JP5328702B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置に関し、詳しくは、着弾位置のずれを補正する手段を具えるインクジェット記録装置に関する。
近年のインターネットやデジタルカメラの普及などに伴い、インクジェット記録装置で手軽に写真調のカラー印刷をしたいという需要も高まってきている。インクジェット記録装置において、高精細で、階調性ある高品位画像を達成する方法としては、以下のものが考えられる。
まず第一の方法として、インクを吐出させるノズル密度を高め、そのノズルから吐出させたインクで小さなドットを記録して、解像力アップを図るというものが挙げられる。
次に第二の方法として、ノズル密度は従来と同じで、一つの色インクに対して濃インクを吐出するヘッドと淡インクを吐出するヘッドを複数(最低2つ以上)用意して、必要に応じて重ね打ちを行い、それにより階調性をもたせ、品位をあげるというものが挙げられる。
さらに、第三の方法として、インクを吐出させるノズル密度は、従来と同じくらいであるが、そのノズルから吐出させたインク量を可変にして小さなドットから大きなドットまでを自在に記録し、階調性をもたせて品位をあげるというものが挙げられる。
ところで、インクジェット記録装置は、記録ヘッドに配列された複数の吐出口よりインクを吐出して記録を行うものである。このインクの吐出方法として、熱エネルギー発生素子によってインク中に気泡を形成し、この気泡の生成圧力でインクを吐出させる方式がある。一般に、この吐出方式では、高品位画像を達成する上で、前記第三の方法を行うのは困難であると言われている。したがってこの吐出方式に対しては、第一または第二の方法が有力である。
しかしながら、第二の方法は、一つの色インクに対し、階調が異なる複数の記録ヘッドを設けるものであるが、三階調以上でそれぞれヘッドを設けると、使用するヘッド数が増えてしまいかなりコストがかかってしまう問題がある。そこで、実際には1つの色インクに対して濃淡2階調の2つのヘッドが一般的である。そのため、ノズル密度を高めずに高画質化を追求するには限界がある。
一方、第一の方法は、ひとつのノズルから非常に小さなインク滴を吐出させて記録を行うので、コスト増などの問題もなく、高画質化を追求する上で有効な方法である。このような小さな液滴(吐出体積で10pl以下)を吐出させるには、インクの膜沸騰によって発生する気泡を、吐出口近傍で外気に連通させて吐出を行うインクジェット記録方式(以下、この方式をバブルスルー方式とも言う)が用いられる(例えば、特許文献1、2、3参照)。
これに対して、インクの膜沸騰による気泡を、吐出口近傍で外気に連通させないで吐出を行うインクジェット記録方式は非連通バブルジェット(登録商標)方式と呼ばれている。非連通バブルジェット(登録商標)方式を用いて、吐出されるインク滴を小さくしようとすればするほど、そのインク滴が吐出される吐出口に連通する液流路を細くする必要が生じ、吐出効率が低下し、吐出速度が低下してしまう。吐出速度が低下すると、吐出方向が不安定化するとともに、ヘッド休止時のインク水分の蒸発による増粘化の影響で吐出不安定化、初期吐出不良等が発生し、信頼性に問題が生じやすい。したがって、吐出インクの小液滴化には適さない。
一方、上述の気泡が大気と連通するバブルスルー方式は、非連通BJ方式で挙げたような問題は発生せず、小液滴を吐出するのに適している。またこのBTJ方式は、インクジェットヘッドから吐出される液滴がノズルの幾何学的形状のみできまるため温度などの影響をうけにくく、ヘッドから吐出される液滴の吐出量が従来のBJに比べて非常に安定しているという利点がある。
特開平4−10940号公報 特開平4−10941号公報 特開平4−10742号公報
記録画像の高画質化の要求とともに、近年、記録時間の高速化も要求されている。この高速化を実現するためには、インク吐出口からインク滴を短周期で繰り返し吐出させる必要がある。また、シリアルタイプのインクジェット記録装置においては、記録ヘッドを搭載するキャリッジも、ヘッドの応答周波数に同期して高速で移動することが必要である。
