JP2009071010A - 照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光量損失を小さく抑えつつ瞳強度分布を調整することのできる照明光学系。
【解決手段】 光源(1)からの光に基づいて被照射面(M;W)を照明する照明光学系は、照明瞳の第1領域に第1光強度分布を形成し、第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成する瞳強度分布形成手段(3〜10)を備えている。瞳強度分布形成手段は、第1光強度分布と第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段(3,4,5)を有する。強度比可変手段は、入射光束を複数の光束に分離する光束分離部材(3)と、この光束分離部材により分離された複数の光束に基づいて第1光強度分布および第2光強度分布を形成する回折光学部材(5)とを有し、光束分離部材と回折光学部材とは、光軸(AX)廻りに相対的に回転可能に構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のデバイスをリソグラフィー工程で製造するための露光装置に好適な照明光学系に関するものである。
この種の典型的な露光装置においては、光源から射出された光束が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光束は、コンデンサーレンズにより集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マスクに形成されたパターンは高集積化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
露光装置では、光路中のミラーの斜入射特性(光の入射角度によって反射率が異なる特性)などに起因して所望の瞳強度分布を得ることができず、ひいては投影光学系が所望の結像性能を発揮することができなくなることがある。そこで、本出願人は、照明瞳面に濃度フィルタを配置することにより瞳強度分布を補正(調整)する技術を提案している(特許文献1を参照)。
特開2004−247527号公報
特許文献1に開示された従来技術では、濃度分布(透過率分布)を有するフィルタを照明瞳面に配置するため、この濃度フィルタにおいて光量損失が発生するとともに、瞳強度分布を調整することができないという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、光量損失を小さく抑えつつ瞳強度分布を調整することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、瞳強度分布を調整することのできる照明光学系を用いて、所望の照明条件のもとで良好な露光を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、光源からの光に基づいて被照射面を照明する照明光学系において、
照明瞳の第1領域に第1光強度分布を形成し、前記第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成する瞳強度分布形成手段を備え、
前記瞳強度分布形成手段は、前記第1光強度分布と前記第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段を有し、
前記強度比可変手段は、入射光束を複数の光束に分離する光束分離部材と、該光束分離部材により分離された前記複数の光束に基づいて前記第1光強度分布および前記第2光強度分布を形成する回折光学部材とを有し、前記光束分離部材と前記回折光学部材とは、光軸廻りまたは該光軸とほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする照明光学系を提供する。
本発明の第2形態では、光源からの光に基づいて被照射面を照明する照明光学系において、
照明瞳の第1領域に第1光強度分布を形成し、前記第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成する瞳強度分布形成手段を備え、
前記瞳強度分布形成手段は、前記第1光強度分布と前記第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段を有し、
前記強度比可変手段は、前記第1領域に第3光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第3光強度分布とは強度の異なる第4光強度分布を形成する第1回折光学部材と、
前記第1領域に第5光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第5光強度分布とは強度の異なる第6光強度分布を形成する第2回折光学部材とを有し、
前記第1回折光学部材と前記第2回折光学部材とは、光軸廻りまたは該光軸とほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする照明光学系を提供する。
本発明の第3形態では、所定のパターンを照明するための第1形態または第2形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第4形態では、第3形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光する露光工程と、
