JP4106701B2 - 回折光学装置、屈折光学装置、照明光学装置、露光装置および露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折光学装置、屈折光学装置、照明光学装置、露光装置および露光方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源を形成する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデンサーレンズに入射する。
【0003】
コンデンサーレンズにより集光された光束は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】
そこで、フライアイレンズの後側焦点面に円形状の二次光源を形成し、その大きさを変化させて照明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目されている。また、フライアイレンズの後側焦点面に輪帯状や4極状の二次光源を形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来技術では、円形状の二次光源に基づく通常の円形照明の場合も、輪帯状や4極状の二次光源に基づく変形照明(輪帯照明や4極照明)の場合も、被照射面であるマスク上の一点に入射する光束の断面形状がマスク上の直交する二方向に関して同じ位置関係にある。換言すると、従来技術では、被照射面上の直交する二方向で照明条件が同じである。その結果、マスクパターンに方向性がある場合、マスク上の直交する二方向で最適な照明条件を実現することができない。
【0006】
特に、光軸を中心とした4つの面光源からなる4極状の二次光源が形成される4極照明の場合、各面光源の大きさおよび各面光源の中心の光軸からの距離をそれぞれ変化させることは、たとえば特開2001−85293号公報などに開示されている。しかしながら、従来技術では、4極照明において4極状の二次光源を構成する各面光源の大きさおよび各面光源の中心の光軸からの距離をそれぞれ変化させることは可能であったが、各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させて光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成することはできなかった。
【0007】
なお、本出願人は、たとえば特願2001−74240号明細書および図面においてアキシコン系を用いることにより各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させて光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成する技術を提案しているが、蛍石の加工性ではアキシコン系の製造が困難であって製造コストが非常に高くなる。そこで、アキシコン系を用いることなく簡素な構成にしたがって、各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させて光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成する技術が要望されている。
【0008】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成にしたがって各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させて光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照明光学装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条件のもとで、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写することのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1発明では、被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1回折光学部材と隣り合うように配置された第2回折光学部材とを備えていることを特徴とする回折光学装置を提供する。
【0011】
第1発明の好ましい態様によれば、前記直交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係を有する。また、前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第1回折光学部材または前記第2回折光学部材と隣り合うように配置された第3回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第3回折光学部材と隣り合い且つ前記第2回折光学部材または前記第1回折光学部材と隣り合うように配置された第4回折光学部材とをさらに備えていることが好ましい。この場合、前記直交面において前記第1軸線と前記第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することが好ましい。
【0012】
本発明の第2発明では、被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記所定の軸線を中心として回転可能に構成された第2回折光学部材とを備え、
前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、
前記第1回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成され、
前記第2回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面が形成されていることを特徴とする回折光学装置を提供する。
【0013】
第2発明の好ましい態様によれば、前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しい。また、前記第1回折光学部材と前記第2回折光学部材とは前記所定の軸線に沿って互いに隣り合うように配置されていることが好ましい。また、前記所定の軸線は、前記照明光学系の光軸と共軸であることが好ましい。
【0014】
また、第2発明の好ましい態様によれば、前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の全部がほぼ同じように形成されている。あるいは、前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の一部が形成され、前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材のうちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折面または屈折面が形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明の第3発明では、被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1屈折光学部材と隣り合うように配置された第2屈折光学部材とを備えていることを特徴とする屈折光学装置を提供する。
【0016】
第3発明の好ましい態様によれば、前記直交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係を有する。また、前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第1屈折光学部材または前記第2屈折光学部材と隣り合うように配置された第3屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第3屈折光学部材と隣り合い且つ前記第2屈折光学部材または前記第1屈折光学部材と隣り合うように配置された第4屈折光学部材とをさらに備えていることが好ましい。この場合、前記直交面において前記第1軸線と前記第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することが好ましい。
【0017】
本発明の第4発明では、被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記所定の軸線を中心として回転可能に設けられた第2屈折光学部材とを備え、
前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、
前記第1屈折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に屈折作用面が形成され、
前記第2屈折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に屈折作用面が形成されていることを特徴とする屈折光学装置を提供する。
【0018】
第4発明の好ましい態様によれば、前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しい。また、前記第1屈折光学部材と前記第2屈折光学部材とは前記所定の軸線に沿って互いに隣り合うように配置されていることが好ましい。また、前記所定の軸線は、前記照明光学系の光軸と共軸であることが好ましい。
【0019】
また、第4発明の好ましい態様によれば、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の全部がほぼ同じように形成されている。あるいは、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の一部が形成され、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材のうちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折作用面または屈折作用面が形成されていることが好ましい。さらに、第4発明においては、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材の前記領域内の前記屈折作用面には、プリズムアレイが形成されていることが好ましい。
