JP4107450B2 - 魚介類の病気治療または予防方法 - Google Patents

魚介類の病気治療または予防方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、養殖水産生物である魚介類(魚・エビ・カニ・貝類およびその卵を含む)に発生する病気を治療するとともに、これら病気がその他の魚介類に伝染することを防止し、病気の拡散を未然に予防することのできる魚介類の病気治療または予防方法およびその機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、水産資源は、その需要の増加や天然資源の減少等から、消費者への供給比率において養殖の占める割合が急速に拡大してきている。
【0003】
特にヒラメ、マダイ、ハマチ、ウナギおよびクルマエビ等は、その大部分が養殖となってきており、その他のコイ等においても、食用の他に観賞用、釣等のレジャーを目的とした養殖生産の比率が増加してきている。
【0004】
これら養殖産業は、需要の増加と立地条件等から過密養殖の傾向にあり、そのため、ウイルスや細菌等が原因となって起こる感染症などの病害による被害が深刻化してきている。
【0005】
これら養殖の魚介類において、各魚介類を一個体ずつ治療することは、一尾数十万円以上する高価な錦鯉などを除いては、コストの面から実際的ではない。
【0006】
また、数千個体を収容する飼育槽または養殖槽で病気の個体を発見した場合には、これら病気の個体を選別するには膨大な労力を要することから、事実上不可能である。
【0007】
このため、これら病害に対処するために、飼料中に薬剤を投与したり、薬剤を飼育槽または養殖槽の用水に直接投入、溶解して魚介類を薬浴させる等の方法が取られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら薬剤を用いる方法では、飼育槽または養殖槽のごく少数の病気個体のために、その他多くの健康な個体にまで薬剤を投与することとなり、これら薬剤が、体外に排出される所定期間に渡って魚介類の各個体中に残存するようになり、食品衛生法第7条の規定に基づく厚生省告示には「魚介類には抗生物質の他、化学的合成品である抗菌性物質を含有してはならない」とされていることから、これら薬剤が体外に排出されて各個体より検出されなくなるまで、魚介類を出荷することができず、これら薬剤が検出されなくなるまでに、魚介類の種類によっては約1ヵ月もかかる場合があることから、これら薬剤の投与による手法には大きな問題があった。
【0009】
このため、近年においては前記薬剤を使用せずに病原菌等を防除、殺滅する方法として、紫外線を用いて用水中の病原菌等を殺滅する紫外線殺菌等の方法が用いられるようになってきているが、これら紫外線殺菌では、用水中の汚れ等である懸濁微粒子等により、紫外線が遮光されると十分な殺菌が実施されなくなるばかりか、その殺菌力も従来の薬剤を用いる場合に比較して、特に病原ウイルスに対する防除の効果が十分ではないという問題があった。
【0010】
よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、魚介類の各個体内に薬剤等が残存することがなく、病原ウイルス等の病原微生物を効果的に防除、殺滅することによって治療効果が得られるとともに、多数の個体中に発生した少数の病気個体から、他の健康な個体への用水を介しての平行感染や、病気の親から卵への垂直感染を防ぐことのできる魚介類の病気治療または予防方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記した問題を解決するために、本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、ハロゲンイオンを含有する用水を、陽極板と陰極板との間に通水して次亜ハロゲン酸を生成させた電解生成水とし、魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、前記電解生成水中の前記次亜ハロゲン酸濃度を適宜調整して魚介類に接触させることを特徴としている。
この特徴によれば、電解生成水中に含まれる次亜ハロゲン酸を適宜な濃度として魚介類と接触させることにより、魚介類に次亜ハロゲン酸による悪影響を生じることなく、魚介類に付着および魚介類に接触している用水中に存在する病原ウイルス等の病原微生物を、次亜ハロゲン酸の強い酸化能力にて殺滅して防除でき、よって病気の個体の治療が可能となるとともに、これら病気の個体から他の健康な個体への感染が防止されるばかりか、これら次亜ハロゲン酸は、魚介類や病原ウイルス等の病原微生物との接触により瞬時に分解することから、個体中に残留することもない。
【0012】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、前記用水中のハロゲンイオンが、塩素イオンと臭素イオンとを混合して成ることが好ましい。
このようにすれば、塩素イオンと臭素イオンとの共存下にて電解を実施しすると、その電解生成水の病原微生物に対する殺滅力が、塩素イオンまたは臭素イオンを単体にて用いた場合よりも著しく高くなることから、所定の殺滅力を得たい場合においては、必要とされる次亜ハロゲン酸濃度を低くでき、よって魚介類へのダメージをより低く抑えることができる。
【0013】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、魚介類が接触する飼育槽や治療容器等内部の一部用水を取り出し、飼育槽や治療容器等に還流する循環経路中において、前記陽極板と陰極板とを有する電解装置を設け、循環する用水を電気分解することが好ましい。
このようにすれば、次亜ハロゲン酸は電解装置にて生成後、時間とともに分解してしまうが、電解装置にて生成された次亜ハロゲン酸が生成後すぐに用水中に含まれる病原ウイルス等の病原微生物に作用することができるようになるため、より効率良く病原ウイルス等の病原微生物の殺滅、防除を実施することができる。
