JP3624755B2 - 複数種類のインク滴で一画素を記録する双方向印刷におけるドット位置ズレの補正 - Google Patents

複数種類のインク滴で一画素を記録する双方向印刷におけるドット位置ズレの補正 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に画像を印刷する技術に関し、特に、複数種類のドットで一画素を記録可能な双方向印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが広く普及している。このようなインクジェット型カラープリンタの中には、印刷速度の向上のために、いわゆる「双方向印刷」を行う機能を有するものがある。
【0003】
また、従来のインクジェット型プリンタは、各画素をオン・オフの2値で再現できるだけであったが、近年では一画素で3以上の多値の再現ができる多値プリンタも提案されている。多値の画素は、例えば、一画素に対して同一色の複数のインク滴を吐出することによって形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一画素に対して複数のインク滴を吐出する多値プリンタを用いて双方向印刷を行う際に、往路と復路における印刷特性の差異に起因して、画質が劣化する場合がある。例えば、往路と復路とにおいて複数のインク滴の主走査方向の着弾位置が異なってしまうと、これによって画像が劣化する。
【0005】
図16(a)は、双方向印刷時に発生するインク滴の主走査方向の着弾位置のズレの発生を示す説明図である。図16(a)の格子は画素領域の境界を示しており、格子で区切られた1つの矩形領域が一画素分の領域に相当する。各画素には、図示しない印刷ヘッドが主走査方向に沿って移動する際に、印刷ヘッドが吐出するインク滴によってドットが記録される。図16(a)の例では、ラスタラインL1は主走査の往路で記録され、ラスタラインL2は復路で記録される。いま例えば、小ドットを形成するためのあるインク滴が、常に、ノズルが画素の中心を通過するタイミングよりわずかに早く吐出される場合には、ラスタラインL1に示すように、そのインク滴は、往路においては画素中の「ヘッドの走査方向の後方寄り」、すなわち図16(a)において左寄りに着弾する。一方、復路においては、印刷ヘッドが往路とは逆に動くことから、そのインク滴は、ラスタラインL2に示すように画素中の右寄りに着弾する。従ってこのインク滴に関しては、同一画素を狙って吐出される場合でも、往路で吐出するか復路で吐出するかによってドットが異なった位置に形成されることとなる。よって、例えば、そのインク滴で副走査方向の罫線を描いた場合には、その罫線はまっすぐな直線とはならずにジグザグの線を描くこととなってしまう。そして同様の理由から、双方向印刷における主走査方向の着弾位置のズレは、副走査方向の罫線に限らず印刷結果全体の画質の劣化を招く。
【0006】
図16(b)は、双方向印刷時に発生するインク滴の主走査方向の着弾位置のズレの補正方法を示す説明図である。上記のような双方向印刷時の着弾位置のずれをなくす方法としては、図16(b)に示すように、往路と復路の一方、または両方のインク滴吐出タイミングを全体でずらして、往路又は復路の全体の着弾位置をずらし、往路と復路で着弾位置を合わせるという方法がある。図16(b)の例においては、往路では着弾位置を右方に、復路では着弾位置を左方にずらして、往路と復路でインク滴の着弾位置が一致するようにしている。なお、この補正方法は、設計上の理由から発生する着弾位置の反転による位置ズレの補正のほか、インク滴の吐出速度のばらつきや、主走査方向の駆動機構のバックラッシュ、印刷媒体を下で支えているプラテンの反り、等の予期しない理由または製造上避け得ない理由に起因するドット位置ズレの補正にも有効である。
【0007】
図17(a)は、複数種類のインク滴について双方向印刷時に発生する主走査方向の着弾位置のズレの発生を示す説明図である。図17(a)においても格子で区切られた1つの矩形領域が一画素分の領域に相当する。図17(a)の例では、ラスタラインL1,L3は往路で記録され、ラスタラインL2,L4は復路で記録される。ここでは、同一のノズルから、小ドットを形成するための小インク滴と中ドットを形成するための中インク滴を吐出することができる印刷装置を用いている。このような印刷装置において、インク量の異なるインク滴ごとに吐出タイミングが異なると、図17(a)に示すように、インク量の異なるインク滴ごとに往路と復路での着弾位置のズレ方も異なることとなる。
【0008】
さらに、そのような印刷装置において、それら複数種類のインク滴の吐出タイミングをそれぞれ独立に操作することができず、一体として連動させなければならない場合には、一方のインク滴のズレをなくすようにインク滴吐出タイミングをずらすと、他方の着弾位置のズレがかえって大きくなってしまうことがある。図17(b)は、図17(a)の状態から小インク滴の着弾位置ズレがなくなるように吐出タイミングを補正した場合の印刷結果を示す説明図である。図17(b)では、中ドットのズレは補正前よりもかえって大きくなっている。一方、中インク滴を基準として吐出タイミングを調整した場合も、同様に小ドットの位置ズレが大きくなってしまう。
【0009】
この例のように、従来の多値プリンタにおいて双方向印刷を行うと、往路と復路における印刷特性の差異に起因して、画質が劣化してしまう場合があるという問題があった。
【0010】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、多値プリンタにおいて双方向印刷を行う際に、往路と復路における印刷特性の差異に起因する画質の劣化を防止することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下のような印刷装置を対象として往路と復路における主走査方向のインク滴の記録位置のズレを補正する。すなわち、複数のノズルからなるノズル群を有し印刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置である。そして、まず、複数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体上に検査用第一パターンを印刷する。また、複数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の他方で印刷媒体上に検査用第二パターンを印刷する。そして、検査用第一パターンと検査用第二パターンとを含む位置ズレ検査用パターンの中から選択された好ましい補正状態を示す補正情報に従って、補正値を決定する。その後、補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する。
【0012】
上記のような態様においては、一画素内に打ち込まれる複数種類のインク滴のうち、画素内の両端にドットを形成する一対のインク滴、すなわち、往路と復路で画素内の相対位置が入れ替わり、その入れ替わりに起因する位置ズレが最も大きいインク滴によって検査用第一パターンと検査用第二パターンをそれぞれ形成している。そして、それら検査用第一パターンと検査用第二パターンを含む位置ズレ検査用パターンに基づいて補正値を決めている。このため、着弾位置の入れ替わりによる往路と復路で画素内での位置ズレが大きいインク滴について、その位置ズレが小さくなるように補正値を定めることができる。よって、全体として印刷結果の画質を向上させることができる。
【0013】
なお、N(Nは2以上の整数)種類のドットに対応するインク滴の駆動信号は、N種類のドットを形成することを示す印刷信号のN個の異なる値に応じて、一画素分の主走査期間内における駆動信号の波形を互いに異なるN種類の形状に整形することによって得ることができる。そして、複数の吐出駆動素子のために共通に使用され、一画素の主走査期間内に複数種類のインク滴に対応する複数のパルスを有する原駆動信号を、印刷信号のN個の異なる値に応じて原駆動信号を整形することによって、各吐出駆動素子に供給する駆動信号を生成することができる。
【0014】
