JP2003178951A - 回折光学装置、屈折光学装置、照明光学装置、露光装置および露光方法 - Google Patents
回折光学装置、屈折光学装置、照明光学装置、露光装置および露光方法Info
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- JP2003178951A JP2003178951A JP2001378001A JP2001378001A JP2003178951A JP 2003178951 A JP2003178951 A JP 2003178951A JP 2001378001 A JP2001378001 A JP 2001378001A JP 2001378001 A JP2001378001 A JP 2001378001A JP 2003178951 A JP2003178951 A JP 2003178951A
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Abstract
転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成
し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条
件を実現することのできる照明光学装置。 【解決手段】 4極状の光強度分布を有する二次光源を
照明瞳面に形成するために、入射光束を4つの光束に変
換して光軸を中心とした4点状の光束をファーフィール
ドに形成する回折光学装置(6)を備えている。回折光
学装置(6)は、光軸(AX)に平行な第1軸線を中心
として回転可能に構成された第1回折光学部材と、光軸
に平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ
第1回折光学部材と隣り合うように配置された第2回折
光学部材とを備えている。
Description
折光学装置、照明光学装置、露光装置および露光方法に
関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜
磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程
で製造するための露光装置に好適な照明光学装置に関す
る。
光源から射出された光束が、オプティカルインテグレー
タとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源から
なる実質的な面光源としての二次光源を形成する。二次
光源からの光束は、フライアイレンズの後側焦点面の近
傍に配置された開口絞りを介して制限された後、コンデ
ンサーレンズに入射する。
は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明
する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を
介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、
マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マス
クに形成されたパターンは高集積化されており、この微
細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上に
おいて均一な照度分布を得ることが不可欠である。
円形状の二次光源を形成し、その大きさを変化させて照
明のコヒーレンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系
の瞳径、あるいはσ値=照明光学系の射出側開口数/投
影光学系の入射側開口数)を変化させる技術が注目され
ている。また、フライアイレンズの後側焦点面に輪帯状
や4極状の二次光源を形成し、投影光学系の焦点深度や
解像力を向上させる技術が注目されている。
ような従来技術では、円形状の二次光源に基づく通常の
円形照明の場合も、輪帯状や4極状の二次光源に基づく
変形照明(輪帯照明や4極照明)の場合も、被照射面で
あるマスク上の一点に入射する光束の断面形状がマスク
上の直交する二方向に関して同じ位置関係にある。換言
すると、従来技術では、被照射面上の直交する二方向で
照明条件が同じである。その結果、マスクパターンに方
向性がある場合、マスク上の直交する二方向で最適な照
明条件を実現することができない。
なる4極状の二次光源が形成される4極照明の場合、各
面光源の大きさおよび各面光源の中心の光軸からの距離
をそれぞれ変化させることは、たとえば特開2001−
85293号公報などに開示されている。しかしなが
ら、従来技術では、4極照明において4極状の二次光源
を構成する各面光源の大きさおよび各面光源の中心の光
軸からの距離をそれぞれ変化させることは可能であった
が、各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化さ
せて光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な4
極状の二次光源を形成することはできなかった。
−74240号明細書および図面においてアキシコン系
を用いることにより各面光源の角度位置を独立的に且つ
連続的に変化させて光軸に関して2回回転対称の形態を
有する多様な4極状の二次光源を形成する技術を提案し
ているが、蛍石の加工性ではアキシコン系の製造が困難
であって製造コストが非常に高くなる。そこで、アキシ
コン系を用いることなく簡素な構成にしたがって、各面
光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させて光軸
に関して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二
次光源を形成する技術が要望されている。
のであり、簡易な構成にしたがって各面光源の角度位置
を独立的に且つ連続的に変化させて光軸に関して2回回
転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成
し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条
件を実現することのできる照明光学装置を提供すること
を目的とする。
称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、被
照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を実
現することのできる照明光学装置を用いて、マスクに最
適な照明条件のもとで、感光性基板上にマスクパターン
を忠実に転写することのできる露光装置および露光方法
を提供することを目的とする。
に、本発明の第1発明では、被照射面を照明する照明光
学系に用いられて、4極状の光強度分布を有する二次光
源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つの光束に
変換する回折光学装置において、前記照明光学系の光軸
にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に構成され
た第1回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第2軸線
を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸との直交
面に沿って前記第1回折光学部材と隣り合うように配置
された第2回折光学部材とを備えていることを特徴とす
る回折光学装置を提供する。
交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光
軸に関してほぼ対称な位置関係を有する。また、前記光
軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成さ
れ且つ前記直交面に沿って前記第1回折光学部材または
前記第2回折光学部材と隣り合うように配置された第3
回折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心
として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記
第3回折光学部材と隣り合い且つ前記第2回折光学部材
または前記第1回折光学部材と隣り合うように配置され
た第4回折光学部材とをさらに備えていることが好まし
い。この場合、前記直交面において前記第1軸線と前記
第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形
は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することが好
ましい。
る照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有す
る二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つ
の光束に変換する回折光学装置において、前記照明光学
系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能
に構成された第1回折光学部材と、前記所定の軸線を中
心として回転可能に構成された第2回折光学部材とを備
え、前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材
には、複数の同心円によって規定された円形状および円
環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成さ
れ、前記第1回折光学部材では、前記円形状または円環
状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面
が形成され、前記第2回折光学部材では、前記円形状ま
たは円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回
折作用面が形成されていることを特徴とする回折光学装
置を提供する。
形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方
向の寸法とは互いにほぼ等しい。また、前記第1回折光
学部材と前記第2回折光学部材とは前記所定の軸線に沿
って互いに隣り合うように配置されていることが好まし
い。また、前記所定の軸線は、前記照明光学系の光軸と
共軸であることが好ましい。
前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材に
は、複数の同心円によって規定された円形状および円環
状の領域の全部がほぼ同じように形成されている。ある
いは、前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部
材には、複数の同心円によって規定された円形状または
円環状の領域の一部が形成され、前記第1回折光学部材
および前記第2回折光学部材のうちの少なくとも一方に
