JP4106947B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクや光ディスク等の情報記録媒体を使用した情報記録再生装置、特に情報を高い密度で記録し、それを再生することができる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク等の情報記録媒体を用いた情報記録再生装置(以下、ディスク装置とも呼ぶ)の技術的進歩は著しく、従来のコンピュータ用だけでなく多くの分野で用途が拡大している。特に、近年の携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等に代表される携帯機器や、デジタルカメラの普及は目覚しく、このような機器に大容量で高速アクセス可能なディスク装置の搭載が要求されている。
【0003】
従来のこの種の情報記録再生装置では、周知のように、スピンドル機構のディスクドライブ装置を備え、磁気ディスクまたは光ディスクといったディスク状記録媒体(以下単に記録媒体という)をその回転台に取付け、所定の回転速度で回転させて、ヘッド装置で磁気的にあるいは光学的に、または磁気・光学的に記録媒体に情報を書き込み、あるいはそれから読み出す構成としている。その要部の構造の一例を図20に示す。
【0004】
装置の上方から見た平面図である図20(a)および、そのPOO´P´部断面図である図20(b)に示すように、情報記録再生装置801の筐体ケース818には記録媒体802を回転させるスピンドルモータと磁気ヘッドアクチュエータ817が固定され、カバー819で情報記録再生装置801の筐体内を密閉して、外部からのごみの侵入や空気流の乱れが生じるのを防止している。磁気ヘッドアーム816は、その他端がアーム軸受け部に回転自在に軸支されており、磁気ヘッドアクチュエータ817の作動により、磁気ヘッドスライダ815を取付けた磁気ヘッドアーム816が揺動して、磁気ヘッドスライダ815を記録媒体802上の所定のトラック位置に位置決めする。記録媒体802への情報の記録あるいはそれからの情報の再生は、磁気ヘッドスライダ815に搭載した磁気ヘッド(図示せず)、または光を集光する対物レンズ等を備えた光ピックアップ(図示せず)を用いて周知の方法にて行われる。
【0005】
ドライブ用モータとしては、上記のようなインナーロータ型モータだけでなく、環状のロータヨークと複数極に着磁された環状の回転磁石が記録媒体の外周側の円周に沿って配置固定されて、かつ、回転磁石に対向してベース部の中心部に固定された軸指示部材に鉄心とコイルで形成されたステータが配置固定されるアウタロータ型モータや、そのほかにもステータが回転する構成等、種々の形態の駆動手段も用いられる。また、軸部の軸受けとしては、動圧流体軸受だけでなく、玉軸受けやメタル軸受け等も用いられる。これらのように、情報記録再生装置のスピンドルモータは回転軸部(スピンドル)に記録媒体基板固定用のハブを設け、このハブ部分の周辺部にロータ(回転子)磁石とステータを設置して薄型化を図っている例が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、各種情報機器が広く使用されるようになって、記録媒体に対してもその記録容量増大の必要性が増してきており、高記録密度化への取り組みが強化されている。それに伴って、記録媒体の回転精度の高度化が必要になってきた。
【0007】
ところが、上述した従来の構造の装置では、ハブ811に回転軸812を取付け、さらにハブ811の外周面に突設された台座部で記録媒体802を保持させるという構造であるため、台座部の記録媒体載置面や記録媒体802の記録面と、回転軸812の軸心とが精度よく直交するよう、ハブ811の台座部を回転軸812に取付けるのがむずかしいだけでなく、ハブ811の台座部や記録媒体802の中心を回転中心に一致させることも困難なことであった。
【0008】
このようなハブ811の台座部の記録媒体載置面や記録媒体802の記録面と回転軸812の軸心とのなす角度のずれによって、記録媒体802を回転させたとき、その記録面が若干の傾きをもって回転するため、記録媒体802の記録面の位置が変動する、いわゆる面振れという現象が生じる。また、ハブ811の台座部や記録媒体802の中心の回転中心からの位置ずれによって、記録媒体802を回転させたときに、その面と平行な方向の位置変動、すなわち軸心振れが生じる。
【0009】
実際の使用時には、これらの面振れと軸心振れとが重畳された形で現れることから、これらの変動を考慮した裕度をもって記録媒体802の記録密度を決めなければならず、そのため記録密度を高めることには限度があった。
【0010】
回転中の記録媒体802の面振れと軸心振れとを抑制するには、上述した構成部材の加工精度や組立精度を高めることが考えられるものの、それには装置がコスト高となることが避けられず、実際的でない。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決し、回転時の記録媒体の面振れとその軸心振れを大幅に軽減して、記録密度を向上させるとともに、装置の薄型化を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の情報記録再生装置は、次の構造を有する。すなわち、本発明の情報記録再生装置は、主面上に情報記録層を有するディスク部と、回転軸部とを備え、ディスク部と回転軸部とを、ディスク部の主面とは反対側の面に、中心軸がディスク部の回転中心において主面と直交するよう一体化したロータ構体と、ディスク部の回転軸部を回転自在に保持する軸受部と、ロータヨークに固着された回転磁石、および回転磁石に対向させて配置されたステータと、回転軸部の中心軸を回転中心軸としてディスク部を回転駆動するためのモータとを備えた構成とともに、ロータ構体の回転軸部を円柱形状または円筒形状となし、ディスク部および回転軸部が、ガラス、樹脂材料のうちのいずれかの材料をプレス成型で一体成形されてなる構成、ディスク部の回転軸部がある面とは反対側にあって、主面上の中央部表面が数μm程度の浅い皿状の凹面を形成している構成、ディスク部中央部が非記録再生領域である構成、回転軸部の直径が軸長よりも大きい構成をも有している。さらに軸受部は、円柱形状をした回転軸部の外周面、および外周面に対向する軸受スリーブ内周面とからなるラジアル軸受部と、円柱形状をした回転軸部のスラスト面としての端面、および端面に対向するスラスト支持板とからなるスラスト軸受部とから構成されるか、または、円筒形状をした回転軸部の内周面、および内周面に対向する円柱状支軸の外周面とからなるラジアル軸受部と、円筒形状をした回転軸部のスラスト面としての端面、円柱状支軸のスラスト面としての端面、およびそれぞれの端面と対向する面とからなるスラスト軸受部とから構成される。またラジアル軸受部は、ロータ構体の円柱形状をした回転軸部の外周面、および外周面に対向する軸受スリーブ内周面のいずれか一方に動圧発生部を有するか、または、ロータ構体の円筒形状をした回転軸部の内周面、および内周面に対向する円柱状支軸の外周面のいずれか一方に動圧発生部を有している。そしてスラスト軸受部は、円柱形状をした回転軸部のスラスト面としての端面、および端面に対向するスラスト支持板の面のいずれか一方に動圧発生部を有するか、または、円筒形状をした回転軸部のスラスト面としての端面、円柱状支軸のスラスト面としての端面、およびそれぞれの端面と対向する面のうちのいずれかの面に動圧発生部を有している。
【0013】
これらの構成によって、回転中心に対する、ディスク部上の情報記録媒体面との直角度は、非常に高い精度で実現することが可能となり、その直角度不良に起因する面振れを大きく低減することができ、情報記録媒体の記録密度を高めることができる。また、ロータ構体の回転中心と情報記録媒体の回転中心とが同じであることから、情報記録媒体の径方向の振れも実質的になくなり、ディスク部の情報信号記録面上にあらかじめ転写されたサーボ信号の回転中心とディスク部の実動作中の回転中心との位置ずれも小さく抑えられることになり、高記録密度の実現を図ることができる。そして、従来の装置におけるようなディスク駆動用モータの回転台のフランジ部にディスクをクランプするための部材や回転台を、本発明の装置においては必要としないことから、部材点数の削減、それによる低コスト化、さらには薄型化を容易に実現することができる。さらに、回転軸部下側にある部分に数μm程度の非常に浅い凹部が形成されているので、この凹部がロータ構体の組立工程において位置合わせや回転中心の軸出しに利用することが可能で、精度向上に寄与することとなる。
【0014】
