JP4106799B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子機器に関する。詳しくは、配置された姿勢に拘らずフロントパネルの適正な開放動作を確保する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器、例えば、車載用のディスク再生装置には、筐体の前面部にディスクの挿入口が形成されると共にフロントパネルが回動自在に設けられ、フロントパネルが開放位置まで回動されてディスク挿入口が開放され、また、フロントパネルが閉塞位置まで回動されてディスク挿入口が閉塞されるようになっているものがある。
【0003】
このようなディスク再生装置にあっては、例えば、フロントパネルがその下端部を支点として回動可能とされており、フロントパネルに設けられた開放スイッチが操作されると、閉塞位置においてロック機構によってロックされていたフロントパネルに対するロックが解除されると共にフロントパネルが開放レバーによって押圧されて該フロントパネルが開放位置から閉塞位置まで回動されるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特に、車載用のディスク再生装置においては、必ずしも車輌室内に水平な状態で取り付けられるとは限らず、操作性の向上等の観点からフロントパネルが運転者に向くように所定の角度を以って取り付けられることも多い。
【0005】
例えば、図22に示すように、ディスク再生装置aは車輌室内の被取付部bにフロントパネルcが筐体dの後端よりも上方に位置するように傾斜した状態で取り付けられる。
【0006】
このようにディスク再生装置aが傾斜した状態で取り付けられた場合には、開放レバーeに付与されるフロントパネルcの自重による負荷が大きく(図22に力Fで示す。)、フロントパネルcを確実に開放位置まで回動させるためには、開放レバーeにフロントパネルcへの押圧力を付与するための付勢バネfの力量を大きくしなければならない。
【0007】
ところが、付勢バネfの力量を大きくしてしまうと、ディスク再生装置aを水平な状態で取り付けようとしたときに、付勢バネfの大きな力量によって、回動されたフロントパネルcが開放位置においてバウンドしてしまい、ディスク再生装置aの品位が損なわれたり、或は、フロントパネルcや筐体dに振動が生じ故障の原因となってしまう虞もある。
【0008】
逆に、上記のような所謂バウンド現象を回避するために付勢バネfを力量の弱いものにしてしまうと、図22のようにディスク再生装置aを傾斜した状態で取り付けたときに、フロントパネルcの自重によって開放レバーeに付与される力が大きく、フロントパネルcが開放位置まで回動されなくなってしまうという不具合を生じ得る。
【0009】
一方、上記したディスク再生装置aにあっては、フロントパネルcの回動速度を制限して閉塞位置においてバウンド現象を生じないようにするためにシリコン材料を用いたオイルダンパーを用いることがあるが、シリコン材料は温度によって性質(硬度等)が変化し易いため、特に、車輌用のディスク再生装置のように使用温度範囲が広い場合には、使用温度によってオイルダンパーの機能が変化してフロントパネルcの回動動作に支障を来たすことがある。
【0010】
そこで、本発明電子機器は、上記した問題点を克服し、配置された姿勢に拘らずフロントパネルの適正な開放動作を確保することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明電子機器は、上記した課題を解決するために、筐体の前面部に回動自在に支持され閉塞位置と開放位置との間で回動されるフロントパネルと、フロントパネルを閉塞位置にロックするロック機構と、該ロック機構によるロックが解除されたときにフロントパネルに作用して該フロントパネルを開放位置へ向けて回動させる開放レバーとを設け、開放レバーのフロントパネルに対する作用が終了する作用終了位置を調整する調整手段を設けたものである。
【0012】
従って、本発明電子機器にあっては、作用終了位置が自由に設定可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明電子機器の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0014】