【0020】
本発明の第5発明では、被照射面を照明する照明光学装置において、
4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために、入射光束を4つの光束に変換して前記光軸を中心とした4点状または4極状の光束をファーフィールドに形成する第1発明あるいは第2発明の回折光学装置または第3発明あるいは第4発明の屈折光学装置を備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
【0021】
第5発明の好ましい態様によれば、光束を供給するための光源手段と、前記光源手段からの光束を、光軸に対して様々な角度成分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させるための角度光束形成手段と、前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を有する光束に基づいて、前記光軸を中心とした4つの照野を第2の所定面上に形成するために前記回折光学装置または前記屈折光学装置を含む照野形成手段と、前記第2の所定面上に形成された前記4つの照野からの光束に基づいて、前記4つの照野とほぼ同じ光強度分布を有する4極状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレータと、前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照射面へ導くための導光光学系とを備えている。
【0022】
また、第5発明の好ましい態様によれば、前記角度光束形成手段は、前記光源手段からのほぼ平行な光束を、前記光軸に対して様々な角度で発散する光束に変換するための発散光束形成素子と、前記発散光束形成素子を介して形成された発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系とを有する。この場合、前記第1光学系は、前記二次光源として形成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させることなく各面光源の大きさを変化させるための第1変倍光学系を有することが好ましい。また、この場合、前記第1変倍光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的にほぼ共役に結ぶアフォーカルズームレンズを有することが好ましい。
【0023】
あるいは、第5発明の好ましい態様によれば、前記角度光束形成手段は、二次元状に配列された複数の第1単位光学素子を有する第1光学素子アレイと、前記複数の第1単位光学素子と光学的に対応するように配置された複数の第2単位光学素子を有する第2光学素子アレイとから構成された波面分割型オプティカルインテグレータを有し、前記波面分割型オプティカルインテグレータの後側焦点面は前記第1の所定面またはその近傍に配置されている。この場合、前記二次光源として形成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させることなく各面光源の大きさを変化させるために、前記第1光学素子アレイと前記第2光学素子アレイとの間隔が可変に構成されていることが好ましい。
【0024】
また、第5発明の好ましい態様によれば、前記回折光学装置または前記屈折光学装置からの光束を前記第2の所定面へ導くための第2光学系を備えている。この場合、前記第2光学系は、前記二次光源を相似的に拡大または縮小させるための第2変倍光学系を有することが好ましい。また、この場合、前記第2変倍光学系は、前記回折光学装置または前記屈折光学装置と前記第2の所定面とを実質的にフーリエ変換の関係に結ぶズームレンズを有することが好ましい。
【0025】
本発明の第6発明では、第5発明の照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマスクのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0026】
本発明の第7発明では、第5発明の照明光学装置を介してマスクを照明し、照明された前記マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法を提供する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の照明光学装置では、入射光束を4つの光束に変換して前記光軸を中心とした4点状(または4極状)の光束をファーフィールドに形成する回折光学装置を用いて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成する。本発明の典型的な態様にしたがう回折光学装置は、光軸に平行な第1軸線および第2軸線を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材(屈折光学部材)および第2回折光学部材(屈折光学部材)を備えている。
【0028】
ここで、光軸との直交面に沿って第1回折光学部材(屈折光学部材)と第2回折光学部材(屈折光学部材)とは互いに隣り合うように配置され、その直交面において第1軸線と第2軸線とは光軸に関して対称な位置関係を有する。こうして、回折光学装置に入射する光束のうち、第1回折光学部材(屈折光学部材)に入射する光束に基づいて4極状の二次光源を構成する4つの面光源のうちの第1組の一対の面光源が形成され、第2回折光学部材(屈折光学部材)に入射する光束に基づいて第2組の一対の面光源が形成される。
【0029】
そして、第1軸線を中心として第1回折光学部材(屈折光学部材)を回転させることにより第1組の一対の面光源の角度位置を連続的に変化させることができ、第2軸線を中心として第2回折光学部材(屈折光学部材)を回転させることにより第2組の一対の面光源の角度位置を連続的に変化させることができる。すなわち、第1回折光学部材(屈折光学部材)および第2回折光学部材(屈折光学部材)をそれぞれ回転させることにより、照明瞳面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させることができる。
【0030】
本発明の照明光学装置を露光装置に適用する場合、マスクパターンに方向性があって、マスク上の直交する二方向でそれぞれ照明条件を設定するのが一般的である。したがって、この場合、アキシコン系を用いることなく簡素な構成にしたがって、本発明の回折光学装置の作用により照明瞳面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させ、所定の角度関係を維持しながら光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することができる。
【0031】
また、本発明の照明光学装置が組み込まれた露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方法では、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条件のもとで、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写することができる。さらに、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写することのできる本発明の露光装置および露光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【0032】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハ面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハ面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
【0033】
図1の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1として、193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザー光源を備えている。なお、光源1として、248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザー光源や、157nmの波長の光を供給するF2レーザー光源や、g線(436nm)やi線(365nm)の光を供給する水銀ランプなどを用いることができる。水銀ランプを用いる場合、光源1は、水銀ランプと楕円鏡とコリメータレンズとを有する構成となる。
【0034】
光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー2に入射する。各レンズ2aおよび2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。したがって、ビームエキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。
【0035】
整形光学系としてのビームエキスパンダー2を介したほぼ平行光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、回折光学素子4に入射する。一般に、回折光学素子は、ガラス基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。回折光学素子4は、入射した矩形状の平行光束を回折してファーフィールドに円形状の光束を形成する機能を有する発散光束形成素子である。
【0036】