さらに、図9に示すような棒グラフの塗りつぶし部分、即ち「ベタ印刷部分(以下、「ベタ部」とも言う)」は、連続して繰り返し吐出動作を行うことになる。上述したように、高画質化を実現するために小液滴での吐出を行った場合、各吐出口からインクの非常に小さな液滴を繰り返して吐出することになり、以下の理由から画像中にスジが発生するという問題がある。
ベタ部を記録する場合、記録ヘッドのノズルは全て高応答周波数で駆動される。ここで、ノズルがインク滴を吐出すると、吐出インク滴周囲のある粘性を持つ空気がインク滴とほぼ同じ方向へ動くことになる。そうすると、ノズル列全体の空気がインク滴と同じ方向に動くようになり、ノズル面と記録媒体との間の空間は減圧状態になる。そのために、吐出インク滴周囲以外の空気は、減圧されている方向へ移動するようになり、ノズル列の中央に向かう気流が発生する。
図10(a)は発生する気流の影響を受けた各ノズルの吐出方向を示す模式図である。
図に示すように、ノズル列の端部付近は、周辺の空気がノズル列側へ移動しようとする気流の影響を受けて、吐出方向がノズル列中央に向かって曲がっている。したがって、このような気流の影響を受けている状態では、ノズル列の端部側にある数ノズルから吐出されたインク滴は所定の着弾位置よりも中央側にずれた位置に着弾することになる。
図10(b)は、記録ヘッドの第n回目の走査とn+1回目の走査のつなぎ目の部分の記録結果を拡大した模式図である。
各ノズルが繰り返して高応答周波数で駆動され、上述の気流が発生しているので、ノズル列端部のノズルが所定方向よりも内側に内射され、着弾位置がずれた結果、各走査のつなぎ目部分ですきまが発生し、それがスジとなっている。
図12は、気流の影響を受けた状態の吐出方向を示すイメージ図である。
ノズル列の端部側のノズルほど、吐出方向が大きく内側に曲がりこみ、着弾位置が内側にずれているのが分かる。さらに、吐出する液滴が小液滴であるほど、周囲の気流の影響を受けやすく、このような現象が発生しやすい。
このようなスジを防ぐため、インクの吐出量を増やすと、ベタ印刷部分なので、記録媒体からのインクがあふれたり、記録媒体がインクを吸収することによるうねる現象が発生して記録画像が劣化する場合がある。また、高精細、高解像度の画像形成においては、粒状性を低減することや細線の再現が重要なため、できるだけ1つのドット径が小さいことが求められていることからも吐出量を増やすことは好ましくない。
また、インク滴を繰り返し吐出させる周期を長くすれば、気流の発生は緩和されるが、記録スピードが遅くなってしまい、高速にプリントアウトするというユーザの要求に応えることができない。
このような問題を解決するべく、予め、ノズル列端部の吐出方向のずれを考慮して、ノズル列端部の熱エネルギー発生手段の配列間隔を、前記ノズル列中央部の配列間隔より広げた記録ヘッドを用いて、紙面でのインク着弾位置を補正するというものも考えられている。
しかしながら、ノズル列端部のずれ具合は、連続してノズルから吐出させる場合においても、単位時間あたりに吐出するノズル数が多いほど発生しやすく、また大きくずれる。例えば、同じベタ画像を記録する場合においても、高画質な仕上がりを求めるモードでは、同一領域を4パスで完成させるため、単位時間あたりに吐出するノズル数は1パスで完成させる時の4分の1となる。一方、画質よりもむしろ高速記録を求めるモードでは、同一領域を1パスもしくは2パスで完成させるため、2パスで完成させる時には単位時間あたりに吐出するノズル数は1パスで完成させる時の2分の1となる。したがって、上記4パスで完成させるモードでの記録結果に合わせて、ノズル列端部の熱エネルギー発生手段の配列間隔を補正して配置すると、このモードとは異なる条件での駆動の場合、例えば、2パス記録など高速で記録する場合には補正値以上のずれが発生して白スジが発生する場合がある。言いかえると、1スキャンでの単位面積あたりの打ち込み量が多いほど、ノズル列端部のズレは発生しやすく、そのズレ具合は大きくなり、所定の打ち込み量でのズレ幅を基準にして熱エネルギー発生手段の配列間隔を決定すると、所定の打ち込み量以上のドット打ち込みが行われると、ズレ具合が補正値を上回り、白スジが発生する。
