JP2014135878A - 三相コンバータのコントローラ、それを用いた電力変換装置 - Google Patents

三相コンバータのコントローラ、それを用いた電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で系を目標状態に収束させる。
【解決手段】交流電圧を直流電圧に変換する三相コンバータのコントローラ100が提供される。コントローラ100は、直流電圧の検出値Vaが所定の目標値に近づくようにU相、V相、W相それぞれの電圧指令値を調節する閉ループ制御62と、直流電圧の検出値Vaとは無関係に、U相、V相、W相それぞれの電圧指令値を決定する開ループ制御(64)と、が切りかえ可能に構成される。コントローラ100は、直流電圧の検出値Vaがその目標値よりも低い状態において開ループ制御で動作し、その後、閉ループ制御で動作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流交流変換、あるいは交流直流変換を行うコンバータのコントローラに関する。
パワーエレクトロニクス分野において、電力変換装置(コンバータ)が広く利用される。コンバータとしては、直流電圧を三相交流電圧に変換し、三相負荷(たとえば電動機)を駆動するインバータや、商用交流電圧を直流電圧に変換し、負荷に供給するコンバータ(整流器)が例示される。
特開平8−289599号公報 特開平11−146652号公報
コンバータが三相交流電圧を受け、それを整流、平滑して直流電圧に変換する際に、コンバータのスイッチングトランジスタが停止した状態では、直流電圧は、ダイオード整流によって生成され、その目標値よりも低い状態となっている。
この状態から、直流電圧が目標値に近づくように閉ループ制御を開始すると、制御開始直後は、直流電圧と目標値の偏差が非常に大きくなる。その結果、制御指令値が大きくなり、過電圧や過電流などが発生しやすいという問題がある。
また、偏差が大きな状態では、コンバータは十分な電圧を出力できず、制御系が不安定になることもある。
また、偏差が大きな状態で要求される制御特性を満たすためには、制御ゲイン(制御パラメータ)の調節が困難である。さらに、この要求を満たすよう定められた制御ゲインは、安定性を重視したものとなり、応答性が悪くなるという問題がある。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、短時間で系を目標状態に収束可能なコンバータのコントローラの提供にある。
本発明のある態様は、交流電圧を直流電圧に変換する三相コンバータのコントローラに関する。コントローラは、直流電圧の検出値が所定の目標値に近づくようにU相、V相、W相それぞれの電圧指令値を調節する閉ループ制御と、直流電圧の検出値とは無関係に、U相、V相、W相それぞれの電圧指令値を決定する開ループ制御と、が切りかえ可能に構成され、直流電圧の検出値がその目標値よりも低い状態において開ループ制御で動作し、その後、閉ループ制御で動作する。
この態様によると、三相コンバータのスイッチングの開始後、間もない、直流電圧の検出値と目標値の偏差が大きな状態では、開ループ制御で三相コンバータを制御し、直流電圧を増大させ、ある程度偏差が小さくなった後に、閉ループ制御に切りかえることにより、過電圧や過電流を抑制し、短時間で系を安定化させることができる。
コントローラは、直流電圧がその目標値の近傍に設定されたしきい値に達すると、閉ループ制御に遷移してもよい。
交流電圧の振幅がV、周波数がωであるとき、閉ループ制御におけるU相、V相、W相それぞれの電圧指令値は、V・cosωt、V・cos(ωt−2/3π)、V・cos(ωt−4/3π)に設定されてもよい。
コントローラは、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成するuvw/dq座標変換器と、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iq、d軸電流値Idの目標値Idrおよびq軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する第1演算部と、d軸電圧指令値Vdに、所定数を重畳するフィードフォワード部と、直流電圧の検出値Vaとその目標値Vrにもとづき、d軸電流値Idの目標値Idrを生成する第2演算部と、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成するuvw/dq座標変換器と、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調するパルス変調器と、を備えてもよい。開ループ制御において、第1演算部の係数がゼロに設定されてもよい。
この構成によれば、第1演算部の係数をゼロとすることにより、開ループ制御を実現できる。また、フィードフォワードの所定数Eを最適化することで、開ループ制御において、U相、V相、W相の電圧指令値をEcosωt、Ecos(ωt−2/3π)、Ecos(ωt−4/3π)にしたがって変化させることができる。
