JP3892615B2 - 電子機器 - Google Patents

電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP3892615B2
JP3892615B2 JP13308599A JP13308599A JP3892615B2 JP 3892615 B2 JP3892615 B2 JP 3892615B2 JP 13308599 A JP13308599 A JP 13308599A JP 13308599 A JP13308599 A JP 13308599A JP 3892615 B2 JP3892615 B2 JP 3892615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable member
posture
support member
reciprocating
reciprocating support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13308599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000323854A (ja
Inventor
康司 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Alpine Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alpine Electronics Inc filed Critical Alpine Electronics Inc
Priority to JP13308599A priority Critical patent/JP3892615B2/ja
Publication of JP2000323854A publication Critical patent/JP2000323854A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3892615B2 publication Critical patent/JP3892615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Casings For Electric Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示部材および/または操作部材を有する可動部材が、ケース外方で使用者が目視可能あるいは操作可能な立ち上がり姿勢に回動する電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用または家庭用あるいは業務用などの電子機器では、表示部材および/または操作部材を備えた可動部材が、ケース内に収納されている姿勢から前方へ移動してケースの外部に出て、それから使用者が目視あるいは操作できるように垂直な向きあるいは斜めの向きに回動できるようにしたものがある。
【0003】
例えば、特開平1−266024号公報には、車載用の機器として、記録媒体の駆動装置やCPU装置を内蔵するケースの前方に、電子表示部が設けられたものが開示されている。この電子表示部は、ケースに収納されている状態から前方へ突出させることができ、その後に電子表示部をその上端を支点として垂直な向きに回動させることができるようになっている。
【0004】
しかし、前記特開平1−266024号公報に開示されている発明では、電子表示部がケースから引き出された状態で、電子表示部がその上端の軸を中心として下向きに回動する構造である。よって、ケース外方において電子表示部の位置が低くなるため、表示部を目視する視線を低くしなくてはならず、また操作も低い位置で行わなくてはならず、使用上不便である。
【0005】
一方、前記電子表示部をケース前方において上向きに回動させるものとして特開平6−64484号公報に開示されたものがある。この公報に開示されているものでは、表示部材を支持する支点を移動させることにより、表示部材がほぼ水平姿勢から上方へ立ち上げ姿勢に回動させられる。
【0006】
しかし、上記のように表示部材を水平姿勢から立ち上がり姿勢へ回動させるものでは、可動部材が水平姿勢のときに前記支点に与えられる力のうち表示部材を立ち上げる方向への分力が非常に小さくなり、前記表示部が水平姿勢から立ち上がり始めるときの駆動負荷が非常に大きくなる。よって表示部材が大型であるときには、立ち上げのために大きなモータ動力が必要になり、またその動作もぎちないものとなる。
【0007】
さらに、表示部材がほぼ水平姿勢でケースの前方へ突出し、その後に表示部材が立ち上がり方向へ回動するが、前記表示部材が水平方向へ突出したときに、表示部材に対してケース内方への押し力が誤って与えられたときに、前記支点が動けなくなって、機構がロック状態に至る場合がある。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、表示部などを備えた可動部材が水平姿勢またはやや傾斜した姿勢から立ち上がり姿勢に回動する当初に、前記可動部材が回動しやすいようにした電子機器を提供することを目的としている。
【0009】
また、本発明は、水平姿勢でケース前方へ突出した可動部材に対しケース内方向への外力が作用したときに機構がロック状態になるのを防止できる電子機器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケースと、表面に表示部材操作部材の少なくとも一方を備えた可動部材と、前記可動部材をケースの前方で、前記表面が上を向く平姿勢から前記表面がケース前方へ向く立ち上がり姿勢へ回動させる姿勢制御手段と、を備えた電子機器において、
前記姿勢制御手段は、前記可動部材の下部を第1の支持点で支持してケースの前後方向へ移動する往復支持部材と、この往復支持部材を前記前後方向へ移動させるモータ駆動部と、前記往復支持部材が前進位置からケース内方向へ後退させられるときに、前記可動部材を、前記第1の支持点よりも上方で支えて前記水平姿勢から前記立ち上がり姿勢へ回動させる第2の支持点とを有し、
前記往復支持部材が後退するときの移動力により、前記可動部材が前記水平姿勢から前記立ち上がり姿勢へ回動させられるときに、前記可動部材の裏面と前記往復支持部材との間に介入して前記可動部材に対して前記立ち上がり姿勢方向へ持ち上げ力を与える持ち上げ部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
上記本発明では、可動部材が水平姿勢またはやや傾斜したような状態から立ち上がり方向へ回動させられるときに、前記可動部材の裏面を少し持ち上げる持ち上げ部材が設けられているため、最も負荷の大きい立ち上がり初期の動作を比較的低負荷で且つスムーズに行えるようになる。