本発明は、これらの問題点を解決するものであり、録画像におけるスジを軽減することのできるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、複数の吐出口が配列された吐出口列を備えた記録ヘッドを用いて、記録媒体の所定領域に対するN(Nは2以上の整数)回の走査により前記所定領域の記録を完成させる第1モードによる記録と、前記所定領域に対するM回の走査(Mは整数且つM>N)により前記所定領域の記録を完成させる第2モードによる記録が可能なインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの各走査において複数の前記吐出口から吐出されるインクの単位面積あたりの打ち込み許容量を設定するためのマスクパターンであって、前記第1モードを実行する場合には第1マスクパターンを用い、前記第2モードを実行する場合には前記吐出口列の配列方向の中央部に位置する吐出口からの打ち込み許容量に対する前記吐出口列の配列方向の端部に位置する吐出口からの打ち込み許容量の割合が前記第1マスクパターンにおける前記割合よりも高い第2マスクパターンを用いることを特徴とする。
以上のように、本発明を用いることにより、吐出口の配列方向両端部に位置する吐出口は、吐出頻度が高まるにつれて、中央部に内射するようになるが、吐出頻度を変えるので、内射の度合いを小さく抑えられ、着弾位置のズレ量を配列間隔による補正範囲内に留められる。よって、録画像におけるスジを軽減することができる。
また、配列方向両端部に位置する吐出口は、配列方向中央部に位置する吐出口よりも吐出口径を大きくすることによって、着弾精度が悪い記録ヘッドであっても、着弾位置のばらつきを目立たないようにすることができる。
本発明の実施形態にかかるインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 ヘッドカートリッジの外観を示す分解斜視図である。 図2に示したヘッドカートリッジにおける記録ヘッドの部分の斜視図である。 図3に示した記録ヘッドの主要部の概略構造を示す破断斜視図である。 図4に示した記録ヘッドの吐出口及び電気熱変換体の配列状態を示す破断平面図であって、セグメント番号が0〜23の部分の吐出口を示す。 図4に示した記録ヘッドの吐出口及び電気熱変換体の配列状態を示す破断平面図であって、セグメント番号が232〜255の部分の吐出口を示す。 図5及び6の記録ヘッドを簡略化した模式図である。 本実施形態におけるマスクパターンを示す概念図であり、(a)は4パス記録の時に用いるパターンであり、(b)は2パス記録の時に用いるパターンである。 白スジが発生した例を示す図である。 (a)は吐出方向がよれる気流を示す模式図であり、(b)は吐出方向がよれることによって発生するスジ部分を拡大した模式図である。 白スジが発生していない記録結果のn回目の走査とn+1回目の走査の境界部分を示す図である。 吐出方向がよれる様子を示す模式図である。
本発明の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
本発明を適用した実施形態の一例として、インクジェット記録装置を挙げ、以下に説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態におけるインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。
図2はヘッドカートリッジの分解斜視図である。
インクジェット記録装置は、記録媒体を装置内部へ自動的に給送する記録媒体給送部11と、この記録媒体給送部11から一枚ずつ給送される記録媒体を所望の記録位置へ導くとともにこの記録位置から記録媒体排出部12へと記録媒体を導く記録媒体搬送部13と、記録位置に搬送された記録媒体に所定の記録動作を行う記録部と、この記録部に対して回復処理を行うヘッド回復部14とを具えている。