前記パターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記パターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成する現像工程と、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工する加工工程とを含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の第1実施形態にかかる照明光学系は、照明瞳に形成される第1光強度分布と第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段として、入射光束を複数の光束に分離する光束分離部材と、分離された複数の光束に基づいて第1光強度分布および第2光強度分布を形成する回折光学部材とを有する。その結果、第1実施形態において詳述するように、光束分離部材と回折光学部材とを相対的に回転させることにより、第1光強度分布と第2光強度分布との強度比を調整することができる。
こうして、本発明の照明光学系では、光量損失を小さく抑えつつ瞳強度分布を調整することができる。また、本発明の露光装置では、瞳強度分布を調整することのできる照明光学系を用いて、所望の照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。図1を参照すると、第1実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1を備えている。
光源1として、たとえば約193nmの波長を有する光を供給するArFエキシマレーザ光源や約248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源1から光軸AXに沿って射出された平行光束は、整形光学系2により所要の断面形状の光束に拡大され、光路折曲げミラーMR1に入射する。ミラーMR1で偏向された光束は、光束分離用の回折光学素子3およびリレー光学系4を介して、2極照明用の回折光学素子5に入射する。
一般に、回折光学素子は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的に、光束分離用の回折光学素子3は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に2極状の光強度分布を形成する機能を有する。リレー光学系4は、光束分離用の回折光学素子3と2極照明用の回折光学素子5とを実質的にフーリエ変換の関係に配置している。
したがって、回折光学素子3に入射した平行光束は、リレー光学系4を介して、回折光学素子5の入射面に2極状の光強度分布を形成する。以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子5には、図2に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んで互いに光強度の等しい一対の円形状の光強度分布FN,FSが形成されるものとする。なお、回折光学素子5に形成される2極状の光強度分布の特性(各極の位置、形状、大きさ、光強度など)については、様々な形態が可能である。
回折光学素子5は、光束分離用の回折光学素子3により形成される2極状の光強度分布FN,FSに対応するように配列された複数の回折領域を有する。具体的には、回折光学素子5は、例えば光軸AXを中心とする円の周方向に配列された複数の回折領域Ni(i=1〜n)およびSi(i=1〜n)を有する。複数の回折領域NiおよびSiの数、配置、形状については、様々な形態が可能である。また、光束分離用の回折光学素子3と2極照明用の回折光学素子5とは、光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されている。
以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子5には、図3に示すように、円形状の光強度分布FNに対応するように配列された8つの回折領域N1〜N8と、円形状の光強度分布FSに対応するように配列された8つの回折領域S1〜S8とが形成されているものとする。また、説明の理解を容易にするために、光束分離用の回折光学素子3は光軸AX廻りに固定であり、2極照明用の回折光学素子5だけが光軸AX廻りに回転可能に構成されているものとする。
図3に示す回折光学素子5の回転位置では、回折領域N1に円形状の光強度分布FNが形成され、回折領域S1に円形状の光強度分布FSが形成される。そして、回折光学素子5を図中反時計回りにステップ回転させることにより、回折領域N2〜N8に光強度分布FNが、回折領域S2〜S8に光強度分布FSが順次形成される。回折領域N1〜N8は、光強度分布FNを形成した平行光束がファーフィールドの第1領域に第1光強度分布を形成するように構成されている。回折領域S1〜S8は、光強度分布FSを形成した平行光束がファーフィールドにおいて第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成するように構成されている。
回折領域N1〜N8のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第1光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は異なる。同様に、回折領域S1〜S8のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第2光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は異なる。この点については後述する。