【0014】
本発明は、前記往復支持部材の第1の後退動作の際に、前記水平姿勢の可動部材を立ち上がり姿勢に回動させ、次に往復支持部材が前進してさらに第2の後退動作を行うときに前記可動部材を水平姿勢に戻してケース内へ収納させるように、前記第2の支持点の移動経路を振り分ける振り分け手段が設けられており、
前記持ち上げ部材は、往復支持部材の第1の後退動作の際に可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入し、往復支持部材の第2の後退動作の際に可動部材の裏面から外れるように移動させられるものとすることが可能である。
【0015】
このように、本発明は、例えば可動部材が水平姿勢でケース内からケースの前方へ移動し、その後に可動部材が立ち上がり姿勢に回動するような場合に、この立ち上がり初期の動作をスムーズに行わせる際に有効である。また、往復支持部材の第2の後退動作で可動部材が水平姿勢のままケース内に収納されるときには、持ち上げ部材が可動部材の裏面から外れるため、可動部材は持ち上げ部材の影響を受けることがなく確実に水平姿勢となってケース内に移動できる。
【0016】
ただし、本発明は可動部材がケース内に収納されるものに限られず、可動部材が常にケースの前方に位置しており、このケースの前方で可動部材が水平姿勢またはやや傾斜した姿勢から立ち上がり姿勢へ回動するものであってもよい。
【0017】
前記のように可動部材がケース内に収納されるものである場合に、前記モータ駆動部の第1の方向の回転動力で前記往復支持部材に前進と第1の後退動作を行なわせ、前記モータ駆動部の第2の方向の回転動力で前記往復支持部材に前進と第2の後退動作を行なわせる運動変換手段が設けられ、
前記モータ駆動部の第1の方向の回転動力で、持ち上げ部材が可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入する方向へ動作させられるものとすることができる。
【0018】
この場合に、例えば前記持ち上げ部材は、往復支持部材に回動自在に支持されており、前記運動変換手段は、モータ駆動部により往復回動させられる回転体と、前記往復支持部材に往復移動方向と交叉して設けられ且つ前記回転体の摺動部が移動するカム部とを有し、
前記モータ駆動部が第1の方向へ回転するときに、前記回転体の回転力により前記持ち上げ部材が可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入する方向へ回動させられ、前記モータ駆動部が第2の方向へ回転するときに、前記回転体の回転力により、前記持ち上げ部材が可動部材の裏面から外れる方向へ回動させられるものとすることができる。
【0019】
さらに、前記カム部には、前記回転体の回転中心と前記摺動部とを結ぶ線が往復支持部材の往復移動方向に平行な一直線上に位置した状態で前記往復支持部材にケース内方への外力が与えられたときに前記回転体に対して回転モーメントを与えることができる傾斜部が設けられているものとすることが可能である。
【0020】
上記のように、回転体の回転中心と、回転体と往復支持部材との連結点とが、往復支持部材の移動方向に向けて一直線になると、可動部材または往復支持部材にケース内方への外力が与えられたときに機構がロック状態になりやすい。しかし、回転体に設けられた摺動部が摺動するカム部に傾斜部が形成されていると、前記可動部材にケース内方への外力が与えられたときに、前記摺動部が前記傾斜部に沿って移動できるようになり、回転体がいずれかの方向へ回動できるようになる。よって、機構がロック状態になるのを防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、可動部材が立ち上がり姿勢のときの車載用電子機器を示す斜視図、図2は、可動部材が収納姿勢のときの車載用電子機器を示す斜視図、図3は、可動部材を移動させる姿勢制御手段の構造および持ち上げ部材の取付け状態を示す分解斜視図、図4、図5、図6、図7は、可動部材が立ち上がり姿勢から収納姿勢に移動し、さらに立ち上がり姿勢に移動するときの姿勢制御手段のうちの往復駆動手段の動作および持ち上げ部材の動作を示す平面図、図8(A)から図11(B)までは、可動部材が立ち上がり姿勢−収納姿勢−立ち上がり姿勢に移行する際の一連の動作を示す部分側面図である。
【0022】
この車載用電子機器のケース1は、筐体2とその前面に固定された前面パネル3とから構成されている。筐体2は1DINサイズであり、この筐体2は例えば自動車の車室内のダッシュボードやインストルメントパネル内に埋設される。このとき前面パネル3は、ダッシュボードやインストルメントパネルの表面とほぼ一致する。
【0023】
この実施の形態では、Y1方向が下側(第1の側)で、Y2方向が上側(第2の側)である。またX方向が左右方向、Z1方向が前方、Z2方向が後方(ケース内方)である。
【0024】
図8(A)に示すように、ケース1および筐体2の内部では、下側(Y1側)が可動部材の収納領域4となっており、この収納領域4は空間である。また上側(Y2側)が内部機器の設置領域5である。この設置領域5には、オーディオ用、画面表示用、ラジオ用などの各種電子回路が設置される。またこの設置領域5にはCDやDVD、MDなどの記録媒体の駆動装置が設置される。図に示す実施の形態では、前記設置領域5の前方(Z1側)に前記記録媒体の駆動装置が設置されている。
【0025】
図2に示すように、ケース1の一部を構成する前面パネル3のパネル前面6の下側(第1の側:Y1側)に片寄った位置に開口部7が形成されている。この開口部7は高さ方向の開口幅寸法がHであり、左右方向(X方向)に細長いほぼ長方形状に開口している。図8(A)に示すように、前記開口部7は、筐体2内の前記収納領域4に通じている。
【0026】
また、前記パネル前面6の上側(第2の側:Y2側)に寄った位置には、記録媒体の挿入・排出口8が開口している。この挿入・排出口8は、前記設置領域5内に設置された記録媒体の駆動装置に対して記録媒体(ディスク)を挿入・排出できる位置に開口している。
【0027】
また前記パネル前面6には、クッション材9,9が貼り付けられている。このクッション材9,9は、パネル前面6の前方に可動部材10が設置されたときに、立ち上がり姿勢となった可動部材10とパネル前面6との間に収縮して介在し、車体振動などの影響で可動部材10ががたつきを生じるのを防止するためのものである。クッション材9,9はゴム板、発泡樹脂板などの弾性収縮性の板材で形成されている。
【0028】
図1に示すように、前面パネル3の前方には、可動部材10が設置可能となっている。この可動部材10は、パネル前面6とほぼ同じ面積を占める大きさである。