おける前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所に
は、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折面
または屈折面が形成されていることが好ましい。
る照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有す
る二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つ
の光束に変換する屈折光学装置において、前記照明光学
系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心として回転可能に
構成された第1屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な
第2軸線を中心として回転可能に構成され且つ前記光軸
との直交面に沿って前記第1屈折光学部材と隣り合うよ
うに配置された第2屈折光学部材とを備えていることを
特徴とする屈折光学装置を提供する。
交面において、前記第1軸線と前記第2軸線とは前記光
軸に関してほぼ対称な位置関係を有する。また、前記光
軸にほぼ平行な第3軸線を中心として回転可能に構成さ
れ且つ前記直交面に沿って前記第1屈折光学部材または
前記第2屈折光学部材と隣り合うように配置された第3
屈折光学部材と、前記光軸にほぼ平行な第4軸線を中心
として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記
第3屈折光学部材と隣り合い且つ前記第2屈折光学部材
または前記第1屈折光学部材と隣り合うように配置され
た第4屈折光学部材とをさらに備えていることが好まし
い。この場合、前記直交面において前記第1軸線と前記
第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形
は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することが好
ましい。
る照明光学系に用いられて、4極状の光強度分布を有す
る二次光源を照明瞳面に形成するために入射光束を4つ
の光束に変換する屈折光学装置において、前記照明光学
系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心として回転可能
に構成された第1屈折光学部材と、前記所定の軸線を中
心として回転可能に設けられた第2屈折光学部材とを備
え、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材
には、複数の同心円によって規定された円形状または円
環状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成さ
れ、前記第1屈折光学部材では、前記円形状または円環
状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に屈折作用面
が形成され、前記第2屈折光学部材では、前記円形状ま
たは円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に屈
折作用面が形成されていることを特徴とする屈折光学装
置を提供する。
形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方
向の寸法とは互いにほぼ等しい。また、前記第1屈折光
学部材と前記第2屈折光学部材とは前記所定の軸線に沿
って互いに隣り合うように配置されていることが好まし
い。また、前記所定の軸線は、前記照明光学系の光軸と
共軸であることが好ましい。
前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材に
は、複数の同心円によって規定された円形状または円環
状の領域の全部がほぼ同じように形成されている。ある
いは、前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部
材には、複数の同心円によって規定された円形状または
円環状の領域の一部が形成され、前記第1屈折光学部材
および前記第2屈折光学部材のうちの少なくとも一方に
おける前記円形状または円環状の領域とは異なる箇所に
は、前記入射光束を所定の光束に変換するための回折作
用面または屈折作用面が形成されていることが好まし
い。さらに、第4発明においては、前記第1屈折光学部
材および前記第2屈折光学部材の前記領域内の前記屈折
作用面には、プリズムアレイが形成されていることが好
ましい。
る照明光学装置において、4極状の光強度分布を有する
二次光源を照明瞳面に形成するために、入射光束を4つ
の光束に変換して前記光軸を中心とした4点状または4
極状の光束をファーフィールドに形成する第1発明ある
いは第2発明の回折光学装置または第3発明あるいは第
4発明の屈折光学装置を備えていることを特徴とする照
明光学装置を提供する。
供給するための光源手段と、前記光源手段からの光束
を、光軸に対して様々な角度成分を有する光束に変換し
て、第1の所定面へ入射させるための角度光束形成手段
と、前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を
有する光束に基づいて、前記光軸を中心とした4つの照
野を第2の所定面上に形成するために前記回折光学装置
または前記屈折光学装置を含む照野形成手段と、前記第
2の所定面上に形成された前記4つの照野からの光束に
基づいて、前記4つの照野とほぼ同じ光強度分布を有す
る4極状の二次光源を形成するためのオプティカルイン
テグレータと、前記オプティカルインテグレータからの
光束を前記被照射面へ導くための導光光学系とを備えて
いる。
前記角度光束形成手段は、前記光源手段からのほぼ平行
な光束を、前記光軸に対して様々な角度で発散する光束
に変換するための発散光束形成素子と、前記発散光束形
成素子を介して形成された発散光束を集光して前記第1
の所定面へ導くための第1光学系とを有する。この場
合、前記第1光学系は、前記二次光源として形成される
4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させる
ことなく各面光源の大きさを変化させるための第1変倍
光学系を有することが好ましい。また、この場合、前記
第1変倍光学系は、前記発散光束形成素子と前記第1の
所定面とを光学的にほぼ共役に結ぶアフォーカルズーム
レンズを有することが好ましい。
ば、前記角度光束形成手段は、二次元状に配列された複
数の第1単位光学素子を有する第1光学素子アレイと、
前記複数の第1単位光学素子と光学的に対応するように
配置された複数の第2単位光学素子を有する第2光学素
子アレイとから構成された波面分割型オプティカルイン
テグレータを有し、前記波面分割型オプティカルインテ
グレータの後側焦点面は前記第1の所定面またはその近
傍に配置されている。この場合、前記二次光源として形
成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離を変
化させることなく各面光源の大きさを変化させるため
に、前記第1光学素子アレイと前記第2光学素子アレイ
との間隔が可変に構成されていることが好ましい。
前記回折光学装置または前記屈折光学装置からの光束を
前記第2の所定面へ導くための第2光学系を備えてい
る。この場合、前記第2光学系は、前記二次光源を相似
的に拡大または縮小させるための第2変倍光学系を有す
ることが好ましい。また、この場合、前記第2変倍光学
系は、前記回折光学装置または前記屈折光学装置と前記
第2の所定面とを実質的にフーリエ変換の関係に結ぶズ
ームレンズを有することが好ましい。
学装置と、前記被照射面に配置されたマスクのパターン
を感光性基板に投影露光するための投影光学系とを備え
ていることを特徴とする露光装置を提供する。
学装置を介してマスクを照明し、照明された前記マスク
に形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光す
ることを特徴とする露光方法を提供する。
光束を4つの光束に変換して前記光軸を中心とした4点
状(または4極状)の光束をファーフィールドに形成す
る回折光学装置を用いて、4極状の光強度分布を有する
二次光源を照明瞳面に形成する。本発明の典型的な態様
にしたがう回折光学装置は、光軸に平行な第1軸線およ
び第2軸線を中心として回転可能に構成された第1回折
光学部材(屈折光学部材)および第2回折光学部材(屈
折光学部材)を備えている。
光学部材(屈折光学部材)と第2回折光学部材(屈折光
学部材)とは互いに隣り合うように配置され、その直交
面において第1軸線と第2軸線とは光軸に関して対称な
位置関係を有する。こうして、回折光学装置に入射する
光束のうち、第1回折光学部材(屈折光学部材)に入射
する光束に基づいて4極状の二次光源を構成する4つの
面光源のうちの第1組の一対の面光源が形成され、第2
回折光学部材(屈折光学部材)に入射する光束に基づい
て第2組の一対の面光源が形成される。
学部材(屈折光学部材)を回転させることにより第1組
の一対の面光源の角度位置を連続的に変化させることが
でき、第2軸線を中心として第2回折光学部材(屈折光
学部材)を回転させることにより第2組の一対の面光源
の角度位置を連続的に変化させることができる。すなわ
ち、第1回折光学部材(屈折光学部材)および第2回折
光学部材(屈折光学部材)をそれぞれ回転させることに
より、照明瞳面に形成される4極状の二次光源を構成す
る各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化させ
ることができる。
る場合、マスクパターンに方向性があって、マスク上の
直交する二方向でそれぞれ照明条件を設定するのが一般
的である。したがって、この場合、アキシコン系を用い
ることなく簡素な構成にしたがって、本発明の回折光学
装置の作用により照明瞳面に形成される4極状の二次光
源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的
に変化させ、所定の角度関係を維持しながら光軸に関し
て2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源
を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異なる
照明条件を実現することができる。
た露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方
法では、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様
な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二
方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照
明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条件のもと
