JP2003250379A - 卵の洗浄殺菌乾燥装置 - Google Patents

卵の洗浄殺菌乾燥装置

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JP2003250379A JP2002242968A JP2002242968A JP2003250379A JP 2003250379 A JP2003250379 A JP 2003250379A JP 2002242968 A JP2002242968 A JP 2002242968A JP 2002242968 A JP2002242968 A JP 2002242968A JP 2003250379 A JP2003250379 A JP 2003250379A
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sterilizing
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ozone
drying
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Shuntaro Ise
俊太郎 伊勢
Hirokazu Kawagishi
宏和 河岸
Mitsugi Kasai
貢 葛西
Junichi Minagawa
淳一 皆川
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Ise Delica Co ltd
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    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K43/00Testing, sorting or cleaning eggs ; Conveying devices ; Pick-up devices
    • A01K43/005Cleaning, washing of eggs

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  • Environmental Sciences (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
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  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動卵割機で卵を割った液卵から美味な卵料
理を作ることができ、又、保存の容易な液卵とするため
に卵殻表面を極めて衛生的な状態に洗浄殺菌する。 【解決手段】 殻付き卵をアルカリ洗剤で洗浄する洗浄
装置(1)と、洗浄した前記卵をオゾン水中への浸漬と
オゾン水の吹きつけにより殺菌する殺菌装置(2)と、
殺菌した前記卵を高温スチームで乾燥させるとともにオ
ゾン殺菌後も生残している微生物を再殺菌する乾燥装置
(3)とを備える卵の洗浄殺菌乾燥装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用卵を洗浄殺菌
乾燥する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、鶏卵などの卵を調理するに際し、
割卵装置により卵を割って液卵を集めるため、大量の殻
付き卵の卵殻表面の自動洗浄殺菌が行われている。この
卵殻表面の自動洗浄殺菌は、多くの場合、ジア塩素酸ナ
トリウムを用い、ジア塩素酸ナトリウム水の水槽中に殻
付き卵を浸した後、ローラーコンベアなどにより水槽中
から卵を取り出し、ブラシなどにより卵殻表面の汚物を
確実に除去するようにして洗浄するものや、ジア塩素酸