また、本発明の情報記録再生装置は、ロータ構体の回転軸部がディスク部と接合される端面側の外周に円環状の段差部を有し、中央部に段差部と嵌合可能な円孔が穿たれたヨーク保持板が回転軸部の段差部とヨーク保持板の円孔の端部とで固着された構成を有している。この本発明の構成によって、ディスク部の記録媒体を形成した領域にロータヨークを固着して生ずる膨張・収縮による歪み等の悪影響を抑えることができることに加えて、記録密度の向上につながることから、ディスク部の面振れの抑制を非常に効果的に行うことができ、信頼性の高い情報記録再生装置を実現できることとなる。
【0016】
また、本発明の情報記録再生装置において、ディスク部の情報記録媒体が形成された主面とは反対面側の外周部あるいは内周部のうち少なくともいずれか一方に、円環状のリブ部が形成され、もしくは、円環状のリブ部に加えてまたは単独で、放射状に複数個の放射状リブ部が形成されたロータ構体を使用することもできる。この構成によれば、ディスク部の外周部あるいは内周部に円環状リブ部を設けたり、径方向に複数の放射状リブ部を設けたりすることによって、ディスク部の反り、すなわち情報記録媒体面のうねりを抑制することができるとともに、共振周波数を高められるので、ロータ構体を滑らかに回転させることができることから、高記録密度に好適な情報記録再生装置を容易に実現することができる。
【0017】
また、本発明の情報記録再生装置は、ロータ構体の回転中心となるディスク部の主面側の中心に対向して情報記録装置装置を収納する筐体ケースの蓋部とディスク部の主面側の中心との間にロータ構体の抜け止め部材を配置した構成を有している。この構成によって、ロ―夕の移動が抑えられ、回転時のディスク部の面振れとその軸心振れを大幅に軽減して、記録密度を向上させることができ、ロ―夕の移動量が小さくなれば、外部振動や衝撃によるディスク部とヘッドアッセンブリの衝突による情報記録層の破壊を避けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の情報記録再生装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1(a)および図1(b)は本発明の第1の実施の形態の構造を示す図で、図1(a)は可動部分を除いて示した平面図、図1(b)は図1(a)のX−X線に沿った断面図である。
【0020】
図1に示すように、ディスク部2と回転円柱部3とからなる回転ディスク(これはモータのロータを構成するので、以下ではロータ構体1とも呼ぶ)は、例えばガラス、液晶ポリマーあるいはPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性材料を一体成形することで作製されたものである。熱可塑性材料の場合、プレス成型で作製することもできるし、溶融させて鋳込み成型して作製することもできる。ガラス材料としては、一般的なソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、あるいはボロシリケートガラス等を用いることができ、特に制約はない。さらに、表面強化のために化学強化や風冷強化を行ってもよい。
【0021】
そして、回転円柱部3がディスク部2の一方の主面側の中央部に一体化されており、回転円柱部3の中心軸が、ロータ構体1の回転中心軸4上にあり、さらに、ディスク部2の他方の主面5と直交するよう、ロータ構体1が構成されている。
【0022】
ディスク部2の他方の主面5には、その上に情報記録媒体層(以下情報記録層とも呼ぶ)6が一体に形成されており、この情報記録層6には情報を記録するための複数個のトラックが同心円状に形成されている。この情報記録層6は、磁性材料あるいは光磁気材料などを例えば真空蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成技術を用いて所定の厚さに形成されている。
【0023】
【表1】
Figure 0004106947
【0024】
表1に本発明の実施の形態で例として示したロータ構体1のディスク部2の半径A、回転軸部である回転円柱部3の半径B、ディスク中央部におけるディスク厚さC、軸部の軸長Lそれぞれの実測数値を試料1,試料2,試料3として示した。ロータ構体の高さHはディスク厚さCと軸長Lを加算して得られる。表1から、軸径(2×B)は軸長Lよりも大きい関係にあることを示している。
【0025】
図1(a)に示したディスク部2の情報記録層6を形成した側の表面はマクロ的な見方では平坦な面になっている。しかし、ミクロに見てみると、実際は平坦な表面ではなく、図2に回転中心軸4の近傍を拡大した断面図に示すように、下側に回転円柱部3がある部分が数μm程度の深さで窪んだ凹部201となっている。このような微小な深さの凹部201が形成されるのは、回転中心軸4の軸方向には、ディスク部2は対称ではなく、回転円柱部3とディスク部2を一体に形成するときに、熱伝導の不均一性が生じ、ディスク部2の下側に回転円柱部3がある部分が収縮変形をおこすためである。本発明の一体化したディスク部2の他方の主面5は下側に回転円柱部3がある部分に円形の非常に浅い凹部201が形成されるのである。したがってこの領域は情報を記録再生機能に使用するよりも、情報記録再生装置のヘッド部の退避領域となるランプ部等に適応させるのが好ましい。
【0026】
ベース部7の中央部には、環状の軸受スリーブ8が取付けられており、その一端がスラスト支持板9によって封止されている。軸受スリーブ8には、ロータ構体1の回転円柱部3が回転自在に挿着されている。そして、図3の部分拡大図で示すように、軸受スリーブ8やスラスト支持板9と回転円柱部3との間の微小な間隙部には、例えばエステル系合成油のような動圧潤滑剤10が封入されている。
【0027】
さらに、ディスク部2の回転円柱部3側には、中央部分をその周辺部分よりも肉厚とすることで形成した円形の段差部が設けられており、この段差部分にて環状のロータヨーク11が固着されている。なお、この段差部分の中心は回転中心軸4上に位置する。
【0028】
ロータヨーク11には、図1(a),(b)に示すように、複数極に着磁された環状の回転磁石12が接着等の方法によって固着されている。この例では、回転磁石12はN極とS極とが交互に計12極となるよう着磁されている。
【0029】
べース部7には、環状の連結部13から中心方向へ延出した鉄心14にコイル15を巻装したステータ16が圧入等の方法により固着一体化されている。この例では、鉄心14を9個備え、それらが回転磁石12と所定間隙をおいて対向するように等間隔に配置されている。また、ベース部7の、ディスク部2側の面には、環状のスラスト吸引板17が回転磁石12のべース部7側端面に対向するように固着されている。
【0030】
回転円柱部3の端面である、スラスト支持板9と対向するスラスト面18、および、回転円柱部3の外周面と対向する軸受スリーブ8の内周面には、それぞれ動圧発生部が形成されており、コイル15に給電してロータ構体1を回転させると、動圧発生部が形成された回転円柱部3の回転によって、動圧潤滑剤10に動庄が発生し、回転円柱部3においてラジアル方向とスラスト方向の動圧を受けて、回転円柱部3が滑らかに回転する。
【0031】
ここで、回転円柱部3のスラスト面18に形成される動圧発生部について、図4,図5および図6を用いて説明する。図4は、回転円柱部3の、スラスト支持板9に対向するスラスト面18に形成した動圧発生部の形状を示す平面図であり、図5は図4のY−Y線に沿った回転円柱部3の部分断面図である。
【0032】
回転円柱部3のスラスト面18上に、一端が共通で、一方が回転中心軸4に近づくような一方のスパイラル状部19を、他方が外周方向に向かうスパイラル状部20をなす形状の複数の突条部21が設けられている。この突条部21の長さ方向と直交する断面の形状は三角形状であって、これらで動圧発生部が構成されている。
【0033】
突条部21の回転中心軸4側の傾斜面22およびそれとは反対側の傾斜面23と、回転円柱部3のスラスト面18とのなす傾斜角をそれぞれθ1、θ2としたとき、
θ1≦tan-1(2L/D) (1)
θ2≦tan-2(2L/D) (2)
の関係を満足するように設定されている。ここで、Lは、回転円柱部3の長さであり、Dは回転円柱部3の直径である。
【0034】
動圧発生部はロータ構体1の成形時に形成することができる。この方法によれば、金型からの離型時に、三角形の断面形状を損傷させることなく突条部21を形成することができる。
【0035】
この例では、突条部21のスパイラル状部19,20の断面形状を三角形としたが、それに代えて図6に示すように、それぞれの頂部を切除した台形状としてもよい。それらの二つの傾斜面22,23のそれぞれがスラスト面18に対してなす傾斜角θ1,θ2は、いずれも上述の(1),(2)式で表わされる関係を持つ。
【0036】
このような、図6に示した断面が台形状の突条を形成する方法としては、ロータ構体1の成形時に一体成形して形成することもできるが、図5に示した断面三角形状の頂角部分を研削するなどして形成してもよい。
