JP4757783B2 - 卵殻の洗浄殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解水を用いた卵殻の洗浄殺菌に関する。
従来より、卵殻の洗浄方法としては、たとえば、下記の特許文献が知られている。
特開2005-027609 には、卵を酢酸にて洗浄したのち、有効塩素濃200ppm 、pH5.5の弱酸性電解水にて洗浄する卵殻洗浄装置が開示されている。
特開2003-250379 には、卵殻を洗剤にて洗浄した後、オゾン水により殺菌する卵殻洗浄装置が開示されている。
特開2003-023907 には、卵殻に水を噴射する部分と、ブラシにて卵殻表面を綺麗にする洗浄部について記載されており、更に、電解水に関しては、強酸性電解水および強アルカリ電解水を使用することが開示されている。
特開2001-045904 には、卵殻洗浄装置の洗浄工程と殺菌工程を独立させた装置が開示されており、前記洗浄工程にてアルカリ性電解水を、前記殺菌工程にて酸性電解水を使用している。
特開2000-014269 には、一次洗浄としてアルカリ性電解水を使用し、二次洗浄として酸性電解水を使用する洗卵方法が開示されている。
特開平10-276605 には、殻付卵を強アルカリ性電解水に浸漬処理した後、強酸性電解水の噴霧( シャワー) による洗浄を行なう殺菌洗浄方法が開示されている。
特開2005−027609 特開2003−250379 特開2003−023907 特開2001−045904 特開2000−014269 特開平10−276605
鶏は卵を出す管と糞便を出す管が同じであるため、生み出されたばかりの鶏卵は汚れており、大腸菌等の細菌が付着している。そのため、パック詰めや割卵し液卵を作る前段階として卵殻の洗浄殺菌を行なう必要がある。
現在では卵殻洗浄装置による機械式洗浄が行なわれており、その殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムがよく使用されている。しかし、次亜塩素酸ナトリウムの使用は、人体への影響や排水基準を満たさないといった問題がある。
電解水はそのpHにより大きく分けられており、pH 2〜3 が“強酸性電解水”、pH 5〜6 が“微酸性電解水”、pH 11 〜13が“強アルカリ電解水”となっている。強酸性電解水と微酸性電解水には殺菌効果が、強アルカリ電解水には洗浄効果があり、さまざまな試験により、洗浄や殺菌の効果が確認されている。
しかし、アルカリの電解水は卵殻自体を溶解させるので、卵殻が薄くなる。したがって、卵殻が薄くなりすぎて、ひびが入るおそれがある。
一方、酸性の電解水は金属を腐食させるおそれがある。したがって、装置の劣化が生じ易い。
なお、オゾンで殺菌する方法も提案されている。しかし、オゾンは人体に有害である上、酸よりも腐食力が大きい。しかも、水の排水基準はpH 5.8〜8.6 となっているため、いずれの水もそのままでは排水できないという問題がある。
したがって、本発明の主目的は、中性域の電解水の殺菌効果によって、卵殻の殺菌洗浄を行なう方法を提供することである。
本発明の殻付生卵を洗浄および殺菌する方法は、残留塩素濃度が1.5mg/L以上(上限は特に限定されないが一般に30mg/L以下ないし50mg/L以下となるであろう。)で、かつ、pHが5.8〜8.6の概ね中性の電解水を用いて卵殻を洗浄および殺菌する。水道水を用いる場合、 pHは6.8〜8.0程度となり、この場合、電解水が中性であることの利点が更に高まる。なお、多量の電解水を卵に噴射する場合や、電解水との接触時間を長くすれば、残留塩素濃度は1.5mg/Lでも可能であるが、2mg/L〜5mg/L程度の残留塩素濃度を持つ電解水が殺菌力および生成のコストのバランス上好ましい。
本方法では、中性域の電解水を用いるので、排水基準に合わせるための処理が必要なくなるという利点がある。また、電解水自体の特性として従来の強酸性・強アルカリ電解水の方式と違い、無添加無隔膜方式により生成し得るため、ランニングコストが安くなり、生成の手間が軽減される。
しかも、アルカリの電解水と異なり卵殻を溶解させたり、あるいは、酸性の電解水と異なり配管材等を腐食させるおそれもない。