記録部は、キャリッジ軸15に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ16と、このキャリッジ16にヘッドセットレバー17を介して着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジ18とからなる。
ヘッドカートリッジ18が搭載されるキャリッジ16には、このヘッドカートリッジ18の記録ヘッド19をキャリッジ16上の所定位置に位置決めするためのキャリッジカバーと、ヘッドセットレバー17とが設けられている。
図3は記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
また、記録ヘッド19とキャリッジ16との別の係合部にはコンタクトフレキシブルケーブル(以下「コンタクトFPC」とも言う)22の端部が連結され、このコンタクトFPC22と記録ヘッド19の外部信号入力端子であるコンタクト部23とが電気的に接触し、各種記録情報の授受や電力供給などを行うようになっている。
また、ヘッドカートリッジ18は、インクを貯留するインクタンク24と、このインクタンク24から供給されるインクを記録媒体に対し吐出する記録ヘッド19とを有している。本実施形態の記録ヘッド19はキャリッジ16に対し着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式のものであるが、本発明はこれに限らずいかなる形態のものであってもよい。
本実施形態では、搭載するインクは黒、淡シアン、淡マゼンタ、シアン、マゼンタ、イエローの6種類であるが、本発明はこれに限らず、4種類構成であってもよい。
図1に戻り、このようなヘッドカートリッジ18を記録ヘッド19の吐出口面が記録媒体と対峙するようにキャリッジ16に設置し、このキャリッジ16がキャリッジ軸15に沿って走査する際に、記録ヘッド19からインクを吐出して行う記録動作と、キャリッジ16が一方端まで移動すると所定量だけ記録媒体を搬送させる紙送り動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体全体に記録を行うことができる。
次に記録ヘッド19の構成について説明する。
図4は、記録ヘッドの概略構造を示す破断斜視図である。
記録ヘッド19は記録素子基板27、電気配線基板28、上述のタンクホルダ21などから構成されている。記録素子基板27は、厚さが0.5mm〜1mmのシリコン基板の上に成膜技術を用いて吐出エネルギー発生部、共通インク室32、インク路34、吐出口25などを形成したものである。各吐出口25には対応するインク路34に電気熱変換体30が設けられており、この電気熱変換体30の発熱によってインク路34内のインクが沸騰し、発生する気泡の生成圧力によってインクが各吐出口25より吐出される。この吐出口25および対応するインク路34部分を合わせて、ノズルと言い、本実施形態におけるノズル配置の詳細について以下に説明する。
図5は、図4に示す記録ヘッドのノズル配置を示す断面図である。
図4および図5に示すように、1つのチップあたり、ノズルは中央の共通インク室32を挟んで、二列に並んでおり、各列のノズルは隣の列のノズルと互い違いになるように配置されている。図5に示すように、各ノズルにはセグメント番号が設けられており、端部から順に、一方列は奇数番号が、他方列は偶数番号が付けられている。偶数番号側を「偶数SEG列」と言い、奇数番号側を「奇数SEG列」と言う。本実施形態の記録ヘッドは、サイドシュータータイプのものである。
偶数SEG列(SEG0,2,4、…,252,254)、奇数SEG列(SEG1,3,5、…,253,255)は共にノズル密度は600dpiで、偶数seg列奇数seg列合わせて1200dpiであり、SEG0とSEG1間隔は21μmである。インク供給口の端部(分岐位置)から電気熱変換体30までの距離はすべて等しい。電気熱変換体は全てのノズルで同一サイズであり、24μmの正方形である。吐出口サイズは直径18μmの円形である。一回の吐出量は4.5plである。
本実施形態の記録ヘッドでは、ノズル列端部のインク滴の吐出方向が中央部分によれることを考慮して、ノズル列端部の電気熱変換体の配置間隔を中央部分と次のように異ならせている。