したがって、回折光学素子4を介して回折された光束は、アフォーカルズームレンズ(変倍リレー光学系)5に入射し、その瞳面に円形状の光束を形成する。この円形状の光束からの光は、アフォーカルズームレンズ5から射出されて、回折光学装置6に入射する。なお、アフォーカルズームレンズ5は、回折光学素子4と回折光学装置6とを光学的にほぼ共役な関係に維持し、且つアフォーカル系(無焦点光学系)を維持しながら、所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができるように構成されている。アフォーカルズームレンズ5の倍率変化は、制御系21からの指令に基づいて動作する第1駆動系22により行われる。
【0037】
こうして、回折光学装置6には、光軸AXに対してほぼ対称に斜め方向から光束が入射する。すなわち、回折光学素子4とアフォーカルズームレンズ5とは、光源1からの光束を光軸AXに対して様々な角度成分を有する光束に変換して、回折光学装置6の入射面(第1の所定面)へ入射させるための角度光束形成手段を構成している。回折光学装置6は、入射した平行光束を4つの光束に変換して光軸AXを中心とした4点状の光束をファーフィールドに形成する機能を有し、制御系21からの指令に基づいて動作する第2駆動系23により行われる。回折光学装置6の詳細な構成および作用については後述する。
【0038】
回折光学装置6を介した光束は、ズームレンズ(変倍光学系)7を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロレンズアレイ8を照明する。なお、ズームレンズ7は、所定の範囲で焦点距離を連続的に変化させることのできるσ値可変用の変倍光学系であって、回折光学装置6とマイクロレンズアレイ8の後側焦点面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。換言すると、ズームレンズ7は、回折光学装置6とマイクロレンズアレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結んでいる。
【0039】
したがって、回折光学装置6を介した光束は、ズームレンズ7の後側焦点面(ひいてはマイクロレンズアレイ8の入射面)に、円と4点とのコンボリューションに基づく光強度分布、すなわち光軸AXを中心とした4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成する。このように、回折光学装置6とズームレンズ7とは、回折光学装置6の入射面(第1の所定面)に入射した様々な角度成分を有する光束に基づいて、光軸AXを中心とした4つの照野をマイクロレンズアレイ8の入射面(第2の所定面)上に形成するための照野形成手段を構成している。この4極状の照野の全体的な大きさは、ズームレンズ7の焦点距離に依存して変化する。ズームレンズ7の焦点距離の変化は、制御系21からの指令に基づいて動作する第3駆動系24により行われる。
【0040】
マイクロレンズアレイ8は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。マイクロレンズアレイ8を構成する各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。一般に、マイクロレンズアレイは、たとえば平行平面ガラス板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
【0041】
ここで、マイクロレンズアレイを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロレンズアレイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズが互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同じである。なお、図1では、図面の明瞭化のために、マイクロレンズアレイ8を構成する微小レンズの数を実際よりも非常に少なく表している。
【0042】
したがって、マイクロレンズアレイ8に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、各微小レンズの後側焦点面には多数の光源がそれぞれ形成される。こうして、図2に示すように、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面には、マイクロレンズアレイ8への入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした4つの円形状の実質的な面光源(図中斜線で示す)31〜34からなる4極状の二次光源が形成される。このように、マイクロレンズアレイ8は、その入射面(第2の所定面)上に形成された4つの照野からの光束に基づいて、4つの照野とほぼ同じ光強度分布を有する4極状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレータを構成している。
【0043】
マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成された4極状の二次光源からの光束は、必要に応じて4極状の光透過部を有する開口絞りを介して制限された後、コンデンサー光学系9の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0044】
なお、一括露光では、いわゆるステップ・アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズの断面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して相対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光する。この場合、マスクM上での照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の矩形状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズの断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0045】
なお、第1実施形態では、回折光学素子4に代えて、マイクロレンズアレイ(またはフライアイレンズ)を用いることもできる。この場合、正六角形状または正方形状の微小レンズ(またはレンズエレメント)からなるマイクロレンズアレイ(またはフライアイレンズ)を用いると、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面には4つの正六角形状または正方形状の面光源からなる4極状の二次光源が形成される。
【0046】
図2を再び参照すると、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源は、4つの円形状の面光源31〜34から構成されている。ここで、各面光源31〜34の中心31a〜34aは光軸AXから同じ距離rだけ離れており、各面光源31〜34は互いに同じ大きさ(直径)φを有する。また、4つの中心31a〜34aを結んで形成される四角形は、光軸AXを中心としてX方向およびZ方向に平行な辺を有する矩形である。
【0047】
ここで、光軸AXからの距離rは、ズームレンズ7の焦点距離と回折光学装置6の回折角との積に依存する。また、大きさ(直径)φは、アフォーカルズームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離と回折光学素子4の回折角(マイクロレンズアレイまたはフライアイレンズを用いる場合にはその発散角)との積に依存する。さらに、面光源31の中心31aと光軸AXとを結ぶ線分が+X軸となす角度θAおよび面光源32の中心32aと光軸AXとを結ぶ線分が+X軸となす角度θBは、回折光学装置6の回折特性に依存する。
【0048】
従来技術では、回折光学装置6の位置に回折光学素子やマイクロレンズアレイやフライアイレンズが配置されているので、ズームレンズ7の焦点距離およびアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、各面光源の光軸AXからの距離rおよび各面光源の大きさ(直径)φを連続的に変化させることは可能であったが、各面光源の角度位置θAおよびθBを連続的に変化させることはできなかった。すなわち、回折光学装置6の位置において特性の異なる回折光学素子やマイクロレンズアレイやフライアイレンズを交換することにより、各面光源の角度位置θAおよびθBを離散的に変化させることはできても、連続的に変化させることはできなかった。
【0049】
そこで、第1実施形態では、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを連続的に変化させることが可能な回折光学装置6を導入している。図3は、第1実施形態における回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図3(a)を参照すると、第1実施形態の回折光学装置6は、光軸AXに平行な第1軸線AX1を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材6aと、光軸AXに平行な第2軸線AX2を中心として回転可能に構成された第2回折光学部材6bとを備えている。
【0050】
ここで、第1軸線AX1と第2軸線AX2とはX軸に沿って配置され光軸AXに関して対称な位置関係を有し、光軸AXとの直交面(XZ面)において第1回折光学部材6aと第2回折光学部材6bとはX方向に沿って隣接するように配置されている。また、第1回折光学部材6aと第2回折光学部材6bとは、互いに同じ構成を有する円形状の基板であって、その片側の面には図3(b)に示すような形状の回折作用面が形成されている。
【0051】