第1演算部は、d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差を生成する第1減算器と、q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差を生成する第2減算器と、d軸偏差を比例・積分演算する第1比例積分回路と、q軸偏差を比例・積分演算する第2比例積分回路と、q軸電流値IqにωLを乗算する第1乗算器と、第1比例積分回路の出力と第1乗算器の出力を加算することによりd軸電圧指令値Vdを生成する第1加算器と、d軸電流値Idに−ωLを乗算する第2乗算器と、第2比例積分回路の出力と第2乗算器の出力を加算することによりq軸電圧指令値Vqを生成する第2加算器と、を含んでもよい。開ループ制御において、第1、第2比例積分回路の比例項の係数、積分項の係数をゼロとしてもよい。
本発明の別の態様は、電力変換装置に関する。電力変換装置は、その三相交流端子が三相交流電源に接続され、そのP極、N極電源ラインの間に平滑コンデンサが接続されたコンバータと、コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、P極、N極電源ラインの間に生ずる直流電圧の検出値Vaを生成する電圧検出部と、電流検出値Iu、Iv、Iwおよび直流電圧の検出値Vaにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成するコントローラと、コントローラからの制御信号にもとづき、コンバータを駆動するゲート駆動回路と、を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、短時間で系を目標状態に収束させることができる。
三相コンバータを含む電力変換装置の構成を示すブロック図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 コントローラの具体的な構成例を示すブロック図である。 図4(a)は、図2のコントローラの動作波形図であり、図4(b)は従来のコントローラの動作波形図である。 電力変換装置を利用した充放電検査システムを示す回路図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、三相コンバータを含む電力変換装置2の構成を示すブロック図である。電力変換装置2は、三相コンバータ10、電流検出回路20、A/Dコンバータ22、ゲート駆動回路24、平滑コンデンサ26、電圧検出回路28、A/Dコンバータ30、コントローラ100を備える。
電力変換装置2は、三相交流電圧を直流電圧に変換する平滑整流回路として、および/または、直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータとして利用される。
三相コンバータ10は、電源ライン12p、12n、交流端子14u、14v、14w、U相、V相、W相ごとに設けられた上アームスイッチ16および下アームスイッチ18のペアを有する。
交流端子14u、14v、14wには、三相電源もしくは入力リアクトル(三相トランス)が接続され、三相交流電圧が入力される。U相に着目すると、P極電源ライン12pと交流端子14uの間に上アームスイッチ16uが設けられ、交流端子14uとN極電源ライン12nの間に下アームスイッチ18uが設けられる。V相、W相も同様である。平滑コンデンサ26は、P極電源ライン12pとN極電源ライン12nの間に設けられる。
電流検出回路20は、U相、V相、W相の交流端子14u、14v、14wそれぞれに流れる電流を検出する。電流検出回路20としては、電流検出トランス(カレントトランスCT)が利用される。あるいは、検出対称の電流経路にインピーダンス素子(たとえば抵抗)を配置し、インピーダンス素子の電圧降下にもとづいて電流を検出してもよく、電流検出の方法は特に限定されない。
A/Dコンバータ22は、電流検出回路20から電流の検出値Iu、Iv、Iwを示すアナログ電圧を受け、それらをデジタル値に変換し、コントローラ100へと出力する。
電圧検出回路28は、P極電源ライン12pとN極電源ライン12nの間の直流電圧Vaを検出する。A/Dコンバータ30は、直流電圧に応じた検出値Vaを受け、それをデジタル値に変換し、コントローラ100へと出力する。
コントローラ100は、電流検出値Iu、Iv、Iwおよび電圧検出値Vaにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号Su、Sv、Swを生成する。ゲート駆動回路24は、コントローラ100からの制御信号Su、Sv、Swにもとづき、コンバータ10の上アームスイッチ16および下アームスイッチ18を駆動する。