このような態様の印刷装置においては、同一画素内を狙って吐出される複数種類のインク滴は、原駆動信号に含まれるパルスに従って異なるタイミングで吐出されることとなり、その結果、多くの場合はそれらのインク滴は主走査方向の異なる位置に着弾することとなる。したがって、そのような印刷装置について、一画素内のもっとも端に着弾する二つのインク滴に基づいて全体の補正値を定めることで、効果的に画質を向上させることができる。
【0015】
そして、ノズル群が、光学濃度が比較的濃いインクを吐出する濃色ノズル群と、光学濃度が比較的薄いインクを吐出する淡色ノズル群と、を備えている場合には、検査用第一パターンと検査用第二パターンのうち一方は、濃色ノズル群を用いて比較的小さいインク滴で印刷され、検査用第一パターンと検査用第二パターンのうち他方は、淡色ノズル群を用いて比較的大きいインク滴で印刷されることが好ましい。光学濃度が濃いインクと薄いインクとでは、濃いインクの方が印刷媒体上に印刷された場合に目につく。よって、上記のように小さい方のドットを光学濃度が濃いインクで印刷することとすれば、位置ズレ検査用パターンに基づいて補正値を定める際に、定めやすい。
【0016】
また、ノズル群が、シアンインクを吐出するシアンノズル群と、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル群と、を含むカラーノズル群を備えている場合には、検査用第一パターンと検査用第二パターンのうち一方は、シアンノズル群を用いて比較的小さいインク滴で印刷され、検査用第一パターンと検査用第二パターンのうち他方は、マゼンタノズル群を用いて比較的大きいインク滴で印刷されることが好ましい。
【0017】
ドット位置のズレはイエローに比べてシアンとマゼンタにおいて目立つ。よって、上記態様のように、シアンとマゼンタで位置ズレ検査用パターンを印刷し、それらに基づいて位置ズレの補正値を決定すれば、ドット位置のズレが目立ちにくくカラー印刷に好適な補正値を簡単に定めることができる。また、シアンとマゼンタではシアンの方が目につくので、小さい方のドットをシアンとすれば、位置ズレ検査用パターンに基づいて補正値を定める際に、定めやすい。
【0018】
なお、印刷ヘッドは、インク量の異なる大インク滴、中インク滴および小インク滴の3種類のインク滴を吐出することが可能であり、ヘッド駆動制御部は、同一画素を狙う3種類のインク滴の吐出タイミングについて、往路と復路のいずれにおいても小インク滴の吐出タイミングを3種類のインク滴のうちの2番目に保つように前記駆動信号を生成するものである場合には、検査用第一パターンは、大インク滴と中インク滴の一方で印刷され、検査用第二パターンは、大インク滴と中インク滴の他方で印刷されることが好ましい。
【0019】
小ドットは画素中の専有面積が小さいため、吐出タイミングの先頭又は末尾に位置し、往路と復路で画素内の位置が入れ替わると、その位置の変動が目立ちやすい。しかし、この態様においては、小ドットを形成するインク滴は吐出タイミングの2番目に位置し、往路と復路で画素内の位置があまり変わらない。よって、往路と復路での小ドットの位置ズレが小さく、全体として画質を向上させることができる。さらに、この態様では、吐出タイミングの先頭と末尾に位置する大インク滴と中インク滴によって、位置ズレ検査用パターンが印刷され、それらに基づいて補正値が定められる。すなわち、往路と復路で画素内の並びが入れ替わる大インク滴と中インク滴を基準として補正値が定められるため、大インク滴と中インク滴についても、位置ズレを小さくすることができる。よって、上記の態様によれば、小インク滴、大インク滴、中インク滴のいずれについても、好適に位置ズレを軽減することができ、印刷結果の画質を向上させることができる。
【0020】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。(1)双方向印刷装置。
(2)双方向印刷方法。
(3)双方向印刷時の記録位置ズレの補正方法。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(6)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
A.印刷装置の構成:
B.主走査方向の記録位置ズレの補正の原理:
C.第1実施例:
D.第2実施例:
E.第3実施例:
F.その他:
【0022】
A.印刷装置の構成:
(1)印刷装置全体の構成
図1は、インクジェットプリンタ22を備えた印刷システムの概略構成図である。このプリンタ22は、紙送りモータ23によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ23,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0023】
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ23の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39とを備えている。
【0024】
図2は、制御回路40を中心としたプリンタ22の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
【0025】
(2)印刷ヘッドの構成
キャリッジ31(図1)には、黒インク(K)用のカートリッジ71とシアン(C),ライトシアン(LC)、マゼンタ(M),ライトマゼンダ(LM)、イエロ(Y)の6色のインクを収納したカラーインク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61ないし66が形成されており、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く導入管67(図3参照)が立設されている。キャリッジ31に黒(K)インク用のカートリッジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし66へのインクの供給が可能となる。
【0026】
図3はインク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示す説明図である。インク用カートリッジ71,72がキャリッジ31に装着されると、図3に示すようにインク用カートリッジ内のインクが導入管67を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66に導かれる。
【0027】
図4は、ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示した説明図である。キャリッジ31下部に設けられた各色のヘッド61ないし66には、各ノズル毎に、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。そして、図4上段に図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図4下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行われる。
【0028】
図5は、インク吐出用ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。これらのノズルの配置は、ブラック(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロ(Y)各色ごとにインクを吐出する6組のノズルアレイから成っており、それぞれ48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで一列に配列されている。
【0029】
プリンタ22は、図5に示した通り一定の径からなるノズルNzを備えているが、かかるノズルNzを用いてインク量の異なる2種類のインク滴を形成することができる。これは、ピエゾ素子PEを駆動する駆動波形を変えることで行うものであるが、具体的には、ピエゾ素子PEの駆動電圧を負にする際の変化率を変えたり、駆動波形のピーク電圧を変えることによって、一のノズルでインク量の異なるインク滴を形成することができる。
