JP4107508B2 - 電圧変換装置 - Google Patents
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Description
(1)直流電源の出力電圧に対して電気負荷が要求する入力電圧が異なる場合に電気的に不都合なく接続して使用可能とすること、
(2)電気負荷の入力電圧を直流電源の出力電圧変動の影響を受けず所定値に安定して供給すること、
(3)電気負荷の電力損失を最小化して高エネルギー効率で動作させるために電気負荷の動作状態に合わせて適切な電圧を供給すること、
などがあげられる。
この場合、直流電源であるバッテリの出力電圧を、電圧変換装置によって昇圧変換してインバータに供給し、さらに、インバータが直流電圧を交流電圧に変換して交流電動機に供給することで電気自動車の駆動力を得て走行するように構成されている。
(B)電圧変換装置が昇圧状態の場合は、上記フィードバック制御のループゲインを電圧変換装置の入力電圧と出力電圧との昇圧比率に応じて、あらかじめ実験的に求めた最適倍率αによって補正すること(段落[0027])。
しかしながら、電圧変換装置の出力電圧は、昇圧比率に対するループゲインへの最適倍率αをあらかじめ実験的に求めてデータ化しておき、最適倍率αをループゲインに乗算することによって制御特性に反映されるものの、電圧変換装置、インバータおよび交流電動機は、それぞれ固有に制御特性を有することから、組合せ時の制御特性の補償機構を、交流電動機のフィードバック制御のみに設けるのは好ましくない。
このことは、交流電動機のフィードバック制御の方式を一部変更した場合であっても同様であり、たとえば、角度センサ付きのフィードバック制御から角度センサレスフィードバック制御に替える場合も該当する。
一般に、電圧変換装置の出力電圧制御は、電圧変換装置内の半導体電力変換素子であるパワー素子のスイッチングデューティを調整することにより行われるが、このときに電力変換系が有する共振周波数は、スイッチングデューティや電気負荷量(入力電圧/出力電流)によって変化する特性となる。
また、電力変換系の周波数伝達特性についても、その振幅値がスイッチングデューティによって変化することから、出力電圧制御の応答性が昇圧比率によって変動することになる。
一方、電気負荷装置が、特許文献1に示されるような制御系を有しておらず、受動的なものであって、出力電圧の変動がそのまま電気負荷の出力特性に現れる場合を考慮すると、電圧変換装置の出力電圧制御の性能を向上させることが重要となる。
特に、電気自動車やハイブリッド自動車のパワートレインとして適用した場合には、乗車フィーリングの悪化や、動力伝達機構の劣化などが生じるという課題があった。
さらに、これら問題を回避するためには、応答特性補償のための機構を電圧変換装置のフィードバック制御系に盛込み、電圧変換装置の出力電圧制御性能を向上させることが好ましいが、具体的な解決手段が得られていないため、実現することができないという課題があった。
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、パワー素子のスイッチングにより入力端子と出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
出力電圧が目標出力電圧と一致するように出力電圧を帰還制御し、パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
制御装置は、
目標出力電圧と出力電圧との電圧偏差に基づいてスイッチング信号のデューティを算出する電圧制御演算器と、
スイッチング信号のデューティから出力電圧までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電圧特性モデルとを備え、
電圧変換器出力電圧特性モデルは、入力電圧Vinと、スイッチング信号のデューティDと、電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、電圧変換器に接続される電気負荷量Rldと、ラプラス演算子sとを用いて、第1の周波数伝達特性Gvp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld/L、
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)、
で表現し、
電圧制御演算器は、第1の周波数伝達特性と、目標出力電圧からスイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]目標出力電圧が変動する周波数領域において、入力電圧と出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有するものである。
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、パワー素子のスイッチングにより入力端子と出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
出力電圧が目標出力電圧と一致するように出力電圧を帰還制御し、パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
制御装置は、
出力電圧と出力電流との比を電気負荷量として算出する電気負荷量算出手段と、
目標出力電圧と出力電圧との電圧偏差に基づいてスイッチング信号のデューティを算出する電圧制御演算器と、
スイッチング信号のデューティから出力電圧までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電圧特性モデルとを備え、
電圧変換器出力電圧特性モデルは、入力電圧Vinと、スイッチング信号のデューティDと、電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、電圧変換器に接続される電気負荷量Rld_imdと、ラプラス演算子sとを用いて、第1の周波数伝達特性Gvp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld_imd/L、
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)、
で表現し、
第1の周波数伝達特性は、逐次算出される電気負荷量の変化を反映して逐次更新され、
電圧制御演算器は、第1の周波数伝達特性と、目標出力電圧からスイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]目標出力電圧が変動する周波数領域において、入力電圧と出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有するものである。
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、パワー素子のスイッチングにより入力端子と出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
出力電圧が目標出力電圧と一致するように出力電圧および出力電流を帰還制御し、パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
制御装置は、
目標出力電圧および出力電圧に基づいて目標出力電流を算出する電圧制御演算器と、
目標出力電流および出力電流に基づいてスイッチング信号のデューティを算出する電流制御演算器と、
スイッチング信号のデューティから出力電流までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電流特性モデルとを備え、
電圧変換器出力電流特性モデルは、入力電圧Vinと、スイッチング信号のデューティDと、電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、電圧変換器に接続される電気負荷量Rldと、ラプラス演算子sとを用いて、第1の周波数伝達特性Gcp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld/L
ωo=(1−D)/√(L×C)
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)
で表現し、