ナトリウム水に換えてオゾン水を散布することにより洗
浄殺菌を行うものがある。
【0003】そして、近年では、殻付き卵を水や温水で
洗浄し、さらにオゾン水で殺菌した後、空気ブロアーに
より乾燥させる装置(例えば特開平11−32616
号)も提案されており、このようにして自動洗浄及び殺
菌処理された卵は、次工程の割卵装置へと搬送され、液
卵とされて供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、大量の
殻付き卵の自動洗浄殺菌処理には、ジア塩素酸ナトリウ
ム水を用いることが多く行われているも、ジア塩素酸ナ
トリウム水による洗浄殺菌処理を行って卵割装置により
液卵とされた卵の調理を行うと、卵の風味が低下するよ
うに感じることがあった。
【0005】また、水又は温水で卵殻の洗浄を先ず行
い、次にオゾン水による殺菌を行う場合、調理した卵の
風味低下は感じられないが、タンパク系の汚れ等は、水
洗浄だけでは十分に落とすことが困難となることがあ
る。そして、オゾン水の吹きつけによる殺菌は、コンベ
アで搬送途中の卵に対しては短時間の処理となることが
多く、殺菌が不十分になる虞がある。なお、吹きつけ後
のオゾン水を洗浄水槽に戻す場合、卵殻を洗浄した洗浄
汚水中に戻すと、水槽中でのオゾン水による殺菌効果は
低下する。
【0006】更に、割卵前に卵殻表面に付着する洗浄水
などを乾燥させる場合、加温していない空気のブローで
十分に乾燥させるためには時間がかかるため、これを遂
行するためには長さの長いコンベアが必要となり、自動
洗浄殺菌装置の設置が困難となる場合があり、コンベア
の長さを短くすると乾燥を充分に行えないことがある。
また、一般に、このような作業が行われる部屋は、殺菌
前の材料も混在していることが多く、空中を浮遊する微
生物も少なくない。このため、ブローする空気に室内の
空気を用いる場合、この空気に殺菌処理を行うことなく
使用すると、ぬれた状態の殺菌後の卵を乾燥する工程で
再び汚染させてしまう虞もある。
【0007】このため、液卵を保存保管する場合、食品
衛生上液卵に殺菌処理を施す必要が生じることも有り、
液卵に殺菌処理を施すことにより、やはり卵の風味を低
下させることになる場合もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、殻付き卵を洗浄する洗浄装置(1)
と、洗浄した前記卵をオゾンにより殺菌する殺菌装置
(2)と、殺菌した前記卵を高温スチームで乾燥させる
とともにオゾン殺菌後も生残している微生物を再殺菌す
る乾燥装置(3)とを備える卵の洗浄殺菌乾燥装置を提
供するものである。
【0009】従って、本発明では、この一連の装置によ
り、先ず洗剤によって卵殻表面の汚れを落とすため、水
洗浄よりも効率よく汚れを落とすことができ、その後、
卵殻表面の細菌や微生物をオゾンにより殺菌し、さらに
高温スチームで乾燥させると共に加熱殺菌を行うもので
あるから、汚物などに付着する多量の細菌を予め洗い流
し、卵殻に付着した細菌に対して異なる作用の殺菌を行
うことにより、極めて効果的に卵殻表面を減菌すること
ができ、且つ、加熱乾燥行うことにより卵殻表面に付着
残留する洗浄液などが卵割装置で生産する液卵に混じる
ことを防止できる。
【0010】そして、洗浄装置(1)により殻付き卵を
洗浄するに際しては、アルカリ洗剤で洗浄することが好
ましい。このようにアルカリ洗剤を用いると、アルカリ
洗剤は除菌効果が主体であっても、微生物菌体に影響を
及ぼすことができる。たとえば、バイオの分野では、細
菌をアルカリで溶菌させてDNAを抽出する技法は汎用的
である。したがって、アルカリ洗剤は殺菌剤ではない
が、微生物に対しては殺菌に近い大きな障害を与えるこ
とができる。
【0011】なお、洗浄装置(1)では、アルカリ洗剤
を吹きつけた後、すすぎ水を吹きつけて汚物や細菌など