具体的には、第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bに求められる回折角に対応する開口数(ひいては回折光学装置6に求められる回折角に対応する開口数)NAと、露光光の波長λ(第1実施形態では193nm)とにより、回折作用面のピッチd=λ/NAが、たとえば2.8μmに設定される。この場合、回折作用面の凸部の幅aおよび凹部の幅bはともに、たとえば1.4μmに設定される。そして、たとえば石英(または蛍石など)で形成された基板の露光光に対する屈折率をnとすると、段差Δ=λ/{2(n−1)}が、たとえば172nmに設定される。
【0052】
図3(a)に示すように、回折光学装置6には、回折光学素子4への入射光束と相似な矩形状の光束35が入射する。そして、回折方向が+X軸に対してθAの角度をなすように設定された第1回折光学部材6aに入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源31および33を形成する。一方、回折方向が+X軸に対してθBの角度をなすように設定された第2回折光学部材6bに入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源32および34を形成する。
【0053】
したがって、第1実施形態の回折光学装置6では、第1軸線AX1を中心として第1回折光学部材6aを回転させることにより、面光源31の角度位置θAおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連続的に変化させることができる。同様に、第2軸線AX2を中心として第2回折光学部材6bを回転させることにより、面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を連続的に変化させることができる。すなわち、第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bをそれぞれ回転させることにより、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面(すなわち照明瞳面)に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることができる。
【0054】
前述したように、露光装置では、マスクパターンに方向性があって、マスク上の直交する二方向でそれぞれ照明条件を設定するのが一般的である。したがって、第1実施形態では、アキシコン系を用いることなく簡素な構成にしたがって、回折光学装置6の作用によりマイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+θB=180度の関係を維持しながら光軸AXに関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することができる。
【0055】
以下、第1実施形態における照明条件の切り換え動作などについて具体的に説明する。まず、ステップ・アンド・リピート方式またはステップ・アンド・スキャン方式にしたがって順次露光すべき各種のマスクに関する情報などが、キーボードなどの入力手段20を介して制御系21に入力される。制御系21は、各種のマスクに関する最適な線幅(解像度)、焦点深度等の情報を内部のメモリー部に記憶しており、入力手段20からの入力に応答して駆動系22〜24に適当な制御信号を供給する。
【0056】
すなわち、所望の形態を有する4極状の二次光源を得るために、第1駆動系22は制御系21からの指令に基づいてアフォーカルズームレンズ5の倍率を設定し、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づいて回折光学装置6における第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bの回転角度をそれぞれ設定し、第3駆動系24は制御系21からの指令に基づいてズームレンズ7の焦点距離を設定する。ここで、アフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、4つの面光源の各中心と光軸AXとの距離rを変化させることなく、各面光源の大きさφを変化させることができる。
【0057】
また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、距離rおよび大きさφをともに変化させて、4極状の二次光源を相似的に拡大または縮小させることができる。さらに、第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bの回転角度をそれぞれ変化させることにより、各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることができる。こうして、4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+θB=180度の関係を維持しながら光軸AXに関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で最適な照明条件を実現することができる。
【0058】
ところで、第1実施形態では、図3(a)に示すように、回折光学装置6への矩形状の入射光束35のうちの一部分が、第1回折光学部材6aにも第2回折光学部材6bにも入射することなく(すなわち照明に寄与することなく)失われる。換言すれば、回折光学装置6において、ある程度の光量損失が発生する。また、第1実施形態では、第1回折光学部材6aと第2回折光学部材6bとが一方向に沿って配置されているので、マイクロレンズアレイ8への入射光束のテレセントリシティが崩れ、マイクロレンズアレイ8の収差に起因してマスクM上において(ひいてはウェハW上において)照明むらが発生する。そこで、第1実施形態では、回折光学装置6について、以下に示す2つの変形例が可能である。
【0059】
図4は、第1実施形態の第1変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図4に示すように、第1変形例の回折光学装置60では、第1実施形態の回折光学装置6に対して、第3回折光学部材6cおよび第4回折光学部材6dを付設している。ここで、第3回折光学部材6cおよび第4回折光学部材6dは、第1回折光学部材6aや第2回折光学部材6bと同じ構成を有し、光軸AXに平行な第3軸線AX3および第4軸線AX4を中心としてそれぞれ回転可能に構成されている。
【0060】
ここで、第1軸線AX1と第2軸線AX2および第3軸線AX3と第4軸線AX4とはそれぞれX方向に沿って配置され、光軸AXとの直交面(XZ面)において第1軸線AX1と第2軸線AX2と第3軸線AX3と第4軸線AX4とを結ぶ四角形は光軸AXを中心とした正方形を形成している。すなわち、第3回折光学部材6cは第2回折光学部材6bとZ方向に沿って隣接するように配置され、第4回折光学部材6dは第3回折光学部材6cとX方向に沿って隣接し且つ第1回折光学部材6aとZ方向に沿って隣接するように配置されている。
【0061】
図4に示すように、回折光学装置60には、回折光学素子4への入射光束と相似な正方形状の光束36が入射する。そして、回折方向が+X軸に対してθAの角度をなすように設定された第1回折光学部材6aおよび第3回折光学部材6cに入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源31および33を形成する。一方、回折方向が+X軸に対してθBの角度をなすように設定された第2回折光学部材6bおよび第4回折光学部材6dに入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源32および34を形成する。
【0062】
したがって、第1変形例にかかる回折光学装置60では、第1軸線AX1および第3軸線AX3を中心として第1回折光学部材6aおよび第3回折光学部材6cを回折方向が互いに一致するようにそれぞれ回転させることにより、面光源31の角度位置θAおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連続的に変化させることができる。同様に、第2軸線AX2および第4軸線AX4を中心として第2回折光学部材6bおよび第4回折光学部材6dを回折方向が互いに一致するようにそれぞれ回転させることにより、面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を連続的に変化させることができる。
【0063】
すなわち、第1回折光学部材6a〜第4回折光学部材6dをそれぞれ回転させることにより、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることができる。第1変形例では、回折光学装置60においてある程度の光量損失は発生するが、第1回折光学部材6a〜第4回折光学部材6dが直交する二方向に沿って二次元的に配置されているので、マイクロレンズアレイ8への入射光束のテレセントリシティが実質的に崩れることなく、マスクM上における(ひいてはウェハW上における)照明むらの発生を防止することができる。
【0064】
図5は、第1実施形態の第2変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図5に示すように、第2変形例の回折光学装置61は、光軸AXを中心として回転可能に構成された第1回折光学部材61aと、同じく光軸AXを中心として回転可能に構成され且つ光軸AXに沿って第1回折光学部材61aと近接して配置された第2回折光学部材61bとから構成されている。第1回折光学部材61aと第2回折光学部材61bとは、基本的に同じ構成を有する円形状の基板であって、その片側の面には複数(図5では9個)の同心円によって規定された円形状および円環状の領域が形成されている。
【0065】
