JP4107191B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
請求項2に係る発明は、請求項1の構成に加えて、前記変速機は反力要素を有しており、この反力要素に連結された第1のモータ・ジェネレータと、前記出力要素に連結された第2のモータ・ジェネレータとを有し、この第2のモータ・ジェネレータが前記駆動力の変化を抑制するモータ・ジェネレータであることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記エンジンの回転変動により生じる振動またはこもり音の状態を判断する回転変動判断手段と、この回転変動判断手段の判断結果に基づいて、前記第1の変速モードまたは第2の変速モードのいずれかを選択する第1モード選択手段とを有していることを特徴とするものである。ここで、「振動またはこもり音の状態」とは、振動またはこもり音のうちの少なくとも一方の状態を意味する。
請求項13に係る発明は、請求項2ないし12のいずれかの構成に加えて、前記抑制程度判断手段は、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能であるか否かを判断する手段を含み、前記モード切換制御手段は、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能であると判断された場合は前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えを許可し、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制困難であると判断された場合は前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えを禁止する手段を含むことを特徴とするものである。
請求項14に係る発明は、請求項6の構成に加えて、前記第2モード選択手段は、前記第2の変速モードを選択した場合の燃費よりも、前記第1の変速モードを選択した場合の燃費の方が優れている場合は、前記第2の変速モードから前記第1の変速モードに切り換える条件が成立したと判断し、前記第2の変速モードを選択した場合の燃費の方が、前記第1の変速モードを選択した場合の燃費よりも優れている場合は、前記第2の変速モードから前記第1の変速モードに切り換える条件は不成立であると判断する手段を含むことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる他に、第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能な駆動力の変化程度を、一層確実に判断することが可能となる。
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、エンジンの回転変動に起因する振動またはこもり音の状態を判断し、その判断結果に基づいて、第1の変速モードまたは第2の変速モードを選択することができる。したがって、変速モードの切り換えにともなうドライブトレーンの振動、およびこもり音を抑制できる。
請求項13の発明によれば、請求項1ないし12のいずれかの発明と同様の効果を得ることができる他に、駆動力の変化を第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能であると判断された場合は、第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えが許可され、駆動力の変化を第2のモータ・ジェネレータにより抑制困難であると判断された場合は、第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えが禁止される。
請求項14の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果を得ることができる他に、第2の変速モードを選択した場合の燃費よりも、第1の変速モードを選択した場合の燃費の方が優れている場合は、第2の変速モードから第1の変速モードに切り換える条件が成立したと判断し、第2の変速モードを選択した場合の燃費の方が、第1の変速モードを選択した場合の燃費よりも優れている場合は、第2の変速モードから第1の変速モードに切り換える条件は不成立であると判断する。
この切り換え条件例1においては、エンジン1の運転状態が、動力伝達系統の振動または室内こもり音を生じるような運転状態であるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、「通常モードから固定モードに切り換える条件」が成立したか否かが判断される。例えば、エンジン回転数が所定回転数以下である場合は、エンジン1の燃焼状態が不安定となって、エンジン1の回転変動の程度が所定値以上となり、動力伝達系統の振動および室内こもり音(騒音)が生じる可能性がある。そこで、車速および動力分配装置3の変速比からエンジン回転数を求め、エンジン回転数に基づいて、動力伝達系統の振動または室内こもり音の状態を判断している。そして、エンジン回転数が所定回転数を越えた場合、言い換えれば、動力伝達系統の振動やこもり音が生じない場合は、「通常モードから固定モードに切り換える条件が成立した」と判断する。これに対して、エンジン回転数が所定回転数以下である場合、言い換えれば、動力伝達系統の振動やこもり音が生じる場合は、「通常モードから固定モードに切り換える条件は不成立である」と判断する。
この切り換え条件例2においては、エンジン1の燃費が判断され、その判断結果に基づいて「通常モードから固定モードに切り換える条件が成立したか否か」が判断される。前記燃費は、例えば、エンジン効率およびシステム効率に基づいて判断することが可能である。具体的には、車速およびアクセル開度に基づいて、車両Veで発生するべき要求駆動力および要求パワーを算出するとともに、要求パワーに基づいて、エンジン1および第2のモータ・ジェネレータ9の分担パワーをそれぞれ算出する。そして、エンジン1の分担パワーに基づいてエンジン効率を判断し、第2のモータ・ジェネレータ9の分担パワーに基づいて、システム効率を判断することが可能である。
