JP2001063022A - 複数種類のインク滴で一画素を記録する双方向印刷におけるドット位置ズレの補正 - Google Patents

複数種類のインク滴で一画素を記録する双方向印刷におけるドット位置ズレの補正

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JP2001063022A
JP2001063022A JP24099199A JP24099199A JP2001063022A JP 2001063022 A JP2001063022 A JP 2001063022A JP 24099199 A JP24099199 A JP 24099199A JP 24099199 A JP24099199 A JP 24099199A JP 2001063022 A JP2001063022 A JP 2001063022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値プリンタにおいて双方向印刷を行う際
に、往路と復路における印刷特性の差異に起因する画質
の劣化を防止する。 【解決手段】 印刷媒体上に副走査方向にずれた検査用
第一パターンと検査用第二パターンを主走査の往路と復
路でそれぞれ印刷する。検査用第一パターンの縦罫線
は、複数種類のインク滴のうち、一の画素内において形
成するドットが主走査方向の一方に最も偏るインク滴に
よって印刷する。検査用第二パターンの縦罫線は、同様
に、主走査方向の他方に最も偏るインク滴によって印刷
する。そして、両者の対応する縦罫線がもっとも一直線
に近く並んでいる組を選択し、それに基づいて補正値を
決定する。その後、補正値に従って、双方向印刷時の主
走査方向に沿った記録位置のズレを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主走査を往復で
双方向に行いつつ印刷媒体上に画像を印刷する技術に関
し、特に、複数種類のドットサイズで一画素を記録可能
な双方向印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、
数色のインクをヘッドから吐出するタイプのカラープリ
ンタが広く普及している。このようなインクジェット型
カラープリンタの中には、印刷速度の向上のために、い
わゆる「双方向印刷」を行う機能を有するものがある。
【0003】また、従来のインクジェット型プリンタ
は、各画素をオン・オフの2値で再現できるだけであっ
たが、近年では一画素で3以上の多値の再現ができる多
値プリンタも提案されている。多値の画素は、例えば、
一画素に対して同一色の複数のインク滴を吐出すること
によって形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一画素に対して複数の
インク滴を吐出する多値プリンタを用いて双方向印刷を
行う際に、往路と復路における印刷特性の差異に起因し
て、画質が劣化する場合がある。例えば、往路と復路と
において複数のインク滴の主走査方向の着弾位置が異な
ってしまうと、これによって画像が劣化する。
【0005】図16(a)は、双方向印刷時に発生する
インク滴の主走査方向の着弾位置のズレの発生を示す説
明図である。図16(a)の格子は画素領域の境界を示
しており、格子で区切られた1つの矩形領域が一画素分
の領域に相当する。各画素には、図示しない印刷ヘッド
が主走査方向に沿って移動する際に、印刷ヘッドが吐出
するインク滴によってドットが記録される。図16
(a)の例では、ラスタラインL1は主走査の往路で記
録され、ラスタラインL2は復路で記録される。いま例
えば、小ドットを形成するためのあるインク滴が、常
に、ノズルが画素の中心を通過するタイミングよりわず
かに早く吐出される場合には、ラスタラインL1に示す
ように、そのインク滴は、往路においては画素中の「ヘ
ッドの走査方向の後方寄り」、すなわち図16(a)に
おいて左寄りに着弾する。一方、復路においては、印刷
ヘッドが往路とは逆に動くことから、そのインク滴は、
ラスタラインL2に示すように画素中の右寄りに着弾す
る。従ってこのインク滴に関しては、同一画素を狙って
吐出される場合でも、往路で吐出するか復路で吐出する
かによってドットが異なった位置に形成されることとな
る。よって、例えば、そのインク滴で副走査方向の罫線
を描いた場合には、その罫線はまっすぐな直線とはなら
ずにジグザグの線を描くこととなってしまう。そして同
様の理由から、双方向印刷における主走査方向の着弾位
置のズレは、副走査方向の罫線に限らず印刷結果全体の
画質の劣化を招く。
【0006】図16(b)は、双方向印刷時に発生する
インク滴の主走査方向の着弾位置のズレの補正方法を示
す説明図である。上記のような双方向印刷時の着弾位置
のずれをなくす方法としては、図16(b)に示すよう
に、往路と復路の一方、または両方のインク滴吐出タイ
ミングを全体でずらして、往路又は復路の全体の着弾位
置をずらし、往路と復路で着弾位置を合わせるという方
法がある。図16(b)の例においては、往路では着弾
位置を右方に、復路では着弾位置を左方にずらして、往
路と復路でインク滴の着弾位置が一致するようにしてい
る。なお、この補正方法は、設計上の理由から発生する
着弾位置の反転による位置ズレの補正のほか、インク滴
の吐出速度のばらつきや、主走査方向の駆動機構のバッ
クラッシュ、印刷媒体を下で支えているプラテンの反
り、等の予期しない理由または製造上避け得ない理由に
起因するドット位置ズレの補正にも有効である。
【0007】図17(a)は、複数種類のインク滴につ
いて双方向印刷時に発生する主走査方向の着弾位置のズ
レの発生を示す説明図である。図17(a)においても
格子で区切られた1つの矩形領域が一画素分の領域に相
当する。図17(a)の例では、ラスタラインL1,L
3は往路で記録され、ラスタラインL2,L4は復路で
記録される。ここでは、同一のノズルから、小ドットを
形成するための小インク滴と中ドットを形成するための
中インク滴を吐出することができる印刷装置を用いてい
る。このような印刷装置において、インク量の異なるイ
ンク滴ごとに吐出タイミングが異なると、図17(a)
に示すように、インク量の異なるインク滴ごとに往路と
復路での着弾位置のズレ方も異なることとなる。
【0008】さらに、そのような印刷装置において、そ
れら複数種類のインク滴の吐出タイミングをそれぞれ独
立に操作することができず、一体として連動させなけれ
ばならない場合には、一方のインク滴のズレをなくすよ
うにインク滴吐出タイミングをずらすと、他方の着弾位
置のズレがかえって大きくなってしまうことがある。図
17(b)は、図17(a)の状態から小インク滴の着
弾位置ズレがなくなるように吐出タイミングを補正した
場合の印刷結果を示す説明図である。図17(b)で
は、中ドットのズレは補正前よりもかえって大きくなっ
ている。一方、中インク滴を基準として吐出タイミング
を調整した場合も、同様に小ドットの位置ズレが大きく
なってしまう。
【0009】この例のように、従来の多値プリンタにお
いて双方向印刷を行うと、往路と復路における印刷特性
の差異に起因して、画質が劣化してしまう場合があると
いう問題があった。
【0010】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、多値プリンタに
おいて双方向印刷を行う際に、往路と復路における印刷
特性の差異に起因する画質の劣化を防止することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、以下のような印刷装置を対象として往路と復路にお
ける主走査方向のインク滴の記録位置のズレを補正す
る。すなわち、複数のノズルからなるノズル群を有し印
刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種
類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐
出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行
いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種
類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置
である。そして、まず、複数種類のインク滴のうちで一
の画素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏
るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷
媒体上に検査用第一パターンを印刷する。また、複数種
類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主
走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の
往路と復路の他方で印刷媒体上に検査用第二パターンを
印刷する。そして、検査用第一パターンと検査用第二パ
ターンとを含む位置ズレ検査用パターンの中から選択さ
れた好ましい補正状態を示す補正情報に従って、補正値
を決定する。その後、補正値に従って、双方向印刷時の
主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する。
【0012】上記のような態様においては、一画素内に
打ち込まれる複数種類のインク滴のうち、画素内の両端
にドットを形成する一対のインク滴、すなわち、往路と
復路で画素内の相対位置が入れ替わり、その入れ替わり
に起因する位置ズレが最も大きいインク滴によって検査
用第一パターンと検査用第二パターンをそれぞれ形成し
ている。そして、それら検査用第一パターンと検査用第
二パターンを含む位置ズレ検査用パターンに基づいて補
正値を決めている。このため、着弾位置の入れ替わりに
よる往路と復路で画素内での位置ズレが大きいインク滴
について、その位置ズレが小さくなるように補正値を定
めることができる。よって、全体として印刷結果の画質
を向上させることができる。
【0013】なお、N(Nは2以上の整数)種類のドッ
トに対応するインク滴の駆動信号は、N種類のドットを
形成することを示す印刷信号のN個の異なる値に応じ
て、一画素分の主走査期間内における駆動信号の波形を
互いに異なるN種類の形状に整形することによって得る
ことができる。そして、複数の吐出駆動素子のために共
通に使用され、一画素の主走査期間内に複数種類のイン
ク滴に対応する複数のパルスを有する原駆動信号を、印
刷信号のN個の異なる値に応じて原駆動信号を整形する
ことによって、各吐出駆動素子に供給する駆動信号を生
成することができる。
【0014】このような態様の印刷装置においては、同
一画素内を狙って吐出される複数種類のインク滴は、原
駆動信号に含まれるパルスに従って異なるタイミングで
吐出されることとなり、その結果、多くの場合はそれら
のインク滴は主走査方向の異なる位置に着弾することと
なる。したがって、そのような印刷装置について、一画
素内のもっとも端に着弾する二つのインク滴に基づいて
全体の補正値を定めることで、効果的に画質を向上させ
ることができる。
【0015】そして、ノズル群が、光学濃度が比較的濃
いインクを吐出する濃色ノズル群と、光学濃度が比較的
薄いインクを吐出する淡色ノズル群と、を備えている場
合には、検査用第一パターンと検査用第二パターンのう
ち一方は、濃色ノズル群を用いて比較的小さいインク滴
で印刷され、検査用第一パターンと検査用第二パターン
のうち他方は、淡色ノズル群を用いて比較的大きいイン
ク滴で印刷されることが好ましい。光学濃度が濃いイン
クと薄いインクとでは、濃いインクの方が印刷媒体上に
印刷された場合に目につく。よって、上記のように小さ
い方のドットを光学濃度が濃いインクで印刷することと
すれば、位置ズレ検査用パターンに基づいて補正値を定
める際に、定めやすい。
【0016】また、ノズル群が、シアンインクを吐出す
るシアンノズル群と、マゼンタインクを吐出するマゼン
タノズル群と、を含むカラーノズル群を備えている場合
には、検査用第一パターンと検査用第二パターンのうち
一方は、シアンノズル群を用いて比較的小さいインク滴
で印刷され、検査用第一パターンと検査用第二パターン
のうち他方は、マゼンタノズル群を用いて比較的大きい
インク滴で印刷されることが好ましい。
【0017】ドット位置のズレはイエローに比べてシア
ンとマゼンタにおいて目立つ。よって、上記態様のよう
に、シアンとマゼンタで位置ズレ検査用パターンを印刷
し、それらに基づいて位置ズレの補正値を決定すれば、
ドット位置のズレが目立ちにくくカラー印刷に好適な補
正値を簡単に定めることができる。また、シアンとマゼ
ンタではシアンの方が目につくので、小さい方のドット
をシアンとすれば、位置ズレ検査用パターンに基づいて
補正値を定める際に、定めやすい。
【0018】なお、印刷ヘッドは、インク量の異なる大
インク滴、中インク滴および小インク滴の3種類のイン
ク滴を吐出することが可能であり、ヘッド駆動制御部
は、同一画素を狙う3種類のインク滴の吐出タイミング
について、往路と復路のいずれにおいても小インク滴の
吐出タイミングを3種類のインク滴のうちの2番目に保
つように前記駆動信号を生成するものである場合には、
検査用第一パターンは、大インク滴と中インク滴の一方
で印刷され、検査用第二パターンは、大インク滴と中イ
ンク滴の他方で印刷されることが好ましい。
【0019】小ドットは画素中の専有面積が小さいた
め、吐出タイミングの先頭又は末尾に位置し、往路と復
路で画素内の位置が入れ替わると、その位置の変動が目
立ちやすい。しかし、この態様においては、小ドットを
形成するインク滴は吐出タイミングの2番目に位置し、
往路と復路で画素内の位置があまり変わらない。よっ
て、往路と復路での小ドットの位置ズレが小さく、全体
として画質を向上させることができる。さらに、この態
様では、吐出タイミングの先頭と末尾に位置する大イン
ク滴と中インク滴によって、位置ズレ検査用パターンが
印刷され、それらに基づいて補正値が定められる。すな
わち、往路と復路で画素内の並びが入れ替わる大インク
滴と中インク滴を基準として補正値が定められるため、
大インク滴と中インク滴についても、位置ズレを小さく
することができる。よって、上記の態様によれば、小イ
ンク滴、大インク滴、中インク滴のいずれについても、
好適に位置ズレを軽減することができ、印刷結果の画質
を向上させることができる。
【0020】なお、本発明は、以下に示すような種々の
態様で実現することが可能である。 (1)双方向印刷装置。 (2)双方向印刷方法。 (3)双方向印刷時の記録位置ズレの補正方法。 (4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラム。 (5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体。 (6)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0021】
【発明の実施の形態】ここでは、下記の順序に従って本
発明の実施の形態について説明する。 A.印刷装置の構成: B.主走査方向の記録位置ズレの補正の原理: C.第1実施例: D.第2実施例: E.第3実施例: F.その他:
【0022】A.印刷装置の構成: (1)印刷装置全体の構成 図1は、インクジェットプリンタ22を備えた印刷シス
テムの概略構成図である。このプリンタ22は、紙送り
モータ23によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する
副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャ
リッジ31をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往
復動させる主走査送り機構と、キャリッジ31に搭載さ
れた印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」と
も呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制
御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ23,
キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および
操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40
とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介し
てコンピュータ90に接続されている。
【0023】印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、
紙送りモータ23の回転をプラテン26と用紙搬送ロー
ラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図
示省略)。また、キャリッジ31を往復動させる主走査
送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリ
ッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッ
ジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設する
プーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位
置検出センサ39とを備えている。
【0024】図2は、制御回路40を中心としたプリン
タ22の構成を示すブロック図である。制御回路40
は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)
43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶
したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算
術論理演算回路として構成されている。この制御回路4
0は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専
用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路
50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してイン
クを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ2
3およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回
路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラ
レルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56
を介してコンピュータ90から供給される印刷信号PS
を受け取ることができる。
【0025】(2)印刷ヘッドの構成 キャリッジ31(図1)には、黒インク(K)用のカー
トリッジ71とシアン(C),ライトシアン(LC)、
マゼンタ(M),ライトマゼンダ(LM)、イエロ
(Y)の6色のインクを収納したカラーインク用カート
リッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部の
印字ヘッド28には計6個のインク吐出用ヘッド61な
いし66が形成されており、キャリッジ31の底部に
は、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導
く導入管67(図3参照)が立設されている。キャリッ
ジ31に黒(K)インク用のカートリッジ71およびカ
ラーインク用カートリッジ72を上方から装着すると、
各カートリッジに設けられた接続孔に導入管67が挿入
され、各インクカートリッジから吐出用ヘッド61ない
し66へのインクの供給が可能となる。
【0026】図3はインク吐出用ヘッド28の内部の概
略構成を示す説明図である。インク用カートリッジ7
1,72がキャリッジ31に装着されると、図3に示す
ようにインク用カートリッジ内のインクが導入管67を
介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印
字ヘッド28の各色ヘッド61ないし66に導かれる。
【0027】図4は、ピエゾ素子PEとノズルNzとの
構造を詳細に示した説明図である。キャリッジ31下部
に設けられた各色のヘッド61ないし66には、各ノズ
ル毎に、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ
素子PEが配置されている。そして、図4上段に図示す
るように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを
導くインク通路68に接する位置に設置されている。ピ
エゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶
構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を
行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端
に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すること
により、図4下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧
の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一側壁を変形
させる。この結果、インク通路68の体積はピエゾ素子
PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するイン
クが、粒子Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に
吐出される。このインク粒子Ipがプラテン26に装着
された用紙Pに染み込むことにより、印刷が行われる。
【0028】図5は、インク吐出用ヘッド61〜66に
おけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図で
ある。これらのノズルの配置は、ブラック(K)、シア
ン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンタ(M)、ラ
イトマゼンダ(LM)、イエロ(Y)各色ごとにインク
を吐出する6組のノズルアレイから成っており、それぞ
れ48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで一列に
配列されている。
【0029】プリンタ22は、図5に示した通り一定の
径からなるノズルNzを備えているが、かかるノズルN
zを用いてインク量の異なる2種類のインク滴を形成す
ることができる。これは、ピエゾ素子PEを駆動する駆
動波形を変えることで行うものであるが、具体的には、
ピエゾ素子PEの駆動電圧を負にする際の変化率を変え
たり、駆動波形のピーク電圧を変えることによって、一
のノズルでインク量の異なるインク滴を形成することが
できる。
【0030】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23により用紙Pを搬送し
つつ(以下、副走査という)、キャリッジ31をキャリ
ッジモータ24により往復動させ(以下、主走査とい
う)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし6
6のピエゾ素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行
い、ドットを形成して用紙P上に多色の画像を形成す
る。
【0031】なお、ここでは、既に述べた通りピエゾ素
子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプリン
タ22を用いているが、吐出駆動素子としては、ピエゾ
素子以外の種々のものを利用することが可能である。例
えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通
路内に発生する泡(バブル)によりインクを吐出するタ
イプの吐出駆動素子を備えたプリンタに適用することも
可能である。そして、制御回路40の構成も、各吐出駆
動素子に駆動信号を供給し、各ノズルから1以上のイン
ク滴を選択的に吐出させることによって、各画素位置
に、大きさの異なる複数種類のドットのうちの一つを選
択的に記録するもので、主走査の往路と復路において、
複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つよ
うに駆動信号を生成するものであれば、どのようなもの
でもよい。
【0032】B.主走査方向の記録位置ズレの補正の原
理:以下で説明する記録位置ズレの補正の方法は、往路
と復路におけるドットの記録位置のズレが目立たなくな
るように、往路と復路におけるインク滴の吐出タイミン
グを往路全体又は復路全体で意図的にずらす、というも
のである。なお、往路と復路における主走査方向のドッ
トの記録位置ズレの原因としては、上記着弾位置の反転
のほか、インク滴の吐出速度のばらつきや、主走査方向
の駆動機構のバックラッシュ、印刷媒体を下で支えてい
るプラテンの反り等がある。
【0033】図6は、テストパターンに基づいてズレ調
整の補正値を決定する方法を示す説明図である。このテ
ストパターンは、印刷ヘッド28を主走査方向に往復さ
せて、その間に特定列のノズルに印刷媒体P上にドット
