成する駆動手段とを備えることを要旨とする。
かかる印刷装置によれば、前記特定色について、他の色と異なる形成態様でハーフトーン処理済みの階調値に応じたドットを形成することができる。この結果、各色ごとに形成されたドットの視認性やにじみ、階調表現への寄与などを考慮して設定された適切な形成態様でドットを形成することができる。従って、本発明の印刷装置によれば、ドットの視認性およびにじみを抑制するとともに、階調表現を向上した高画質な印刷を実現することができる。
例えば、インク量を変えることによって前記2種類以上のドットを形成する印刷装置においては、階調値とインク量との関係を異なるものとすることができる。従って、階調値1に対するインク量をイエロでは多く、ブラックでは少なく設定することが可能となる。階調値1と階調値3に対するインク量の変化を、イエロでは多く、ブラックでは少なく設定することも可能となる。この結果、両者の色についてドットの視認性および階調表現への寄与の双方をそれぞれ向上することが可能となる。ハーフトーン処理は、形成されるドットにより表現される濃度を考慮してなされるのが通常であるから、上述のようにイエロにつき階調値とインク量との対応関係を異なる設定にしても印刷される画像の色調を損ねることはない。
なお、ここではイエロとブラックを例にとって説明したが、その他の色についても種々設定可能であることはいうまでもない。駆動信号の出力回数を変えることによって前記2種類以上のドットを形成する印刷装置においても同様に各色ごとに適切な回数を設定することができる。
本発明の印刷装置において、
前記対応関係は、前記特定色について、前記階調値に対し、他の色よりも多い主走査で形成されるドットを対応させる関係であるものとすることもできる。
かかる対応関係には、階調値とインク量との関係が、全色につき統一されているものおよび各色で異なるものの双方が含まれる。上述の対応関係によれば、前記特定色は、他の色よりも多くの主走査でドットが形成される。これらのドットが異なるノズルで形成される場合には、ノズルごとに生じるドットの形成位置のずれを分散することができ、ドットのずれが小さい高画質な印刷を実現することができる。
インクを用いてドットを形成するヘッドにおいては、ドットを複数回に分けて形成することにより、インクのにじみを抑制することができ、高画質な印刷を実現することができる。一般ににじみは印刷媒体を構成する微細な繊維の隙間に毛細管現象によってインクが染み込むことが原因と考えられる。ドットを複数回に分けて形成した場合には、1回目のインクが乾燥することによって、これらの微細な隙間が塞がれる。従って、2回目以降のインクはにじみが生じにくくなるのである。
この様に、特定色について多くの主走査でドットを形成する印刷装置においては、
前記ヘッドは、前記ドットを形成するドット形成要素を、前記特定色につき、他の色よりも多く備えるヘッドであることが望ましい。
こうすれば、印刷速度の低下を抑えつつ、特定色について主走査の回数を増やすことができる。ここで、主走査の回数とは、各画素のドットの形成に要する主走査の延べ回数を意味する。従って、ヘッドの1回の運動中に一つの画素に対して異なる2つのドット形成要素でドットを形成する場合、主走査の延べ回数は2回と考える。
本発明の印刷装置は、種々のヘッドを備える印刷装置に適用可能であるが、特に、前記ヘッドは、液体のインクを前記印刷媒体に吐出してドットを形成するヘッドであるものとすることが好ましい。
液体のインクを用いてドットを形成する印刷装置では、ドットの形成位置のずれやにじみなどを抑制することによる画質の向上の効果が非常に大きい。
また、本発明の印刷装置は、各画素ごとに3値以上の濃度を表現可能な種々の印刷装置に適用可能である。
例えば、
前記ヘッドが、前記駆動信号に応じて前記インク量を変えることにより、前記2種類以上のドットを形成可能なヘッドである印刷装置に適用してもよいし、
前記駆動手段は、各画素ごとに出力される駆動信号の数を変えることにより、各画素ごとに3値以上の濃度を表現する手段である印刷装置に適用してもよい。
本発明における特定色は、種々の色に設定可能であるが、特に特定色は黒であるものとすることが望ましい。
一般に黒は視認されやすいため、本発明を適用してドットの視認性やにじみを抑制することによる画質の向上の効果が大きく現れる。もちろん、特定色は、1色に限られるものではなく、複数色に設定することも可能である。この場合でも、黒を含むことが望ましい。
本発明は以下に示す印刷方法として構成することもできる。
本発明の印刷方法は、
駆動信号に応じて多色のドットを形成可能なヘッドを印刷媒体の一方向に相対的に往復動する主走査を行いつつ、各画素ごとに3値以上にハーフトーン処理された印刷データの階調値に応じたドットを形成することで該印刷媒体上に画像を印刷する印刷方法であって、
(a) 前記印刷データを入力する工程と、
(b) 前記主走査中に前記ヘッドに前記駆動信号を出力して、前記階調値と形成されるドットについて予め記憶された所定の対応関係に応じた形成態様で、各画素ごとに前記多色のドットを形成する工程とを備え、
前記対応関係は、前記多色のうち少なくとも1色の特定色については他の色と異なって設定された対応関係である印刷方法である。
かかる印刷方法によれば、先に印刷装置で説明したのと同様の作用により、高画質な印刷を実現することができる。
また、本発明は、プログラムを記録した記録媒体として構成することもできる。即ち、本発明の記録媒体は、