【0030】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送しつつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ(以下、主走査という)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成する。
【0031】
なお、ここでは、既に述べた通りピエゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリンタ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ素子以外の種々のものを利用することが可能である。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタイプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも可能である。そして、制御回路40の構成も、各吐出駆動素子に駆動信号を供給し、各ノズルから1以上のインク滴を選択的に吐出させることによって、各画素位置に、大きさの異なる複数種類のドットのうちの一つを選択的に記録するもので、主走査の往路と復路において、複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つように駆動信号を生成するものであれば、どのようなものでもよい。
【0032】
B.主走査方向の記録位置ズレの補正の原理:
以下で説明する記録位置ズレの補正の方法は、往路と復路におけるドットの記録位置のズレが目立たなくなるように、往路と復路におけるインク滴の吐出タイミングを往路全体又は復路全体で意図的にずらす、というものである。なお、往路と復路における主走査方向のドットの記録位置ズレの原因としては、上記着弾位置の反転のほか、インク滴の吐出速度のばらつきや、主走査方向の駆動機構のバックラッシュ、印刷媒体を下で支えているプラテンの反り等がある。
【0033】
図6は、テストパターンに基づいてズレ調整の補正値を決定する方法を示す説明図である。このテストパターンは、印刷ヘッド28を主走査方向に往復させて、その間に特定列のノズルに印刷媒体P上にドットを形成させて印刷したものである。まず、往路においては、印刷媒体P上に同一間隔の副走査方向の罫線を描くように、インク滴を吐出させている。図6において、上方寄りに形成されている、1〜8の番号をつけられた縦罫線が往路で印刷された罫線である。
【0034】
一方、復路では、同様に複数の縦罫線の印刷を行うが、図6に示すように、その縦罫線は、往路で印刷された縦罫線に対して副走査方向にずらして形成される。そして、復路では、「往路で記録された罫線上に重ねて同じ罫線を記録できるタイミング」を選択するために、種々のタイミングで、すなわちいくつかの印刷位置に、罫線の印刷を行う。この例では、復路において「理論上、同じ罫線を記録するはずのタイミング」でインク滴の吐出が行われるのは、左から4番目の罫線を描くときである。そして、左から3番目の罫線から左端の罫線の3本については、復路で形成する罫線が往路で形成した罫線に対して少しづつ左方向にずれるように、インク滴の吐出タイミングを遅くして印刷を行う。同様に、左から5番目の罫線から右端の罫線の4本については、復路で形成する罫線が往路で形成した罫線に対して少しづつ右方向にずれるように、インク滴の吐出タイミングを早くして印刷を行う。その結果、図6に示すようなテストパターンが印刷媒体P上に形成される。ここで、復路で印刷される1から8の罫線は、左端のものから順に、それぞれが対応する往路の罫線を基準として、一定の刻み幅で右の方にずれていくように形成されている。したがって、補正値はその刻みの整数倍で設定されることとなる。なお、この刻み幅は、印刷装置の各機構が可能である範囲で細かく設定することができる。この刻みを細かく設定すれば、より微妙な範囲で補正値を定めることができる。
【0035】
インク滴の吐出タイミングを理論値から前後に複数パターン変動させて、復路において罫線を印刷した結果、理論上は、左から4番目の罫線において往路と復路で描く罫線が一致するはずであるのに、現実には、図6に示すように、(理論上のタイミングから刻み幅二つ分だけインク滴の吐出タイミングを遅くした、)左から2番目の罫線において、往路と復路で描く罫線が一致していることがわかる。よって、左から2番目の罫線を描いた際のインク滴吐出タイミングで実際の印刷を行えば、同じ記録位置を狙って往路と復路でインクの吐出を行って、実際に同じ位置にドットを記録することができる。すなわち、このタイミングを補正値として記憶して、実際の印刷において使用すれば、記録位置を適正に補正することができる。
【0036】
なお、この補正方法においては、必ずしも図6で説明したようにノズル列のすべてのノズルを使って印刷を行う必要はない。すなわち、この補正方法においては、往路と復路で描いた罫線が同一直線上にあるかどうかがわかればいいので、その条件を満たす限り、ノズル列のうちの一部のノズルで罫線の印刷を行うこととしてもよい。たとえば、ノズル列の端部や中央部のノズルのみにインク滴を吐出させて、テストパターンを形成することとしてもよい。そのようにすれば、テストパターンの印刷に要するインクを節約することができる。また、テストパターンとしては、縦罫線では無く、間欠的にドットが記録されたような直線状のパターンを使用することも可能である。
【0037】
また、この補正方法においては、必ずしも図6で説明したように縦罫線について一部を重ねて前後にずらす必要はない。すなわち、罫線の一致の度合いが分かるものであれば、罫線の副走査方向の位置を一致させてもよい。また、罫線の副走査方向の位置を重ならないように完全に離すこととしてもよい。ただし、往路と復路の罫線の印刷位置を副走査方向にずらすことで、より罫線の一致の度合いの判別が容易となる。そして、往路と復路の罫線の印刷位置を完全に離すのではなく副走査方向について一部重ねることで、罫線の一致の度合いの判別がさらに容易となる。
【0038】
C.第1実施例:
(1)駆動信号発生部の構成及び処理:
図7は、ヘッド駆動回路52(図2)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図である。この駆動信号発生部は、複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路204は、インク吐出用ヘッド61のノズルn1〜n48をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応して設けられている。なお、図7において、各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。原駆動信号発生部206は、ノズルn1〜n48に共通に用いられる原駆動信号ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画素分の主走査期間内に、小ドットパルスW1と中ドットパルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号波形のタイミングを復路全体で前後にずらし、補正を行う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される。
【0039】
図7に示すように、入力されたシリアル印刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビットは、小ドットパルスW1と中ドットパルスW2とにそれぞれ対応している。そして、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとしてピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応するパルスを遮断する。
【0040】