以上が電力変換装置2の全体の構成である。続いてコントローラ100の構成を説明する。図2は、コントローラ100の構成を示すブロック図である。コントローラ100は、デジタル処理回路であり、たとえば専用に設計されたDSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、汎用CPUとプログラムの組み合わせで構成してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いて構成してもよい。
コントローラ100は、電圧指令値生成手段60およびパルス幅変調器38を備える。電圧指令値生成手段60は、U相、V相、W相の交流端子14u、14v、14wの目標電圧レベルを指示する電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成する。
パルス幅変調器38は、電圧指令値Vu、Vv、Vwそれぞれをパルス幅変調し、制御信号Su、Sv、Swに変換する。
電圧指令値生成手段60は、直流電圧の検出値Vaが所定の目標値に近づくようにU相、V相、W相それぞれの電圧指令値Vu、Vv、Vwをフィードバックにより調節する閉ループ制御と、直流電圧の検出値Vaとは無関係に、U相、V相、W相それぞれの電圧指令値Vu、Vv、Vwを決定する開ループ制御と、が切りかえ可能に構成される。
電圧指令値生成手段60は、閉ループ制御手段62、開ループ制御手段64、切りかえ手段66を含む。閉ループ制御手段62は、電流検出値Iu、Iv、Iwおよび電圧検出値Vaにもとづき、直流電圧の検出値Vaが所定の目標値に近づくようにU相、V相、W相それぞれの電圧指令値Vu、Vv、Vwをフィードバックにより生成する。
開ループ制御手段64は、直流電圧の検出値Vaとは無関係に、U相、V相、W相それぞれの電圧指令値Vu、Vv、Vwを決定する開ループ制御と、が切りかえ可能に構成される。
閉ループ制御手段62および開ループ制御手段64は、図2に示すように別々の回路ブロックとして構成されても良いし、共通の回路ブロックの機能が、切りかえ可能であってもよい。
切りかえ手段66は、閉ループ制御と、開ループ制御と、を切りかえる。閉ループ制御手段62と開ループ制御手段64が別々の回路ブロックとして構成される場合、切りかえ手段66は、閉ループ制御手段62により生成された電圧指令値Vu〜Vwのセットと、開ループ制御手段64により生成された電圧指令値Vu〜Vwのセットの一方を選択し、パルス幅変調器38に出力する。
閉ループ制御手段62と開ループ制御手段64が共通の回路ブロックで構成され、その機能が切りかえ可能である場合、切りかえ手段66は、共通の回路ブロックの機能を切りかえる。
具体的には、切りかえ手段66は、直流電圧Vaがその目標値よりも低い状態においてある期間、閉ループ制御手段62を有効とし、その後、より好ましくは、直流電圧Vaが目標値の近傍のしきい値Vthに達すると、開ループ制御手段64を有効とする。
交流端子14に接続される回路から供給される交流電圧の振幅がV、周波数がfであり、各相の交流端子14の電圧が、V・cosωt、V・cos(ωt−2/3π)、V・cos(ωt−4/3π)にしたがって変化するものとする。このとき開ループ制御手段64は、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを、V・cosωt、V・cos(ωt−2/3π)、V・cos(ωt−4/3π)にしたがって変化させる。
図3は、コントローラ100の具体的な構成例を示すブロック図である。コントローラ100は、dq/uvw座標変換器32、第1演算部40、uvw/dq座標変換器36、パルス幅変調器38、フィードフォワード部70、第2演算部80、係数制御部90を備える。
dq/uvw座標変換器32、第1演算部40、uvw/dq座標変換器36が、図2の閉ループ制御手段62および開ループ制御手段64に相当する。図3の回路では、共通の回路ブロック(32、40、36)の機能が切りかえ可能となっている。
dq/uvw座標変換器32は、電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成する。dq/uvw座標変換器32における信号処理および構成は、特に限定されず、公知の技術を用いればよいため、ここでは説明を省略する。たとえばdq/uvw座標変換器32は、uvw座標系を、固定座標系であるαβ座標系に変換し、αβ座標系を、角速度ωで回転する回転座標系のdq座標系に変換してもよい。
dq/uvw座標変換器32の前段には、電流検出値Iu、Iv、Iwをフィルタリングし、そのノイズ成分を除去するフィルタを挿入してもよい。
第1演算部40は、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iq、d軸電流値Idの目標値Idrおよびq軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する。
具体的には第1演算部40は、第1減算器42、第2減算器44、第1比例積分回路46、第2比例積分回路48、第1乗算器50、第1加算器52、第2乗算器54、第2加算器56を備える。