【0014】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、鰓を含む頭部と、その他の部分とを区分け、各部の用水が容易に混合しないようにされた仕切り部が設けられた治療容器中に魚を収容し、前記その他の部分には所定濃度の次亜ハロゲン酸を含有する用水を供給し、前記頭部には、前記その他の部分に供給される用水よりも低濃度の次亜ハロゲン酸濃度とされた用水を供給することが好ましい。
このようにすれば、前記頭部に接触する用水中の次亜ハロゲン酸濃度よりも高い次亜ハロゲン酸濃度の用水を、前記その他の部分に供給して魚に接触させることができるようになるため、これら高い濃度の次亜ハロゲン酸によって、強力に病原ウイルス等の病原微生物を殺滅、防除することができ、短期間での治療を実施することが可能となる。
【0015】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、魚介類が接触する用水中の次亜ハロゲン酸濃度を次亜ハロゲン酸濃度測定手段にて測定し、用水の希釈または電解装置の運転制御により、測定される次亜ハロゲン酸濃度を予め設定された所定の次亜ハロゲン酸濃度に調整または維持することが好ましい。
このようにすれば、用水中に存在し、病原ウイルス等の病原微生物の殺滅において消費される次亜ハロゲン酸が、常時所定の一定濃度となり、病原ウイルス等の病原微生物に対し次亜ハロゲン酸が安定して作用するようになり、安定的に尚且つ良好な殺滅、防除を実施できる。
【0016】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、魚介類が接触する用水の温度を適宜変更することが好ましい。
このようにすれば、次亜ハロゲン酸の酸化能力は、用水の温度が高いと高く、低いと低くなることから、より高い酸化能力による殺滅を実施したい場合には温度を高くし、次亜ハロゲン酸による魚介類へのダメージを低減させたい場合には、温度を低くすること等により、魚介類への次亜ハロゲン酸の作用力を適宜調節することができる。
【0017】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、前記仕切り部により区分けられた各部において、鰓を含む頭部に接触する用水温度を治療される魚に適した温度とし、その他の部分に接触する用水温度を前記鰓を含む頭部に接触する用水温度よりも高くすることが好ましい。
このようにすれば、前記頭部の用水温度よりその他の部分の用水温度を高くすることにより、魚へのダメージを大きくすることなく、魚に接する用水中の次亜ハロゲン酸の作用力を高めることができ、病原ウイルス等の病原微生物を少ない次亜ハロゲン酸濃度でも良好に殺滅、防除できるようになる。
【0018】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、魚介類に接触する用水のpH値を所定のpH値に維持することが好ましい。
このようにすれば、電気分解により生成する次亜塩素酸や次亜臭素酸等の次亜ハロゲン酸は、用水のpH値によって次亜ハロゲン酸イオンとの存在比率が逐次変化し、病原微生物を殺滅する次亜ハロゲン酸の濃度が変化することから、これら用水のpH値を一定に保つことにより、大きく次亜ハロゲン酸と次亜ハロゲン酸イオンと存在比率が変化することがなく、次亜ハロゲン酸が安定して存在するようになるために、安定した病原微生物の殺滅を実施できるとともに、pHの変化に伴う魚介類へのダメージを低減することもできる。
【0019】
本発明の魚介類の病気治療または予防方法は、魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、所定濃度の次亜ハロゲン酸を含む用水と魚介類との接触時間を、適宜調整可能とすることが好ましい。
このようにすれば、適宜な所定時間においてのみ魚介類が所定濃度の次亜ハロゲン酸と接触するようになり、過度の時間に渡って魚介類が次亜ハロゲン酸と接触することが防止されるため、魚介類のダメージを可能な限り最小限にとどめることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0021】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における魚の飼育装置を示すシステム・フロ−図であり、図2は、本実施例1の飼育装置に用いた電解装置を示す分解斜視図であり、図3は、本実施例1の飼育装置に用いた次亜ハロゲン酸センサを示す側断面図であり、図4は、本実施例1の飼育装置に用いた次亜ハロゲン酸センサの基準電極部を示す分解側断面図であり、図5は、本実施例1の飼育装置に用いた制御装置の構成および各部との接続状況を示すブロック図である。
【0022】
本実施例1では、本発明の魚介類の病気治療または予防方法を魚の飼育装置に応用したものである。
【0023】
本実施例1の飼育装置の構成は、図1に示されるような構成となっており、魚を飼育する用水を貯留する飼育槽1と、この飼育槽1内部の用水を循環する循環ポンプP1および循環する用水を濾過するフィルタ9とを有する循環経路3と、この循環経路3より分岐し、その分岐部に定流量オリフィス6を有して一定流量の用水が流入するようになっているとともに、その経路中に電解装置7と用水を加熱する加熱ヒ−タ8とを有して、用水を適宜電気分解および加熱して前記循環ポンプP1の上流部に設けられた混合コネクション5に用水を還流する電解流路4と、所定濃度とされた無機酸である塩酸を内在する酸タンク11と、所定濃度とされた水酸化ナトリウム水溶液を内在するアルカリタンク12と、バルブV1、V2が開かれることでこれら酸タンク11およびアルカリタンク12より排出される塩酸または水酸化ナトリウム水溶液を、前記循環経路3を循環する用水に添加する供給ポンプP2と、飼育装置を構成する各部と接続され、電解装置への電力供給制御による次亜塩素酸の濃度制御や温度制御、pH制御等を実施する制御装置10と、から主に構成されている。