尚、以下に示した実施の形態は、本発明を車載用のオーディオ機器に適用したものであり、このオーディオ機器は直径が略120mmのコンパクトディスク(CD)に対する信号の再生を行うことのできるディスク再生装置である。
【0015】
ディスク再生装置100は、筐体1を構成する前方に開口された箱状を為す本体側筐体2と該本体側筐体2の前面開口を覆うように取り付けられたサブパネル3とを備え、本体側筐体2の内部には所定の駆動部が配置されている。そして、サブパネル3の前方にはフロントパネル4が回動可能に配置されている(図1及び図2参照)。
【0016】
サブパネル3の右端部には上下に離間して配置孔3aと挿通孔3bとが形成されている(図3参照)。そして、サブパネル3には、所定の位置に取付孔3c、3c、3c、3dが形成され(図3に取付孔3c、3c、3dのみを示す。)、該取付孔3c、3c、3c、3dは段付き形状に形成されている。また、取付孔3dはサブパネル3の右端部で上下方向における略中央部に形成されている。さらに、サブパネル3には図示しないディスク挿入口が形成され、サブパネル3の左端部には支持ピンを有する図示しない支持部材が取り付けられると共に図示しないオイルダンパーギヤが支持されている。
【0017】
フロントパネル4の前面にはCDの再生等を行うための各種の操作スイッチ4a、4a、・・・と動作状態等を示すための液晶表示部4bとが設けられている(図1参照)。尚、ディスク再生装置100はラジオ付きの装置であり、所定の操作スイッチ4a、4a、・・・を操作することによりラジオの駆動が為される。
【0018】
フロントパネル4の右端部の上端には前方から押圧操作が行われる開放釦5が設けられており、該開放釦5は被押圧部5aと該被押圧部5aの後面から後方へ突出された押圧軸5bとが一体に形成されて成る(図2参照)。開放釦5は押圧軸5bがフロントパネル4の右端部の上端部に形成された支持孔4cに摺動自在に支持され、図示しないバネによって前方へ付勢されている。そして、開放釦5は、被押圧部5aへの押圧操作が為されていない状態において、押圧軸5bの後端が支持孔4cの後端に一致されるようになっている(図2参照)。
【0019】
フロントパネル4の後端部には、支持孔4cに対応する部分に係合凹部4dが形成されている(図2参照)。また、フロントパネル4の左端部後面にはサブパネル3に支持された上記オイルダンパーギヤと噛合される図示しないギヤ部が形成されている。
【0020】
サブパネル3の右端部後面には取付部材6が取り付けられる(図4乃至図8、図15参照)。
【0021】
取付部材6は後面部7と該後面部の左右両側縁から前方へ突設された左側面部8、右側面部9と左側面部8の前縁から左方へ突設された突出部10と右側面部9の前縁から前方へ突設された支持突部11とが一体に形成されて成る(図4乃至図8参照)。
【0022】
後面部7には、左半部の下端部に第1の挿通孔7aが形成され、右半部の上下方向における略中央部に第2の挿通孔7bが形成されている。そして、後面部7の上端部にはバネ掛け片7c、7dが形成され、該バネ掛け片7c、7dは左右に離間して後方へ突出されている。また、第2の挿通孔7bの上側開口縁には後面部7の一部が前方へ折曲形成されることにより規制片7eが形成されている。
【0023】
左側面部8には上下に離間して支持孔8a、8bが形成されている。そして、左側面部8の前縁部には、上下に離間して左方へ突出した被取付片8c、8cが形成され、該被取付片8c、8cには螺孔8d、8dが形成されている。また、左側面部8の前縁の上下方向における中央部からは、左方へ長く延びる突出部10が突出され、該突出部10の先端部には螺孔10aが形成されている。さらに、左側面部8の前縁には、下側の被取付部8cの直ぐ上側に右方へ突出したネジ止め片8eが形成され、該ネジ止め片8eには調整用螺孔8fが形成されている。
【0024】
右側面部9の下端部からは前方へ支持突部11が突出され、該支持突部11の先端部には左方へ突出した支持ピン11aが形成されている。また、右側面部9には上下に離間して支持孔9a、9bが形成されている。
【0025】
開放レバー12は、左右方向に延びる軸受部13と該軸受部13からその軸方向と垂直の互いに異なる方向へ突出された第1の部分14、第2の部分15と軸受部13に連続して形成された被規制部16とが一体に形成されて成る(図9及び図10参照)。
【0026】