可動部材10の表面(前面)は制御面10aであり、この制御面10aのほぼ全面が、表示および/または操作面となっている。前記制御面10aには、表示部材11aおよび、操作部材11b,11cが配列されている。前記表示部材11aは例えばイコライザー表示を行うもの、ラジオの受信周波数を表示するもの、あるいは液晶TVであって、TV受信画像やナビゲーションシステムの地図表示画像などを表示するものである。すなわち、この制御面10aには記録媒体の挿入・排出口などが設けられていないため、大きな画面の表示部材11aを配置できる。
【0029】
また制御面10aに設けられた操作部材11bおよび11cは、筐体2内に収納されている記録媒体の駆動装置やTVチューナの制御操作、筐体2以外の箇所に設けられた記録媒体駆動装置やディスクチェンジャなどを操作するものや、カーナビゲーション操作などを行うものである。前記操作部材11bは回転操作式であり、操作部材11cはキースイッチである。
【0030】
前記可動部材10は、下側(第1の側:Y1側)の端部10bに、前方(Z1方向)へ突出する突出部10eが設けられて、前記端部10bが可動部材10の他の部分よりも厚さ寸法Wが大きくなっている。この厚さWは、前記パネル前面6に開口する開口部7の縦方向の開口幅寸法Hとほぼ一致するか、あるいは前記開口幅寸法Hよりもわずかに小さくなっている。
【0031】
よって、図2および図9(B)に示すように、可動部材10が開口部7から筐体2内の収納領域4内に収納された状態で、前記可動部材10の端部10bにより開口部7が塞がれ、端部10bと開口部7との間にはほとんど隙間が形成されない。またこのとき可動部材10の端部10bの面(端面)と、パネル前面6はほぼ同一面となる。よって、図2の収納姿勢では、パネル前面6から可動部材10が外されているように偽装でき、電子機器の車内からの盗難を防止できる。
【0032】
さらに、図8(C)に示すように、前記可動部材10の前記下端10bにおいて前方へ突出する突出部10eと、前記制御面10aとの高さの差Tは、前記制御面10aに設けられた前記表示部材11aおよび操作部材11b,11cの前記制御面10aからの突出高さよりも大きく形成されている。
【0033】
したがって、図9(A)(B)に示すように、水平姿勢となった可動部材10が上端10c(第2の側の端部)から開口部7内を後方(Z2方向)へ向って収納されるときに、前記表示部材11aおよび操作部材11b,11cが開口部7の縁に当たることがなく、しかも収納を完了したときに、可動部材10の下端10bと開口部7の縁との間に余分な隙間が生じなくなる。
【0034】
パネル前面6を覆う立ち上がり姿勢(図8(A))にある可動部材10が収納されるときには、図8(B)に示すように、可動部材10が傾斜することなく前方へ所定距離移動した後、さらに下端10bが前方へ移動し、その間に上端10cが下側(第1の側)に回動する。そして可動部材10の制御面10aがパネル前面6とほぼ垂直となった水平状態(図9(A))で、可動部材10が筐体2内の収納領域4へ収納させられる。また収納姿勢の可動部材10が立ち上がり姿勢に至る過程は、図10から図11に示すように前記と逆である。
【0035】
以下、上記のように可動部材10を立ち上がり姿勢と収納姿勢の間で移動させる姿勢制御手段20の構造および動作を説明する。
【0036】
上記姿勢制御手段は、主に往復駆動手段(往復駆動機構)21と、可動部材を立ち上がり姿勢と収納姿勢とに振り分ける振り分け手段(振り分け機構)22とから構成されている。図4ないし図7は主に前記往復駆動手段21の構造および動作さらには持ち上げ部材の動作を示し、図3は主に振り分け手段22の構造を示し、図8以下は振り分け手段22の動作を示す。
【0037】
図3および図4に示すように、前記可動部材10の左右方向の両側面10d,10dでは、下端(第1の側の端部)10b側に第1の支持点を構成する第1の支持ピン12,12が固定されている。前記往復駆動手段21では、ケース1の底部側において前後方向(Z1−Z2方向)へ往復移動自在に設けられた往復支持部材23が設けられている。この往復支持部材23は、底板部23aとその左右両側に立ち上がるように折り曲げ形成された折曲片23b,23bとが1枚の金属板から一体に折り曲げ形成されたものである。
【0038】
前記折曲片23b,23bの先端には支持穴23c,23cが形成されており、前記可動部材10の両側面10d,10dの下端10b側に設けられた前記第1の支持ピン12,12がこの支持穴23c,23cに回動自在に支持されている。すなわち、可動部材10の下端(第1の側の端部)は、前記往復支持部材23に回動自在に支持されている。
【0039】
また、前記往復支持部材23の底板部23aには、前後方向(Z1−Z2方向)へ長く形成された長穴23dが4箇所設けられ、各長穴23dは、筐体2の底板上に固定して設けられたガイドピン14に挿通されている。その結果、往復支持部材23がケース1の前後方向へ直線的に往復移動可能となっている。
【0040】
図4に示すように、筐体2の底板上には、回転体24が前記底板に固定された中心軸25によって回動自在に支持されている。回転体24の周囲には、前記中心軸25を中心とする円弧状の所定モジュールの歯24aが形成され、回転体24は部分歯車を構成している。
【0041】
前記歯24aには、減速歯車列28の出力段のピニオン歯車28aが噛み合っており、減速歯車列28の入力段の歯車28bには、モータ29の出力軸に固定されたウオーム歯車29aが噛み合っている。すなわち、前記減速歯車列28とモータ29とによって、前記回転体24を往復回動させるモータ駆動部が構成されている。
【0042】
前記回転体24の歯24aが設けられていない部分には、回動アーム24bが一体に形成され、その先部に摺動体(摺動部)となる摺動ピン26が固定されている。前記往復支持部材23の底板23aには、駆動カム部として機能する左右方向へ直線的に延びる駆動カム長穴(カム部)23eが形成されており、前記摺動ピン26が前記駆動カム長穴23e内に摺動自在に挿入されている。回動アーム24bと摺動ピン26および前記駆動カム長穴23eによって、回転体24の回転運動を往復支持部材23の往復運動に変換する運動変換手段27が構成されている。
【0043】
図4に示すように、回転体24が時計方向へ回動するときに、往復支持部材23が後方(Z2方向)へ引き込まれる(第1の後退動作)。この第1の後退動作で、可動部材10はパネル前面6を覆う立ち上がり姿勢(図8(A))に回動させられる。図5は回転体24が図4の状態から反時計方向(第2の方向)へほぼ90度(回転体24の回動範囲のほぼ中間点)まで回動した状態であり、このとき往復支持部材23は前方(Z1方向)へ最も突出している。これは図9(A)の状態である。図6に示すように、回転体24がさらに反時計方向(第2の方向)へ回動するときに、可動部材10は後退する(第2の後退動作)。この第2の後退動作により可動部材10は水平姿勢のままケース1内に完全に引き込まれる(図9(B))。