を卵殻から洗い流して次のオゾン殺菌を行うようにする
ことが好ましい。そして、オゾンを用いる殺菌装置
(2)としては、オゾン水を卵に吹きつける散水器(1
4)と吹きつけたオゾン水を蓄える水槽(16)とを有す
る装置とし、卵を水槽(16)に浸した後、散水器(14)
により新たなオゾン水を吹きつけるようにすることが好
ましい。
【0012】このように、殺菌装置(2)に搬入された
卵を、先ずオゾン水槽(16)の中にまるごと浸漬するた
め、卵殻表面全体を充分にオゾンに曝し、さらにオゾン
水を吹きつけることから効果的に殺菌することができ
る。しかも、搬入される卵は洗浄後すすぎ済みであるた
めに水槽(16)を汚すことがなく、水槽(16)中のオゾ
ン水の殺菌力を長時間にわたって維持することができ
る。
【0013】さらに、乾燥装置(3)では、150〜300℃
の高温スチームを用いてスチームを卵に吹きつけること
が好ましい。このように、高温スチームを吹きつける
と、加熱殺菌と共に乾燥を短時間に行うことができる。
そして、乾燥装置(3)に搬入された卵は、高温スチー
ムにより短時間で乾燥されるため、乾燥装置(3)に長
いコンベアを必要としない。さらにこのとき、スチーム
の高温によりオゾン殺菌後も生残している微生物を再殺
菌でき、この高温スチームは、それ自体が無菌状態であ
るため、これによって、二次汚染を引き起こすこともな
い。
【0014】尚、150℃以下では乾燥時間が長くなり、3
00℃以上では卵に凝固が発生するなどの不都合が生じる
ことになる。本発明は、上述のように、殻付き卵をアル
カリ洗剤で洗浄する洗浄装置(1)と、洗浄した前記卵
をオゾン水中への浸漬とオゾン水の吹きつけにより殺菌
する殺菌装置(2)と、殺菌した前記卵を高温スチーム
で乾燥させるとともにオゾン殺菌後も生残している微生
物を再殺菌する乾燥装置(3)とを備える卵の洗浄殺菌
乾燥装置とすることが最も好ましい。
【0015】この一連の装置によると、卵は先ず、アル
カリ洗浄によって、水洗浄よりも効率よく汚れを落とす
ことが可能となり、実質上、殺菌と同様の大きな除菌効
果が得られる。次に、殺菌装置(2)に搬入された卵
は、オゾン水槽(16)の中にまるごと浸漬された上にオ
ゾン水を吹きつけられることから効果的に殺菌される。
そして最後に、乾燥装置(3)に搬入された卵は、高温
スチームにより短時間で乾燥され、且つ、スチームの高
温によりオゾン殺菌後も生残している微生物を再殺菌で
きる。
【0016】即ち、これらの3つの装置が微生物に及ぼ
す作用はそれぞれ異なる。まず、洗浄装置(1)では、
アルカリ洗剤の洗浄力による除菌効果が主体だが、微生
物菌体にも影響を及ぼしている。次に、殺菌装置(2)
では、オゾンがその強力な酸化作用により殺菌力を示
す。
【0017】そして、乾燥装置(3)では、スチームの
湿熱が引き起こすタンパク質の変性作用により殺菌力を
示す。このように、異なる作用によって除菌、殺菌を行
うことにより、ある1つの作用に耐性を持つ微生物も、
複数の作用により殺菌が容易となる。さらに、連続した
装置は、微生物に回復する時間を与えないため、初めの
作用で受けた障害は、次の作用に対する感受性を高める
ことにもなり、結果的に後半の作用は増強されることに
なる。また、これら3つの装置を通過するような生残菌
がいたとしても、異なる複数の障害を受けた菌は、単一
の障害を受けた菌よりも、その後の回復や増殖に、かな
りの困難が生じるものと推測される。
【0018】このように、本発明では、洗浄装置
(1)、殺菌装置(2)および乾燥装置(3)を連続させ
た、複数の作用による除菌および殺菌効果の組み合わせ
により、卵殻表面の微生物を著しく減少させることがで
きる。また、乾燥装置(3)から搬出される卵の表面
は、高温スチームにより完全に乾燥しているため、未乾
燥卵でしばしば発生する、水を介したライン汚染の拡散
