JP2000014269A - 洗卵方法及び洗卵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄剤、微生物殺菌剤、被覆剤等の薬剤を使
用しないで殻付生卵を洗浄殺菌処理すること。 【解決手段】 殻付生卵Ａを一次洗浄（浸漬水槽１０と
一次シャワー・ブラシ装置２０）と二次洗浄（二次シャ
ワー・ブラシ装置３０）にて洗浄する洗卵方法であっ
て、前記一次洗浄の洗浄水として電解アルカリ性水を使
用し、前記二次洗浄の洗浄水として電解酸性水を使用し
たことに特徴がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鶏卵生産農場にて
集卵された殻付生卵を洗浄殺菌処理するための洗卵方法
及び洗卵装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の洗卵方法及び洗卵装置は、例え
ば特開平７−１６０３３号公報に示されていて、同公報
に示されている洗卵方法及び洗卵装置においては、洗浄
剤、微生物殺菌剤（二酸化塩素および二酸化塩素分解物
から選ばれた少なくとも一員からなるもの）、被覆剤等
の薬剤を含んだ洗浄液を使用して、殻付生卵を洗浄殺菌
処理している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した公報の洗卵方
法及び洗卵装置においては、洗浄剤、微生物殺菌剤、被
覆剤等の薬剤を含んだ洗浄液が使用されていて、ランニ
ングコスト（薬剤の消費）が高い。また、洗浄液中の洗
浄剤、微生物殺菌剤、被覆剤等の薬剤が卵殻表面に付着
残留することがあり、これが卵の調理時に調理人の手や
他の食材（殻付生卵に直接接触していた食材）を介して
調理食品に混入するおそれがある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した問題
に対処すべくなされたものであり、殻付生卵を一次洗浄
と二次洗浄にて洗浄する洗卵方法であって、前記一次洗
浄の洗浄水として電解アルカリ性水を使用し、前記二次
洗浄の洗浄水として電解酸性水を使用したこと（請求項
１に係る発明）に特徴がある。この場合において、前記
一次洗浄及び二次洗浄の少なくとも一方にブラシ洗浄を
加えること（請求項２に係る発明）が望ましい。また、
前記電解アルカリ性水及び前記電解酸性水は食塩水の有
隔膜電解によって得られるものが望ましい。

【０００５】また、本発明は、殻付生卵を収容可能で電
解アルカリ性水を所要量収容する浸漬水槽と、この浸漬
水槽にて浸漬処理した殻付生卵をブラッシングするため
の洗浄ブラシと、この洗浄ブラシにてブラッシングした
（同時にブラッシングする場合も含む）殻付生卵に電解
酸性水をシャワーリングするためのシャワー手段と、こ
のシャワー手段にてシャワーリングした殻付生卵を水切
りするための水切り手段と、この水切り手段にて水切り
処理した殻付生卵を乾燥させる乾燥手段と、殻付生卵を
前記浸漬水槽から前記洗浄ブラシ、前記シャワー手段、
前記水切り手段及び前記乾燥手段へと順次搬送する搬送
手段を備えた洗卵装置（請求項３に係る発明）に特徴が
ある。

【０００６】また、本発明は、殻付生卵を収容可能で電
解アルカリ性水を所要量収容する一次浸漬水槽と、この
一次浸漬水槽にて浸漬処理した殻付生卵をブラッシング
するための洗浄ブラシと、この洗浄ブラシにてブラッシ
ングした殻付生卵を収容可能で電解酸性水を所要量収容
する二次浸漬水槽と、この二次浸漬水槽にて浸漬処理し
た殻付生卵を水切りするための水切り手段と、この水切
り手段にて水切り処理した殻付生卵を乾燥させる乾燥手
段と、殻付生卵を前記一次浸漬水槽から前記洗浄ブラ
シ、前記二次浸漬水槽、前記水切り手段及び前記乾燥手
段へと順次搬送する搬送手段を備えた洗卵装置（請求項
４に係る発明）に特徴がある。