第1の部分14は軸受部13の右端部から突出され、先端部に略前方へ突出された押圧突部14aが形成されている。そして、第1の部分14の上下方向における中間部には略後方に開口した切欠凹部14bが形成されている。また、第1の部分14の先端部には左方へ突出した係合軸14cが形成されている。
【0027】
第2の部分15は軸受部13の左端部から突出され、先端部にバネ掛け凹部15aが形成されている。
【0028】
被規制部16は軸受部13の左半部の上側に連続して形成され、右端が第1の部分14の下端部に連続されている。
【0029】
ロックレバー17は、フロントパネル4をサブパネル3に形成されたディスク挿入口を閉塞する閉塞位置にロックするロック機構として機能し、左右方向に延びる軸受部18と該軸受部18からその軸方向と垂直の互いに異なる方向へ突出された第1の部分19、第2の部分20とが一体に形成されて成る(図11及び図12参照)。
【0030】
第1の部分19は側方から見て鉤状を為し、軸受部18の左端部から突出されている。第1の部分19の先端部には、略下方へ突出された係合突部19aが形成され、該係合突部19aの後方に下方へ開口された係合凹部19bが形成されている。そして、第1の部分19の前面は下方へ行くに従って後方へ変位する緩やかな傾斜面に形成されている。
【0031】
第2の部分20は軸受部18の右端部から突出され、先端部にバネ掛け凹部20aが形成されている。
【0032】
開放レバー12及びロックレバー17は取付部材6に回動自在に支持される(図13乃至図15参照)。
【0033】
開放レバー12は軸受部13に挿入された軸21を介して取付部材6の支持孔8b、9bに回動自在に支持される。また、ロックレバー17は軸受部18に挿入された軸22を介して取付部材6の支持孔8a、9aに回動自在に支持される。そして、開放レバー12とロックレバー17が取付部材6に支持された状態において、ロックレバー17の軸受部18が開放レバー12の切欠凹部14bに対応して位置されている(図15参照)。
【0034】
このように開放レバー12が取付部材6に支持された状態においては、開放レバー12の第2の部分15の先端部が取付部材6の第1の挿通孔7aから後方へ突出され、第2の部分15のバネ掛け凹部15aと取付部材6のバネ掛け片7cとの間に第1の引張コイルバネ23が張設される(図14参照)。また、ロックレバー17が取付部材6に支持された状態において、ロックレバー17の第2の部分20の先端部が取付部材6の第2の挿通孔7bから後方へ突出され、第2の部分20のバネ掛け凹部20aと取付部材6のバネ掛け片7dとの間に第2の引張コイルバネ24が張設される(図14参照)。従って、開放レバー12及びロックレバー17は、第1の引張コイルバネ23及び第2の引張コイルバネ24によって、それぞれ図15に示すR1方向へ付勢される。
【0035】
ロックレバー17が第2の引張コイルバネ24によってR1方向へ付勢されることにより、ロックレバー17に外力が付与されない状態においては、第2の部分20が取付部材6の規制片7eに弾接される(図14及び図15参照)。そして、開放レバー12はR2方向の回動端において、係合軸14cがロックレバー17の係合凹部19bに係合され、R1方向への移動が規制される(図15参照)。従って、ロックレバー17がR2方向へ回動され係合軸14cと係合凹部19bとの係合が解除されると、開放レバー12が第1の引張コイルバネ23の作用によってR1方向へ回動されることになる。
【0036】
開放レバー12及びロックレバー17が支持された取付部材6は、サブパネル3の後面に取り付けられる(図15参照)。
【0037】
取付部材6のサブパネル3への取付は、サブパネル3の前面からそれぞれ取付孔3c、3c、3cに図示しない取付ネジが挿通され、取付部材6の被取付片8c、8c、突出部10にそれぞれ形成された螺孔8d、8d、10aに当該取付ネジが捩じ込まれることにより為される。そして、場合によっては、サブパネル3の取付孔3dにネジ部材25が挿入され、取付部材6の調整用螺孔8fに捩じ込まれる(図16参照)。
【0038】
取付部材6がサブパネル3へ取り付けられた状態においては、取付部材6の支持突部11がサブパネル3の挿通孔3bから前方へ突出される。そして、取付部材6に支持されたロックレバー17は第1の部分19の係合突部19aがサブパネル3の配置孔3aから前方へ突出され、ロックレバー17に回動を規制されている開放レバー12は押圧突部14aが配置孔3a内に位置される(図15参照)。
【0039】