を防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る殻付き卵の洗浄殺菌
乾燥装置の実施の形態は、図1に示すように、洗浄装置
1と、殺菌装置2と、乾燥装置3で構成されている。洗浄
装置1は、トレー入りの卵を乗せるコンベア台4、卵殻を
洗浄する複数の回転ブラシ5、ブラシの上からアルカリ
洗剤を吹きつけるノズルパイプ6、洗浄後の卵にすすぎ
水を吹きつけるシャワーノズル7、洗剤を回収するため
の傾斜面8、回収した洗剤を溜める洗剤タンク9、タンク
9の洗剤をノズルパイプ6へ送る循環ポンプ10、アルカリ
洗剤の原液をタンク9へ注入するケミカルポンプ11、す
すぎ後の卵を次のオゾン殺菌装置2へ投入する滑り台1
2、およびコンベア台4から滑り台12まで卵を搬送する搬
送手段としてのバーコンベア13を備えている。
【0020】殺菌装置2は、卵にオゾン水を吹きつける
ための散水器14、オゾン水を回収するための傾斜面15、
回収したオゾン水を溜める水槽16、卵を浮遊させるため
のブロアー17、卵を水槽から取り出してオゾン水散水器
14を経て乾燥装置3へと搬送する搬送手段としてのバー
コンベア18、およびオゾン排気等のためのダクトファン
19を備えている。
【0021】乾燥装置3は、卵に高温スチームを吹きつ
けるスチームノズル20を備えている。なお、卵を通過さ
せるためのバーコンベア18は、殺菌装置2から延長して
いる。トレーに入れて供給された卵は、先ず、コンベア
台4でバーコンベア13に乗せられ、洗浄装置1の傾斜面8
の上方に傾斜面8に沿って形成された傾斜部へ送られ
る。卵はバーコンベア13上で回転しながら傾斜部を登
り、上方のノズルパイプ6から吹きつけられる洗剤およ
び回転ブラシ5により洗浄された後、すすぎ水のシャワ
ーで洗剤を洗い落とされる。洗剤とすすぎ水は、傾斜面
8を伝って洗剤タンク9に回収されるが、すすぎ水の分だ
けオーバーフローする。これによって、タンク9内部が
新しい水と入れ替わるとともに、その分だけケミカルポ
ンプ11より洗剤原液が注入されるため、洗剤の洗浄力を
高く維持し続けることができる。
【0022】そして、洗浄装置1の滑り台12より落下す
る卵は、殺菌装置2内のオゾン水槽16に着水し、水槽16
の底面に沈む。このため、卵はまるごとオゾン水中に浸
漬され予備殺菌された後、バーコンベア18で取り出さ
れ、回転しながら傾斜面15の上方に形成されたバーコン
ベア18の傾斜部を登り、上方の散水器14より吹きつけら
れる新鮮なオゾン水により本殺菌される。従って、単独
のオゾン水シャワーよりも効率よく殺菌される。なお、
散水器14から噴出したオゾン水は、傾斜面15を伝って水
槽に回収され、予備殺菌に利用されるが、ここに搬入さ
れる卵は洗浄後すすぎ済みであるため、水槽16に溜まる
オゾン水を汚すことは少なく、水槽16中のオゾン水の殺
菌力を長時間にわたって維持することが可能となる。
【0023】さらにオゾン殺菌後、バーコンベア18によ
り乾燥装置3に搬入された卵は、回転しながらスチーム
ノズル20からの高温スチームが吹きつけられることによ
り、短時間で乾燥する。またこのとき、スチームの高温
により、オゾン殺菌後も生残している微生物を再殺菌す
ることができる。次に、上記の洗浄装置1の洗浄や殺菌
装置2の殺菌および乾燥装置3の乾燥による除菌および殺
菌効果について、それぞれ試験例を挙げて説明する。
【0024】
【試験例1】卵を水洗浄、または、アルカリ洗浄したと
きの、卵殻表面の生菌数の変化を測定した。洗剤は ECO
LAB社製の「リキッド・スーパークレンズ」を用い、濃
度0.5〜1.0%で使用した。結果を図2に示す。図中の黒
丸は、卵を水洗浄したときの卵殻表面の生菌数の変化を
示し、白丸は、卵をアルカリ洗浄したときの卵殻表面の
生菌数の変化を示す。
【0025】即ち、生菌数は、水洗浄よりもアルカリ洗