また、オゾン水と異なり、人体に対し有害となるおそれもない。
本発明方法においては、pHが中性域を維持するため、無隔膜方式の電解を行うが、電解を行う前の水は水道水に準じたものを用いることができる。
基本的に何も添加されていない水道水を原水として電解に使用するが、生成される電解水の殺菌力を高めるため、pHが中性域となる範囲内で次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩を電解前の原水に添加することも可能である。なお、次亜塩素酸ナトリウムなどを添加すると、pHはアルカリ寄りに移行する。
また、pHを中性域に保ちつつ、電解水の殺菌力を上げるため、次亜塩素酸塩と一緒に塩酸やクエン酸などの酸性薬剤を電解前の原水に添加することも可能である。
本発明において、電解水の温度は30℃〜50℃に設定するのが好ましく、35℃〜45℃に設定するのが更に好ましい。かかる温度範囲であれば、室内の温度も差程上昇しないので、作業環境も改善される。
卵には、周囲の温度が卵内部温(26℃ぐらい)よりも低いと周囲の菌が卵の内部に入り易くなるといった問題点があるため、洗浄に使用する水温は“卵内部温+10℃以上”とするのが好ましい。一方、電解水は水温を上げると、その殺菌要因である残留塩素濃度が低下し、殺菌効率が落ちる。
そのため、電解水の水温は40℃付近に設定するのが好ましい。
かかる方法を実施するシステムとしては、殻付生卵を洗浄および殺菌する洗浄殺菌システムであって、原水を取り込んで該原水の残留塩素濃度を高めると共にpHが5.8〜8.6の概ね中性の電解水を生成する電解水生成装置と、前記電解水を殻付生卵の通過経路において噴射して当該殻付生卵を洗浄・殺菌するための複数のノズルと、前記ノズルから噴射された電解水が前記殻付生卵に接触する液相を形成する保留手段と、前記保留手段を通過中ないし通過後の前記殻付生卵の表面に接触する洗浄用ブラシと、前記殻付生卵を前記保留手段から排出するコンベヤとを備えた卵殻の洗浄殺菌システムを採用することができる。
このシステムによれば、電解水が保留手段の液相内において殻の表面に浸透し、固化した糞便がふやけた状態になると共に、洗浄ブラシで、当該糞便が掻き削られる。その後、汚れていない電解水が卵殻に噴射され、卵殻全体の洗浄・殺菌がなされる。
ここで、電解水はクラスターが小さいので、汚れに浸透し易いから、前記汚れが落ち易い。
ここで、前記洗浄ブラシにより削り取ることができなかった糞便が卵殻表面に残る場合がある。この場合、後の乾燥を行っても糞便の部分については水分が残る。そのため、菌が増殖する心配がある。しかし、前記残った水分は電解水であるから、殺菌力を発揮するので、完全に乾燥していなくても滅菌効果が低下しにくい。
以下、殺菌方法の説明に先立って電解水生成装置について説明する。
図1〜図3において、耐圧性を有する電解槽1は、収容空間Sを形成する。前記収容空間S内には電極ユニットUが収容される。該電極ユニットUは前記電解槽1内に概ね鉛直面に沿って、かつ、互いに平行に近接して配置された、たとえば5枚の電極板21 〜25 を含む。
前記電解槽1は第1および第2の耐圧板1a,1bと、該一対の耐圧板1a,1bの間に挟持された環状の第3耐圧板1cとを備え、前期環状の第3耐圧板1cの下端部に導入孔14が上方に向かって吐出するように設けられている。前記導入孔14は前記電解槽1の下部に設けられ、液体Lを前記電解槽1内に圧送する。
一方、前記耐圧板1cの上端部には導出孔15が形成されている。前記導出孔15は、前記液体Lを電解層1内で電気分解することにより生成された電解水L1を、前記電解槽1の上部から導出する。
図3の各電極板21 〜25 の少なくとも四隅には絶縁部材20が配置されている。前記絶縁部材20は各電極板2i同士を絶縁すると共に各電極板2iの間の距離を保持する。
前記電極板21 〜25 の概ね中央の領域には、図2の前記各電極板21 〜25 のうちの同一極性となる電極板21 〜25 を水平方向に貫通すると共に当該電極板21 〜25 同士を互いに通電させる第1および第2の電極棒21,22が設けられている。これらの電極棒21,22には、前記電極板の間に直流電圧を印加する直流電源(図示せず)が接続されている。