を形成させて印刷したものである。まず、往路において
は、印刷媒体P上に同一間隔の副走査方向の罫線を描く
ように、インク滴を吐出させている。図6において、上
方寄りに形成されている、1〜8の番号をつけられた縦
罫線が往路で印刷された罫線である。
【0034】一方、復路では、同様に複数の縦罫線の印
刷を行うが、図6に示すように、その縦罫線は、往路で
印刷された縦罫線に対して副走査方向にずらして形成さ
れる。そして、復路では、「往路で記録された罫線上に
重ねて同じ罫線を記録できるタイミング」を選択するた
めに、種々のタイミングで、すなわちいくつかの印刷位
置に、罫線の印刷を行う。この例では、復路において
「理論上、同じ罫線を記録するはずのタイミング」でイ
ンク滴の吐出が行われるのは、左から4番目の罫線を描
くときである。そして、左から3番目の罫線から左端の
罫線の3本については、復路で形成する罫線が往路で形
成した罫線に対して少しづつ左方向にずれるように、イ
ンク滴の吐出タイミングを遅くして印刷を行う。同様
に、左から5番目の罫線から右端の罫線の4本について
は、復路で形成する罫線が往路で形成した罫線に対して
少しづつ右方向にずれるように、インク滴の吐出タイミ
ングを早くして印刷を行う。その結果、図6に示すよう
なテストパターンが印刷媒体P上に形成される。ここ
で、復路で印刷される1から8の罫線は、左端のものか
ら順に、それぞれが対応する往路の罫線を基準として、
一定の刻み幅で右の方にずれていくように形成されてい
る。したがって、補正値はその刻みの整数倍で設定され
ることとなる。なお、この刻み幅は、印刷装置の各機構
が可能である範囲で細かく設定することができる。この
刻みを細かく設定すれば、より微妙な範囲で補正値を定
めることができる。
【0035】インク滴の吐出タイミングを理論値から前
後に複数パターン変動させて、復路において罫線を印刷
した結果、理論上は、左から4番目の罫線において往路
と復路で描く罫線が一致するはずであるのに、現実に
は、図6に示すように、(理論上のタイミングから刻み
幅二つ分だけインク滴の吐出タイミングを遅くした、)
左から2番目の罫線において、往路と復路で描く罫線が
一致していることがわかる。よって、左から2番目の罫
線を描いた際のインク滴吐出タイミングで実際の印刷を
行えば、同じ記録位置を狙って往路と復路でインクの吐
出を行って、実際に同じ位置にドットを記録することが
できる。すなわち、このタイミングを補正値として記憶
して、実際の印刷において使用すれば、記録位置を適正
に補正することができる。
【0036】なお、この補正方法においては、必ずしも
図6で説明したようにノズル列のすべてのノズルを使っ
て印刷を行う必要はない。すなわち、この補正方法にお
いては、往路と復路で描いた罫線が同一直線上にあるか
どうかがわかればいいので、その条件を満たす限り、ノ
ズル列のうちの一部のノズルで罫線の印刷を行うことと
してもよい。たとえば、ノズル列の端部や中央部のノズ
ルのみにインク滴を吐出させて、テストパターンを形成
することとしてもよい。そのようにすれば、テストパタ
ーンの印刷に要するインクを節約することができる。ま
た、テストパターンとしては、縦罫線では無く、間欠的
にドットが記録されたような直線状のパターンを使用す
ることも可能である。
【0037】また、この補正方法においては、必ずしも
図6で説明したように縦罫線について一部を重ねて前後
にずらす必要はない。すなわち、罫線の一致の度合いが
分かるものであれば、罫線の副走査方向の位置を一致さ
せてもよい。また、罫線の副走査方向の位置を重ならな
いように完全に離すこととしてもよい。ただし、往路と
復路の罫線の印刷位置を副走査方向にずらすことで、よ
り罫線の一致の度合いの判別が容易となる。そして、往
路と復路の罫線の印刷位置を完全に離すのではなく副走
査方向について一部重ねることで、罫線の一致の度合い
の判別がさらに容易となる。
【0038】C.第1実施例: (1)駆動信号発生部の構成及び処理:図7は、ヘッド
駆動回路52(図2)内に設けられた駆動信号発生部の
構成を示すブロック図である。この駆動信号発生部は、
複数のマスク回路204と、原駆動信号発生部206
と、駆動信号補正部230とを備えている。マスク回路
204は、インク吐出用ヘッド61のノズルn1〜n4
8をそれぞれ駆動するための複数のピエゾ素子に対応し
て設けられている。なお、図7において、各信号名の最
後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給される
ノズルの番号を示している。原駆動信号発生部206
は、ノズルn1〜n48に共通に用いられる原駆動信号
ODRVを生成する。この原駆動信号ODRVは、一画
素分の主走査期間内に、小ドットパルスW1と中ドット
パルスW2の2つのパルスを含む信号である。駆動信号
補正部230は、マスク回路204が整形した駆動信号
波形のタイミングを復路全体で前後にずらし、補正を行
う。この駆動信号波形のタイミングの補正によって、往
路と復路におけるインク滴の着弾位置のズレが補正され
る。
【0039】図7に示すように、入力されたシリアル印
刷信号PRT(i)は、原駆動信号発生部206から出
力される原駆動信号ODRVとともにマスク回路204
に入力される。このシリアル印刷信号PRT(i)は、
一画素当たり2ビットのシリアル信号であり、その各ビ
ットは、小ドットパルスW1と中ドットパルスW2とに
それぞれ対応している。そして、マスク回路204は、
シリアル印刷信号PRT(i)のレベルに応じて原駆動
信号ODRVをマスクするためのゲートである。すなわ
ち、マスク回路204は、シリアル印刷信号PRT
(i)が1レベルのときには原駆動信号ODRVの対応
するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとして
ピエゾ素子に供給し、一方、シリアル印刷信号PRT
(i)が0レベルのときには原駆動信号ODRVの対応
するパルスを遮断する。
【0040】図8は、図7に示す駆動信号発生部の動作
を示すタイミングチャートである。印刷の際には、図8
(a−1)に示すように、原駆動信号ODRVのパルス
としては、各画素区間T1,T2,T3において小ドッ
トパルスW1と中ドットパルスW2がこの順に発生す
る。なお、「画素区間」は、一画素分の主走査期間と同
じ意味である。前述したように、マスク回路204(図
7)は、シリアル印刷信号PRT(i)が1レベルのと
きには原駆動信号ODRVのパルスをそのまま通過さ
せ、シリアル印刷信号PRT(i)が0レベルのときに
は原駆動信号ODRVのパルスを遮断する。従って、図
8(a−3)に示すように、各画素区間におけるシリア
ル印刷信号PRT(i)の2ビットが”1,0”のとき
には小ドットパルスW1のみが一画素区間の前半で出力
される。また、”0,1”のときには中ドットパルスW
2のみが一画素区間の後半で出力され、”1,1”のと
きには小ドットパルスW1と中ドットパルスW2の双方
が出力される。
【0041】なお、図8(a−3)に示す往路の駆動信
号波形を見れば理解できるように、3種類のドットを記
録するための3種類の駆動信号DRV(i)は、一画素
区間にわたる駆動信号波形が互いに異なるように、すな
わち、ノズルから吐出するインク滴の大きさと数の少な
くとも一方が異なるように整形されている。すなわち、
一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号
PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3
種類の波形を有するように整形されている。
【0042】これらの各ドットに対応した各駆動信号波
形は、主走査の往路であっても復路であっても同じもの
が用いられる。すなわち、一画素区間内に1ノズルから
吐出される小インク滴、中インク滴は、往路と復路で同
じ順序及び時間間隔で吐出される。ただし、各駆動信号
波形は、主走査の往路と復路で同じものが用いられる
が、そのタイミングは、復路全体で駆動信号補正部23
0(図7)によって前後にずらされ、補正される。この
タイミングの補正によって、復路全体でインク滴の着弾
位置が意図的にずらされて、往路と復路におけるインク
滴の着弾位置のズレが補正される。タイミングをどの程
度ずらすかを定める補正値の決定の方法については後述
する。
【0043】(2)双方向印刷におけるドット位置ズレ
の発生:図9は、複数種類のインク滴の駆動波形とそれ
ぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図である。図
9(a)は、原駆動波形ODRVである。この原駆動波
形ODRVの時間区間は、一つのノズルが主走査におい