この切り換え条件例3においては、車速およびアクセル開度に基づいて、車両Veで発生するべき要求駆動力を算出するとともに、固定モードを選択した場合を想定し、要求駆動力を出力可能かを判断する。ちなみに、固定モードで出力可能な最大駆動力は、通常モードで出力可能な最大駆動力よりも低い。その理由は、固定モードでは、動力分配装置3の変速形態が増速に固定され、通常モードでは、動力分配装置3の変速形態として減速を設定可能であるからである。そして、固定モードにおいて、要求駆動力に対応する動力性能を確保することが可能である場合は、「通常モードから固定モードに切り換える条件が成立した」と判断される。
この処理例1は、エンジントルクを車輪7に伝達して車両Veが走行する場合に実行される。前記固定モードが選択された場合は、エンジントルクにより、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9を共に発電機として起動させることが可能である。そこで、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9および蓄電装置24を含む電気回路において、電力流通量が最小となるように、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9を制御することが、この処理例1に相当する。ここで、電気回路における電気流通量は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9の発電時における動作点、つまり、回転数、回生トルクなどにより制御可能である。
この処理例2は、車両Veの惰力走行時、例えば、減速走行時に実行される。車両Veの惰力走行時には、車両Veの運動エネルギが車輪7を経由して第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9に伝達されるとともに、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9で共に回生発電を実行することが可能である。そこで、第1のモータ・ジェネレータ2または第2のモータ・ジェネレータ9のうち、発電効率が高い方のモータ・ジェネレータで発電を実行する。ここで、発電効率は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9の発電時における動作点、つまり、回転数、回生トルクなどから判断可能である。この処理例2を実行することにより、運動エネルギを電気エネルギに変換して、その電力を蓄電装置24に充電する場合に、電気エネルギの回収効率が向上する。
この処理例3は、車両Veが惰力走行し、かつ、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9で発電をおこなう場合に、電気エネルギの回収効率を可及的に高めるための処理である。具体的には、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9で共に発電をおこなう。第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9で共に発電をおこなう場合としては以下の3つの例が挙げられる。第1の例は、蓄電装置24の残留電力量が所定値以下である場合である。第2の例は、車両Veに対する制動要求が所定値以上である(急減速を必要としている)場合である。第3の例は、第1のモータ・ジェネレータ2および第2のモータ・ジェネレータ9で共に発電をおこなう方が、電気エネルギの回収効率が高くなる場合である。なお、この処理例3は、蓄電装置24の最大充電量以内で回生発電をおこなう。この処理例3を実行することにより、電気エネルギの回収効率が向上し、ひいてはエンジン1の燃費が向上する。
Claims (14)
- エンジンの動力が伝達される変速機を有し、この変速機は入力要素および出力要素を備えており、この変速機の変速モードとして、前記エンジンと前記出力要素との間における変速比を変更不可能な第1の変速モードと、前記変速比を変更可能な第2の変速モードとを、選択的に切換可能であるとともに、前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えにともなう駆動力の変化を抑制するモータ・ジェネレータが設けられており、このモータジェネレータにより駆動力の変化を抑制する際にそのモータ・ジェネレータとの間で電力の授受をおこなう蓄電装置が設けられている車両の制御装置において、
前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えをおこなう条件が成立した場合は、変速モードを切り換える前に、前記駆動力の変化を前記モータ・ジェネレータにより抑制する場合における前記蓄電装置の充電量および放電量の必要値を算出する必要値算出手段と、
前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えをおこなう条件が成立した場合は、変速モードを切り換える前に、前記蓄電装置における充電量および放電量の限界値を判定する限界値判定手段と、
前記必要値が前記限界値未満であるか否かに基づいて、前記モータ・ジェネレータにより抑制可能な駆動力の変化程度を判断する抑制程度判断手段と、
この抑制程度判断手段の判断結果に基づいて、前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えを許可または禁止するモード切換制御手段と