駆動信号に応じて多色のドットを形成可能なヘッドを印刷媒体の一方向に相対的に往復動する主走査を行いつつ、各画素ごとに3値以上にハーフトーン処理された印刷データの階調値に応じたドットを形成する印刷装置を駆動するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体であって、
該プログラムに使用されるデータとして、前記階調値と形成されるドットとの対応関係であって、前記多色のうち少なくとも1色の特定色については他の色と異なって設定された対応関係を記録した記録媒体である。
かかる記録媒体に記録されたプログラムがコンピュータによって実現されることにより、本発明の印刷装置および印刷方法を実現することができる。なお、印刷装置を駆動するためのプログラムの本体を別の記録媒体に記憶し、上記所定の対応関係のみを記憶した記録媒体としての構成も可能である。
この場合の記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。また、通信経路を介してこれらのプログラムおよび上記対応関係をコンピュータに供給するプログラム供給装置としての態様も含む。
(1)装置の構成:
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。図1は、本発明の実施例としてのプリンタPRTを用いた印刷システムの構成を示す説明図である。プリンタPRTは、コンピュータPCに接続され、コンピュータPCから画像データを受け取って印刷を実行する。コンピュータPCは、外部のネットワークTNに接続されており、特定のサーバーSVに接続することにより、プリンタPRTを駆動するプログラムをダウンロードすることも可能である。また、必要なプログラムおよびデータをフレキシブルディスクドライブFDDやCD−ROMドライブCDDを用いてフレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体からロードすることも可能である。
図1にプリンタPRTの機能ブロックの構成を併せて示した。プリンタPRTには、入力部91、バッファ92、主走査部93、副走査部94、ヘッド駆動部95、形成パターンテーブル96が備えられている。入力部91は、コンピュータPCから画像データを受け取り、一旦、バッファ92に蓄える。コンピュータPCから与えられる画像データは、2次元的に配列された各画素ごとにドットを形成することによって表現されるべき濃度を与えるデータである。主走査部93は、画像データに基づいてプリンタPRTのヘッドを印刷用紙に対して相対的に往復動する主走査を行う。副走査部94は、主走査が終了する度に印刷用紙を主走査方向に直交する方向に搬送する副走査を行う。ヘッド駆動部95は、主走査中にバッファ92に記憶された画像データに基づいてプリンタのヘッドを駆動し、印刷用紙上にドットを形成する。後述する通り、本実施例のプリンタPRTは、各画素に形成されるドット数を変えることにより、4段階の濃度を表現可能である。画像データとして与えられた濃度とドットの形成パターンとの対応関係は、形成パターンテーブル96に記憶されている。ヘッド駆動部95は、この形成パターンテーブル96を参照しつつ、各画素に所定のパターンでドットを形成する。
次に、図2によりプリンタPRTの概略構成を説明する。図示するように、このプリンタPRTは、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクを吐出する機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。
キャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
このキャリッジ31には、黒インク(K)用のカートリッジ71とシアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(LM)、イエロ(Y)の5色のインクを収納したカラーインク用のカートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61〜66が形成されている。キャリッジ31にカートリッジ71、72を装着すると、各インクカートリッジからヘッド61〜66にインクが供給される。
図3は、ヘッド61〜66におけるノズルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルは、各色ごとにインクを吐出する6組のノズルアレイから成っている。ブラックインク用のノズルアレイには、96個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。カラーインク用のノズルアレイには、48個のノズルNzがブラックの2倍のノズルピッチ2kで一列に配列されている。プリンタPRTは、ブラックインク用のノズルをカラーインク用のノズルの2倍備えている。
インクを吐出する機構について説明する。図4はインク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示す説明図である。図示の都合上K、C、LCの3色について示した。ヘッド61〜66には、各ノズルごとにピエゾ素子PEが配置されている。図4に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、図中の矢印で示すようにインク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより印刷が行われる。