上端部ノズルの偶数SEG列においては、SEG0と2、SEG2と4、…、SEG16と18、SEG18と20の間隔d2は、600dpiピッチ間隔より2μm広い44.3μmとする。奇数SEG列も同様にSEG1と3、SEG3と5、…、SEG19と21の間隔d2は、600dpiピッチ間隔より2μm広い44.3μmとする。そして、偶数SEG列のSEG20から234、奇数SEG列のSEG21から235までの各電気熱変換体間の間隔d1は600dpiピッチ間隔、即ち42.3μmで配列されている。
図6を参照して、下端部ノズルも同様に偶数SEG234から254、奇数SEG235から255までの各電気熱変換体間の間隔d2は、600dpiピッチ間隔より2μm広い44.3μmである。
したがって、SEG0と1、254、255は本来600dpi間隔で並んでいるときのヒータ位置よりも20μm余計に遠ざかる方向にずれていることになる。同様に、SEG2、3、252、253は18μm、SEG4、5、250、251は16μm、…、SEG18、19、236、237は2μmずれている。
本発明の発明者が、すべての電気熱変換体の配列間隔が同一な記録ヘッド、即ち、間隔d1=d2=42.3μmとした記録ヘッドを用いて記録を行ったところ、以下のことがわかった。
ベタパターンを記録した場合、図10(b)の白スジの間隔Dは40μm程度であり、最外ノズルの理想着弾点からのよれ量(Y方向)は半分の20μm程度である。さらにベタパターンに対し1スキャンでの単位面積あたりの打ち込み量を1/4にすると、最外ノズルの理想着弾点からのよれ量(Y方向)は10μm程度である。なお、記録装置本体と記録ヘッドの吐出面の間隔は1.7mmで実験を行っている。この結果から、1スキャンでの単位面積あたりの打ち込み量が少ないほど、理想着弾点からのよれ量は少なくなることが分かる。
図7は、図5及び6の記録ヘッドを簡略化した模式図である。簡略のためノズルは14ノズルで端部2ノズルのヒータ配列間隔d2は、中央部ノズル間隔d1より2μm広がっている。なお、キャリッジの走査スピードは12.5inch/sとする。
上述の発明者が行った検証から、ノズル間隔が均一な記録ヘッドにおける最外ノズルのよれ量は4パス記録で10μm程度である。一方、本実施形態の記録ヘッド(図5,6参照)は、ノズル列の両端部のヒータ配列間隔を広げており、一番外側のノズルSEG0,1,254,255は、ノズル間隔が均一な記録ヘッドに比べて20μmずれていることになる。したがって、この記録ヘッドで4パス記録でベタ画像を記録すると、仮に端部ノズルが内射しても、ノズル間隔が外方向に広がっているので、内射による着弾位置のずれを相殺し、図7に示す着弾結果となる。よってn回目のキャリッジ操作のつなぎ目部分にも、図11で見られるようなスジのない画像が得られる。
図8(a)は4パス記録用のマスクパターンを用いて4パス記録する際の各パスの打ち込みデュ−ティを示す概念図である。
上述したように、ノズル間隔の外方向の広がりによって、吐出時の内射による着弾位置のずれが相殺されるので、ノズル列の端部、中央部の区別なく、均一に4分割するマスクパターンを用いればよい。即ち、各スキャンの打ち込み量はそれぞれ全体の25%とする。
しかしながら、上述の発明者が行った検証からも明らかなように、1スキャンでの打ち込み量が全体の25%以上となると、さらに端部ノズルの理想着弾位置からのずれ量は大きくなる。2パス記録のような高速記録の場合、1スキャンに吐出される単位面積あたりのインク打ち込み量が増加する為、電気熱変換体配列をずらした量と着弾位置の端よれ量に差が発生してしまい、図10(b)のような白スジが発生してしまう。
そこで、本実施形態では、このような白スジを防止するために、高速記録時には4パス記録時とは異なるマスクパターンを用いて記録する。
図8(b)は高速記録(2パス記録)用のマスクパターンを用いて2パス記録する際の各パスの打ち込みデュ−ティを示す概念図である。