【０００７】

【発明の作用・効果】本発明による洗卵方法（請求項１
に係る発明）は、殻付生卵を一次洗浄する際に洗浄水と
して電解アルカリ性水を使用し、その後の二次洗浄する
際に洗浄水として電解酸性水を使用するものであり、薬
剤は使用されていない。したがって、ランニングコスト
が低いことは勿論のこと、卵の調理時に調理人の手や他
の食材（殻付生卵に直接接触していた食材）を介して調
理食品に薬剤が混入するおそれはない。また、一次洗浄
に使用する電解アルカリ性水は、界面活性機能があって
卵殻表面に付着している汚物（糞や泥や藁等）等を的確
に剥離・離脱させるため、殻付生卵の表面に付着してい
る汚れを的確に洗浄除去することができる。また、二次
洗浄に使用する電解酸性水は、次亜塩素酸を含んでいて
殺菌機能を有しているため、一次洗浄によって汚れを洗
浄除去された卵殻表面を的確に洗浄殺菌することができ
る。この場合において、一次洗浄及び二次洗浄の少なく
とも一方にブラシ洗浄を加えたとき（請求項２に係る発
明）には、ブラシ洗浄による機械的な洗浄除去作用が付
加的に得られて、卵殻表面の洗浄が効果的になされる。
また、上記した電解アルカリ性水及び電解酸性水が食塩
水の有隔膜電解によって得られたものであれば、上記し
た界面活性機能及び殺菌機能が更に効果的に得られる。

【０００８】また、本発明による洗卵装置（請求項３に
係る発明）においては、殻付生卵が搬送手段によって浸
漬水槽から洗浄ブラシ、シャワー手段、水切り手段及び
乾燥手段へと順次搬送されて、浸漬水槽にて電解アルカ
リ性水に殻付生卵が浸漬され、浸漬処理した殻付生卵が
洗浄ブラシにてブラッシングされ、ブラッシング後の殻
付生卵にシャワー手段にて電解酸性水がシャワーリング
され、シャワーリング後の殻付生卵が水切り手段にて水
切りされ、水切り処理後の殻付生卵が乾燥手段にて乾燥
されるため、殻付生卵の洗浄殺菌処理（浸漬処理、ブラ
ッシング処理、シャワーリング処理）と水切り乾燥処理
が連続的に行われて、殻付生卵の処理（殻付生卵をパッ
クや箱に詰めて出荷する前の処理）を効率よく行うこと
ができる。

【０００９】ところで、本発明による洗卵装置（請求項
３に係る発明）は、電解アルカリ性水と電解酸性水を使
用して殻付生卵を洗浄殺菌処理するものであり、薬剤は
使用されていない。したがって、ランニングコストが低
いことは勿論のこと、卵の調理時に調理人の手や他の食
材（殻付生卵に直接接触していた食材）を介して調理食
品に薬剤が混入するおそれはない。また、浸漬処理にて
使用する電解アルカリ性水は、界面活性機能があって卵
殻表面に付着している汚物（糞や泥や藁等）等を的確に
剥離・離脱させるため、殻付生卵の表面に付着している
汚れを的確に洗浄除去することができる。また、洗浄ブ
ラシによるブラッシング処理においては、浸漬処理によ
り不完全に剥離した汚物等を機械的な洗浄除去作用によ
って確実に除去することができ、電解アルカリ性水への
浸漬処理との相乗効果により卵殻表面の洗浄が効果的に
なされる。また、シャワーリング処理にて使用する電解
酸性水は、次亜塩素酸を含んでいて殺菌機能を有してい
るため、前処理にて汚れを洗浄除去された卵殻表面を的
確に洗浄殺菌することができる。また、水切り手段によ
る水切り処理においては、乾燥手段による乾燥処理との
連係により短時間に効率よく殻付生卵を乾燥させること
ができ、処理後の殻付生卵でのカビ、酵母、細菌等の卵
殻汚染菌の付着・繁殖を抑制することができる。

【００１０】また、本発明による洗卵装置（請求項４に
係る発明）においては、殻付生卵が搬送手段によって一
次浸漬水槽から洗浄ブラシ、二次浸漬水槽、水切り手段
及び乾燥手段へと順次搬送されて、一次浸漬水槽にて電
解アルカリ性水に殻付生卵が浸漬され、一次浸漬処理し
た殻付生卵が洗浄ブラシにてブラッシングされ、二次浸
漬水槽にてブラッシング後の殻付生卵が電解酸性水に浸
漬され、二次浸漬処理した殻付生卵が水切り手段にて水
切りされ、水切り処理後の殻付生卵が乾燥手段にて乾燥
されるため、殻付生卵の洗浄殺菌処理（一次浸漬処理、
ブラッシング処理、二次浸漬処理）と水切り乾燥処理が
連続的に行われて、殻付生卵の処理（殻付生卵をパック
や箱に詰めて出荷する前の処理）を効率よく行うことが
できる。