図8は、図7に示す駆動信号発生部の動作を示すタイミングチャートである。印刷の際には、図8(a−1)に示すように、原駆動信号ODRVのパルスとしては、各画素区間T1,T2,T3において小ドットパルスW1と中ドットパルスW2がこの順に発生する。なお、「画素区間」は、一画素分の主走査期間と同じ意味である。前述したように、マスク回路204(図7)は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVのパルスをそのまま通過させ、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVのパルスを遮断する。従って、図8(a−3)に示すように、各画素区間におけるシリアル印刷信号PRT(i)の2ビットが”1,0”のときには小ドットパルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。また、”0,1”のときには中ドットパルスW2のみが一画素区間の後半で出力され、”1,1”のときには小ドットパルスW1と中ドットパルスW2の双方が出力される。
【0041】
なお、図8(a−3)に示す往路の駆動信号波形を見れば理解できるように、3種類のドットを記録するための3種類の駆動信号DRV(i)は、一画素区間にわたる駆動信号波形が互いに異なるように、すなわち、ノズルから吐出するインク滴の大きさと数の少なくとも一方が異なるように整形されている。すなわち、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形されている。
【0042】
これらの各ドットに対応した各駆動信号波形は、主走査の往路であっても復路であっても同じものが用いられる。すなわち、一画素区間内に1ノズルから吐出される小インク滴、中インク滴は、往路と復路で同じ順序及び時間間隔で吐出される。ただし、各駆動信号波形は、主走査の往路と復路で同じものが用いられるが、そのタイミングは、復路全体で駆動信号補正部230(図7)によって前後にずらされ、補正される。このタイミングの補正によって、復路全体でインク滴の着弾位置が意図的にずらされて、往路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正される。タイミングをどの程度ずらすかを定める補正値の決定の方法については後述する。
【0043】
(2)双方向印刷におけるドット位置ズレの発生:
図9は、複数種類のインク滴の駆動波形とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図である。図9(a)は、原駆動波形ODRVである。この原駆動波形ODRVの時間区間は、一つのノズルが主走査において印刷媒体上の一画素区間を通過するだけの時間区間に対応している。図9(b)〜(d)は、一画素内に小中大の各ドットを形成するための駆動波形である。いずれの波形についても各吐出駆動素子は、時間経過とともに波形の左から右に向かって、順にパルスに従ってインク滴の吐出を行う。右側の四角は印刷媒体上の一画素を示しており、その中の丸がインク滴により形成されるドットである。また、各画素の下の右向きの矢印は、印刷ヘッドの走査方向を示している。図9(b)は、小ドットを形成する小インク滴を吐出するための駆動波形である。小インク滴に対応するパルスW1は、一画素区間内の比較的早い時期に発生するため、小インク滴は、ヘッドの走査の向きに対して比較的後方(図9(b)の画素において左方)に着弾する。これに対して、中インク滴に対応するパルスW2は、一画素区間内の比較的遅い時期に発生するため、図9(c)に示すように、中インク滴は、ヘッドの走査の向きに対して比較的前方(図9(c)の画素において右方)に着弾する。そして、大ドットを形成する場合は、図9(d)に示すように、小インク滴と中インク滴をともに一画素内に着弾させるものであるが、吐出タイミングがずれていることから両者の重心位置はずれ、一画素内において中ドットと小ドットが重なり合って並ぶこととなる。これらのインク滴の種類ごとの着弾位置のズレは、二つのパルスW1とW2を有する原駆動波形ODRVをマスクして各インク滴の駆動波形DRV(i)を生成している以上、避けがたいものである。その結果、前述したように、図17(a)のようなドット位置ズレが発生することとなる。
【0044】
(3)複数種類のインク滴についての補正値決定の原理:
図10は、一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させて、図6のテストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式的な説明図である。実際には、一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させた場合には、図10のように小インク滴と中インク滴による縦罫線が2本づつペアで形成されるのではなく、大ドットによる縦罫線が1本づつ形成されることとなるが(図9(d))、ここでは説明の便宜のため、小インク滴による罫線と中インク滴による罫線とを離して表示する。また、図10においては、実線の縦罫線が、小インク滴による縦罫線を表しており、一点鎖線の縦罫線が、中インク滴による縦罫線を表している。本実施例においては、中インク滴が小インク滴の後に吐出されるため、中インク滴による縦罫線の方が小インク滴による縦罫線よりもヘッドの走査方向の前方に形成される。よって、図10の例では、主走査の往路においては、中インク滴による縦罫線が小インク滴による縦罫線に対して右側に形成され、復路においては、左側に形成される。なお、図10において中インク滴による縦罫線を一点鎖線で表しているのは、小インク滴による縦罫線との区別を容易にするためであり、実際に印刷媒体上に一点鎖線を印刷するわけではない。
【0045】
図10においては、小インク滴による縦罫線(実線による縦罫線)は、左から2番目の組において往路と復路で最もよく一致している。すなわち、小インク滴に関しては、左から2番目の縦罫線の組に基づいて定める補正値が最適な補正値である。一方、中インク滴による縦罫線(一点鎖線による縦罫線)は、左から6番目の組において最もよく一致している。すなわち、中インク滴に関しては、左から6番目の縦罫線の組に基づいて定める補正値が最適である。しかし、前述のように、どちらか一方のインク滴のみを基準として補正値を定めると、他方のインク滴に関しては位置ズレが大きくなってしまう(図17(b))。従って、小インク滴、中インク滴いずれについても均等に位置ズレが小さくなるような補正値を定めることが望ましい。そのような補正値を表す縦罫線の組は、本実施例においては、左から4番目の組である。この左から4番目の縦罫線の組においては、往路の小ドット罫線と復路の中ドット罫線、往路の中ドット罫線と復路の小ドット罫線とがよく一致している。そして、往路と復路で構成される(仮想的な)4本の罫線について、両端に位置する罫線の間隔が最も小さい。これは、実際の印刷においても、大ドットで形成される往路と復路の縦罫線の端から端までの幅(すなわち「線の太さ」+「ズレ幅」)が最も小さいことを意味する。したがって、実際の印刷において、この左から4番目の縦罫線の組に基づいて補正値を定めれば、もっとも位置ズレが目立たなくなる。
【0046】
また、復路の縦罫線は、左の罫線から右に行くにつれて、一定の刻みで往路の罫線に対して右の方に(すなわち、吐出タイミングが早くなるほうに)ずれるように形成されている。従って、左から2番目の罫線組と左から6番目の罫線組のちょうど中間に位置する左から4番目の罫線組は、左から2番目の罫線組に基づく補正値と左から6番目の罫線組に基づく補正値の平均値を表すものとなっている。
【0047】