【0037】
突条部21のスパイラル状部19,20の断面の形状を台形状とするための加工をすることで、突条部21のスパイラル状部19,20の高さを、断面形状が三角形である場合よりも一定化することができる。
【0038】
回転磁石12の下端面に対向するようスラスト吸引板17を設けたことと、軸受スリ―ブ8およびスラスト支持板9によって形成される凹部とロータ構体1の回転円柱部3との間に形成された隙間に、動圧潤滑剤10を充填することによって、この構造の装置をいかなる姿勢で使用しても、回転ディスク1の回転円柱部3が、回転磁石12とスラスト吸引板17との間の磁力、および、回転ディスク1の周囲の大気圧を受けるので、軸受スリーブ8とスラスト支持板9とで形成される凹部から抜け出るようなおそれが実質的になくなり、また、動圧潤滑剤10自体がその粘性や表面張力で流れ出てしまって、動圧潤滑剤10がなくなるというようなこともない。したがって、この例の装置をどのような姿勢で使用しても、ロータ構体1をべース部7に対して実質的に一定した位置関係を保持して滑らかに回転させることができる。
【0039】
また、本実施の形態を一部変形した他の例について、図7の断面図を用いて説明する。図7に示した形態において、図1に示した形態と対応する構成要素に同じ符号を付している。
【0040】
図7(a)に示すように、この形態例が、上述の第1の実施の形態ともっとも異なるところは、ディスク部2の、情報記録層6を形成した主面5とは反対側に、ディスク部2と同じ材料あるいはそれとは異種の熱可塑性材料を用いて形成された中実円柱状の回転円柱部71をインサート成形等の方法で一体化してロータ構体1を構成した点である。
【0041】
さらには、図7(b)に示すように、ディスク部2および回転円柱部72の材料を、ともに同じ熱可塑性材料で構成するか、またはそれらのいずれか一方を熱可塑性材料とし、他方をそれとは異なる他の材料を用いて構成して、それらを接着等の方法によって一体化して回転ディスク1を構成してもよい。あるいは、少なくともいずれか一方を熱可塑性材料とすることによって、ディスク部2と回転円柱部72とは、超音波接着あるいはレーザ等による熱融着といった接合方法で一体化してもよい。
【0042】
また、図7(c)に示すように、ディスク部2と回転円柱部73との間に熱可塑性材料を用いた接合部材74を挟みこんで熱融着することによって一体化して、ロータ構体1を構成してもよい。なお、接合部材74として用いられる熱可塑性材料は、そのガラス転移温度が200℃を超えない材料であることが好ましい。
【0043】
ロータ構体1の回転円柱部71,72,73の外周面あるいはそれらのスラスト支持板9と対向するスラスト面18、またはそれらの両方に動圧発生部を形成して、回転円柱部71,72,73の回転によって動圧潤滑剤10に動圧を発生させて、そのラジアル方向あるいはスラスト方向、またはその両方の方向に動圧を与えることで、それらを滑らかに回転させることができる。
【0044】
ここで、図7(a)から図7(c)において、回転円柱部71,72,73の外周面またはスラスト面18に形成される動圧発生部は、上述の第1の実施の形態で示した動圧発生部と同様の形状である。また、動圧発生部を、回転円柱部71,72,73のいずれかと対向する、軸受スリーブ8側内周面や、そのスラスト面18と対向するスラスト支持板9側に同様の形状で設けても、同様の効果が得られるのはいうまでもないことである。
【0045】
また、上述の実施の形態のそれぞれにおいては、ロータ構体1のディスク部2にロータヨーク11を取付ける方法としては、接着法またはインサート成形による一体成形法等を用いることができる。
【0046】
また、上述した実施の形態においては、コイル15が巻かれた鉄心14の内側(回転中心軸4側)に、ロータヨーク11に固着された回転磁石12を鉄心14に対向させて配置したインナーロータ型の構成にもとづいて説明しているが、図8(a),(b)にそれぞれ示すように、コイル81が巻かれた鉄心82を、ロータヨーク83に取付けた環状の回転磁石84の内側に、それと対向するように配置して構成したアウターロータ型の構成としてもよいのはいうまでもないことである。
【0047】
さらにまた、上述の実施の形態は、ディスク駆動用モー夕として、いわゆるラジアルギャップ型ブラシレスモータとしたときの例で示しているが、アキシャルギャップ型ブラシレスモータの構成としてもよいのはいうまでもないことである。
【0048】
図9はアキシャルギャップ型ブラシレスモータを備えた情報記録再生装置の形態の一例を示す要部断面図である。上述の図1および図2に示した第1の実施の形態における構成要素と対応する要素には、図1および図2における符号と同じ符号を付している。
【0049】
図9に示すように、この実施の形態においては、図1および図2に示した例ともっとも異なるところは、次の構造としたことである。すなわち、ロータ構体1におけるディスク部2の回転円柱部3側の面に、環状のロータヨーク91が接着等により固着されている。このロータヨーク91に複数極に着磁された環状の回転磁石92が同様に接着等の方法により固着されている。さらに、軟磁性材料製の印刷配線基板93の上にほぼ三角形状の複数個のコイル94が配置されてなるステータ95がべース部7に固着され、回転磁石92とコイル94とが、軸方向に所定の間隙を有するように、対向して配置されている。
【0050】
なお、図8および図9に示した例において、ディスク部に回転円柱部を接着法やインサート成形法等によって一体化した構造の回転ディスクを使用した装置においても同じ効果が得られるのはいうまでもないことである。
【0051】
以上のように、駆動用スピンドルモー夕のハブの外周面に突設された台座部にディスク部が結合される場合と比較して、本発明の第1の実施の形態によれば、ディスク部と回転円柱部を一体成形したりあるいは接着法やインサート成形法などで一体化して形成したりすることによって、回転軸部が下側にある部分に浅い凹部が形成されているので、この凹部をロータ構体の組立工程において位置合わせや回転中心の軸出しに利用することが可能であり、しかも非常に浅い凹部であるので、ディスク部上の記録媒体層の面を回転中心軸に対して非常に高い精度で直交させることが可能となり、従来の装置におけるような直角度不良による記録媒体層の記録面の振れをいちじるしく低減することができる。これにより、記録密度を容易に高めることが可能となる。そして、回転中心に対する記録媒体層の中心位置の精度よく合致させることができるので、その径方向の振れも小さく抑えることができ、情報記録媒体層において、同心円状の複数の記録トラックにヘッド素子を正確に追従させるためにあらかじめ転写されたサーボ信号の回転中心とディスク部の実動作中の回転中心との位置ずれもきわめて小さく抑えられることになり、高記録密度の実現を図ることができる。
【0052】
また、回転ディスクをディスク駆動用モータのロー夕部と兼ねているので、従来の装置におけるようなディスク駆動用モータの回転台そのものやそれにフランジ部にディスクをクランプするための部材も不要となり、装置の薄型化が可能となり、また低コスト化を図ることができる。さらにまた、回転円柱部を個別に作製してディスク部と一体になるようにして回転ディスクを形成すれば、動圧発生部が効率的に容易に形成することができ、さらに低コスト化を図ることができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
本発明の情報記録再生装置における第2の実施の形態について、図10を用いて説明する。図10(a)はその主要部の断面図、図10(b)はその部分拡大断面図である。ここで、図10において、前述の第1の実施の形態における構成要素と対応する要素には、図1および図2における符号と同じ符号を付している。
【0054】
図10(a)に示すように、回転中心軸4を有する支軸101がベース部7に取付けられている。回転中心軸4に対して直交する主面5上に情報記録層6が所定の厚さで形成されたディスク部2と、この主面5とは反対側にディスク部2と一体成形で形成された回転円筒部102とで、ロータ構体1が構成されている。このロータ構体1の構成材料としては、上述の例と同じくガラス,液晶ポリマーあるいはPPS等の熱可塑性材料を使用することができる。
【0055】