電流制御演算器は、第1の周波数伝達特性と、目標出力電流からスイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]目標出力電圧が変動する周波数領域において、入力電圧と出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有するものである。
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、パワー素子のスイッチングにより入力端子と出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
出力電圧が目標出力電圧と一致するように出力電圧および出力電流を帰還制御し、パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
制御装置は、
出力電圧と出力電流との比を電気負荷量として算出する電気負荷量算出手段と、
目標出力電圧および出力電圧に基づいて目標出力電流を算出する電圧制御演算器と、
目標出力電流および出力電流に基づいてスイッチング信号のデューティを算出する電流制御演算器と、
スイッチング信号のデューティから出力電流までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電流特性モデルとを備え、
電圧変換器出力電流特性モデルは、入力電圧Vinと、スイッチング信号のデューティDと、電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、電圧変換器に接続される電気負荷量Rld_imdと、ラプラス演算子sとを用いて、第1の周波数伝達特性Gcp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld_imd/L
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)
で表現し、
第1の周波数伝達特性は、逐次算出される電気負荷量の変化を反映して逐次更新され、
電流制御演算器は、第1の周波数伝達特性と、目標出力電流からスイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]目標出力電圧が変動する周波数領域において、入力電圧と出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有するものである。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電圧変換装置1Aを含むシステム全体の構成を一部回路図で示すブロック図である。
図1において、電圧変換装置1Aは、入力端子Po、Noが直流電源2に接続され、出力端子P、Nが電気負荷3に接続されている。
電圧変換装置1A内において、電圧変換器4は、入力端子Po、Noと、出力端子P、Nとの間に挿入されている。
入力電圧検出器11は、入力端子Po、No間の入力電圧Vinを検出して、制御装置5Aに入力する。
同様に、出力電圧検出器12は、出力端子P、N間の出力電圧Voutを検出して、制御装置5Aに入力する。
制御装置5Aは、上記入力情報に基づき、ON/OFFレベルのデューティ信号からなるスイッチング信号Swを生成して、電圧変換器4内のトランジスタ6a、6bをON/OFF制御する。
トランジスタ6a、6bは、半導体電力変換素子からなり、各ゲート電極に印加されるほぼ矩形状のスイッチング信号Swの電圧レベルに応じて、ON(導通)、OFF(開放)を切り替えるスイッチング動作を行う。
フライホイールダイオード7aは、トランジスタ6aに逆並列となるように、アノードがトランジスタ6aのエミッタに接続され、カソードがトランジスタ6aのコレクタに接続されている。
トランジスタ6a、6bと、フライホイールダイオード7a、7bとにより、電圧変換器4のアームが構成される。
リアクトル8の他端は、入力フィルタコンデンサ10の一端に接続されるとともに、直流電源2の高電位側と同電位の入力端子Poに接続されている。
また、入力フィルタコンデンサ10の他端は、トランジスタ6bのエミッタに接続されるとともに、直流電源2の低電位側と同電位の入力端子Noに接続されている。
また、平滑コンデンサ9の他端は、トランジスタ6bのエミッタに接続されるとともに、直流電源2の低電位側と同電位の低電位側の出力端子Nとして電気負荷3に接続されている。
また、昇圧動作とは逆に、電圧変換器4は、出力端子P、N間の電圧を降圧して、入力端子Po、No間の電圧に変換して出力するようにも動作し得る。ただし、この降圧動作の場合、厳密には、出力端子P、Nが電力の入力端子として機能し、入力端子Po、Noが電力の出力端子として機能する。
制御装置5Aは、出力電圧Voutが目標出力電圧Vout_refと一致するように出力電圧Voutを帰還制御し、トランジスタ6a、6bに対するスイッチング信号Swを出力する。
ここでは、入力端子Po、No間の入力電圧Vinを昇圧して出力端子P、N間の出力電圧Voutに変換出力する場合を考える。
このとき、トランジスタ6a、6bは、相補にスイッチング動作し、トランジスタ6aがONの場合には、トランジスタ6bはOFFとなり、逆に、トランジスタ6aがOFFの場合には、トランジスタ6bはONになる。
まず、トランジスタ6bがONされた場合には、トランジスタ6aがOFFとなり、フライホイールダイオード7aが逆バイアスとなるので、トランジスタ6bのコレクタの電位は、ほぼ直流電源2の低電位側の入力端子Noの電位と等しくなり、リアクトル8に電流が流れてエネルギーが蓄積される。
このとき、制御装置5Aは、昇圧変換した電圧変換器4の出力電圧Voutが、所定の目標電圧にしたがうように、出力電圧制御演算を行い、スイッチング信号SwのON/OFFによるデューティを調整する。
また、周波数伝達特性Gvp(s)は、2次遅れ要素を含む特性であり、2次遅れ要素の固有周波数ωoは、前述のように、リアクトル8のインダクタンス値Lと、平滑コンデンサ9の容量値Cとを用いて、以下の関係で表される。
図2は或る固定のインダクタンス値L、容量値C、電気負荷量Rldにおける周波数伝達特性Gvp(s)を示す説明図であり、図2(a)はゲイン特性、図2(b)は位相特性を示している。
また、図2は昇圧比率BRの違いによって変化する共振周波数ωpを示している。
図2(a)、(b)において、実線、1点鎖線、破線で示す3本の特性線は、それぞれ、昇圧比率BR(=Vout/Vin)が「1.0」、「3.0」、「5.0」の場合を示している。
また、図2(a)において、点線は0dBの振幅レベルを示している。
しかし、共振周波数ωpの近傍では、昇圧比率BRが低い場合の特性線の方が、昇圧比率BRが高い場合の特性線よりも、Q値が大きい(共振による振幅の盛り上がりが目立つ)特性となる。
このように、インダクタンス値L、容量値C、電気負荷量Rldが固定で変動しない場合であっても、周波数伝達特性Gvp(s)の特性は、昇圧比率BRによって変化することになる。
仮に、周波数伝達特性Gvp(s)に対応した適切な制御ゲインを有していない制御装置であれば、出力電圧制御の応答がばらついてしまい、場合によってオーバーシュート、アンダーシュートや振動などの不都合が生じることになる。
いま、図1に示す制御装置5Aとして、出力電圧制御用のPI(比例積分)制御器を例にとり、出力電圧Voutを帰還して、目標出力電圧Vout_refとの電圧偏差が「0」となるように比例積分演算を行い、制御量としてトランジスタ6bに対するスイッチングデューティDを出力し、制御ゲイン(PI制御器の係数パラメータ)が変化せずに固定値となるものを考える。
また、図3(a)において、点線は0dBの振幅レベルを示している。
図3(a)、(b)において、振幅および位相に関する各特性線(実線参照)は、昇圧比率BRにかかわらず均一となる。
一巡伝達特性Gcv0(s)・Gvp(s)は、図3に示すPI制御器の周波数伝達特性Gcv0(s)と、制御対象の周波数伝達特性Gvp(s)と、を直列接続したときの周波数伝達特性を示している。
また、図4(a)において、点線は0dBの振幅レベルを示している。
また、図4(a)、(b)のように、PI制御器の特性(図3参照)が昇圧比率BRに関して変化がなく均一であっても、制御対象の特性が変動することから、一巡伝達特性Gcv0(s)・Gvp(s)も変動することが分かる。
この結果、昇圧比率BRが高くなるにつれて、位相余裕PMは、減少することになり、出力電圧Voutの応答波形は、振動的になり易い。