【００１１】ところで、本発明による洗卵装置（請求項
４に係る発明）は、電解アルカリ性水と電解酸性水を使
用して殻付生卵を洗浄殺菌処理するものであり、薬剤は
使用されていない。したがって、ランニングコストが低
いことは勿論のこと、卵の調理時に調理人の手や他の食
材（殻付生卵に直接接触していた食材）を介して調理食
品に薬剤が混入するおそれはない。また、一次浸漬処理
にて使用する電解アルカリ性水は、界面活性機能があっ
て卵殻表面に付着している汚物（糞や泥や藁等）等を的
確に剥離・離脱させるため、殻付生卵の表面に付着して
いる汚れを的確に洗浄除去することができる。また、洗
浄ブラシによるブラッシング処理は、浸漬処理により不
完全に剥離した汚物等を機械的な洗浄除去作用によって
確実に除去することができ、電解アルカリ性水への一次
浸漬処理との相乗効果により卵殻表面の洗浄が効果的に
なされる。また、二次浸漬処理にて使用する電解酸性水
は、次亜塩素酸を含んでいて殺菌機能を有しているた
め、汚れを洗浄除去された卵殻表面を的確に洗浄殺菌す
ることができる。また、水切り手段による水切り処理
は、乾燥手段による乾燥処理との連係により短時間に効
率よく殻付生卵を乾燥させることができ、処理後の殻付
生卵でのカビ、酵母、細菌等の卵殻汚染菌の付着・繁殖
を抑制することができる。また、本発明における電解酸
性水は、二次浸漬水槽に収容されていて、シャワーリン
グされる電解酸性水に比して次亜塩素酸の散逸が少ない
ため、シャワーリングに比して効率よく殺菌処理するこ
とができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施形態を図
面に基づいて説明する。図１は本発明による洗卵装置の
一実施形態を概略的に示していて、同装置は浸漬水槽１
０と一次シャワー・ブラシ装置２０と二次シャワー・ブ
ラシ装置３０と水切り乾燥装置４０と温風乾燥装置５０
と紫外線照射装置６０と搬送装置７０等を備えるととも
に、作業終了時に一次シャワー・ブラシ装置２０、二次
シャワー・ブラシ装置３０、水切り乾燥装置４０等での
金属腐食、樹脂劣化等を防止するために水道水をシャワ
ーリングするためのシャワー装置８０を備えている。

【００１３】浸漬水槽１０は、殻付生卵Ａを収容可能で
電解アルカリ性水を所要量収容する水槽本体１１と、こ
の水槽本体１１内の電解アルカリ性水を所定の温度に温
めるためのヒータ１２を備えている。なお、水槽本体１
１には、殻付生卵Ａの搬出側に流入口（図示省略）が設
けられるとともに搬入側に流出口（図示省略）が設けら
れていて、水槽本体１１内には有隔膜電解槽を備えて電
解アルカリ性水と電解酸性水を生成する電解水生成装置
（図示省略）から電解アルカリ性水が順次供給されるよ
うになっている。

【００１４】一次シャワー・ブラシ装置２０は、図１及
び図２に示したように、浸漬水槽１０にて浸漬処理した
殻付生卵Ａをブラッシングするための上下一対の洗浄ブ
ラシ２１（図示省略の駆動装置によって回転駆動され
る）と、これら洗浄ブラシ２１の上方に配置されて洗浄
ブラシ２１及び殻付生卵Ａに電解アルカリ性水（電解水
生成装置から供給される）をシャワーリングするための
シャワーノズル２２と、先端に落下防止のストッパ（上
方への折り曲げ部）を有して両洗浄ブラシ２１間にて殻
付生卵Ａを保持する多数の保持バー２３を備えている。

【００１５】二次シャワー・ブラシ装置３０は、図１及
び図３に示したように、一次シャワー・ブラシ装置２０
にてブラッシング及びシャワーリングした殻付生卵Ａを
更にブラッシングするための上下一対の洗浄ブラシ３１
（図示省略の駆動装置によって回転駆動される）と、こ
れら洗浄ブラシ３１の上方に配置されて洗浄ブラシ３１
及び殻付生卵Ａに電解酸性水（電解水生成装置から供給
される）をシャワーリングするためのシャワーノズル３
２と、先端に落下防止のストッパ（上方への折り曲げ
部）を有して両洗浄ブラシ３１間にて殻付生卵Ａを保持
する多数の保持バー３３を備えている。