この関係は、往路の罫線と復路の罫線の相対位置を一定の刻みでずらしていくものとすれば、他の任意の場合にも当てはまる。すなわち、一定の間隔を保って形成されるペアの縦罫線a,b(本実施例において小インク滴による縦罫線と中インク滴による縦罫線)が往路と復路で反転して形成される場合に、復路のペアの縦罫線のうちの一方aが往路の縦罫線aと一致する組(図10において小インク滴による縦罫線が一致する左から2番目の組)から、復路の縦罫線bが往路の縦罫線bと一致する組(図10において中インク滴による縦罫線が一致する左から6番目の組)までの間に、往路と復路のペアの縦罫線は、相対的に「ペアの縦罫線の間隔の2倍」だけずれることとなる。すなわち、それぞれに対応する補正値も、「ペアの縦罫線の間隔の2倍」に相当する分だけ異なっている。従って、両者の縦罫線の組の中間の相対位置関係にあり、その相対位置関係がどちらからも「ペアの縦罫線の間隔」だけずれている縦罫線の組が、両者に対応する補正値の中間の値(即ち平均値)に対応する縦罫線の組となる。また、復路の縦罫線のずらし方の刻み幅の都合などによって、両者のちょうど中間に相当する縦罫線の組が存在しない場合は、その中間の相対位置に最も近い相対位置の縦罫線の組が、最も両者の補正値の平均値に近い補正値に対応するものである。従って、上記手続きによれば、もっともよく一致している縦罫線の組を選び、対応する補正値を選択することで、各インク滴に最適な補正値の平均値を補正値として選択することができる。
【0048】
(4)本実施例の補正値の決定方法:
図11は、往路で小インク滴を吐出させ、復路で中インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の説明図である。補正値を定めるにあたっては、前述のように、「復路のペアの縦罫線のうちの一方が往路のペアの縦罫線の他方と最も近い」縦罫線の組を選べばいいのであるから、往路と復路の両方においてペアの縦罫線を両方形成する必要はない。すなわち、往路において縦罫線の一方を形成し、復路において縦罫線の他方を形成して、両者が最もよく一致する縦罫線の組を選べばよい。例えば本実施例では、往路で小インク滴を吐出させ、復路で中インク滴を吐出させて、図11のようなテストパターンを形成しても、同様に最適な罫線組として左から4番目の罫線の組を選択することができ、それに基づいて最適な補正値を定めることができる。「(2)補正値の決定方法」の冒頭で述べたように、実際には、一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させた場合には、小インク滴と中インク滴による縦罫線が2本づつペアで形成されるのではなく、大ドットによる縦罫線が1本づつ形成されることとなるのであるから、実際に小インク滴による縦罫線と中インク滴による縦罫線との一致の程度によって補正値を定めようとすれば、図11のように、往路において小インク滴と中インク滴の一方で縦罫線を形成し、復路において他方で縦罫線を形成することとなる。
【0049】
本実施例においては、ブラックノズル群(図5)を使用して、往路で小インク滴を吐出させ、復路で中インク滴を吐出させて、図11のようなテストパターンを形成する。その後、主走査方向の位置が最も近い縦罫線の組を選択し、その縦罫線の組に対応する補正値をブラックノズル群の補正値として採用する。その補正値は、コンピュータ90に接続されたキーボード、マウスなどの入力手段(図示せず)または操作パネル32(図2)から入力され、RAM44(図2)に格納される。そして、ヘッド駆動回路52(図2)は、モノクロ印刷において、RAM44に格納された補正値に基づいてドット位置ズレの補正を行う。具体的には、図7に示す駆動信号補正部230において、駆動信号DRV(i)を復路において全体に早くしたり遅くしたりすることによって、ドット位置ズレの補正を行う。ただし、ドット位置ズレの補正の方法はこれに限られるものではなく、原駆動信号発生部206において原駆動信号ODRVを全体として早くしたり遅くしたりすることによって、行うこととしてもよい。すなわち、補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する手段を備えるものとすればよい。
【0050】
(5)本実施例の効果:
本実施例によれば、吐出タイミングをずらさざるを得ない2種類のインク滴についてその着弾位置が主走査の往路と復路で反転する場合に、それらの着弾位置のズレを目立たなくするような、好適な補正値を簡単に定めることができる。すなわち、それぞれのインク滴について最適となる補正値の平均値を、2回のテストパターンの印刷および平均値を求める演算を行うことなく、簡単に求めて補正値とすることができる。
【0051】
なお、本実施例においては、復路で形成する縦罫線は、その並びの順に一定刻みで往路の縦罫線との相対位置を変えるものとしたが、本発明はそのような態様に限られるものではなく、「往路と復路の縦罫線との相対位置」と「復路の縦罫線の並び方」との関係はどのようなものであってもよい。ただし、並びの順に一定刻みで往路の縦罫線との相対位置を変えるものとすれば、最もよく一致している縦罫線の組を特定しやすい。
【0052】
また、本実施例においては、往路で小インク滴による縦罫線を形成し、復路で中インク滴による縦罫線を形成したが、往路で中インク滴による縦罫線を形成し、復路で小インク滴による縦罫線を形成することとしても、同様の効果が得られる。
【0053】
なお、本実施例においては、検査用第一パターンと検査用第二パターンは、縦罫線の集合としたが、検査用第一パターンと検査用第二パターンは、その態様に限られるものではない。すなわち、検査用第一パターンは、複数の第一要素パターンを含み、検査用第二パターンは、第一要素パターンにそれぞれ対応し、かつ、第一要素パターンに対してそれぞれ異なる相対位置に形成されている複数の第二要素パターンを含むものとすることができる。そして、補正値は、第一要素パターンと第二要素パターンとの主走査方向の位置の一致の程度に基づいて決定することができる。そのようにすれば、往路と復路で印刷される第一要素パターン、第二要素パターンがそれぞれ一画素内で主走査方向の反対側の端に着弾するインク滴で印刷されており、それらの要素パターンの相対位置の一致の程度に基づいて補正値を定めることとなる。このため、最もよく一致している要素パターンの組を選ぶことで、「一画素内で一端側に位置するドットに関して最適となる補正値」と「一画素内で他端側に位置するドットに関して最適となる補正値」の平均の値を、全体の補正値として定めることができる。そして、一画素内で一端に位置するドットと他端に位置するドットのそれぞれに関して最適となる補正値を求め平均値を演算することなく、直接それらの平均の値を全体の補正値として得ることができる。
【0054】
D.第2実施例:
第2実施例では、往路においてシアンノズルC(図5)からシアンインクの小インク滴を吐出させて縦罫線を形成し、復路においてマゼンタノズルM(図5)からマゼンタインクの中インク滴を吐出させて縦罫線を形成する。そして、そのようにして形成したテストパターンに基づいて補正値を決定し、その補正値に基づいてカラー印刷における双方向印刷の位置ズレ補正を行う。他の点は第1実施例と同様である。
【0055】
カラー印刷において使用されるシアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの各インク色の中では、シアン、マゼンタが濃色であり目に付きやすい。従って、ドット位置ズレについてもこれらのインクについて発生しているものが目立つこととなり、画質に大きな影響を与える。本実施例ではこの点に着目し、シアンとマゼンタでテストパターンを印刷している。このため、シアンとマゼンタのインク滴の着弾位置を基準として補正値が定められることとなり、ドット位置ズレが目立ちにくい好適な補正値を定めることができる。
【0056】
また、本実施例においては、小インク滴による縦罫線をシアンインクで形成している。シアンとマゼンタの比較では、シアンの方が目に付きやすいため、往路と復路で形成する縦罫線のうちでより細い方の縦罫線をシアンで形成することとすれば、往路と復路で最もよく一致している縦罫線の組を特定する際に、目視での特定がしやすい。
【0057】