0〜255ノズルを2分割すると、0〜127ノズルと128〜255ノズルとなる。1スキャン目は、128〜255ノズルのみを用いて記録を行う。2スキャン目は、0〜127ノズルを用いて2パス目のパターンで記録を行い、128〜255ノズルを用いて1パス目のパターンで記録を行う。マスクパターンから分かるように、端部ノズルとなる0〜31ノズルと、234〜255ノズルの打ち込み量は25%デューティとなる。
例えば、234〜255ノズルの打ち込み量を25%デューティで打ち込んだ領域は、次のスキャンで、96〜127ノズルが打ち込み量75%デューティで打ち込むことにより、画像が完成する。即ち、比較的ズレ量の少ない中央部分のノズルで多く打ち込み、ズレ量が大きい端部のノズルは25%以下のデューティで打ち込むとずれが発生しにくくなる。
このように、1スキャンの単位面積あたりの打ち込み量が増加する高速記録時では、端部のノズルの1スキャンでの打ち込み量が25%以下となるようなマスクパターンを用いることにより、端ヨレを抑制することができる。
上述のように、記録モード(画質重視/速度重視)や記録方法(4パス/2パス)に応じて、用いるマスクパターンを選択することにより、常に端ヨレのない良好な記録結果を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、ノズルの配置間隔をノズル列端部においては中央部よりも広めの間隔とした記録ヘッドを用いて、記録モード(画質重視/速度重視)等によってマスクパターンを使い分けるものを説明した。しかしながら、記録ヘッドによって、着弾精度がよいもの、悪いものがあり、着弾精度の悪いヘッドは、端部ノズルが内射するだけでなく、各ノズルの吐出方向にぶれがあるために、着弾位置が左右にずれる場合がある。
そこで、本実施形態では、このような吐出精度の悪い記録ヘッドにおいては、端部ノズル(SEG0と2、2と4、…、16と18、SEG1と3、3と5、…、17と19、SEG238から254、SEG239から255)の吐出口サイズを中央部の吐出口に比べて若干大きくした直径19μmとする。
つまり、着弾位置が上下左右にずれた場合、理想着弾位置の中心からのずれ量が同じであっても、ドット径が小さいドットの方がドット径が大きいドットよりもズレ幅が大きい印象を与える。そこで、端部ノズルの広げたヒータ配列間隔分の2μm以上ドット直径を大きくさせることによって、多少のずれをドットの大きさによってカバーし、端部ノズル部分の画像がムラやスジになるのを防ぐようにする。本実施形態の場合、にじみ率2.2のコート紙の場合で中央ノズルの吐出量が4.5plでドット直径45μm、端部ノズルが吐出量が5.5plでドット直径48μmとなるように調整している。
記録方法は、実施形態1と同様であり、ベタ部の画像を4パスで記録する場合は、図8(a)のマスクパターンを用いて、均一にマスクをかける。1スキャンでの打ち込み量が少ないので、ノズル列端部の電気熱変換体配列間隔で吐出方向が内射することによる着弾位置のズレは補正することができる。さらに、着弾精度による着弾位置のズレは、ドット径を大きくすることにより目立たなくすることができる。
ベタ部の画像を2パスで記録する場合は、図8(b)のマスクパターンを用いて、ノズル列端部と中央部とで、1スキャンでの打ち込み量が異なるようにする。このように、マスクパターンでノズル列端部と中央部とで打ち込み量に差をつけることで、一回の打ち込み量が多くなっても、端ヨレ発生を抑制することができる。さらに端部のノズルによるドットはドット径を大きくしているので、着弾精度による着弾位置のズレは目立たなくすることができる。
また、端部ノズルの電気熱変換体の配列間隔をさらに広げるような場合、また、端部ノズル吐出量の増大のためのノズルの応答周波数が著しく低下する場合は、図8(a),(b)のノズル幅Lを端部ノズルだけ広げて応答周波数の低下を防ぐのが効果的である。その場合は、吐出口径を、ノズル幅を広げた分だけ微調整して狭くすればよい。
本発明の実施態様について、以下に列挙する。