本実施例のプリンタPRTは、各画素あたりに形成されるドットの数を0〜4個の範囲で変えることによって、各画素ごとに4段階の濃度を表現することができる。図5に本実施例におけるドットの形成パターンを示す。プリンタPRTは、各画素あたりにW1〜W4の駆動波形を用いてドットを形成する。図5に示す通り、各駆動波形は、基準電圧から一旦電圧を低くし、その後高い電圧を印加して基準電圧に戻る波形をなしている。駆動波形W1〜W4は同一の波形であり、キャリッジ31の移動とともに、各画素あたりに4つの駆動波形が入る周期で出力される。
プリンタPRTの制御回路40は、駆動波形W1〜W4を選択的にオン・オフすることで各画素当たりに形成されるドット数を変え、各画素ごとに表現される濃度を4段階に変えている。表現される濃度が最も低い状態D0としては、駆動波形W1〜W4の全てをオフにする。このときは図5に示す通り、ドットは形成されない。
濃度が2番目に低い状態D1としては、駆動波形W2のみをオンにする。このときは図5に示す通り画素内に1個のドットが形成される。図中のハッチングを施した円が形成されるドットを意味している。濃度が3番目に低い状態D2としては、駆動波形W2およびW3をオンにする。このときは図5に示す通り、画素内に2個のドットが形成される。濃度が最も高い状態D3としては、駆動波形W1〜W4の全てをオンにする。このときは図5に示す通り、画素内に4個のドットが形成される。
本実施例では、図5で示したD0〜D3の4種類の形成パターンを画像データに応じて使い分けることにより画像を印刷する。形成パターンと画像データの階調値との対応関係は、印刷モードによって異なる関係に設定されている。対応関係の設定を図6に示す。プリンタPRTは、印刷モードとして、ブラックのインクのみを用いて印刷を行うモノクロ印刷モードと、全インクを用いて印刷を行うカラー印刷モードとを有している。図6は、それぞれの印刷モードにおける画像データと形成パターンとの対応関係を示している。なお、画像データの階調値0に対しては、ドットを形成しない状態D0がいずれのモードにおいても対応するため、図示を省略した。
モノクロ印刷モードにおいては、画像データの階調値1に対して形成パターンD1、階調値2に対して形成パターンD2、階調値3に対して形成パターンD3が対応するよう設定されている。かかる設定により、各画素ごとに画像データに応じた濃度を表現することができる。
カラー印刷モードにおいては、画像データの階調値に応じた形成パターンが、ブラックインク(K)と有色インク(C,LC,M,LM,Y)とで異なる対応関係に設定されている。有色インクについては、画像データの階調値1に対して形成パターンD1、階調値2に対して形成パターンD2、階調値3に対して形成パターンD3が対応するよう設定されている。ブラックインク(K)については、画像データの階調値1に対して形成パターンD1と形成パターンD0の組み合わせ、階調値2に対して形成パターンD1と形成パターンD1の組み合わせ、階調値3に対して形成パターンD2と形成パターンD2の組み合わせで設定されている。
組み合わせとは、2回に分けてドットが形成されることを意味している。例えば、形成パターンD1と形成パターンD1の組み合わせでは、ある画素に対して形成パターンD1として1つのドットが形成された後、別のノズルによって再度同じ画素に対して形成パターンD1として1つドットが形成されることを意味する。この画素には時間をおいて合計2つの画素が形成されることになる。形成されるドットの数は、形成パターンD2と同数であるから、形成パターンD2に相当する濃度を表現することができる。形成パターンD2と形成パターンD2の組み合わせも同様に、2回に分けて2つずつ合計4個のドットが形成されることを意味している。この様に、モノクロ印刷モードとカラー印刷モードとで異なる対応関係に設定してある理由、およびカラー印刷モードにおいてブラックインクと有色インクとで異なる対応関係に設定してある理由については後述する。
一般にプリンタPRTが表現可能な階調値が増せば高画質な印刷を実現することが可能となるが、その一方でコンピュータPRTによるハーフトーン処理の負担が増え、印刷時間が長くなる。本実施例では、印刷時間の低下を回避するため、プリンタPRTで表現可能な階調値を4段階としており、画素内に3つのドットが形成される状態を用いないものとした。もちろん、画素内に3つのドットを形成する状態を用いて各画素ごとに5段階の階調表現を可能にしてもよい。
次にプリンタPRTの制御回路40の内部構成を説明する。図7は制御回路40の内部構成を示す説明図である。図示する通り、この制御回路40の内部には、CPU81,PROM42,RAM43の他、コンピュータPCとのデータのやりとりを行うPCインタフェース44と、紙送りモータ23、キャリッジモータ24および操作パネル32などとの信号をやりとりする周辺入出力部(PIO)45と、計時を行うタイマ46と、ヘッド61〜66にドットのオン・オフの信号を出力する駆動用バッファ47などが設けられており、これらの素子および回路はバス48で相互に接続されている。また、制御回路40には駆動波形を出力する発信器51、および発信器51からの出力をヘッド61〜66に所定のタイミングで分配する分配器55も設けられている。