出力電圧Voutは、図5(a)では入力電圧Vin×5[倍]まで増大し、図5(b)では入力電圧Vin×3[倍]まで増大し、図5(c)では入力電圧Vin×2[倍]から減少している。
図5(b)の特性線BV3は、目標出力電圧Vout_refがBR=1.0の相当値からBR=3.0の相当値(Vin×3)に変化した場合の出力電圧Voutの波形を示す。
また、図5(c)の特性線BV1は、目標出力電圧Vout_refがBR=2.0の相当値(Vin×2)からBR=1.0の相当値に変化した場合の出力電圧Voutの波形を示す。
また、図5(a)に示すように、「昇圧比率BRが高いほど振動的な波形」となっている。
[条件2]周波数伝達特性Gvp(s)に含まれる2次遅れ要素の共振周波数ωpにおける振幅値が負の所定閾値以下となること。
[条件3]2次遅れ要素の共振周波数ωpよりも低周波数域において振幅値が0dBと交差すること。
図6において、制御装置5Aは、減算器21と、電圧制御演算器22Aと、リミッタ23と、飽和判定部24と、PWM生成部25と、電圧変換器出力電圧特性モデル26Aとを備えている。
飽和判定部24は、減算器35と、絶対値演算器36とを有し、絶対値演算器36から出力される飽和判定結果(後述する)は、積分入力切替えスイッチ31の選択動作を決定する。
電圧変換器出力電圧特性モデル26Aは、電圧制御演算器22A内の積分部32Aおよび比例部34における変数設定に関連している。
電圧変換器出力電圧特性モデル26Aは、スイッチングデューティDから出力電圧Voutまでの周波数伝達特性Gvp(s)を表現する。
ただし、前述のように、式(1)において、2次遅れ要素の共振周波数ωp、2次遅れ要素の固有周波数ωoおよびQ値は、以下のように表される。
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)、
また、電圧制御演算器22Aは、スイッチングデューティDに基づいて折点周波数を調整するPI制御器により構成されている。
図6においては、電圧制御演算器22Aから出力される範囲制限前のスイッチングデューティDoと、リミッタ23から出力される最終的なスイッチングデューティDとを区別して表記している。
積分入力切替えスイッチ31は、減算器21からの電圧偏差ΔVerrを選択するのみならず、飽和判定部24から出力される範囲制限前のスイッチングデューティDoの飽和判定結果に応じて、点線矢印で示すように、固定値「0」を選択的に切替えて積分部32Aに入力する。
また、係数パラメータKivは、電圧変換器出力電圧特性モデル26Aに基づいて適正値(後述する)に設定される。
比例部34は、加算器33の加算結果に係数パラメータApvを乗算し、範囲制限前のスイッチングデューティDoとして出力する。
係数パラメータApvは、電圧変換器出力電圧特性モデル26Aに基づいて適正値(後述する)に設定される。
リミッタ23は、上限値を「1.0」、下限値を「0.0」として、上下限値内に値が収まるように、範囲制限前のスイッチングデューティDoを制限して、最終的なスイッチングデューティDを出力する。
絶対値演算器36は、デューティ偏差ΔDoの絶対値|ΔDo|を算出し、これを飽和判定結果の情報として積分入力切替えスイッチ31に入力する。
一方、デューティ偏差の絶対値|ΔDo|が「0」でない場合には、「飽和」(設定範囲外)の状態であって、飽和判定結果は「真(YES)」の論理情報として表現される。
すなわち、各係数パラメータKiv、Apvの値は、前述の式(1)で示される周波数伝達特性Gvp(s)(スイッチングデューティDから出力電圧Voutまでの伝達特性)を格納した電圧変換器出力電圧特性モデル26Aに基づき、所定手続きにより設定される。
図7において、ステップS100〜S109は、各係数パラメータの設定手続きを示している。
ここで、共振振幅閾値Gaは、前述の[条件2]における負の所定閾値に相当し、以下の式(7)の関係を満たす。
以上の各係数パラメータKiv、Apvの設定手続きにより、[条件2]、[条件3]が満たされることになる。
ここで、図9および図10は、前述の図4および図5にそれぞれ対応している。
図8(a)のゲイン特性図において、横軸は周波数ω[rad/sec]、縦軸は振幅[dB]であり、図8(b)の位相特性図において、横軸は周波数、縦軸は位相[度]である。
また、図8においては、電圧変換装置1Aの動作時の昇圧比率上限BRULIMを「5.0」として、係数パラメータを設定している。
また、図8(a)から明らかなように、振幅値|Gcv|は、折点周波数ωpiよりも低周波数域では、昇圧比率BRによって異なる値となるが、高周波数域では昇圧比率BRによらず均一値となる。
図9は一巡伝達特性Gcv(s)・Gvp(s)を示す説明図であり、図9(a)はゲイン特性、図9(b)の位相特性を示している。
図9(a)のゲイン特性図において、縦軸は振幅であり、図9(b)の位相特性図において、縦軸は位相である。
図9(a)のゲイン特性図から明らかなように、各特性線の共振ピークの振幅は、負の所定の共振振幅閾値Ga[dB]以下である。
さらに、共振周波数ωpよりも低周波数域においては、昇圧比率BRの値によらず均一の特性となり、振幅値が0dBと交差する周波数ωvc1も単一の値となる。
以上のことから、上記[条件1]〜[条件3]のすべてを満たしていることが分かる。
図10は出力電圧Voutの時間応答特性を示す説明図であり、前述の図5と同様に、目標出力電圧Vout_refがステップ状に変化した場合の、出力電圧Voutの追従特性を示している。
図10(b)の特性線BV’3は、目標出力電圧Vout_refがBR=1.0の相当値からBR=3.0の相当値に変化した場合の出力電圧Voutの波形を示す。
図10(c)の特性線BV’1は、目標出力電圧Vout_refがBR=2.0の相当値からBR=1.0の相当値に変化した場合の出力電圧Voutの波形を示す。
また、いずれの昇圧比率BRであっても、振動的とならず、均一で良好な応答波形となる。
また、スイッチングデューティDoの飽和判定ロジックに基づく飽和判定部24の判定結果を用いて、積分入力切替えスイッチ31を切り替えたが、飽和判定ロジックとして別の様態を適用してもよい。
たとえば、リミッタ23において、スイッチングデューティDoが設定範囲外となって範囲制限処置を実行したか否かを示す判別情報を生成し、この判別情報を積分入力切替えスイッチ31に入力して切り替えることもできる。
なお、上記実施の形態1(図1、図6)では、電圧変換器4の出力電圧特性モデルに関連する電気負荷量Rldを一定値として周波数伝達特性Gvp(s)を求めたが、図11および図12に示すように、出力電圧Voutおよび出力電流ioutの各検出値に基づいて、逐次変化する電気負荷量Rld_imdを算出する電気負荷量算出手段37Bを設け、実際の電気負荷量Rld_imdに基づいて周波数伝達特性Gvp(s)を求めてもよい。
まず、図11〜図15を参照しながら、基本的な構成および動作について説明する。
図11はこの発明の実施の形態2に係る電圧変換装置1Bを含むシステム全体の構成を一部回路図で示すブロック図である。
図11において、前述(図1)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して、詳述を省略する。
図12において、制御装置5Bは、電気負荷量算出手段37Bを備えており、電気負荷量算出手段37Bは、出力電圧Voutと出力電流ioutとの比を電気負荷量Rld_imd(=Vout/iout)として算出し、電圧変換器出力電圧特性モデル26Bに入力する。
ただし、前述のように、式(2)において、2次遅れ要素の共振周波数ωp、2次遅れ要素の固有周波数ωoおよびQ値は、以下のように表される。
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)、
また、電圧制御演算器22A(PI制御器)は、第1の周波数伝達特性Gvp(s)と、目標出力電圧Vout_refからスイッチングデューティDまでの第2の周波数伝達特性Gcv(s)と、の直列接続で表される一巡伝達特性Gcv(s)・Gvp(s)が、前述の3つの[条件1]〜[条件3]をすべて満たす制御ゲイン(係数パラメータKiv、Apv)を有する。
この目的を達成するため、図11において、まず、出力電流検出器13は、電圧変換装置1Bの出力電流ioutを検出する。
また、電流経路に流れる電流によって発生する磁束を検出し、磁束量の検出値に基づいて電流量を測定するホール素子方式などが考えられる。
出力電流検出器13で検出された出力電流ioutは、図12に示すように、制御装置5B内の電気負荷量算出手段37Bに入力される。
以下、電圧変換器出力電圧特性モデル26Bは、前述の式(2)で表される周波数伝達特性Gvp(s)を格納し、電圧制御演算器22Aは、前述と同様の出力電圧制御を行う。
電気負荷量Rld_imdが変化した場合には、式(2)で示される周波数伝達特性Gvp(s)も変化するので、電圧制御演算器22Aの係数パラメータKiv、Apvを固定すると、上記[条件1]〜[条件3]を満たさない場合が生じ得る。
したがって、上記条件を満たすか否かを判定し、条件を満たさない場合には、各係数パラメータKiv、Apvが適切値となるように逐次修正する。
図13はこの発明の実施の形態2による設定手続きを示すフローチャートであり、ステップS200〜S212の処理動作からなる。
なお、図13においては、電圧制御演算器22Aの係数パラメータKiv、Apvのうち、比例部34の算出係数パラメータApvを適切値に更新設定する場合を示しているが、少なくともいずれか一方の係数パラメータを更新設定すればよい。
なお、ステップS201は、前述(図7)の手続き(ステップS100〜S108)にしたがって実行される。
この場合、まず、前回電気負荷量Rld_oldとして、前回の設定手続き実行周期時の電気負荷量Rld_imdを設定し(ステップS204)、判定ステップS205に進む。
ステップS205において、Rld_imd>Rld_old(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに係数補正手段の処理(ステップS207、S208)に進む。
なお、式(2)より、電気負荷量Rld_imdが減少すると、周波数伝達特性Gvp(s)のQ値も減少して、共振周波数ωpでの振幅値|Gvp|も減少するので、[条件2]を満たすように設定される係数パラメータApvの値を増大させて、制御応答速度を上げることも可能となる。
一方、ステップS206において、制御応答速度を上げる必要がある(すなわち、YES)と判定されれば、係数補正手段の処理に進む。
以上の係数補正処理は、比例部34の係数パラメータApvに限らず、積分部32Aの係数パラメータKivに対する場合でも同様に実行され得る。
これにより、逐次変化する電気負荷量Rld_imdに対しても、上記[条件1]〜[条件3]を満たす出力電圧特性を実現することができる。
また、単位時間内に設定手続き処理を終了させるために演算能力を高くすると、装置のコストが増加するというデメリットが生じる。
そこで、図13内の係数補正手段(ステップS207、S208)の処理を、図14のように置き換えることも考えられる。
図14において、ステップS213は、図13内の判定ステップS205、S206に続いて実行され、ステップS214に続いて、図13内の判定ステップS209が実行される。
図15において、ステップS213は、除算器38と、補正係数テーブル39とにより構成される。
補正係数テーブル39は、電気負荷比率RRに基づいて、定格係数パラメータApv_rtを基準とする補正係数Capを一義的に定め、次の演算処理(ステップS214)に送る。
このとき、除算器38は、現在の電気負荷量Rld_imdを分子とし、定格電気負荷量Rld_rtを分母として、電気負荷比率RRを算出し、補正係数テーブル39に入力する。
したがって、実用的には、図15と同様の補正係数テーブルを昇圧比率BRの変化範囲に対して複数準備し、昇圧比率BRの値に応じて、参照する補正係数テーブルが切り替えられることになる。
なお、図12に示す制御装置5Bにおいて、減算器21、電圧制御演算器22A、リミッタ23、飽和判定部24、PWM生成部25は、前述(図6参照)と同様に動作し、制御装置5Bからは、電圧変換器4内のトランジスタ6a、6bを動作させるためのスイッチング信号Swが出力される。
図16〜図18は、前述の図2〜図4と同様に、それぞれ、ゲイン特性および位相特性を示す説明図であり、図19は、前述の図5と同様に、出力電圧Vout[V]の時間応答特性を示す説明図である。
図16(a)のゲイン特性図および図16(b)の位相特性図において、3本の特性線(実線、1点鎖線、破線参照)は、それぞれ電気負荷比率RRが「0.5」、「1.0」、「3.0」の場合を示している。
また、図16(a)から明らかなように、共振周波数ωpよりも低い周波数帯では、電気負荷比率RRによる振幅の差がほとんど生じないが、共振周波数ωpよりも高い周波数帯では、電気負荷比率RRが高いほど、振幅は小さくなる。
よって、周波数伝達特性Gvp(s)を制御対象とする制御装置5Bは、電気負荷量Rld_imdの変動に関して、適切な構造および制御ゲイン(フィードバック制御用の係数パラメータ)を有していなければならず、そうでない場合には、出力電圧制御の応答特性がばらついてしまうことになる。
このとき、定格時の第2の周波数伝達特性Gcv_rt(s)(電圧制御演算器22Aの周波数伝達特性)は、図17のように表される。
また、定格時の第2の周波数伝達特性Gcv_rt(s)と、第1の周波数伝達特性Gvp(s)(制御対象の周波数伝達特性)と、を直列接続した一巡伝達特性Gcv_rt(s)・Gvp(s)は、図18のように表される。
なぜなら、係数パラメータの設定に際し、上記[条件2]を満たすように一巡伝達特性の振幅最大値が所定の共振振幅閾値Gaと等しくなるように設定したにもかかわらず、電気負荷比率RRが増加することから、制御対象の周波数伝達特性Gvp(s)の振幅最大値が大きくなるからである。
このことに対応して、図19(a)〜(c)においては、出力応答波形(特性線BVR05、BVR10、BVR30)が定常水準の90[%]に達するまでの時間t2は、いずれも同一値となる。
このことは、電気負荷量Rld_imdの増加によって、係数パラメータApvが上記[条件2]を満たさなくなったことに対応する。
図20においては、昇圧比率BRを固定値として係数パラメータを設定しているので、積分部32Aの係数パラメータKivは図17の場合と同一値であり、折点周波数ωpiも同一周波数となる。
図21(a)、(b)のゲイン特性図および位相特性図において、3本(実線、1点鎖線、破線)の特性線は、それぞれ、電気負荷比率RR(=Rld_imd/Rld_rt)が、それぞれ「0.5」、「1.0」、「3.0」の場合を示している。
しかし、図21(a)において、共振周波数ωpの帯域での振幅の最大値は、所定の共振振幅閾値Ga(共振ピーク≦Ga)となり、[条件2]を満たす。
図22(a)〜(c)において、出力応答波形が定常水準の90[%]に達するまでの時間t3は、いずれも同一値となる。
しかし、図22(c)の特性線BVR’30は、図19(c)の特性線BVR30に比べて、共振による特性劣化が大幅に抑制されており、電気負荷量Rld_imdが変動しても振動的とはならず、比較的均一で良好な応答波形を実現している。
なお、上記実施の形態1、2では、電気負荷3(電気負荷量)の具体的構成について言及しなかったが、図23に示すように、電気機械変換装置51で構成してもよい。
以下、図23〜図25を参照しながら、この発明の実施の形態3について説明する。
この場合、電圧変換装置1Cに接続される電気負荷として、交流電動機53および電動機制御器54を有する電気機械変換装置51が設けられており、電圧変換装置1Cは、制御装置5Cの一部機能が前述と異なる。
したがって、電動機制御器54は、交流電動機53の制御応答性の相違に対しても良好な出力電圧制御を実現するために、電気機械変換装置51への実際の供給電流を逐次算出して、電圧変換装置1C内の制御装置5Cに入力するように構成されている。
インバータ52は、各トランジスタ61a〜61fがスイッチング信号SwiでON/OFF制御されることにより、直流電力と交流電力とを相互に変換して出力する。
なお、U、V、Wの各相別に、かつ高電位H、低電位Lの接続電位別に順序付ければ、6個のトランジスタ61a〜61fおよびフライホールダイオード62a〜62fは、それぞれ、UH、UL、VH、VL、WH、WLの順序に対応する。
制御装置5Cは、電気負荷量算出手段37Cにインバータ入力電流i_invが入力されている点を除けば、前述と同一構成である。
一方、制御装置5C内において、電気負荷量算出手段37Cは、出力電圧Voutと出力電流ioutとの比(=Vout/iout)、または、出力電圧Voutとインバータ入力電流i_invとの比(=Vout/i_inv)、のいずれか一方を電気負荷量Rld_imdとして算出する。
図25において、インバータ入力電流算出手段63は、電圧値の処理に関する第1座標変換手段66、第1逆正接算出器67および電圧実効値算出手段68と、電流値の処理に関する第2座標変換手段69、第2逆正接算出器70および電流実効値算出手段71と、第1逆正接算出器67および第2逆正接算出器70からの各角度α、βがなす力率角ψを算出する減算器72と、力率角ψの余弦値cosψを算出する余弦算出器73と、余弦値cosψ、電圧実効値Vac_rmsおよび電流実効値iac_rmsを乗算する乗算器74と、乗算器74の乗算結果を出力電圧Voutで除算してインバータ入力電流i_invを算出する除算器75とを備えている。
まず、図23において、電動機電流検出器55は、交流電動機53の3相の電力線に流れる電動機電流iacの瞬時量を検出して電動機制御器54に入力する。
また、回転角検出器56は、交流電動機53の回転角度θを検出して電動機制御器54に入力する。
すなわち、電動機制御器54は、交流電動機53内の電機子巻線に流れる交流の電動機電流iacを、交流電動機53内の回転子が発生する回転磁束に平行な成分と直交する成分とに分解し、各成分が、交流電動機53の出力トルクの目標量から換算される目標電動機電流のうちの、回転磁束に平行な目標電動機電流成分と直交する目標電動機電流成分とに一致するように、インバータ52内のトランジスタ61a〜61fのON(導通)、OFF(開放)をスイッチング制御し、交流電動機53の端子への印加電圧を調整する。
電動機制御演算部64は、上記ベクトル制御法にしたがう制御演算を以下のように行う。
まず、電動機制御演算部64は、電動機電流iacおよび回転角度θに基づく座標変換を行い、電動機電流iacからd軸電流idおよびq軸電流iqを算出する。
最後に、電動機制御演算部64は、逆座標変換を行い、d軸目標電圧Vd_refおよびq軸目標電圧Vq_refから、3相の目標電圧Vu_ref、Vv_refおよびVw_refを算出してPWM生成部65に入力する。
このとき、スイッチング信号Swiは、PWMによりほぼ正弦波状にデューティが変化するので、交流電動機53の線間印加電圧もほぼ正弦波状となり、3相電力線に流れる電動機電流iacは、目標電動機電流と振幅および位相が一致するように調整され、交流電動機53は適正に制御されることになる。
したがって、電気負荷量Rld_imdを特定し易くするために、インバータ入力電流算出手段63は、電動機制御器54の内部情報を用いて、インバータ52に流入するインバータ入力電流i_invを算出する。
また、電圧実効値Vac_rmsは、電動機電圧の実効値に相当し、電流実効値iac_rmsは、電動機電流iacの実効値に相当する。
さらに、余弦値cosψは力率に相当する。
次に、インバータ入力電流i_invの算出処理について、さらに詳細に説明する。
図25において、まず、第1座標変換手段66は、目標電動機電圧Vac_refおよび回転角度θから、公知の3相−dq座標変換演算に基づき、目標電動機電圧Vac_refを、回転子が発生する回転磁束に平行な成分と直交する成分とに分解し、d軸電圧指令Vd_refとq軸電圧指令Vq_refとを出力する。
続いて、第2逆正接算出器70は、電動機電流iacのベクトルがq軸との間になす角度βを、以下の式から算出して減算器72に入力する。
さらに、余弦算出器73は、力率角ψの余弦値cosψ(力率)を演算して乗算器74に入力する。
最後に、除算器75は、乗算結果Vac_rms×iac_rms×cosψを分子とし、出力電圧Voutを分母として除算を行い、前述の式(11)にしたがって、インバータ入力電流i_invを算出する。
電気負荷量算出手段37Cは、出力電圧Voutとインバータ入力電流i_invの比(=Vout/i_inv)、または、出力電圧Voutと出力電流ioutの比(=Vout/iout)のいずれかを選択し、電気負荷量Rld_imdとして算出する。
また、電圧制御演算器22Aは、[条件1]〜[条件3]を満たす係数パラメータApv、Kivを用いて演算を行い、リミッタ23、飽和判定部24およびPWM生成部25を介したスイッチング信号Swにより出力電圧制御を行う。
なぜなら、図23のように電気負荷3として電気機械変換装置51を適用する場合、トランジスタ61a〜61fのスイッチング動作によって電動機電流iacが調整および制御されることから、スイッチングに起因して出力電流ioutにリップル成分が多く含まれることになるので、出力電流ioutに代えてインバータ入力電流i_invを用いて電気負荷量Rld_imdを算出する方が信頼性が向上する可能性があるからである。
この場合、制御装置5C内の出力電流検出器13を省略することができる。
したがって、電圧制御演算器22Aは、昇圧比率BRの変化や電気負荷量Rld_imdの変化に起因して周波数や振幅が変動する共振の影響を回避して、出力電圧Voutが振動的となるのを防止するように出力電圧制御を行うことができる。
また、交流電動機53が発生する機械力と電圧変換装置1Cの出力電圧Voutとに基づき、インバータ入力電流i_invを推定により求めてもよい。
なお、上記実施の形態1〜3では、制御装置5A〜5C内に電圧制御演算器22Aのみを設けたが、図26に示すように、制御装置5D内に、電圧制御演算器22Dと電圧制御演算器22Dに直列接続された電流制御演算器82とを設けてもよい。
以下、図26〜図34を参照しながら、この発明の実施の形態4について説明する。
また、制御装置5Dは、たとえば図11に示した電圧変換装置1B内の制御装置5Bに代えて適用される。
ただし、共振周波数ωp、固有周波数ωoおよびQ値は、前述と同様に以下のように表される。
ωo=(1−D)/√(L×C)
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)
電流制御演算器82は、電圧制御演算器22Dと同様に、積分入力切替えスイッチ83、積分部84、加算器85および比例部86を有する。
第2飽和判定部89は、飽和判定部24と同様に、減算器90および絶対値演算器91を有する。
出力電流制御系は、出力電流ioutが、出力電圧制御系(減算器21、電圧制御演算器22Dおよび第2リミッタ88を含む)から生成される目標出力電流iout_refと一致するように、出力電流ioutを帰還して制御演算を行い、電圧変換器4内のトランジスタ6a、6b(図11参照)を動作させるためのスイッチング信号Swを出力する。
積分入力切替えスイッチ83は、飽和判定部24によるスイッチングデューティDoの飽和判定結果に基づき、電流偏差Δierrまたは固定値「0」を選択して積分部84に入力する。
ここで、積分部84の係数Kic・(1−D)は、スイッチングデューティDに応じて変化する値である。
続いて、加算器85は、電流偏差Δierrと積分部84の出力値との加算値を比例部86に入力し、比例部86は、加算器85からの加算値にさらに係数パラメータApcを乗算し、範囲制限前のスイッチングデューティDoとして出力する。
リミッタ23は、上限値を「1.0」、下限値を「0.0」として、上下限値内に値が収まるように、範囲制限前のスイッチングデューティDoを制限して、最終的なスイッチングデューティDを出力する。
最後に、PWM生成部25は、スイッチングデューティDに基づいて、トランジスタ6a、6bを動作させるためのスイッチング信号Swを生成し、制御装置5Dの出力信号とする。
絶対値演算器36は、デューティ偏差ΔDoの絶対値を算出し、飽和判定結果の情報として積分入力切替えスイッチ83に入力する。
出力電圧制御系は、出力電圧Voutが目標出力電圧Vout_refと一致するように、出力電圧Voutを帰還して制御演算を行い、目標出力電流iout_refを生成して出力電流制御系の減算器81に入力する。
積分入力切替えスイッチ31は、第2飽和判定部89による出力電流の過電流制限判定結果に基づき、電圧偏差ΔVerrまたは固定値「0」を選択して積分部32Dに入力する。
続いて、加算器33は、電圧偏差ΔVerrと積分部32Dの出力値との加算値を比例部34に入力する。
比例部34は、加算器33からの加算値にさらに係数パラメータApvを乗算し、範囲制限前の目標出力電流iout_refoとして第2リミッタ88および第2飽和判定部89に入力する。
また、範囲制限前の目標出力電流iout_refoが設定閾値ioutLMT以下の場合には、変更しない値を、そのまま範囲制限後の目標出力電流iout_refとして出力する。
絶対値演算器91は、目標出力電流偏差Δioの絶対値|Δio|を算出し、過電流制限判定結果の情報として積分入力切替えスイッチ31に入力する。
ここで、図27に示したこの発明の実施の形態4による所定の設定手続きの説明に先立って、図28を参照しながら、スイッチングデューティDから出力電流ioutまでの第1の周波数伝達特性Gcp(s)について説明する。
図28(a)のゲイン特性図および図28(b)の位相特性図において、実線、1点鎖線および破線で示す3本の特性線は、前述の図2(a)、(b)に示した周波数伝達特性Gvp(s)と同様に、それぞれ、昇圧比率BRが「1.0」、「3.0」および「5.0」の場合に対応している。
しかし、共振周波数ωpの近傍においては、昇圧比率BRが低い場合の特性線(実線参照)の方が、昇圧比率BRが高い場合の特性線(破線参照)よりもQ値が大きく、共振による振幅の盛り上がりが目立つ特性となる。
このように、インダクタンス値L、容量値Cおよび電気負荷量Rldが固定値で変動しない場合であっても、周波数伝達特性Gcp(s)の特性は、昇圧比率BRによって変化することになる。
もし、そうでなければ、出力電流制御の応答がばらついてしまい、オーバーシュートやアンダーシュート、または振動などの不都合が生じてしまう。
そこで、これらの不都合を回避するために、上記[条件1]〜[条件3]を満たすように、式(3)の周波数伝達特性と上記設定手続きとに基づいて、係数パラメータKic、Apc、Kiv、Apvが設定される。
図27において、ステップ301〜S307は、設定対象となる制御器が電圧制御演算器22Aから電流制御演算器82に変更された点を除けば、前述(図7参照)のステップS101〜S107と同様の処理である。
続いて、電流制御演算器82内の積分部84の係数パラメータKicを、以下のように設定する(ステップS303)。
式(14)を満たすことにより、電流制御演算器82の周波数伝達特性Gcc(s)と制御対象の周波数伝達特性Gcp(s)と、を直列接続した一巡伝達特性Gcc(s)・Gcp(s)の共振周波数帯でのピーク振幅値は、共振振幅閾値Ga以下となるように制約される。
最後に、設定した係数パラメータApc、Kic、Apv、Kivを用いて、前述の制御動作を実行し(ステップS310)、図27の処理ルーチンを終了する(ステップS311)。
また、残る[条件1]については、スイッチングデューティDを帰還して、電流制御演算器82内の積分部84の係数パラメータKicに「1−D」を乗算し、電流制御演算器82(PI制御器)の折点周波数ωpi_c(=Kic・(1−D))が、スイッチングデューティDに応じて変化するように構成することで満たされる。
なお、制御装置5Dの一部機能を除けば、他の構成要素(電圧変換器4、入力電圧検出器11、出力電圧検出器12、出力電流検出器13)の動作および働きは、前述の実施の形態1の場合と同様である。
まず、図29および図30を用いて、出力電流制御系に関する特性について説明する。
図29は電流制御演算器82の周波数伝達特性Gcc(s)を示す説明図であり、横軸に周波数をとり、縦軸に、図29(a)のゲイン特性では振幅、図29(b)の位相特性では位相をとって示している。
また、図29(a)から明らかなように、振幅値|Gcc|は、折点周波数ωpi_cよりも低周波数域では、昇圧比率BRによって異なる値となるが、折点周波数ωpi_cよりも高周波数域では、昇圧比率BRによらず均一の振幅値となる。
図30(a)、(b)は、前述と同様に、ゲイン特性図および位相特性図を示す説明図であり、それぞれ、横軸に周波数、縦軸に振幅および位相をとっている。
また、図30(a)、(b)の各特性図における3本の特性線は、それぞれ、昇圧比率BRが「1.0」、「3.0」、「5.0」の場合を示している。
また、共振周波数ωpよりも低周波数域においては、昇圧比率BRの値によらず、均一の特性となり、振幅値が0dBと交差する周波数ωccも単一の値である。
以上により、上記[条件1]〜[条件3]のすべてを満たしていることが分かる。
図31は制御対象の周波数伝達特性Gvp(s)を示す説明図であり、この特性は、図30に示した出力電流制御系の一巡伝達特性Gcc(s)・Gcp(s)に対して閉ループ構成としたうえで、電気負荷量Rldを乗算した特性に相当している。
図31(a)、(b)のゲイン特性図および位相特性図において、3本の特性線は、前述と同様に、それぞれ、昇圧比率BRが「1.0」、「3.0」、「5.0」の場合を示している。
また、図31(b)の位相特性図では、図28(b)の位相特性図に比べて、全体に位相の遅れ量が大きく、低周波数域から共振周波数ωpにかけて、0[度]〜−90[度]の遅れ量を有し、また、共振周波数ωpにおいては、−270[度]よりもさらに大きく遅れている。
図32(a)、(b)は電圧制御演算器22Dの周波数伝達特性Gcv(s)を示す説明図であり、横軸に周波数、縦軸に振幅および位相をとっている。
図32において、電圧制御演算器22D(PI制御器)の折点周波数ωpi_vは、固定値(=ωcc)となる。
また、図32(a)のゲイン特性図から明らかなように、振幅についても、係数パラメータApv、Kivをともに固定値とすることから、昇圧比率BRやスイッチングデューティDによらず変化しない。
図33(a)、(b)のゲイン特性図および位相特性図においては、前述と同様に、横軸に周波数、縦軸に振幅および位相をとっており、各3本の特性線は、それぞれ、昇圧比率BRが「1.0」、「3.0」、「5.0」の場合を示している。
また、共振周波数ωpよりも低周波数域では、昇圧比率BRの値によらず均一の特性となり、振幅値が0dBと交差する周波数ωvc4も単一の値である。
図34(a)の特性線BC5は、目標出力電圧Vout_refが、昇圧比率BR=1.0の相当値からBR=5.0の相当値に変化した場合の出力電圧Voutの波形を示す。
また、昇圧比率BRによって変化することなく一律の特性で、かつ、電力変換系の共振による応答性の劣化を回避するように、出力電流制御および出力電圧制御を行うことができる。
なお、上記実施の形態4では、電圧変換器4の出力電流特性モデルに関連する電気負荷量Rldを一定値として周波数伝達特性Gcp(s)を求めたが、図35に示すように、出力電圧Voutおよび出力電流ioutの各検出値に基づいて、逐次変化する電気負荷量Rld_imdを算出する電気負荷量算出手段37Bを設け、実際の電気負荷量Rld_imdに基づいて周波数伝達特性Gcp(s)を求めてもよい。
図35はこの発明の実施の形態5に係る制御装置5Eの具体的構成を示すブロック図であり、前述(図12参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「E」を付して詳述を省略する。
図35において、制御装置5Eは、たとえば図11に示した電圧変換装置1B内の制御装置5Bに代えて適用される。
図35において、出力電流ioutおよび出力電圧Voutを帰還し、出力電流制御系をマイナーループとして、出力電流制御系および出力電圧制御系の多重ループ構成とし、電圧変換装置内の電力供給経路の過電流による損壊を容易に防止し、[条件1]〜[条件3]を満たすように制御器の構造および制御ゲイン(係数パラメータ)を設定する点は、上記実施の形態4と同様である。
これにより、昇圧比率BRの変化や電気負荷量Rld_imdの変化に起因した周波数変動による共振の影響を回避して、出力電圧Voutが振動的となるのを防止した出力電圧制御を実現している。
ただし、共振周波数ωp、固有周波数ωoおよびQ値は、前述と同様に以下のように表される。
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)
よって、電気負荷量Rld_imdの変化に応じて係数パラメータKic、Apc、Kiv、Apvの設定値を更新する必要がある。
まず、出力電流検出器13からの出力電流ioutは、出力電圧検出器12からの出力電圧Voutとともに、電気負荷量算出手段37Bに入力される。
電圧変換器出力電流特性モデル26Eは、式(4)に電気負荷量Rld_imdを反映させて、周波数伝達特性Gcp(s)を逐次更新する。
次に、図36を参照しながら、この発明の実施の形態5による動作について、さらに詳細に説明する。
また、ステップ408およびS409は、前述(図13参照)のステップS207およびS208と同様に、係数補正手段を構成している。
なお、ステップS401は、前述(図27)の手続き(ステップS300〜S309)にしたがって実行される。
この場合、まず、前回電気負荷量Rld_oldとして、前回の設定手続き実行周期時の電気負荷量Rld_imdを設定し(ステップS404)、ステップS405に進む。
そこで、上記のように、制御応答速度の増大の要否を判定し、必要であればステップS408に進み、必要でなければステップS412に進む。
続いて、最大振幅値|Gcp_max_imd|および共振振幅閾値Gaに関して、最大振幅周波数ωp_gcp_max_imdでの電流制御演算器82の振幅値|Gcc|が、以下の式(15)の関係を満たすように、比例部86の算出係数パラメータApc_imdを更新設定する(ステップS409)。
また、残る[条件1]については、スイッチングデューティDを帰還して電流制御演算器82内の積分部84の係数パラメータKicに(1−D)を乗算することにより満たされる。
すなわち、定格電気負荷量Rld_rtに対する現在の電気負荷量Rld_imdの比率に基づき、変化する最大振幅値|Gcp_max_imd|に対応して、定格係数パラメータApc_rtに対する補正係数を格納した補正係数テーブルをあらかじめ設定し、現在の電気負荷量Rld_imdに対応した補正係数を定格係数パラメータApc_rtに乗算して、算出係数パラメータApc_imdとすればよい。
すなわち、式(4)の周波数伝達特性Gcp(s)は、逐次算出される電気負荷量Rld_imdの変化を反映して逐次更新される。
さらに、昇圧比率BRの変化や電気負荷量Rld_imdの変化に起因した周波数変動による共振の影響を回避して、出力電圧Voutが振動的となるのを防止するように出力電流制御および出力電圧制御を行う電圧変換装置を提供することができる。
なお、上記実施の形態5では、電気負荷量Rld_imdの具体例について言及しなかったが、前述の図23に示すように、電気機械変換装置51で構成してもよい。
以下、図23とともに図37を参照しながら、この発明の実施の形態6について説明する。
なお、電圧変換装置を含むシステム全体の構成は、図23内の制御装置5Cに代えて制御装置5Fを設けた点を除けば、前述(図23)と同様である。
この場合、電圧変換装置に接続される電気負荷として、図23に示す電気機械変換装置51が設けられており、制御装置5Fの一部機能が前述(図35)と異なる。
また、制御装置5F内の電気負荷量算出手段37Cは、出力電圧と出力電流との比、または出力電圧とインバータ入力電流との比、のいずれかを電気負荷量Rld_imdとして算出する。
電気負荷量算出手段37Cは、出力電圧Vout、出力電流iout、インバータ入力電流i_invを入力情報として、出力電圧Voutとインバータ入力電流i_invとの比(=Vout/i_inv)、または、出力電圧Voutと出力電流ioutとの比(=Vout/iout)のいずれかを選択し、電気負荷量Rld_imdとして算出する。
以下、上記実施の形態5と同様の設定手続きにより、[条件1]〜[条件3]を満たす電流制御演算器82の係数パラメータApc、Kicを逐次更新して設定し、さらに、アウターループである電圧制御演算器22Dの係数パラメータApv、Kivを逐次更新して設定し、これらの係数パラメータを用いて制御演算を行う。
また、出力電圧Voutおよび出力電流ioutを帰還するとともに、出力電流制御系および出力電圧制御系を多重ループ構成とすることにより、出力電圧制御が破綻することなく出力電流ioutを上限内に制限して、電圧変換装置内の電力供給経路の過電流による損壊を容易に防止することができる。
また、電圧制御演算器22A、22Dとして簡易なPI制御器を用いることにより、演算負荷量を軽減した低コスト製品で電圧変換装置を提供することができる。
Claims (8)
- 直流電源から入力端子に印加される入力電圧を、所望の目標出力電圧と一致するように電圧変換し、出力電圧として出力端子から生成する電圧変換装置であって、
前記出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、前記パワー素子のスイッチングにより前記入力端子と前記出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
前記出力電圧が前記目標出力電圧と一致するように前記出力電圧を帰還制御し、前記パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記目標出力電圧と前記出力電圧との電圧偏差に基づいて前記スイッチング信号のデューティを算出する電圧制御演算器と、
前記スイッチング信号のデューティから前記出力電圧までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電圧特性モデルとを備え、
前記電圧変換器出力電圧特性モデルは、前記入力電圧Vinと、前記スイッチング信号のデューティDと、前記電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、前記電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、前記電圧変換器に接続される電気負荷量Rldと、ラプラス演算子sとを用いて、前記第1の周波数伝達特性Gvp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld/L、
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)、
で表現し、
前記電圧制御演算器は、前記第1の周波数伝達特性と、前記目標出力電圧から前記スイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]前記目標出力電圧が変動する周波数領域において、前記入力電圧と前記出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]前記2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]前記2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有することを特徴とする電圧変換装置。 - 前記電圧制御演算器は、前記スイッチング信号のデューティに基づいて折点周波数を調整するPI制御器により構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電圧変換装置。
- 直流電源から入力端子に印加される入力電圧を、所望の目標出力電圧と一致するように電圧変換し、出力電圧として出力端子から生成する電圧変換装置であって、
前記出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
前記出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、前記パワー素子のスイッチングにより前記入力端子と前記出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
前記出力電圧が前記目標出力電圧と一致するように前記出力電圧を帰還制御し、前記パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記出力電圧と前記出力電流との比を電気負荷量として算出する電気負荷量算出手段と、
前記目標出力電圧と前記出力電圧との電圧偏差に基づいて前記スイッチング信号のデューティを算出する電圧制御演算器と、
前記スイッチング信号のデューティから前記出力電圧までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電圧特性モデルとを備え、
前記電圧変換器出力電圧特性モデルは、前記入力電圧Vinと、前記スイッチング信号のデューティDと、前記電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、前記電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、前記電圧変換器に接続される電気負荷量Rld_imdと、ラプラス演算子sとを用いて、前記第1の周波数伝達特性Gvp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld_imd/L、
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)、
で表現し、
前記第1の周波数伝達特性は、逐次算出される前記電気負荷量の変化を反映して逐次更新され、
前記電圧制御演算器は、前記第1の周波数伝達特性と、前記目標出力電圧から前記スイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]前記目標出力電圧が変動する周波数領域において、前記入力電圧と前記出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]前記2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]前記2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有することを特徴とする電圧変換装置。 - 前記電気負荷量は、電気機械変換装置により構成され、
前記電気機械変換装置は、
電力変換半導体からなる第2のパワー素子を有し、前記第2のパワー素子のスイッチングにより直流電力と交流電力とを相互に変換して出力するインバータと、
前記インバータに接続された交流電動機と、
前記交流電動機の回転角度を検出する回転角検出器と、
前記交流電動機の電機子巻線に流れる電動機電流を検出する電動機電流検出器と、
前記交流電動機に対する制御演算に基づいて前記第2のパワー素子のスイッチングを制御する電動機制御器とを備え、
前記電動機制御器は、インバータ入力電流算出手段を含み、
前記インバータ入力電流算出手段は、前記出力電圧、前記交流電動機に対する印加電圧指令、前記電動機電流および前記回転角度に基づいて、前記インバータの直流側端子のインバータ入力電流を算出し、
前記制御装置内の電気負荷量算出手段は、前記出力電圧と前記出力電流との比、または前記出力電圧と前記インバータ入力電流との比、のいずれかを前記電気負荷量として算出することを特徴とする請求項3に記載の電圧変換装置。 - 直流電源から入力端子に印加される入力電圧を、所望の目標出力電圧と一致するように電圧変換し、出力電圧として出力端子から生成する電圧変換装置であって、
前記出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
前記出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、前記パワー素子のスイッチングにより前記入力端子と前記出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
前記出力電圧が前記目標出力電圧と一致するように前記出力電圧および前記出力電流を帰還制御し、前記パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記目標出力電圧および前記出力電圧に基づいて目標出力電流を算出する電圧制御演算器と、
前記目標出力電流および前記出力電流に基づいて前記スイッチング信号のデューティを算出する電流制御演算器と、
前記スイッチング信号のデューティから前記出力電流までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電流特性モデルとを備え、
前記電圧変換器出力電流特性モデルは、前記入力電圧Vinと、前記スイッチング信号のデューティDと、前記電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、前記電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、前記電圧変換器に接続される電気負荷量Rldと、ラプラス演算子sとを用いて、前記第1の周波数伝達特性Gcp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld/L
ωo=(1−D)/√(L×C)
Q=(1−D)×Rld×√(C/L)
で表現し、
前記電流制御演算器は、前記第1の周波数伝達特性と、前記目標出力電流から前記スイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]前記目標出力電圧が変動する周波数領域において、前記入力電圧と前記出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]前記2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]前記2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有することを特徴とする電圧変換装置。 - 前記電流制御演算器は、前記スイッチング信号のデューティに基づいて折点周波数を調整するPI制御器により構成されたことを特徴とする請求項5に記載の電圧変換装置。
- 直流電源から入力端子に印加される入力電圧を、所望の目標出力電圧と一致するように電圧変換し、出力電圧として出力端子から生成する電圧変換装置であって、
前記出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記入力電圧を検出する入力電圧検出器と、
前記出力端子での出力電流を検出する出力電流検出器と、
電力変換半導体からなるパワー素子を有し、前記パワー素子のスイッチングにより前記入力端子と前記出力端子との間で電圧変換を行う電圧変換器と、
前記出力電圧が前記目標出力電圧と一致するように前記出力電圧および前記出力電流を帰還制御し、前記パワー素子に対するスイッチング信号を出力する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記出力電圧と前記出力電流との比を電気負荷量として算出する電気負荷量算出手段と、
前記目標出力電圧および前記出力電圧に基づいて目標出力電流を算出する電圧制御演算器と、
前記目標出力電流および前記出力電流に基づいて前記スイッチング信号のデューティを算出する電流制御演算器と、
前記スイッチング信号のデューティから前記出力電流までの第1の周波数伝達特性を表現する電圧変換器出力電流特性モデルとを備え、
前記電圧変換器出力電流特性モデルは、前記入力電圧Vinと、前記スイッチング信号のデューティDと、前記電圧変換器を構成するリアクトルのインダクタンス値Lと、前記電圧変換器を構成する平滑コンデンサの容量値Cと、前記電圧変換器に接続される電気負荷量Rld_imdと、ラプラス演算子sとを用いて、前記第1の周波数伝達特性Gcp(s)を、2次遅れ要素の共振周波数ωpおよび固有周波数ωoを含む次式、
ωp=(1−D)×(1−D)×Rld_imd/L
ωo=(1−D)/√(L×C)、
Q=(1−D)×Rld_imd×√(C/L)
で表現し、
前記第1の周波数伝達特性は、逐次算出される前記電気負荷量の変化を反映して逐次更新され、
前記電流制御演算器は、前記第1の周波数伝達特性と、前記目標出力電流から前記スイッチング信号のデューティまでの第2の周波数伝達特性と、の直列接続で表される一巡伝達特性が、次の3つの条件、
[条件1]前記目標出力電圧が変動する周波数領域において、前記入力電圧と前記出力電圧との昇圧比率によって変化することなく一律となること、
[条件2]前記2次遅れ要素の共振周波数における振幅値が負の所定閾値以下となること、
[条件3]前記2次遅れ要素の共振周波数よりも低周波数域において、振幅値が0dBと交差すること、
をすべて満たす制御ゲインを有することを特徴とする電圧変換装置。 - 前記電気負荷量は、電気機械変換装置により構成され、
前記電気機械変換装置は、
電力変換半導体からなる第2のパワー素子を有し、前記第2のパワー素子のスイッチングにより直流電力と交流電力とを相互に変換して出力するインバータと、
前記インバータに接続された交流電動機と、
前記交流電動機の回転角度を検出する回転角検出器と、
前記交流電動機の電機子巻線に流れる電動機電流を検出する電動機電流検出器と、
前記交流電動機に対する制御演算に基づいて前記第2のパワー素子のスイッチングを制御する電動機制御器とを備え、
前記電動機制御器は、インバータ入力電流算出手段を含み、
前記インバータ入力電流算出手段は、前記出力電圧、前記交流電動機に対する印加電圧指令、前記電動機電流および前記回転角度に基づいて、前記インバータの直流側端子のインバータ入力電流を算出し、
前記制御装置内の電気負荷量算出手段は、前記出力電圧と前記出力電流との比、または前記出力電圧と前記インバータ入力電流との比、のいずれかを前記電気負荷量として算出することを特徴とする請求項7に記載の電圧変換装置。
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