【００１６】水切り乾燥装置４０は、図１及び図４に示
したように、二次シャワー・ブラシ装置３０にてブラッ
シング及びシャワーリングした殻付生卵Ａを水切りする
ための上下一対の水切りブラシ４１（図示省略の駆動装
置によって回転駆動される）と、これら水切りブラシ４
１の下方に配置されて水切りブラシ４１及び殻付生卵Ａ
に温風を送るためのヒータ４２及びブロー４３と、先端
に落下防止のストッパ（上方への折り曲げ部）を有して
両水切りブラシ４１間にて殻付生卵Ａを保持する多数の
保持バー４４を備えている。

【００１７】温風乾燥装置５０は、水切り乾燥装置４０
にて水切り処理した殻付生卵Ａに上方から温風を吹き付
けて乾燥させるブロー５１を備えている。紫外線照射装
置６０は、温風乾燥装置５０にて温風乾燥処理した殻付
生卵Ａに上方から紫外線を照射させるための紫外線灯６
１を備えている。

【００１８】搬送装置７０は、殻付生卵Ａを浸漬水槽１
０から一次シャワー・ブラシ装置２０、二次シャワー・
ブラシ装置３０、水切り乾燥装置４０、温風乾燥装置５
０、紫外線照射装置６０へと順次搬送するためのもので
あり、駆動装置（図示省略）によって駆動される無端搬
送チェーン（ベルトでも実施可能）７１と、この無端搬
送チェーン７１に所定の間隔にて一体的に取付けられて
殻付生卵Ａを押動する押動板７２と、無端搬送チェーン
７１をガイドするチェーンガイド７３と、殻付生卵Ａを
ガイドするガイド板７４を備えている。

【００１９】上記のように構成した本実施形態において
は、殻付生卵Ａが搬送装置７０によって浸漬水槽１０か
ら一次シャワー・ブラシ装置２０、二次シャワー・ブラ
シ装置３０、水切り乾燥装置４０、温風乾燥装置５０、
紫外線照射装置６０へと順次搬送されて、浸漬水槽１０
にて電解アルカリ性水に殻付生卵Ａが浸漬され、一次シ
ャワー・ブラシ装置２０の洗浄ブラシ２１にて殻付生卵
Ａがブラッシングされると同時に、シャワーノズル２２
から噴射される電解アルカリ性水が殻付生卵Ａにシャワ
ーリングされ、二次シャワー・ブラシ装置３０の洗浄ブ
ラシ３１にて殻付生卵Ａがブラッシングされると同時
に、シャワーノズル３２から噴射される電解酸性水が殻
付生卵Ａにシャワーリングされ、水切り乾燥装置４０に
て殻付生卵Ａが水切り乾燥され、温風乾燥装置５０にて
殻付生卵Ａが温風乾燥され、紫外線照射装置６０にて殻
付生卵Ａが紫外線照射されるため、殻付生卵Ａの洗浄殺
菌処理（浸漬処理、ブラッシング処理、シャワーリング
処理）と水切り乾燥処理と温風乾燥処理と紫外線照射殺
菌乾燥処理が連続的に行われて、殻付生卵Ａの処理（殻
付生卵Ａをパックや箱に詰めて出荷する前の処理）を効
率よく行うことができる。

【００２０】ところで、本実施形態の洗卵装置は、電解
アルカリ性水と電解酸性水を使用して殻付生卵Ａを洗浄
殺菌処理するものであり、薬剤は使用されていない。し
たがって、ランニングコストが低いことは勿論のこと、
卵の調理時に調理人の手や他の食材（殻付生卵Ａに直接
接触していた食材）を介して調理食品に薬剤が混入する
おそれはない。また、浸漬処理にて使用する電解アルカ
リ性水は、界面活性機能があって卵殻表面に付着してい
る汚物（糞や泥や藁等）等を的確に剥離・離脱させるた
め、殻付生卵Ａの表面に付着している汚れを的確に洗浄
除去することができる。また、洗浄ブラシ２１，３１に
よるブラッシング処理は、浸漬処理により不完全に剥離
した汚物等を機械的な洗浄除去作用によって確実に除去
することができ、電解アルカリ性水への浸漬処理及び電
解アルカリ性水のシャワーリング処理との相乗効果によ
り卵殻表面の洗浄が効果的になされる。また、二次シャ
ワー・ブラシ装置３０でのシャワーリング処理にて使用
する電解酸性水は、次亜塩素酸を含んでいて殺菌機能を
有しているため、汚れを洗浄除去された卵殻表面を的確
に洗浄殺菌することができる。また、水切り乾燥装置４
０による水切り処理は、温風乾燥装置５０による乾燥処
理との連係により短時間に効率よく殻付生卵Ａを乾燥さ
せることができ、処理後の殻付生卵Ａでのカビ、酵母、
細菌等の卵殻汚染菌の付着・繁殖を抑制することができ
る。