【0024】
前記飼育槽1は、側部上方にバッファ−タンク2を有しており、前記循環経路3を循環する用水がこのバッファ−タンク2に排出され、これら循環経路3より排出された用水が、エア・ブロア13から送り込まれる空気により曝気されて溶存酸素濃度が高められて、バッファ−タンク2からオ−バ−フロ−して、魚のいる飼育槽1に流入するようになっている。
【0025】
また、本実施例1では、前記電解流路4への分岐部上流部に、副流路17を設け、その経路中に用水の次亜ハロゲン酸濃度を測定する次亜ハロゲン酸センサS1を設けるととともに、前記バッファ−タンク2からオ−バ−フロ−して飼育槽1に流入する用水の経路にも副流路17を設けて次亜ハロゲン酸センサS2を設けて、これら2つの次亜ハロゲン酸センサS1、S2により用水の次亜ハロゲン酸濃度を検出するようになっている。
【0026】
また、本実施例1では、前記循環経路3中の所定位置に、循環する用水の水素イオンおよび温度を検出して前記制御装置10に所定の電圧値にて出力可能とされたpHセンサ16を配置している。
【0027】
尚、図1中の14は、飼育槽1の一部低くなった部分に配置した汚泥引抜用水中ポンプであり、15は汚泥引抜用水中ポンプにより飼育槽1より取り出された汚泥を脱水する汚泥脱水装置である。
【0028】
本実施例1の飼育装置に用いた前記電解装置7は、図2に示すような構成になっており、有底円筒状の筐体20内部中央部に、面積が1.5dm2(両面にて3dm2)のニッケル単元フェライト製である円盤状の陽極板21と、この陽極板21を挟むように両側に所定間隔(本実施例1では5ミリとした)に配置した円盤状のチタン製とされた陰極板22とが、前記筐体20に嵌合するように設けている。
【0029】
これら陽極板21と陰極板22との間には、対面する陽極板21と陰極板22の各面に当接して、各電極面を回転することで電解にて生成した付着物を除去する回転可能とされたスクレッパ23を有しており、これらスクレッパ23は、筐体20の外部に設けた駆動モータ27と駆動ギア26によって回転される回転シャフト24に連係して回転するようになっている。
【0030】
また、前記筐体20の内部は、蓋材25により密閉されており、前記定流量オリフィスによりほぼ一定流量とされた電解流路4の用水が、筐体20の斜め下部の流入口より筐体20内部に流入し、前記各電極間を通過する際に電気分解されて上部の吐出口より流出する。尚図中28は、スクレッパ23により掻き取られた不溶性の付着物の排出口である。
【0031】
また、本実施例1では、飼育槽1中の用水量に合わせて、前記図2に示した電解装置を1セルとし、これらセルを4つ並設して電解装置7を構成している。
【0032】
これら電解装置7の前記陽極板21および陰極板22には、前記制御装置10に内在された定電流電源部34に接続されており、電極間に所定の一定電流が流れるように適宜調整されて電解が実施される。
【0033】
これら電気分解は、用水が適宜な電解質を含有して電気伝導性を有しないと電気分解が実施できないが、本実施例1では、飼育槽1中の用水は、通常において飼育される魚が淡水魚である場合には上水を適宜補給することから、これら上水中に含まれる塩素イオン等による電気伝導度により、前記電解装置7での電気分解が実施されて次亜塩素酸が生成するようになっている。
【0034】
しかし、これら上水中に含まれる塩素イオンの濃度は、地域や季節等により大きく変動する場合があることから、本実施例1では実施していないが、適宜に塩素イオンまたは臭素イオン等のハロゲンイオンを、適宜な濃度の食塩水や臭化ナトリウム水溶液等を用水に添加するようにしても良く、これら塩素イオンまたは臭素イオン等のハロゲンイオンの用水中の濃度としては、これらハロゲンイオンの濃度が高すぎると、飼育する魚に悪影響がでる場合があることから、少なくとも5ppm以上の濃度において適宜に選択されれば良い。尚、飼育魚が海水魚である場合には、海水を用いることから、海水中の塩分で十分である。
【0035】
本実施例1では、前記のように用水中の次亜塩素酸濃度を検出するために、次亜ハロゲン酸センサS1、S2を設けているが、これら次亜ハロゲン酸センサS1、S2としては、飼育される魚等の魚介類に大きなダメ−ジが生じないような適宜な次亜ハロゲン酸濃度として、比較的低い濃度が用いられることから、これら低い濃度の次亜ハロゲン酸を検出可能とするために、図3および図4に示すような構成の次亜ハロゲン酸センサを用いている。
【0036】
この次亜ハロゲン酸センサS1、S2は、T字口19の1端部に基準電極部30が配置され、前記基準電極部30向けて用水が流入し、その進路がT字口19により変更されて測定電極部31が配置された他方の端部へと流出するようになっている。
【0037】
また、前記基準電極部30の構成は、図4に示されるようになっており、中心部に所定の開口47を有し、その内部にイオン交換膜38が配置可能とされた蓋部37と、イオン交換膜38を固定するOリング39と、前記蓋部37と外周に設けられたネジ部により係合し、その先端部にて前記Oリング39とイオン交換膜38とを前記蓋部37との間に挟んで固定するとともに、その内部に基準電極室48を有する基準電極容器40と、その内部に白金電極44を担持する略円筒状とされた電極担体43と、この電極担体43と接着され、パッキン41を介して前記基準電極容器40に取付けられ、前記基準電極室48を塞ぐ電極取付け蓋42と、から構成されている。
【0038】
前記電極担体43に担持された白金電極44は、前記基準電極室48中に露出し、基準電極室48にて囲われた状態で配置され、この基準電極室48は、開口49を前記イオン交換膜38により塞がれて、前記蓋部37に設けられた開口47にて繋がる用水と隔てられるようになっている。そのため、用水中に含まれる次亜ハロゲン(塩素)酸は、前記基準電極室48を塞ぐイオン交換膜38により分解されるようになり、基準電極室48内部は、次亜ハロゲン(塩素)酸が存在しない状態に保たれるようになっている。