ここで、円形状の領域の半径の寸法と円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いに等しく、たとえばL=0.5mm程度に設定されている。ただし、第1回折光学部材61aでは、円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成されている。一方、第2回折光学部材61bでは、円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面が形成されている。なお、第1回折光学部材61aおよび第2回折光学部材61bには、第1実施形態の回折光学装置6と同じ構成を有する回折作用面が形成されている。すなわち、回折光学装置61は、図6に示すように、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材61bとを光学的に合成した形態を有することになる。
【0066】
図5に示すように、回折光学装置61には、ひいては第1回折光学部材61aおよび第2回折光学部材61bには、回折光学素子4への入射光束と相似な正方形状の光束37が入射する。そして、回折方向が+X軸に対してθAの角度をなすように設定された第1回折光学部材61aの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源31および33を形成する。一方、回折方向が+X軸に対してθBの角度をなすように設定された第2回折光学部材61bの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源32および34を形成する。
【0067】
したがって、第2変形例にかかる回折光学装置61では、光軸AXを中心として第1回折光学部材61aを回転させることにより、面光源31の角度位置θAおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連続的に変化させることができる。同様に、光軸AXを中心として第2回折光学部材61bを回転させることにより、面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を連続的に変化させることができる。すなわち、第1回折光学部材61aおよび第2回折光学部材61bをそれぞれ回転させることにより、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることができる。
【0068】
第2変形例では、図5に示すように、回折作用に起因する光量損失を除き、回折光学装置61における光量損失を実質的に回避することができる。また、第1回折光学部材61aおよび第2回折光学部材61bにおける回折作用面が同心円的に(二次元的に)配置されているので、マイクロレンズアレイ8への入射光束のテレセントリシティが実質的に崩れることなく、マスクM上における(ひいてはウェハW上における)照明むらの発生を防止することができる。
【0069】
なお、第2変形例では、第1回折光学部材61aの中心軸線および第2回折光学部材61bの中心軸線を光軸AXとほぼ一致させることが必要である。具体的には、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材61bとのアライメント誤差(芯出し誤差)を、L/20よりも小さく抑えることが好ましい。そして、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材61bとのアライメント誤差(芯出し誤差)を、L/100よりも小さく抑えることがさらに好ましい。また、回折光学装置61における光量損失をできるだけ回避するために、第1回折光学部材61aの回折作用面と第2回折光学部材61bの回折作用面とを対向させ、その光軸AXに沿った間隔を、(1/NA)×(L/20)よりも小さく抑えることが好ましい。そして、この間隔を、(1/NA)×(L/100)よりも小さく抑えることがさらに好ましい。ここで、上述したように、Lは円形状の領域の半径の寸法または円環状の各領域の半径方向の寸法であり、NAは回折光学装置61における回折角に対応する開口数である。
【0070】
なお、上述の第1実施形態および各変形例では、4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+θB=180度の関係を維持しながら光軸AXに関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成しているが、θB=θA=90度に設定することにより、Z方向に沿った一対の面光源からなる2極状の二次光源を形成することもできる。また、θB=θA=0度(または180度)に設定することにより、X方向に沿った一対の面光源からなる2極状の二次光源を形成することもできる。
【0071】
また、上述の第1実施形態および各変形例では、4点状の光束をファーフィールドに形成する機能を有する回折光学装置について説明したが、各点がある程度の広がりを持つような4極状の光束をファーフィールドに形成するように回折光学装置を構成することもできる。この場合、マイクロレンズアレイ8の入射面には、円と4極とのコンボリューションに基づく光強度分布、すなわち光軸AXを中心とした4極状の照野が形成される。
【0072】
図7は、本発明の第2実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。また、図8は、一対のマイクロレンズアレイからなる波面分割型オプティカルインテグレータの構成を概略的に説明する図である。第2実施形態は、第1実施形態と類似の構成を有する。しかしながら、第2実施形態では、回折光学素子4とアフォーカルズームレンズ5とからなる角度光束形成手段に代えて、一対の光学素子アレイからなる波面分割型のオプティカルインテグレータを角度光束形成手段として用いている点が、第1実施形態と相違している。以下、第1実施形態との相違点に着目して、第2実施形態を説明する。
【0073】
図7を参照すると、ミラー3と回折光学装置6との間の光路中には、正屈折力の微小レンズからなる第1マイクロレンズアレイ(または第1フライアイレンズ:第1光学素子アレイ)40aと正屈折力の微小レンズからなる第2マイクロレンズアレイ(または第2フライアイレンズ:第2光学素子アレイ)40bとで構成されたマイクロレンズアレイ群(またはフライアイレンズ群)40が配置されている。マイクロレンズアレイ40aおよび40bを構成する各微小レンズはともに正六角形状または矩形状の断面を有し、そのサイズは同じである。また、マイクロレンズアレイ40aおよび40bは、図8に示すように、マイクロレンズアレイ群40の後側焦点面40cが実質的に移動しないように、光軸に沿ってそれぞれ移動可能に構成されている。
【0074】
換言すれば、第1マイクロレンズアレイ40aと第2マイクロレンズアレイ40bとの間隔は可変であり、マイクロレンズアレイ群40は焦点距離が可変の波面分割型オプティカルインテグレータを構成している。マイクロレンズアレイ群40の焦点距離の変化は、制御系21からの指令に基づいて動作する駆動系25により行われる。なお、マイクロレンズアレイ群40は、その後側焦点面40cが回折光学装置6の入射面(すなわち第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bの入射面:第1の所定面)またはその近傍に位置するように配置されている。
【0075】
第2実施形態では、マイクロレンズアレイ群40に入射した矩形状のほぼ平行光束が二次元的に波面分割され、その後側焦点面40cに矩形状の実質的な面光源(多数の光源からなる全体的に矩形状の面光源)が形成される。マイクロレンズアレイ群40の後側焦点面40cに形成された矩形状の面光源からの光束は、回折光学装置6およびズームレンズ7を介して、マイクロレンズアレイ8の入射面に、正六角形または矩形円と4点とのコンボリューションに基づく光強度分布、すなわち光軸AXを中心とした4つの正六角形状または矩形状の照野からなる4極状の照野を形成する。
【0076】
こうして、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面には、マイクロレンズアレイ8への入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした4つの正六角形状または矩形状の実質的な面光源からなる4極状の二次光源が形成される。第2実施形態では、第1マイクロレンズアレイ40aと第2マイクロレンズアレイ40bとの間隔を変化させて、マイクロレンズアレイ群40の焦点距離を変化させることにより、4つの面光源の各中心と光軸AXとの距離rを変化させることなく、各面光源の大きさφを変化させることができる。
【0077】
また、ズームレンズ7の焦点距離を変化させることにより、距離rおよび大きさφをともに変化させて、4極状の二次光源を相似的に拡大または縮小させることができる。さらに、回折光学装置6において第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bの回転角度をそれぞれ変化させることにより、各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させることができる。こうして、第2実施形態においても、第1実施形態よりもさらに簡素な構成にしたがって、4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させ、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で最適な照明条件を実現することができる。
【0078】
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に回折光学装置6を用いているが、第1変形例と同様に回折光学装置60を用いてマイクロレンズアレイ8への入射光束のテレセントリシティの崩れを実質的に回避し、マスクM上における(ひいてはウェハW上における)照明むらの発生を防止することもできる。また、第2変形例と同様に回折光学装置61を用いて、照明むらの発生を防止するとともに、回折光学装置61における光量損失を抑制することもできる。