【００２１】上記実施形態においては、浸漬水槽１０と
二次シャワー・ブラシ装置３０間に一次シャワー・ブラ
シ装置２０を設けて、一次シャワー・ブラシ装置２０に
て殻付生卵Ａが電解アルカリ性水をシャワーリングされ
るようにしたが、一次シャワー・ブラシ装置２０にても
二次シャワー・ブラシ装置３０と同様に殻付生卵Ａが電
解酸性水をシャワーリングされるように構成する、或い
は一次シャワー・ブラシ装置２０にて殻付生卵Ａが電解
酸性水をシャワーリングされるように構成するととも
に、二次シャワー・ブラシ装置３０の配設位置にて殻付
生卵Ａがブラシ装置（図示省略）にて水切りされるよう
に構成して本発明を実施することも可能である。後者の
変形実施形態においては、殻付生卵Ａの水切り乾燥を十
分に行うことが可能であるため、温風乾燥装置５０を無
くして実施することも可能である。また、殻付生卵Ａが
電解酸性水をシャワーリングされることにより、殻付生
卵Ａの卵殻表面が十分に洗浄殺菌される場合には、紫外
線照射装置６０を無くして実施することも可能である。

【００２２】図５は本発明による洗卵装置の他の実施形
態を概略的に示していて、同装置は上記実施形態の二次
シャワー・ブラシ装置３０に代えて二次浸漬水槽９０を
備えていることを除いて、上記実施形態の洗卵装置と実
質的に同じ構成となっているため、二次浸漬水槽９０を
除いた構成については上記実施形態と同一符号を付して
説明は省略する。なお、この実施形態においては、二次
浸漬水槽９０が採用されることにより浸漬水槽１０が一
次浸漬水槽となる。

【００２３】二次浸漬水槽９０は、一次シャワー・ブラ
シ装置２０にて処理された殻付生卵Ａを収容可能で電解
酸性水を所要量収容する水槽本体９１を備えている。な
お、水槽本体９１には、殻付生卵Ａの搬出側に流入口
（図示省略）が設けられるとともに搬入側に流出口（図
示省略）が設けられていて、水槽本体９１内には有隔膜
電解槽を備えて電解アルカリ性水と電解酸性水を生成す
る電解水生成装置（図示省略）から電解酸性水が順次供
給されるようになっている。

【００２４】上記のように構成した本実施形態において
は、殻付生卵Ａが搬送装置７０によって一次浸漬水槽１
０からシャワー・ブラシ装置２０、二次浸漬水槽９０、
水切り乾燥装置４０、温風乾燥装置５０、紫外線照射装
置６０へと順次搬送されて、一次浸漬水槽１０にて電解
アルカリ性水に殻付生卵Ａが浸漬され、シャワー・ブラ
シ装置２０の洗浄ブラシ２１にて殻付生卵Ａがブラッシ
ングされると同時に、シャワーノズル２２から噴射され
る電解アルカリ性水が殻付生卵Ａにシャワーリングさ
れ、二次浸漬水槽９０にて殻付生卵Ａが電解酸性水に浸
漬され、水切り乾燥装置４０にて殻付生卵Ａが水切り乾
燥され、温風乾燥装置５０にて殻付生卵Ａが温風乾燥さ
れ、紫外線照射装置６０にて殻付生卵Ａが紫外線照射さ
れるため、殻付生卵Ａの洗浄殺菌処理（一次浸漬処理、
ブラッシング処理、シャワーリング処理、二次浸漬処
理）と水切り乾燥処理と温風乾燥処理と紫外線照射殺菌
乾燥処理が連続的に行われて、殻付生卵Ａの処理（殻付
生卵Ａをパックや箱に詰めて出荷する前の処理）を効率
よく行うことができる。