フロントパネル4はその下端部が取付部材6の支持突部11の支持ピン11aとサブパネル3の左端部に取り付けられた支持部材の支持ピンとによって支持され、これによりフロントパネル4がサブパネル3の前方において図15に示すR1−R2方向へ回動可能に配置される。そして、このようにフロントパネル4がサブパネル3の前方に配置された状態において、サブパネル3の左端部に設けられたオイルダンパーギヤとフロントパネル4の左端部後面に形成されたギヤ部とが噛合される。
【0040】
フロントパネル4がサブパネル3の前方に配置されR2方向における回動端、即ち、閉塞位置にある状態においては、フロントパネル4の係合凹部4dにロックレバー17の係合突部19aが係合され、フロントパネル4が閉塞位置においてロックされている(図2参照)。そして、フロントパネル4が閉塞位置にロックされた状態においては、開放レバー12がロックレバー17によって回動を規制されており、開放レバー12の押圧突部14aがフロントパネル4の上端部後面に当接又は近接した状態とされる(図2及び図15参照)。
【0041】
以下に、フロントパネル4の回動動作について説明する(図16乃至図19参照)。尚、図16乃至図19に示す動作は、ネジ部材25が取付部材6の調整用螺孔8fに捩じ込まれた状態における動作であり、ディスク再生装置100は水平な状態で配置され、即ち、サブパネル3が前方を向いた状態とされている。
【0042】
閉塞位置においては、上記したように、フロントパネル4の係合凹部4dにロックレバー17の係合突部19aが係合されフロントパネル4がロックされており、また、開放レバー12がロックレバー17によって回動を規制され押圧突部14aがフロントパネル4の上端部後面に当接又は近接した状態とされている(図16参照)。
【0043】
フロントパネル4が閉塞位置にある状態において、フロントパネル4に設けられた開放釦5が押圧操作されると、押圧軸5bによって係合突部19aの前面が押圧され、ロックレバー17がR2方向へ回動される。ロックレバー17がR2方向へ回動されると、係合凹部19bと開放レバー12の係合軸14cとの係合が解除される(図17参照)。
【0044】
ロックレバー17の係合凹部19bと開放レバー12の係合軸14cとの係合が解除されることにより、開放レバー12が第1の引張コイルバネ23の作用によってR1方向へ回動されていく(図18参照)。そして、開放レバー12のR1方向への回動により、フロントパネル4が押圧突部14aによって押圧されてR1方向へ回動されていく。このとき、フロントパネル4はオイルダンパーギヤの作用によって回動する速度が制限され、比較的緩徐な速度でR1方向へ回動されることになる。尚、フロントパネル4がR1方向へ回動されると、開放釦5の押圧軸5bによるロックレバー17への押圧が解除されるため、ロックレバー17は第2の引張コイルバネ24の作用によってR1方向へ回動され第2の部分20が取付部材6の規制片7eに接する元の状態に戻る。
【0045】
開放レバー12がR1方向へ所定の位置まで回動されると、開放レバー12の被規制部16がネジ部材25に接触され開放レバー12の回動が停止される(図18参照)。従って、ネジ部材25は、開放レバー12のフロントパネル4に対する押圧作用が終了する作用終了位置を調整する調整手段として機能する。開放レバー12のR1方向への回動がネジ部材25によって規制され、これ以後押圧突部14aによるフロントパネル4への押圧は為されない。
【0046】
開放レバー12の回動動作がネジ部材25によって規制された状態においては、フロントパネル4はその自重によってR1方向へ回動可能な位置まで回動されているため、これ以後フロントパネル4はその自重によりR1方向へ回動されサブパネル3に形成されたディスク挿入口を開放する開放位置へ至る(図19参照)。
【0047】
尚、ディスク再生装置100にあっては、ネジ部材25の調整用螺孔8fへの捩じ込み量を変えてネジ部材25の筐体1に対する位置、即ち、調整位置を変更することによりフロントパネル4への開放レバー12の作用終了位置を自由に設定することができる。そして、この調整位置の変更はフロントパネル4を開放位置まで回動させた状態でドライバー等によって前方から行うことができるため、調整作業が非常に容易であり、また、ディスク再生装置100を車輌の取付部に取り付けた状態で調整作業を行うことができるため、適正な作用終了位置の設定を行うことができる。