なお、本実施例においては、往路でシアンインクの小インク滴による縦罫線を形成し、復路でマゼンタインクの中インク滴による縦罫線を形成したが、往路でマゼンタインクの中インク滴による縦罫線を形成し、復路でシアンインクの小インク滴による縦罫線を形成することとしても、同様の効果が得られる。また、本実施例では小インク滴をシアン、中インク滴をマゼンタとしたが、色の組み合わせはこれに限られるものではない。すなわち、検査用第一パターンと検査用第二パターン(本実施例において往路と復路でそれぞれ印刷する縦罫線)のうち一方は、光学濃度がより濃く比較的小さいインク滴で印刷し、他方は、光学濃度がより薄く比較的大きいインク滴で印刷することとすれば、同様に、縦罫線の組を特定する際に、目視での特定がしやすい。
【0058】
E.第3実施例:
(1)インク滴の駆動波形の生成と画素内での着弾位置:
本実施例は、第1実施例とは、駆動波形の形成の仕方、およびテストパターンの印刷の仕方が異なる。他の点は第1実施例と同様である。
【0059】
図12は、第3実施例の複数種類のインク滴の駆動波形とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図である。各要素が意味するものは図9と略同様である。第3実施例では、図12(a)に示す原駆動波形ODRVを使用して、大中小の各インク滴の駆動波形を生成する。原駆動波形は、中インク滴に対応するパルスW3、小インク滴に対応するパルスW4、大インク滴に対応するパルスW5をその順に有している。そして、小インク滴を吐出する駆動波形を生成する際には、図12(b)に示すように、原駆動波形ODRVのW4の両側のパルスをマスクして駆動波形を形成する。なお、図12(b)のW6の部分は、マスク回路がハイインピーダンス状態になると、ピエゾ素子がほぼ一定の電圧に保たれることを示している。このようになる理由は、ピエゾ素子がコンデンサとして機能するからである。また、中インク滴を吐出する駆動波形を生成する際にも、図12(c)に示すように、原駆動波形ODRVのW3の両側のパルスをマスクして駆動波形を形成する。大インク滴を吐出する駆動波形を生成する際には、図12(d)に示すように、W5に先立つパルスをマスクして駆動波形ODRVを形成する。本実施例においては、大中小の各ドットは、大中小の各インク滴によってそれぞれ形成される。大中小の各インク滴の吐出タイミングは、中インク滴、小インク滴、大インク滴の順に早いので、一画素内での着弾位置は、図12(b)〜(d)の右側に示すように、ヘッドの移動方向の後方から前方に向けて中インク滴、小インク滴、大インク滴の順になる。
【0060】
図13は、双方向印刷時に発生する複数種類のインク滴の主走査方向の着弾位置のずれを示す説明図である。図13においても格子で区切られた1つの矩形領域が一画素分の領域に相当する。ラスタラインL1,L3,L5は往路で記録され、ラスタラインL2,L4,L6は復路で記録される。前述のように第3実施例では、一画素内での各インク滴の着弾位置は、ヘッドの移動方向の後方から前方に向けて中インク滴、小インク滴、大インク滴の順になる。よって、主走査の往路と復路では、図13のように各インク滴の着弾位置、すなわち、各ドットの形成位置がずれることとなる。
【0061】
(2)第3実施例の補正値の決定方法:
図14は、一画素内に大中小の各インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式的な説明図である。実際には、一画素内に大中小の各インク滴を吐出させた場合には、図14のように縦罫線が3本づつ形成されるのではなく、太い縦罫線が1本づつ形成されることとなるが、ここでは説明の便宜のため、小インク滴による罫線と中インク滴による罫線とを離して表示する。また、図14においては、実線の縦罫線が小インク滴による縦罫線を表しており、一点鎖線の縦罫線が中インク滴による縦罫線を表している。そして、二点鎖線の縦罫線が大インク滴による縦罫線を表している。
【0062】
図14において、大中小の各インク滴による縦罫線が最もよく一致しているのは、左から5番目の組である。すなわち、左から5番目の組において、往路と復路で形成される6本の縦罫線の端から端までの幅が最も小さくなっている。第3実施例においては、大中小の各インク滴の吐出順序及び時間間隔は固定されているので、往路と復路で3本づつ印刷される罫線の互いの相対位置は固定的なものである。したがって、往復で形成される一組6本の罫線の一致の度合いを見るには、両端の大インク滴による罫線と中インク滴による罫線の一致の度合いを見ればよいことになる。すなわち、一画素内に3個以上のインク滴を吐出する場合にも、一画素内の両端に着弾する二つのインク滴に着目して罫線組を選択すれば、もっともドット位置ズレの目立ちにくい補正値を定めることができることとなる。
【0063】
図15は、往路で中インク滴を吐出させ、復路で大インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の説明図である。補正値を定めるにあたっては、前述のように、一画素内の両端に着弾する中インク滴と大インク滴による罫線が最も近い組を選べばいいのであるから、このようなテストパターンを印刷しても、図14の場合と同様に、左から5番目の罫線組を選択し、的確に補正値を定められる。実際には、一画素内に大中小の三つのインク滴を吐出させた場合には、各インク滴による縦罫線が3本づつ形成されるのではなく、太い縦罫線が1本づつ形成されることとなるのであるから、実際に中インク滴による縦罫線と大インク滴による縦罫線との一致の程度によって補正値を定めようとすれば、図15のように、往路において中インク滴と大インク滴の一方で縦罫線を形成し、復路において他方で縦罫線を形成することとなる。
【0064】
(3)第3実施例の効果:
本実施例のようにすれば、一画素内に3個以上のインク滴を着弾させる印刷装置においても、好適に補正値を定めることができる。
【0065】
なお、本実施例では、3種類のインク滴を中小大の順に吐出する印刷装置をあげたが、本発明はそのような態様に限られるものではなく、複数のインク滴を任意の順序で吐出する印刷装置に適用することができる。そのような印刷装置においては、複数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るインク滴によって検査用第一パターンを印刷し、複数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴によって検査用第二パターンを印刷することとすれば、同様の効果を得ることができる。また、その場合も、第2実施例に示したように、シアンインク滴とマゼンタインク滴によって検査用第一パターン、検査用第二パターンを印刷し、カラー印刷時の補正値を定めることもできる。
【0066】
F.その他:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0067】
(1)第2実施例では、カラー印刷の際には各色のノズル全部を一つの補正値に従って補正することとし、シアンインク滴とマゼンタインク滴に基づいて補正値を定めることとしたが、補正値は、独立にインク滴吐出タイミングの補正ができるノズル群毎に、独立に設定することがより好ましい。こうすれば、上述した実施例よりもさらに位置ズレを低減することが可能である。また、同一のインクを吐出するノズル列のグループ毎に補正値を独立に設定するようにしてもよい。例えば、特定のインクを吐出するノズル列が2組設けられている場合には、その2組のノズルに対しては同一の補正値を適用するようにしてもよい。
【0068】
(2)上記実施例では、復路の記録位置(または記録タイミング)を調整することによって位置ズレを補正していたが、往路の記録位置を調整することによって位置ズレを補正するようにしてもよい。また、往路と復路の記録位置の両方を調整することによって位置ズレを補正するようにしてもよい。すなわち、一般には、往路と復路の記録位置の少なくとも一方を調整することによって位置ズレを補正するようにすればよい。
【0069】
(3)上記実施例では、インクジェットプリンタについて説明したが、本発明はインクジェットプリンタに限らず、一般に、印刷ヘッドを用いて印刷を行う種々の印刷装置に適用可能である。
【0070】
(4)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0071】