浄の方で著しく低下した。洗剤は水よりも洗浄力が強
く、とくにアルカリ洗剤はタンパク系の汚れを分解する
ことから高い洗浄効果が得られた。一般に、洗浄効果は
除菌効果と連動していることから、アルカリ洗剤の導入
は、水洗浄より高い除菌効果が得られた。
【0026】
【試験例2】卵のオゾン殺菌を、オゾン水の吹きつけ
(シャワー)のみで実施したときと、オゾン水槽16中に
浸漬して予備殺菌した後に、さらにオゾン水を吹きつけ
ることにより実施したときの、卵殻表面の生菌数の変化
を測定した。オゾン水の吹きつけは、5ppmのオゾン水を
用い、卵1個について200mlを約5秒間かけてシャワー
状に吹きつけた。オゾン水中浸漬では、回収されたオゾ
ン水はその濃度が2〜3ppmに低下していたが、これに卵
を、平均的浮遊時間である約1.5分間浸漬した。浸漬
後、卵を取り出し、上記の吹きつけ殺菌を実施した。
【0027】結果を図3に示す。図中の黒丸は、卵をオ
ゾン水の吹きつけのみで殺菌したときの卵殻表面の生菌
数の変化を示し、白丸は、卵をオゾン水中に浸漬して予
備殺菌した後にオゾン水を吹きつけることにより殺菌し
たときの卵殻表面の生菌数の変化を示す。即ち、吹きつ
けのみの殺菌よりも、浸漬による予備殺菌と吹きつけと
を組み合わせた殺菌の方が生菌数は低下し、予備殺菌導
入の効果が認められた。なお、前者では殺菌後の生菌数
値にバラツキが見られたが、後者では低い値でほぼ一定
していた。これは、吹きつけによる殺菌ではどうしても
ムラが生じてしまうのに対し、後者では予備殺菌時のオ
ゾン水浸漬中に、卵殻表面全体が均一にオゾン水に接触
することによるものと考えられる。
【0028】又、オゾン水は、汚れなどの有機物の存在
下では、その殺菌力は低下する。しかし、本発明による
一連の装置では、アルカリ洗浄を組み合わせることによ
り、汚れた未洗浄卵ではなく、洗浄済みの清浄卵をオゾ
ン水槽に供給することによって、回収オゾン水を用いた
効果的な卵の予備殺菌を可能にした。
【0029】
【試験例3】卵を空気の吹きつけで乾燥、または、高温
スチームで乾燥したときの、卵殻表面の生菌数の変化を
測定した。結果を図4に示す。図中の黒丸は、卵を空気
の吹きつけにより乾燥したときの卵殻表面の生菌数の変
化を示し、四角は、卵を高温スチーム(温度210℃ 6秒
間吹きつけ)により乾燥したときの卵殻表面の生菌数の
変化を、又、白丸は、卵を高温スチーム(温度210℃ 5
秒間吹きつけ)により乾燥したときの卵殻表面の生菌数
の変化を示す。
【0030】即ち、空気の吹きつけによる乾燥では、乾
燥前後で生菌数の差は認められなかったが、スチームに
よる乾燥では、乾燥後に著しい生菌数の減少が認められ
た。一般に、非加熱空気の吹きつけに殺菌力はない。こ
れに対し、スチーム乾燥は、その高温により殺菌力を示
す。スチーム温度210℃ 5秒間処理では、104レベルの生
菌数が102レベルに、また、6秒間処理では101レベルに
まで低下した。なお、供試した卵の大きさにより、良好
に殺菌できるもの、殺菌はできてもその加熱により凝固
を生じるものもあったが、スチーム温度と処理時間を調
整することにより、それぞれに最適な処理条件を設定す
ることが可能である。
【0031】又、本発明による一連の装置では、前工程
のアルカリ洗浄やオゾン殺菌でも、かなりの除菌および
殺菌効果を期待できるが、ここで高温スチームを導入す
ることにより、卵殻を乾燥すると同時に、オゾン殺菌後
もなお生残するような微生物の再殺菌を可能にすること
は、液卵製造時の微生物的安全性の向上に高く貢献する
ものである。
【0032】
【実施例】この洗浄装置1としては、半径9cmの円筒形
とする回転ブラシ5を5本配置し、毎分120リットル
余りのアルカリ洗浄液の散布を行いつつ、全ての回転ブ
ラシ5を毎分24回転で回転させて卵を洗浄し、更にシ
ャワーノズル7からすすぎ水を散布するものとし、バー