【0048】
フロントパネル4の開放位置から閉塞位置への回動は、手動又は自動によりフロントパネル4をR2方向へ回動させることにより行う。
【0049】
フロントパネル4が開放位置からR2方向へ回動されると該フロントパネル4によって開放レバー12が押圧されてR2方向へ回動され、係合軸14cがロックレバー17の係合凹部19bに係合され開放レバー12がR1方向への回動を規制された状態に戻る(図16参照)。そして、開放レバー12が回動を規制された状態においては、ロックレバー17の係合突部19aがフロントパネル4の係合凹部4dに係合され、フロントパネル4が再び閉塞位置にロックされる(図2及び図16参照)。
【0050】
以上に記載した通り、ディスク再生装置100にあっては、調整手段として設けられたネジ部材25によって開放レバー12のフロントパネル4に対する押圧作用が終了する作用終了位置を自由に設定することができる。
【0051】
従って、ディスク再生装置100の配置された姿勢に応じて作用終了位置を設定することにより、回動されたフロントパネル4が開放位置においてバウンドするようなことがないためディスク再生装置100の品位が損なわれない。
【0052】
また、フロントパネル4の開放位置においてフロントパネル4や筐体1に振動が生じ難いためディスク再生装置100の故障を防止することができる。
【0053】
さらに、ディスク再生装置100が配置された姿勢に拘らずフロントパネル4の適正な開放動作を確保することができる。
【0054】
さらにまた、オイルダンパーを用いた場合に、通常用いられるシリコン材料が温度変化によって性質が変化されても、作用終了位置を調整することにより、フロントパネル4の適正な開放動作が確保される。
【0055】
加えて、調整手段としてネジ部材25を用いているため、簡易かつ安価に作用終了位置の調整をすることができる。
【0056】
図20は、ディスク再生装置100が車輌の取付部26にフロントパネル4が筐体1の後端より上方に位置するように傾斜して取り付けられたときに、ネジ部材25を取り外した状態を示すものである。このように、ディスク再生装置100が傾斜した状態においては、フロントパネル4の開放方向へ向けての回動の開始時に開放レバー12にかかる負荷が大きいが、ネジ部材25を取り外すことにより開放レバー12の押圧突部14aがフロントパネル4を該フロントパネル4が開放位置に至るまで押圧させることが可能となるため、フロントパネル4が開放位置まで回動されなくなるようなことがない。
【0057】
尚、ディスク再生装置100の傾斜角度が小さい場合には、上記のようにネジ部材25の調整位置を変更してフロントパネル4の適正な回動動作が為されるように調整をすればよい。
【0058】
図21は、ネジ部材25を調整位置に保持するための保持手段を設けた場合を示すものである。
【0059】
保持手段として圧縮コイルバネであるバネ部材27が用いられ、該バネ部材27はネジ部材25の頭部と取付孔3dの開口縁との間で縮設されている。
【0060】
このように、ネジ部材25を調整位置に保持するための保持手段を設けることにより、ディスク再生装置100の使用中にネジ部材25が回転して調整位置が変化してしまうようことがなく、フロントパネル4への作用終了位置を常時一定の位置に保持することができる。
【0061】
また、上記のように保持手段としてバネ部材7を用いれば、保持手段を設けることによりコストが増大することがない。
【0062】
尚、上記には、調整手段としてネジ部材25を用いているが、例えば、保持手段としてリベットや軸状の部材等の種々の手段を用いることができる。
【0063】
上記した実施の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明の実施を行うに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0064】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明電子機器は、筐体の前面部に回動自在に支持され閉塞位置と開放位置との間で回動されるフロントパネルと、フロントパネルを閉塞位置にロックするロック機構と、該ロック機構によるロックが解除されたときにフロントパネルに作用して該フロントパネルを開放位置へ向けて回動させる開放レバーとを備え、開放レバーのフロントパネルに対する作用が終了する作用終了位置を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