第1減算器42は、d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差δdを生成する。第2減算器44は、q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差δqを生成する。q軸電流の目標値Iqrは典型的にはゼロであるが、意図的に非ゼロの値が与えられる場合もある。
第1比例積分回路46は、d軸偏差δdを比例・積分演算する。第2比例積分回路48は、q軸偏差δqを比例・積分演算する。第1乗算器50は、q軸電流値IqにωLを乗算する。ωLは、交流端子14に接続されるインピーダンスであり、ωは交流信号の角速度を、Lはインダクタンスを表す。第1加算器52は、第1比例積分回路46の出力と第1乗算器50の出力を加算することによりd軸電圧指令値Vdを生成する。第2乗算器54は、d軸電流値Idに−ωLを乗算する。第2加算器56は、第2比例積分回路48の出力と第2乗算器54の出力を加算することによりq軸電圧指令値Vqを生成する。
交流端子14に接続されるインピーダンスが、R+Lで表されるとする。インピーダンスに流れる電流のd軸成分Idとq軸成分Iqと、交流端子14の電圧のd軸成分Vd、q軸成分Vqの間には以下の関係式が成り立つ。
Vd=(R+L・d/dt)×Id−ωL×Iq
Vd=ωL×Id+(R+L・d/dt)×Iq
第1演算部40は、この関係式にもとづいて、電流指令値を電圧指令値に変換している。
フィードフォワード部70は、第1演算部40が生成したd軸電圧指令値Vdに、所定数Eを重畳する。フィードフォワード部70は、第1比例積分回路46の出力に所定数Eを加算する第3加算器72を含む。第3加算器72を第1加算器52とuvw/dq座標変換器36の間に設け、第1加算器52の出力に所定数Eを加算してもよい。
所定数Eは、交流端子14に与えられる交流電圧の振幅Vと実質的に等しく設定される。これにより、開ループ制御における電圧指令値Vu、Vv、Vwを、V・cosωt、V・cos(ωt−2/3π)、V・cos(ωt−4/3π)にしたがって変化させることができる。
第2演算部80は、直流電圧の検出値Vaとその目標値Vrにもとづき、d軸電流値Idの目標値Idrを生成する。第2演算部80は、第3減算器82および第3比例積分回路84を含む。第3減算器82は、直流電圧の検出値Vaとその目標値Vrの差分である電圧偏差δVを生成する。第3比例積分回路84は、電圧偏差δVを比例・積分演算し、d軸電流値Idの目標値Idrを生成する。
uvw/dq座標変換器36は、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成する。パルス幅変調器38は、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調、より具体的にはパルス幅変調し、制御信号Su、Sv、Swを生成する。
係数制御部90は、第1比例積分回路46および第2比例積分回路48それぞれの比例項の係数K、積分項の係数Kを切りかえる。具体的には、閉ループ制御を行う期間では、係数K、Kに非ゼロの設計値を与え、開ループ制御を行う期間では、係数K、Kをゼロとする。つまり係数制御部90は、図2の切りかえ手段66に対応する。
以上がコントローラ100の構成である。続いてその動作を説明する。
図4(a)は、図2のコントローラ100の動作波形図であり、図4(b)は従来のコントローラの動作波形図である。はじめに図4(b)を参照し、従来のコントローラの動作を説明する。
時刻t1より前は、コンバータ10のスイッチング動作は停止しており、スイッチングトランジスタ16、18はすべてオフしている。したがって各トランジスタと並列に設けられたダイオードによってダイオード整流が行われ、直流電圧の検出値(以下、単に直流電圧ともいう)Vaは、三相交流電圧をダイオードブリッジ回路により整流、平滑化した電圧レベルVRECTに安定化される。
時刻t1に、コンバータ10のスイッチング動作が開始する。従来のコントローラは、直流電圧Vaが目標値Vrと一致するように、それらの偏差がゼロとなるように、電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成する。
スイッチング動作の開始直後、直流電圧Vaと目標値Vrの偏差は非常に大きいため、直流電圧Vaは目標値Vrを大きく超える(オーバーシュート)。また、その後も直流電圧Vaは直ちに目標値Vrに収束せず、なだらかに目標値Vrに近づいていく。
このように従来のコントローラでは、オーバーシュートなどが発生する。また、起動直後の偏差が大きな状態で安定動作するように設計すると、系の状態が安定化するまでのセトリング時間が長くなる。