コンベア13の移動速度を毎分約4mとして卵を約20秒
余りで洗浄装置1を通過させた。
【0033】尚、洗浄装置1で使用するアルカリ洗浄液
は、ECOLAB社製の「リキッド・スーパークレンズ」を用
い、濃度0.5〜1.0%で使用した。又、このバーコンベア1
3は、卵を6列に並べて移送することができるようにし
ており、5本の回転ブラシ5の位置を卵が通過する間
に、各卵に平均5回転の回転を行わせるようにした。
【0034】そして、殺菌装置2では、バーコンベア18
の移動速度を毎分約4mとしてオゾン水槽16に着水して
水槽16の底面に沈んだ卵がオゾン水槽16のオゾン水から
引き上げられるまでの平均時間を20秒乃至25秒程度
とし、散水器14で約20センチメートルの移動距離の間
に5ppm〜7ppmのオゾン水を散布するものとした。尚、オ
ゾン水槽16中のオゾン水の濃度は、約3ppmであった。
【0035】更に、乾燥装置3では、約80cmの長さの
スチームノズル20から240〜250℃の高温スチームを卵に
吹付け、卵を高温スチームにより10秒余りの時間で乾
燥させた。尚、高温高圧のスチームは、スチームノズル
20からの噴出し温度を240〜250℃としているも、卵の表
面近くでは130〜150℃であった。この洗浄装置1及び殺
菌装置2と乾燥装置3とによる卵殻洗浄殺菌乾燥装置を用
い、1回約2万個の卵の洗浄殺菌処理を1日に1回とし
て6日間行った。
【0036】(生菌数検査)上記実施例において、洗浄
殺菌前の原卵における平均生菌数と、洗浄殺菌及び乾燥
処理後の殻付卵における平均生菌数と、洗浄殺菌及び乾
燥処理後の殻付卵から割卵により生産した液卵における
平均生菌数と、この液卵を1日保存した保存液卵におけ
る平均生菌数は、下記の表1に示す表の通りであった。
【0037】
【表1】
【0038】尚、原卵の生菌数検査は、約2万個の原卵
の中から10個の卵を抜き取り、卵の重量と同量の希釈
水を添加し、殻ごと潰してストマッカー処理した後、標
準寒天培地(栄研化学社製)を用いて混釈培養したもの
である。又、この処理後の殻付卵は、約2万個の洗浄卵
から10個を抜き取り、卵の重量と同量の希釈水を添加
し、殻ごと潰してストマッカー処理した後、標準寒天培
地(栄研化学社製)を用いて混釈培養したものである。
【0039】そして、液卵は、本発明の卵殻洗浄殺菌乾
燥装置により洗浄殺菌を行った処理後の卵を割卵装置で
割卵した液卵であり、卵1個分の液卵にその9倍の希釈
水を添加してストマッカー処理した検体の10個を、各
々標準寒天培地(栄研化学社製)を用いて混釈培養した
ものである。そして、保存液卵は、前記の割卵装置で割
卵した液卵を5℃の冷蔵庫に24時間保管し、この24
時間保管した液卵の1個分にその9倍の希釈水を添加し
てストマッカー処理した検体の10個を、各々標準寒天
培地(栄研化学社製)を用いて混釈培養したものであ
る。
【0040】(評価)このように、本発明に係る卵殻洗
浄殺菌乾燥装置で洗浄殺菌を行った卵の卵殻表面の生菌
は、ほとんど殺菌除去され、又、この洗浄殺菌処理後の
卵を用いて製造した液卵にも生菌の移行は認められなか
った。
【0041】
【発明の効果】本発明の卵殻洗浄殺菌乾燥装置は、先ず
卵殻表面の汚れを洗剤による洗浄によって落とし、オゾ
ン及び高温スチームにより殺菌すると共に卵殻表面を乾
燥させるため、生菌数の極めて少ない殻付き卵を割卵装
置に供給し、品質的に安全性の高い液卵を生産すること
ができる。
【0042】この結果、食品の安全のみでなく、従来と
同様の保存保管状態でも味や風味に優れた卵の加工食品
を提供することができる。そして、水洗浄よりも効率よ
く卵の汚れを落として除菌効果を示すアルカリ洗浄機能
と、卵のオゾン水槽中へのまるごと浸漬とオゾン水吹き
つけとによる効果的な殺菌機能と、さらに、高温スチー
ムの導入により卵殻を短時間で乾燥すると同時にオゾン