図10(a)に示したディスク部2の情報記録層6を形成した側の表面は図面上では全く平坦な面になっている。しかし、ミクロに見てみると、実際は平坦な表面ではなく、第1の実施の形態で、図2に回転中心軸4の近傍を拡大した断面図に示して説明したように、下側に回転円筒部102がある部分が数μmの深さで窪んだ凹部となっている。このような微小な凹部が形成されるのは、回転中心軸4の軸方向には、ディスク部2は対称ではなく、回転円筒部102とディスク部2を一体に形成するときに、熱伝導の不均一性が生じ、ディスク部2の下側に回転円筒部102がある部分が収縮変形をおこすことが原因と考えられる。本発明の一体化したディスク部2の主面は下側に回転円筒部102がある部分に円環形の非常に浅い凹部が形成されているのである。したがって第2の実施の形態におけるロータ構体においても、この領域は情報を記録再生機能に使用するよりも、情報記録再生装置のヘッド部の退避領域となるランプ部等に適応させることが好ましい。
【0056】
支軸101が、ディスク部2と回転円筒部102の内周面とで形成された凹部に挿入されて、ロータ構体1を支持する。そして、図10(b)に示すように、ロータ構体1の回転円筒部102の内壁面と支軸101との間には、前述の第1の実施の形態と同様に、動圧潤滑剤10例えばエステル系合成油が封入されている。
【0057】
さらに、ロータ構体1の、回転円筒部102側の面に、ロータヨーク11が固着され、このロータヨーク11には複数極に着磁された環状の回転磁石12が接着等の方法により固着されている。そして、鉄心14にコイル15が巻かれたステータ16が、ベース部7に圧入等の方法により固着され、回転磁石12と鉄心14とが対向するように配置されている。また、べ一ス部7に、回転磁石12の軸方向下端面に対向させてスラスト吸引板17が固着されている。
【0058】
回転円筒部102の内周面に対向する、支軸101の外周面と、支軸101の端面と対向する、回転円筒部102内のディスク部2側端面103には、それぞれ前述の第1の実施の形態における図4,図5,図6に示したのと同様の形状の動圧発生部が形成されている。
【0059】
ロータ構体1を回転させると、これら動圧発生部を設けたことによって回転円筒部102と支軸101との間隙に封入された動圧潤滑剤10に動圧が発生し、回転円筒部102が回転してラジアル方向およびスラスト方向の動圧を受けて、回転ディスク1が滑らかに回転する。
【0060】
動圧発生部を形作る突条の斜面部と動圧発生部形成面とのなす角度についても、前述の第1の実施の形態における(1),(2)式を適用することができる。ただし、この式を適用するとき、Lについては回転円筒部102の軸方向の長さであり、Dについては回転円筒部102の内径である。
【0061】
なお、スラスト方向の動圧を発生させる動圧発生部を、ロータ構体1の回転円筒部102の開口側周端面104に設けてもよいのはいうまでもないことである。この場合には、ロータ構体1の回転円筒部102の外周を取り囲むように、ベース部7に環状の軸受外壁105を設けて、動圧潤滑剤10を保持させる必要があり、軸受外壁105と回転円筒部102との間、ならびに回転円筒部102と支軸101との間の隙間に動圧潤滑剤10を充填することになる。
【0062】
また、回転円筒部102内の端面103に動圧発生部を形成するのに代えて、支軸101の端面に、図4および図5、または図6に示した動圧発生部と同じ形状の動圧発生部を設けてもよいのはいうまでもないことである。
【0063】
回転磁石12の下端面に対向するスラスト吸引板17を設けるとともに、ロータ構体1の回転円筒部102の内周面およびディスク部2によって形成される孔部と、支軸101とで形成される間隙に、動圧潤滑剤10を充填することによって、情報記録再生装置をいかなる姿勢で使用しても回転磁石12とスラスト吸引板17の間の磁力、および、大気圧によって、支軸101からロータ構体1の回転円筒部102が抜けてしまうようなことはなく、また、動圧潤滑剤10の粘性や表面張力で動圧潤滑剤10が流れ出て動圧潤滑剤10がなくなってしまうというようなこともない。このため、ロータ構体1は、発生した動圧潤滑剤10の動圧とロータ構体1の自重、回転磁石12とスラスト吸引板17の間の磁力、ならびに大気圧が釣り合った状態で滑らかに回転する。
【0064】
図11(a),(b)に、本発明の第2の実施の形態の要部を一部変形した例を示す。この例において、図10に示した例における構成要素と対応する要素に同じ符号を付している。
【0065】
図11(a)に示すように、この例においては、ディスク部2の主面5とは反対面側に、ディスク部2と同じかまたは異なる例えば熱可塑性材料製の中空環状の回転円筒部111がインサート成形等の手段により一体に形成されている。他の構成については、上述の図10に示した実施の形態と同じである。
【0066】
なお、回転円筒部111をディスク部2とは異なる部材とすることによって、その内周面に動圧発生部を形成する作業は容易となり、支軸101の外周面に動圧発生部を設けるのに代えて、回転円筒部111の内周面に前述の第1の実施の形態における軸受スリーブ8の内周面に形成される動圧発生部と同様の動圧発生部を形成してもよいのはいうまでもない。
【0067】
図11(b)に示す例は、回転円筒部112を、図11(b)に示すように、その閉塞端113側をディスク部2に埋入させた形にインサート成形法で、ディスク部2と一体化したものである。他の構成については、上述の図10に示した実施の形態と同じである。
【0068】
ディスク部2および回転円筒部111,112の材料を熱可塑性材料としたが、ディスク部2および回転円筒部111,112のうち、少なくともいずれか一方を熱可塑性材料とし、他方は他の異なる組成の材料を用いてもよい。少なくともいずれか一方を熱可塑性材料とすることによって、インサート成形法に代えて、ディスク部2と回転円筒部111,112とを、超音波融着法あるいはレーザ等による熱融着法で接合して一体化することができる。
【0069】
また、ディスク部2と回転円筒部111,112との間に熱可塑性材料からなる接合部材を挟みこんで、熱融着法によって両者を一体化してもよい。なお、接合部材として使用する熱可塑性材料は、そのガラス転移温度が200℃を超えない材料であることが好ましい。
【0070】
また、ロータ構体1のディスク部2にロータヨーク11を固着する方法として、前述の第1の実施の形態と同様に、ディスク部2にロータヨーク11を接着あるいはインサート成形により一体成形する等の方法がある。
【0071】
また、前述の第1の実施の形態と同様に、インナロータ型あるいはアウタロータ型のいずれの構成としても適用でき、また、ラジアルギャップ型あるいはアキシャルギャップ型の構成としても適用できる。
【0072】
以上のように本発明の第2の実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様に、ディスク部と回転円筒部を一体成形あるいは一体になるように形成することによって、情報信号が記録されるディスク部の平面の回転中心に対する直角度は、回転軸部が下側にある部分に浅い凹部が形成されるにもかかわらず、駆動用スピンドルモータのハブの外周面に突設された台座部にディスク部が結合される場合と比較して非常に高い精度で実現することが可能となる。これによって、記録媒体層の面振れを大きく低減することができ、また、その面外振動を抑制することができ、記録密度の向上を図ることができる。そして、回転円筒部を個別に作製してディスク部と一体になるようにしてロータ構体を形成することによって、動圧発生部を効率的に容易に形成することができ、低コスト化を図ることができる。
【0073】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、特に、ロータ構体の形状についての例を示すものであり、以下にその詳細について図面を用いて説明する。
【0074】
図12は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の形状の第1の例について説明するための図であり、図12(a)はロータ構体の断面図、図12(b)はロータ構体の裏面側平面図、図12(c)はこのロータ構体を使用した情報記録再生装置の断面図である。
【0075】
図12(a),(b)に示すように、この例は、図1に示した例におけるロータ構体1の構造を一部変形したものである。すなわち、ロータ構体1におけるディスク部2において、その回転円柱部3側の外周近傍と、回転円柱部3の近傍の内周部分に、径の異なる円環状のリブ部121および同122が同心円状に一体成形されて設けられており、また、円環状のリブ部121,122間には径方向に沿って複数個のリブ部123が放射状に一体成形されて設けられている。
【0076】
そして、放射状のリブ部123上に、図12(c)に示すように、ロータヨーク11が配置され固着されている。
【0077】
図13は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の形状の第2の例について説明するための図であり、図13(a)はロータ構体の断面図、図13(b)はロータ構体の裏面側平面図である。
【0078】