【0039】
また、本実施例1の次亜ハロゲン酸センサS1、S2では、その内部に測定ケーブル18と圧着端子45により接続された白金電極44を担持する前記略円筒状とされた電極担体43を、単体として測定電極部31として図3に示されるように配置して使用している。
【0040】
また、本実施例2では、前記基準電極室48内部に2wt%の濃度とされた塩化カリウム水溶液が充填されており、このように塩化カリウム水溶液を用いることで、次亜ハロゲン酸センサの感度を高めることができることから好ましい。
【0041】
これら次亜ハロゲン酸センサにおいて、次亜ハロゲン(塩素)酸の濃度が検出される原理について説明すると、前記測定電極部31が浸漬されて測定される用水中に、次亜ハロゲン(塩素)酸が存在すると、前記基準電極部30の白金電極44が露出する基準電極室48内部が、前記イオン交換膜38により次亜ハロゲン(塩素)酸が存在しないように保たれていることから、これら測定電極部31と基準電極部30との間には、次亜ハロゲン(塩素)酸の濃度差にほぼ比例する電位差が生じるようになるため、この電位差を測定することにより、比較的低濃度であっても用水中に含まれる次亜ハロゲン酸の濃度を検出することができる。
【0042】
これら測定電極部31と基準電極部30との間に生じる電位差は、図5に示すように、測定ケ−ブル18を介して制御装置10内部の増幅アンプ33により所定倍率に増幅されて電位差測定部32にて測定され、この電位差に基づく次亜ハロゲン(塩素)酸濃度に基づき、用水中の次亜ハロゲン(塩素)酸濃度の調整が、制御装置10内部のマイクロプロセッシングユニット(MPU)50によって、電解装置7の運転が制御されることにより実施される。
【0043】
また、本実施例1では前記のように、増幅アンプ33を用いているが、これら増幅アンプ33からの漏れ電流が、特に低濃度の測定において電位差測定に影響を及ぼす場合があることから、これら増幅アンプ33には、前記漏れ電流が少ない電解効果型トランジスタ(FET)を使用したり、更にはこれら漏れ電流を相殺、緩衝するような漏れ電流防止回路を用いることが好ましい。
【0044】
本実施例1の前記制御装置10は、図5に示すように、前記pHセンサ16よりの所定の電圧出力をデジタルデ−タに変換して前記MPU50に出力するA/D変換部54と、時間情報を出力可能とされたタイマ52と、電解装置7の運転ON/OFF時間等を設定、入力するための入力部51と、飼育装置を構成する各部と前記MPU50との橋渡しを行うI/F部35と、を内蔵しており、ROM53内部に予め記憶された制御プログラムに基づき、前記MPU50がI/F(インターフェイス)部35を介して接続された各部を制御するようになっている。
【0045】
本実施例1では、これらMPU50が行う制御として、前記pHセンサ16からの温度、pH値に基づき、温度が25℃以下に低下した際には前記加熱ヒ−タ8を稼働して温度の低下に伴う次亜塩素酸の殺滅力の低下を防止するようになっているとともに、これらpH値が6〜8の範囲を越えた場合には、前記酸タンク11およびアルカリタンク12より、電磁バルブV1およびV2を適宜開いて用水に塩酸または水酸化ナトリウム水溶液を供給して、用水のpH値を6〜8に維持するようになっている。
【0046】
また、本実施例1においては、前記MPU50が、前記2つの次亜ハロゲン酸センサS1、S2よりの次亜ハロゲン(塩素)酸濃度に基づき、前記したように用水中の次亜ハロゲン(塩素)酸濃度を自動制御モ−ドにおいて自動的に一定化するようになっている。
【0047】
この自動制御の動作は、用水が汚れていてCOD値が高い場合には、そのCOD値が5以下になるまで、次亜ハロゲン(塩素)酸濃度は上昇せず、よって前記次亜ハロゲン酸センサS1、S2に電位差は生じず、この間、電解はフル(4セル全てが運転)に実施される。
【0048】
用水のCOD値が5以下に低下すると、センサS2ではほぼ次亜ハロゲン酸は検出されないが、センサS1における次亜ハロゲン酸濃度は約0.4mg/lに達し、これにより電解は2セルの運転を停止する。
【0049】
更にCOD値が4以下に低下すると、センサS2における次亜ハロゲン酸濃度が約0.3mg/lに達し、これにより電解は4セルの運転を停止する。
【0050】
このように制御することにより、飼育槽1中の用水の次亜ハロゲン酸濃度は、約0.05mg/lに保たれるようになっている。
【0051】
前記した本実施例1の飼育装置にて、1997年5月より1998年6月までの約1年間、海水魚であるマダイと、淡水魚であるエンゼルフィッシュ、グラミ−の飼育を実施した。
【0052】
前記の飼育期間において、飼育槽1中の用水の次亜塩素酸濃度は、淡水魚であるエンゼルフィッシュ、グラミ−において平均0.04mg/l、最小0.02mg/l、最大0.18mg/lであり、海水魚であるマダイでは、平均0.08mg/l、最小0.04mg/l、最大0.24mg/lであった。
【0053】
これら最大の次亜塩素酸濃度においても、飼育魚はへい死することなく、正常に成育し、エンゼルフィッシュ、グラミ−においては産卵して、その卵が孵化して稚魚が誕生し、その稚魚も正常に成育している。
【0054】
これら飼育の間、用水中の一般生菌は100未満であり、大腸菌群はほぼ0であって、魚病の発生も皆無であったのに対し、電解装置7を用いず、沈殿槽で残餌と排泄物などを除去した上で、用水を循環し、生物処理を兼ねた砂濾過と曝気を行って飼育したものは、マダイおよびエンゼルフィッシュ、グラミ−のいずれにおいても魚病が発生し、へい死するものが多かった。
【0055】
(実施例2)