で、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写するこ
とができる。さらに、感光性基板上にマスクパターンを
忠実に転写することのできる本発明の露光装置および露
光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製造するこ
とができる。
説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる照明
光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図であ
る。図1において、感光性基板であるウェハの法線方向
に沿ってZ軸を、ウェハ面内において図1の紙面に平行
な方向にY軸を、ウェハ面内において図1の紙面に垂直
な方向にX軸をそれぞれ設定している。
給するための光源1として、193nmの波長の光を供
給するArFエキシマレーザー光源を備えている。な
お、光源1として、248nmの波長の光を供給するK
rFエキシマレーザー光源や、157nmの波長の光を
供給するF2レーザー光源や、g線(436nm)やi
線(365nm)の光を供給する水銀ランプなどを用い
ることができる。水銀ランプを用いる場合、光源1は、
水銀ランプと楕円鏡とコリメータレンズとを有する構成
となる。
平行光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面
を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエ
キスパンダー2に入射する。各レンズ2aおよび2b
は、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力お
よび正の屈折力をそれぞれ有する。したがって、ビーム
エキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内にお
いて拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形
される。
2を介したほぼ平行光束は、折り曲げミラー3でY方向
に偏向された後、回折光学素子4に入射する。一般に、
回折光学素子は、ガラス基板に露光光(照明光)の波長
程度のピッチを有する段差を形成することによって構成
され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有す
る。回折光学素子4は、入射した矩形状の平行光束を回
折してファーフィールドに円形状の光束を形成する機能
を有する発散光束形成素子である。
された光束は、アフォーカルズームレンズ(変倍リレー
光学系)5に入射し、その瞳面に円形状の光束を形成す
る。この円形状の光束からの光は、アフォーカルズーム
レンズ5から射出されて、回折光学装置6に入射する。
なお、アフォーカルズームレンズ5は、回折光学素子4
と回折光学装置6とを光学的にほぼ共役な関係に維持
し、且つアフォーカル系(無焦点光学系)を維持しなが
ら、所定の範囲で倍率を連続的に変化させることができ
るように構成されている。アフォーカルズームレンズ5
の倍率変化は、制御系21からの指令に基づいて動作す
る第1駆動系22により行われる。
に対してほぼ対称に斜め方向から光束が入射する。すな
わち、回折光学素子4とアフォーカルズームレンズ5と
は、光源1からの光束を光軸AXに対して様々な角度成
分を有する光束に変換して、回折光学装置6の入射面
(第1の所定面)へ入射させるための角度光束形成手段
を構成している。回折光学装置6は、入射した平行光束
を4つの光束に変換して光軸AXを中心とした4点状の
光束をファーフィールドに形成する機能を有し、制御系
21からの指令に基づいて動作する第2駆動系23によ
り行われる。回折光学装置6の詳細な構成および作用に
ついては後述する。
ンズ(変倍光学系)7を介して、オプティカルインテグ
レータとしてのマイクロレンズアレイ8を照明する。な
お、ズームレンズ7は、所定の範囲で焦点距離を連続的
に変化させることのできるσ値可変用の変倍光学系であ
って、回折光学装置6とマイクロレンズアレイ8の後側
焦点面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。換言する
と、ズームレンズ7は、回折光学装置6とマイクロレン
ズアレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に
結んでいる。
は、ズームレンズ7の後側焦点面(ひいてはマイクロレ
ンズアレイ8の入射面)に、円と4点とのコンボリュー
ションに基づく光強度分布、すなわち光軸AXを中心と
した4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成す
る。このように、回折光学装置6とズームレンズ7と
は、回折光学装置6の入射面(第1の所定面)に入射し
た様々な角度成分を有する光束に基づいて、光軸AXを
中心とした4つの照野をマイクロレンズアレイ8の入射
面(第2の所定面)上に形成するための照野形成手段を
構成している。この4極状の照野の全体的な大きさは、
ズームレンズ7の焦点距離に依存して変化する。ズーム
レンズ7の焦点距離の変化は、制御系21からの指令に
基づいて動作する第3駆動系24により行われる。
密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズから
なる光学素子である。マイクロレンズアレイ8を構成す
る各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野
の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領
域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。一般に、マ
イクロレンズアレイは、たとえば平行平面ガラス板にエ
ッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによ
って構成される。
各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズ
エレメントよりも微小である。また、マイクロレンズア
レイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフ
ライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズが互いに
隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしな
がら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されて
いる点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同
じである。なお、図1では、図面の明瞭化のために、マ
イクロレンズアレイ8を構成する微小レンズの数を実際
よりも非常に少なく表している。
射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割さ
れ、各微小レンズの後側焦点面には多数の光源がそれぞ
れ形成される。こうして、図2に示すように、マイクロ
レンズアレイ8の後側焦点面には、マイクロレンズアレ
イ8への入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光
強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心と
した4つの円形状の実質的な面光源(図中斜線で示す)
31〜34からなる4極状の二次光源が形成される。こ
のように、マイクロレンズアレイ8は、その入射面(第
2の所定面)上に形成された4つの照野からの光束に基
づいて、4つの照野とほぼ同じ光強度分布を有する4極
状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレ
ータを構成している。
成された4極状の二次光源からの光束は、必要に応じて
4極状の光透過部を有する開口絞りを介して制限された
後、コンデンサー光学系9の集光作用を受けた後、所定
のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。
マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PL
を介して、感光性基板であるウェハW上にマスクパター
ンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸A
Xと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを二
次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光
を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクM
のパターンが逐次露光される。
アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領
域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場
合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形
状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズの断
面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露
光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にし
たがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して相
対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスクパ
ターンをスキャン露光する。この場合、マスクM上での
照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の
矩形状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズ
の断面形状もこれと相似な矩形状となる。
に代えて、マイクロレンズアレイ(またはフライアイレ
ンズ)を用いることもできる。この場合、正六角形状ま
たは正方形状の微小レンズ(またはレンズエレメント)
からなるマイクロレンズアレイ(またはフライアイレン
ズ)を用いると、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面
には4つの正六角形状または正方形状の面光源からなる
4極状の二次光源が形成される。
レイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源は、
4つの円形状の面光源31〜34から構成されている。
ここで、各面光源31〜34の中心31a〜34aは光
軸AXから同じ距離rだけ離れており、各面光源31〜
34は互いに同じ大きさ(直径)φを有する。また、4
つの中心31a〜34aを結んで形成される四角形は、
光軸AXを中心としてX方向およびZ方向に平行な辺を
有する矩形である。
レンズ7の焦点距離と回折光学装置6の回折角との積に
依存する。また、大きさ(直径)φは、アフォーカルズ
ームレンズ5の倍率とズームレンズ7の焦点距離と回折
光学素子4の回折角(マイクロレンズアレイまたはフラ
イアイレンズを用いる場合にはその発散角)との積に依
存する。さらに、面光源31の中心31aと光軸AXと
を結ぶ線分が+X軸となす角度θAおよび面光源32の
中心32aと光軸AXとを結ぶ線分が+X軸となす角度
θBは、回折光学装置6の回折特性に依存する。
折光学素子やマイクロレンズアレイやフライアイレンズ
が配置されているので、ズームレンズ7の焦点距離およ
びアフォーカルズームレンズ5の倍率を変化させること
により、各面光源の光軸AXからの距離rおよび各面光
源の大きさ(直径)φを連続的に変化させることは可能
であったが、各面光源の角度位置θAおよびθBを連続的
に変化させることはできなかった。すなわち、回折光学
装置6の位置において特性の異なる回折光学素子やマイ
クロレンズアレイやフライアイレンズを交換することに
より、各面光源の角度位置θAおよびθBを離散的に変化
させることはできても、連続的に変化させることはでき
なかった。
ズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の二次光源
を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを連続的に
変化させることが可能な回折光学装置6を導入してい
る。図3は、第1実施形態における回折光学装置の構成
を概略的に示す図である。図3(a)を参照すると、第
1実施形態の回折光学装置6は、光軸AXに平行な第1
軸線AX1を中心として回転可能に構成された第1回折
光学部材6aと、光軸AXに平行な第2軸線AX2を中
心として回転可能に構成された第2回折光学部材6bと
を備えている。
とはX軸に沿って配置され光軸AXに関して対称な位置
関係を有し、光軸AXとの直交面(XZ面)において第
1回折光学部材6aと第2回折光学部材6bとはX方向
に沿って隣接するように配置されている。また、第1回
折光学部材6aと第2回折光学部材6bとは、互いに同
じ構成を有する円形状の基板であって、その片側の面に
は図3(b)に示すような形状の回折作用面が形成され
ている。
第2回折光学部材6bに求められる回折角に対応する開
口数(ひいては回折光学装置6に求められる回折角に対
応する開口数)NAと、露光光の波長λ(第1実施形態
では193nm)とにより、回折作用面のピッチd=λ
/NAが、たとえば2.8μmに設定される。この場
合、回折作用面の凸部の幅aおよび凹部の幅bはとも
に、たとえば1.4μmに設定される。そして、たとえ
ば石英(または蛍石など)で形成された基板の露光光に
対する屈折率をnとすると、段差Δ=λ/{2(n−
1)}が、たとえば172nmに設定される。
には、回折光学素子4への入射光束と相似な矩形状の光
束35が入射する。そして、回折方向が+X軸に対して
θAの角度をなすように設定された第1回折光学部材6
aに入射した光束は、図2において光軸AXに関して対
称な一対の面光源31および33を形成する。一方、回
折方向が+X軸に対してθBの角度をなすように設定さ
れた第2回折光学部材6bに入射した光束は、図2にお
いて光軸AXに関して対称な一対の面光源32および3
4を形成する。
6では、第1軸線AX1を中心として第1回折光学部材
6aを回転させることにより、面光源31の角度位置θ
Aおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連続
的に変化させることができる。同様に、第2軸線AX2
を中心として第2回折光学部材6bを回転させることに
より、面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角
度位置(θB+180度)を連続的に変化させることが
できる。すなわち、第1回折光学部材6aおよび第2回
折光学部材6bをそれぞれ回転させることにより、マイ
クロレンズアレイ8の後側焦点面(すなわち照明瞳面)
に形成される4極状の二次光源を構成する各面光源の角
度位置θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させる
ことができる。
ターンに方向性があって、マスク上の直交する二方向で
それぞれ照明条件を設定するのが一般的である。したが
って、第1実施形態では、アキシコン系を用いることな
く簡素な構成にしたがって、回折光学装置6の作用によ
りマイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4
極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよ
びθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+θB=1
80度の関係を維持しながら光軸AXに関して2回回転
対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、
被照射面上の直交する二方向で互いに異なる照明条件を
実現することができる。
り換え動作などについて具体的に説明する。まず、ステ
ップ・アンド・リピート方式またはステップ・アンド・
スキャン方式にしたがって順次露光すべき各種のマスク
に関する情報などが、キーボードなどの入力手段20を
介して制御系21に入力される。制御系21は、各種の
マスクに関する最適な線幅(解像度)、焦点深度等の情
報を内部のメモリー部に記憶しており、入力手段20か
らの入力に応答して駆動系22〜24に適当な制御信号
を供給する。
次光源を得るために、第1駆動系22は制御系21から
の指令に基づいてアフォーカルズームレンズ5の倍率を
設定し、第2駆動系23は制御系21からの指令に基づ
いて回折光学装置6における第1回折光学部材6aおよ
び第2回折光学部材6bの回転角度をそれぞれ設定し、
第3駆動系24は制御系21からの指令に基づいてズー
ムレンズ7の焦点距離を設定する。ここで、アフォーカ
ルズームレンズ5の倍率を変化させることにより、4つ
の面光源の各中心と光軸AXとの距離rを変化させるこ
となく、各面光源の大きさφを変化させることができ
る。
せることにより、距離rおよび大きさφをともに変化さ
せて、4極状の二次光源を相似的に拡大または縮小させ
ることができる。さらに、第1回折光学部材6aおよび
第2回折光学部材6bの回転角度をそれぞれ変化させる
ことにより、各面光源の角度位置θAおよびθBを独立的
に且つ連続的に変化させることができる。こうして、4
極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよ
びθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+θB=1
80度の関係を維持しながら光軸AXに関して2回回転
対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を形成し、
被照射面上の直交する二方向で最適な照明条件を実現す
ることができる。
に示すように、回折光学装置6への矩形状の入射光束3
5のうちの一部分が、第1回折光学部材6aにも第2回
折光学部材6bにも入射することなく(すなわち照明に
寄与することなく)失われる。換言すれば、回折光学装
置6において、ある程度の光量損失が発生する。また、
第1実施形態では、第1回折光学部材6aと第2回折光
学部材6bとが一方向に沿って配置されているので、マ
イクロレンズアレイ8への入射光束のテレセントリシテ
ィが崩れ、マイクロレンズアレイ8の収差に起因してマ
スクM上において(ひいてはウェハW上において)照明
むらが発生する。そこで、第1実施形態では、回折光学
装置6について、以下に示す2つの変形例が可能であ
る。
る回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図4に
示すように、第1変形例の回折光学装置60では、第1
実施形態の回折光学装置6に対して、第3回折光学部材
6cおよび第4回折光学部材6dを付設している。ここ
で、第3回折光学部材6cおよび第4回折光学部材6d
は、第1回折光学部材6aや第2回折光学部材6bと同
じ構成を有し、光軸AXに平行な第3軸線AX3および
第4軸線AX4を中心としてそれぞれ回転可能に構成さ
れている。
および第3軸線AX3と第4軸線AX4とはそれぞれX
方向に沿って配置され、光軸AXとの直交面(XZ面)
において第1軸線AX1と第2軸線AX2と第3軸線A
X3と第4軸線AX4とを結ぶ四角形は光軸AXを中心
とした正方形を形成している。すなわち、第3回折光学
部材6cは第2回折光学部材6bとZ方向に沿って隣接
するように配置され、第4回折光学部材6dは第3回折
光学部材6cとX方向に沿って隣接し且つ第1回折光学
部材6aとZ方向に沿って隣接するように配置されてい
る。
は、回折光学素子4への入射光束と相似な正方形状の光
束36が入射する。そして、回折方向が+X軸に対して
θAの角度をなすように設定された第1回折光学部材6
aおよび第3回折光学部材6cに入射した光束は、図2
において光軸AXに関して対称な一対の面光源31およ
び33を形成する。一方、回折方向が+X軸に対してθ
Bの角度をなすように設定された第2回折光学部材6b
および第4回折光学部材6dに入射した光束は、図2に
おいて光軸AXに関して対称な一対の面光源32および
34を形成する。
装置60では、第1軸線AX1および第3軸線AX3を
中心として第1回折光学部材6aおよび第3回折光学部
材6cを回折方向が互いに一致するようにそれぞれ回転
させることにより、面光源31の角度位置θAおよび面
光源33の角度位置(θA+180度)を連続的に変化
させることができる。同様に、第2軸線AX2および第
4軸線AX4を中心として第2回折光学部材6bおよび
第4回折光学部材6dを回折方向が互いに一致するよう
にそれぞれ回転させることにより、面光源32の角度位
置θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を
連続的に変化させることができる。
折光学部材6dをそれぞれ回転させることにより、マイ
クロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状の
二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθBを
独立的に且つ連続的に変化させることができる。第1変
形例では、回折光学装置60においてある程度の光量損
失は発生するが、第1回折光学部材6a〜第4回折光学
