JP4696255B2 - 歯科用設備の殺菌方法、便器の殺菌方法および歯科用設備への電解水供給システム - Google Patents
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Description
しかし、治療中において、前記チューブ内に口腔から逆流した口内細菌などが、該チューブ内に細菌の温床を作り、該チューブ内の水が汚染されるおそれがある。
pH値が中性でないため、水質汚濁防止法や下水道法の排水基準を満たしておらず、そのままでは公共用水路や下水などに排水できない。
また、強酸性の電解水を用いた場合には、樹脂製のチューブが劣化し易くなる。また、金属製の治療器具に錆が発生し易くなる。特に、前記治療器具にはエアタービンなどの精密かつ高価な部品が使用されているので、該部品に錆が発生すると器具の使用が困難になると共に、高価な部品の交換や修理に多大な出費を要する。
さらに、電解水を供給するための電解装置に薬剤を補充する必要があるため、消耗品のコストが生じる。
また、前記特許文献3の装置では、塩酸を用いるので、人為的ミスにより事故が発生するおそれがある。
また、強酸性や強アルカリ性の電解水は、誤飲した場合に健康被害が生じるおそれがある。
したがって、本発明の主目的は、前述した種々の問題を解決することである。
なお、pH値の下限値を6.0としたのは、近年の酸性雨の影響で原水自体のpH値が酸性寄りとなっているためである。
また、従来の酸性電解水の残留塩素濃度10〜60mg/Lに対し、本発明の中性電解水の残留塩素濃度は1.0〜3.0mg/Lと低く設定されているので、医療器具の部品に錆が発生しにくい。そのため、タービンなどの高精度かつ高価な部品を長持ちさせることができるから、ランニングコストを大幅に低減させることができる。
さらに、電解水を得る為の薬品や隔膜を使用しないので、薬品の補給や隔膜の取り換えなどの手間がかからず、ランニングコストも低減させることができる。また、塩酸など危険な薬品を使用しないので、人為的ミスにより事故が発生するおそれがない。
また、本発明に用いる電解水は中性であるので、強酸性や強アルカリ性の電解水とは異なり、誤飲した場合に健康被害が生じるおそれがない。
したがって、本発明の他の目的は、効率良く便器の殺菌を行い得る便器の殺菌方法を提供することである。
前記電解水は、中性であるので、別途、処理装置を用いることなく、そのまま汚物と一緒に下水に排水することが可能である。
まず、中性電解水を生成するための中性電解水生成装置について説明する。
図5に示すように、中性電解水生成装置10は電解槽1を備えている。
前記電解槽1は耐圧性を備えており、内部に収容空間Sが形成されている。前記収容空間S内には電極ユニット2Uが収容されている。該電極ユニット2Uは前記電解槽1内に概ね鉛直面に沿って、かつ、互いに平行に近接して配置された、n枚の電極板21 〜2n を含む。
一方、前記電解槽1の上端部には導出口15が形成されている。前記導出口15は、前記水道水L1を電解層1内で電気分解することにより生成された中性電解水L2を、前記電解槽1の上部から導出する。
したがって、前記各電極板21 〜2n は、互いの間に隔膜が設けられていない状態で、複数枚の電極板21 〜2n が所定の間隔で互いに対向するように設けられている。
なお、中性電解水を生成するための装置としては、たとえば、特開2002−186969の電解水生成装置を用いることができる。
なお、流量センサ22aは前記導入口14近傍のみならず、導出口15近傍または電解水生成装置10の上流または下流の配管途中などの水道水L1または中性電解水L2の流れが検知できる位置に設けてもよい。
設置例1:
図1は中性電解水生成装置10の設置例1を示す。
図1に示すように、水道水L1は、前記中性電解水生成装置10に導入される。前記中性電解水生成装置10によって生成された中性電解水L2は、チェア装置3、手洗用の蛇口5、医療器具などの洗浄殺菌装置6からなる歯科用設備30および便器4の貯水タンク40、小便器(図示せず)などに供給される。
前記治療器具34は、たとえば、エアタービンやスリーウェイシリンジなどからなる。前記スリーウェイシリンジは、空気、水、空気および水の3種類を患者の口内に吹き付ける装置である。
図1に示す前記中性電解水生成装置10は、第1および第2分岐管31,32よりも上流のチェア配管38に設置されており、中性電解水生成装置10によって生成された中性電解水L2は、前記第1および第2分岐管31,32に供給される。