回折領域N1〜N8を介して形成される第1光強度分布および回折領域S1〜S8を介して形成される第2光強度分布の位置、形状、大きさなどについては、様々な形態が可能である。以下、説明の理解を容易にするために、2極照明用の回折光学素子5は、ファーフィールドにおいて、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の光強度分布からなる2極状の光強度分布を形成するように構成されているものとする。
アフォーカルレンズ6は、前側レンズ群6aの前側焦点位置と2極照明用の回折光学素子5の位置とがほぼ一致し且つ後側レンズ群6bの後側焦点位置と図中破線で示す所定面7の位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。したがって、回折光学素子5の一対の回折領域NjおよびSjに入射した平行光束は、アフォーカルレンズ6の瞳面に、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の光強度分布からなる2極状の光強度分布を形成した後、2極状の角度分布でアフォーカルレンズ6から射出される。前側レンズ群6aと後側レンズ群6bとの間の光路中において、アフォーカルレンズ6の瞳面またはその近傍には、円錐アキシコン系8が配置されている。円錐アキシコン系8の構成および作用については後述する。
アフォーカルレンズ6からの光束は、σ値(σ値=照明系のマスク側開口数/投影光学系のマスク側開口数)可変用のズームレンズ(変倍光学系)9を介して、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)10に入射する。マイクロフライアイレンズ10は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライアイレンズは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
ここで、マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
所定面7の位置はズームレンズ9の前側焦点位置の近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ10の入射面はズームレンズ9の後側焦点位置の近傍に配置されている。換言すると、ズームレンズ9は、所定面7とマイクロフライアイレンズ10の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカルレンズ6の瞳面とマイクロフライアイレンズ10の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。
したがって、マイクロフライアイレンズ10の入射面上には、アフォーカルレンズ6の瞳面と同様に、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の照野からなる2極状の照野が形成される。この2極状の照野の全体形状は、ズームレンズ9の焦点距離に依存して相似的に変化する。マイクロフライアイレンズ10を構成する各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。
マイクロフライアイレンズ10に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の位置(ひいては照明瞳の位置)には、図4に示すように、入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源41aおよび41bからなる2極状の瞳強度分布41が形成される。マイクロフライアイレンズ10の後側焦点面またはその近傍の照明瞳に形成された2極状の瞳強度分布41からの光束は、その近傍に配置された開口絞りASに入射する。
開口絞りASは、照明瞳(マイクロフライアイレンズ10の後側焦点面またはその近傍)に形成される2極状の瞳強度分布41に対応した2極状の開口部(光透過部)を有する。開口絞りASは、照明光路に対して挿脱自在に構成され、且つ大きさおよび形状の異なる開口部を有する複数の開口絞りと切り換え可能に構成されている。開口絞りの切り換え方式として、たとえば周知のターレット方式やスライド方式などを用いることができる。開口絞りASは、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定する。
開口絞りASにより制限された光は、コンデンサー光学系11を介して、マスクブラインド12を重畳的に照明する。こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド12には、マイクロフライアイレンズ10の波面分割単位である矩形状の微小屈折面の形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド12の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系13の集光作用を受け且つ光路折曲げミラーMR2により偏向された後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系13は、マスクブラインド12の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクステージMS上に保持されたマスクMを透過した光束は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