【0079】
また、第2実施形態では、第1マイクロレンズアレイ40aおよび第2マイクロレンズアレイ40bがともに正屈折力の微小レンズから構成されているが、いずれか一方のマイクロレンズアレイを負屈折力の微小レンズで構成することもできる。さらに、第2実施形態では、2つのマイクロレンズアレイにより焦点距離が可変のマイクロレンズアレイ群を構成しているが、3つ以上のマイクロレンズアレイでマイクロレンズアレイ群を構成することもできる。
【0080】
さて、上述の各実施形態並びに各変形例では、回折光学部材が図3(b)に示すような位相型で2段に近似(バイナリー近似)された回折作用面を有していたが、その代わりに、光量損失を厭わなければ振幅型の回折作用面を有するものであってもかまわない。また、回折作用面を位相型とする場合には、回折作用面における近似レベルを4段としても良く、また8段としても良い。また、回折作用面にブレーズ化された(鋸歯状断面を持つ)回折面を形成しても良い。
【0081】
また、上述の各実施形態並びに各変形例では、入射光束を4つの光束に変換してファーフィールドに4点状または4極状の光束を形成するための回折光学部材を用いたが、屈折光学部材を用いることも可能である。この場合、各実施形態並びに各変形例の回折光学部材における回折作用面を、図9に示す形状の屈折作用面とすれば良い。図9は、上述の各実施形態並びに各変形例に適用される屈折光学部材の構成を示す図であり、図9(a)は屈折作用面の断面図、図9(b)は屈折作用面の一部の斜視図である。
【0082】
図9に示すように、屈折光学部材の屈折作用面は、回折光学部材の回折作用面の溝方向と同じ方向に延びた稜線を持つ屋根型プリズムを、当該溝方向と直交する1次元方向に稠密に配置した屋根型プリズムアレイの形状を有している。このような屋根型プリズムアレイは、マイクロレンズアレイや回折光学素子と同様にたとえば光透過性基板(石英、蛍石など)をエッチングすることにより得られる。
【0083】
図9(a)に示すように、屋根型プリズムアレイの斜面と光軸直交面とのなす角度をαとし、屋根型プリズムアレイが形成されている光透過性基板の屈折率をnとするとき、屋根型プリズムアレイにより屈折される光線の屈折角θは、おおむね、θ≒(n−1)αの関係を満足する。
【0084】
一例を挙げると、露光光の波長λが193nmである場合、屋根型プリズムアレイのピッチd=0.1mm、光透過性基板の屈折率n=1.56、屋根型プリズムアレイの角度α=7°、屋根型プリズムアレイの段差(サグ量)Δ=6.2μmに設定すると、屈折角θ=4°が得られる。なお、屋根型プリズムアレイの頂角は180−2αであることは言うまでもない。
【0085】
このように、上述の各実施形態並びに変形例における回折光学装置の回折作用面をたとえば屋根型プリズムアレイからなる屈折作用面として屈折光学装置とすると、光利用効率が高いという利点がある。例えば、回折光学装置の回折作用面をバイナリー近似された位相型回折光学素子とする場合には、製造誤差による光量ロスを無視しても約80%程度の回折効率しか得られないが、上述のような屈折光学装置とすれば(光透過部材の材料内部や反射防止コートの吸収や屈折光学装置の屈折面での表面反射の影響、製造誤差による影響を除くと)ほぼ100%の光利用効率が得られる。
【0086】
さて、上述の第2変形例では、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材61bとが照明光学装置の光軸AXを中心として回転可能に設けられているが、これら第1回折光学部材および第2回折光学部材の回転軸は光軸AXと異なっていても良い。
【0087】
図10は、第3変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図10に示すように、第3変形例の回折光学装置62は、光軸AXと平行な回転軸AX6を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材62aと、同じく回転軸AX6を中心として回転可能に構成され且つ回転軸AX6に沿って第1回折光学部材と近接して配置された第2回折光学部材62bとから構成されている。
【0088】
図10に斜線で示すとおり、第1回折光学部材62aは、第2変形例における第1回折光学部材61aの複数の円形状および円環状の領域内に位置する回折作用面を扇形に切り取った形状の回折作用面を有する。第2回折光学部材62bは、第2変形例における第2回折光学部材61bの複数の円形状および円環状の領域内に位置する回折作用面を扇形に切り取った形状の回折作用面を有する。第2変形例と同様に、第1回折光学部材62aでは中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成されており、第2回折光学部材62bでは中心から偶数番目の領域に回折作用面が形成されている。図11に示すように、回折光学装置62は、第1回折光学部材62aと第2回折光学部材62bとを光学的に合成した形態を有する。
【0089】
図10に戻って、回折光学装置62には、ひいては第1回折光学部材62aおよび第2回折光学部材62bには、長方形状の光束38が入射する。そして、第2変形例と同様に、回折方向が+X軸に対してθAの角度をなすように設定された第1回折光学部材62aの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸AXに対してほぼ対称な一対の面光源31および33を形成する。一方、回折方向がX軸に対してθBをなすように設定された第2回折光学部材62bの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一対の面光源32および34を形成する。
【0090】
さて、4極照明では、一般的に光軸AXに関して2回回転対称の形態を有する4極状の二次光源を形成するため、図2における面光源31乃至34の角度位置θA、θB、(θA+180度)、(θB+180度)は、それぞれ0°<θA<90°、90°<θB<180°であれば良い。したがって、第1回折光学部材62aと第2回折光学部材62bとに要求される回転角はともに90度となる。
【0091】
図11(a)には、第1回折光学部材62aの回転角θAと第2回折光学部材62bの回転角θBとが90°をなす状態、すなわち第1回折光学部材62aの扇形の回折作用面と第2回折光学部材62bの回折作用面とが重なった状態を示し、図11(b)には、第1回折光学部材62aの回転角θAと第2回折光学部材62bの回転角θBとが同方向である状態を示す。
【0092】
図10および図11に示したように、回折光学部材の回転軸AX6を光軸AXに対して平行移動させることにより、中心角が(90°+γ度)の扇形の領域内のみに各回折光学部材62aおよび62bの回折作用面を形成すれば良いことが分かる。なお、上記角度γは、入射光束38の大きさや形状、および回転軸AX6に対する入射光束の偏心量(回転軸AX6と光軸AXとの距離に対応)に応じて求まる。
【0093】
このように、第3変形例にかかる回折光学装置62においても、回転軸AX6を中心として第1回折光学部材62aを回転させることにより、図2の面光源31の角度位置θAおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連続的に変化させることができる。同様に、回転軸AX6を中心として第2回折光学部材62bを回転させることにより、図2の面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を連続的に変化させることができる。すなわち、第2変形例と同様に、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることができる。このとき、図10および図11からも明らかな通り、回折光学装置62における光量損失を実質的に回避することができる。
【0094】
図10に戻って、第3変形例の第1回折光学部材62aおよび第2回折光学部材62bの扇形領域以外の領域には、別の照明条件用の回折光学素子または屈折光学素子を設けることができる。たとえば10(a)に示す第1回折光学部材62aには、光透過部63aと複数の回折光学素子(屈折光学素子)64a〜64dとが設けられており、図10(b)に示す第2回折光学部材62bには、光透過部63bと複数の回折光学素子(屈折光学素子)64e〜64hとが設けられている。ここで、回折光学素子としては、入射光束を回折させて回折光学素子のファーフィールドにおいて2点状や4点状などの多点状、リング状の光束に変換するものを用いることが可能である。
【0095】
ここで、回折光学素子4によって回折光学装置62に所定の角度分布を持つ光束が入射するため、入射光束を2点状に変換する回折光学素子が照明光路に設定された場合には、マイクロレンズアレイ8の入射面において2極状の照野が形成され、入射光束を4点状に変換する回折光学素子が照明光路に設定された場合には、マイクロレンズアレイ8の入射面において4極状の照野が形成され、入射光束をリング状に変換する回折光学素子が照明光路に設定された場合には、マイクロレンズアレイ8の入射面において輪帯状の照野が形成される。
【0096】
このとき、第1回折光学部材62aに設けられた回折光学素子(屈折光学素子)64a〜64dの何れかを用いる(何れかを照明光路に設定する)場合、第2回折光学部材62bにおいては光透過部63bが照明光路に設定される。また、第2回折光学部材62bに設けられた回折光学素子(屈折光学素子)64e〜64hの何れかを用いる(何れかを照明光路に設定する)場合には、第1回折光学部材62aの光透過部63aが照明光路に設定される。そして、第1回折光学部材62aの光透過部63aおよび第2回折光学部材62bの光透過部63bを照明光路に設定すれば、回折作用を無効に、すなわち素抜けにできる。この場合には、マイクロレンズアレイ8の入射面において円形状の照野が形成され、マイクロレンズアレイ8が円形状の二次光源を形成して、通常の円形照明を行うことができる。
【0097】