【0065】
従って、電子機器の配置される姿勢に応じて作用終了位置を調整することにより、回動されたフロントパネルが開放位置においてバウンドするようなことがないため電子機器の品位が損なわれない。
【0066】
また、フロントパネルの開放位置においてフロントパネルや筐体に振動が生じ難いため電子機器の故障を防止することができる。
【0067】
さらに、電子機器が配置された姿勢に拘らずフロントパネルの適正な開放動作を確保することができる。
【0068】
加えて、フロントパネルの回動時に回動に対して所定の付加を与えるオイルダンパーを用いた場合に、通常用いられるシリコン材料が温度変化によって性質が変化されても、作用終了位置を調整することにより、フロントパネルの適正な開放動作が確保される。
【0069】
請求項2に記載した発明にあっては、上記調整手段を筐体の前面部に設けたので、調整作業を電子機器の前方から行うことができるため、調整作業が非常に容易である。
【0070】
また、電子機器が配置された状態で調整作業を行うことができるため、適正な作用終了位置の設定を行うことができる。
【0071】
請求項3に記載した発明にあっては、上記調整手段としてネジ部材を用いたので、簡易かつ安価に作用終了位置の調整を行うことができる。
【0072】
請求項4に記載した発明にあっては、上記ネジ部材が筐体の前面部に捩じ込まれるようにしたので、調整作業を電子機器の前方から行うことができるため、調整作業が非常に容易である。
【0073】
また、電子機器が配置された状態で調整作業を行うことができるため、適正な作用終了位置の設定を行うことができる。
【0074】
請求項5及び請求項6に記載した発明にあっては、上記調整手段の筐体に対する位置(調整位置)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、調整位置に調整手段を保持する保持手段を設けたので、電子機器の使用中に調整手段の調整位置が変化してしまうようことがなく、フロントパネルへの作用終了位置を常時一定の位置に保持することができる。
【0075】
請求項7及び請求項8に記載した発明にあっては、上記ネジ部材の筐体に対する位置(調整位置)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、調整位置にネジ部材を保持する保持手段を設けたので、電子機器の使用中にネジ部材が回転して調整位置が変化してしまうようことがなく、フロントパネルへの作用終了位置を常時一定の位置に保持することができる。
【0076】
請求項9及び請求項10に記載した発明にあっては、上記保持手段として筐体と調整手段との間に介在されるバネ部材を用いたので、保持手段を設けることによりコストが増大することがない。
【0077】
請求項11及び請求項12に記載した発明にあっては、上記保持手段として筐体とネジ部材との間に介在されるバネ部材を用いたので、保持手段を設けることによりコストが増大することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図21と共に本発明電子機器の実施の形態を示すものであり、本図は本発明を適用したディスク再生装置の正面図である。
【図2】ディスク再生装置の一部を断面にして示す概略側面図である。
【図3】サブパネルの一部を示す拡大正面図である。
【図4】取付部材の拡大正面図である。
【図5】取付部材の拡大左側面図である。
【図6】取付部材の拡大背面図である。
【図7】取付部材の拡大右側面図である。
【図8】取付部材の拡大平面図である。
【図9】開放レバーの拡大正面図である。
【図10】開放レバーの拡大右側面図である。
【図11】ロックレバーの拡大平面図である。
【図12】ロックレバーの拡大右側面図である。
【図13】取付部材に開放レバーとロックレバーが支持された状態を示す拡大正面図である。
【図14】取付部材に開放レバーとロックレバーが支持された状態を示す拡大背面図である。
【図15】サブパネルに、開放レバーとロックレバーが支持された取付部材が取り付けれた状態を示す概略拡大側面図である。
【図16】図17乃至図19と共にフロントパネルの回動動作を示すものであり、本図はフロントパネルが閉塞位置にある状態を示す概略拡大側面図である。