を有していることを特徴とする車両の制御装置。 - 前記変速機は反力要素を有しており、この反力要素に連結された第1のモータ・ジェネレータと、前記出力要素に連結された第2のモータ・ジェネレータとを有し、この第2のモータ・ジェネレータが前記駆動力の変化を抑制するモータ・ジェネレータであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記エンジンの回転変動により生じる振動またはこもり音の状態を判断する回転変動判断手段と、
この回転変動判断手段の判断結果に基づいて、前記第1の変速モードまたは第2の変速モードのいずれかを選択する第1モード選択手段と
を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記回転変動判断手段は、前記エンジンの回転数に基づいて、前記振動またはこもり音の状態を判断する機能を、更に有していることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
- 前記回転変動判断手段は、前記エンジンの回転数が所定回転数以下である場合に、前記振動またはこもり音が増加すると判断する機能を更に有しており、前記モード選択手段は、前記振動またはこもり音が増加する場合に、前記第2の変速モードを選択する機能を更に有していることを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
- 前記エンジンにおける燃料消費量を、車両の運転状態に基づき、かつ、前記第1の変速モードと第2の変速モードとで区別して判断する燃料消費量判断手段と、
この燃料消費量判断手段の判断結果に基づいて、前記第1の変速モードまたは前記第2の変速モードを選択する第2モード選択手段と
を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記反力要素は、第1の反力要素および第2の反力要素を備えており、前記第2の反力要素に前記第1のモータ・ジェネレータが連結され、
前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えにともない、前記エンジンから入力されたトルクを、前記第1の反力要素または第2の反力要素のいずれか一方で受け止めさせる第1切換機構が設けられていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記反力要素が第1の反力要素および第2の反力要素を備えており、前記第2の反力要素に前記第1のモータ・ジェネレータが連結され、前記第1の変速モードが選択された場合は、前記エンジンから入力されたトルクを前記第1の反力要素により受け止めさせる一方、前記第2の変速モードが選択された場合は、前記エンジンから入力されたトルクを前記第2の反力要素で受け止めさせる第2切換機構を有するとともに、
前記第1のモータ・ジェネレータの機能が低下する場合は、前記第1の変速モードを選択する第3モード選択手段を有していることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記第3モード選択手段は、温度に関連する物理量に基づいて、前記第1のモータ・ジェネレータの機能を判断することを特徴とする請求項8に記載の車両の制御装置。
- 前記第1の変速モードが選択された場合は、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方の効率が高くなるように、前記第1のモータ・ジェネレータまたは第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方を制御する効率制御手段を備えていることを特徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 車両における要求駆動力に基づいて、前記第1のモータ・ジェネレータまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方を制御するモータ制御手段を備えていることを特徴とする請求項2ないし10のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 前記モータ制御手段は、前記第1の変速モードが選択され、かつ、車両における要求駆動力が所定値以上である場合に、前記第1のモータ・ジェネレータまたは前記第2のモータ・ジェネレータの少なくとも一方のトルクを増加する機能を、更に有していることを特徴とする請求項11に記載の車両の制御装置。
- 前記抑制程度判断手段は、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能であるか否かを判断する手段を含み、
前記モード切換制御手段は、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制可能であると判断された場合は前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えを許可し、前記駆動力の変化を前記第2のモータ・ジェネレータにより抑制困難であると判断された場合は前記第1の変速モードと第2の変速モードとの切り換えを禁止する手段を含むことを特徴とする請求項2ないし12のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記第2モード選択手段は、前記第2の変速モードを選択した場合の燃費よりも、前記第1の変速モードを選択した場合の燃費の方が優れている場合は、前記第2の変速モードから前記第1の変速モードに切り換える条件が成立したと判断し、前記第2の変速モードを選択した場合の燃費の方が、前記第1の変速モードを選択した場合の燃費よりも優れている場合は、前記第2の変速モードから前記第1の変速モードに切り換える条件は不成立であると判断する手段を含むことを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
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