この図13(a),(b)に示した例が、図12に示した例ともっとも異なるところは、回転円柱部71がディスク部2と別体であって、その一端部をディスク部2の裏面側にインサート成形法で一体化したことにある。このロータ構体1を、図7または図12(c)に示した装置におけるロータ構体1に代えて使用して、同様の効果を得ることができる。
【0079】
図14は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の形状の第3の例について説明するための図であり、図14(a)はロータ構体の断面図、図14(b)はロータ構体の裏面側平面図、図14(c)はこのロータ構体を使用した情報記録再生装置の断面図である。
【0080】
この例は、図10に示したロータ構体1の構造に適用したものである。すなわち、ロータ構体1におけるディスク部2の、回転円筒部102側の外周部分と、回転円筒部102の近傍の内周部分とに、互いに径の異なる円環状のリブ部121および同122が同心円状に一体成形されて設けられており、また、円環状のリブ部121,122間には径方向に沿って複数個のリブ部123が放射状に一体成形されて設けられている。
【0081】
そして、放射状のリブ部123上に、図14(c)に示すように、ロータヨーク11が配置され固着される。なお、ロータヨーク11を内周側の円環状のリブ部122と接した状態で配置せずに離間させて放射状のリブ部123上に固着させてもよく、あるいは円環状のリブ部122上に配置し、取付けてもよい。
【0082】
これによって、前述の第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と同様の情報記録再生装置を実現することができる。
【0083】
図15は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の形状の第4の例について説明するための図であり、図15(a)はロータ構体の断面図、図15(b)はロータ構体の裏面側平面図である。
【0084】
この例が、図14に示した例ともっとも異なるところは、回転円筒部111をディスク部2とは別体とし、その一端側をディスク部2にインサート成形法で一体化した構造としたことであり、それ以外の部分の構造は同じである。
【0085】
図16は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の形状の第5の例について説明するための図であり、図16(a)はロータ構体の断面図、図16(b)はロータ構体の裏面側平面図である。
【0086】
この例が、図14に示した例ともっとも異なるところは、回転円筒部112がディスク部2とは別体であって、その一端側が閉塞しており、この閉塞側端部にてディスク部2に一体化した構造としたことであり、それ以外の部分の構造は同じである。
【0087】
また、前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、回転円柱部や回転円筒部を、接着または熱融着等の方法によって、ディスク部と一体化して、ロータ構体を構成してもよいのはいうまでもないことである。
【0088】
また、前述の第1の実施の形態および前述の第2の実施の形態と同様に、モー夕構造をアウタロータ型あるいはアキシャルギャップ型としてもよいのはいうまでもないことである。
【0089】
以上のように本発明の第3の実施の形態によれば、ディスク部2に円環状のリブ部121,122を設け、また、径方向に複数の放射状のリブ部123を設けることによって、ディスク部2の反りや主面5のうねりを抑制することができ、記録媒体層6の面を回転中心軸4に精度よく直交させた状態で回転させることができるとともに、ディスク部2の共振周波数を高め、ロータ構体1の回転を滑らかにすることができるため、高記録密度に好適な情報記録再生装置を実現することができる。
【0090】
(第4の実施の形態)
図17は本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置の構造を示す断面図である。
【0091】
本発明の第4の実施の形態における構成は、前述の本発明の第1から第3の実施の形態において説明した例で示したロータ構体1の構造を一部変形した構成になっている。図17においても、これまで説明したのと同じ構成要素と対応する要素にはそれぞれ同じ符号を付している。
【0092】
本発明の第4の実施の形態における構成がこれまで説明した構成と大きく異なるのは、図17に示すように、ディスク部2を完全な円板状に形成することと、回転磁石12を固定するロータヨーク11をディスク部2の主面5とは反対側の面に直接固着した構成ではなく、回転円柱部3で構成される回転軸部外周でディスク部2との接合部に近い部分に段差を設けて台座部551とし、この台座部551にロータヨーク11を固着するための中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板552を取付け、この回転軸部の台座部551を設けた側の端面とディスク中央部でディスク部2と回転軸部の回転中心軸4を合わせたうえで接着し、一体化してロータ構体1とした構成になっている。このとき、ヨーク保持板552のロータヨーク11を固着していない面と、この面に対向するディスク部2の情報記録層6を設けた面とは反対側の面が直接接触していないことが必要である。この構成にすることにより、ディスク部2の記録媒体を形成した領域である情報記録層6にロータヨーク11を固着して生ずる膨張・収縮による歪み等の悪影響を抑制することが可能となり、記録密度の向上が可能になる。
【0093】
さらにこの構成に加えて、回転円柱部3で構成される回転軸部の台座部のないもう一方の端面に直径が回転軸部の軸の直径よりも大きい円板状のスラストフランジ553をその中心が回転中心軸4と一致するように固着した構成をも有していることが、これまで説明した構成と大きく異なっている。このスラストフランジ553がスラスト支持板9と対向する面には、図4に示したのと同様な動圧発生溝が形成されている。そして、スラスト支持板9と対向しない回転軸部から突出している環状の面にも、別の動圧発生溝が環状に形成されている。これらの動圧発生溝と封入されている動圧潤滑剤10によりスラスト方向の動圧流体軸受が構成され、回転円柱部3で構成される回転軸部が滑らかに回転する。この構成のロータ構体では、スラスト支持板9に対向する面の動圧発生部の面積をより大きく設計でき、さらに、軸受スリーブ8にも段差部を設けて、スラストフランジ553が回転軸部から突出した面に形成した動圧発生部とでもスラスト方向の動圧流体軸受が構成されているので、ディスク部の面振れの抑制を非常に効果的に行うことができるようになる。
【0094】
なお、動圧発生部は軸受部のスラスト支持板9がスラストフランジ553と対向する面、または軸受部の軸受スリーブ8がスラストフランジ553の回転軸部から突出した部分に対向する面に形成してもよい。
【0095】
本発明の第4の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明したのとは異なる組立方法でロータ構体が組立てられる。図18(a)は、ロータ構体も含めた情報記録再生装置に用いるスピンドルモータ部の組立方法をステップS101からステップS104で模式的に示している。まず、円板状のスラストフランジ553の回転中心と回転円柱部3で構成される回転軸部の回転中心軸4を合わせて固着し、軸受スリーブ8に挿入したうえで、スラスト支持板9を取付けたベース部7の所定の位置に圧入や溶接等の方法で固定され、真空中で軸受部の間隙に動圧潤滑剤10を封入する(ステップS101)。続いて、コイル15を巻装した鉄心14からなるステータ16をベース部7に取付け(ステップS102)、中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板552の所定の位置にロータヨーク11、回転磁石12を取付けたうえで、回転円柱部3で構成した回転軸部の台座部551を固定する(ステップS103)。引き続き、回転軸部の台座部551を設けた側の端面をディスク中央部にディスク部2と回転軸部の回転中心軸4を合わせたうえで接着して(ステップS104)、本発明の第4の実施の形態の情報記録再生装置を構成するスピンドルモータが組立てあがる。なおステップS101とステップS102とは順序を反対にしても構わない。
【0096】
なお、ステップS101におけるスラストフランジ553と回転軸部との固着はそれぞれ選択する材料によって種々の方法が可能である。接着剤で固着するよりは融着等の方法が好ましい。
【0097】