【0044】
また、回転体24が図6の状態から時計方向(第1の方向)へ回動すると、図7に示すように、往復支持部材23が前方へ移動し、可動部材10が水平姿勢のままケース1の外方へ突出する。そして前記図4に示すように、往復支持部材23が第1の後退動作を行うと、可動部材10が立ち上がり姿勢に移行する。
【0045】
図3に示すように、往復支持部材23の底板部23aには、前記駆動カム長穴23eよりも前方に軸15が固定されており、この軸15に持ち上げ部材16が回動自在に支持されている。例えば図5に示されるように、前記軸15と前記回転体24の中心軸25は、Z1−Z2方向へ延びる一直線上に位置している。
【0046】
前記持ち上げ部材16は平面形状がY形であり、中心穴16aが前記軸15に回動自在に挿入される。持ち上げ部材16のひとつの腕部は、上面が厚肉に隆起した押し上げ腕16bである。他の腕部は前記持ち上げ腕16bよりも薄く形成された第1の制御腕16cと第2の制御腕16dである。
【0047】
持ち上げ部材16の中心穴16aが前記軸15に挿通された状態で、持ち上げ部材16の上方からスプリング17が前記軸15に挿通され、このスプリング17が圧縮した状態で、軸15の上端にリング18が止められる。スプリング17が圧縮して前記リング18に止められているため、前記持ち上げ部材16は前記底板部23aに弾圧されている。
【0048】
また持ち上げ部材16の前記持ち上げ腕16bの下端には凸部16eが突出形成されている。また底板部23aには、前記凸部16eと嵌合する第1のストッパ凹部19aと第2のストッパ凹部19b(図5参照)が形成されている。
【0049】
前記持ち上げ部材16は、図4に示すように凸部16eと第1のストッパ凹部19aとが嵌合する姿勢、および図6に示すように凸部16eが第2のストッパ凹部19bに嵌合する回動姿勢で安定する。
【0050】
図6から図7に示すように、回転体24が時計方向へ回動するときに摺動ピン26により持ち上げ部材16が反時計方向へ回動させられ、さらに凸部16eが第1のストッパ凹部19aに嵌合する。このときに、水平姿勢である可動部材10の裏面と底板部23aとの間に持ち上げ腕16bが入り込み、持ち上げ腕16bの隆起部により可動部材10の上端10cに対して持ち上げ力が与えられる。
【0051】
図3に示すように、前記可動部材10の両側面10d,10dでは、前記第1の支持ピン12よりも上端10c側に固定された第2の支持点を構成する第2の支持ピン13が設けられている。図3には姿勢切換え部材として機能する姿勢切換えアーム31が示されている。この姿勢切換えアーム31の一端には穴31aが形成され、前記第2の支持ピン13はこの穴31a内に回動自在に連結されている。前記姿勢切換えアーム31の他端には制御支点を構成する制御ピン32が固定されている。
【0052】
前記往復支持部材23の両折曲片23b,23bには、長穴による案内部33が形成されている。この案内部33は、前後(Z1−Z2)方向へ水平に延びる直線案内部33aと、その前方(Z1方向)で上方へ斜めに延びる上方傾斜案内部33bと、前記直線案内部33aの後方(Z2方向)で下方へ斜めに延びる下方傾斜案内部33cとから構成されている。
【0053】
前記姿勢切換えアーム31と制御ピン32は、前記可動部材10の左右両側に一対設けられており、前記それぞれの制御ピン32が前記各案内部33内に摺動自在に挿入されている。
【0054】
図4では、振り分け手段22の詳しい構造が省略されているが、この振り分け手段22は左右方向(Y方向)の両側において、前記一対の姿勢切換えアーム31に対応して、それぞれ設けられているが、以下では図3に示す一方の側に設けられた振り分け手段22についてのみ説明する。他方の側に設けられた振り分け手段の構造は図3に示すものとY方向で対称である。
【0055】
前記振り分け手段22には振り分け部材34が設けられている。この振り分け部材34は、金属板によりL字状に折り曲げられたものであり、縦方向へ垂直に延びる制御板部34aと、水平に延びる固定板部34bとからなる。図4に示すように、前記固定板部34bが筐体2の底板上に固定されている。
【0056】
前記制御板部34aには、長穴により形成された振り分け路35が設けられており、前記折曲片23bの案内部33内に挿通された前記制御ピン32は、前記振り分け路35内に摺動自在に挿通されている。
【0057】
前記振り分け路35は、前後方向(Z方向)へ短く延びる立ち上がり姿勢案内部35aと、それよりも下方で同じく後方へ、立ち上がり姿勢案内部35aと平行に延び、且つ立ち上がり姿勢案内部35aよりも十分に長い収納姿勢案内部35bとが設けられている。また立ち上がり姿勢案内部35aと収納姿勢案内部35bの前端部は縦方向に垂直に延びる分岐部35cによって連結されている。
【0058】
前記振り分け部材34の制御板部34aの外側には、選択部材37が設けられている。この選択部材37に形成された穴37aは、制御板部34aに固定された支持軸36に回動自在に支持されている。さらに前記選択部材37の穴37aに挿通された前記支持軸36の先部には、トーションばね38の巻き部が外挿されており、前記支持軸36の先端に設けられた図示しない抜け止め部材により、トーションばね38の巻き部は前記支持軸36から抜け止めされている。
【0059】
トーションばね38の一方の付勢腕38aは、選択部材37に形成されたばね掛け片37bに掛けられ、トーションばね38の他方の付勢腕38bは、前記制御板部34aの上端に折り曲げ形成されたばね掛け片34cに掛けられている。このトーションばね38の前記付勢腕38aにより、選択部材37は前記支持軸36を支点として反時計方向(F1方向)すなわち図9(B)などに示すような規制姿勢へ回動するように付勢されている。なお、選択部材37の上辺37cが、前記ばね掛け片34cに当たることにより、選択部材37の反時計方向への回動限界が決められている。
【0060】
また、前記トーションばね38の巻き部は圧縮ばねとしての機能を有している。この巻き部が選択部材37と、支持軸36の先端の抜け止め部材との間で圧縮されて介装されていることにより、前記選択部材37は、前記制御板部34aに対して常にG方向へ弾性的に押し付けられている。
【0061】
前記選択部材37の後端には、前記制御板部34aの方向へ突出する小突起39が設けられている。この小突起39は選択部材37からエンボス加工などにより隆起形成されている。
【0062】
一方、前記制御板部34aには、前記支持軸36を中心とする円弧軌跡上に沿って長穴状に形成された円弧案内部41と、その下方の前記円弧軌跡の延長線上に形成された丸穴のロック部42とが形成されている。前記小突起39が前記円弧案内部41内に入っているときには、前記選択部材37は前記円弧案内部41の長さ範囲内で回動可能である。また前記小突起39が前記円弧案内部41を乗り出して前記ロック部42に嵌合されると、前記トーションばね38の巻き部のG方向への付勢力により、小突起39がロック部42に押し付けられ、小突起39がロック部42内で動かないように保持される。このとき選択部材37は、図8(A)(B)(C)などに示すように規制解除姿勢に回動して軽ロック状態になる。