円錐アキシコン系6は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材6aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材6bとから構成されている。そして、第1プリズム部材6aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材6bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材6aおよび第2プリズム部材6bのうち少なくとも一方の部材が光軸AXに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材6aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材6bの凸円錐状の屈折面との間隔が可変に構成されている。以下、理解を容易にするために、2極状または輪帯状の二次光源に着目して、円錐アキシコン系6の作用およびズームレンズ9の作用を説明する。
第1プリズム部材6aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材6bの凸円錐状屈折面とが互いに当接している状態では、円錐アキシコン系6は平行平面板として機能し、形成される2極状または輪帯状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材6aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材6bの凸円錐状屈折面とを離間させると、2極状または輪帯状の二次光源の幅(2極状の二次光源に外接する円の直径(外径)と内接する円の直径(内径)との差の1/2;輪帯状の二次光源の外径と内径との差の1/2)を一定に保ちつつ、2極状または輪帯状の二次光源の外径(内径)が変化する。すなわち、2極状または輪帯状の二次光源の輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)が変化する。
ズームレンズ9は、2極状または輪帯状の二次光源の全体形状を相似的に拡大または縮小する機能を有する。たとえば、ズームレンズ9の焦点距離を最小値から所定の値へ拡大させることにより、2極状または輪帯状の二次光源の全体形状が相似的に拡大される。換言すると、ズームレンズ9の作用により、2極状または輪帯状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。このように、円錐アキシコン系6およびズームレンズ9の作用により、2極状または輪帯状の二次光源の輪帯比と大きさ(外径)とを制御することができる。
前述したように、光路中のミラーMR1の斜入射特性(光の入射角度によって反射率が異なる特性)などに起因して、照明瞳(マイクロフライアイレンズ10の後側焦点面またはその近傍)において所望の瞳強度分布を得ることができないことがある。具体的には、図4に示す2極状の瞳強度分布41において、一方の面光源41aの強度と他方の面光源41bの強度とのバランスが所望状態(一般的には互いに強度が同じ状態)から崩れることがある。この場合、ミラーMR1およびMR2の斜入射特性などの影響を受けて、投影光学系PLの瞳面においても所望の瞳強度分布を得ることができなくなる。
その結果、投影光学系PLが所望の結像性能を発揮することができなくなり、例えばウェハ上に転写されるパターンの線幅が所望の線幅と実質的に異なってしまう線幅異常の現象(本来所定の線幅に形成されるべきパターンの線幅が実際には位置に依存して変動する現象)が発生する。濃度分布(透過率分布)を有するフィルタを照明瞳面に配置する従来技術では、この濃度フィルタにおいて光量損失が発生するとともに、瞳強度分布を調整することができない。
第1実施形態では、ミラーMR1の斜入射特性などの影響を補償して所望の2極状瞳強度分布41を得るために、2極照明用の回折光学素子5を光軸AX廻りにステップ回転させて、一方の面光源41aと他方の面光源41bとの強度比を調整する。以下、説明を簡単にするために、回折領域N1を介した光束により照明瞳に形成される面光源41aの光強度が最大であるものとし、その強度を100に規格化する。また、回折領域N1〜N8を介した光束により照明瞳に形成される面光源41aの規格化強度、および回折領域S1〜S8を介した光束により照明瞳に形成される面光源41bの規格化強度は、以下の表(1)に示す通りであるものとする。
表(1)
N1 N2 N3 N4 N5 N6 N7 N8
100 99 98 97 96 95 94 93

S1 S2 S3 S4 S5 S6 S7 S8
93 94 95 96 97 98 99 100
この場合、光束分離用の回折光学素子3で分離された2つの光束が一対の回折領域N1,S1に入射するように2極照明用の回折光学素子5の回転位置を設定すると、図5に示すように、一方の面光源41aと他方の面光源41bとの強度比は100:93になる。また、回折領域N2,S2を使用状態に設定したときの強度比は99:94になり、回折領域N3,S3を使用状態に設定したときの強度比は98:95になり、回折領域N4,S4を使用状態に設定したときの強度比は97:96になり、回折領域N5,S5を使用状態に設定したときの強度比は96:97になる。
