JP2013236420A - コンバータのコントローラ、それを用いた電力変換装置 - Google Patents

コンバータのコントローラ、それを用いた電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で系を目標状態に収束可能なコンバータのコントローラを提供する。
【解決手段】コントローラ100は、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、コンバータを制御するための制御信号Su、Sv、Swを生成する。位相遅れ要素であるフィルタ30は、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwに対して位相遅れφを与える。uvw/dq座標変換器32は、フィルタ30を経た電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成する。演算部40は、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する。位相補償部は、q軸電圧指令値Vqに位相補償量Vcを重畳し、補償q軸電圧指令値Vq*を生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、直流交流変換、あるいは交流直流変換を行うコンバータのコントローラに関する。
パワーエレクトロニクス分野において、電力変換装置(コンバータ)が広く利用される。コンバータとしては、直流電圧を3相交流電圧に変換し、3相負荷(たとえば電動機)を駆動するインバータや、商用交流電圧を直流電圧に変換し、負荷に供給するコンバータ(整流器)が例示される。
3相コンバータの制御方式として、3相電流Iu、Iv、Iwを、回転座標系であるdq座標系に3相/2相変換し、コンバータのアーム(トランジスタ)をフィードバック制御するベクトル制御が知られている。
特開平8−289599号公報
ベクトル制御では、以下の処理が行われる。
1. U相、V相、W相の電流値が、dq座標系の電圧値に変換される。
2. dq座標系の電圧値と、それぞれの目標値の誤差を比例積分演算することにより、dq座標系の電圧指令値を生成する。
3. dq座標系の電圧指令値をUVW座標系に変換し、パルス変調する。
多くの用途において、系の状態を短時間で目標座標に収束させることが望まれ、具体的には、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値が短時間でそれぞれの収束値に安定化することが望まれる。ここで、3相電流Iu、Iv、Iwが位相遅れをともなう場合、q軸電圧値の収束値は、位相遅れの分、大きくなる。
フィードバックループ内では、PI(比例積分)制御が行われる。ここで系の動作開始直後において、q軸電圧指令値はゼロであり、その後の積分によって、q軸電圧指令値が収束値へと向かって増大していく。したがって、位相遅れが大きくなるほど、積分に要する時間が長くなり、系が安定化するまでの時間が長くなるとという問題がある。
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、短時間で系を目標状態に収束可能なコンバータのコントローラの提供にある。
本発明のある態様は、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、コンバータを制御するための制御信号を生成するコントローラに関する。コントローラは、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwに対して位相遅れを与える位相遅れ要素と、位相遅れ要素を経た電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成するuvw/dq座標変換器と、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iq、d軸電流値Idの目標値Idrおよびq軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する演算部と、q軸電圧指令値Vqに位相補償量Vcを重畳し、補償q軸電圧指令値Vq*を生成する位相補償部と、d軸電圧指令値Vdおよび補償q軸電圧指令値Vq*を、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成するuvw/dq座標変換器と、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調するパルス変調器と、を備える。
この態様によると、q軸電圧指令値に、位相遅れに応じた位相補償量を重畳することにより、演算部における演算処理の遅れを補償することができ、短時間で系を目標とする状態に収束させることができる。
位相補償部は、位相遅れ要素に起因する位相遅れをφとするとき、式(1)、(2)にもとづいて位相補償量Vcを演算してもよい。
θ=tan−1(Vd/Vq) …(1)
Vc=Vd/tan(θ+φ)−Vq …(2)