【0063】
前記選択部材37の前端は、溝44を介して分岐され、下方の分岐片が前方(Z1方向)に延びている。この分岐片の先端が選択規制部43aである。この選択規制部43aよりも上側に形成された前記溝44の上辺が第1の摺動部43bである。また前記選択規制部43aよりも下側の前記選択部材37の下辺が第2の摺動部43cである。
【0064】
次に可動部材10の姿勢制御動作について説明する。
図1に示す立ち上がり姿勢では、ケース1の前面に、可動部材10の制御面10aが現れている。この状態で、制御面10aの表示部材11aに、例えばイコライザー表示や、ラジオの受信周波数表示や、TV受像画面や、カーナビゲーションシステムの地図表示などが映し出される。また操作部材11bや11cにより、ラジオチューナ選択、TVチャンネル選択、カーナビゲーションシステムの操作、あるいはディスクチェンジャの操作、さらには音量や音質の調整などが行われる。
【0065】
図4および図8(A)は、可動部材10が立ち上がり姿勢のときの、姿勢制御手段20の動作状態を示している。
【0066】
図4に示すように、往復駆動手段21では、モータ29により回転体24が時計方向(第1の方向)へ回動させられた位置で停止しており、往復支持部材23は第1の後退動作で後方(Z2方向)へ移動し停止している。
【0067】
このとき、図8(A)に示すように、可動部材10の側面10dに回動自在に連結されている姿勢切換えアーム31の基端部に設けられた制御ピン32は、前記往復支持部材23の折曲片23bに形成された案内部33のうちの前方の上方傾斜案内部33bの先端に位置している。また制御ピン32は、制御板部34aに形成された振り分け路35のうちの上方の立ち上がり姿勢案内部35aのZ2側端部に位置している。さらに、前記制御ピン32は、選択部材37の第1の摺動部43bを摺動して溝44内に入り込んでいる。よって選択部材37は時計方向(F2方向)へ回動させられており、選択部材37の後端に設けられた小突起39は、前記制御板部34aに形成されたロック部42に嵌合し、選択部材37は時計方向(F2方向)へ回動した姿勢で軽ロック状態となっている。
【0068】
また、図4に示すように、往復支持部材23の底板部23aに設けられた持ち上げ部材16は反時計方向へ回動しており、持ち上げ腕16bの下面に設けられた凸部16eが、底板部23aの第1のストッパ凹部19aに嵌合して、持ち上げ部材16が軽ロックされている。
【0069】
可動部材10を立ち上がり姿勢から収納姿勢へ移動させる際には、可動部材10の制御面10aに設けられた収納操作釦などを押す。この操作で、図4に示すモータ29により回転体24が反時計方向(第2の方向)へ駆動される。立ち上がり姿勢から収納姿勢までを連続的に行わせるときには、回転体24は図4の状態から図5の状態を経て、図6に示すように反時計方向(第2の方向)へ最も回動する状態に至り、このときモータ29が停止する。
【0070】
図4、図5、図6の過程で、回転体24の回動アーム24b、これに固定された摺動ピン26ならびに往復支持部材23に形成された駆動カム部23eとから構成される運動変換手段27により、往復支持部材23が一往復移動させられる。図5は往復支持部材23が前方(Z1方向)へ最も突出した位置であり、往復支持部材23が図4から図5に至る突出動作の間、可動部材10は図8(A)から図9(A)の姿勢となる。さらに回転体24が図5から図6の姿勢まで回動する際に往復支持部材23が第2の後退動作を行い、可動部材10は図9(A)に示す状態から図9(B)に示す収納姿勢に至る。
【0071】
まず図4と図8(A)に示す立ち上がり姿勢から、往復支持部材23がZ1方向へ突出する最初の過程では、往復支持部材23がZ1方向へ直線的に前進し、また姿勢切換えアーム31に設けられた制御ピン32は、振り分け手段22を構成する制御板部34aの立ち上がり姿勢案内部35a内をZ1方向へ直線的に前進する。よって、可動部材10は、図8(B)に至る間、傾斜することなく平行にZ1方向へ前進する。
【0072】
図8(B)では、制御ピン32が、立ち上がり姿勢案内部35aの前端に至り、制御ピン32はそれ以上Z1方向へ前進できなくなる。よってさらに往復支持部材23がZ1方向へ前進すると、可動部材10を支持している第1の支持ピン12が前進し、第2の支持ピン13はそれ以上前進できなくなるため、往復支持部材23の前進にともなって、可動部材10の上端(第2の側の端部)が下側(第1の側)に向けて回動する。
【0073】
図8(C)は可動部材10が回動している途中を示すが、この状態では、制御ピン32は、往復支持部材23に形成された直線案内部33a内を摺動しており、また制御ピン32は、制御板部34aの振り分け路35のうちの分岐部35c内に位置している。図8(C)から図9(A)に至るときに、往復支持部材23の前進により制御ピン32は下方傾斜案内部33cに沿って下降するため、図9(A)では制御ピン32は制御板部34aの収納姿勢案内部35bの前端に位置する。よって、図9(A)に示す往復支持部材23が最も前進した状態で、可動部材10は制御面10aがパネル前面6と垂直に向けられた水平姿勢となる。
【0074】
図9(A)から往復支持部材23がZ2方向へ後退するとき、制御ピン32は、制御板部34aの収納姿勢案内部35bに沿って後方(Z2方向)へ移動するため、可動部材10は水平姿勢のまま、ケース1および筐体2内の収納領域4内に収納される。図9(B)に示す収納姿勢で、可動部材10の下端10bの端面がパネル前面6とほぼ一致する。
【0075】
図9(A)から図9(B)に至る間、制御ピン32は、制御板部34aの振り分け路35のうちの収納姿勢案内部35b内を後方へ移動するが、このとき、制御ピン32が選択部材37の下辺の第2の摺動部43cに当たって摺動する。よって、選択部材37は反時計方向(F1方向)へ回動させられ、選択部材37の後端に設けられた小突起39が制御板部34aのロック部42から外れて円弧案内部41に入る。よって、選択部材37の軽ロックは解除され、前記円弧案内部41の移動範囲内において、選択部材37は支持軸36を支点として回動可能になる。ただし、トーションばね38により常に反時計方向(F1方向)へ弾性付勢されている。
【0076】