さらに、回折領域N6,S6を使用状態に設定したときの強度比は95:98になり、回折領域N7,S7を使用状態に設定したときの強度比は94:99になり、回折領域N8,S8を使用状態に設定したときの強度比は93:100になる。こうして、第1実施形態では、2極照明用の回折光学素子5を光軸AX廻りにステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、2極状瞳強度分布41を形成する一方の面光源41aと他方の面光源41bとの強度比を調整することができる。
なお、上述の説明では、回折光学素子5の複数の回折領域は、周方向に隣り合う2つの回折領域のうちの一方の回折領域を介して得られる第1光強度分布または第2光強度分布の強度と他方の回折領域を介して得られる第1光強度分布または第2光強度分布の強度とが実質的に異なるように形成されている。また、回折光学素子5の複数の回折領域は、光軸AXを挟んで対向する2つの回折領域のうちの一方の回折領域を介して得られる第1光強度分布の強度と他方の回折領域を介して得られる第2光強度分布の強度との和が一定になるように形成されている。しかしながら、これに限定されることなく、回折光学素子5の各回折領域を介して照明瞳に形成される光強度分布の強度の設定については様々な形態が可能である。
以上のように、第1実施形態では、照明瞳に面光源(第1光強度分布)41aを形成し、面光源41aから間隔を隔てて面光源(第2光強度分布)41bを形成する瞳強度分布形成手段として、光束分離用の回折光学素子3、リレー光学系4、2極照明用の回折光学素子5、アフォーカルレンズ6、ズームレンズ9、およびマイクロフライアイレンズ10を備えている。瞳強度分布形成手段(5〜10)は、2極状の瞳強度分布41における面光源41aと41bとの強度比を変化させる強度比可変手段を有する。
強度比可変手段は、入射光束を2つの光束に分離する光束分離部材としての回折光学素子3と、この光束分離部材により分離された2つの光束に基づいて2極状の瞳強度分布41を形成する回折光学部材としての回折光学素子5とを有する。光束分離部材としての回折光学素子3と回折光学部材としての回折光学素子5とは、光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されている。
こうして、第1実施形態の照明光学系(2〜MR2)では、光束分離用の回折光学素子3と2極照明用の回折光学素子5とを光軸AX廻りに相対的にステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、2極状瞳強度分布41を形成する一方の面光源41aと他方の面光源41bとの強度比を調整することができる。具体的には、面光源41aと41bとの強度比が1になるように調整したり、必要に応じて面光源41aと41bとの強度比が1以外の所要の値になるように調整したりすることができる。その結果、第1実施形態の露光装置では、2極状瞳強度分布41の面光源41aと41bとの強度比を調整することのできる照明光学系(2〜MR2)を用いて、投影光学系PLの瞳面において所望の瞳強度分布を得ることができ、ひいては所望の照明条件(露光条件)のもとで良好な露光を行うことができる。
なお、上述の説明では、入射光束を2つの光束に分離する光束分離部材として回折光学素子3を用いているが、これに限定されることなく、例えば図6に示すような一対のプリズム部材51と52とからなる光束分離部材や、図7に示すような一対のプリズム部材53と54とからなる光束分離部材を用いることができる。図6に示す光束分離部材は、回折光学素子5側に凸状の屈折面を向けた第1プリズム部材51と、第1プリズム部材51と回折光学素子5との間の光路中に配置されて第1プリズム部材51側に凸状の屈折面を向けた第2プリズム部材52とにより構成されている。
一方、図7に示す光束分離部材は、回折光学素子5側に凹状の屈折面を向けた第1プリズム部材53と、第1プリズム部材53と回折光学素子5との間の光路中に配置されて第1プリズム部材53側に凸状の屈折面を向けた第2プリズム部材54とにより構成されている。また、図8に示すように、ビームスプリッター55と、ビームスプリッター55で反射された光束を偏向するプリズムミラー(または平面ミラーのような偏向部材)56とにより、光束分離部材を構成することもできる。
なお、図8ではビームスプリッター55で反射された光束をプリズムミラー56により偏向しているが、ビームスプリッター55を透過した光束をプリズムミラー56で偏向する構成も可能である。換言すれば、入射光束を4つの光束に分離する光束分離部材の構成について、様々な形態が可能である。光束分離部材として回折光学素子3を用いる構成では2極照明用の回折光学素子5との間にリレー光学系4を介在させる必要があるが、図6、図7および図8の構成では光束分離部材により分離された2つの光束がリレー光学系などを介することなく回折光学素子5に直接入射する。
また、上述の説明では、光束分離用の回折光学素子3を光軸AX廻りに固定し且つ2極照明用の回折光学素子5を光軸AX廻りに回転させているが、回折光学素子5を固定し且つ回折光学素子3を回転させても良いし、回折光学素子3および5の双方を回転させても良い。また、上述の説明では、光束分離用の回折光学素子3と2極照明用の回折光学素子5とが光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されているが、回折光学素子3と5とを光軸AXとほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成することもできる。