位相遅れ要素は、U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwをフィルタリングするフィルタであってもよい。
演算部は、d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差を生成する第1減算器と、q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差を生成する第2減算器と、d軸偏差を比例・積分演算する第1比例積分回路と、q軸偏差を比例・積分演算する第2比例積分回路と、q軸電流値IqにωLを乗算する第1乗算器と、第1比例積分回路の出力と第1乗算器の出力を加算することによりd軸電圧指令値Vdを生成する第1加算器と、d軸電流値Idに−ωLを乗算する第2乗算器と、第2比例積分回路の出力と第2乗算器の出力を加算することによりq軸電圧指令値Vqを生成する第2加算器と、を含んでもよい。
位相補償部は、第2加算器の出力に位相補償量Vcを重畳してもよい。
位相補償部は、第2比例積分回路の出力に位相補償量Vcを重畳してもよい。
本発明の別の態様は、電力変換装置に関する。電力変換装置は、その3相交流端子が3相負荷に接続され、そのP極、N極電源ラインに直流電圧が印加されるコンバータと、コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成する上述のいずれかのコントローラと、コントローラからの制御信号にもとづき、コンバータを駆動するゲート駆動回路と、を備える。
本発明の別の態様も、電力変換装置に関する。電力変換装置は、その3相交流端子が3相交流電源に接続されたコンバータと、コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成する上述のいずれかのコントローラと、コントローラからの制御信号にもとづき、コンバータを駆動するゲート駆動回路と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、短時間で系を目標状態に収束させることができる。
コンバータを含む電力変換装置の構成を示すブロック図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 図3(a)、(b)は、電圧指令値をdq座標系で示す図である。 電力変換装置を利用した負荷駆動システムを示す回路図である。 電力変換装置を利用した充放電検査システムを示す回路図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、コンバータを含む電力変換装置2の構成を示すブロック図である。電力変換装置2は、コンバータ10、電流検出回路20、A/Dコンバータ22、ゲート駆動回路24、コントローラ100を備える。
電力変換装置2は、3相交流電圧を直流電圧に変換する平滑整流回路として、あるいは直流電圧を3相交流電圧に変換するインバータとして利用される。
3相コンバータ10は、電源ライン12p、12n、交流端子14u、14v、14w、U相、V相、W相ごとに設けられた上アームスイッチ16および下アームスイッチ18のペアを有する。
U相に着目すると、P極電源ライン12pと交流端子14Uの間に上アームスイッチ16uが設けられ、交流端子14UとN極電源ライン12nの間に下アームスイッチ18uが設けられる。V相、W相も同様である。
電流検出回路20は、U相、V相、W相の交流端子14u、14v、14wそれぞれに流れる電流を検出する。電流検出回路20としては、電流検出トランス(カレントトランスCT)が利用される。あるいは、検出対称の電流経路にインピーダンス素子(たとえば抵抗)を配置し、インピーダンス素子の電圧降下にもとづいて電流を検出してもよく、電流検出の方法は特に限定されない。
A/Dコンバータ22は、電流検出回路20から電流の検出値Iu、Iv、Iwを示すアナログ電圧を受け、それらをデジタル値に変換し、コントローラ100へと出力する。
コントローラ100は、電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号Su、Sv、Swを生成する。ゲート駆動回路24は、コントローラ100からの制御信号Su、Sv、Swにもとづき、コンバータ10の上アームスイッチ16および下アームスイッチ18を駆動する。
以上が電力変換装置2の全体の構成である。続いてコントローラ100の構成を説明する。図2は、コントローラ100の構成を示すブロック図である。コントローラ100は、デジタル処理回路であり、たとえば専用に設計されたDSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、汎用CPUとプログラムの組み合わせで構成してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いて構成してもよい。
コントローラ100は、フィルタ30、dq/uvw座標変換器32、演算部40、位相補償部34、uvw/dq座標変換器36、パルス幅変調器38を備える。