制御回路40は、コンピュータPCでハーフトーン処理された印刷データを受け取り、これを一時的にRAM43に蓄え、所定のタイミングで駆動用バッファ47に出力する。駆動用バッファ47は、印刷データに従って印刷モードに応じた対応関係で各画素ごとに駆動波形W1〜W4のオン・オフを決定し、分配器55に出力する。この結果に応じて、駆動波形W1〜W4が各ノズルに出力され、図5に示した種々のドットが形成される。画像データの階調値と駆動波形W1〜W4のオン・オフとの対応関係(図6参照)は、形成パターンテーブルとしてPROM42に記憶されている。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタPRTは、紙送りモータ23により用紙Pを搬送しつつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ(以下、主走査という)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61〜66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
なお、本実施例では、上述の通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタPRTを用いているが、他の方法によりインクを吐出するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプのプリンタに適用するものとしてもよい。その他、いわゆる熱転写型、昇華型やドットインパクト型など種々のプリンタを適用することも可能である。
(2)ドット形成制御:
次に本実施例におけるドット形成処理について説明する。ドット形成ルーチンのフローチャートを図8に示す。これは、プリンタPRTのCPU41が実行する処理である。この処理が開始されると、CPU41は、印刷データを入力する(ステップS10)。この画像データは、コンピュータPCでハーフトーン処理されたデータであり、画像を構成する各画素ごとにプリンタPRTが備える各インクで表現されるべき濃度を階調値0〜3で表したデータである。
CPU41は、このデータを入力すると、一旦、RAM43に記憶する。そして、主走査中に各ノズルに順次出力するデータを駆動用バッファ47に設定する(ステップS20)。CPU41は、印刷データとヘッドとの位置関係から、各ノズルでドットを形成すべきラスタを判定し、該ラスタ上のデータを順次駆動用バッファ47に転送するのである。印刷データは、駆動用バッファ47に転送される際に、印刷モードに応じた対応関係(図6参照)で、各駆動波形W1〜W4のオン・オフを示すデータに変換される。例えば、モノクロ印刷モードにおいて、印刷データの階調値が値1であれば、駆動用バッファ47には、駆動波形W1のオフを示す値0、駆動波形W2のオンを示す値1、駆動波形W3,W4のオフを示す値0を有する4ビットのデータ「0100」が転送されるのである。
カラー印刷モードでは、ブラックについては、各画素が異なる2つのノズルで形成される。図6に示す通り、例えば、階調値が値1の場合、該画素を最初に通過するノズルは形成パターンD1で1つのドットを形成する。該画素に2番目に通過するノズルは形成パターンD2、即ちドットを形成しない。このようにブラックについては、各画素の階調値と形成パターンとの対応関係が、最初に通過するノズルと2番目に通過するノズルとで異なる。CPU41は、ヘッドと印刷データの位置関係および従前の印刷履歴から、それぞれのノズルが各画素を最初に通過するノズルであるか否かを判定した上で、図6に示した対応関係に基づいて駆動用バッファ47にデータを設定する。なお、後述する通り、一定の送り量で副走査を行う場合には、ブラックのそれぞれのノズルと、画素を通過する順序とは一義的な関係が成立するため、かかる関係に基づいて、上述の判定を容易に行うことができる。
こうして駆動用バッファ47にデータを設定すると、CPU41は、主走査を行いながらドットを形成する(ステップS30)。次に、CPU41は、所定の送り量で用紙の搬送、即ち副走査を行う(ステップS40)。以上の処理を印刷が終了するまで繰り返し(ステップS80)、画像を完成させる。
図9に本実施例によるドット形成の様子を示す。図中の左側には、1回目〜6回目までの主走査におけるブラックインクのヘッド(以下、ブラックヘッドという)の副走査方向の位置を示した。図中の右側には、1回目〜6回目までの主走査における有色インクのヘッド(以下、カラーヘッドという)の副走査方向の位置を示した。両者の間には、形成されるドットを丸印で示した。なお、ここでは図示の便宜上、ブラックインクと有色インクのヘッドを左右に描いたに過ぎず、実際には両者のヘッドは一体的に移動することはいうまでもない。また、図9では図示の都合上、ブラックヘッドについては2ドットのノズルピッチで6つのノズルを備え、カラーヘッドについては4ドットのノズルピッチで3つのノズルを備えるものとして示した。ブラックヘッドとカラーヘッドとのノズル数およびノズルピッチの関係は、先に図3で説明したのと同様である。