前記実施例1と同様の飼育装置を用い、飼育槽1を150リットル、用水の電気伝導度を700〜750μs/cm、循環ポンプ流量を22リットル/分、電解流路流量100ミリリットル/分、電極間電流を1A(電気伝導度700μs/cmにて10V)、バッファ−タンク2は10リットルの条件にて、淡水魚であるエンゼルフィッシュ10尾、グラミ−10尾の飼育試験を実施した。
【0056】
この試験間における用水の各水質デ−タを図6に示す。
【0057】
1997年4月21日より試験を開始し、1ヵ月間は電解を実施せず、途中にて一度だけ1/3量の水の交換を実施した。
【0058】
この間に魚病が発生し、1ヵ月経過時点でエンゼルフィッシュ2尾、グラミ−3尾がへい死した。
【0059】
この1ヵ月経過時点での用水のCOD値は8mg/l、大腸菌群は102以上、一般生菌は5×103になっており、この時点で電解を開始した。
【0060】
電解は、前記制御装置10の入力部51より2分運転、18分停止の20分サイクルを繰り返すように設定し、15日間試験を実施し、この間の次亜塩素酸濃度は0.03〜0.1mg/lであった。
【0061】
これら電解開始後における用水のCOD値は5mg/l、大腸菌群は3〜6、一般生菌は5〜7×102と大幅に低減し、この間においてはへい死した魚はいなかった。
【0062】
次いで、6月6日より電解の設定を5分運転、15分停止の20分サイクルに変更して、電解を強化し、飼育槽1内部の用水の次亜塩素酸濃度を0.1mg/lになるまで上昇させた。
【0063】
この際の用水のCOD値は2mg/l、大腸菌群は0〜2、一般生菌は2〜8×102であり、魚の動態状況も良くなり、成育状況に全く問題ない状況になった。
【0064】
次いで6月21日より電解の設定を3分運転、17分停止の20分サイクルに変更し、この条件にて1998年5月まで飼育を実施したが、エンゼルフィッシュ、グラミ−ともに魚病によるへい死は発生しなかった。
【0065】
その後、電解設定を前記次亜ハロゲンセンサに基づく自動制御モ−ドに設定し、飼育槽1内部の用水の次亜塩素酸濃度が約0.05mg/lになるようにして飼育を継続した。
【0066】
これら自動制御モ−ドとすることで、用水中の次亜塩素酸濃度のばらつきが安定することにより、用水のCOD値は2mg/l以下、大腸菌群ははぼ0、一般生菌は5×102と安定した用水の状況が得られ、魚の動態状況および成育状況にも全く問題がなく、勿論へい死の発生もなかった。
【0067】
(実施例3)
図7は、本実施例3の魚の治療装置の構成を示すシステム・フロ−図である。
【0068】
本実施例3では、本発明の魚介類の病気治療または予防方法を魚の治療装置に応用したものである。
【0069】
本実施例3の魚の治療装置は、主に錦鯉などの高価な魚において、各個体毎に魚病の治療を行うものである。
【0070】
本実施例3の治療装置は、図7に示すような構成になっており、魚病にかかった魚が配置される治療槽55には、魚の形状に合わせて変形可能な弾性部材であるスポンジから成る仕切部58が設けられており、この仕切部58により、魚の鰓を含む頭部が配置される前頭配置槽56と、後尾配置槽57に区分けされている。
【0071】
前記前頭配置槽56と後尾配置槽57には、前頭配置槽56の液面が高くなって、前頭配置槽56内部に後尾配置槽57内部の用水が混入しないように、各槽の液面を一定に保つオーバーフロー路59、60をそれぞれ配置しており、これらオーバーフローした用水は排水されるようになっている。
【0072】
本実施例3では、前記のように液面の高さを異なるようにして、容易に前頭配置槽56内部に後尾配置槽57内部の用水が混入しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の方法を用いてこれら各槽の用水が容易に混合しないようにしても良い。
【0073】
前記前頭配置槽56には、次亜ハロゲン(塩素)酸を有しない上水が、供給経路中に設けた曝気槽61にてエア・ブロア13より送り込まれる空気が曝気されて、溶存酸素が高められて曝気水供給路62より供給される。
【0074】
また、前記後尾配置槽57には、電解装置7により上水が電気分解されて所定濃度の次亜ハロゲン(塩素)酸が生成された用水が、加熱ヒータ8により所定の温度に昇温されて電解水供給路63より供給されるようになっており、この電解水供給路63の経路には、副流部64を設け、この副流部64の経路中に、前記実施例1にて用いた次亜ハロゲン酸センサS1、S2と同じ次亜ハロゲン酸センサS3と、温度測定用にpHセンサ16を配置している。
【0075】
本実施例3では、この次亜ハロゲン酸センサS3にて検出される次亜ハロゲン(塩素)酸濃度が、予め設定された所定の濃度となるように、前記実施例1の制御装置10とほぼ同様の構成とされた制御装置10’が制御するようになっており、制御装置10’に予め治療時間を設定しておくことで、制御装置10’の内部のタイマ52により、その設定時間まで電解装置7が運転されて次亜ハロゲン(塩素)酸を含む電解水が供給され、設定時間が過ぎると電解装置7の運転が自動的に停止されて、次亜塩素酸を含有しない上水が供給されるようになっている。
【0076】
この治療装置を用いて、穴あき病に感染した錦鯉の治療を実施した結果を以下に示す。
【表1】
Figure 0004107450
穴あき病に感染した錦鯉は、いずれも3〜5mm程度の穴状の潰瘍ができており、これら各錦鯉を、それぞれ次亜ハロゲン(塩素)濃度が0(コントロール)、0.05mg/l、0.10mg/l、0.15mg/l、0.25mg/lの各電解水を、前記後尾配置槽57に供給し、治療時間を6時間に設定して治療を実施した。
【0077】
これら治療において、前記前頭配置槽56に供給する上水の温度は18℃であって、後尾配置槽57に供給される電解生成水の温度は、電解により上昇して、加熱ヒータ8による昇温を行わない場合でも約20〜25℃であった。
【0078】
また、前記次亜ハロゲン(塩素)濃度が0.10mg/lの条件においては、前記加熱ヒータ8を運転して、後尾配置槽57に供給される電解水の温度を35℃に昇温して供給した。