フィルタ30は、電流検出値Iu、Iv、Iwをフィルタリングし、そのノイズ成分を除去する。フィルタ30は、1次遅れフィルタで構成され、フィルタ30を通過することにより、電流検出値Iu,Iv,Iwには、位相遅れφが与えられる。
dq/uvw座標変換器32は、位相遅れ要素であるフィルタ30を経た電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成する。dq/uvw座標変換器32における信号処理および構成は、特に限定されず、公知の技術を用いればよいため、ここでは説明を省略する。たとえばdq/uvw座標変換器32は、uvw座標系を、固定座標系であるαβ座標系に変換し、αβ座標系を、角速度ωで回転する回転座標系のdq座標系に変換してもよい。
演算部40は、d軸電流値Idおよびq軸電流値Iq、d軸電流値Idの目標値Idrおよびq軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する。
具体的には演算部40は、第1減算器42、第2減算器44、第1比例積分回路46、第2比例積分回路48、第1乗算器50、第1加算器52、第2乗算器54、第2加算器56を備える。
第1減算器42は、d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差δdを生成する。第2減算器44は、q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差δqを生成する。q軸電流の目標値Iqrは典型的にはゼロであるが、意図的に非ゼロの値が与えられる場合もある。
第1比例積分回路46は、d軸偏差δdを比例・積分演算する。第2比例積分回路48は、q軸偏差δqを比例・積分演算する。第1乗算器50は、q軸電流値IqにωLを乗算する。ωLは、交流端子14に接続されるインピーダンスであり、ωは交流信号の角速度を、Lはインダクタンスを表す。第1加算器52は、第1比例積分回路46の出力と第1乗算器50の出力を加算することによりd軸電圧指令値Vdを生成する。第2乗算器54は、d軸電流値Idに−ωLを乗算する。第2加算器56は、第2比例積分回路48の出力と第2乗算器54の出力を加算することによりq軸電圧指令値Vqを生成する。
交流端子14に接続されるインピーダンスが、R+Lで表されるとする。インピーダンスに流れる電流のd軸成分Idとq軸成分Iqと、交流端子14の電圧のd軸成分Vd、q軸成分Vqの間には以下の関係式が成り立つ。
Vd=(R+L・d/dt)×Id−ωL×Iq
Vd=ωL×Id+(R+L・d/dt)×Iq
演算部40は、この関係式にもとづいて、電流指令値を電圧指令値に変換している。
位相補償部34は、q軸電圧指令値Vqに位相補償量Vcを重畳し、補償q軸電圧指令値Vq*を生成する。
位相遅れ要素であるフィルタ30によって電流検出値Iu、Iv、Iwに与えられる位相遅れをφとする。このとき位相補償部34の補償量計算部34aは、式(1)、(2)にもとづいて位相補償量Vcを演算する。
θ=tan−1(Vd/Vq) …(1)
Vc=Vd/tan(θ+φ)−Vq …(2)
フィルタ30の設計者は、その伝達関数を知っているため、位相遅れφは既知であり、補償量計算部34aに与えられている。また補償量計算部34aには、演算部40によって時々刻々と計算される電圧指令値Vd、Vqが入力される。補償量計算部34aは、式(1)にしたがってθを計算し、さらに式(2)にしたがって補償電圧Vcを計算する。加算器34bは、q軸電圧指令値Vqに、補償電圧Vcを加算する。なお加算器34bは、第2比例積分回路48と第2加算器56の間に設けられてもよく、結果として、q軸電圧指令値Vqに補償電圧Vcが重畳されればよく、その位置は限定されない。
uvw/dq座標変換器36は、d軸電圧指令値Vdおよび補償q軸電圧指令値Vq*を、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成する。パルス幅変調器38は、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調、より具体的にはパルス幅変調し、制御信号Su、Sv、Swを生成する。
以上がコントローラ100の構成である。続いてその動作を説明する。
図3(a)、(b)は、電圧指令値をdq座標系で示す図である。いま、フィルタを除く電流制御系の位相遅れをθとする。フィルタが存在しない場合、電圧指令値VdとVqおよび位相遅れθは、図3(a)に示す関係を有する。図3(a)には、フィルタの位相遅れが存在しない場合を示しており、θはフィルタを除く電流制御系の位相遅れである。ベクトル制御では、Vqを適切な値に設定することにより、電流制御系の位相遅れθが解消される。
図3(b)は、フィルタによる位相遅れφが導入されたときの電圧指令値を示しており、系全体の位相遅れ量は、θ+φとなる。位相遅れφが導入されることにより、系が安定化された状態におけるq軸電圧指令値の収束値はVq’となることが理解される。
図2のコントローラ100の利点は、位相補償部34を設けない回路との対比によって明確となる。そこではじめに、位相補償部34を設けない場合の動作を説明する。