また、図4、図5および図6に示すように、回転体24が反時計方向(第2の方向)へ回動して往復支持部材23が第2の後退動作を行うとき、図5に示すように、回転体24に設けられた摺動ピン26が、持ち上げ部材16の第2の制御腕16dに当たり、回転体24の反時計方向への回動力により持ち上げ部材16が時計方向へ回動させられる。そして、図6に示すように摺動ピン26が持ち上げ部材16から外れると、持ち上げ腕16bに形成された凸部16eが第2のストッパ凹部19bに嵌合して、持ち上げ部材16が時計方向へ回動した姿勢で軽ロックされる。
【0077】
よって、図10(A)および図10(B)を経て、可動部材10が水平姿勢へ回動するときに、図6に示すように持ち上げ部材16の持ち上げ腕16bが、可動部材10の裏面から外れる位置に移動する。よって可動部材10は持ち上げ腕16bに邪魔されること無く、往復支持部材23の底板部23aに接近しまたは密着できて、確実に水平姿勢となることができる。
【0078】
上記において、回転体24が所定の回転位置になったことを検知し、あるいは往復支持部材23が所定の移動位置となったことを検知してモータ29を停止させることにより、可動部材10を図8(C)の傾斜姿勢になった状態で停止させることができ、あるいは可動部材10を図9(A)に示す水平姿勢となったときに停止させることができる。図8(C)に示す状態では、可動部材10の制御面10aが斜め上向きであり、この制御面10aに設けられた表示部材11aを見ることができ、また操作部材11b,11cを操作することができる。
【0079】
また図8(C)では、傾斜姿勢で停止する可動部材10の上端10cに隣接する位置にパネル前面6が現れており、上端10cに隣接する位置に記録媒体の挿入・排出口8が現れている。よって、可動部材10の上方から前記挿入・排出口8を介して記録媒体(ディスク)の挿入と排出が可能である。
【0080】
また、図9(A)に示すように、可動部材10が水平姿勢で突出している状態で停止させると、可動部材10の上向きの制御面10aを見て操作することができる。
【0081】
また、図2に示すように、可動部材10がケース1内に収納された状態では、可動部材10の下端面10bがパネル前面6とほぼ同一面であるため、パネル前面6全体がひとつの面のように見ることができ、可動部材10がパネル前面6から外されたように偽装できる。よって電子機器の盗難を防止できる。
【0082】
次に、収納姿勢の可動部材を突出させて立ち上がり姿勢とするには、図6と図9(B)の収納姿勢で、可動部材10の後端10bを押して可動部材を介してスイッチを動作させ、またはパネル前面6に設けられたスイッチを操作する。
【0083】
これらの操作によりモータ29が始動し、回転体24が時計方向(第1の方向)へ回動し始める。回転体24が図7に示す位置まで回動すると、往復支持部材23が前方(Z1方向)へ最も前進する。この間、図9(B)から図10(A)に示すように、制御ピン32が、制御板部34aの収納姿勢案内部35b内をZ1方向へ前進する。また制御ピン32が前方まで移動するときに、選択部材37の第2の摺動部43cに当たるため、選択部材37は一旦時計方向(F2方向)へ回動する。ただしこの回動範囲は、選択部材37の小突起39が制御板部34a内の円弧案内部41内を移動する範囲内である。よって、図10(A)に示すように、制御ピン32が収納姿勢案内部35bの前端まで移動し、制御ピン32が選択部材37から外れると、選択部材37はトーションばね38により反時計方向(F1方向)へ回動させられ、選択部材37の前端の選択規制部43aにより収納姿勢案内部35bの前端が塞がれる。すなわち選択部材37は規制姿勢となる。
【0084】
図5の状態からさらに回転体24が時計方向(第1の方向)へ回転すると、往復支持部材23が後方(Z2方向)へ第1の後退動作を行うが、図10(A)に示すように、このとき制御ピン32は、規制姿勢となっている前記選択部材37の選択規制部43aにより収納姿勢案内部35b内に戻るのを阻止される。したがって、制御ピン32は、後方へ移動する往復支持部材23に形成された下方傾斜案内部33cにより持ち上げられ、制御板部34aに設けられた振り分け路35の分岐部35cに移動する(図10(B)参照)。よって往復支持部材23が第1の後退動作を行うと、往復支持部材23の直線案内部33aが制御ピン32を摺動する。
【0085】
往復支持部材23が後退するとき、制御ピン32が前記分岐部35c内に保持され、往復支持部材23と可動部材10との連結点である第1の支持ピン12が後方へ移動するため、可動部材10の上端(第2の側の端部)10cが上方へ持ち上げられる。よって図10(B)に示すように、可動部材10が傾斜姿勢となって反時計方向へ回動していくが、図11(A)に至ると、往復支持部材23に設けられた上方傾斜案内部33bにより制御ピン32が持ち上げられ、制御ピン32が立ち上がり姿勢案内部35aに入ることができる高さに移動する。この時点で、可動部材10は制御面10aがパネル前面6と平行な向きの垂直姿勢となる。
【0086】
さらに往復支持部材23が後退すると、図11(A)から図11(B)に示すように、制御ピン32は制御板部34aの立ち上がり姿勢案内部35a内を後方へ移動し、可動部材10はパネル前面6を覆う立ち上がり姿勢となる。図11(B)に至る間に、制御ピン32が選択部材37の溝44内に入るとともに第1の摺動部43bに当たる。制御ピン32が立ち上がり姿勢案内部35aの後端に移動すると、選択部材37が時計方向(F2方向)へ回動させられ、小突起39が円弧案内部41から抜け出て、ロック部42に嵌合し、選択部材37が軽ロック状態となる。このとき選択部材37は規制解除姿勢となり、選択部材37の選択規制部43aは収納姿勢案内部35bを開放する。
【0087】
このように選択部材37は円弧案内部41の範囲内で回動自在であるとともに、トーションばね38により反時計方向(F1方向)へ付勢されており、しかも時計方向へ回動したときには前記ロック部42により軽ロックされる。前記軽ロックにより選択部材37が規制解除姿勢で保持されるため、図8(A)から図9(A)に至る間は、制御ピン32が、制御板部34aの振り分け路35の収納姿勢案内部35bに入り込むことができる。また図9(B)から図10(B)に至る間は、反時計方向へ回動して規制姿勢となっている選択部材37の選択規制部43aにより制御ピン32が規制されて、制御ピン32が収納姿勢案内部35b内に戻るのを防止でき、往復支持部材23の後退により、可動部材10を立ち上げることができる。
【0088】
また、図6に示す収納姿勢から、回転体24が時計方向(第1の方向)へ回動するときに、回転体24に設けられた摺動ピン26が、持ち上げ部材16の第1の制御腕16cに当たり、回転体24の回転力により持ち上げ部材16が反時計方向へ回動させられる。図7は、持ち上げ部材16が反時計方向へ回動する途中動作を実線で示している。さらに回転体24が持ち上げ部材16から離れると、図7において破線で示しているように、持ち上げ腕16bの凸部16eが底板部23aの第1のストッパ凹部19aに嵌合し、持ち上げ部材16が図7にて破線で示す姿勢で軽ロックされる。持ち上げ部材16の図7の破線で示す姿勢は、図4に示す姿勢と同じである。