て印刷媒体上の一画素区間を通過するだけの時間区間に
対応している。図9(b)〜(d)は、一画素内に小中
大の各ドットを形成するための駆動波形である。いずれ
の波形についても各吐出駆動素子は、時間経過とともに
波形の左から右に向かって、順にパルスに従ってインク
滴の吐出を行う。右側の四角は印刷媒体上の一画素を示
しており、その中の丸がインク滴により形成されるドッ
トである。また、各画素の下の右向きの矢印は、印刷ヘ
ッドの走査方向を示している。図9(b)は、小ドット
を形成する小インク滴を吐出するための駆動波形であ
る。小インク滴に対応するパルスW1は、一画素区間内
の比較的早い時期に発生するため、小インク滴は、ヘッ
ドの走査の向きに対して比較的後方(図9(b)の画素
において左方)に着弾する。これに対して、中インク滴
に対応するパルスW2は、一画素区間内の比較的遅い時
期に発生するため、図9(c)に示すように、中インク
滴は、ヘッドの走査の向きに対して比較的前方(図9
(c)の画素において右方)に着弾する。そして、大ド
ットを形成する場合は、図9(d)に示すように、小イ
ンク滴と中インク滴をともに一画素内に着弾させるもの
であるが、吐出タイミングがずれていることから両者の
重心位置はずれ、一画素内において中ドットと小ドット
が重なり合って並ぶこととなる。これらのインク滴の種
類ごとの着弾位置のズレは、二つのパルスW1とW2を
有する原駆動波形ODRVをマスクして各インク滴の駆
動波形DRV(i)を生成している以上、避けがたいも
のである。その結果、前述したように、図17(a)の
ようなドット位置ズレが発生することとなる。
【0044】(3)複数種類のインク滴についての補正
値決定の原理:図10は、一画素内に小インク滴と中イ
ンク滴を吐出させて、図6のテストパターンの縦罫線を
形成させた場合の、模式的な説明図である。実際には、
一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させた場合に
は、図10のように小インク滴と中インク滴による縦罫
線が2本づつペアで形成されるのではなく、大ドットに
よる縦罫線が1本づつ形成されることとなるが(図9
(d))、ここでは説明の便宜のため、小インク滴によ
る罫線と中インク滴による罫線とを離して表示する。ま
た、図10においては、実線の縦罫線が、小インク滴に
よる縦罫線を表しており、一点鎖線の縦罫線が、中イン
ク滴による縦罫線を表している。本実施例においては、
中インク滴が小インク滴の後に吐出されるため、中イン
ク滴による縦罫線の方が小インク滴による縦罫線よりも
ヘッドの走査方向の前方に形成される。よって、図10
の例では、主走査の往路においては、中インク滴による
縦罫線が小インク滴による縦罫線に対して右側に形成さ
れ、復路においては、左側に形成される。なお、図10
において中インク滴による縦罫線を一点鎖線で表してい
るのは、小インク滴による縦罫線との区別を容易にする
ためであり、実際に印刷媒体上に一点鎖線を印刷するわ
けではない。
【0045】図10においては、小インク滴による縦罫
線(実線による縦罫線)は、左から2番目の組において
往路と復路で最もよく一致している。すなわち、小イン
ク滴に関しては、左から2番目の縦罫線の組に基づいて
定める補正値が最適な補正値である。一方、中インク滴
による縦罫線(一点鎖線による縦罫線)は、左から6番
目の組において最もよく一致している。すなわち、中イ
ンク滴に関しては、左から6番目の縦罫線の組に基づい
て定める補正値が最適である。しかし、前述のように、
どちらか一方のインク滴のみを基準として補正値を定め
ると、他方のインク滴に関しては位置ズレが大きくなっ
てしまう(図17(b))。従って、小インク滴、中イ
ンク滴いずれについても均等に位置ズレが小さくなるよ
うな補正値を定めることが望ましい。そのような補正値
を表す縦罫線の組は、本実施例においては、左から4番
目の組である。この左から4番目の縦罫線の組において
は、往路の小ドット罫線と復路の中ドット罫線、往路の
中ドット罫線と復路の小ドット罫線とがよく一致してい
る。そして、往路と復路で構成される(仮想的な)4本
の罫線について、両端に位置する罫線の間隔が最も小さ
い。これは、実際の印刷においても、大ドットで形成さ
れる往路と復路の縦罫線の端から端までの幅(すなわち
「線の太さ」+「ズレ幅」)が最も小さいことを意味す
る。したがって、実際の印刷において、この左から4番
目の縦罫線の組に基づいて補正値を定めれば、もっとも
位置ズレが目立たなくなる。
【0046】また、復路の縦罫線は、左の罫線から右に
行くにつれて、一定の刻みで往路の罫線に対して右の方
に(すなわち、吐出タイミングが早くなるほうに)ずれ
るように形成されている。従って、左から2番目の罫線
組と左から6番目の罫線組のちょうど中間に位置する左
から4番目の罫線組は、左から2番目の罫線組に基づく
補正値と左から6番目の罫線組に基づく補正値の平均値
を表すものとなっている。
【0047】この関係は、往路の罫線と復路の罫線の相
対位置を一定の刻みでずらしていくものとすれば、他の
任意の場合にも当てはまる。すなわち、一定の間隔を保
って形成されるペアの縦罫線a,b(本実施例において
小インク滴による縦罫線と中インク滴による縦罫線)が
往路と復路で反転して形成される場合に、復路のペアの
縦罫線のうちの一方aが往路の縦罫線aと一致する組
(図10において小インク滴による縦罫線が一致する左
から2番目の組)から、復路の縦罫線bが往路の縦罫線
bと一致する組(図10において中インク滴による縦罫
線が一致する左から6番目の組)までの間に、往路と復
路のペアの縦罫線は、相対的に「ペアの縦罫線の間隔の
2倍」だけずれることとなる。すなわち、それぞれに対
応する補正値も、「ペアの縦罫線の間隔の2倍」に相当
する分だけ異なっている。従って、両者の縦罫線の組の
中間の相対位置関係にあり、その相対位置関係がどちら
からも「ペアの縦罫線の間隔」だけずれている縦罫線の
組が、両者に対応する補正値の中間の値(即ち平均値)
に対応する縦罫線の組となる。また、復路の縦罫線のず
らし方の刻み幅の都合などによって、両者のちょうど中
間に相当する縦罫線の組が存在しない場合は、その中間
の相対位置に最も近い相対位置の縦罫線の組が、最も両
者の補正値の平均値に近い補正値に対応するものであ
る。従って、上記手続きによれば、もっともよく一致し
ている縦罫線の組を選び、対応する補正値を選択するこ
とで、各インク滴に最適な補正値の平均値を補正値とし
て選択することができる。
【0048】(4)本実施例の補正値の決定方法:図1
1は、往路で小インク滴を吐出させ、復路で中インク滴
を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させた場
合の説明図である。補正値を定めるにあたっては、前述
のように、「復路のペアの縦罫線のうちの一方が往路の
ペアの縦罫線の他方と最も近い」縦罫線の組を選べばい
いのであるから、往路と復路の両方においてペアの縦罫
線を両方形成する必要はない。すなわち、往路において
縦罫線の一方を形成し、復路において縦罫線の他方を形
成して、両者が最もよく一致する縦罫線の組を選べばよ
い。例えば本実施例では、往路で小インク滴を吐出さ
せ、復路で中インク滴を吐出させて、図11のようなテ
ストパターンを形成しても、同様に最適な罫線組として
左から4番目の罫線の組を選択することができ、それに
基づいて最適な補正値を定めることができる。「(2)
補正値の決定方法」の冒頭で述べたように、実際には、
一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出させた場合に
は、小インク滴と中インク滴による縦罫線が2本づつペ
アで形成されるのではなく、大ドットによる縦罫線が1
本づつ形成されることとなるのであるから、実際に小イ
ンク滴による縦罫線と中インク滴による縦罫線との一致
の程度によって補正値を定めようとすれば、図11のよ
うに、往路において小インク滴と中インク滴の一方で縦
罫線を形成し、復路において他方で縦罫線を形成するこ
ととなる。
【0049】本実施例においては、ブラックノズル群
(図5)を使用して、往路で小インク滴を吐出させ、復
路で中インク滴を吐出させて、図11のようなテストパ
ターンを形成する。その後、主走査方向の位置が最も近
い縦罫線の組を選択し、その縦罫線の組に対応する補正
値をブラックノズル群の補正値として採用する。その補
正値は、コンピュータ90に接続されたキーボード、マ
ウスなどの入力手段(図示せず)または操作パネル32
(図2)から入力され、RAM44(図2)に格納され
る。そして、ヘッド駆動回路52(図2)は、モノクロ
印刷において、RAM44に格納された補正値に基づい