コントローラ100が動作開始した直後、第2比例積分回路48における積分値はゼロである。その後、演算処理が進むにつれて、第2比例積分回路48の出力値が増大していき、電圧指令値Vqも増大していく。
位相補償部34が設けられない場合、初期状態でゼロであるq軸電圧指令値Vqが時間とともに増大し、やがてVq’に達すると系が安定状態となる。したがって、フィルタ30の位相遅れφが大きくなるほど、系が安定化するのに要する時間は長くなる。
翻って、位相補償部34が設けられた図2のコントローラ100の動作を説明する。コントローラ100の動作開始直後において、q軸電圧指令値Vqはゼロであるが、フィルタ30の位相遅れφに対応する位相補償電圧Vcが直ちに計算され、それがq軸電圧指令値Vdにフィードフォワードされる。
位相補償電圧Vcをフィードフォワードすることにより、q軸電圧指令値Vq*の初期値はVcとなる。すなわちフィルタ30による位相遅れφを即座に補償することができ、系が安定化するのに要する時間が、フィルタ30が存在しない場合に比べて長くなるのを防止できる。
このように、実施の形態に係るコントローラ100によれば、位相補償電圧Vcを電圧Vqにフィードフォワードすることにより、系を短時間で目標とする状態に収束させることができる。
最後に、電力変換装置2の用途について説明する。
図4は、電力変換装置2を利用した負荷駆動システムを示す回路図である。負荷駆動システム500は、電力変換装置2および負荷502を有する。
電力変換装置2は、3相負荷502、たとえば電動機(モータ)を駆動する。コンバータ10の電源ライン12p、12nには、直流電圧VDCが印加される。電流検出回路20は、各相の駆動電流Iu、Iv、Iwを検出する。コンバータ10、A/Dコンバータ22、ゲート駆動回路24、コントローラ100については上述した通りである。負荷502が電動機である場合、その回転数に応じた角周波数ωは、レゾルバあるいはロータリエンコーダ、ホール素子からの検出信号にもとづいて算出してもよい。あるいはセンサレスモータの場合、公知技術を用いて、電流Iu、Iv、Iwにもとづいて角周波数ωが推定される。
コントローラ100は、力行運転時、および/または、回生運転時において、上述の信号処理を行い、コンバータ10を適切にスイッチングする。
図5は、電力変換装置2を利用した充放電検査システム600を示す回路図である。充放電検査システム600は、商用交流電源601、充放電検査装置602、2次電池604を備える。
充放電検査装置602は、商用交流電源601からの3相交流電圧を受け、2次電池604を充電する(充電動作)。また充放電検査装置602は、2次電池604を放電し、エネルギーを商用交流電源601に回収する(放電動作)。
充放電検査装置602は、電力変換装置2、入力リアクトル610、絶縁トランス612、平滑コンデンサ614、昇降圧コンバータ616を備える。入力リアクトル610は、絶縁トランス612の2次側に設けられてもよい。
電力変換装置2のコンバータ10の3相交流端子は、入力リアクトル610、絶縁トランス612を介して、3相商用交流電源601に接続される。コンバータ10の電源ライン12p、12nは、平滑コンデンサ614と接続される。昇降圧コンバータ616の1次側(P)は、平滑コンデンサ614と接続され、その2次側(S)は、2次電池604と接続される。
充電動作時に、電力変換装置2は、三相交流電圧を整流する。平滑コンデンサ614によって平滑化された直流電圧VDCは、昇降圧コンバータ616の1次側(P)に入力される。昇降圧コンバータ616は、1次側を入力、2次側を出力とする降圧コンバータとして動作し、直流電圧VDCを降圧して2次電池604を充電する。
放電動作時に昇降圧コンバータ616は、2次側を入力、1次側を出力とする昇圧コンバータとして動作する。具体的には、電池電圧VBATを昇圧して、平滑コンデンサ614を直流電圧VDCで充電する。コンバータ10は、インバータとして動作し、直流電圧VDCを交流電圧に変換し、絶縁トランス612、入力リアクトル610を介して商用交流電源601へと出力する。
このような用途においても、実施の形態に係るコントローラ100によれば、コンバータ10を好適に制御できる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
実施の形態では、位相遅れφがフィルタ30によって導入される場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。位相遅れφは、フィルタに加えて、あるいはそれに代えて、インダクタ、キャパシタ、抵抗、リアクトルなど、さまざまな回路要素によってもたらされる。本発明はそのような位相遅れも好適に補償することができる。
位相補償部34が重畳する位相補償量Vcは、式(1)、(2)で計算されるそれには限定されない。当業者によれば、別の計算方法によって、位相遅延φに応じたフィードフォワード量を計算することによっても、系の安定時間を短縮できることが理解される。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