一方、治療器具34には各器具の稼動スイッチが設けられており、該スイッチで各器具を稼動することにより、当該器具に中性電解水L2が供給される。
手洗用の蛇口5には、該手洗用の蛇口5が開かれると中性電解水L2が中性電解水生成装置10から供給される。
医療器具などの洗浄殺菌装置6には、該洗浄殺菌装置を使用する際に中性電解水L2が中性電解水生成装置10から供給される。
そこで、図2に示す中性電解水生成装置10の設置例2では、チェア装置3と便器4の貯水タンク40とに、それぞれ別の中性電解水生成装置10を設けている。チェア装置3に設けられた中性電解水生成装置10は、複数のチェア装置3のチェア配管38の上流に設けて中性電解水L2を供給する。
また便器4の貯水タンク40用の中性電解水生成装置10は、便器4の貯水タンク40の上流に設けて中性電解水L2を供給する。
なお、手洗用の蛇口5や医療器具などの洗浄殺菌装置6にも同じように、該手洗用の蛇口5用や医療器具などの洗浄殺菌装置6用の中性電解水生成装置10を設けることにより院内感染を防止するようにしてもよい。
また、図3に示す中性電解水生成装置10の設置例3では、チェア装置3のチェア配管38ごとに中性電解水生成装置10を設けている。前記中性電解水生成装置10は、図4Bに示すように、椅子35の下に設置してもよいし、図4Cに示すように、チェア装置3の上流に設置してもよい。
かかる場合には、図5の整流変圧ユニット20にタイマを設けて、所定のインターバルをおいて、所定時間、電解槽1内の電極ユニット2Uに電力を供給して電解槽1内の水を電気分解するようにする。
この場合、たとえばコップ式給水設備33からコップCに中性電解水L2を供給したタイミングをトリガーとして、所定時間電解槽1内の電極ユニット2Uに電力を供給して電解槽1内の水を電気分解してもよい。
このように、中性電解水L2の使用が少量で流量センサ22aが検知できない場合や、患者数が少なく中性電解水L2の供給量が少ない歯科医院の場合であっても、電解時間の制御を行うことにより、所定のpH値および有効残留塩素濃度の中性電解水L2を安定して供給することができる。また、所定のインターバルをおいて所定時間ごとに電解を行うことにより、中性電解水生成装置10の消費電力の無駄を防止することができる。
つぎに、前述した中性電解水生成装置によって生成された中性電解水の安全性、殺菌力および歯科機器に与える影響について以下の試験を行った。
まず、前記中性電解水生成装置によって生成された中性電解水の安全性について種々の試験を行った結果について説明する。
図6に示す実施例1は、中性電解水生成装置によって生成された中性電解水を、社団法人京都微生物研究所総合科学分析センターにおいて水質検査を行った分析結果を示す。
図7に示す比較例1〜4は、それぞれ、平成19年8月に行われた京都市蹴上、京都市松ケ崎、京都市山ノ内および京都市新山科における水道水を、京都市上下水道局において水質検査を行った結果(当該ホームページからの参照)である。
したがって、実施例1の中性電解水は、水道法第4条に基づく水質基準を満足するものであった。
また、図6の実施例1の中性電解水と図7の比較例1〜4の水道水とを比べると、各項目の値は同程度の数値を示している。
このことから、実施例1に用いた中性電解水は、水道水と同程度の安全性を有する人体に悪影響のない水質であることが分かる。
つぎに、実施例2として、有機物に接触した場合の中性電解水の有効残留塩素濃度の変化についての試験を行った。前記有機物としては市販の豆腐を採用した。
図8Aに示す豆腐への添加後の時間および有効残留塩素濃度は、前記中性電解水250mLを100gの豆腐に接触させた後、当該中性電解水の有効残留塩素濃度を所定時間ごとに測定した値である。図8Bは、図8Aの有効残留塩素濃度および豆腐との接触後の経過時間との関係に基づき描いたグラフである。
このことから、濃度の高い中性電解水でも有機物に接触すると、ほぼ瞬間的に残留塩素が消費されることが分かる。したがって、誤って濃度の高い中性電解水が供給されても人体に悪影響が生じない。
本発明の中性電解水の安全性を更に検証するために、水道水と中性電解水とを、それぞれ異なるマウス群に飲水させることにより、その相違について試験を行った。
図9Bに示す実施例6および比較例6は、前記飼育に用いたマウス群が飲水した前記中性電解水および水道水の1匹当たりの平均飲水量を示す。
また、当該中性電解水を24週間飲水させたマウスを解剖し、その内臓を視認したところ、内臓疾患が認められなかった。