図中の数字、英字を丸印で囲んだものがノズルである。数字、英字はノズル記号を意味している。ブラックヘッドとカラーヘッドで副走査方向の位置が一致しているノズルについては1〜3の数字でノズル記号を付した。ブラックヘッドに固有のノズルについてはa〜cの英字でノズル記号を付した。カラーヘッドには1番ノズル〜3番ノズルのみが備えられている。ブラックヘッドには、1番ノズル〜3番ノズルが備えられている他、これらの間および3番ノズルの下方にノズルa〜ノズルcが備えられている。
かかる間隔および数でノズルを備えるヘッドでは、3ドットに相当する一定の送り量で副走査を行うことにより、図9の中央に示した領域、つまり1回目の主走査で3番ノズルが位置するラスタよりも下方の領域において画像を印刷することができる。この際、最初の数回の主走査においては、下方に位置するノズル(3番ノズル等)によってのみドットが形成される。上方に位置するノズル(1番ノズル等)で形成されるラスタには、以後の主走査で隣接するラスタを完成し得ないラスタがあるからである。
ブラックヘッドはカラーヘッドの2倍のノズルを有している。従って、図9から明らかな通り、カラーヘッドが各ラスタを1つのノズルで形成するのに対し、ブラックヘッドは各ラスタを2つのノズルで形成することができる。つまり、カラーヘッドの駆動効率を低下させることなく、ブラックヘッドは各ラスタを2つのノズルで形成することができる。この結果、カラー印刷モードにおいて、全体の印刷速度の低下を招くことなく、各画素に対して2つのノズルでドットを形成するように設定された形成パターンを用いることができる。
一定の副走査量で画像を印刷する場合には、図9から明らかな通り、ブラックヘッドの各ノズルが各ラスタを通過する順序には一義的な関係が存在する。ブラックヘッドの下方に位置する3つのノズル、即ちノズルc、3番ノズル、ノズルbは、各ラスタを最初に通過するノズルである。上方に位置する3つのノズル、即ち1番ノズル、ノズルa、2番ノズルは、各ラスタを2番目に通過するノズルである。図9では、ブラックヘッドとして6つのノズルを備える場合を例示したが、48個のノズルを備える場合も同様に下方に位置する半分のノズルが最初に通過するノズルとなり、上方に位置する半分のノズルが2番目に通過するノズルとなる。従って、一定の副走査量で画像を印刷する場合、CPU41は、かかる一義的な対応関係に基づいて、階調値と形成パターンとの対応関係を各ノズルごとに容易に設定することができる。
以上で説明した本実施例のプリンタPRTによれば、カラー印刷モードにおいて、各画素のブラックのドットが、2つのノズルにより時間間隔を開けて形成される。最初に通過するノズルから吐出されたインクが、印刷用紙Pの繊維の隙間に毛細管現象によって染み込む。このインクが乾燥した後、2番目に通過するノズルからインクが吐出される。この時点では、印刷用紙の繊維の隙間が先に吐出されたインクによって塞がれているから、2番目に吐出されたインクは、広範囲に広がることなく乾燥する。このようにブラックのインクを2回に分けて吐出することにより、本実施例のプリンタPRTは、同量のインクを一度に吐出した場合と比較してにじみの少ない、面積の小さいドットを形成することができる。この結果、本実施例のプリンタPRTによれば、ドットの視認性およびにじみを抑制した高画質な印刷を実現することができる。
本実施例のプリンタPRTはブラックヘッドについては、カラーヘッドの倍のノズルが備えられている。従って、本実施例のプリンタPRTは、図9で説明した通り、カラー印刷モードにおいて、画像の印刷速度を低下させることなく、上述の高画質な印刷を実現することができる。また、モノクロ印刷モードにおいては、多く備えられたノズルを全て使用して高速での印刷を行うことができる。本実施例のプリンタPRTは、図6に示した通り、階調値とドットの形成パターンとの対応関係を印刷モードに応じて変えることにより、モノクロ印刷モードにおいて適切な階調表現を確保しつつ、高速での印刷を実現可能としている。こうすることにより、ブラックヘッドに備えられたノズルをモノクロ印刷モード、カラー印刷モードの双方で有効に活用することができる。
本実施例のプリンタPRTは、先に説明した通り、カラー印刷モードにおいては、各画素ごとに2つのノズルを用いてブラックのドットを形成する。一般にインクを吐出してドットを形成するヘッドでは、ヘッドの機械的な製造誤差などによってインクの吐出特性にばらつきが生じ、ドットの形成位置がずれることがある。従って、ドットの形成位置にずれが生じるノズルで形成されたラスタと隣接するラスタとの間に濃淡ムラが生じ、画質が低下することがある。本実施例のプリンタPRTはブラックについて各画素ごとに2つのノズルでドットを形成することにより、ドットの形成位置のずれに起因する濃淡ムラを抑制することができ、画質を向上することができる。
本実施例のプリンタPRTは、ブラックについてドットの形成態様を改善することにより、上述の種々の効果を得ている。もちろん、ブラック以外の色について多くのノズルを備えることも可能である。但し、一般にブラックのドットは視認されやすく、にじみや形成位置のずれが画質に大きな影響を与えやすいため、本実施例のようにブラックのドットの形成態様を改善すれば、画質を向上する効果が非常に大きい。
(3)第2実施例:
次に第2実施例としてのプリンタPRTについて説明する。第2実施例としてのプリンタPRTのハードウェア構成およびソフトウェア構成自体は、先に示した実施例(図1〜図4)と同じである。第2実施例では、発信器51から出力される駆動波形が第1実施例と相違し、インク量の異なるドットが形成可能となっている。