2…電力変換装置、10…コンバータ、12…電源ライン、14…交流端子、16…上アームスイッチ、18…下アームスイッチ、30…フィルタ、32…dq/uvw座標変換器、34…位相補償部、36…uvw/dq座標変換器、38…パルス幅変調器、40…演算部、42…第1減算器、44…第2減算器、46…第1比例積分回路、48…第2比例積分回路、50…第1乗算器、52…第1加算器、54…第2乗算器、56…第2加算器、20…電流検出回路、22…A/Dコンバータ、24…ゲート駆動回路、100…コントローラ。

Claims (8)

  1. U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、コンバータを制御するための制御信号を生成するコントローラであって、
    前記U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwに対して位相遅れを与える位相遅れ要素と、
    前記位相遅れ要素を経た前記電流検出値Iu、Iv、Iwを、uvw座標系からdq座標系に変換し、d軸電流値Idとq軸電流値Iqを生成するuvw/dq座標変換器と、
    前記d軸電流値Idおよび前記q軸電流値Iq、前記d軸電流値Idの目標値Idrおよび前記q軸電流値Iqの目標値Iqrにもとづき、d軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを生成する演算部と、
    前記q軸電圧指令値Vqに位相補償量Vcを重畳し、補償q軸電圧指令値Vq*を生成する位相補償部と、
    前記d軸電圧指令値Vdおよび前記補償q軸電圧指令値Vq*を、dq座標系からuvw座標系に変換し、U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwを生成するuvw/dq座標変換器と、
    前記U相、V相、W相の電圧指令値Vu、Vv、Vwをパルス変調するパルス変調器と、
    を備えることを特徴とするコントローラ。
  2. 前記位相補償部は、前記位相遅れ要素に起因する位相遅れをφとするとき、式(1)、(2)にもとづいて前記位相補償量Vcを演算することを特徴とする請求項1に記載のコントローラ。
    θ=tan−1(Vd/Vq) …(1)
    Vc=Vd/tan(θ+φ)−Vq …(2)
  3. 前記位相遅れ要素は、前記U相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwをフィルタリングするフィルタであることを特徴とする請求項1または2に記載のコントローラ。
  4. 前記演算部は、
    前記d軸電流値Idとその目標値Idrの差分であるd軸偏差を生成する第1減算器と、
    前記q軸電流値Iqとその目標値Iqrの差分であるq軸偏差を生成する第2減算器と、
    前記d軸偏差を比例・積分演算する第1比例積分回路と、
    前記q軸偏差を比例・積分演算する第2比例積分回路と、
    前記q軸電流値IqにωLを乗算する第1乗算器と、
    前記第1比例積分回路の出力と前記第1乗算器の出力を加算することにより前記d軸電圧指令値Vdを生成する第1加算器と、
    前記d軸電流値Idに−ωLを乗算する第2乗算器と、
    前記第2比例積分回路の出力と前記第2乗算器の出力を加算することにより前記q軸電圧指令値Vqを生成する第2加算器と、
    を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコントローラ。
  5. 前記位相補償部は、前記第2加算器の出力に位相補償量Vcを重畳することを特徴とする請求項4に記載のコントローラ。
  6. 前記位相補償部は、前記第2比例積分回路の出力に前記位相補償量Vcを重畳することを特徴とする請求項4に記載のコントローラ。
  7. その3相交流端子が3相負荷に接続され、そのP極、N極電源ラインに直流電圧が印加されるコンバータと、
    前記コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、
    前記電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成する請求項1から6のいずれかに記載のコントローラと、
    前記コントローラからの前記制御信号にもとづき、前記コンバータを駆動するゲート駆動回路と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  8. その3相交流端子が3相交流電源に接続されたコンバータと、
    前記コンバータのU相、V相、W相の電流検出値Iu、Iv、Iwを生成する電流検出部と、
    前記電流検出値Iu、Iv、Iwにもとづき、U相、V相、W相のパルス変調された制御信号を生成する請求項1から6のいずれかに記載のコントローラと、
    前記コントローラからの前記制御信号にもとづき、前記コンバータを駆動するゲート駆動回路と、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
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