なお、図11から明らかな通り、第1回折光学部材62aにおける最も中心側の回折作用面と、第2回折光学部材62bにおける最も中心側の回折作用面とに関しては、入射光束38が通過する領域と重複しないため、これらの回折作用面を設けなくとも良い。また、図10および図11に示した第3変形例の回折光学装置62においては、回折光学装置62に長方形状の光束38が入射するとしたが、この入射光束は長方形には限られず、前述の実施形態のように正方形であっても良いし、どのような形状であっても良い。
【0098】
なお、図10および図11に示した第3変形例の回折光学装置62においても、図9に示した変形例と同様に、屈折作用面を有する屈折光学装置に変形しても良い。また、図10および図11に示した第3変形例の回折光学装置62では、各回折光学部材62a、62bの1つの扇形領域内に回折作用面を設けたが、各々の回折光学部材62a、62bに複数の回折作用面を含む扇形領域を設けることも可能である。この場合には、それぞれの回折光学部材62a、62bにおける扇形領域毎に回折作用面のピッチが異なるもの(屈折光学部材の場合は光線の屈折角が異なるもの)を設けておくことが好ましい。
【0099】
上述の各実施形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の各実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図12のフローチャートを参照して説明する。
【0100】
先ず、図12のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、上述の各実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0101】
また、上述の各実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図13のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図13において、パターン形成工程401では、上述の各実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0102】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0103】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0104】
なお、上述の各実施形態においては、マイクロレンズアレイ8を介して形成された4極状の二次光源からの光を、導光光学系としてのコンデンサー光学系9によって集光して、重畳的にマスクMを照明する構成となっている。しかしながら、コンデンサー光学系9とマスクMとの間に、照明視野絞り(マスクブラインド)と、この照明視野絞りの像をマスクM上に形成するリレー光学系とを配置しても良い。この場合、導光光学系は、コンデンサー光学系9とリレー光学系とから構成され、コンデンサー光学系9は二次光源からの光を集光して重畳的に照明視野絞りを照明することになり、リレー光学系は照明視野絞りの開口部(光透過部)の像をマスクM上に形成することになる。
【0105】
また、上述の各実施形態においては、4極状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレータとしてマイクロレンズアレイ8を用いているが、波面分割型のインテグレータであるマイクロレンズアレイ8に代えて、内面反射型のオプティカルインテグレータとしてのロッド型インテグレータを用いることもできる。この場合、第2光学系としてのズームレンズ7よりもマスクM側に集光光学系を追加して回折光学装置6の共役面を形成し、この共役面近傍に入射端が位置決めされるようにロッド型インテグレータを配置する。
【0106】
また、このロッド型インテグレータの射出端面または射出端面近傍に配置される照明視野絞りの像をマスクM上に形成するためのリレー光学系を配置する。この構成の場合、第2の所定面はズームレンズ7と上記集光光学系との合成光学系の瞳面となり、二次光源はリレー光学系の瞳面に形成される(二次光源の虚像はロッド型インテグレータの入射端近傍に形成される)。また、ロッド型インテグレータからの光束をマスクMへ導くためのリレー光学系が導光光学系となる。
【0107】
さらに、上述の各実施形態では、照明光学装置を備えた投影露光装置を例にとって本発明を説明したが、マスク以外の被照射面を照明するための一般的な照明光学装置に本発明を適用することができることは明らかである。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の照明光学装置では、所定の構成を有する回折光学装置(屈折光学装置)の作用により、照明瞳面に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させることができる。その結果、アキシコン系を用いることなく簡素な構成にしたがって、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することができる。
【0109】
また、本発明の照明光学装置が組み込まれた露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方法では、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条件のもとで、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写することができる。さらに、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写することのできる本発明の露光装置および露光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】マイクロレンズアレイの後側焦点面に形成される4極状の二次光源の構成を概略的に示す図である。
【図3】第1実施形態における回折光学装置の構成を概略的に示す図である。
【図4】第1実施形態の第1変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】第1実施形態の第2変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。
【図6】第2変形例にかかる回折光学装置において第1回折光学部材と第2回折光学部材とを光学的に合成した形態を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる照明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】一対のマイクロレンズアレイからなる波面分割型オプティカルインテグレータの構成を概略的に説明する図である。
【図9】各実施形態並びに変形例にかかる回折光学装置を屈折光学装置とした際の構成を概略的に示す図である。
【図10】第3変形例にかかる回折光学装置の構成を概略的に示す図である。
【図11】第3変形例にかかる回折光学装置において第1回折光学部材と第2回折光学部材とを光学的に合成した形態を示す図である。
【図12】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図13】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 光源
4 回折光学素子
5 アフォーカルズームレンズ
6,60,61,62 回折光学装置
7 ズームレンズ
8 マイクロレンズアレイ
9 コンデンサー光学系
40 マイクロレンズアレイ群
40a,40b マイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ
20 入力手段
21 制御系
22〜24 駆動系
Claims (32)
- 被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1回折光学部材と隣り合うように配置された第2回折光学部材とを備えていることを特徴とする回折光学装置。 - 前記直交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係を有することを特徴とする請求項1に記載の回折光学装置。
- 前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第1回折光学部材または前記第2回折光学部材と隣り合うように配置された第3回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第3回折光学部材と隣り合い且つ前記第2回折光学部材または前記第1回折光学部材と隣り合うように配置された第4回折光学部材とをさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学装置。
- 前記直交面において前記第1軸線と前記第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することを特徴とする請求項3に記載の回折光学装置。
- 被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記所定の軸線を中心として回転可能に構成された第2回折光学部材とを備え、
前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、
前記第1回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成され、
前記第2回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面が形成されていることを特徴とする回折光学装置。 - 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項5に記載の回折光学装置。