部材6dが直交する二方向に沿って二次元的に配置され
ているので、マイクロレンズアレイ8への入射光束のテ
レセントリシティが実質的に崩れることなく、マスクM
上における(ひいてはウェハW上における)照明むらの
発生を防止することができる。
る回折光学装置の構成を概略的に示す図である。図5に
示すように、第2変形例の回折光学装置61は、光軸A
Xを中心として回転可能に構成された第1回折光学部材
61aと、同じく光軸AXを中心として回転可能に構成
され且つ光軸AXに沿って第1回折光学部材61aと近
接して配置された第2回折光学部材61bとから構成さ
れている。第1回折光学部材61aと第2回折光学部材
61bとは、基本的に同じ構成を有する円形状の基板で
あって、その片側の面には複数(図5では9個)の同心
円によって規定された円形状および円環状の領域が形成
されている。
状の各領域の半径方向の寸法とは互いに等しく、たとえ
ばL=0.5mm程度に設定されている。ただし、第1
回折光学部材61aでは、円形状または円環状の領域の
うち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成され
ている。一方、第2回折光学部材61bでは、円形状ま
たは円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回
折作用面が形成されている。なお、第1回折光学部材6
1aおよび第2回折光学部材61bには、第1実施形態
の回折光学装置6と同じ構成を有する回折作用面が形成
されている。すなわち、回折光学装置61は、図6に示
すように、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材
61bとを光学的に合成した形態を有することになる。
は、ひいては第1回折光学部材61aおよび第2回折光
学部材61bには、回折光学素子4への入射光束と相似
な正方形状の光束37が入射する。そして、回折方向が
+X軸に対してθAの角度をなすように設定された第1
回折光学部材61aの回折作用面に入射した光束は、図
2において光軸AXに関して対称な一対の面光源31お
よび33を形成する。一方、回折方向が+X軸に対して
θBの角度をなすように設定された第2回折光学部材6
1bの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸
AXに関して対称な一対の面光源32および34を形成
する。
装置61では、光軸AXを中心として第1回折光学部材
61aを回転させることにより、面光源31の角度位置
θAおよび面光源33の角度位置(θA+180度)を連
続的に変化させることができる。同様に、光軸AXを中
心として第2回折光学部材61bを回転させることによ
り、面光源32の角度位置θBおよび面光源34の角度
位置(θB+180度)を連続的に変化させることがで
きる。すなわち、第1回折光学部材61aおよび第2回
折光学部材61bをそれぞれ回転させることにより、マ
イクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成される4極状
の二次光源を構成する各面光源の角度位置θAおよびθB
を独立的に且つ連続的に変化させることができる。
作用に起因する光量損失を除き、回折光学装置61にお
ける光量損失を実質的に回避することができる。また、
第1回折光学部材61aおよび第2回折光学部材61b
における回折作用面が同心円的に(二次元的に)配置さ
れているので、マイクロレンズアレイ8への入射光束の
テレセントリシティが実質的に崩れることなく、マスク
M上における(ひいてはウェハW上における)照明むら
の発生を防止することができる。
61aの中心軸線および第2回折光学部材61bの中心
軸線を光軸AXとほぼ一致させることが必要である。具
体的には、第1回折光学部材61aと第2回折光学部材
61bとのアライメント誤差(芯出し誤差)を、L/2
0よりも小さく抑えることが好ましい。そして、第1回
折光学部材61aと第2回折光学部材61bとのアライ
メント誤差(芯出し誤差)を、L/100よりも小さく
抑えることがさらに好ましい。また、回折光学装置61
における光量損失をできるだけ回避するために、第1回
折光学部材61aの回折作用面と第2回折光学部材61
bの回折作用面とを対向させ、その光軸AXに沿った間
隔を、(1/NA)×(L/20)よりも小さく抑える
ことが好ましい。そして、この間隔を、(1/NA)×
(L/100)よりも小さく抑えることがさらに好まし
い。ここで、上述したように、Lは円形状の領域の半径
の寸法または円環状の各領域の半径方向の寸法であり、
NAは回折光学装置61における回折角に対応する開口
数である。
では、4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置
θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させ、θA+
θB=180度の関係を維持しながら光軸AXに関して
2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光源を
形成しているが、θB=θA=90度に設定することによ
り、Z方向に沿った一対の面光源からなる2極状の二次
光源を形成することもできる。また、θB=θA=0度
(または180度)に設定することにより、X方向に沿
った一対の面光源からなる2極状の二次光源を形成する
こともできる。
では、4点状の光束をファーフィールドに形成する機能
を有する回折光学装置について説明したが、各点がある
程度の広がりを持つような4極状の光束をファーフィー
ルドに形成するように回折光学装置を構成することもで
きる。この場合、マイクロレンズアレイ8の入射面に
は、円と4極とのコンボリューションに基づく光強度分
布、すなわち光軸AXを中心とした4極状の照野が形成
される。
明光学装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図で
ある。また、図8は、一対のマイクロレンズアレイから
なる波面分割型オプティカルインテグレータの構成を概
略的に説明する図である。第2実施形態は、第1実施形
態と類似の構成を有する。しかしながら、第2実施形態
では、回折光学素子4とアフォーカルズームレンズ5と
からなる角度光束形成手段に代えて、一対の光学素子ア
レイからなる波面分割型のオプティカルインテグレータ
を角度光束形成手段として用いている点が、第1実施形
態と相違している。以下、第1実施形態との相違点に着
目して、第2実施形態を説明する。
置6との間の光路中には、正屈折力の微小レンズからな
る第1マイクロレンズアレイ(または第1フライアイレ
ンズ:第1光学素子アレイ)40aと正屈折力の微小レ
ンズからなる第2マイクロレンズアレイ(または第2フ
ライアイレンズ:第2光学素子アレイ)40bとで構成
されたマイクロレンズアレイ群(またはフライアイレン
ズ群)40が配置されている。マイクロレンズアレイ4
0aおよび40bを構成する各微小レンズはともに正六
角形状または矩形状の断面を有し、そのサイズは同じで
ある。また、マイクロレンズアレイ40aおよび40b
は、図8に示すように、マイクロレンズアレイ群40の
後側焦点面40cが実質的に移動しないように、光軸に
沿ってそれぞれ移動可能に構成されている。
0aと第2マイクロレンズアレイ40bとの間隔は可変
であり、マイクロレンズアレイ群40は焦点距離が可変
の波面分割型オプティカルインテグレータを構成してい
る。マイクロレンズアレイ群40の焦点距離の変化は、
制御系21からの指令に基づいて動作する駆動系25に
より行われる。なお、マイクロレンズアレイ群40は、
その後側焦点面40cが回折光学装置6の入射面(すな
わち第1回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6b
の入射面:第1の所定面)またはその近傍に位置するよ
うに配置されている。
群40に入射した矩形状のほぼ平行光束が二次元的に波
面分割され、その後側焦点面40cに矩形状の実質的な
面光源(多数の光源からなる全体的に矩形状の面光源)
が形成される。マイクロレンズアレイ群40の後側焦点
面40cに形成された矩形状の面光源からの光束は、回
折光学装置6およびズームレンズ7を介して、マイクロ
レンズアレイ8の入射面に、正六角形または矩形円と4
点とのコンボリューションに基づく光強度分布、すなわ
ち光軸AXを中心とした4つの正六角形状または矩形状
の照野からなる4極状の照野を形成する。
焦点面には、マイクロレンズアレイ8への入射光束によ
って形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次
光源、すなわち光軸AXを中心とした4つの正六角形状
または矩形状の実質的な面光源からなる4極状の二次光
源が形成される。第2実施形態では、第1マイクロレン
ズアレイ40aと第2マイクロレンズアレイ40bとの
間隔を変化させて、マイクロレンズアレイ群40の焦点
距離を変化させることにより、4つの面光源の各中心と
光軸AXとの距離rを変化させることなく、各面光源の
大きさφを変化させることができる。
せることにより、距離rおよび大きさφをともに変化さ
せて、4極状の二次光源を相似的に拡大または縮小させ
ることができる。さらに、回折光学装置6において第1
回折光学部材6aおよび第2回折光学部材6bの回転角
度をそれぞれ変化させることにより、各面光源の角度位
置を独立的に且つ連続的に変化させることができる。こ
うして、第2実施形態においても、第1実施形態よりも
さらに簡素な構成にしたがって、4極状の二次光源を構
成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連続的に変化
させ、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様な
4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二方
向で最適な照明条件を実現することができる。
同様に回折光学装置6を用いているが、第1変形例と同
様に回折光学装置60を用いてマイクロレンズアレイ8
への入射光束のテレセントリシティの崩れを実質的に回
避し、マスクM上における(ひいてはウェハW上におけ
る)照明むらの発生を防止することもできる。また、第
2変形例と同様に回折光学装置61を用いて、照明むら
の発生を防止するとともに、回折光学装置61における
光量損失を抑制することもできる。
ンズアレイ40aおよび第2マイクロレンズアレイ40
bがともに正屈折力の微小レンズから構成されている
が、いずれか一方のマイクロレンズアレイを負屈折力の
微小レンズで構成することもできる。さらに、第2実施
形態では、2つのマイクロレンズアレイにより焦点距離
が可変のマイクロレンズアレイ群を構成しているが、3
つ以上のマイクロレンズアレイでマイクロレンズアレイ
群を構成することもできる。
は、回折光学部材が図3(b)に示すような位相型で2
段に近似(バイナリー近似)された回折作用面を有して
いたが、その代わりに、光量損失を厭わなければ振幅型