(5)上記各実施例では特に説明を省略していたが、1回の主走査では各ラスタライン上のすべての画素を記録してもよく、また、各ラスタライン上の一部の画素を記録してもよい。後者の場合には、1ラスタライン上の一部の画素を往路で記録し、他の画素を復路で記録するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタ22を備えた印刷システムの概略構成図。
【図2】制御回路40を中心としたプリンタ22の構成を示すブロック図。
【図3】インク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示す説明図。
【図4】ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示した説明図。
【図5】インク吐出用ヘッド61〜66におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図。
【図6】テストパターンに基づいてズレ調整の補正値を決定する方法を示す説明図。
【図7】第1実施例において制御回路40(図1)内に設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図。
【図8】図7に示す駆動信号発生部の動作を示すタイミングチャート。
【図9】複数種類のインク滴の駆動波形とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図。
【図10】一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式的な説明図。
【図11】往路で小インク滴を吐出させ、復路で中インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の説明図。
【図12】第3実施例の複数種類のインク滴の駆動波形とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図。
【図13】双方向印刷時に発生する複数種類のインク滴の主走査方向の着弾位置のずれを示す説明図。
【図14】一画素内に大中小の各インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式的な説明図。
【図15】往路で中インク滴を吐出させ、復路で大インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の説明図。
【図16】双方向印刷時に発生するインク滴の主走査方向の着弾位置のズレの発生とその補正方法を示す説明図。
【図17】複数種類のインク滴を吐出する場合に、小インク滴を基準として吐出タイミングを補正した場合の印刷結果を示す説明図。
【符号の説明】
22…カラープリンタ
23…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…インク吐出用ヘッド(印字ヘッド)
31…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置検出センサ
40…制御回路
41…CPU
43…PROM
44…RAM
45…キャラクタジェネレータ(CG)
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
61〜66…インク吐出用ヘッド
67…導入管
68…インク通路
71,72…インク用カートリッジ
90…コンピュータ
204…マスク回路
206…原駆動信号発生部
230…駆動信号補正部

Claims (12)

  1. 主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    複数のノズルからなるノズル群と、前記複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子と、を有し、前記印刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐出可能な印刷ヘッドと、
    前記各吐出駆動素子に駆動信号を供給して、前記各ノズルから前記1以上のインク滴を選択的に吐出させることによって、各画素位置に、複数種類のドットのうちの一つを選択的に記録するヘッド駆動制御部と、
    往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを補正するための補正値を格納するメモリと、
    前記補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正するための位置ズレ補正実行部と、
    を備え、
    前記ヘッド駆動制御部は、主走査の往路と復路において、前記複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つように前記駆動信号を生成し、
    前記補正値は、前記複数種類のインク滴のうちで、往路と復路のうちの一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体上に印刷される検査用第一パターンと、前記複数種類のインク滴のうちで、前記一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の他方で印刷媒体上に印刷される検査用第二パターンと、を含む位置ズレ検査用パターンの中から選択された特定の補正状態を示す補正情報に従って決定され
    前記検査用第一パターンは、複数の第一要素パターンを含み、
    前記検査用第二パターンは、前記第一要素パターンにそれぞれ対応し、かつ、前記各第一要素パターンに対して主走査方向についてそれぞれ異なる相対位置に形成される複数の第二要素パターンを含み、
    前記特定の補正状態は、互いに対応する前記第一要素パターンと前記第二要素パターンが主走査方向について最もよく一致している状態である、双方向印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記複数種類のドットは、互いに大きさの異なるドットである、双方向印刷装置。
  3. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ヘッド駆動制御部は、
    N(Nは2以上の整数)種類のドットを形成することを示す印刷信号のN個の異なる値に応じて一画素分の主走査期間内における前記駆動信号の波形を互いに異なるN種類の形状に整形可能である駆動信号発生部を備え、
    前記駆動信号発生部は、
    前記複数の吐出駆動素子のために共通に使用され、一画素の主走査期間内に前記複数種類のインク滴に対応する複数のパルスを有する原駆動信号を生成する原駆動信号生成部と、
    前記印刷信号のN個の異なる値に応じて前記原駆動信号を整形することによって、前記各吐出駆動素子に供給する駆動信号を生成する信号整形部と、
    を備える、双方向印刷装置。
  4. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ノズル群は、
    光学濃度が比較的濃いインクを吐出する濃色ノズル群と、光学濃度が比較的薄いインクを吐出する淡色ノズル群と、を備えており、
    前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのうち一方は、前記濃色ノズル群を用いて比較的小さいインク滴で印刷され、
    前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのうち他方は、前記淡色ノズル群を用いて比較的大きいインク滴で印刷される、双方向印刷装置。
  5. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ノズル群は、
    シアンインクを吐出するシアンノズル群と、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル群と、を含むカラーノズル群を備えており、