【図17】ロックレバーの開放レバーに対するロックが解除された状態を示す概略拡大側面図である。
【図18】フロントパネルが開放レバーに押圧され回動されている状態を示す概略拡大側面図である。
【図19】フロントパネルが開放位置まで回動された状態を示す概略拡大側面図である。
【図20】ディスク再生装置が一定の傾斜を以って取り付けられた状態を示す概念図である。
【図21】ネジ部材とサブパネルとの間にバネ部材が介在された状態を一部を断面にして示す要部の概略拡大側面図である。
【図22】従来の問題点を示す概念図である。
【符号の説明】
100…ディスク再生装置(電子機器)、1…筐体、3…サブパネル(前面部)、4…フロントパネル、12…開放レバー、17…ロックレバー(ロック機構)、25…ネジ部材(調整手段)、27…バネ部材(保持手段)

Claims (12)

  1. 筐体の前面部に回動自在に支持され閉塞位置と開放位置との間で回動されるフロントパネルと、
    フロントパネルを閉塞位置にロックするロック機構と、
    該ロック機構によるロックが解除されたときにフロントパネルに作用して該フロントパネルを開放位置へ向けて回動させる開放レバーとを備え、
    開放レバーのフロントパネルに対する作用が終了する作用終了位置を調整する調整手段を設けた
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 上記調整手段が筐体の前面部に設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 上記調整手段としてネジ部材を用いた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 上記ネジ部材が筐体の前面部に捩じ込まれる
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 上記調整手段の筐体に対する位置(以下、本項において「調整位置」という。)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、
    調整位置に調整手段を保持する保持手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  6. 上記調整手段の筐体に対する位置(以下、本項において「調整位置」という。)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、
    調整位置に調整手段を保持する保持手段を設けた
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  7. 上記ネジ部材の筐体に対する位置(以下、本項において「調整位置」という。)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、
    調整位置にネジ部材を保持する保持手段を設けた
    ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  8. 上記ネジ部材の筐体に対する位置(以下、本項において「調整位置」という。)に応じて開放レバーの作用終了位置が決定され、
    調整位置にネジ部材を保持する保持手段を設けた
    ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  9. 上記保持手段として筐体と調整手段との間に介在されるバネ部材を用いた
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
  10. 上記保持手段として筐体と調整手段との間に介在されるバネ部材を用いた
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
  11. 上記保持手段として筐体とネジ部材との間に介在されるバネ部材を用いた
    ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  12. 上記保持手段として筐体とネジ部材との間に介在されるバネ部材を用いた
    ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
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