なお、図2の電極板22 ,24 が第1の電極棒21を介して第1の極性に設定され、電極板21 ,23 ,25 が第2の電極棒22を介して第2の極性に設定される。
前記電解槽1内には、図4に明示するように、複数列の第1流路11と、第2および第3流路12,13とが形成されている。前記第1流路11は前記電極ユニットUにおける各電極板2i の間に当該電極板2i の面に沿って液体Lが下から上に流れる。前記第2流路および第3流路12,13は前記電極ユニットUと前記電解槽1の壁面との間に形成され、前記電極ユニットの一方または他方の端の第1または第2端電極板21 ,25 に沿って液体Lが下から上に流れる。
前記電極ユニットUにおける下端において、下方に向かって開口した前記第1流路11の下端開口11aに前記導入孔14の開口14(図1)が対向している。これにより、前記導入孔14からの前記液体Lが前記第1流路11にスムースに流れ込む。
前記各電極板2i には、各々複数の貫通孔23が形成されている。各貫通孔23は互いに概ね合致している。したがって、前記第1流路11において前記液体Lから生成されたガスと、前記液体Lとが前記各電極板2i に形成された複数の貫通孔23で合流し、かつ、当該貫通孔23を介して、前記第1流路11から前記第2流路12,13に向かって流れ出る。
図2に示すように、前記電極ユニットUと第1耐圧板1aとの間にはスペーサ1sが配置されている。前記スペーサ1sは、前記電解槽1の収容空間Sの下部において前記第1端電極板21 に近接して配置され、前記収容空間Sの上端部においては前記スペーサ1sが配置されておらず、これにより前記第2流路12のうち上端部が下部に比べ広く形成されている。
つぎに、水道水からなる液体Lから電解水L1つまり殺菌力のある液体が生成される過程について説明する。
図2の導入孔14から開口14aおよび下端開口11aを経て、液体Lが図4の第1流路11に導入される。液体Lは第1流路11内を下方から上方に流れる間に第1流路11において電気分解される。この際、水素ガスや酸素ガスが生成されると共に、水道水中の塩素イオンCl- と水H2 O等が所定の化学反応を呈し、殺菌力のある次亜塩素酸HClOや次亜塩素酸イオンClO- が生成され、電解水L1が生成される。
前記ガスを含んだ電解水L1は、各第1流路11を流れ貫通孔23において合流すると共に、前記ガスが圧力の低い第2流路12および13に流れ出る可能性が高い。一方、電解水L1中の液体成分はガスよりも質量が大きいので、慣性により上方の第1流路11に流れ込む確率が高い。そのため、上方の第1流路11では気泡の存在率が第2流路12および13よりも低くなり、電解効率の低下が生じにくくなる。
前記電解水L1は第1流路11中を更に上方に流れ、電気分解されながら、前記HClOおよびClO- の濃度(以下、この濃度を「残留塩素濃度D」という。)が高くなる。前記電解水L1内のガスの存在率は更に高くなるが、ガスは上方の貫通孔23から図2のスペーサ1sの上方の空間Saに排出され、上方においても電解水L1中のガスの存在率が高くなるのが抑制される。そのため、電解効力の低下が生じにくくなる。
つぎに、前記電解水L1が殺菌力を持つことを明らかにするために、実施例を示す。
Cl- の濃度が0.285mg/Lの水道水を前記電解槽1内を循環させて、図5(a)の表に示す実施例101〜103の電解水L1を得た。
一方、図5(b)の菌を培養した培養液に前記実施例101〜103の電解水L1を滴下し、所定時間(10,20,30秒)接触させ、その後、約2日間培養し、菌の数を測定した。その結果を図5(c)に示す。
図5(c)から分かるように、大腸菌については、残留塩素濃度Dが16mg/L以上であれば、完全に死滅することが分かる。前記大腸菌はサルモネラ菌と近似したものであることから、卵殻の殺菌に好適に使用できるものと推測される。なお、接触時間や電解水L1の相対的なボリュームから残留塩素濃度Dが10mg/L以上であれば、極めて強い殺菌効果が期待でき、pHによっては6〜7mg/L程度であってもよい。