- 前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の全部がほぼ同じように形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の回折光学装置。
- 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いに等しく、前記第1回折光学部材と前記第2回折光学部材とのアライメント誤差は、前記円形状の領域の半径の寸法または前記円環状の各領域の半径方向の寸法をLとするとき、L/20よりも小さいことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の回折光学装置。
- 前記第1回折光学部材の回折作用面と前記第2回折光学部材の回折作用面とは対向していることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の回折光学装置。
- 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いに等しく、前記第1回折光学部材の回折作用面と前記第2回折光学部材の回折作用面との光軸に沿った間隔は、前記円形状の領域の半径の寸法または前記円環状の各領域の半径方向の寸法をLとし、前記回折光学装置における回折角に対応する開口数をNAとするとき、(1/NA)×(L/20)よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の回折光学装置。
- 前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の一部が形成され、
前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材のうちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折面または屈折面が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の回折光学装置。 - 被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1屈折光学部材と隣り合うように配置された第2屈折光学部材とを備えていることを特徴とする屈折光学装置。 - 前記直交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係を有することを特徴とする請求項12に記載の屈折光学装置。
- 前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第1屈折光学部材または前記第2屈折光学部材と隣り合うように配置された第3屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第3屈折光学部材と隣り合い且つ前記第2屈折光学部材または前記第1屈折光学部材と隣り合うように配置された第4屈折光学部材とをさらに備えていることを特徴とする請求項12または13に記載の屈折光学装置。
- 前記直交面において前記第1軸線と前記第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することを特徴とする請求項14に記載の屈折光学装置。
- 被照射面を照明する照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈折光学装置において、
前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記所定の軸線を中心として回転可能に設けられた第2屈折光学部材とを備え、
前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、
前記第1屈折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に屈折作用面が形成され、
前記第2屈折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に屈折作用面が形成されていることを特徴とする屈折光学装置。 - 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項16に記載の屈折光学装置。
- 前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の全部がほぼ同じように形成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の屈折光学装置。
- 前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形状または円環状の領域の一部が形成され、
前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材のうちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折作用面または屈折作用面が形成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の屈折光学装置。 - 前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材の前記領域内の前記屈折作用面には、プリズムアレイが形成されていることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の屈折光学装置。
- 被照射面を照明する照明光学装置において、
4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成するために、入射光束を4つの 光束に変換して前記光軸を中心とした4点状または4極状の光束をファーフィールドに形成する請求項1乃至11のいずれか1項に記載の回折光学装置または請求項12乃至20のいずれか1項に記載の屈折光学装置を備えていることを特徴とする照明光学装置。 - 光束を供給するための光源手段と、
前記光源手段からの光束を、光軸に対して様々な角度成分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させるための角度光束形成手段と、
前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を有する光束に基づいて、前記光軸を中心とした4つの照野を第2の所定面上に形成するために前記回折光学装置または前記屈折光学装置を含む照野形成手段と、
前記第2の所定面上に形成された前記4つの照野からの光束に基づいて、前記4つの照野とほぼ同じ光強度分布を有する4極状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照射面へ導くための導光光学系とを備えていることを特徴とする請求項21に記載の照明光学装置。 - 前記角度光束形成手段は、前記光源手段からのほぼ平行な光束を、前記光軸に対して様々な角度で発散する光束に変換するための発散光束形成素子と、前記発散光束形成素子を介して形成された発散光束を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系とを有することを特徴とする請求項22に記載の照明光学装置。
- 前記第1光学系は、前記二次光源として形成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させることなく各面光源の大きさを変化させるための第1変倍光学系を有することを特徴とする請求項23に記載の照明光学装置。
- 前記第1変倍光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の所定面とを光学的にほぼ共役に結ぶアフォーカルズームレンズを有することを特徴とする請求項24に記載の照明光学装置。
- 前記角度光束形成手段は、二次元状に配列された複数の第1単位光学素子を有する第1光学素子アレイと、前記複数の第1単位光学素子と光学的に対応するように配置された複数の第2単位光学素子を有する第2光学素子アレイとから構成された波面分割型オプティカルインテグレータを有し、
前記波面分割型オプティカルインテグレータの後側焦点面は前記第1の所定面またはその近傍に配置されていることを特徴とする請求項22に記載の照明光学装置。 - 前記二次光源として形成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させることなく各面光源の大きさを変化させるために、前記第1光学素子アレイと前記第2光学素子アレイとの間隔が可変に構成されていることを特徴とする請求項26に記載の照明光学装置。
- 前記回折光学装置または前記屈折光学装置からの光束を前記第2の所定面へ導くための第2光学系を備えていることを特徴とする請求項22乃至27のいずれか1項に記載の照明光学装置。
- 前記第2光学系は、前記二次光源を相似的に拡大または縮小させるための第2変倍光学系を有することを特徴とする請求項28に記載の照明光学装置。
- 前記第2変倍光学系は、前記回折光学装置または前記屈折光学装置と前記第2の所定面とを実質的にフーリエ変換の関係に結ぶズームレンズを有することを特徴とする請求項29に記載の照明光学装置。
- 請求項21乃至30のいずれか1項に記載の照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマスクのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
- 請求項21乃至30のいずれか1項に記載の照明光学装置を介してマスクを照明し、照明された前記マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法。
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