続いて図4(a)を参照し、図2のコントローラ100の動作を説明する。時刻t1より前については、図4(b)と同様である。コントローラ100は、時刻t1に、開ループ制御によってスイッチング動作を開始する。開ループ制御によって、直流電圧Vaは、速い速度で目標値Vrに向かって増大していく。そして、時刻t2に直流電圧Vaがしきい値Vthに達すると、開ループ制御から閉ループ制御に切りかえられる。しきい値Vthは、目標値Vrの近傍に設定されるため、閉ループ制御の開始時において、偏差δVは小さくなる。その結果、直流電圧Vaは、オーバーシュートすることなく、目標値Vrに収束していく。
以上が実施の形態に係るコントローラ100の動作である。
実施の形態に係るコントローラ100によれば、過電圧や過電流を抑制することができる。
また、実施の形態に係るコントローラ100は、偏差が大きな状態では閉ループ制御を行わないため、制御系が不安定になるのを防止できる。別の観点からみれば、コントローラ100は、偏差δVが比較的小さな状態のみを考慮して制御特性を設計できるため、従来では系の安定性を優先させて応答性を犠牲にしていたところ、実施の形態に係るコントローラ100では応答性を優先して制御特性を設計できるため、短時間で系を目標状態に収束させることができる。
最後に、電力変換装置2の用途について説明する。
図5は、電力変換装置2を利用した充放電検査システム600を示す回路図である。充放電検査システム600は、商用交流電源601、充放電検査装置602、2次電池604を備える。
充放電検査装置602は、商用交流電源601からの三相交流電圧を受け、2次電池604を充電する(充電動作)。また充放電検査装置602は、2次電池604を放電し、エネルギーを商用交流電源601に回収する(放電動作)。
充放電検査装置602は、電力変換装置2、入力リアクトル610、絶縁トランス612、平滑コンデンサ614、昇降圧コンバータ616を備える。入力リアクトル610は、絶縁トランス612の2次側に設けられてもよい。
電力変換装置2のコンバータ10の三相交流端子は、入力リアクトル610、絶縁トランス612を介して、三相商用交流電源601に接続される。コンバータ10の電源ライン12p、12nは、平滑コンデンサ614と接続される。昇降圧コンバータ616の1次側(P)は、平滑コンデンサ614と接続され、その2次側(S)は、2次電池604と接続される。
充電動作時に、電力変換装置2は、三相交流電圧を整流する。平滑コンデンサ614によって平滑化された直流電圧VDCは、昇降圧コンバータ616の1次側(P)に入力される。昇降圧コンバータ616は、1次側を入力、2次側を出力とする降圧コンバータとして動作し、直流電圧VDCを降圧して2次電池604を充電する。
放電動作時に昇降圧コンバータ616は、2次側を入力、1次側を出力とする昇圧コンバータとして動作する。具体的には、電池電圧VBATを昇圧して、平滑コンデンサ614を直流電圧VDCで充電する。コンバータ10は、インバータとして動作し、直流電圧VDCを交流電圧に変換し、絶縁トランス612、入力リアクトル610を介して商用交流電源601へと出力する。
このような用途においても、実施の形態に係るコントローラ100によれば、コンバータ10を好適に制御できる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(変形例1)
実施の形態では第1演算部40および第2演算部80が、PI(比例積分)制御を行う場合を説明したが、P(比例)制御、PID(比例積分微分)制御を行ってもよい。
(変形例2)
実施の形態では、コントローラ100の具体例のひとつとして、ベクトル制御のコントローラを説明したが、本発明はそれには限定されず、たとえばV/F制御などその他の制御にも適用することができる。当業者であれば、制御方式に応じて第1演算部40およびフィードフォワード部70、第2演算部80、係数制御部90を最適に設計しうる。
(変形例3)
実施の形態では、電力変換装置2の用途として充放電検査装置を説明したが、その用途は特に限定されない。直流電圧は、任意の負荷に供給されてよい。負荷は、たとえばモータを駆動するインバータなどが例示される。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
2…電力変換装置、10…コンバータ、12…電源ライン、14…交流端子、16…上アームスイッチ、18…下アームスイッチ、20…電流検出回路、22…A/Dコンバータ、24…ゲート駆動回路、26…平滑コンデンサ、28…電圧検出回路、30…A/Dコンバータ、32…dq/uvw座標変換器、34…位相補償部、36…uvw/dq座標変換器、38…パルス幅変調器、40…第1演算部、42…第1減算器、44…第2減算器、46…第1比例積分回路、48…第2比例積分回路、50…第1乗算器、52…第1加算器、54…第2乗算器、56…第2加算器、60…電圧指令値生成手段、62…閉ループ制御手段、64…開ループ制御手段、66…切りかえ手段、70…フィードフォワード部、72…第3加算器、80…第2演算部、82…第3減算器、84…第3比例積分回路、90…係数制御部、100…コントローラ。

Claims (6)