つぎに、中性電解水の殺菌力について以下に説明する各試験を行った。
まず、電解水を生成した後の有効残留塩素濃度の経時的変化について試験を行った。
図10に示す実施例7は、水道水7リットルを15分間に渡って循環しながら電解して生成した中性電解水を採取し、当該中性電解水を2リットルのペットボトル容器に入れた後、遮光せず開封したままの状態で室温で放置した。
図10に示す比較例7は、水道水を、前記中性電解水と同様に、2リットルのペットボトル容器に入れた後、遮光せず開封したままの状態で室温で放置した。
中性電解水は50時間経過後、その有効残留塩素濃度が約15%減少した。前記中性電解水は100時間経過後、その有効残留塩素濃度が約20%減少した。
このことから、歯科医院で中性電解水を用いる場合、数日程度の休院日を挟んでも差程、有効残留塩素濃度の減少していない中性電解水を用いることができることが分かる。
つぎに、以下に述べる3件の歯科医院において、患者の治療に日常的に使用されているチェア装置内から、それぞれ採取した水(以下、「原水」という)に対し、中性電解水を接触させることにより、中性電解水の殺菌効果について試験を行った。
図11Aに示すように、第1の歯科医院のチェア装置から採取した第1原水および中性電解水のpH値は、それぞれ、7.35、7.43であった。また、前記第1原水および中性電解水の有効残留塩素濃度は、それぞれ、0.05mg/L以下および1.48mg/Lであった。
図11Bに示すように、前記第1原水0.1mLを標準寒天培地およびESコリマーク寒天培地にそれぞれ滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、一般細菌および大腸菌群は検出されなかった。
一方、前記第1原水5mLと中性電解水5mLとを混合し、30秒後にチオ硫酸ナトリウム0.1mLを添加して混合液を作成した。その後、当該混合液を標準寒天培地およびESコリマーク寒天培地に0.1mLを滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、一般細菌および大腸菌群は検出されなかった。
図11Bに示すように、比較例10では、R2A寒天培地に前記第1原水を0.1mL滴下し、23℃で8日間培養した後に菌数を測定した。その結果、従属栄養細菌の菌数が58×10CFU/mLであった。
実施例10では、R2A寒天培地に前記混合液を0.1mL滴下し、23℃で8日間培養した後に菌数を測定した。その結果、従属栄養細菌の菌数が19×10CFU/mLであった。
このことから、中性電解水は従属栄養細菌に対して殺菌効果を有すると考察できる。
図12Aに示すように、第2の歯科医院のチェア装置から採取した第2原水および中性電解水のpH値は、それぞれ、7.39、7.32であった。また、前記第2原水および中性電解水の有効残留塩素濃度は、それぞれ、0.05mg/L以下および1.56mg/Lであった。
図12Bに示すように、前記第2原水0.1mLを標準寒天培地およびESコリマーク寒天培地にそれぞれ滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、一般細菌および大腸菌群は検出されなかった。
一方、前記第2原水5mLと中性電解水5mLとを混合し、30秒後にチオ硫酸ナトリウム0.1mLを添加して混合液を作成した。その後、当該混合液を標準寒天培地およびESコリマーク寒天培地に0.1mLを滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、一般細菌および大腸菌群は検出されなかった。
図12Bに示すように、比較例11では、R2A寒天培地に前記第2原水を0.1mLを滴下し、25℃で7日間培養した後に菌数を測定した。その結果、比較例11では菌数が469×10CFU/mLであった。
実施例11では、前記混合液をR2A寒天培地に0.1mL滴下し、25℃で7日間培養した後に菌数を測定した。その結果、実施例11では菌数が20×10CFU/mLであった。
このことから、中性電解水は、従属栄養細菌に対して殺菌効果が高いことが分かる。
図13Aに示すように、第3の歯科医院のチェア装置から採取した第3原水および中性電解水のpH値は、それぞれ、7.50、7.44であった。また、前記第3原水および中性電解水の有効残留塩素濃度は、それぞれ、0.57mg/Lおよび1.98mg/Lであった。