    前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのうち一方は、前記シアンノズル群を用いて比較的小さいインク滴で印刷され、
    前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのうち他方は、前記マゼンタノズル群を用いて比較的大きいインク滴で印刷される、双方向印刷装置。
  6. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドは、インク量の異なる大インク滴、中インク滴および小インク滴の3種類のインク滴を吐出することが可能であり、
    前記ヘッド駆動制御部は、同一画素を狙う前記3種類のインク滴の吐出タイミングについて、往路と復路のいずれにおいても小インク滴の吐出タイミングを前記3種類のインク滴のうちの2番目に保つように前記駆動信号を生成し、
    前記検査用第一パターンは、大インク滴と中インク滴の一方で印刷され、
    前記検査用第二パターンは、大インク滴と中インク滴の他方で印刷される、双方向印刷装置。
  7. 複数のノズルからなるノズル群を有し印刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置において、往路と復路における主走査方向のインク滴の記録位置のズレを補正する方法であって、
    (a)前記複数種類のインク滴のうちで、往路と復路のうちの一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体上に検査用第一パターンを印刷する工程と、
    (b)前記複数種類のインク滴のうちで、前記一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の他方で印刷媒体上に検査用第二パターンを印刷する工程と、
    (c)前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンとを含む位置ズレ検査用パターンの中から選択された特定の補正状態を示す補正情報に従って、補正値を決定する工程であって、
    前記検査用第一パターンは、複数の第一要素パターンを含み、
    前記検査用第二パターンは、前記第一要素パターンにそれぞれ対応し、かつ、前記各第一要素パターンに対して主走査方向についてそれぞれ異なる相対位置に形成される複数の第二要素パターンを含み、
    前記特定の補正状態は、互いに対応する前記第一要素パターンと前記第二要素パターンが主走査方向について最もよく一致している状態である、工程と、
    (d)前記補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する工程と、
    を備えることを特徴とするインク滴の記録位置の補正方法。
  8. 請求項7記載の補正方法であって、
    前記工程(a)、(b)および(d)は、印刷時に、
    (e)前記複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子に、駆動信号を供給する工程と、
    (f)前記駆動信号の供給に先立って、N(Nは2以上の整数)種類のドットを形成することを示す印刷信号のN個の異なる値に応じて、一画素分の主走査期間内における前記駆動信号の波形を互いに異なるN種類の形状に整形する工程と、を含み、
    前記工程(f)は、
    (f1)前記複数の吐出駆動素子のために共通に使用され、一画素の主走査期間内に前記複数種類のインク滴に対応する複数のパルスを有する原駆動信号を生成する工程と、
    (f2)前記印刷信号のN個の異なる値に応じて前記原駆動信号を整形することによって、前記各吐出駆動素子に供給する駆動信号を生成する工程と、を含むインク滴の記録位置の補正方法。
  9. 請求項7記載の補正方法であって、
    前期工程(a)は、光学濃度が比較的濃く比較的小さいインク滴と、光学濃度が比較的薄く比較的大きいインク滴と、のうちの一方で、前記検査用第一パターンを印刷する工程を含み、
    前期工程(b)は、光学濃度が比較的濃く比較的小さいインク滴と、光学濃度が比較的薄く比較的大きいインク滴と、のうちの他方で、前記検査用第二パターンを印刷する工程を含む、インク滴の記録位置の補正方法。
  10. 請求項7記載の補正方法であって、
    前記ノズル群は、シアンインクを吐出するシアンノズル群と、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル群と、を含むカラーノズル群を備えており、
    前期工程(a)は、比較的小さい前記シアンインクのインク滴と、比較的大きい前記マゼンタインクのインク滴と、のうちの一方で、前記検査用第一パターンを印刷する工程を含み、
    前期工程(b)は、比較的小さい前記シアンインクのインク滴と、比較的大きい前記マゼンタインクのインク滴と、のうちの他方で、前記検査用第二パターンを印刷する工程を含む、インク滴の記録位置の補正方法。
  11. 請求項7記載の補正方法であって、
    前記工程(a)、(b)および(d)は、印刷時に、
    (e)前記複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動素子に、インク量の異なる大インク滴、中インク滴および小インク滴の3種類のインク滴を吐出させるための駆動信号を供給する工程を含み、
    前記工程(e)は、同一画素を狙う前記3種類のインク滴の吐出タイミングについて、往路と復路のいずれにおいても小インク滴の吐出タイミングを前記3種類のインク滴のうちの2番目に保つように前記駆動信号を生成する工程を含み、
    前記工程(a)は、さらに、大インク滴と中インク滴の一方で、前記検査用第一パターンを印刷する工程を含み、
    前記工程(b)は、大インク滴と中インク滴の他方で、前記検査用第二パターンを印刷する工程を含む、インク滴の記録位置の補正方法。
  12. 複数のノズルからなるノズル群を有し印刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置を備えたコンピュータにおいて、往路と復路における主走査方向のインク滴の記録位置のズレの補正を行わせるためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
    (a)前記複数種類のインク滴のうちで、往路と復路のうちの一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体上に検査用第一パターンを印刷する機能と、
    (b)前記複数種類のインク滴のうちで、前記一方の主走査において一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の他方で印刷媒体上に検査用第二パターンを印刷する機能と、
    (c)前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンとを含む位置ズレ検査用パターンの中から選択された特定の補正状態を示す補正情報に従って、補正値を決定する機能であって、
    前記検査用第一パターンは、複数の第一要素パターンを含み、
    前記検査用第二パターンは、前記第一要素パターンにそれぞれ対応し、かつ、前記各第 一要素パターンに対して主走査方向についてそれぞれ異なる相対位置に形成される複数の第二要素パターンを含み、
    前記特定の補正状態は、互いに対応する前記第一要素パターンと前記第二要素パターンが主走査方向について最もよく一致している状態である、機能と、
    (d)前記補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する機能と、
    を実現させるための、コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
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