殺菌後の生残菌も再殺菌する機能とを有する装置は、こ
れらの3つの機能が、それぞれが単独においても効果的
な除菌および殺菌力を有する。さらに、これらの機能を
連続的に構成し、1つの装置として完成させた本発明
は、各機能を合わせた三重の効果によって、微生物の生
残に対するハードルをより高くすることによって、品質
上安全な液卵製造に必要となる汚染菌数の極めて少ない
殻付き卵を大量に提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の卵殻洗浄殺菌乾燥装置の全体構成図。
【図2】卵を水洗浄、または、アルカリ洗浄したとき
の、卵殻表面の生菌数の変化を示す図。
【図3】卵のオゾン殺菌を、オゾン水の吹きつけのみで
実施したときと、オゾン水槽中に浸漬して予備殺菌した
後に、さらにオゾン水を吹きつけることにより実施した
ときの、卵殻表面の生菌数の変化を示す図。
【図4】卵を空気の吹きつけで乾燥、または、高温スチ
ームで乾燥したときの、卵殻表面の生菌数の変化を示す
図。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2 殺菌装置 3 乾燥装置 4 コンベア台 5 回転ブラシ 6 洗剤ノズルパ
イプ 7 すすぎシャワーノズル 8 洗剤回収用傾
斜面 9 洗剤タンク 10 循環ポンプ 11 ケミカルポンプ 12 滑り台 13 バーコンベア 14 オゾン散水
器 15 オゾン水回収用傾斜面 16 オゾン水槽 17 ブロアー 18 バーコンベ
ア 19 排気ダクトファン 20 高温スチー
ムノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葛西 貢 茨城県竜ヶ崎市馴馬町5167番地1 イセデ リカ株式会社内 (72)発明者 皆川 淳一 茨城県竜ヶ崎市馴馬町5167番地1 イセデ リカ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殻付き卵を洗剤により洗浄する洗浄装置
    と、洗浄した前記卵をオゾンにより殺菌する殺菌装置
    と、オゾン殺菌した前記卵を高温スチームにより乾燥お
    よび再殺菌する乾燥装置とを備えることを特徴とする卵
    の洗浄殺菌乾燥装置。
  2. 【請求項2】 前記洗浄装置は、アルカリ洗剤やすすぎ
    水を吹きつけるためのノズルや吹きつけたアルカリ洗剤
    を回収するタンク、及び搬送手段を有し、アルカリ洗剤
    による洗浄後の卵を水ですすいだ後に前記殺菌装置へ搬
    送することを特徴とする請求項1に記載した卵の洗浄殺
    菌乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記殺菌装置は、卵にオゾン水を吹きつ
    けるための散水器や吹きつけたオゾン水を回収する水
    槽、及び搬送手段を有し、洗浄装置から搬送された卵
    を、このオゾン水槽中へ浸漬し、オゾン水槽中から搬送
    手段であるコンベアで取り出した卵にオゾン水の吹きつ
    けによる殺菌をした後、前記乾燥装置へ搬送することを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載した卵の洗浄殺
    菌乾燥装置。
  4. 【請求項4】 前記乾燥装置では、150〜300℃の高温ス
    チームを用い、殺菌装置から搬送された卵に、高温スチ
    ームを吹きつけることにより乾燥させるとともに、オゾ
    ン殺菌後も生残している微生物を再殺菌することを特徴
    とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載した卵の洗
    浄殺菌乾燥装置。
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