【0079】
前記した治療の結果より、次亜塩素酸を含む電解水を供給しないコントロールでは、錦鯉がへい死したのに対し、次亜塩素酸濃度0.10mg/l以上の電解水を供給することで、穴あき病の治癒傾向が確認でき、へい死することもなかったことから、錦鯉の穴あき病には、次亜塩素酸濃度0.10mg/l以上において治療効果が認められ、その濃度が高くなるに伴って、治療効果も高くなることが判明した。
【0080】
また、同一の次亜塩素酸濃度0.10mg/lであっても、後尾配置槽57に供給される電解水の温度を35℃に高めることにより、その治癒速度が高まることも確認できた。
【0081】
このように、電解生成水の温度を35℃に高めても、本実施例3のように、鰓を含む頭部に、前記18℃の上水を供給することで、魚がへい死することなく、治療速度を向上できることから好ましく、これら上水の温度や電解水の温度は、治療する魚種や体長等により適宜選択すれば良いが、電解水の温度は、上限として40℃以下にとどめることが好ましい。
【0082】
また、本実施例3では、上水を直接電気分解して次亜塩素酸を生成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら上水に適宜食塩水や臭化ナトリウム水溶液等を単体または混合して添加し、次亜塩素酸や、次亜塩素酸の他に次亜臭素酸を生成するようにしても良く、これら塩素イオンと臭素イオンとを共存させて、電解水とすることは、電解水の酸化作用力を、次亜塩素酸およぼ次亜臭素酸単体の場合に比較して、より高いものとすることができることから好ましい。
【0083】
また、前記実施例3では、前記オーバーフロー路60より流出する電解生成水を循環せずに排水しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら排水される用水を再度循環させて電解装置7に供給するようにしても良い。
【0084】
(実施例4)
本実施例4では、魚介類の病気の中で、一般の魚病菌よりも強い耐性を有する病原ウイルスの魚病に関する試験を実施した。
【0085】
次亜ハロゲン酸が哺乳類等に作用する病原ウイルスに対して、どの程度の濃度にて殺滅効果を及ぼすかに関しては、種々の報告がなされており、本発明者らも特開平6ー292892等において、次亜ハロゲン酸を用いて哺乳類等に作用する病原ウイルスを殺滅する方法を提案している。
【0086】
しかしながら、本発明のように魚介類の病原ウイルスの殺滅効果に関しては、これら魚介類の病原ウイルスが、用水中の蛋白質や血清等に付随して存在するために、これら魚介類の病原ウイルスに次亜ハロゲン酸を作用させようとした場合には、前記蛋白質や血清等の有機物と次亜ハロゲン酸とが先に反応してしまうことから、殺ウイルス効果の確認が困難であり、よってこれら次亜ハロゲン酸による魚類病原ウイルスの殺ウイルス効果の報告はなされていない。
【0087】
このため、本実施例4においては、ポリエチレン濃縮法を用いて、病原ウイルスの培養培地である有機物を除去し、燐酸緩衝液に懸濁させた病原ウイルスのみを含むウイルス液を作製し、このウイルス液に所定濃度の次亜塩素酸を含む電解水を作用させることにより、蛋白質や血清等の有機物の影響のない状態での評価を実施した。
【0088】
本実施例4にて用いた魚類病原ウイルスの種類は、サケ科魚類の稚仔魚に大量のへい死を起こすIHNV、ニホンウナギのラブドウイルス性皮膚炎の病原ウイルスであるラブドウイルス(AM92株)、ニホンウナギの鰓壊死症や皮膚炎の病原ウイルスで、血清学的にはHVAに同定されるヘルペスウイルス、ニホンウナギの鰓薄板に血腫形成させるビルナ様ウイルス、の4種類を用いた。
【0089】
これら各病原ウイルス液を、各所定の次亜塩素酸濃度とされた用水に添加して3分間接触させた後、各魚類病原ウイルスのウイルス力価を測定した結果を図8に示す。
【0090】
これらの結果より、各魚類病原ウイルスのウイルス力価が次亜塩素酸濃度の上昇とともに低下し、殺滅されていることが判るとともに、これら魚類病原ウイルスが次亜塩素酸濃度0.25mg/lの低濃度においても、殺滅されることが判った。
【0091】
これら次亜塩素酸濃度0.25〜1.0mg/lの範囲は、以下の表2に示される主な魚介類の障害発生残留塩素濃度と比較すると、これら魚介類に障害を及ぼさない濃度領域にても、前記魚類病原ウイルスを殺滅できることが判り、これらの濃度中にて魚介類を飼育することにより、魚類病原ウイルスが殺滅されて魚病を治癒できるとともに、その発生も予防できることが判る。
【表2】
Figure 0004107450
【0092】
また、前記のように、これら魚類病原ウイルスは、その他一般的な魚病細菌よりも耐性が高いことから、これら魚類病原ウイルスが殺滅されることは、一般的な魚病細菌も殺滅可能であることは、言うまでもない。
【0093】
また、これら次亜ハロゲン(塩素)酸の温度と殺滅状況との関係について、ハロゲンとして塩素イオンと臭素イオンとの比率を変化させて、一般生菌について試験した結果を図9に示す。
【0094】
試験方法としては、約1mg/lの各比率とされた次亜ハロゲン酸を含有する電解生成水(予め約20℃、40℃、60℃に昇温)に、前記所定濃度の一般生菌を内在する菌液を所定量添加、混合し、混合後20℃、40℃、60℃に温度を維持し、処理時間を1分として、1分後に混合液を取り出し、同一条件にて培養を実施して、コロニー数を計測した。
【0095】
図9の結果から、電解生成水の温度を高め、次亜ハロゲン酸と一般生菌との接触温度を高めることにより、臭素イオンや塩素イオンの比率に関係なく、その殺菌力が高まっていることが判り、その殺菌力の向上度合いが、20〜40℃において著しいことから、これら温度を高めることにより、より少ない次亜ハロゲン酸の濃度にて、十分な殺菌効果が得られるようになる。
【0096】