インク量の異なるドットを形成する原理について説明する。図10は、インクが吐出される際のノズルNzの駆動波形と吐出されるインクIpとの関係を示した説明図である。図10において破線で示した駆動波形が通常のドットを吐出する際の波形である。区間d2において一旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子PEに印加すると、先に図4で説明したのとは逆にインク通路68の断面積を増大する方向にピエゾ素子PEが変形する。ノズルへのインクの供給速度には限界があるため、インク通路68の拡大に対してインクの供給量が不足する。この結果、図10の状態Aに示した通り、インク界面MeはノズルNzの内側にへこんだ状態となる。図10の実線で示す駆動波形を用い、区間d2に示すように電圧を急激に低くすると、インクの供給量はさらに不足した状態となる。従って、状態aで示す通りインク界面は状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態となる。
次に、ピエゾ素子PEに高い電圧を印加すると(区間d3)、先に説明した原理に基づいてインクが吐出される。このとき、インク界面があまり内側にへこんでいない状態(状態A)からは状態Bおよび状態Cに示すごとく大きなインク滴が吐出され、インク界面が大きく内側にへこんだ状態(状態a)からは状態bおよび状態cに示すごとく小さなインク滴が吐出される。このように、駆動電圧を低くする際(区間d1,d2)の変化率に応じて、ドット径を変化させることができる。
プリンタPRTは図11に示す通り2種類の駆動波形W1,W2を連続的に出力する。駆動波形W1は小さいインク滴IPsを吐出して小ドットを形成する波形であり、駆動波形W2は、大きいインク滴IPmを吐出して中ドットを形成する波形である。インク滴IPmの飛翔速度はインク滴IPsの飛翔速度よりも大きい。従って、キャリッジ31が主走査方向に移動しながら、駆動波形W1,W2を連続的に吐出すれば、飛翔速度の差に基づいて、それぞれのインク滴を同一画素に吐出して大ドットを形成することができる。プリンタPRTでは、駆動波形の出力タイミングおよびキャリッジ31の移動速度を調節し、それぞれの画素にインク量の異なる3種類のドットを形成可能としている。
図12は、ドットの形成パターンとして、インク量の異なるドットと印刷データの階調値との対応関係を示す説明図である。図示する通り、モノクロ印刷モードおよびカラー印刷モードにおける有色インクについては、階調値1に対して小ドットDSの形成が対応し、階調値2に対して中ドットDMの形成が対応し、階調値3に対して大ドットDLの形成が対応する。カラー印刷モードにおけるブラックインクについては、階調値1に対して小ドットの形成DSとドットの非形成DNとの組み合わせが対応し、階調値2に対して小ドットの形成DSと小ドットの形成DSとの組み合わせが対応し、階調値3に対して中ドットの形成DMと中ドットの形成DMとの組み合わせが対応する。
第2実施例のプリンタPRTは、かかる形成パターンに従って印刷を実行することにより、第1実施例の場合と同様、カラー印刷時にブラックのドットのにじみや形成位置のずれを抑制することができ、高画質な印刷を実現することができる。また、ブラックヘッドに備えられた余剰のノズルをカラー印刷時に活用することが可能となる。
以上で説明した第1実施例および第2実施例において、ヘッドのノズル配置は、図3に示した他、種々の配置が可能である。図3に示した例では、ブラックヘッドのノズルピッチがカラーヘッドのノズルピッチの半分になるようにノズルが配置されている。これに対して、図13に示す通り、ブラックヘッドについては、カラーヘッドと同じノズルピッチで備えられたノズル列を主走査方向に複数列設けるように配置してもよい。かかる配置では、1回の主走査で各画素に2つのノズルでブラックのドットを形成することができる。
図3に示した例では、各色のカラーヘッドが主走査方向に配列されている。これに対して、図14に示す通り、各色のカラーヘッドを副走査方向に配列するとともに、こうして配列された有色インクと副走査方向の幅が一致するようにブラックヘッドを配置するものとしてもよい。図14では、シアン、マゼンタ、イエロの3色のヘッドを備える例を示した。この例では、ブラックヘッドはカラーヘッドの3倍のノズルを有することになる。当然、5色の有色インクを備えるカラーヘッドにおいても同様の構成が可能である。
また、第1実施例および第2実施例では、一部の色についてノズル数が多い場合の例を示したが、全ての色につき同数のノズルを備えるプリンタにおいて適用するものとしても構わない。かかる場合の適用として、例えば、ブラックのドットを主走査の往動時および復動時の双方向で形成し、その他の色をいずれか一方向でのみ形成する態様をとることも可能である。
(4)第3実施例:
次に第3実施例について説明する。第3実施例のプリンタPRTは第2実施例と同様のハードウェア構成であり、第2実施例と同様の駆動波形を用いてインク量の異なるドットを形成することができる。第1実施例および第2実施例では、カラー印刷モードにおいてブラックについて有色インクと異なる形成パターンを適用した。第1実施例および第2実施例では、各画素に吐出されるインク量が、全色でほぼ同等になる形成パターンを用いた。