【0089】
図7において持ち上げ部材16が実線状態および破線状態に至る際に、持ち上げ腕16bが、可動部材10の裏面の上端部と底板部23aとの間に介入し、持ち上げ腕16bの上面の隆起部により、可動部材10の裏面の上端部に対して持ち上げ力が作用する。したがって、図7および図10(A)の状態からさらに往復支持部材23が第1の後退動作を行う際に、可動部材10の上端10cが上方へ回動しやすくなる。
【0090】
すなわち、図10(A)の状態から往復支持部材23がZ2方向へ後退する際には、第1の支持ピン12にZ2方向の力が与えられ、このとき第2の支持ピン13が支えられ規制されることにより、可動部材10が第1の支持ピン12を支点として上方へ回動させられる。図10(A)に示すように可動部材10が水平姿勢のときには、第1の支持ピン12と第2の支持ピン13に与えられる力のうちの可動部材10の立ち上がり回動のための分力がきわめて小さく、可動部材10の重量が大きいときには可動部材10が上方へ回動しにくくなっている。しかし、図7および図10(A)の状態から往復支持部材23が後退するときに、持ち上げ腕16bで可動部材10の上端を持ち上げることにより、可動部材10が確実に立ち上がり姿勢に回動できるようになる。
【0091】
図12は、往復支持部材23の駆動カム長穴23eの部分のさらに好ましい構造を示している。
図12では、往復支持部材23の底板部23aに規制部材51などが設けられている。図4以下に示すように、前記底板部23aの上には前記持ち上げ部材16が設けられているため、前記規制部材51などは、底板部23aの下面に設けられている。なお、持ち上げ部材16を設けない場合には、前記規制部材51などを底板部23aの上に設けてもよい。
【0092】
図12に示すように、前記底板部23aに形成された駆動カム長穴23eでは、前方Z1方向へ延びる傾斜部23e1が形成されている。図12では、回転体24の中心軸25と摺動ピン26がZ1−Z2方向に平行な一直線上に位置している。このとき前記摺動ピン26が前記傾斜部23e1に対向するように、前記傾斜部23e1の位置が決められている。
【0093】
また、規制部材51は、底板部23a上で軸52により回動自在に支持されている。また規制部材51はトーションばね53により時計方向へ付勢されており、ストッパ54により前記付勢方向への回動が規制されている。規制部材51が前記ストッパ54に当たっているときに、規制部材51のZ2側の側面51aは、駆動カム長穴23eのZ1側の縁にほぼ一致する。
【0094】
図12に示すように、回転体24の中心軸25と摺動ピン26とがZ方向へ同一線上に位置しているとき、図5または図7に示すように往復支持部材23および可動部材10はZ1方向へ最も先進している。
【0095】
図5、図7、図12に至ったときに、可動部材10または往復支持部材23が誤って押されZ2方向への押圧力が与えられると、中心軸25と摺動ピン26と一直線上に位置しているため、回転体24がどちらの方向へも回転できなくなり、機構がロック状態になる。
【0096】
ただし、図12では、摺動ピン26が、駆動カム長穴23eの傾斜部23e1に当たっているため、往復支持部材23にZ2方向への力が作用したときに、摺動ピン26が前記傾斜部23e1を摺動し、回転体24が反時計方向へ回動できるようになる。特にモータ29から回転体24への動力伝達経路のいずれかの箇所、例えばピニオン歯車28aに滑りクラッチを設けておくと、回転体24は反時計方向へ容易に回動でき、機構がロックするのを防止できる。
【0097】
なお、摺動ピン26が傾斜部23e1を摺動するときには、規制部材51は反時計方向へ回動する。また往復支持部材23や可動部材10にZ2方向への外力が作用していないときは、規制部材51がストッパ54に当たった状態であり、摺動ピン26は規制部材51の側面51aを摺動することになるため、摺動ピン26と往復支持部材23との間にZ方向へのがたつきが生じなくなる。
【0098】
【発明の効果】
以上のように本発明では、表示部材および/または操作部材が設けられた可動部材が水平姿勢または傾斜姿勢から立ち上がり姿勢に回動するときに、可動部材に対して持ち上げ力が作用するため、可動部材が確実に立ち上がり姿勢へ回動するようになる。よって前記可動部材が大型で重量の大きいものであっても、比較的低負荷の状態で可動部材を回動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可動部材が立ち上がり姿勢となった状態を示す車載用電子機器の斜視図、
【図2】可動部材が収納姿勢となった状態を示す車載用電子機器の斜視図、
【図3】可動部材を支持している振り分け手段の構造および持ち上げ部材の構造を示す分解斜視図、
【図4】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部材の立ち上がり姿勢の状態を示す平面図、
【図5】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部材が突出した状態を示す平面図、
【図6】往復駆動手段の動作を示すものであり、可動部材の収納姿勢の状態を示す平面図、
【図7】収納姿勢から可動部材が前方へ突出した状態を示す平面図、
【図8】(A)(B)(C)は、可動部材が立ち上がり姿勢から傾斜姿勢に至るまでの動作を示す側面図、
【図9】(A)(B)は、可動部材が突出状態から収納姿勢に至るまでの動作を示す側面図、
【図10】(A)(B)は、可動部材が収納姿勢から突出する際の回動動作を示す側面図、
【図11】(A)(B)は、可動部材が垂直姿勢となった状態から立ち上がり姿勢に至るまでを示す側面図、
【図12】往復支持部材に形成された駆動カム長穴の好ましい構造を示す平面図、
【符号の説明】
1 ケース
2 筐体
3 前面パネル
4 収納領域
5 設置領域
6 パネル前面
7 開口部
8 挿入・排出口
9 クッション材
10 可動部材
10a 制御面
10b 下端(第1の側の端部)
10c 上端(第2の側の端部)
11a 表示部材
11b,11c 操作部材
12 第1の支持ピン(第1の支持点)
13 第2の支持ピン(第2の支持点)
15 軸
16 持ち上げ部材
16b 持ち上げ腕
16c 第1の制御腕
16d 第2の制御腕
20 姿勢制御手段
21 往復駆動手段
22 振り分け手段
23 往復支持部材
23e 駆動カム長穴(カム部)
23e1 傾斜部
24 回転体
24a 歯
24b 回動アーム
26 摺動ピン(摺動体)
27 運動変換手段
29 モータ
31 姿勢切換えアーム
32 制御ピン
33 案内部
33a 直線案内部
33b 上方傾斜案内部
33c 下方傾斜案内部
34 振り分け部材
35 振り分け路
35a 立ち上がり姿勢案内部