また、残留塩素濃度Dが6.7mg/L程度であっても、一般細菌の消毒には十分に用いることができると思われる。
つぎに、電解水L1のpHと殺菌力との関係について考察する。
図6に示すように、ClO- とHClOの存在比率はpHの値に大きく依存する。前記HClOの殺菌力はClO- の殺菌力に比べ著しく大きい。したがって、HClOの存在比率が大きいpH1〜pH7.7程度の領域の電解水L1を生成するのが好ましい。
特に、pH6.8〜pH7.7の電解水L1は水道水をそのまま用いて生成し得ると共に酸やアルカリによる弊害も生じない。
つぎに、本洗卵システムによる洗卵方法の一例について図7を用いて説明する。
洗浄槽(液相を形成する保留手段の一例)50に投入された卵(殻付生卵)Eは、その洗浄槽50内にて若干の汚れを取りつつ卵移送用のコンベア51にて洗卵部52へ運ばれていく。洗卵部52ではシャワーノズル53から洗浄液が噴射され、卵Eを洗浄湿潤させる。また、回転ブラシ54が卵殻をブラッシングする事で、卵Eを洗浄する。その後、卵Eはシャワーノズル55にて卵殻が最終洗浄され、卵乾燥ブロワによる乾燥工程を経て、パック詰めや割卵工程へと移されていく。
通常、シャワーノズル53および55からは、洗浄殺菌を目的として次亜塩素酸ナトリウムを希釈した溶液が噴射されていることが多い。このシャワーノズル53に前記電解水生成装置の導出孔15(図2)から電解水を供給し、略中性域(pH5.8〜8.6)の電解水L1で卵Eを洗浄・殺菌し、シャワーノズル55からは水道水が噴射されて洗浄される。
なお、シャワーノズル53から噴射された電解水は、洗浄槽50に流れ込むような構造としている。これにより、卵殻に当たらず使用されなかった電解水も、洗浄槽内の洗浄殺菌に使用することができる。
前記洗浄槽50は、電解水が卵Eに接触する液槽を形成する保留手段であればよく、たとえば、図8Aの実施例に示すように、卵Eの下半分が電解水に接触するものであってもよい。この場合も、液槽を通過中に卵Eが回転するので、卵E全体に電解水が浸るからである。
また、保留手段は、樋状に形成されていてもよい。この樋状の保留手段は卵Eが搬送される溝状の経路を形成する。また、樋は一部もしくは全部が上流に向かって斜め上方に傾斜していてもよい。更に、この場合、搬送経路の途中に卵Eの下半分が浸るような貯留槽を設けるのが好ましい。
つぎに、他の卵殻洗浄殺菌システムについて説明する。
図8Aの実施例においては、前記原水(水道水)を昇温させる昇温装置100を備えている。
電解水生成装置200は、前記昇温した原水(温水)を取り込んで該原水の残留塩素濃度を高めると共にpHが概ね中性の電解水を生成する。前記電解水は複数のノズル56に供給される。ノズル56は前記電解水を卵Eが通過する上方から当該卵Eの通過経路において噴射して当該卵Eを洗浄・殺菌する。
洗浄槽50は前記ノズル56から噴射された電解水を一時的に貯留する。
洗浄ブラシ54Aは前記洗浄槽50を通過中ないし通過直後の前記卵Eの表面に回転接触する。
コンベヤ51は前記卵Eを前記洗浄槽50に供給し、更に、洗浄槽50から排出する。
図8Cは、卵殻洗浄殺菌システムの変形例を示す。
本システムではシステムでは、洗浄槽50の上流において温水を卵Eに向かって噴射する温水シャワー55Aを備える。また、洗浄槽50の下流に乾燥用のブロワ59が設けられている。ブロワ59の下方には、洗卵後の卵Eに回転接触する乾燥用ブラシ54Bが設けられている。この場合、乾燥用ブラシ54Bを殺菌するために乾燥用ブラシ54Bに向かって電解水を噴射するノズル56Aが設けられていてもよい。
つぎに、前記図8Aのシステムを用いた場合の洗浄殺菌方法の実施例を図8Bの比較例のシステムを用いた場合と比較しながら説明する。
実施例第1群〜第5群:
図8Aのシステムを用い、約40℃弱の電解水をノズル56から噴射して洗卵Eを行った。
比較例第1群〜第5群:
図8Bのシステムを用い、洗浄槽の上流のノズルから温水(55℃)を噴射し、洗浄槽の下流のノズルから次亜塩素酸ナトリウムの溶液(55℃)を噴射して洗卵を行った。
比較例第14群,第15群:
図8Bのシステムを用い、55℃の温水を洗浄槽の前後のノズルから噴射して洗卵を行った。