第3実施例では、イエロのインクについてその他の色と異なる形成パターンを適用する。第3実施例における形成パターンを図15に示す。ここでは、カラー印刷モードにおける形成パターンを示した。図示する通り、イエロについては、印刷データの階調値1に対して小ドットを1個形成した状態DY1が対応し、階調値2に対して中ドットを2個形成した状態DY2が対応し、階調値3に対して大ドットを4個形成した状態DY3が対応する。その他のインクについては、階調値1に対して小ドットを1個形成した状態D1が対応し、階調値2に対して小ドットを2個形成した状態D2が対応し、階調値3に対して小ドットを4個形成した状態D3が対応する。第3実施例では、このようにイエロについて各画素に吐出されるインク量は、その他の色と異なっている。
一般にイエロのインクは明度が高いため、ドットの視認性が低い。また、インク量の変化による濃度への影響が小さい。第3実施例で示した形成パターンで各ドットを形成すれば、イエロについてインク量の変化量を大きく設定することにより、階調値の変化に対応した適切な濃度を表現することができる。一方、その他の色については、インク量の少ない小ドットを主として用い、各画素に吐出されるインク量をイエロよりも低く設定することにより、ドットの視認性およびにじみを抑制することができる。かかる作用により、第3実施例のプリンタPRTは画像の粒状感を向上し、階調表現を豊かにして高画質な印刷を実現することができる。
もちろん、コンピュータ90では、印刷データの階調値と形成されるドットにより表現される濃度評価値との関係を考慮した上で、原印刷データをハーフトーン処理して印刷に供する印刷データを生成するから、イエロについて上述のようにインク量の変化量を大きく設定しても、画像の色調を損なうことはない。
以上の実施例では、ドットを形成するために要する主走査の回数やインク量などを一部の特定色について他色と異なる設定にした種々の形成パターンを例示した。形成パターンは、主走査の回数、インク量、各画素に形成されるドットの個数などについて種々の組み合わせで設定可能である。また、いずれの実施例でも、プリンタに備えられたいずれか1色のインクにつき異なる形成パターンを適用するものとしているが、複数色で異なるパターンを適用するものとしてもよい。
以上、本発明の種々の実施例について説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実施が可能である。例えば、上記実施例で説明した種々の制御処理は、その一部または全部をハードウェアにより実現してもよい。
実施例のプリンタPRTを適用した印刷システムの概略構成図である。 プリンタPRTの概略構成図である。 プリンタPRTにおけるノズル配置例を示す説明図である。 プリンタPRTにおけるドット形成原理を示す説明図である。 実施例におけるドットの形成パターンを示す説明図である。 印刷モードと形成パターンとの対応関係を示す説明図である。 プリンタPRTの制御装置の内部構成を示す説明図である。 ドット形成ルーチンのフローチャートである。 実施例におけるドットの形成の様子を示す説明図である。 インク量の異なるドットを形成する原理の説明図である。 小ドット、中ドットから大ドットを形成する原理の説明図である。 第2実施例における形成パターンを示す説明図である。 第1の変形例としてのノズル配置を示す説明図である。 第2の変形例としてのノズル配置を示す説明図である。 第3実施例における形成パターンを示す説明図である。
符号の説明
23…モータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印字ヘッド
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
42…PROM
43…RAM
44…PCインターフェース
45…PIO
46…タイマ
47…駆動用バッファ
48…バス
51…発信器
55…分配器
61〜66…ヘッド
68…インク通路
71…カートリッジ
72…カートリッジ
91…入力部
92…バッファ
93…主走査部
94…副走査部
95…ヘッド駆動部
96…形成パターンテーブル

Claims (6)

  1. 印刷画素毎に3値以上にハーフトーン処理された印刷データの階調値に応じてドットを形成することによって、印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置であって、
    前記印刷媒体上に、特定色と他色とを含む複数色のドットを形成可能な複数色のドット形成要素を備えるヘッドであって、前記特定色のドット形成要素の数は前記他色のドット形成要素の数よりも多い、前記ヘッドと、
    前記ヘッドを印刷媒体の一方向に相対的に往復動させる主走査を実行する主走査手段と、
    前記印刷データの階調値と、形成されるべきドットと、の対応関係を記憶する記憶手段と、
    前記対応関係に基づいて、前記印刷データから前記ヘッドを駆動するための駆動信号を生成し、前記ヘッドの主走査中に前記駆動信号を前記ヘッドに供給することによって、前記ヘッドに前記印刷媒体上の各印刷画素に前記対応関係に応じたドットを形成させる駆動手段と、
    を備え、
    前記駆動手段は、吐出されるべきインク滴の個数に対応する数の、所定量のインク滴に対応する特定の波形を有するパルスを含む前記駆動信号を生成し、
    前記対応関係は、