てドット位置ズレの補正を行う。具体的には、図7に示
す駆動信号補正部230において、駆動信号DRV
(i)を復路において全体に早くしたり遅くしたりする
ことによって、ドット位置ズレの補正を行う。ただし、
ドット位置ズレの補正の方法はこれに限られるものでは
なく、原駆動信号発生部206において原駆動信号OD
RVを全体として早くしたり遅くしたりすることによっ
て、行うこととしてもよい。すなわち、補正値に従っ
て、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレ
を補正する手段を備えるものとすればよい。
【0050】(5)本実施例の効果:本実施例によれ
ば、吐出タイミングをずらさざるを得ない2種類のイン
ク滴についてその着弾位置が主走査の往路と復路で反転
する場合に、それらの着弾位置のズレを目立たなくする
ような、好適な補正値を簡単に定めることができる。す
なわち、それぞれのインク滴について最適となる補正値
の平均値を、2回のテストパターンの印刷および平均値
を求める演算を行うことなく、簡単に求めて補正値とす
ることができる。
【0051】なお、本実施例においては、復路で形成す
る縦罫線は、その並びの順に一定刻みで往路の縦罫線と
の相対位置を変えるものとしたが、本発明はそのような
態様に限られるものではなく、「往路と復路の縦罫線と
の相対位置」と「復路の縦罫線の並び方」との関係はど
のようなものであってもよい。ただし、並びの順に一定
刻みで往路の縦罫線との相対位置を変えるものとすれ
ば、最もよく一致している縦罫線の組を特定しやすい。
【0052】また、本実施例においては、往路で小イン
ク滴による縦罫線を形成し、復路で中インク滴による縦
罫線を形成したが、往路で中インク滴による縦罫線を形
成し、復路で小インク滴による縦罫線を形成することと
しても、同様の効果が得られる。
【0053】なお、本実施例においては、検査用第一パ
ターンと検査用第二パターンは、縦罫線の集合とした
が、検査用第一パターンと検査用第二パターンは、その
態様に限られるものではない。すなわち、検査用第一パ
ターンは、複数の第一要素パターンを含み、検査用第二
パターンは、第一要素パターンにそれぞれ対応し、か
つ、第一要素パターンに対してそれぞれ異なる相対位置
に形成されている複数の第二要素パターンを含むものと
することができる。そして、補正値は、第一要素パター
ンと第二要素パターンとの主走査方向の位置の一致の程
度に基づいて決定することができる。そのようにすれ
ば、往路と復路で印刷される第一要素パターン、第二要
素パターンがそれぞれ一画素内で主走査方向の反対側の
端に着弾するインク滴で印刷されており、それらの要素
パターンの相対位置の一致の程度に基づいて補正値を定
めることとなる。このため、最もよく一致している要素
パターンの組を選ぶことで、「一画素内で一端側に位置
するドットに関して最適となる補正値」と「一画素内で
他端側に位置するドットに関して最適となる補正値」の
平均の値を、全体の補正値として定めることができる。
そして、一画素内で一端に位置するドットと他端に位置
するドットのそれぞれに関して最適となる補正値を求め
平均値を演算することなく、直接それらの平均の値を全
体の補正値として得ることができる。
【0054】D.第2実施例:第2実施例では、往路に
おいてシアンノズルC(図5)からシアンインクの小イ
ンク滴を吐出させて縦罫線を形成し、復路においてマゼ
ンタノズルM(図5)からマゼンタインクの中インク滴
を吐出させて縦罫線を形成する。そして、そのようにし
て形成したテストパターンに基づいて補正値を決定し、
その補正値に基づいてカラー印刷における双方向印刷の
位置ズレ補正を行う。他の点は第1実施例と同様であ
る。
【0055】カラー印刷において使用されるシアン、マ
ゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタの各
インク色の中では、シアン、マゼンタが濃色であり目に
付きやすい。従って、ドット位置ズレについてもこれら
のインクについて発生しているものが目立つこととな
り、画質に大きな影響を与える。本実施例ではこの点に
着目し、シアンとマゼンタでテストパターンを印刷して
いる。このため、シアンとマゼンタのインク滴の着弾位
置を基準として補正値が定められることとなり、ドット
位置ズレが目立ちにくい好適な補正値を定めることがで
きる。
【0056】また、本実施例においては、小インク滴に
よる縦罫線をシアンインクで形成している。シアンとマ
ゼンタの比較では、シアンの方が目に付きやすいため、
往路と復路で形成する縦罫線のうちでより細い方の縦罫
線をシアンで形成することとすれば、往路と復路で最も
よく一致している縦罫線の組を特定する際に、目視での
特定がしやすい。
【0057】なお、本実施例においては、往路でシアン
インクの小インク滴による縦罫線を形成し、復路でマゼ
ンタインクの中インク滴による縦罫線を形成したが、往
路でマゼンタインクの中インク滴による縦罫線を形成
し、復路でシアンインクの小インク滴による縦罫線を形
成することとしても、同様の効果が得られる。また、本
実施例では小インク滴をシアン、中インク滴をマゼンタ
としたが、色の組み合わせはこれに限られるものではな
い。すなわち、検査用第一パターンと検査用第二パター
ン(本実施例において往路と復路でそれぞれ印刷する縦
罫線)のうち一方は、光学濃度がより濃く比較的小さい
インク滴で印刷し、他方は、光学濃度がより薄く比較的
大きいインク滴で印刷することとすれば、同様に、縦罫
線の組を特定する際に、目視での特定がしやすい。
【0058】E.第3実施例: (1)インク滴の駆動波形の生成と画素内での着弾位
置:本実施例は、第1実施例とは、駆動波形の形成の仕
方、およびテストパターンの印刷の仕方が異なる。他の
点は第1実施例と同様である。
【0059】図12は、第3実施例の複数種類のインク
滴の駆動波形とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示
す説明図である。各要素が意味するものは図9と略同様
である。第3実施例では、図12(a)に示す原駆動波
形ODRVを使用して、大中小の各インク滴の駆動波形
を生成する。原駆動波形は、中インク滴に対応するパル
スW3、小インク滴に対応するパルスW4、大インク滴
に対応するパルスW5をその順に有している。そして、
小インク滴を吐出する駆動波形を生成する際には、図1
2(b)に示すように、原駆動波形ODRVのW4の両
側のパルスをマスクして駆動波形を形成する。なお、図
12(b)のW6の部分は、マスク回路がハイインピー
ダンス状態になると、ピエゾ素子がほぼ一定の電圧に保
たれることを示している。このようになる理由は、ピエ
ゾ素子がコンデンサとして機能するからである。また、
中インク滴を吐出する駆動波形を生成する際にも、図1
2(c)に示すように、原駆動波形ODRVのW3の両
側のパルスをマスクして駆動波形を形成する。大インク
滴を吐出する駆動波形を生成する際には、図12(d)
に示すように、W5に先立つパルスをマスクして駆動波
形ODRVを形成する。本実施例においては、大中小の
各ドットは、大中小の各インク滴によってそれぞれ形成
される。大中小の各インク滴の吐出タイミングは、中イ
ンク滴、小インク滴、大インク滴の順に早いので、一画
素内での着弾位置は、図12(b)〜(d)の右側に示
すように、ヘッドの移動方向の後方から前方に向けて中
インク滴、小インク滴、大インク滴の順になる。
【0060】図13は、双方向印刷時に発生する複数種
類のインク滴の主走査方向の着弾位置のずれを示す説明
図である。図13においても格子で区切られた1つの矩
形領域が一画素分の領域に相当する。ラスタラインL
1,L3,L5は往路で記録され、ラスタラインL2,
L4,L6は復路で記録される。前述のように第3実施
例では、一画素内での各インク滴の着弾位置は、ヘッド
の移動方向の後方から前方に向けて中インク滴、小イン
ク滴、大インク滴の順になる。よって、主走査の往路と
復路では、図13のように各インク滴の着弾位置、すな
わち、各ドットの形成位置がずれることとなる。
【0061】(2)第3実施例の補正値の決定方法:図
14は、一画素内に大中小の各インク滴を吐出させて、
テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式的な
説明図である。実際には、一画素内に大中小の各インク
滴を吐出させた場合には、図14のように縦罫線が3本
づつ形成されるのではなく、太い縦罫線が1本づつ形成
されることとなるが、ここでは説明の便宜のため、小イ
ンク滴による罫線と中インク滴による罫線とを離して表
示する。また、図14においては、実線の縦罫線が小イ