の回折作用面を有するものであってもかまわない。ま
た、回折作用面を位相型とする場合には、回折作用面に
おける近似レベルを4段としても良く、また8段として
も良い。また、回折作用面にブレーズ化された(鋸歯状
断面を持つ)回折面を形成しても良い。
は、入射光束を4つの光束に変換してファーフィールド
に4点状または4極状の光束を形成するための回折光学
部材を用いたが、屈折光学部材を用いることも可能であ
る。この場合、各実施形態並びに各変形例の回折光学部
材における回折作用面を、図9に示す形状の屈折作用面
とすれば良い。図9は、上述の各実施形態並びに各変形
例に適用される屈折光学部材の構成を示す図であり、図
9(a)は屈折作用面の断面図、図9(b)は屈折作用
面の一部の斜視図である。
用面は、回折光学部材の回折作用面の溝方向と同じ方向
に延びた稜線を持つ屋根型プリズムを、当該溝方向と直
交する1次元方向に稠密に配置した屋根型プリズムアレ
イの形状を有している。このような屋根型プリズムアレ
イは、マイクロレンズアレイや回折光学素子と同様にた
とえば光透過性基板(石英、蛍石など)をエッチングす
ることにより得られる。
アレイの斜面と光軸直交面とのなす角度をαとし、屋根
型プリズムアレイが形成されている光透過性基板の屈折
率をnとするとき、屋根型プリズムアレイにより屈折さ
れる光線の屈折角θは、おおむね、θ≒(n−1)αの
関係を満足する。
nmである場合、屋根型プリズムアレイのピッチd=
0.1mm、光透過性基板の屈折率n=1.56、屋根
型プリズムアレイの角度α=7°、屋根型プリズムアレ
イの段差(サグ量)Δ=6.2μmに設定すると、屈折
角θ=4°が得られる。なお、屋根型プリズムアレイの
頂角は180−2αであることは言うまでもない。
例における回折光学装置の回折作用面をたとえば屋根型
プリズムアレイからなる屈折作用面として屈折光学装置
とすると、光利用効率が高いという利点がある。例え
ば、回折光学装置の回折作用面をバイナリー近似された
位相型回折光学素子とする場合には、製造誤差による光
量ロスを無視しても約80%程度の回折効率しか得られ
ないが、上述のような屈折光学装置とすれば(光透過部
材の材料内部や反射防止コートの吸収や屈折光学装置の
屈折面での表面反射の影響、製造誤差による影響を除く
と)ほぼ100%の光利用効率が得られる。
学部材61aと第2回折光学部材61bとが照明光学装
置の光軸AXを中心として回転可能に設けられている
が、これら第1回折光学部材および第2回折光学部材の
回転軸は光軸AXと異なっていても良い。
置の構成を概略的に示す図である。図10に示すよう
に、第3変形例の回折光学装置62は、光軸AXと平行
な回転軸AX6を中心として回転可能に構成された第1
回折光学部材62aと、同じく回転軸AX6を中心とし
て回転可能に構成され且つ回転軸AX6に沿って第1回
折光学部材と近接して配置された第2回折光学部材62
bとから構成されている。
部材62aは、第2変形例における第1回折光学部材6
1aの複数の円形状および円環状の領域内に位置する回
折作用面を扇形に切り取った形状の回折作用面を有す
る。第2回折光学部材62bは、第2変形例における第
2回折光学部材61bの複数の円形状および円環状の領
域内に位置する回折作用面を扇形に切り取った形状の回
折作用面を有する。第2変形例と同様に、第1回折光学
部材62aでは中心から奇数番目の領域に回折作用面が
形成されており、第2回折光学部材62bでは中心から
偶数番目の領域に回折作用面が形成されている。図11
に示すように、回折光学装置62は、第1回折光学部材
62aと第2回折光学部材62bとを光学的に合成した
形態を有する。
ひいては第1回折光学部材62aおよび第2回折光学部
材62bには、長方形状の光束38が入射する。そし
て、第2変形例と同様に、回折方向が+X軸に対してθ
Aの角度をなすように設定された第1回折光学部材62
aの回折作用面に入射した光束は、図2において光軸A
Xに対してほぼ対称な一対の面光源31および33を形
成する。一方、回折方向がX軸に対してθBをなすよう
に設定された第2回折光学部材62bの回折作用面に入
射した光束は、図2において光軸AXに関して対称な一
対の面光源32および34を形成する。
関して2回回転対称の形態を有する4極状の二次光源を
形成するため、図2における面光源31乃至34の角度
位置θA、θB、(θA+180度)、(θB+180度)
は、それぞれ0°<θA<90°、90°<θB<180
°であれば良い。したがって、第1回折光学部材62a
と第2回折光学部材62bとに要求される回転角はとも
に90度となる。
aの回転角θAと第2回折光学部材62bの回転角θBと
が90°をなす状態、すなわち第1回折光学部材62a
の扇形の回折作用面と第2回折光学部材62bの回折作
用面とが重なった状態を示し、図11(b)には、第1
回折光学部材62aの回転角θAと第2回折光学部材6
2bの回転角θBとが同方向である状態を示す。
光学部材の回転軸AX6を光軸AXに対して平行移動さ
せることにより、中心角が(90°+γ度)の扇形の領
域内のみに各回折光学部材62aおよび62bの回折作
用面を形成すれば良いことが分かる。なお、上記角度γ
は、入射光束38の大きさや形状、および回転軸AX6
に対する入射光束の偏心量(回転軸AX6と光軸AXと
の距離に対応)に応じて求まる。
装置62においても、回転軸AX6を中心として第1回
折光学部材62aを回転させることにより、図2の面光
源31の角度位置θAおよび面光源33の角度位置(θA
+180度)を連続的に変化させることができる。同様
に、回転軸AX6を中心として第2回折光学部材62b
を回転させることにより、図2の面光源32の角度位置
θBおよび面光源34の角度位置(θB+180度)を連
続的に変化させることができる。すなわち、第2変形例
と同様に、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形成
される4極状の二次光源を構成する各面光源の角度位置
θAおよびθBを独立的に且つ連続的に変化させることが
できる。このとき、図10および図11からも明らかな
通り、回折光学装置62における光量損失を実質的に回
避することができる。
学部材62aおよび第2回折光学部材62bの扇形領域
以外の領域には、別の照明条件用の回折光学素子または
屈折光学素子を設けることができる。たとえば10
(a)に示す第1回折光学部材62aには、光透過部6
3aと複数の回折光学素子(屈折光学素子)64a〜6
4dとが設けられており、図10(b)に示す第2回折
光学部材62bには、光透過部63bと複数の回折光学
素子(屈折光学素子)64e〜64hとが設けられてい
る。ここで、回折光学素子としては、入射光束を回折さ
せて回折光学素子のファーフィールドにおいて2点状や
4点状などの多点状、リング状の光束に変換するものを
用いることが可能である。
装置62に所定の角度分布を持つ光束が入射するため、
入射光束を2点状に変換する回折光学素子が照明光路に
設定された場合には、マイクロレンズアレイ8の入射面
において2極状の照野が形成され、入射光束を4点状に
変換する回折光学素子が照明光路に設定された場合に
は、マイクロレンズアレイ8の入射面において4極状の
照野が形成され、入射光束をリング状に変換する回折光
学素子が照明光路に設定された場合には、マイクロレン
ズアレイ8の入射面において輪帯状の照野が形成され
る。
られた回折光学素子(屈折光学素子)64a〜64dの
何れかを用いる(何れかを照明光路に設定する)場合、
第2回折光学部材62bにおいては光透過部63bが照
明光路に設定される。また、第2回折光学部材62bに
設けられた回折光学素子(屈折光学素子)64e〜64
hの何れかを用いる(何れかを照明光路に設定する)場
合には、第1回折光学部材62aの光透過部63aが照
明光路に設定される。そして、第1回折光学部材62a
の光透過部63aおよび第2回折光学部材62bの光透
過部63bを照明光路に設定すれば、回折作用を無効
に、すなわち素抜けにできる。この場合には、マイクロ
レンズアレイ8の入射面において円形状の照野が形成さ
れ、マイクロレンズアレイ8が円形状の二次光源を形成
して、通常の円形照明を行うことができる。
光学部材62aにおける最も中心側の回折作用面と、第
2回折光学部材62bにおける最も中心側の回折作用面
とに関しては、入射光束38が通過する領域と重複しな
いため、これらの回折作用面を設けなくとも良い。ま
た、図10および図11に示した第3変形例の回折光学
装置62においては、回折光学装置62に長方形状の光
束38が入射するとしたが、この入射光束は長方形には
限られず、前述の実施形態のように正方形であっても良
いし、どのような形状であっても良い。
形例の回折光学装置62においても、図9に示した変形
例と同様に、屈折作用面を有する屈折光学装置に変形し
ても良い。また、図10および図11に示した第3変形
例の回折光学装置62では、各回折光学部材62a、6
2bの1つの扇形領域内に回折作用面を設けたが、各々
の回折光学部材62a、62bに複数の回折作用面を含
む扇形領域を設けることも可能である。この場合には、
それぞれの回折光学部材62a、62bにおける扇形領
域毎に回折作用面のピッチが異なるもの(屈折光学部材
の場合は光線の屈折角が異なるもの)を設けておくこと
が好ましい。
照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照
明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写
用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)こと
により、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液
晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができ
る。以下、上述の各実施形態の露光装置を用いて感光性
基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成する
ことによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイ
スを得る際の手法の一例につき図12のフローチャート
を参照して説明する。
1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステッ
プ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上
にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ30
3において、上述の各実施形態の露光装置を用いて、マ
スク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その
1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写さ
れる。その後、ステップ304において、その1ロット
のウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステ
ップ305において、その1ロットのウェハ上でレジス
トパターンをマスクとしてエッチングを行うことによっ
て、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各
ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に
上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによっ
て、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導
体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パター
ンを有する半導体デバイスをスループット良く得ること
ができる。
プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パタ
ーン、電極パターン等)を形成することによって、マイ
クロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもでき
る。以下、図13のフローチャートを参照して、このと
きの手法の一例につき説明する。図13において、パタ
ーン形成工程401では、上述の各実施形態の露光装置
を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗
布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグ
ラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程
によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パ
ターンが形成される。その後、露光された基板は、現像
工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を
経ることによって、基板上に所定のパターンが形成さ
れ、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3
つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、
またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組
を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形
成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後
に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立
て工程403では、パターン形成工程401にて得られ
た所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター
形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用い
て液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て
工程403では、例えば、パターン形成工程401にて
得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター
形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に
液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
て、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作
を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付
けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素
子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有
する液晶表示素子をスループット良く得ることができ
る。
クロレンズアレイ8を介して形成された4極状の二次光
源からの光を、導光光学系としてのコンデンサー光学系
9によって集光して、重畳的にマスクMを照明する構成
となっている。しかしながら、コンデンサー光学系9と
マスクMとの間に、照明視野絞り(マスクブラインド)
と、この照明視野絞りの像をマスクM上に形成するリレ
ー光学系とを配置しても良い。この場合、導光光学系
は、コンデンサー光学系9とリレー光学系とから構成さ
れ、コンデンサー光学系9は二次光源からの光を集光し
て重畳的に照明視野絞りを照明することになり、リレー
光学系は照明視野絞りの開口部(光透過部)の像をマス
クM上に形成することになる。
状の二次光源を形成するためのオプティカルインテグレ
ータとしてマイクロレンズアレイ8を用いているが、波
面分割型のインテグレータであるマイクロレンズアレイ
8に代えて、内面反射型のオプティカルインテグレータ
としてのロッド型インテグレータを用いることもでき
る。この場合、第2光学系としてのズームレンズ7より
もマスクM側に集光光学系を追加して回折光学装置6の
共役面を形成し、この共役面近傍に入射端が位置決めさ
れるようにロッド型インテグレータを配置する。
端面または射出端面近傍に配置される照明視野絞りの像
をマスクM上に形成するためのリレー光学系を配置す
る。この構成の場合、第2の所定面はズームレンズ7と
上記集光光学系との合成光学系の瞳面となり、二次光源
はリレー光学系の瞳面に形成される(二次光源の虚像は
ロッド型インテグレータの入射端近傍に形成される)。
また、ロッド型インテグレータからの光束をマスクMへ
導くためのリレー光学系が導光光学系となる。
装置を備えた投影露光装置を例にとって本発明を説明し
たが、マスク以外の被照射面を照明するための一般的な
照明光学装置に本発明を適用することができることは明
らかである。
装置では、所定の構成を有する回折光学装置(屈折光学
装置)の作用により、照明瞳面に形成される4極状の二
次光源を構成する各面光源の角度位置を独立的に且つ連
続的に変化させることができる。その結果、アキシコン
系を用いることなく簡素な構成にしたがって、光軸に関
して2回回転対称の形態を有する多様な4極状の二次光
源を形成し、被照射面上の直交する二方向で互いに異な
る照明条件を実現することができる。
た露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方
法では、光軸に関して2回回転対称の形態を有する多様
な4極状の二次光源を形成し、被照射面上の直交する二
方向で互いに異なる照明条件を実現することのできる照
明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条件のもと
で、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転写するこ
とができる。さらに、感光性基板上にマスクパターンを
忠実に転写することのできる本発明の露光装置および露
光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製造するこ
とができる。
備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
る4極状の二次光源の構成を概略的に示す図である。
略的に示す図である。
置の構成を概略的に示す図である。
置の構成を概略的に示す図である。
回折光学部材と第2回折光学部材とを光学的に合成した
形態を示す図である。
備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
型オプティカルインテグレータの構成を概略的に説明す
る図である。
を屈折光学装置とした際の構成を概略的に示す図であ
る。
略的に示す図である。
1回折光学部材と第2回折光学部材とを光学的に合成し
た形態を示す図である。
得る際の手法のフローチャートである。
る際の手法のフローチャートである。
イ) M マスク PL 投影光学系 W ウェハ 20 入力手段 21 制御系 22〜24 駆動系
Claims (29)
- 【請求項1】 被照射面を照明する照明光学系に用いら
れて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面
に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折
光学装置において、 前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心とし
て回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記光軸
にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され
且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1回折光学部材
と隣り合うように配置された第2回折光学部材とを備え
ていることを特徴とする回折光学装置。 - 【請求項2】 前記直交面において、前記第1軸線と前
記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係を
有することを特徴とする請求項1に記載の回折光学装
置。 - 【請求項3】 前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心と
して回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記第
1回折光学部材または前記第2回折光学部材と隣り合う
ように配置された第3回折光学部材と、前記光軸にほぼ
平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ前
記直交面に沿って前記第3回折光学部材と隣り合い且つ
前記第2回折光学部材または前記第1回折光学部材と隣
り合うように配置された第4回折光学部材とをさらに備
えていることを特徴とする請求項1または2に記載の回
折光学装置。 - 【請求項4】 前記直交面において前記第1軸線と前記
第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角形
は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することを特
徴とする請求項3に記載の回折光学装置。 - 【請求項5】 被照射面を照明する照明光学系に用いら
れて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面
に形成するために入射光束を4つの光束に変換する回折