[実施態様1] 記録媒体の搬送方向に沿って配列された複数の吐出口と、該複数の吐出口それぞれに対向して配置され、該吐出口からインクを吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部とを有し、前記記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に走査移動し、前記吐出口の配列方向両端部に位置する前記吐出口および前記吐出エネルギー発生部の配列間隔が、その配列方向中央部に位置する前記吐出口および前記吐出エネルギー発生部の配列間隔よりも広く設定されている記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドが1走査移動において、前記記録媒体の単位面積あたりに吐出するドット数に応じて、前記吐出口の吐出頻度を変えることを特徴とするインクジェット記録装置。
[実施態様2] 前記吐出口の配列方向両端部に位置する前記吐出口の吐出頻度は、マスクパターンを異ならせることによって変えることを特徴とする実施態様1に記載のインクジェット記録装置。
[実施態様3] 前記一走査移動において単位面積あたりに吐出するドット数が所定の値よりも多い場合、前記吐出口の配列方向両端部に位置する吐出口の吐出頻度と前記吐出口の配列方向中央部に位置する吐出口の吐出頻度とが異なるマスクパターンを用いることを特徴とする実施態様2に記載のインクジェット記録装置。
[実施態様4] 記録媒体の搬送方向に沿って配列された複数の吐出口と、該複数の吐出口それぞれに対向して配置され、該吐出口からインクを吐出させるための複数の吐出エネルギー発生部とを有し、前記記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に走査移動し、前記吐出口の配列方向両端部に位置する前記吐出口および前記吐出エネルギー発生部の配列間隔が、その配列方向中央部に位置する前記吐出口および前記吐出エネルギー発生部の配列間隔よりも広く設定されている記録ヘッドであって、前記吐出口の配列方向両端部に位置する前記吐出口の吐出口径は、前記配列方向中央部に位置する前記吐出口の吐出口径よりも大きいことを特徴とする記録ヘッド。
11 記録媒体給送部
12 記録媒体排出部
13 記録媒体搬送部
14 ヘッド回復部
15 キャリッジ軸
16 キャリッジ
17 ヘッドセットレバー
18 ヘッドカートリッジ
19 記録ヘッド
21 タンクホルダ
23 コンタクト部
24 インクタンク
25 吐出口
27 記録素子基板
28 電気配線基板
30 電気熱変換体
32 共通インク室
34 インク路

Claims (3)

  1. 複数の吐出口が配列された吐出口列を備えた記録ヘッドを用いて、記録媒体の所定領域に対するN(Nは2以上の整数)回の走査により前記所定領域の記録を完成させる第1モードによる記録と、前記所定領域に対するM回の走査(Mは整数且つM>N)により前記所定領域の記録を完成させる第2モードによる記録が可能なインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの各走査において複数の前記吐出口から吐出されるインクの単位面積あたりの打ち込み許容量を設定するためのマスクパターンであって、前記第1モードを実行する場合には第1マスクパターンを用い、前記第2モードを実行する場合には前記吐出口列の配列方向の中央部に位置する吐出口からの打ち込み許容量に対する前記吐出口列の配列方向の端部に位置する吐出口からの打ち込み許容量の割合が前記第1マスクパターンにおける前記割合よりも高い第2マスクパターンを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第2マスクパターンは、前記割合が1であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出口列の配列方向の両端部に位置する前記吐出口の配列間隔は、前記吐出口列の配列方向の中央部に位置する前記吐出口の配列間隔よりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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