    前記特定色のドットが形成され、前記他色のドットが形成されない第1の印刷モードで使用される第1の対応関係と、
    前記複数色のドットが形成される第2の印刷モードで使用される第2の対応関係と、
    を含み、
    前記第1の対応関係における前記特定色の所定の階調値に対応する第1のドットは、1回の主走査で、2つの前記特定の波形を有するパルスを含む1つの第1の印刷モード用の前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるべきドットであり、
    前記第2の対応関係における前記特定色の前記所定の階調値に対応する第2のドットは、2回の主走査に分けて、それぞれの主走査が1つの前記特定の波形を有するパルスを含む第2の印刷モード用の前記駆動信号を利用することにより、前記2回の主走査で2つの前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるべきドットであり、
    前記第1の印刷モード用の前記駆動信号と前記第2の印刷モード用の前記駆動信号とは、前記特定の波形を有するパルスを複数含む、前記第1の印刷モード用の前記駆動信号と前記第2の印刷モード用の前記駆動信号とに共通する駆動信号が生成され、生成された前記共通する駆動信号から、前記対応関係に基づいて、前記特定の波形を有するパルスを選択的に使用することによって、生成される、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記第2のドットは、互いに異なる2つのドット形成要素によって形成されるべきドットである、印刷装置。
  3. 請求項1または2記載の印刷装置であって、
    前記第2の対応関係における前記他色の前記所定の階調値に対応する第3のドットは、1回の主走査で、2つの前記特定の波形を有するパルスを含む1つの第2の印刷モードにおける他色用の前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるドットである、印刷装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記特定色は黒である、印刷装置。
  5. 印刷画素毎に3値以上にハーフトーン処理された印刷データの階調値に応じてドットを形成することによって、印刷媒体上に画像を印刷する印刷装置を用いた印刷方法であって、
    前記印刷装置は、
    前記印刷媒体上に、特定色と他色とを含む複数色のドットを形成可能な複数色のドット形成要素を備えるヘッドであって、前記特定色のドット形成要素の数は前記他色のドット形成要素の数よりも多い、前記ヘッドと、
    前記ヘッドを印刷媒体の一方向に相対的に往復動させる主走査を実行する主走査手段と、
    を備えており、
    前記方法は、
    (a)前記印刷データの階調値と、形成されるべきドットと、の対応関係に基づいて、前記印刷データから前記ヘッドを駆動するための駆動信号を生成する工程と、
    (b)前記ヘッドの主走査中に前記駆動信号を前記ヘッドに供給することによって、前記ヘッドに前記印刷媒体上の各印刷画素に前記対応関係に応じたドットを形成させる工程と、
    を備え、
    前記工程(a)は、吐出されるべきインク滴の個数に対応する数の、所定量のインク滴に対応する特定の波形を有するパルスを含む前記駆動信号を生成する工程を含み、
    前記対応関係は、
    前記特定色のドットが形成され、前記他色のドットが形成されない第1の印刷モードで使用される第1の対応関係と、
    前記複数色のドットが形成される第2の印刷モードで使用される第2の対応関係と、
    を含み、
    前記第1の対応関係における前記特定色の所定の階調値に対応する第1のドットは、1回の主走査で、2つの前記特定の波形を有するパルスを含む1つの第1の印刷モード用の前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるべきドットであり、
    前記第2の対応関係における前記特定色の前記所定の階調値に対応する第2のドットは、2回の主走査に分けて、それぞれの主走査が1つの前記特定の波形を有するパルスを含む第2の印刷モード用の前記駆動信号を利用することにより、前記2回の主走査で2つの前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるべきドットであり、
    前記第1の印刷モード用の前記駆動信号と前記第2の印刷モード用の前記駆動信号とは、前記特定の波形を有するパルスを複数含む、前記第1の印刷モード用の前記駆動信号と前記第2の印刷モード用の前記駆動信号とに共通する駆動信号が生成され、生成された前記共通する駆動信号から、前記対応関係に基づいて、前記特定の波形を有するパルスを選択的に使用することによって、生成される、
    ことを特徴とする印刷方法。
  6. 請求項5記載の印刷方法であって、
    前記第2の対応関係における前記他色の前記所定の階調値に対応する第3のドットは、1回の主走査で、2つの前記特定の波形を有するパルスを含む1つの第2の印刷モードにおける他色用の前記駆動信号を利用して、前記所定量のインク滴を1画素に合計2つ吐出することによって形成されるドットである、印刷方法。
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