JP4110444B2 - 放電ランプ装置および照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプの長寿命化を図った放電ランプ装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長寿命化を図った蛍光ランプは、例えば特開平6−283134号公報(従来技術)に開示されている。この従来技術は、高周波で点灯される蛍光ランプに関するものであり、フィラメントの予熱時の抵抗R1と非予熱時の抵抗R0との比が、R1/R0=4〜6の範囲となるように設定したものである。この蛍光ランプは、フィラメントが放電を開始するに十分な温度となって多量の熱電子を放出している時に放電開始電圧が印加され、放電が円滑にかつ確実に開始するようになり、エミッタやフィラメント材料のスパッタリングが防止され、管壁の黒化が少なくなり、長寿命になるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、蛍光ランプの点灯時にフィラメントの予熱電流が小さいので、フィラメントの一部にスポット状の高温部分が形成され、この高温部分の温度が異常に高いと、エミッタの蒸発が多くなり、ランプ寿命が短くなるおそれがある。
【0004】
また、近年、蛍光ランプは管径が細くなってきており、特に、OA機器やバックライトなどに使用される蛍光ランプは、管径が10mm以下である。この細管の蛍光ランプは、フィラメントに保持できるエミッタ量が少なくなるので、従来技術のように、予熱時の抵抗R1と非予熱時の抵抗R0との比(R1/R0)を設定したのみでは長寿命化が困難になっている。
【0005】
本発明は、放電ランプの長寿命化を図った放電ランプ装置および照明装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の放電ランプ装置の発明は、放電媒体が封入されているとともに、両端にタングステンコイルおよびこのタングステンコイルに塗布された酸化物エミッタを有してなる一対の電極が封装されたバルブを有する放電ランプと;一対の電極間に安定的に放電を形成させる点灯手段および電極の放電ランプの定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極を常時予熱する予熱手段を有し、電極に流れる予熱電流の実効値(If)と一対の電極間に流れる放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上であり、かつ予熱電流の実効値(If)が1A以下となるように構成された点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下のように定義される。
【0008】
放電ランプは、バルブが直管状に形成されたもの、あるいは環状など、屈曲形成されたもののいずれであってもよい。
【0009】
点灯装置は、放電ランプを高周波で付勢する高周波点灯装置の他、商用周波数などの低周波で付勢する銅鉄型の安定器であってもよい。
【0010】
そして、予熱手段としては、電極予熱トランス等の格別の予熱手段を用いるもの、点灯手段の限流用のインダクタに予熱巻線を設けるもの、あるいは電極の非電源側の端子間に予熱用インピーダンス素子を設けるもの等であってもよい。
【0011】
電極の放電ランプの点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3を下回ると、電極の発熱が低くなり、一対の電極間の放電維持に必要な熱電子が電極から放出されにくくなる。また、前記比(Rh/Rc)が5を超えると、電極が過剰に発熱し、電極に塗布されている酸化物エミッタの蒸発量が多くなり、放電ランプが短寿命になるおそれがある。特に、酸化物エミッタの主構成要素であるバリウムは、電極の温度上昇に対して指数関数的に蒸発量が多くなる。したがって、前記比(Rh/Rc)を3〜5とする。
【0012】
予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)との比(If/Il)が3以上であると、電極の温度分布は、放電電流の影響が小さく、ほとんど変化しなくなる。そして、前記比(If/Il)の上限は、予熱電流の実効値(If)の上限値1Aによって決定される。
【0013】
そして、予熱電流の実効値(If)が1Aを超えると、電極の温度が異常に上昇、例えば950℃以上に上昇して酸化物エミッタの蒸発量が大きくなり、蛍光ランプが短寿命となるので、予熱電流の実効値(If)は、1A以下とした。また、この下限値は、電極が発熱し、一対の電極間の放電維持に必要な熱電子が電極から容易に放出できるような電流値であればよく、例えば0A付近の電流値も許容される。
【0014】
本発明によれば、上記のように構成されているので、放電ランプが点灯して放電電流が流れても、電極の温度分布の変化が生じにくく、その温度分布が平坦化されるとともに、電極が最適に発熱して、一対の電極間の放電維持に必要な熱電子が電極から容易に放出される。この結果、電極の一部にスポット状の非常な高温部分が形成されなくなるので、酸化物エミッタの蒸発が防止されて、放電ランプが長寿命化される。
【0015】
請求項2に記載の放電ランプ装置の発明は、放電媒体が封入されているとともに、両端にタングステンコイルおよびこのタングステンコイルに塗布された酸化物エミッタを有してなる一対の電極が封装されたバルブを有する放電ランプと;一対の電極間に交流電圧を印加して放電を安定的に形成させる点灯手段および電極の放電ランプの定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極を交流電圧で常時予熱する予熱手段を有し、電極に流れる予熱電流の実効値(If)と一対の電極間に流れる放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上、予熱電流の実効値(If)が1A以下であり、かつ予熱電流と放電電流の位相差が180±60°の範囲内となるように構成された点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0016】
放電ランプは、一対の電極間およびそれぞれの電極の両端間に交流電圧が印加される。そして、点灯装置は、交流電圧を出力して、放電ランプの一対の電極間およびそれぞれの電極の両端間に印加する。
【0017】
予熱電流と放電電流が同相であると、電極は予熱電流および放電電流の最大値により発熱されるので、比較的高温のアークスポット部が形成されることが判明した。すなわち、実験の結果、予熱電流と放電電流の位相差が−60°〜+60°の範囲であると、最高温度が950℃程度のアークスポット部が形成され、位相差が120°〜240°(180±60°)の範囲内であると、電極の温度分布が平坦化されるとともに、最高温度が900℃程度であった。
【0018】
本発明によれば、請求項1の構成に加え、予熱電流と放電電流の位相差が180±60°の範囲内となるように構成されているので、予熱電流と放電電流の位相差がほぼ逆位相となり、電極の温度分布がさらに平坦化される。したがって、電極の一部にスポット状の非常な高温部分がさらに形成されなくなるので、酸化物エミッタの蒸発が防止されて、放電ランプがさらに長寿命化される。
【0019】
請求項1または2の放電ランプ装置の発明は、さらに、タングステンコイルの素線の外径、0.05〜0.1mmであることを特徴としている。
【0020】
タングステンコイルは、素線にサブワイヤ等を巻回して構成される。そして、タングステンコイルは、ダブルコイルまたはトリプルコイルに形成される。
【0021】
素線の外径が0.05mmを下回ると、予熱電流に対する発熱量が多くなり、酸化物エミッタの蒸発量が多くなるとともに、断線のおそれがある。また、前記外径が0.1mmを超えると、予熱電流を多く流さないと、熱電子放出に必要な温度に上昇しない。したがって、素線の外径は、0.05〜0.1mmとする。
【0022】
本発明によれば、電極が容易に熱電子放出できる温度に発熱するとともに、電極の温度分布がスポット状となりにくく、また、予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)を3以上に容易に形成しやすい。
【0023】
請求項1または2の放電ランプ装置の発明は、さらに、放電電流の実効値(Il)、200mA以下であることを特徴としている。
【0024】
放電電流の実効値(Il)の下限値は、一対の電極間に放電が形成できればよく、零に近い電流であってもよい。そして、放電電流の実効値(Il)を200mA以下とすることにより、バルブの管径が小さい放電ランプを形成することができる。
【0025】
本発明によれば、細管の放電ランプを形成可能であるとともに、電極の温度分布がスポット状となりにくく、予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)を3以上に容易に形成しやすい。
【0026】
請求項に記載の蛍光ランプ装置の発明は、請求項1または2記載の放電ランプ装置において、バルブの管内径は、5〜15mmであることを特徴とする。
【0027】
バルブの管内径が5mm以上であると、バルブが電極を封装できるとともに、その内壁が電極の発熱により過度に加熱されなくすることができる。また、バルブの管内径を15mm以下とすることにより、細径の放電ランプを形成することができる。
【0028】
本発明によれば、バルブの管内径は、5〜15mmであるので、細管の放電ランプが形成されるとともに、少ない放電電流で所望の発光効率が得られる。
【0029】
請求項に記載の照明装置の発明は、請求項1ないしいずれか一記載の放電ランプ装置と;この放電ランプ装置を配設している照明装置本体と;を具備していることを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、放電ランプの寿命が長く、管径の細い放電ランプを搭載した照明装置を提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0033】
図1〜図6は、本発明の第1の実施形態を示し、図1は放電ランプ装置の回路図、図2は、放電ランプの斜視図、図3は電極の正面図、図4は放電ランプの点灯試験結果を示す説明図、図5は放電電流および予熱電流の波形図、図6は放電電流および予熱電流の位相差における電極温度の分布図である。
【0034】
放電ランプ装置1は、図1に示すように、放電ランプとしての蛍光ランプ2および点灯装置3を有して構成されている。
【0035】
蛍光ランプ2は、図2に示すように、直管状のバルブ4の両端に一対の電極5,5が封装され、内部に水銀および1330Pa(パスカル)のアルゴンガスからなる放電媒体が封入されているとともに、内面に図示しない蛍光体層が形成されている。バルブ4は、軟質ガラスからなり、管外径6.5mm、肉厚0.4mm、全長420mmに形成されている。そして、バルブ4の両端には、電極5のインナーリード6,6に電気的に接続された接続ピン7,7を有する口金8,8が装着されている。
【0036】
電極5は、図3に示すように、インナーリード6,6間に架橋されたタングステンコイル9およびこのタングステンコイル9に塗布された図示しない酸化物エミッタを有して形成されている。酸化物エミッタは、例えば酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウムからなっている。タングステンコイル9は、素線の直径0.0645mm、サブワイヤの直径0.0196mm、1stマンドレルの直径0.0576mm、2stマンドレルの直径0.250mm、ピアノワイヤの直径1.75mmのトリプルコイルに形成され、ターン数が2、ピッチP1が1mm、クランプ幅W1が3mmであり、25℃における抵抗値(Rc)は1.2Ωであった。
【0037】
点灯装置3は、図1に示すように、商用交流電源Vsに整流器REC1および電解コンデンサC1からなる整流平滑回路10が接続され、この整流平滑回路10の出力側にハーフブリッジ形に電界効果トランジスタFET1および電界効果トランジスタFET2を接続したインバータ回路11が接続され、電界効果トランジスタFET2の両端間に直流カット用コンデンサC2、限流用インダクタL1の一次巻線L1aおよび共振用コンデンサC3の直列回路からなる共振回路12が接続されて構成されている。
【0038】
そして、限流用インダクタL1には、二次巻線L1b,L1cが設けられている。この二次巻線L1b,L1cのそれぞれの両端間は、蛍光ランプ2の電極5,5のそれぞれの両端間に接続されている。そして、蛍光ランプ2は、電極5,5の電源側端子が共振用コンデンサC3に並列的に接続されるようにして、点灯装置3に接続されている。
【0039】
インバータ回路11の電界効果トランジスタFET1,FET2のぞれぞれのゲート(制御端子)は、駆動回路13に接続されている。そして、駆動回路13は、制御回路14に接続されている。駆動回路13は、制御回路14から電界効果トランジスタFET1,FET2のスイッチング動作を制御する制御信号が入力されると、所定周波数の駆動電圧を電界効果トランジスタFET1,FET2のゲートに印加して、電界効果トランジスタFET1,FET2をスイッチング動作させる。これにより、限流用インダクタL1の一次巻線L1aおよび共振用コンデンサC3による共振電流が限流用インダクタL1の一次巻線L1aに流れ、共振電圧が共振用コンデンサC3の両端間に発生する。
【0040】
電界効果トランジスタFET1,FET2がスイッチング動作をしていると、限流用インダクタL1の一次巻線L1aには、双方向に共振電流が流れ、二次巻線L1b,L1cのそれぞれの両端間に交流の予熱電圧が発生して、蛍光ランプ2のそれぞれの電極5,5に印加される。そして、電極5,5は、予熱電流が流れて予熱される。すなわち電極5,5は、常時予熱されており、限流用インダクタL1は、それぞれの電極5,5を常時予熱する予熱手段を形成している。
【0041】
そして、共振回路12の共振電圧(始動電圧)が一対の電極5,5間に印加され、電極5,5間に放電が形成されて蛍光ランプ2が点灯する。すなわち、蛍光ランプ2の一対の電極5,5間に放電電流が流れ、蛍光ランプ2の定格点灯時、その放電電流(ランプ電流)は100mAである。狭義的に言えば、インバータ回路11、共振回路12および制御回路14は、蛍光ランプ2の一対の電極5,5間に放電を形成させる点灯手段を形成している。
【0042】
そして、蛍光ランプ2の定格点灯時、それぞれの電極5に流れる予熱電流(If)は、440mAとなるように、タングステンコイル9の抵抗値および限流用インダクタL1の二次巻線L1b,L1cの巻数比などが予め設定されている。すなわち、予熱電流(If)と放電電流(Il)の比(If/Il)が4.4に設定されている。そして、この時の電極5(タングステンコイル9)の抵抗値(Rh)は、5.4Ωとなり、蛍光ランプ2の定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)は4.5である。
【0043】
次に、第1の実施形態の作用について述べる。
【0044】
図1において、点灯装置3の制御回路14は、蛍光ランプ2の予熱時、始動時および点灯時に、それぞれ所定周波数で電界効果トランジスタFET1,FET2を交互にスイッチング動作させる制御信号を駆動回路13に送出し、駆動回路13はその制御信号に応じて電界効果トランジスタFET1,FET2をスイッチング動作させる。
【0045】
そして、蛍光ランプ2の電極5,5(タングステンコイル9,9)は、予熱時に例えば1Aの予熱電流が流れて予熱される。そして、共振回路12の始動電圧(共振電圧)が一対の電極5,5間に印加されて蛍光ランプ2が点灯した後は、それぞれの電極5には、440mAの予熱電流が流れる。そして、一対の電極5,5間には、100mAの放電電流(ランプ電流)が流れる。
【0046】
蛍光ランプ2の点灯時、それぞれの電極5は、440mAの予熱電流が流れて予熱されているので、100mAの放電電流(ランプ電流)の熱影響が小さく、電極極5,5(タングステンコイル9,9)の温度分布はほとんど変化しなく、800〜900℃の範囲であった。したがって、電極5(タングステンコイル9)にスポット状の異常な高温部分が形成されなくなり、酸化物エミッタの蒸発量が非常に少なくなった。
【0047】
また、蛍光ランプ2の定格点灯時、電極5(タングステンコイル9)の抵抗値(Rh)は、5.4Ωとなり、25℃の抵抗値(Rc)の4.5倍であったので、一対の電極間の放電維持に必要な熱電子の放出がなされるように、電極5が発熱されている。
【0048】
そして、連続点灯を行った結果、蛍光ランプ2は、平均寿命2万時間を達成することができた。これは、通常の蛍光ランプに対して、2〜4倍の寿命であることが確認された。
【0049】
また、図4に示すように、タングステンコイル9の素線の直径が異なる蛍光ランプ2を試作し、電極5を予熱する予熱電流の実効値(If)および一対の電極5,5間に流れる放電電流の実効値(Il)を変化させて、それぞれの蛍光ランプ2の連続点灯試験(寿命試験)を行った。
【0050】
その結果、蛍光ランプ2の点灯時における電極5の抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内において、予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上であるとき、各蛍光ランプ2は、10000時間以上の寿命を達成することができた。ここで、寿命は、蛍光ランプ2が不点となった時間で測定した。
【0051】
したがって、蛍光ランプ2は、Rh/Rcが3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極5,5が常時予熱され、If/Ilが3以上であると、ランプ寿命が飛躍的に向上することが確認された。
【0052】
そして、図中▲1▼、▲2▼に示すように、タングステンコイル9の素線の直径が0.05mm以上のとき、Rh/Rcを3〜5およびIf/Ilを3以上に容易に形成しやすいことが判った。
【0053】
また、図5に示すように、電極5に流れる予熱電流と一対の電極5,5間に流れる放電電流の位相差がほぼ逆位相となる180±60°の範囲内にすると、図6に示すように、タングステンコイル9(電極5)の温度分布がさらに平坦化され、その最高温度は、900℃以下であることが確認された。すなわち、図6において、予熱電流と放電電流が同相(位相差0°)であると、最高温度950℃程度のアークスポット部が形成されたが、位相差を120°又は240°にすると、電極5の温度分布が平坦化されるとともに、最高温度が900℃程度まで低下した。そして、さらに予熱電流と放電電流が逆位相の位相差180°になると、電極5の温度分布はほぼ平坦化され、その最高温度は800〜900℃の範囲内になった。
【0054】
そして、図4と同様に、蛍光ランプ2の連続点灯試験(寿命試験)を行った結果、さらに数1000時間の長寿命が得られた。すなわち、電極5の温度分布がさらに平坦化されることにより、酸化物エミッタの蒸発をさらに防止することができた。したがって、蛍光ランプ2は、電極5に流れる予熱電流と一対の電極5,5間に流れる放電電流の位相差を180±60°の範囲内にすると、ランプ寿命をさらに向上させることができる。
【0055】
上述したように、蛍光ランプ2は、管外径6.5mm、肉厚0.4mmのバルブ4を有する細管の蛍光ランプであるが、Rh/Rcを3〜5およびIf/Ilを3以上に形成することにより、細管の蛍光ランプであっても10000時間以上の長寿命が得られる。また、細管であるので、放電電流の実効値(Il)が100mAと小さくても充分な可視光が得られ、所望の発光効率を得ることができた。すなわち、放電電流の実効値(Il)を小さくすることにより、所望の発光効率の下で細管の蛍光ランプ2を形成することができる。ここで、放電電流の実効値(Il)を200mA以下にすると、上記If/Ilを3以上に容易に形成しやすくすることができる。
【0056】
なお、上記実施形態において、蛍光ランプ2は、細管(管外径6.5mm)のバルブ4を用いたが、細管に限らず、管径の大きいバルブであっても本発明の作用、効果が適合可能である。また、放電ランプは、蛍光ランプ2について説明したが、これに限らず、殺菌ランプ等のUVランプなどであってもよい。また、放電ランプ装置1は、電球形蛍光ランプに用いてもよい。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0058】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す照明装置の断面正面図である。なお、図1〜図2と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0059】
図7に示す照明装置15は、エッジライト方式の液晶表示装置であり、照明装置本体としての液晶表示装置本体16内に図1に示す放電ランプ装置1を配設している。すなわち、2個の蛍光ランプ2を透光性材料からなる導光板17の両側に配設し、上面に拡散シート18、下面に反射シート19が設けられている。拡散シート18は、光拡散効果を有する乳白色の合成樹脂板からなり、照射面の輝度を面全体に亘って均一化させる。また、反射シート19は、鏡面反射板または光散乱アクリル板等からなり、蛍光ランプ2,2から出射され背面に向かう光を反射させて前面に導くものである。そして、点灯装置3(図示しない。)は、液晶表示装置本体16内の任意の箇所に配設している。
【0060】
また、液晶表示装置本体16は、蛍光ランプ2,2を覆うようにして、反射板20,20を配設している。反射板20,20は、蛍光ランプ2,2から出射された外側への光を導光板17側へ反射させる。そして、導光板17の上面側に液晶表示板21が配設されている。
【0061】
液晶表示装置15は、蛍光ランプ2,2から出射された光が全反射を繰り返しながら導光板17内を伝播し、光出射面17aから出射されて、液晶表示板21を照明する。
【0062】
液晶表示装置15は、長寿命化が図られ、管径が細い蛍光ランプ2,2を配設しているので、薄形に形成できるとともに、寿命を長くすることができる。
【0063】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0064】
図8は、本発明の第3の実施形態を示す照明装置の正面図である。なお、図1〜図2と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0065】
図8に示す照明装置22は、天井等などに直付けや吊下げられて配設される照明器具である。この照明器具22は、照明装置本体としての照明器具本体23内に点灯装置3を配設し、照明器具本体23に設けられたランプソケット24,24間に蛍光ランプ2を装着している。
【0066】
照明器具22は、細管の蛍光ランプ2を装着することにより、薄形にできる。また、蛍光ランプ2が長寿命であるので、ランプ交換の手間や費用が少なくて済む。さらに、蛍光ランプ2の放電電流の実効値(Il)を200mA以下の所望値にすることにより、所望の明るさに形成することができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、電極の放電ランプの定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極が常時予熱され、予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上であり、かつ予熱電流の実効値(If)が1A以下となるように構成されているので、電極を最適に発熱させることができて、一対の電極間の放電維持に必要な熱電子を電極から容易に放出させることができるとともに、電極の一部にスポット状の非常な高温部分を形成させなくし、酸化物エミッタの蒸発を防止することができて、放電ランプを長寿命化することができる。
【0068】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明に加えて、予熱電流と放電電流の位相差が180±60°の範囲内となるように構成されているので、予熱電流と放電電流の位相差がほぼ逆位相となり、電極の温度分布をさらに平坦化させることができる。この結果、酸化物エミッタの蒸発をさらに防止することができて、放電ランプをさらに長寿命化することができる。
【0069】
さらに、請求項1または2の発明によれば、タングステンコイルの素線の外径、0.05〜0.1mmであるので、電極を容易に熱電子放出できる温度に発熱させることができるとともに、電極の温度分布をスポット状にさせにくく、また、予熱電流の実効値(If)と放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)を3以上に容易に形成することができる。
【0070】
さらに、請求項1または2の発明によれば、放電電流(Il)、200mA以下であるので、電極の温度分布がスポット状となりにくく、予熱電流(If)と放電電流(Il)の比(If/Il)を3以上に容易に形成することができる。
【0071】
請求項の発明によれば、バルブの管内径は、5〜15mmであるので、細管の放電ランプを形成することができるとともに、少ない放電電流で所望の発光効率を得ることができる。
【0072】
請求項の発明によれば、放電ランプの寿命が長く、管径の細い蛍光ランプを搭載した照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す放電ランプ装置の回路図。
【図2】同じく、放電ランプの斜視図。
【図3】同じく、電極の正面図。
【図4】同じく、放電ランプの点灯試験結果を示す説明図。
【図5】同じく、放電電流および予熱電流の位相差を示す波形図。
【図6】同じく、放電電流および予熱電流の位相差における電極温度の分布図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す照明装置の断面正面図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す照明装置の正面図。
【符号の説明】
1……放電ランプ装置
2……放電ランプとしての蛍光ランプ
3……点灯装置
15…照明装置としての液晶表示装置
16…照明装置本体としての液晶表示装置本体
22…照明装置としての照明器具
23…照明装置本体としての照明器具本体

Claims (4)

  1. 放電媒体が封入されているとともに、両端に素線の外径が0.05〜0.1mmのタングステンコイルおよびこのタングステンコイルに塗布された酸化物エミッタを有してなる一対の電極が封装されたバルブを有する放電ランプと;
    一対の電極間に安定的に放電を形成させる点灯手段および電極の放電ランプの定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極を常時予熱する予熱手段を有し、電極に流れる予熱電流の実効値(If)と一対の電極間に流れる放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上であり、かつ予熱電流の実効値(If)が1A以下、放電電流の実効値(Il)が200mA以下となるように構成された点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする放電ランプ装置。
  2. 放電媒体が封入されているとともに、両端に素線の外径が0.05〜0.1mmのタングステンコイルおよびこのタングステンコイルに塗布された酸化物エミッタを有してなる一対の電極が封装されたバルブを有する放電ランプと;
    一対の電極間に交流電圧を印加して放電を安定的に形成させる点灯手段および電極の放電ランプの定格点灯時における抵抗値(Rh)と25℃における抵抗値(Rc)との比(Rh/Rc)が3〜5の範囲内となるようにそれぞれの電極を交流電圧で常時予熱する予熱手段を有し、電極に流れる予熱電流の実効値(If)と一対の電極間に流れる放電電流の実効値(Il)の比(If/Il)が3以上、予熱電流の実効値(If)が1A以下、放電電流の実効値(Il)が200mA以下であり、かつ予熱電流と放電電流の位相差が180±60°の範囲内となるように構成された点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする放電ランプ装置。
  3. バルブの管内径は、5〜15mmであることを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ装置。
  4. 請求項1ないしいずれか一記載の放電ランプ装置と;
    この放電ランプ装置を配設している照明装置本体と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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