また、上述の説明では、回折光学素子3により分離された2つの光束に基づいて、2極状の瞳強度分布を形成している。しかしながら、一般的には、回折光学素子3と特性の異なる光束分離用の回折光学素子により分離された複数の光束に基づいて、複数極状の瞳強度分布を形成することもできる。一例として、図9〜図13を参照して、入射光束を4つの光束に分離する回折光学素子3Aと4極照明用の回折光学素子5Aとを用いて4極状の瞳強度分布を形成する変形例を説明する。
図9〜図13に示す変形例では、光束分離用の回折光学素子3Aに入射した平行光束が、リレー光学系4を介して、4極照明用の回折光学素子5Aの入射面に4極状の光強度分布を形成する。以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子5Aには、図9に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んで互いに光強度の等しい一対の円形状の光強度分布FN,FSが形成され、光軸AXに関して対称にX方向に並んで互いに光強度の等しい一対の円形状の光強度分布FE,FWが形成されるものとする。なお、回折光学素子5Aに形成される4極状の光強度分布の形態(各極の位置、形状、大きさ、光強度など)については、様々な形態が可能である。
回折光学素子5Aは、回折光学素子3Aにより形成される4極状の光強度分布FN,FS,FE,FWに対応するように配列された複数の回折領域を有する。具体的には、回折光学素子5Aは、例えば光軸AXを中心とする円の周方向に配列された複数の回折領域Ni(i=1〜n)、Si(i=1〜n)、Ei(i=1〜n)、およびWi(i=1〜n)を有する。複数の回折領域Ni,Si,Ei,Wiの数、配置、形状については、様々な形態が可能である。また、光束分離用の回折光学素子3Aと4極照明用の回折光学素子5Aとは、光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されている。
以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子5Aには、図10に示すように、光強度分布FNに対応するように配列された10個の回折領域N1〜N10と、光強度分布FSに対応するように配列された10個の回折領域S1〜S10と、光強度分布FEに対応するように配列された10個の回折領域E1〜E10と、光強度分布FWに対応するように配列された10個の回折領域W1〜W10とが形成されているものとする。ただし、図10では、図面の明瞭化のために、回折領域N5〜N10,S5〜S10,E5〜E10,W5〜W10の図示を省略している。また、説明の理解を容易にするために、4極照明用の回折光学素子5Aだけが光軸AX廻りに回転可能に構成されているものとする。
図10に示す回折光学素子5Aの回転位置では、回折領域N1に円形状の光強度分布FNが形成され、回折領域S1に円形状の光強度分布FSが形成され、回折領域E1に円形状の光強度分布FEが形成され、回折領域W1に円形状の光強度分布FWが形成される。そして、回折光学素子5Aを図中反時計回りにステップ回転させることにより、回折領域N2〜N10に光強度分布FNが、回折領域S2〜S10に光強度分布FSが、回折領域E2〜E10に光強度分布FNが、回折領域W2〜W10に光強度分布FSが順次形成される。
回折領域N1〜N10は、光強度分布FNを形成した平行光束がファーフィールドの第1領域に第1光強度分布を形成するように構成されている。回折領域S1〜S10は、光強度分布FSを形成した平行光束がファーフィールドの第2領域に第2光強度分布を形成するように構成されている。回折領域E1〜E10は、光強度分布FEを形成した平行光束がファーフィールドの第3領域に第3光強度分布を形成するように構成されている。回折領域W1〜W10は、光強度分布FWを形成した平行光束がファーフィールドの第4領域に第4光強度分布を形成するように構成されている。
回折領域N1〜N10のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第1光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は必ずしも同じではない。同様に、回折領域S1〜S10のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第2光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は必ずしも同じではない。回折領域E1〜E10のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第3光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は必ずしも同じではない。回折領域W1〜W10のうちの任意の2つの回折領域を介して得られる第2光強度分布は、位置、形状、大きさなどが互いに同じであるが、その光強度は必ずしも同じではない。