光学装置において、 前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心と
して回転可能に構成された第1回折光学部材と、前記所
定の軸線を中心として回転可能に構成された第2回折光
学部材とを備え、 前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材に
は、複数の同心円によって規定された円形状および円環
状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、 前記第1回折光学部材では、前記円形状または円環状の
領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形
成され、 前記第2回折光学部材では、前記円形状または円環状の
領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面が形
成されていることを特徴とする回折光学装置。 - 【請求項6】 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円
環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しいこ
とを特徴とする請求項5に記載の回折光学装置。 - 【請求項7】 前記第1回折光学部材および前記第2回
折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形
状および円環状の領域の全部がほぼ同じように形成され
ていることを特徴とする請求項5または6に記載の回折
光学装置。 - 【請求項8】 前記第1回折光学部材および前記第2回
折光学部材には、複数の同心円によって規定された円形
状または円環状の領域の一部が形成され、 前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材のう
ちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の
領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に
変換するための回折面または屈折面が形成されているこ
とを特徴とする請求項5または請求項6に記載の回折光
学装置。 - 【請求項9】 被照射面を照明する照明光学系に用いら
れて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面
に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈折
光学装置において、 前記照明光学系の光軸にほぼ平行な第1軸線を中心とし
て回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記光軸
にほぼ平行な第2軸線を中心として回転可能に構成され
且つ前記光軸との直交面に沿って前記第1屈折光学部材
と隣り合うように配置された第2屈折光学部材とを備え
ていることを特徴とする屈折光学装置。 - 【請求項10】 前記直交面において、前記第1軸線と
前記第2軸線とは前記光軸に関してほぼ対称な位置関係
を有することを特徴とする請求項9に記載の屈折光学装
置。 - 【請求項11】 前記光軸にほぼ平行な第3軸線を中心
として回転可能に構成され且つ前記直交面に沿って前記
第1屈折光学部材または前記第2屈折光学部材と隣り合
うように配置された第3屈折光学部材と、前記光軸にほ
ぼ平行な第4軸線を中心として回転可能に構成され且つ
前記直交面に沿って前記第3屈折光学部材と隣り合い且
つ前記第2屈折光学部材または前記第1屈折光学部材と
隣り合うように配置された第4屈折光学部材とをさらに
備えていることを特徴とする請求項9または10に記載
の屈折光学装置。 - 【請求項12】 前記直交面において前記第1軸線と前
記第2軸線と前記第3軸線と前記第4軸線とを結ぶ四角
形は前記光軸を中心としたほぼ正方形を形成することを
特徴とする請求項12に記載の屈折光学装置。 - 【請求項13】 被照射面を照明する照明光学系に用い
られて、4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳
面に形成するために入射光束を4つの光束に変換する屈
折光学装置において、 前記照明光学系の光軸にほぼ平行な所定の軸線を中心と
して回転可能に構成された第1屈折光学部材と、前記所
定の軸線を中心として回転可能に設けられた第2屈折光
学部材とを備え、 前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材に
は、複数の同心円によって規定された円形状または円環
状の領域の少なくとも一部がほぼ同じように形成され、 前記第1屈折光学部材では、前記円形状または円環状の
領域のうち、中心から奇数番目の領域に屈折作用面が形
成され、 前記第2屈折光学部材では、前記円形状または円環状の
領域のうち、中心から偶数番目の領域に屈折作用面が形
成されていることを特徴とする屈折光学装置。 - 【請求項14】 前記円形状の領域の半径の寸法と前記
円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しい
ことを特徴とする請求項13に記載の屈折光学装置。 - 【請求項15】 前記第1屈折光学部材および前記第2
屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円
形状または円環状の領域の全部がほぼ同じように形成さ
れていることを特徴とする請求項13または請求項14
に記載の屈折光学装置。 - 【請求項16】 前記第1屈折光学部材および前記第2
屈折光学部材には、複数の同心円によって規定された円
形状または円環状の領域の一部が形成され、 前記第1屈折光学部材および前記第2屈折光学部材のう
ちの少なくとも一方における前記円形状または円環状の
領域とは異なる箇所には、前記入射光束を所定の光束に
変換するための回折作用面または屈折作用面が形成され
ていることを特徴とする請求項13または請求項14に
記載の屈折光学装置。 - 【請求項17】 前記第1屈折光学部材および前記第2
屈折光学部材の前記領域内の前記屈折作用面には、プリ
ズムアレイが形成されていることを特徴とする請求項1
3乃至16のいずれか1項に記載の屈折光学装置。 - 【請求項18】 被照射面を照明する照明光学装置にお
いて、 4極状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成
するために、入射光束を4つの光束に変換して前記光軸
を中心とした4点状または4極状の光束をファーフィー
ルドに形成する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
回折光学装置または請求項9乃至17のいずれか1項に
記載の屈折光学装置を備えていることを特徴とする照明
光学装置。 - 【請求項19】 光束を供給するための光源手段と、 前記光源手段からの光束を、光軸に対して様々な角度成
分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させる
ための角度光束形成手段と、 前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を有す
る光束に基づいて、前記光軸を中心とした4つの照野を
第2の所定面上に形成するために前記回折光学装置また
は前記屈折光学装置を含む照野形成手段と、 前記第2の所定面上に形成された前記4つの照野からの
光束に基づいて、前記4つの照野とほぼ同じ光強度分布
を有する4極状の二次光源を形成するためのオプティカ
ルインテグレータと、 前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照
射面へ導くための導光光学系とを備えていることを特徴
とする請求項18に記載の照明光学装置。 - 【請求項20】 前記角度光束形成手段は、前記光源手
段からのほぼ平行な光束を、前記光軸に対して様々な角
度で発散する光束に変換するための発散光束形成素子
と、前記発散光束形成素子を介して形成された発散光束
を集光して前記第1の所定面へ導くための第1光学系と
を有することを特徴とする請求項19に記載の照明光学
装置。 - 【請求項21】 前記第1光学系は、前記二次光源とし
て形成される4つの面光源の各中心と前記光軸との距離
を変化させることなく各面光源の大きさを変化させるた
めの第1変倍光学系を有することを特徴とする請求項2
0に記載の照明光学装置。 - 【請求項22】 前記第1変倍光学系は、前記発散光束
形成素子と前記第1の所定面とを光学的にほぼ共役に結
ぶアフォーカルズームレンズを有することを特徴とする
請求項21に記載の照明光学装置。 - 【請求項23】 前記角度光束形成手段は、二次元状に
配列された複数の第1単位光学素子を有する第1光学素
子アレイと、前記複数の第1単位光学素子と光学的に対
応するように配置された複数の第2単位光学素子を有す
る第2光学素子アレイとから構成された波面分割型オプ
ティカルインテグレータを有し、 前記波面分割型オプティカルインテグレータの後側焦点
面は前記第1の所定面またはその近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項19に記載の照明光学装置。 - 【請求項24】 前記二次光源として形成される4つの
面光源の各中心と前記光軸との距離を変化させることな
く各面光源の大きさを変化させるために、前記第1光学
素子アレイと前記第2光学素子アレイとの間隔が可変に
構成されていることを特徴とする請求項23に記載の照
明光学装置。 - 【請求項25】 前記回折光学装置または前記屈折光学
装置からの光束を前記第2の所定面へ導くための第2光
学系を備えていることを特徴とする請求項19乃至24
のいずれか1項に記載の照明光学装置。 - 【請求項26】 前記第2光学系は、前記二次光源を相
似的に拡大または縮小させるための第2変倍光学系を有
することを特徴とする請求項25に記載の照明光学装
置。 - 【請求項27】 前記第2変倍光学系は、前記回折光学
装置または前記屈折光学装置と前記第2の所定面とを実
質的にフーリエ変換の関係に結ぶズームレンズを有する
ことを特徴とする請求項26に記載の照明光学装置。 - 【請求項28】 請求項18乃至27のいずれか1項に
記載の照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマス
クのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光
学系とを備えていることを特徴とする露光装置。 - 【請求項29】 請求項18乃至27のいずれか1項に
記載の照明光学装置を介してマスクを照明し、照明され
た前記マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上
に投影露光することを特徴とする露光方法。
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