35b 収納姿勢案内部
35c 分岐部
37 選択部材
38 トーションばね
43a 選択規制部
51 規制部材

Claims (5)

  1. ケースと、表面に表示部材操作部材の少なくとも一方を備えた可動部材と、前記可動部材をケースの前方で、前記表面が上を向く平姿勢から前記表面がケース前方へ向く立ち上がり姿勢へ回動させる姿勢制御手段と、を備えた電子機器において、
    前記姿勢制御手段は、前記可動部材の下部を第1の支持点で支持してケースの前後方向へ移動する往復支持部材と、この往復支持部材を前記前後方向へ移動させるモータ駆動部と、前記往復支持部材が前進位置からケース内方向へ後退させられるときに、前記可動部材を、前記第1の支持点よりも上方で支えて前記水平姿勢から前記立ち上がり姿勢へ回動させる第2の支持点とを有し、
    前記往復支持部材が後退するときの移動力により、前記可動部材が前記水平姿勢から前記立ち上がり姿勢へ回動させられるときに、前記可動部材の裏面と前記往復支持部材との間に介入して前記可動部材に対して前記立ち上がり姿勢方向へ持ち上げ力を与える持ち上げ部材が設けられていることを特徴とする電子機器。
  2. 往復支持部材の第1の後退動作の際に、前記水平姿勢の可動部材を立ち上がり姿勢に回動させ、次に往復支持部材が前進してさらに第2の後退動作を行うときに前記可動部材を水平姿勢に戻してケース内へ収納させるように、前記第2の支持点の移動経路を振り分ける振り分け手段が設けられており、
    前記持ち上げ部材は、往復支持部材の第1の後退動作の際に可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入し、往復支持部材の第2の後退動作の際に可動部材の裏面から外れるように移動させられる請求項記載の電子機器。
  3. 前記モータ駆動部の第1の方向の回転動力で前記往復支持部材に前進と第1の後退動作を行なわせ、前記モータ駆動部の第2の方向の回転動力で前記往復支持部材に前進と第2の後退動作を行なわせる運動変換手段が設けられ、
    前記モータ駆動部の第1の方向の回転動力で、持ち上げ部材が可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入する方向へ動作させられる請求項記載の電子機器。
  4. 前記持ち上げ部材は、往復支持部材に回動自在に支持されており、前記運動変換手段は、モータ駆動部により往復回動させられる回転体と、前記往復支持部材に往復移動方向と交叉して設けられ且つ前記回転体の摺動部が移動するカム部とを有し、
    前記モータ駆動部が第1の方向へ回転するときに、前記回転体の回転力により前記持ち上げ部材が可動部材の裏面と往復支持部材との間に介入する方向へ回動させられ、前記モータ駆動部が第2の方向へ回転するときに、前記回転体の回転力により、前記持ち上げ部材が可動部材の裏面から外れる方向へ回動させられる請求項記載の電子機器。
  5. 前記カム部には、前記回転体の回転中心と前記摺動部とを結ぶ線が往復支持部材の往復移動方向に平行な一直線上に位置した状態で前記往復支持部材にケース内方への外力が与えられたときに前記回転体に対して回転モーメントを与えることができる傾斜部が設けられている請求項記載の電子機器。
JP13308599A 1999-05-13 1999-05-13 電子機器 Expired - Fee Related JP3892615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13308599A JP3892615B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13308599A JP3892615B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000323854A JP2000323854A (ja) 2000-11-24
JP3892615B2 true JP3892615B2 (ja) 2007-03-14

Family

ID=15096513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13308599A Expired - Fee Related JP3892615B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3892615B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5003881B2 (ja) * 2007-03-30 2012-08-15 セイコーエプソン株式会社 扉体の開閉装置、記録装置及び液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000323854A (ja) 2000-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4251765B2 (ja) 車載用電子機器
JP3225718B2 (ja) 電子機器及び着脱装置
JP6120032B1 (ja) 車載装置およびディスプレイ取付け装置
EP1026040B1 (en) Electronic device having retractable movable member provided on front surface
JP3650274B2 (ja) 車載用機器の前面パネル装置
JP3477551B2 (ja) 車載用音響機器の操作パネル反転機構
JP3892615B2 (ja) 電子機器
JP4007753B2 (ja) 車載用電子機器
JP3647298B2 (ja) 盗難防止機能付きの車載用電子機器
JP3938268B2 (ja) 電子機器
JP3597406B2 (ja) 電子機器
JP3597407B2 (ja) 電子機器
JP3647297B2 (ja) 車載用電子機器
JP3676854B2 (ja) 車載用ディスプレイ装置
JP2777526B2 (ja) 車載用ディスプレイ装置
JP3650284B2 (ja) 車載用電子機器
JP4169829B2 (ja) 車載用ディスプレイ装置
JP3892616B2 (ja) 電子機器
JPH0939675A (ja) 車載用ディスプレイ装置
JP3894710B2 (ja) 操作パネルが収納される電子機器
JP4219572B2 (ja) 収納式表示装置
JP3031828B2 (ja) ディスプレイ装置
CN217994301U (zh) 折叠储物盒和具有其的车辆
JPH06156153A (ja) ディスプレイの収納装置およびその排出・収納方法
JP3892617B2 (ja) 電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees