JP2015201937A - 電圧変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バッテリの電圧を昇圧しインバータに出力する電圧変換装置の制御部50は、フィードバック演算部20、フィードフォワード演算部30、デューティ補正値演算部40などを有している。制御部50は、フィードバック演算部20が演算するフィードバック項dfbと、フィードフォワード演算部30が演算するフィードフォワード項dffと、デューティ補正値演算部40が入力電圧Vin、システム電圧Vsys、及び、指令電圧Vcomに基づいて演算するデューティ補正値dcrとを加算することによって昇圧駆動部15の駆動を制御するデューティ指令値dutyを算出する。これにより、フィードバック項とフィードフォワード項とからデューティ指令値を算出する場合に比べ、昇圧駆動部15がインバータに出力するシステム電圧Vsysの変動幅を小さくすることができる。
【選択図】 図2
Description
図9に一般的な電圧変換装置の制御ブロックを示す。図9に示すように、電圧変換装置の制御部90は、負荷に要求される目標電圧に対応する指令電圧Vcomと負荷へ入力されるシステム電圧Vsysとの偏差に基づいてフィードバック項dfbを演算するフィードバック演算部91と、バッテリなどの電源から入力される入力電圧Vinと指令電圧Vcomとに基づいてフィードフォワード項dffを演算するフィードフォワード演算部92とを備えている。制御部90では、システム電圧Vsysを目標電圧に一致させるように、フィードバック項dfb及びフィードフォワード項dffに基づいてデューティ指令値dutyを演算し、当該デューティ指令値dutyを昇圧用スイッチング素子などから構成されている昇圧駆動部93に出力する。例えば、特許文献1には、指令電圧Vcomとシステム電圧Vsysとの電圧偏差、及び、指令電圧Vcomの変化率に基づいてフィードバック制御における制御ゲインを調整する電圧変換装置が記載されている。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電圧変換装置10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源である交流電動機を駆動するシステムに適用される。
電圧変換装置10は、図1に示すように、バッテリ1の直流電圧を昇圧し、交流電動機7を駆動するインバータ6に出力する装置であり、一般に、昇圧コンバータ又はDCDCコンバータと呼ばれる。電圧変換装置10は、図1の一点鎖線で囲まれた部分が相当する。インバータ6及び交流電動機7は、特許請求の範囲に記載の「負荷」に相当する。
バッテリ1は、例えば、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの充放電可能な蓄電装置によって構成される直流電源である。電気二重層キャパシタなどもバッテリ1の一態様に含むものとする。
バッテリECU55は、バッテリ1のバッテリ電圧VB、内部温度Tb、充電量を表すSOCなどを監視し、バッテリ1の充放電などを制御する。バッテリECU55は、バッテリ電圧VB、内部温度Tbを制御部50に出力する。
リアクトル12は、リアクトル12を流れるリアクトル電流ILの大きさに応じて変化するリアクトルインダクタンスLを有している。リアクトル12は、電流の変化に伴って誘起電圧が発生し、電気エネルギーが蓄積される。
高電位側スイッチング素子13がオンで低電位側スイッチング素子14がオフのとき、リアクトル12に蓄積されたエネルギーが放出され、入力電圧Vinに誘起電圧が重畳された昇圧電圧が平滑コンデンサ16に充電される。
バッテリ側電流センサ17は、バッテリ1から電圧変換装置10への電流経路に設けられている。バッテリ側電流センサ17は、バッテリ1から電圧変換装置10への電流経路におけるバッテリ電流Ibを検出する。負荷側電流センサ18は、電圧変換装置10からインバータ6への電流経路に設けられている。負荷側電流センサ18は、電圧変換装置10からインバータ6への電流経路における負荷電流Imを検出する。
デューティ補正値演算部40は、第二増幅器44において増幅された差分をデューティ補正値dcrとして出力する。
次に、S102において、デューティ補正値演算部40は、デューティ補正値dcrを演算する。
次に、S103において、制御部50は、フィードバック項dfb、フィードフォワード項dff、及び、デューティ補正値dcrを加算することによってデューティ指令値dutyを算出する。
次に、S104において、制御部50は、算出されたデューティ指令値dutyを昇圧駆動部15に出力する。昇圧駆動部15では、入力されるデューティ指令値dutyに基づいて高電位側スイッチング素子13及び低電位側スイッチング素子14がオンオフされる。
図4には、第1実施形態による電圧変換装置10における各物理量の時間変化を示す。図4では、システム電圧Vsysを実線SL1で図4(a)に示し、入力電圧Vinを実線SL2で図4(b)に示し、バッテリ電流Ibと相関性が高いリアクトル電流ILを実線SL3で図4(c)に示し、デューティ指令値dutyを実線SL4で図4(d)に示している。また、図4には、比較例として、図9に示すような制御ブロックを有する電圧変換装置におけるシステム電圧Vsys、入力電圧Vin、リアクトル電流IL及びデューティ指令値dutyの時間変化を破線BL1、BL2、BL3、BL4で示す。比較例の電圧変換装置では、指令電圧Vcomとシステム電圧Vsysとの偏差に基づいて演算されるフィードバック項dfbと入力電圧Vinと指令電圧Vcomとに基づいて演算されるフィードフォワード項dffに基づいてデューティ指令値dutyを演算する。
また、電圧変換装置10では、図4(b)、(c)に示す入力電圧Vin(図4(b)の実線SL2)やリアクトル電流IL(図4(c)の実線SL3)も比較例の電圧変換装置における入力電圧Vin(図4(b)の破線BL2)やリアクトル電流IL(図4(c)の破線BL3)に比べ変動の幅が小さくなっている。
次に、本発明の第2実施形態について、図5に基づいて説明する。第2実施形態による電圧変換装置は、デューティ補正値演算部における演算処理が第1実施形態と異なる。第1実施形態の実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態による電圧変換装置が備えるデューティ補正値演算部60は、第一増幅器62(図5中では、「K1」と記す)、除算器63、第二増幅器64(図5中では、「K2」と記す)を有している。デューティ補正値演算部60におけるデューティ補正値dcrの演算内容は以下の通りである。
デューティ補正値演算部60は、第二増幅器64において増幅された差分をデューティ補正値dcrとして出力する。
次に、本発明の第3実施形態について、図6に基づいて説明する。第3実施形態による電圧変換装置は、デューティ補正値演算部における演算処理が第1実施形態と異なる。第1実施形態の実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態による電圧変換装置が備えるデューティ補正値演算部70は、第一増幅器72(図6中では、「K1」と記す)、除算器73、第二増幅器74(図6中では、「K2」と記す)を有している。デューティ補正値演算部70におけるデューティ補正値dcrの演算内容は以下の通りである。
デューティ補正値演算部70は、第二増幅器74において増幅された差分をデューティ補正値dcrとして出力する。
次に、本発明の第4実施形態について、図7、8に基づいて説明する。第4実施形態による電圧変換装置は、デューティ補正値演算部の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態の実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態による電圧変換装置が備えるデューティ補正値演算部80は、ローパスフィルタ81(図7中では、「LPF」と記す)、第一増幅器82(図7中では、「K1」と記す)、除算器83、第二増幅器84(図7中では、「K2」と記す)を有している。デューティ補正値演算部80におけるデューティ補正値dcrの演算内容は以下の通りである。
デューティ補正値演算部80は、第二増幅器84において増幅された差分をデューティ補正値dcrとして出力する。
(ア)上述の実施形態では、デューティ補正値演算部は、第一増幅器、除算器、第二増幅器などを有するとした。しかしながら、デューティ補正値演算部の構成はこれに限定されない。
6 ・・・インバータ(負荷)、
7 ・・・交流電動機(モータジェネレータ、負荷)。
10 ・・・電圧変換装置、
12 ・・・リアクトル、
13 ・・・高電位側スイッチング素子、
14 ・・・低電位側スイッチング素子、
20 ・・・フィードバック演算部、
30 ・・・フィードフォワード演算部、
40 ・・・デューティ補正値演算部、
50 ・・・制御部。
Claims (6)
- 直流電源であるバッテリ(1)と負荷(6、7)との間に設けられ、
電気エネルギーを蓄積及び放出可能なリアクトル(12)と、
交互にオンオフすることで前記リアクトルにおける電気エネルギーの蓄積及び放出を繰り返す高電位側スイッチング素子(13)及び低電位側スイッチング素子(14)と、
前記高電位側スイッチング素子又は前記低電位側スイッチング素子のスイッチング周期に対するオン時間比率であるデューティ指令値(duty)を演算する制御部(50)と、
を備え、
前記バッテリからの入力電圧(Vin)を前記負荷へ出力するシステム電圧(Vsys)に変換する電圧変換装置(10)であって、
前記制御部は、
前記負荷に要求される目標電圧に対応する指令電圧(Vcom)と前記システム電圧との偏差に基づいて前記デューティ指令値のフィードバック項(dfb)を演算するフィードバック演算部(20)と、
前記入力電圧と前記指令電圧とに基づいて前記デューティ指令値のフィードフォワード項(dff)を演算するフィードフォワード演算部(30)と、
前記入力電圧と前記システム電圧と前記指令電圧とに基づいて前記デューティ指令値のデューティ補正値(dcr)を演算するデューティ補正値演算部(40)と、
を有し、
前記デューティ指令値は、前記フィードバック項、前記フォードフォワード項、及び、前記デューティ補正値に基づいて算出されることを特徴とする電圧変換装置。 - 前記デューティ補正値演算部は、前記入力電圧のなまし値に基づいて前記デューティ補正値を演算することを特徴とする請求項1に記載の電圧変換装置。
- 前記デューティ補正値演算部は、前記バッテリの開放電圧(OCV)に基づいて前記デューティ補正値を演算することを特徴とする請求項1に記載の電圧変換装置。
- 前記デューティ補正値演算部は、前記バッテリの状態を監視するバッテリECU(55)が検出するバッテリ電圧(VB)に基づいて前記デューティ補正値を演算することを特徴とする請求項1に記載の電圧変換装置。
- 前記デューティ補正値演算部は、前記入力電圧と前記入力電圧のなまし値との差分を増幅する第一増幅器(42)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電圧変換装置。
- 前記第一増幅器のゲインは、前記バッテリの内部温度(Tb)によって変化することを特徴とする請求項5に記載の電圧変換装置。
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