前記実施例および比較例について、残留塩素濃度、洗浄後の一般細菌の菌数および一週間後の菌数を測定した結果を図9の表に示す。
検体の採取方法について説明すると、ある程度の数を洗卵し、洗卵の開始直後、終業時および中間時の3回に各々10個採取し、それらについて菌数を測定し、その菌数の平均値を図9の表に示した。
また、前記の採取とは別に中間時に検体10個を採取し、これを一週間保存した後に菌数を測定し、その平均値を図9の表に示した。
衛生上、卵殻は完全な無菌である必要はなく、所定期間経過後に、所定量以下の菌数であれば、十分に衛生的である。一方、卵殻には糞便が固く付着していることがあり、固化便には多量の菌が含まれており、これが除去できない場合や、固化便中の菌を殺菌できない場合には、多量の菌が残ったり、あるいは、増殖する。
実施例第1群〜第5群の170個の卵Eは、水温35℃〜38℃、 pH6.9〜7.4、残留塩素濃度が2.09〜3.22の電解水で洗浄殺菌されており、洗浄後および一週間の保存後の双方において、バラツキの小さい、かつ、良好な結果が得られている。これは電解水のクラスターが小さく、かつ、固化便内においても殺菌力を発揮したためと推測される。
比較例第1群〜第5群の170個の卵Eは、結果のバラツキが大きい。その理由を推測すると、次亜塩素酸ナトリウムは、殺菌力があるものの、粘性が大きいのでクラスターが大きく、そのため、固化便内に浸透しにくいためであると考えられる。
比較例第14群および第15群の80個の卵Eは、洗浄直後の成績は良好であるが、一週間保存後に菌が増殖し易い。その理由を推測すると、クラスターが差程大きくなく、かつ、高温(55℃)で洗浄するので、汚れが落ち易い一方で、殺菌作用を有していないので、残存した固化便内で一週間後に菌が増殖するものと思われる。
本実施例に対し、たとえば、以下のような、変形例が考えられる。
図7のシャワーノズル53からだけではなく、シャワーノズル55からも電解水L1を噴射し、卵殻の洗浄殺菌を行なう(電解水自体は安全であるので、それを卵殻にかけた後、乾燥させ、割卵工程に持っていったとしても問題がないと推測される)。
卵乾燥用ブロワを用いることなく、自然乾燥に任せる。
洗卵部を1つとしたが、2つ以上に増やし、洗浄殺菌効果を上げてもよい。
卵Eを回転していないブラシの間を通してもよい。
本発明に係る電解水は、卵殻以外に種々の殺菌洗浄に用いることができる。
本発明の電解水生成装置の一例を示す概略分解斜視図である。 同縦断面図である。 電極ユニットの概略分解斜視図である。 槽内の拡大断面図である。 残留塩素濃度と殺菌力との関係を示す図表である。 pHの変化によるHClOおよびClO- の存在比率を示す特性図である。 卵殻の洗浄装置を示す概略構成図である。 洗浄殺菌システムの実施例および比較例を示す概略構成図である。 洗浄殺菌方法の実施例および比較例を示す図表である。
符号の説明
50:洗浄槽
51:コンベヤ
53,56:ノズル
54,54A:洗浄ブラシ
59:乾燥用ブラシ
100:昇温装置
200:電解水生成装置

Claims (3)

  1. 殻付生卵の卵殻を洗浄および殺菌する方法であって、
    塩素を含む水道水に添加剤を添加することなく当該水道水を予め昇温させる工程と、
    前記昇温され塩素を含み添加剤が添加されていない水道水を、隔膜が間に配置されていない状態で互いに対向かつ近接する電極板同士の間を前記電極板の面に沿って通水することにより残留塩素濃度が2mg/L〜5mg/Lで、かつ、pHが5.8〜8.6の概ね中性の電解水を得る工程と、
    当該電解水を希釈することなく卵殻に噴射して卵殻を洗浄および殺菌する工程とを備えていることを特徴とする卵殻の洗浄殺菌方法。
  2. 請求項1において、前記電解水の温度が35℃〜45℃であることを特徴とする卵殻の洗浄殺菌方法。
  3. 請求項1もしくは2において、前記電解水の前記残留塩素濃度が2.09mg/L〜3.22mg/Lであることを特徴とする洗浄殺菌方法。
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