  1. 交流電圧を直流電圧に変換する三相コンバータのコントローラであって、
    前記直流電圧の検出値が所定の目標値に近づくようにU相、V相、W相それぞれの電圧指令値を調節する閉ループ制御と、前記直流電圧の検出値とは無関係に、前記U相、V相、W相それぞれの電圧指令値を決定する開ループ制御と、が切りかえ可能に構成され、
    前記直流電圧の検出値がその目標値よりも低い状態において前記開ループ制御で動作し、その後、前記閉ループ制御で動作することを特徴とするコントローラ。
  2. 前記直流電圧がその目標値の近傍に設定されたしきい値に達すると、前記閉ループ制御に遷移することを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
  3. 前記交流電圧の振幅がV、周波数がωであるとき、前記閉ループ制御における前記U相、V相、W相それぞれの電圧指令値は、V・cosωt、V・cos(ωt−2/3π)、V・cos(ωt−4/3π)に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のコントローラ。
  4. 前記U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成するuvw/dq座標変換器と、
    前記d軸電流値Idおよび前記q軸電流値Iq、前記d軸電流値Idの目標値Idrおよび前記q軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する第1演算部と、
    前記d軸電圧指令値Vdに、所定数を重畳するフィードフォワード部と、
    前記直流電圧の検出値Vaとその目標値Vrにもとづき、前記d軸電流値Idの目標値Idrを生成する第2演算部と、
    前記d軸電圧指令値Vdおよび前記q軸電圧指令値Vqを、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成するuvw/dq座標変換器と、
    前記U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調するパルス変調器と、
    を備え、
    前記開ループ制御において、前記第1演算部の係数がゼロに設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコントローラ。
  5. 前記第1演算部は、
    前記d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差を生成する第1減算器と、
    前記q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差を生成する第2減算器と、
    前記d軸偏差を比例・積分演算する第1比例積分回路と、
    前記q軸偏差を比例・積分演算する第2比例積分回路と、
    前記q軸電流値IqにωLを乗算する第1乗算器と、
    前記第1比例積分回路の出力と前記第1乗算器の出力を加算することにより前記d軸電圧指令値Vdを生成する第1加算器と、
    前記d軸電流値Idに−ωLを乗算する第2乗算器と、
    前記第2比例積分回路の出力と前記第2乗算器の出力を加算することにより前記q軸電圧指令値Vqを生成する第2加算器と、
    を含み、
    前記開ループ制御において、前記第1、第2比例積分回路の比例項の係数、積分項の係数をゼロとすることを特徴とする請求項4に記載のコントローラ。
  6. その三相交流端子が三相交流電源に接続され、そのP極、N極電源ラインの間に平滑コンデンサが接続されたコンバータと、
    前記コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、
    前記P極、N極電源ラインの間に生ずる直流電圧の検出値Vaを生成する電圧検出部と、
    前記電流検出値Iu、Iv、Iwおよび前記直流電圧の検出値Vaにもとづき、前記U相、V相、W相それぞれの電圧指令値を生成し、電圧指令値にもとづいてU相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成する請求項1から5のいずれかに記載のコントローラと、
    前記コントローラからの前記制御信号にもとづき、前記コンバータを駆動するゲート駆動回路と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109713676A (zh) * 2019-01-23 2019-05-03 深圳市高斯宝电气技术有限公司 一种交错并联无桥功率因数校正电路的控制方法
CN110391773A (zh) * 2019-07-03 2019-10-29 东方久乐汽车电子(上海)股份有限公司 一种带有自学习功能的隐藏门把手闭环控制方法

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