ンク滴による縦罫線を表しており、一点鎖線の縦罫線が
中インク滴による縦罫線を表している。そして、二点鎖
線の縦罫線が大インク滴による縦罫線を表している。
【0062】図14において、大中小の各インク滴によ
る縦罫線が最もよく一致しているのは、左から5番目の
組である。すなわち、左から5番目の組において、往路
と復路で形成される6本の縦罫線の端から端までの幅が
最も小さくなっている。第3実施例においては、大中小
の各インク滴の吐出順序及び時間間隔は固定されている
ので、往路と復路で3本づつ印刷される罫線の互いの相
対位置は固定的なものである。したがって、往復で形成
される一組6本の罫線の一致の度合いを見るには、両端
の大インク滴による罫線と中インク滴による罫線の一致
の度合いを見ればよいことになる。すなわち、一画素内
に3個以上のインク滴を吐出する場合にも、一画素内の
両端に着弾する二つのインク滴に着目して罫線組を選択
すれば、もっともドット位置ズレの目立ちにくい補正値
を定めることができることとなる。
【0063】図15は、往路で中インク滴を吐出させ、
復路で大インク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫
線を形成させた場合の説明図である。補正値を定めるに
あたっては、前述のように、一画素内の両端に着弾する
中インク滴と大インク滴による罫線が最も近い組を選べ
ばいいのであるから、このようなテストパターンを印刷
しても、図14の場合と同様に、左から5番目の罫線組
を選択し、的確に補正値を定められる。実際には、一画
素内に大中小の三つのインク滴を吐出させた場合には、
各インク滴による縦罫線が3本づつ形成されるのではな
く、太い縦罫線が1本づつ形成されることとなるのであ
るから、実際に中インク滴による縦罫線と大インク滴に
よる縦罫線との一致の程度によって補正値を定めようと
すれば、図15のように、往路において中インク滴と大
インク滴の一方で縦罫線を形成し、復路において他方で
縦罫線を形成することとなる。
【0064】(3)第3実施例の効果:本実施例のよう
にすれば、一画素内に3個以上のインク滴を着弾させる
印刷装置においても、好適に補正値を定めることができ
る。
【0065】なお、本実施例では、3種類のインク滴を
中小大の順に吐出する印刷装置をあげたが、本発明はそ
のような態様に限られるものではなく、複数のインク滴
を任意の順序で吐出する印刷装置に適用することができ
る。そのような印刷装置においては、複数種類のインク
滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の
一方に最も偏るインク滴によって検査用第一パターンを
印刷し、複数種類のインク滴のうちで一の画素内におけ
る着弾位置が主走査方向の他方に最も偏るインク滴によ
って検査用第二パターンを印刷することとすれば、同様
の効果を得ることができる。また、その場合も、第2実
施例に示したように、シアンインク滴とマゼンタインク
滴によって検査用第一パターン、検査用第二パターンを
印刷し、カラー印刷時の補正値を定めることもできる。
【0066】F.その他:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0067】(1)第2実施例では、カラー印刷の際に
は各色のノズル全部を一つの補正値に従って補正するこ
ととし、シアンインク滴とマゼンタインク滴に基づいて
補正値を定めることとしたが、補正値は、独立にインク
滴吐出タイミングの補正ができるノズル群毎に、独立に
設定することがより好ましい。こうすれば、上述した実
施例よりもさらに位置ズレを低減することが可能であ
る。また、同一のインクを吐出するノズル列のグループ
毎に補正値を独立に設定するようにしてもよい。例え
ば、特定のインクを吐出するノズル列が2組設けられて
いる場合には、その2組のノズルに対しては同一の補正
値を適用するようにしてもよい。
【0068】(2)上記実施例では、復路の記録位置
(または記録タイミング)を調整することによって位置
ズレを補正していたが、往路の記録位置を調整すること
によって位置ズレを補正するようにしてもよい。また、
往路と復路の記録位置の両方を調整することによって位
置ズレを補正するようにしてもよい。すなわち、一般に
は、往路と復路の記録位置の少なくとも一方を調整する
ことによって位置ズレを補正するようにすればよい。
【0069】(3)上記実施例では、インクジェットプ
リンタについて説明したが、本発明はインクジェットプ
リンタに限らず、一般に、印刷ヘッドを用いて印刷を行
う種々の印刷装置に適用可能である。
【0070】(4)上記実施例において、ハードウェア
によって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置
き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによっ
て実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換え
るようにしてもよい。
【0071】(5)上記各実施例では特に説明を省略し
ていたが、1回の主走査では各ラスタライン上のすべて
の画素を記録してもよく、また、各ラスタライン上の一
部の画素を記録してもよい。後者の場合には、1ラスタ
ライン上の一部の画素を往路で記録し、他の画素を復路
で記録するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタ22を備えた印刷シス
テムの概略構成図。
【図2】制御回路40を中心としたプリンタ22の構成
を示すブロック図。
【図3】インク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示
す説明図。
【図4】ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に
示した説明図。
【図5】インク吐出用ヘッド61〜66におけるインク
ジェットノズルNzの配列を示す説明図。
【図6】テストパターンに基づいてズレ調整の補正値を
決定する方法を示す説明図。
【図7】第1実施例において制御回路40(図1)内に
設けられた駆動信号発生部の構成を示すブロック図。
【図8】図7に示す駆動信号発生部の動作を示すタイミ
ングチャート。
【図9】複数種類のインク滴の駆動波形とそれぞれの画
素内の着弾位置の関係を示す説明図。
【図10】一画素内に小インク滴と中インク滴を吐出さ
せて、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模
式的な説明図。
【図11】往路で小インク滴を吐出させ、復路で中イン
ク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させ
た場合の説明図。
【図12】第3実施例の複数種類のインク滴の駆動波形
とそれぞれの画素内の着弾位置の関係を示す説明図。
【図13】双方向印刷時に発生する複数種類のインク滴
の主走査方向の着弾位置のずれを示す説明図。
【図14】一画素内に大中小の各インク滴を吐出させ
て、テストパターンの縦罫線を形成させた場合の、模式
的な説明図。
【図15】往路で中インク滴を吐出させ、復路で大イン
ク滴を吐出させて、テストパターンの縦罫線を形成させ
た場合の説明図。
【図16】双方向印刷時に発生するインク滴の主走査方
向の着弾位置のズレの発生とその補正方法を示す説明
図。
【図17】複数種類のインク滴を吐出する場合に、小イ
ンク滴を基準として吐出タイミングを補正した場合の印
刷結果を示す説明図。
【符号の説明】
22…カラープリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…インク吐出用ヘッド(印字ヘッド) 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 41…CPU 43…PROM 44…RAM 45…キャラクタジェネレータ(CG) 50…I/F専用回路 52…ヘッド駆動回路 54…モータ駆動回路 56…コネクタ 61〜66…インク吐出用ヘッド 67…導入管 68…インク通路 71,72…インク用カートリッジ 90…コンピュータ 204…マスク回路 206…原駆動信号発生部 230…駆動信号補正部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 19/18 B41J 3/10 101G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒
    体上に印刷を行う印刷装置であって、 複数のノズルからなるノズル群と、前記複数のノズルか
    らインク滴をそれぞれ吐出させるための複数の吐出駆動
    素子と、を有し、前記印刷媒体上の同一画素内を狙って
    一つのノズルから複数種類のインク滴のうちの一つ以上
    のインク滴を選択的に吐出可能な印刷ヘッドと、 前記各吐出駆動素子に駆動信号を供給して、前記各ノズ
    ルから前記1以上のインク滴を選択的に吐出させること
    によって、各画素位置に、大きさの異なる複数種類のド
    ットのうちの一つを選択的に記録するヘッド駆動制御部
    と、 往路と復路における主走査方向の記録位置のズレを補正
    するための補正値を格納するメモリと、 前記補正値に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿っ
    た記録位置のズレを補正するための位置ズレ補正実行部
    と、を備え、 前記ヘッド駆動制御部は、主走査の往路と復路におい
    て、前記複数種類のインク滴の経時的な吐出順序を同一
    に保つように前記駆動信号を生成し、 前記補正値は、前記複数種類のインク滴のうちで一の画
    素内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るイ
    ンク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体
    上に印刷される検査用第一パターンと、前記複数種類の
    インク滴のうちで一の画素内における着弾位置が主走査
    方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路
    と復路の他方で印刷媒体上に印刷される検査用第二パタ
    ーンと、を含む位置ズレ検査用パターンの中から選択さ
    れた好ましい補正状態を示す補正情報に従って決定され
    ることを特徴とする双方向印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ヘッド駆動制御部は、 N(Nは2以上の整数)種類のドットを形成することを
    示す印刷信号のN個の異なる値に応じて一画素分の主走
    査期間内における前記駆動信号の波形を互いに異なるN
    種類の形状に整形可能である駆動信号発生部を備え、 前記駆動信号発生部は、 前記複数の吐出駆動素子のために共通に使用され、一画
    素の主走査期間内に前記複数種類のインク滴に対応する
    複数のパルスを有する原駆動信号を生成する原駆動信号
    生成部と、 前記印刷信号のN個の異なる値に応じて前記原駆動信号
    を整形することによって、前記各吐出駆動素子に供給す
    る駆動信号を生成する信号整形部と、を備える、双方向
    印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ノズル群は、 光学濃度が比較的濃いインクを吐出する濃色ノズル群
    と、光学濃度が比較的薄いインクを吐出する淡色ノズル
    群と、を備えており、 前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのう
    ち一方は、前記濃色ノズル群を用いて比較的小さいイン
    ク滴で印刷され、 前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのう
    ち他方は、前記淡色ノズル群を用いて比較的大きいイン
    ク滴で印刷される、双方向印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ノズル群は、 シアンインクを吐出するシアンノズル群と、マゼンタイ
    ンクを吐出するマゼンタノズル群と、を含むカラーノズ
    ル群を備えており、 前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのう
    ち一方は、前記シアンノズル群を用いて比較的小さいイ
    ンク滴で印刷され、 前記検査用第一パターンと前記検査用第二パターンのう
    ち他方は、前記マゼンタノズル群を用いて比較的大きい
    インク滴で印刷される、双方向印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記印刷ヘッドは、インク量の異なる大インク滴、中イ
    ンク滴および小インク滴の3種類のインク滴を吐出する
    ことが可能であり、 前記ヘッド駆動制御部は、同一画素を狙う前記3種類の
    インク滴の吐出タイミングについて、往路と復路のいず
    れにおいても小インク滴の吐出タイミングを前記3種類
    のインク滴のうちの2番目に保つように前記駆動信号を
    生成し、 前記検査用第一パターンは、大インク滴と中インク滴の
    一方で印刷され、 前記検査用第二パターンは、大インク滴と中インク滴の
    他方で印刷される、双方向印刷装置。
  6. 【請求項6】 複数のノズルからなるノズル群を有し印
    刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種
    類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐
    出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行
    いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種
    類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置
    において、往路と復路における主走査方向のインク滴の
    記録位置のズレを補正する方法であって、(a)前記複
    数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置
    が主走査方向の一方に最も偏るインク滴を用いて、主走
    査の往路と復路の一方で印刷媒体上に検査用第一パター
    ンを印刷する工程と、(b)前記複数種類のインク滴の
    うちで一の画素内における着弾位置が主走査方向の他方
    に最も偏るインク滴を用いて、主走査の往路と復路の他
    方で印刷媒体上に検査用第二パターンを印刷する工程
    と、(c)前記検査用第一パターンと前記検査用第二パ
    ターンとを含む位置ズレ検査用パターンの中から選択さ
    れた好ましい補正状態を示す補正情報に従って、補正値
    を決定する工程と、(d)前記補正値に従って、双方向
    印刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正する
    工程と、を備えることを特徴とするインク滴の記録位置
    の補正方法。
  7. 【請求項7】 複数のノズルからなるノズル群を有し印
    刷媒体上の同一画素内を狙って一つのノズルから複数種
    類のインク滴のうちの一つ以上のインク滴を選択的に吐
    出可能な印刷ヘッドを備え、主走査を往復で双方向に行
    いつつ印刷媒体上に印刷を行うことができ、前記複数種
    類のインク滴の経時的な吐出順序を同一に保つ印刷装置
    を備えたコンピュータにおいて、往路と復路における主
    走査方向のインク滴の記録位置のズレの補正を行わせる
    ためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体であ
    って、(a)前記複数種類のインク滴のうちで一の画素
    内における着弾位置が主走査方向の一方に最も偏るイン
    ク滴を用いて、主走査の往路と復路の一方で印刷媒体上
    に検査用第一パターンを印刷する機能と、(b)前記複
    数種類のインク滴のうちで一の画素内における着弾位置
    が主走査方向の他方に最も偏るインク滴を用いて、主走
    査の往路と復路の他方で印刷媒体上に検査用第二パター
    ンを印刷する機能と、(c)前記検査用第一パターンと
    前記検査用第二パターンとを含む位置ズレ検査用パター
    ンの中から選択された好ましい補正状態を示す補正情報
    に従って、補正値を決定する機能と、(d)前記補正値
    に従って、双方向印刷時の主走査方向に沿った記録位置
    のズレを補正する機能と、を実現させるための、コンピ
    ュータプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能
    な記録媒体。
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