図18(b)に示したのは、ステップS104の組立工程におけるディスク部2の中心と回転軸部の回転中心軸4を合わせる際の補助手段として、ディスク部2に位相マーカを付けた例である。この位相マーカはディスク部2に磁性層や保護層などの媒体層をスパッタなどで形成する際にマスキングを施しておくことで作成することが可能になる。元々ディスク部2に載置された情報記録領域には、情報記録再生の位置決めに利用するために回転対称性を有するように複数のサーボパターン561が公知の技術である磁気転写記録方式などによって事前に記録されている。ここでディスク部2の内周マーカ562とディスク部2の外周マーカ563,564を用いて、ディスク部2の位相を決めて、さらにディスク部2の外周を機械的もしくは光学的な手段などを用いてディスク部2の中心とサーボパターン561の中心を合わせるように記録している。サーボパターン561を記録したディスク部2を回転円柱部3で構成される回転軸部に固定するときは、事前にサーボパターン561を記録したときと同じ原理手段で位相決めおよび中心合わせを行うことで、回転円柱部3で構成される回転軸部の回転中心軸4をディスク部2に記録したサーボパターン561の中心に合わせることができる。なおディスク部2の内周マーカ562を用いずに、2箇所のディスク部2の外周マーカ563,564を利用することもできるが、この場合、2箇所のディスク部2の外周マーカ563,564の位置は対称性のない位置に設定する必要がある。
【0098】
なお本発明の第4の実施の形態ではディスク部2にサーボパターン561を事前に記録した場合を想定したが、公知の従来技術のようにディスク部2および記録再生用ヘッド(図示せず)を取付けたうえで、ヘッドアームユニット(図示せず)を外部から強制的に動かしながらサーボパターンを記録するいわゆるサーボトラックライターを使用する場合は、ディスク部2の内周マーカ562やディスク部2の外周マーカ563,564を用いる必要はない。
【0099】
なお、本発明の第4の実施の形態におけるディスク部2、回転軸部、ヨーク保持板552およびスラストフランジ553の材料や組立工程における取付け、固定方法は本発明の第1から第3の実施の形態で説明したものを適宜利用できる。
【0100】
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置では、ディスク部を円板で形成し、回転軸部に段差を形成して設けた台座部に中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板を取付け、ヨーク保持板ロータヨークを固着し、ディスク部と回転軸部の一方の端面で回転中心軸を合わせたうえで接着して一体化している。このため、ディスク部の記録媒体を形成した領域にロータヨークを固着して生ずる膨張・収縮による歪み等の悪影響を抑制することができ、記録密度の向上が可能になる。さらに、本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置では、回転軸部の別の端面に、動圧発生溝が形成され、回転軸部の軸の直径よりも大きい直径を有する円板状のスラストフランジをその中心が回転中心軸と一致するように固着されている。このため、スラスト板に対向する面の動圧発生部の面積をより大きく設計でき、ディスク部の面振れの抑制を非常に効果的に行うことができる。
【0101】
なお、上記説明および図17,図18においては、回転軸部の一端に段差を形成して設けた台座部に中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板を取付ける構成と、回転軸部の別の端面にスラストフランジを設ける構成を一緒に組み合わせた内容で説明した。しかしながら、後者の回転軸部の別の端面にスラストフランジを設ける構成は必ずしも本発明の第4の実施の形態にのみ限定される構成ではなく、本発明の他の実施の形態にも適用できることはいうまでもない。また、このスラストフランジを設ける構成を本発明の第4の実施の形態の情報記録再生装置から省くことも可能である。
【0102】
(第5の実施の形態)
図19は本発明の第5の実施の形態おける情報記録再生装置の構造を示す断面図である。
【0103】
本発明の第5の実施の形態における構成は、前述の第1から第4の実施の形態において説明した例で示したロータ構体1の構造を一部変形した構成になっている。図19においても、これまで説明したのと同じ構成要素と対応する要素にはそれぞれ同じ符号を付している。
【0104】
本発明の第5の実施の形態における構成では、第4の実施の形態のように、ディスク部2を円板で形成し、回転円柱部3で構成される回転軸部に設けた台座部551に中央部に第1の円孔の開いた円板状のヨーク保持板552を取付け、ヨーク保持板552にロータヨーク11を固着し、ディスク部2と回転円柱部3で構成される回転軸部の一方の端面で回転中心軸4を合わせたうえで接着して一体化する点は同じである。
【0105】
本発明の第5の実施の形態における構成がこれまで説明した構成と大きく異なるのは、図19に示すように、回転円柱部3で構成される回転軸部の台座部551のないもう一方の端面に所定の直径の第2の円孔を設け、ここに円板状の磁石555をその中心が回転中心軸4と一致するように埋め込んで配置していることである。回転円柱部3で構成される回転軸部の台座部551のないもう一方の端面にあって、円板状の磁石555がない円環状の部分とスラスト支持板9とが対向する面に動圧発生溝が形成されている。なおこの動圧発生溝はスラストプレート側に設けても良い。この動圧発生溝と封入されている動圧潤滑剤10によりスラスト方向の動圧流体軸受が構成され、回転円柱部3で構成される回転軸部が滑らかに回転する。この円板状の磁石555はスラスト支持板9を磁性材料で形成することにより、スラスト吸引力を発生させることができるので、第1から第4の実施の形態で採用していたような回転磁石12とスラスト吸引板により発生するスラスト吸引力を用いる必要がなくなる。
【0106】
さらに、従来タイプのスピンドルモータは回転軸部の外周面を利用するラジアル流体軸受が軸長を長くして、主にラジアル軸受部において回転円柱部3で構成される回転軸部の倒れによる面振れを抑えていたのに対し、本発明の第5の実施の形態における構成のスピンドルモータでは、軸受スリーブ8よりも外周に円環状配置した従来のスラスト吸引板(スラストリング)と異なり、スラスト吸引力を回転軸の中心部で動作させることが可能であり、面振れを抑制する効果は従来タイプのスラスト吸引板よりも高い。これは軸受スリーブ8よりも外周側に磁気的吸引手段を配設した場合は次のような状態になるからである。ロータ構体が外部からの外乱振動などによりある回転位相方向に傾斜すると、その位相における吸引板と吸引磁石部との間の空隙が狭まりここに働く磁気吸引力はさらに増大することになる。その結果、傾斜する力がさらに大きくなってしまう。その結果、スラスト軸受部は外力による回転軸部の傾斜に加え、磁気吸引力変動による傾斜をもうち消すようにモーメントを発生させる必要が生ずる。しかるに第5の実施の形態に示す構成では、中心部での空隙変化はほとんど無視しうるので、その結果生ずる吸引力の変化も無視しうる。したがってスラスト軸受は外力による回転軸部の傾斜のみをうち消すようにモーメントを発生させればよいので、効率的に面振れを抑制することが可能になる。
【0107】
このように構成することにより、スラスト吸引板をこの円板状の磁石で置き換えることができるので、部材サイズの小型化と部材点数の縮小につながるとともに、スピンドルモータのより薄型化が可能になる。
【0108】
なお、円板状の磁石555は、磁性材料製の回転軸部の台座部551のないもう一方の端面の孔に埋め込み、磁力により固定するのが好ましいが、磁石材料と動圧潤滑剤10の相互作用の影響を考慮すると、孔に接着剤で固定する方法を併用することも選択できる。
【0109】
図19において、ディスク部中央上方にある小球556はディスク部2の抜け止めであり、周知のディスク部の主面側側中央部に突起を設ける構成と同様の効果を期待できる。装置筐体の蓋部分557にはディスク部2に対向し、回転中心軸4と交差する位置に小球収納用の凹部が設けられ、小球556をここに固着してある。またこの小球556とディスク部2との間には数10μmのクリアランスを設けてディスク部2の回転を妨げない構成としている。なお、図19に示した小球556に代えて、蓋部分557に球状または円錐状の突起を設けてもよい。このような抜け止めは第1から第4の実施の形態における情報記録再生装置に適用することが可能なのはいうまでもない。
【0110】
また、本発明の第5の実施の形態におけるディスク部2、回転円柱部3で構成される回転軸部、ヨーク保持板552およびスラストフランジ553の材料や組立工程における取付け、固定方法は第1から第4の実施の形態で説明したものを適宜利用できる。
【0111】
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態における情報記録再生装置では、ディスク部を円板で形成し、回転軸部のディスク部と一体化していない側の端面に、円板状の磁石をその中心が回転中心軸と一致するように埋め込んで配置しているとともに、第4の実施の形態と同様に、回転軸部に段差を形成して設けた台座部に中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板を取付け、ヨーク保持板ロータヨークを固着し、ディスク部と回転軸部の一方の端面で回転中心軸を合わせたうえで接着して一体化している。このため、円板状の磁石はスラスト支持板を磁性材料で形成することで、スラスト吸引力を回転軸の中心部に発生させることができるので、回転磁石と対向して円環状にスラスト吸引板を配置する従来形式と比べ、ディスク部の面振れを効果的に抑制することができる。そして、従来方式のスラスト吸引板が不要になるという部材点数の削減のほか、スラスト吸引板を配置していた部分の場所が不要となり、装置のより薄型化を図ることが可能になる。
【0112】
なお、上記説明および図19においては、第4の実施の形態と同様に、回転軸部の一端に段差を形成して設けた台座部に中央部に円孔の開いた円板状のヨーク保持板を取付ける構成と、回転軸部の別の端面にスラストフランジを設ける構成を一緒に組み合わせた内容で説明した。しかしながら、後者の回転軸部の別の端面にスラストフランジを設ける構成は必ずしも本発明の第5の実施の形態にのみ限定される構成ではなく、本発明の他の実施の形態にも適用できることはいうまでもない。また、このスラストフランジを設ける構成を本発明の第5の実施の形態の情報記録再生装置から省くことも可能である。
【0113】
さらになお、本発明の第1から第5の実施の形態において、軸受部は動圧発生満と動圧潤滑剤による動圧軸受を構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば軸受スリーブやスラスト支持板を焼結金属に動圧潤滑剤を含浸させた、いわゆる滑り軸受の構造を使用してもよいのいうまでもないことである。
【0114】
ここまで、第1の実施の形態から第5の実施の形態で本発明の適応例を説明してきた。以下に、本発明に共通する材料、形成・加工法について少し触れておく。本発明においては、ディスク部と回転円柱部あるいは回転円筒部とからなるロータ構体の製造には、プレス成形法を使用することができる。
【0115】
プレス成形用金型の母材には、タングステンカーバイドや、サーメット,ジルコニア,炭化珪素、その他セラミックス材料が使用される。中でも、タングステンカーバイト微粒子を主成分とし、コバルトまたはそれらの合金からなる金属を結合相とした超硬合金が最適である。また、結合相金属の含有率は2重量%〜10重量%が望ましい。その含有率が2重量%より小さい場合には、抗折力などの機械強度が低下するだけでなく、形状加工,表面平滑加工において、ビットなどの欠陥、加工時の欠けなどが発生しやすくなり、磁気ディスク用ガラス基板のプレス成形用金型としては好ましくない。またその含有率が10重量%より大きくなると、金型の機械強度が向上するものの、結合相金属により、磁性を帯びやすくなり、そのため、加工工程に発生した加工粉が母材表面に強固に付着し、表面異物が多くなる。また、高温時に酸化されやすくなり、磁気ディスク用ガラス基板のプレス成形用金型としては適していない。
【0116】
また、超硬合金を金型として使用するには、その保護と離型時のガラスの粘着を防止するため、離型性、耐酸化性、耐反応性に優れた保護膜を設ける必要がある。保護膜は、白金(Pt),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),ルテニウム(Ru),イリジウム(Ir),オスミウム(Os),レニウム(Re)、およびタンタル(Ta)のうちの元素を一種以上含有した貴金属系合金薄膜を用いることができる。
【0117】
離型剤にはパラフィン系オイルおよび高級脂肪酸金属塩を含むものを使用する。高級脂肪酸金属塩としては、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸など高級脂肪酸のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、あるいはカルシウムなどの金属塩が有効である。高級脂肪酸金属塩はパラフィン系オイル中に1重量%〜30重量%が適当である。離型剤の塗膜厚みは、0.1μm〜0.5μmが最適である。
【0118】
ロータ構体の構成材料としてはガラスがもっとも好ましい。ガラス材料としては、例えば、ソーダライムガラス,アルミノシリケートガラス,アルミノボロシリケートガラス、またはボロシリケートガラス等のガラスを用いることができる。これらガラス材料のうち、アルミノシリケートガラスが、化学強化処理によるアルカリ溶出防止効果が大きく、好ましい。
【0119】
化学強化処理は、加熱により溶融した化学強化処理液にガラス基板を浸漬し、ガラス基板表面層のイオンを化学強化処理液中のイオンで交換する方法、すなわち、イオン交換法によって行う。イオン交換法では、ガラス転移温度(Tg)以下の温度領域で化学強化処理液に浸漬し、ガラス基板表面付近のアルカリ金属イオンをそれよりもイオン半径の大きいアルカリ金属イオンと置換する。例えばリチウムイオンをナトリウムイオンと置換し、あるいはナトリウムイオンをカリウムイオンと置換する。このようにしてイオン交換した部分の容積増加によってガラス表面に強い圧縮応力を発生させてガラス表面を強化する。
【0120】
化学強化処理液としては、硝酸カリウム(KNO3),硝酸ナトリウム(NaNO3),炭酸カリウム(K2CO3)などの溶融塩や、これらの塩を混合したもの(例えばKNO3+NaNO3,KNO3+K2CO3など)の溶融塩を用いることができる。
【0121】
化学強化処理液の温度は、イオン交換を促進するためには高温であることが好ましいが、ガラス基板の変形を防止するため、ガラス転移温度以下が好ましい。通常、350℃〜700℃、特に350℃〜450℃の範囲内の温度であることが好ましい。
【0122】
本発明の第1から第5の実施の形態においては、主としてディスク部の情報記録層に磁気ヘッドにより磁気記録再生を行うハードディスク装置を例に挙げて説明してきたが、本発明は現行の磁気記録再生方式によるハードディスクのみに限定されることはない。例えば、光磁気記録方式や相変化を利用する記録方式等非可換性の媒体を扱う記録方式であればいかなる方式のディスク状の情報記録媒体、およびこれらを用いる情報記録再生装置であってもよいことは明らかなことである。
【0123】
【発明の効果】
以上のように本発明の情報記録再生装置によれば、ディスク部と回転円柱部あるいは回転円筒部を一体成形あるいは一体に形成することによって、情報記録媒体層が保持されたディスク部の主面の、回転中心軸に対する直角度を、ディスク駆動用モータの回転台のフランジ部にディスクが結合された従来の構造の装置と比較して、非常に高い精度で実現することができるので、その直角度不良による面振れが大きく低減することができ、また、面外振動を抑制することができ、記録密度を向上させることができる。また、回転中心に対する径方向の振れも小さく抑えることができることから、ディスク部の情報記録媒体層上に、同心円状の複数の記録トラックに正確に追従させるためにあらかじめ記録されたサーボ信号の回転中心とディスク部の実動作中の回転中心の位置ずれも小さく抑えられることになり、高記録密度の実現を図ることができる。さらにまた、ディスク駆動用モータの回転台のフランジ部にディスクをクランプする部材や回転台そのものも不要となって、構成部材数を大幅に削減できることから、ドライブの薄型化、低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【0124】
また、ディスク部を収める外囲器を有する装置では、外囲器の壁面と対向するディスク部主面側中央部に突起を設けることにより、振動等によるヘッド部と情報記録層との接触を防いで情報記録層の損傷やデータ破損を防ぐことが可能な、信頼性の高い情報記録再生装置を提供できるものである。
【0125】
また、ディスク部と回転円柱部あるいは回転円筒部を一体化形成あるいは一体に形成することによって、面振れを軽減して、記録密度を向上させることができ、構成部材数を大幅に削減して、ドライブの薄型化、低コスト化を図ることができるという優れた情報記録再生装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態における情報記録再生装置の主要部構造を示す平面図