【００２５】ところで、本実施形態の洗卵装置は、電解
アルカリ性水と電解酸性水を使用して殻付生卵Ａを洗浄
殺菌処理するものであり、薬剤は使用されていない。し
たがって、ランニングコストが低いことは勿論のこと、
卵の調理時に調理人の手や他の食材（殻付生卵Ａに直接
接触していた食材）を介して調理食品に薬剤が混入する
おそれはない。また、一次浸漬処理にて使用する電解ア
ルカリ性水は、界面活性機能があって卵殻表面に付着し
ている汚物（糞や泥や藁等）等を的確に剥離・離脱させ
るため、殻付生卵Ａの表面に付着している汚れを的確に
洗浄除去することができる。また、洗浄ブラシ２１によ
るブラッシング処理は、浸漬処理により不完全に剥離し
た汚物等を機械的な洗浄除去作用によって確実に除去す
ることができ、電解アルカリ性水への一次浸漬処理及び
電解アルカリ性水のシャワーリング処理との相乗効果に
より卵殻表面の洗浄が効果的になされる。また、二次浸
漬水槽９０での二次浸漬処理にて使用する電解酸性水
は、次亜塩素酸を含んでいて殺菌機能を有しているた
め、汚れを洗浄除去された卵殻表面を的確に洗浄殺菌す
ることができる。また、水切り乾燥装置４０による水切
り処理は、温風乾燥装置５０による乾燥処理との連係に
より短時間に効率よく殻付生卵Ａを乾燥させることがで
き、処理後の殻付生卵Ａでのカビ、酵母、細菌等の卵殻
汚染菌の付着・繁殖を抑制することができる。また、本
実施形態における電解酸性水は、二次浸漬水槽９０に収
容されていて、図１〜図４に示した上記実施形態の二次
シャワー・ブラシ装置３０にてシャワーリングされる電
解酸性水に比して次亜塩素酸の散逸が少ないため、効率
よく殺菌処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による洗卵装置の一実施形態を概略的
に示す全体構成図である。

【図２】 図１に示した一次シャワー・ブラシ装置の拡
大図である。

【図３】 図１に示した二次シャワー・ブラシ装置の拡
大図である。

【図４】 図１に示した水切り乾燥装置の拡大図であ
る。

【図５】 本発明による洗卵装置の他の実施形態を概略
的に示す全体構成図である。

【符号の説明】

Ａ…殻付生卵、１０…浸漬水槽、２０…一次シャワー・
ブラシ装置、２１…洗浄ブラシ、２２…シャワーノズ
ル、３０…二次シャワー・ブラシ装置、３１…洗浄ブラ
シ、３２…シャワーノズル、４０…水切り乾燥装置、４
１…水切りブラシ、５０…温風乾燥装置、６０…紫外線
照射装置、７０…搬送装置、８０…シャワー装置、９０
…二次浸漬水槽。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 殻付生卵を一次洗浄と二次洗浄にて洗浄
   する洗卵方法であって、前記一次洗浄の洗浄水として電
   解アルカリ性水を使用し、前記二次洗浄の洗浄水として
   電解酸性水を使用したことを特徴とする洗卵方法。
2. 【請求項２】 前記一次洗浄及び二次洗浄の少なくとも
   一方にブラシ洗浄を加えたことを特徴とする請求項１記
   載の洗卵方法。
3. 【請求項３】 殻付生卵を収容可能で電解アルカリ性水
   を所要量収容する浸漬水槽と、この浸漬水槽にて浸漬処
   理した殻付生卵をブラッシングするための洗浄ブラシ
   と、この洗浄ブラシにてブラッシングした殻付生卵に電
   解酸性水をシャワーリングするためのシャワー手段と、
   このシャワー手段にてシャワーリングした殻付生卵を水
   切りするための水切り手段と、この水切り手段にて水切
   り処理した殻付生卵を乾燥させる乾燥手段と、殻付生卵
   を前記浸漬水槽から前記洗浄ブラシ、前記シャワー手
   段、前記水切り手段及び前記乾燥手段へと順次搬送する
   搬送手段を備えた洗卵装置。
4. 【請求項４】 殻付生卵を収容可能で電解アルカリ性水
   を所要量収容する一次浸漬水槽と、この一次浸漬水槽に
   て浸漬処理した殻付生卵をブラッシングするための洗浄
   ブラシと、この洗浄ブラシにてブラッシングした殻付生
   卵を収容可能で電解酸性水を所要量収容する二次浸漬水
   槽と、この二次浸漬水槽にて浸漬処理した殻付生卵を水
   切りするための水切り手段と、この水切り手段にて水切
   り処理した殻付生卵を乾燥させる乾燥手段と、殻付生卵
   を前記一次浸漬水槽から前記洗浄ブラシ、前記二次浸漬
   水槽、前記水切り手段及び前記乾燥手段へと順次搬送す
   る搬送手段を備えた洗卵装置。