図13Bに示すように、比較例12では、標準寒天培地に前記第3原水を0.1mL滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した。その結果、比較例12では菌数が8×10CFU/mLであった。
実施例12では、まず、前記第3原水5mLと中性電解水5mLとを混合し、30秒後にチオ硫酸ナトリウム0.1mLを添加して混合液を作成した。その後、当該混合液を標準寒天培地に0.1mL滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した。その結果、実施例12では一般細菌が検出されなかった。
図13Bに示すように、前記第3原水0.1mLをESコリマーク寒天培地に滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、大腸菌群を含む一般細菌は検出されなかった。
一方、前記混合液0.1mLをESコリマーク寒天培地に滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した結果、大腸菌群は検出されなかった。
図13Bに示すように、比較例13では、R2A寒天培地に前記第3原水を0.1mL滴下し、28℃で72時間培養した後に菌数を測定した。その結果、比較例13では、菌数が9×10CFU/mLであった。
実施例13では、R2A寒天培地に前記混合液を0.1mL滴下し、28℃で72時間培養した後に菌数を測定した。その結果、実施例13では、菌数が5×10CFU/mLであった。
このことから、中性電解水は、一般細菌および従属栄養細菌に対して殺菌効果が高いことが分かる。
つぎに、前記第3の歯科医院において、中性電解水生成装置を設置して中性電解水を使用するチェア装置と、水道水を使用するチェア装置とを分け、両チェア装置における使用水の細菌の菌数について調べた。
一般細菌については、標準寒天培地に前記使用水を滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した。
大腸菌群については、ESコリマーク寒天培地に前記使用水を滴下し、48時間培養した後に菌数を測定した。
従属栄養細菌については、R2A寒天培地に前記使用水を滴下し、25℃で7日間培養した後に菌数を測定した。
中性電解水の使用予定のないチェア装置の使用水は、一般細菌数が1×10CFU/mL、大腸菌群が不検出、従属栄養細菌数が2×10CFU/mLであった。
中性電解水を使用予定のチェア装置の使用水は、一般細菌数が595×10の2乗CFU/mL、大腸菌群数が3×10CFU/mL、従属栄養細菌数が測定範囲を上回り測定不能であった。
水道水を用いたチェア装置の使用水は、一般細菌数が不検出、大腸菌群数が不検出、従属栄養細菌数が313×10CFU/mLであった。
中性電解水を使用したチェア装置の使用水は、一般細菌数が不検出、大腸菌群数が不検出、従属栄養細菌数が不検出であった。
このことから、中性電解水は、一般細菌、大腸菌群および従属栄養細菌のそれぞれに対して十分な殺菌能力を有することが分かる。
なお、水道水を使用したチェア装置の従属栄養細菌数が1ヵ月前よりも増加しているのは、当該チェア装置の使用頻度や、当該チェア装置を使用した患者の口腔内の細菌が逆流して逆汚染し、細菌が繁殖したものと推察される。
当該使用水は、一般細菌および大腸菌群が不検出、従属栄養細菌数が35×1CFU/mLであった。
なお、当該使用水はpH値7.10、有効残留塩素濃度1.12mg/Lであった。
その結果、当該使用水は、一般細菌および大腸菌群が不検出、従属栄養細菌数が1×1CFU/mLであった。
なお、当該使用水はpH値7.47、有効残留塩素濃度0.87mg/Lであった。
このことから、中性電解水は一般細菌、大腸菌群および従属栄養細菌に対して殺菌能力が高いことが分かる。また、中性電解水生成装置は、長期間に渡って殺菌能力の高い所定の有効残留塩素濃度の中性電解水を供給し得ることが分かる。
つぎに、中性電解水が長期間に渡り歯科用設備に使用された場合に、歯科用設備の各部品に与える影響について調べた。
まず、中性電解水が水道配管に与える影響について試験を行った。
当該試験では、水道配管として一般的に使用されているステンレス(SUS304)、黄銅(C3604BD)およびクロムメッキが施された黄銅について浸漬試験を行った。該試験方法は、水道水と中性電解水とをそれぞれ1リットルずつガラス瓶に入れ、その中に各部材をそれぞれ個別に入れて密封し、かかる密封状態で1週間放置した。その後、前記浸漬後の水道水および中性電解水を試験機関である京都府中小企業技術センターに持ち込み、成分検査を委託した。
なお、前記試験に用いた中性電解水の有効残留塩素濃度は3.0mg/Lのものを使用した。
図15Aに示すように、ステンレスを浸漬した水道水に溶け出たFeは0.053mg/Lであった。ステンレスを浸漬した中性電解水に溶け出たFeは0.033mg/Lであった。
ステンレスを浸漬した水道水および中性電解水に溶け出たCrおよびNiは、それぞれ共に0.01mg/L以下、0.02mg/L以下であった。
図15Bに示すように、黄銅を浸漬した水道水に溶け出たCuは0.070mg/Lであった。黄銅を浸漬した中性電解水に溶け出たCuは0.098mg/Lであった。
黄銅を浸漬した水道水に溶け出たZnは1.44mg/Lであった。黄銅を浸漬した中性電解水に溶け出たZnは1.80mg/Lであった。
図15Cに示すように、クロムメッキされた黄銅を浸漬した水道水に溶け出たCuは0.02mg/L以下であった。一方、クロムメッキされた黄銅を浸漬した中性電解水に溶け出たCuは0.02mg/L以下であった。
クロムメッキされた黄銅を浸漬した水道水および中性電解水に溶け出たCrは共に0.01mg/L以下であった。
つぎに、チェア装置の接液部品に対して、中性電解水により錆や腐食などの影響が生じるか否かについて試験を行った。
当該試験では、前記チェア装置の接液部品に採用されているフレキシブルチューブ、透過フィルタ、減圧弁、シリコンチューブ、給水フィルタ、給水元パイプおよび減圧弁を中性電解水に浸漬し、その変化を観察した。
部品を浸漬する中性電解水は、2日もしくは3日おきに新たに生成したものを取り替えた。当該中性電解水の有効残留塩素濃度は、歯科医院で用いる濃度よりも高い濃度の5.0mg/L〜6.5mg/Lの間に設定した。該中性電解水のpH値は6.8〜7.5であった。
当該試験では、基本的に部品を浸漬させ続けることで進め、ごくたまに手で揺さぶるなどの軽い振動を与えた。
銅などの金属部品の表面に、錆ではないと思われるわずかな荒れが見られた。
シリコンチューブの表面において、若干の表面荒れが認められたが、実用上何ら問題はないと思われる。
通常の使用では、水に接触しない部分の金属部で、少し錆が発生していた。
上記以外には大きな変化は認められなかった。
したがって、中性電解水に前記各部品を2ヵ月間浸漬した時点では、特に問題はないと推測される。
2i :電極板
2U:電極ユニット
4:便器
10:中性電解水生成装置
20:直流電源
30:歯科用設備
31:第1分岐管
32:第2分岐管
33:コップ式給水設備
34:治療器具
L1:水道水
L2:中性電解水
Claims (3)
- 第1分岐配管から給水されるうがい用のコップ式給水設備と、第2分岐配管から樹脂製チューブを介して給水される治療器具とを備えたチェア装置へ電解水を供給する歯科用設備への電解水供給システムを用いた歯科用設備の殺菌方法であって、
前記システムは、間に隔膜が設けられていない状態で複数枚の電極板が互いに対向する電極ユニットと、前記電極ユニットを収納する電解槽と、前記電極板の間に直流電圧を印加する直流電源とを備え、pH値が6.0〜8.0で、かつ、残留塩素濃度が1.0〜3.0mg/Lの中性の電解水を生成する中性電解水生成装置の前記電解槽が、前記チェア装置における前記第1および第2分岐配管よりも上流の水道水用の配管に設置され、
前記システムは水道水または電解水の流れを検出する流量センサを更に備え、
前記流量センサが前記水道水または電解水の流れを検知して、前記電極板の間に直流電圧を印加させ前記電極ユニットの前記電極板の間を流れる水道水からpH値が6.0〜8.0で、かつ、残留塩素濃度が1.0〜3.0mg/Lの中性の電解水を生成する工程と、
前記中性電解水を前記歯科用設備に通水することで、当該設備の殺菌を行う工程と、
前記水道水の流れが停止したのを前記流量センサが検出して、前記電極板への直流電流が停止される工程と、
を備えた殺菌方法。 - 請求項1の殺菌方法において、
便器の貯水タンクから便器に排水される度に、前記中性電解水生成装置の前記電解槽からの電解水が前記貯水タンクに供給されて貯水されるように、前記電解槽が前記便器の上流に設けられ、
前記中性電解水を前記便器に通水することで、排尿および/または排便を洗い流すと共に、当該便器の殺菌を行うことを特徴とする殺菌方法。 - 請求項2の殺菌方法において、
前記流量センサが前記電解槽内に設けられている殺菌方法。
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