(b)は本発明の第1の実施の形態における情報記録再生装置の主要部構造を示す断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態における情報記録再生装置が備えるロータ構体の部分拡大断面図
【図3】本発明の第1の実施の形態における情報記録再生装置の構造を説明示す部分拡大図
【図4】本発明の第1の実施の形態における動圧発生部の形状を示す平面図
【図5】本発明の第1の実施の形態における動圧発生部の形状を示す部分断面図
【図6】本発明の第1の実施の形態における動圧発生部の形状の他の例を示す部分断面図
【図7】(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態における情報記録再生装置の他の例を示す断面図
【図8】(a),(b)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態におけるアウタロータ型の情報記録再生装置の例を示す断面図
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるアキシャルギャップ型モータを備えた情報記録再生装置の一例を示す断面図
【図10】(a)は本発明の第2の実施の形態における情報記録再生装置の構造を説明するための断面図
(b)はその部分拡大断面図
【図11】(a),(b)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態における情報記録再生装置の他の例を示す要部断面図
【図12】(a)は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の第1の例を示す断面図
(b)はその平面図
(c)は上記ロータ構体の第1の例を用いた情報記録再生装置の断面図
【図13】(a)は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の第2の例を示す断面図
(b)はその平面図
(c)は上記ロータ構体の第2の例を用いた情報記録再生装置の断面図
【図14】(a)は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の第3の例を示す断面図
(b)はその平面図
(c)は上記ロータ構体の第3の例を用いた情報記録再生装置の断面図
【図15】(a)は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の第4の例を示す断面図
(b)はその平面図
【図16】(a)は本発明の第3の実施の形態におけるロータ構体の第5の例を示す断面図
(b)はその平面図
【図17】本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置の構造を示す断面図
【図18】(a)本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置の組立方法を説明する概略図
(b)本発明の第4の実施の形態における情報記録再生装置が備えるロータ構体の組立方法を説明する図
【図19】本発明の第5の実施の形態における情報記録再生装置の構造を示す断面図
【図20】従来の情報記録再生装置の一例を示す図
【符号の説明】
1 ロータ構体(回転ディスク)
2 ディスク部
3,71,72,73 回転円柱部
4 回転中心軸
5 主面
6 情報記録媒体層(情報記録層)
7 ベース部
8 軸受スリーブ
9 スラスト支持板
10 動圧潤滑剤
11,83,91 ロータヨーク
12,84,92 回転磁石
13 連結部
14,82 鉄心
15,81,94 コイル
16,95 ステータ
17 スラスト吸引板
18 スラスト面
19,20 スパイラル状部
21 突条部
22,23 傾斜面
74 接合部材
93 印刷配線基板
101 支軸
102,111,112 回転円筒部
103 端面
104 開口側周端面
105 軸受外壁
113 閉塞端
121,122,123 リブ部
201 凹部
551 台座部
552 ヨーク保持板
553 スラストフランジ
561 サーボパターン
562 内周マーカ
563,564 外周マーカ
555 円板状の磁石
556 小球
557 蓋部分

Claims (7)

  1. 主面上に情報記録層を有するディスク部と、直径が軸長よりも大きい円柱形状または円筒形状をなす回転軸部とを備え、前記ディスク部と前記回転軸部とを、前記ディスク部の前記主面とは反対側の面に、中心軸が前記ディスク部の回転中心において前記主面と直交するように高温のプレス成型で一体成形されると共に、前記ディスク部と前記回転軸部とはガラス、樹脂材料のうちのいずれかの材料よりなり、前記主面上において前記回転軸部の位置に相当する部分に深さ数μm程度の浅い皿状の凹面の非記録再生領域を形成するロータ構体と、
    前記ディスク部の前記回転軸部を回転自在に保持する軸受部と、
    ロータヨークに固着された回転磁石、および前記回転磁石に対向させて配置されたステータと、
    前記回転軸部の前記中心軸を回転中心軸として、前記ディスク部を回転駆動するためのモータとから構成され
    前記軸受部は、円柱形状をした前記回転軸部の外周面、および前記外周面に対向する軸受スリーブ内周面とからなるラジアル軸受部と、円柱形状をした前記回転軸部のスラスト面としての端面、および前記端面に対向するスラスト支持板とからなるスラスト軸受部とから構成されるか、または、円筒形状をした前記回転軸部の内周面、および前記内周面に対向する円柱状支軸の外周面とからなるラジアル軸受部と、円筒形状をした前記回転軸部のスラスト面としての端面、前記円柱状支軸のスラスト面としての端面、およびそれぞれの端面と対向する面とからなるスラスト軸受部とから構成されると共に、
    前記ラジアル軸受部は、前記ロータ構体の円柱形状をした前記回転軸部の外周面、および前記外周面に対向する前記軸受スリーブ内周面のいずれか一方に動圧発生部を有するか、または、前記ロータ構体の円筒形状をした前記回転軸部の内周面、および前記内周面に対向する前記円柱状支軸の外周面のいずれか一方に動圧発生部を有し、
    前記スラスト軸受部は、円柱形状をした前記回転軸部のスラスト面としての端面、および前記端面に対向するスラスト支持板の面のいずれか一方に動圧発生部を有するか、または、円筒形状をした前記回転軸部のスラスト面としての端面、前記円柱状支軸のスラスト面としての端面、およびそれぞれの端面と対向する面のうちのいずれかの面に動圧発生部を有す
    ことを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 前記ロータ構体は、
    前記回転軸部が前記ディスク部と接合される端面側の外周に円環状の段差部を有し、
    中央部に前記段差部と嵌合可能な円孔を設けたヨーク保持板を前記回転軸部の前記段差部と前記ヨーク保持板の前記円孔の端部とで固着した構成を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
  3. 前記動圧発生部は、断面形状が三角形および台形のうちのいずれか一方の形状の突条によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
  4. 前記動圧発生部が、断面形状が三角形および台形のうちのいずれか一方の形状の突条によって形成されており、前記突条の長さ方向に沿った二つの傾斜面が、前記突条の形成された面に対する傾斜角をそれぞれθ 1 および同θ 2 とし、円柱形状をした前記回転軸部または円筒形状をした前記回転軸部の長さをL、直径をDとしたとき
    θ 1 ≦tan -1 (2L/D)
    θ 2 ≦tan -1 (2L/D)
    の関係にあることを特徴とする請求項に記載の情報記録再生装置。
  5. 前記ディスク部の前記主面とは反対側の面に、一つまたは同心円上に配された複数の円環状のリブ部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された情報記録再生装置。
  6. 前記ディスク部の前記主面とは反対側の面に、前記ディスク部の径方向に放射状に複数個のリブ部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのうちのいずれか一項に記載された情報記録再生装置。
  7. 前記ロータ構体の回転中心となる前記ディスク部の前記主面側の中心に対向して情報記録装置を収納する筐体ケースの蓋部と前記ディスク部の前記主面側の中心との間にロータ構体の抜け止め部材を配置したことを特徴とする請求項1から請求項6までのうちのいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
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