また、図9の結果より、前記したように、用いるハロゲンイオンにおいて臭素イオンと塩素イオンとを混合することにより、その殺菌力が臭素イオンや塩素イオン単体の場合よりも高くなることも判る。
【0097】
また、これら次亜ハロゲン酸は、図10に示すように、用水の水素イオン濃度(pH)によっては、次亜ハロゲン酸イオンに変化して用水中に存在するようになり、pHが高くなるに従って次亜ハロゲン酸イオンにて存在する比率が増加する。
【0098】
これら次亜ハロゲン酸イオンは、活性酸素を放出しないために、殺菌力に乏しく、殺菌力に寄与するのは次亜ハロゲン酸として存在する分子であるため、魚介類が飼育されるpH6〜8においてこれらpHが大きく変動、特にアルカリに振れた場合には、良好な殺菌力が得られなくなってしまう場合があることから好ましくない。
【0099】
そこで、前記一般生菌に関して、各pHにおける殺菌力の変化を、各塩素イオンと臭素イオンとの比率において試験した結果を図11に示す。
【0100】
試験方法としては、次亜ハロゲン酸濃度を塩素換算にて約1mg/l、液温20℃とし、臭素イオンと塩素イオンとを各比率とされた電解生成水を作製し、
その電解生成水の水素イオン濃度(pH)を、無機酸である塩酸または水酸化ナトリウムにて各水素イオン濃度(pH)に調整し、所定濃度の一般生菌を内在する菌液を所定量添加、混合、処理時間を10秒として、10秒後に混合液を取り出し、同一条件にて培養を実施して、コロニー数を計測した。
【0101】
図11の結果より、次亜塩素酸よりも次亜臭素酸の方が、pH6〜8の領域における殺菌力の変化が小さく、安定した殺菌力が得られる。更に、臭素イオンと塩素イオンとを混合すると、殺菌力がより高く、pH6〜8の領域においてほぼ一定した殺菌力が得られることから、pHの変化による殺菌力の変化が少なく、安定した殺菌力が得られることから好ましい。
【0102】
以上、本発明を図面に基づいて説明してきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での変更や追加があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】
本発明は次の効果を奏する。
【0104】
(a)請求項1、4の発明によれば、電解生成水中に含まれる次亜ハロゲン酸を適宜な濃度として魚介類と接触させることにより、魚介類に次亜ハロゲン酸による悪影響を生じることなく、魚介類に付着および魚介類に接触している用水中に存在する病原ウイルス等の病原微生物を、次亜ハロゲン酸の強い酸化能力にて殺滅して防除でき、よって病気の個体の治療が可能となるとともに、これら病気の個体から他の健康な個体への感染が防止されるばかりか、これら次亜ハロゲン酸は、魚介類や病原ウイルス等の病原微生物との接触により瞬時に分解することから、個体中に残留することもない。
【0105】
(b)また、塩素イオンと臭素イオンとの共存下にて電解を実施するので、その電解生成水の病原微生物に対する殺滅力が、塩素イオンまたは臭素イオンを単体にて用いた場合よりも著しく高くなることから、所定の殺滅力を得たい場合においては、必要とされる次亜ハロゲン酸濃度を低くでき、よって魚介類へのダメージをより低く抑えることができる。
【0106】
(c)魚介類が接触する飼育槽や治療容器等内部の一部用水を取り出し、飼育槽や治療容器等に還流する循環経路中において、前記陽極板と陰極板とを有する電解装置を設け、循環する用水を電気分解すると、次亜ハロゲン酸は電解装置にて生成後、時間とともに分解してしまうが、電解装置にて生成された次亜ハロゲン酸が生成後すぐに用水中に含まれる病原ウイルス等の病原微生物に作用することができるようになるため、より効率良く病原ウイルス等の病原微生物の殺滅、防除を実施することができる。
【0107】
(d)請求項2、5の発明によれば、前記頭部に接触する用水中の次亜ハロゲン酸濃度よりも高い次亜ハロゲン酸濃度の用水を、前記その他の部分に供給して魚に接触させることができるようになるため、これら高い濃度の次亜ハロゲン酸によって、強力に病原ウイルス等の病原微生物を殺滅、防除することができ、短期間での治療を実施することが可能となる。
【0108】
(e)魚介類が接触する用水中の次亜ハロゲン酸濃度を次亜ハロゲン酸濃度測定手段にて測定し、用水の希釈または電解装置の運転制御により、測定される次亜ハロゲン酸濃度を予め設定された所定の次亜ハロゲン酸濃度に調整または維持すると、用水中に存在し、病原ウイルス等の病原微生物の殺滅において消費される次亜ハロゲン酸が、常時所定の一定濃度となり、病原ウイルス等の病原微生物に対し次亜ハロゲン酸が安定して作用するようになり、安定的に尚且つ良好な殺滅、防除を実施できる。
【0109】
(f)魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、魚介類が接触する用水の温度を適宜変更すると、次亜ハロゲン酸の酸化能力は、用水の温度が高いと高く、低いと低くなることから、より高い酸化能力による殺滅を実施したい場合には温度を高くし、次亜ハロゲン酸による魚介類へのダメージを低減させたい場合には、温度を低くすること等により、魚介類への次亜ハロゲン酸の作用力を適宜調節することができる。
【0110】
(g)請求項3、6の発明によれば、前記頭部の用水温度よりその他の部分の用水温度を高くすることにより、魚へのダメージを大きくすることなく、魚に接する用水中の次亜ハロゲン酸の作用力を高めることができ、病原ウイルス等の病原微生物を少ない次亜ハロゲン酸濃度でも良好に殺滅、防除できるようになる。
【0111】
(h)魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、魚介類に接触する用水のpH値を所定のpH値に維持すると、電気分解により生成する次亜塩素酸や次亜臭素酸等の次亜ハロゲン酸は、用水のpH値によって次亜ハロゲン酸イオンとの存在比率が逐次変化し、病原微生物を殺滅する次亜ハロゲン酸の濃度が変化することから、これら用水のpH値を一定に保つことにより、大きく次亜ハロゲン酸と次亜ハロゲン酸イオンと存在比率が変化することがなく、次亜ハロゲン酸が安定して存在するようになるために、安定した病原微生物の殺滅を実施できるとともに、pHの変化に伴う魚介類へのダメージを低減することもできる。
【0112】
(i)魚介類の種別、大きさ、病気の種別や状況に応じ、所定濃度の次亜ハロゲン酸を含む用水と魚介類との接触時間を、適宜調整可能とすると、適宜な所定時間においてのみ魚介類が所定濃度の次亜ハロゲン酸と接触するようになり、過度の時間に渡って魚介類が次亜ハロゲン酸と接触することが防止されるため、魚介類のダメージを可能な限り最小限にとどめることができる。
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における魚の飼育装置を示すシステム・フロ−図である。
【図2】本発明の実施例1における魚の飼育装置に用いた電解装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施例1における魚の飼育装置に用いた次亜ハロゲン酸センサを示す側断面図である。
【図4】本発明の実施例1における魚の飼育装置に用いた次亜ハロゲン酸センサ基準電極部を示す分解側断面図である。
【図5】本発明の実施例1における魚の飼育装置に用いた制御装置の構成および各部との接続状況を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例2における飼育試験期間での用水の水質状況を示す図である。
【図7】本発明の実施例3における魚の治療装置を示すシステム・フロ−図である。
【図8】本発明の実施例4において、各魚類病原ウイルスと各次亜塩素酸濃度での殺滅状況(ウイルス力価)を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例4において、各塩素イオンと臭素イオン比率の電解生成水の温度と一般生菌の殺滅状況との関係を示すグラフである。
【図10】次亜塩素酸および次亜臭素酸の各pHにおける存在比率の変化を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例4において、各塩素イオンと臭素イオン比率の電解生成水のpHと一般生菌の殺滅状況との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
l 飼育槽
2 バッファタンク
3 循環経路
4 電解流路
5 混合コネクション
6 定流量オリフィス
7 電解装置
8 加熱ヒ−タ
9 フィルタ
10 制御装置
10’ 制御装置
11 酸タンク
12 アルカリタンク
13 エア・ブロア
14 汚泥引抜用水中ポンプ
15 汚泥脱水装置
16 pHセンサ
17 副流路
18 測定ケ−ブル
19 T字口
20 筐体
21 陽極板
22 陰極板
23 スクレッパ
24 回転シャフト
25 蓋材
26 駆動ギア
27 駆動モータ
28 排出口
30 基準電極部
31 測定電極部
32 電位差測定部
33 増幅アンプ
34 定電流電源部
35 I/F部
37 蓋部
38 イオン交換膜
39 Oリング
40 基準電極容器
41 パッキン
42 電極取付け蓋
43 電極担体
44 白金電極
45 圧着端子
47 開口
48 基準電極室
49 開口
50 マイクロプロセッシングユニット(MPU)
51 入力部
52 タイマ
53 ROM
54 A/D変換部
55 治療槽
56 前頭配置槽
57 後尾配置槽
58 仕切部
59 オ−バ−フロ−路
60 オ−バ−フロ−路
61 曝気槽
62 曝気水供給路
63 電解水供給路
64 副流部

Claims (6)

  1. ハロゲンイオンを含有する用水を、陽極板と陰極板との間に通水して次亜ハロゲン酸を生成させた電解生成水とし、前記電解生成水中の前記次亜ハロゲン酸濃度を調整して魚介類に接触させ、前記用水中のハロゲンイオンが、塩素イオンと臭素イオンとを混合して成り、臭素イオン:塩素イオンが30:70から57:43の範囲としたことを特徴とする魚介類の病気治療方法。
  2. 鰓を含む頭部と、その他の部分とを区分け、各部の用水が容易に混合しないようにされた仕切り部が設けられた治療容器中に魚を収容し、前記その他の部分には所定濃度の次亜ハロゲン酸を含有する用水を供給し、前記頭部には、前記その他の部分に供給される用水よりも低濃度の次亜ハロゲン酸濃度とされた用水を供給する請求項1記載の魚介類の病気治療方法。
  3. 前記仕切り部により区分けられた各部において、鰓を含む頭部に接触する用水温度を治療される魚に適した温度とし、その他の部分に接触する用水温度を前記鰓を含む頭部に接触する用水温度よりも高くする請求項2記載の魚介類の病気治療方法。
  4. ハロゲンイオンを含有する用水を、陽極板と陰極板との間に通水して次亜ハロゲン酸を生成させた電解生成水とし、前記電解生成水中の前記次亜ハロゲン酸濃度を調整して魚介類に接触させ、前記用水中のハロゲンイオンが、塩素イオンと臭素イオンとを混合して成り、臭素イオン:塩素イオンが30:70から57:43の範囲としたことを特徴とする魚介類の病気予防方法。
  5. 鰓を含む頭部と、その他の部分とを区分け、各部の用水が容易に混合しないようにされた仕切り部が設けられた治療容器中に魚を収容し、前記その他の部分には所定濃度の次亜ハロゲン酸を含有する用水を供給し、前記頭部には、前記その他の部分に供給される用水よりも低濃度の次亜ハロゲン酸濃度とされた用水を供給する請求項4記載の魚介類の病気予防方法。
  6. 前記仕切り部により区分けられた各部において、鰓を含む頭部に接触する用水温度を治療される魚に適した温度とし、その他の部分に接触する用水温度を前記鰓を含む頭部に接触する用水温度よりも高くする請求項5記載の魚介類の病気予防方法。
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