回折領域N1〜N10を介して形成される第1光強度分布、回折領域S1〜S10を介して形成される第2光強度分布、回折領域E1〜E10を介して形成される第3光強度分布、回折領域W1〜W10を介して形成される第4光強度分布の位置、形状、大きさなどについては、様々な変形例が可能である。以下、説明の理解を容易にするために、4極照明用の回折光学素子5Aは、ファーフィールドにおいて光軸AXを中心としてZ方向に沿って対称的に並んだ2つの円形状の光強度分布と、光軸AXを中心としてX方向に沿って対称的に並んだ2つの円形状の光強度分布とからなる4極状の光強度分布を形成するように構成されているものとする。
この場合、照明瞳(マイクロフライアイレンズ10の後側焦点面またはその近傍)には、図11に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源42aおよび42bと、光軸AXに関して対称にX方向に並んだ2つの円形状の面光源42cおよび42dとからなる4極状の瞳強度分布42が形成される。以下、説明を簡単にするために、回折領域N1を介した光束により照明瞳に形成される面光源42aの光強度が最大であるものとし、その強度を100に規格化する。また、回折領域N1〜N10を介した光束により照明瞳に形成される面光源42aの規格化強度、回折領域S1〜S10を介した光束により形成される面光源42bの規格化強度、回折領域E1〜E10を介した光束により形成される面光源42cの規格化強度、および回折領域W1〜W10を介した光束により形成される面光源42dの規格化強度は、以下の表(2)に示す通りであるものとする。
表(2)
N1 N2 N3 N4 N5 N6 N7 N8 N9 N10
100 100 100 100 95 95 95 95 95 95

S1 S2 S3 S4 S5 S6 S7 S8 S9 S10
100 100 100 95 100 100 100 95 95 95

E1 E2 E3 E4 E5 E6 E7 E8 E9 E10
100 100 95 95 100 100 95 100 100 95

W1 W2 W3 W4 W5 W6 W7 W8 W9 W10
100 95 95 95 100 95 95 100 95 100
この場合、図12に示すように、光束分離用の回折光学素子3Aで分離された4つの光束が回折領域N1,S1,E1,W1に入射するように4極照明用の回折光学素子5Aの回転位置を設定すると、面光源42aと42bと42cと42dとの強度比は100:100:100:100になる。また、回折領域N2,S2,E2,W2を使用状態に設定したときの強度比は100:100:100:95になり、回折領域N3,S3,E3,W3を使用状態に設定したときの強度比は100:100:95:95になり、回折領域N4,S4,E4,W4を使用状態に設定したときの強度比は100:95:95:95になり、回折領域N5,S5,E5,W5を使用状態に設定したときの強度比は95:100:100:100になる。
さらに、図13に示すように、回折領域N6,S6,E6,W6を使用状態に設定したときの強度比は95:100:100:95になり、回折領域N7,S7,E7,W7を使用状態に設定したときの強度比は95:100:95:95になり、回折領域N8,S8,E8,W8を使用状態に設定したときの強度比は95:95:100:100になり、回折領域N9,S9,E9,W9を使用状態に設定したときの強度比は95:95:100:95になり、回折領域N10,S10,E10,W10を使用状態に設定したときの強度比は95:95:95:100になる。
こうして、図9〜図13に示す変形例では、4極照明用の回折光学素子5Aを光軸AX廻りにステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、4極状瞳強度分布42を形成する面光源42aと42bと42cと42dとの強度比を調整することができる。この変形例においても、回折光学素子5Aの各回折領域を介して照明瞳に形成される光強度分布の強度の設定については様々な形態が可能である。
なお、図9〜図13に示す変形例に関する上述の説明では、入射光束を4つの光束に分離する光束分離部材として回折光学素子3Aを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図6および図7に示すようなプリズム部材を複数個組み合わせることにより、入射光束を4つの光束に分離する光束分離部材を構成することができる。また、図7に示すようなビームスプリッターおよび偏向部材を複数個組み合わせることにより、入射光束を4つの光束に分離する光束分離部材を構成することもできる。換言すれば、入射光束を4つの光束に分離する光束分離部材の構成について、様々な形態が可能である。
図14は、本発明の第2実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。第2実施形態は、第1実施形態と類似の構成を有するが、光束分離用の回折光学素子3、リレー光学系4および2極照明用の回折光学素子5に代えて、光軸方向に近接して配置された一対の回折光学素子21Aおよび21Bを備えている点が第1実施形態と相違している。換言すれば、第2実施形態は、強度比可変手段が一対の回折光学素子21Aと21Bとにより構成されている点が第1実施形態と相違している。以下、第1実施形態との相違点に着目して、第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、第1回折光学素子(第1回折光学部材)21Aと第2回折光学素子(第2回折光学部材)21Bとが、光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されている。以下、説明の理解を容易にするために、第1回折光学素子21Aおよび第2回折光学素子21Bはともに光軸AX廻りに回転可能に構成され、第1回転位置と、この第1回転位置から180度回転した第2回転位置との間でステップ回転されるものとする。第1回折光学素子21Aと第2回折光学素子21Bとは、図15および図16に示すように、基本的に同じ構成を有する円形状の基板であって、その片側の面には複数(図15および図16では9個)の同心円によって規定された円形状および円環状の領域が形成されている。
ここで、円形状の領域の半径の寸法と円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いに等しく、たとえばL=0.5mm程度に設定されている。ただし、第1回折光学素子21Aでは、図15に示すように、円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面(ハッチングを施した領域)21Aaが形成されている。一方、第2回折光学素子21Bでは、円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面(ハッチングを施した領域)21Baが形成されている。
第1回折光学素子21Aは、回折作用面21Aaに入射した光束が、ファーフィールドに2極状の光強度分布を形成する機能を有する。具体的には、第1回折光学素子21Aは、第1回転位置および第2回転位置において、図17(a)に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源43aおよび43bからなる2極状の瞳強度分布43を形成するように構成されている。第2回折光学素子21Bは、第1回折光学素子21Aの回折作用面21Aa以外の領域を透過して回折作用面21Baに入射した光束が、ファーフィールドに、第1回折光学素子21Aと同じ形状および大きさの2極状の光強度分布を形成する機能を有する。
具体的には、第2回折光学素子21Bは、第1回転位置および第2回転位置において、図17(b)に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源44aおよび44bからなる2極状の瞳強度分布44を形成するように構成されている。ただし、第1回折光学素子21Aが各回転位置において形成する面光源43aの光強度と面光源43bの光強度とは異なる。また、第2回折光学素子21Bが各回転位置において形成する面光源44aの光強度と面光源44bの光強度とは異なる。
第1回折光学素子21Aが各回転位置において形成する面光源43aおよび43bの光強度、並びに第2回折光学素子21Bが各回転位置において形成する面光源44aおよび44bの光強度については、様々な形態が可能である。以下、説明を容易にするために、第1回折光学素子21Aが第1回転位置において形成する面光源43aの規格化強度は100であり、面光源43bの規格化強度は90であるものとする。また、第2回折光学素子21Bが第1回転位置において形成する面光源44aの規格化強度は90であり、面光源44bの規格化強度は100であるものとする。
第2実施形態では、第1回折光学素子21Aおよび第2回折光学素子21Bをともに第1回転位置に設置すると、図18(a)に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源45aおよび45bからなる2極状の瞳強度分布45が照明瞳に形成され、面光源45aおよび45bの規格化強度はともに190になる。なお、図示を省略したが、第1回折光学素子21Aおよび第2回折光学素子21Bをともに第2回転位置に設置しても、面光源45aおよび45bの規格化強度はともに190になる。また、第1回折光学素子21Aを第2回転位置に設置し、第2回折光学素子21Bを第1回転位置に設置すると、図18(b)に示すように、面光源45aの規格化強度は180になり、面光源45bの規格化強度は200になる。
一方、第1回折光学素子21Aを第1回転位置に設置し、第2回折光学素子21Bを第2回転位置に設置すると、図18(c)に示すように、面光源45aの規格化強度は200になり、面光源45bの規格化強度は180になる。こうして、第2実施形態では、一対の回折光学素子21Aおよび21Bを2つの回転位置の間でそれぞれステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、2極状瞳強度分布45を形成する一方の面光源45aと他方の面光源45bとの強度比を調整することができる。
なお、上述の説明では、回折光学素子21Aおよび21Bが、光軸AXを中心とする複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の全部がほぼ同じように形成され、円形状の領域の半径の寸法と円環状の各領域の半径方向の寸法とが互いにほぼ等しくなっている。しかしながら、これに限定されることなく、回折光学素子21Aおよび21Bの具体的な構成については様々な形態が可能である。一般に、回折光学素子21Aには、照明瞳の第1領域に第3光強度分布(例えば面光源43aに対応)を形成し、且つ第2領域に第3光強度分布とは強度の異なる第4光強度分布(例えば面光源43bに対応)を形成する機能が求められる。
一方、回折光学素子21Bには、上記第1領域に第5光強度分布(例えば面光源44aに対応)を形成し、且つ上記第2領域に第5光強度分布とは強度の異なる第6光強度分布(例えば面光源44bに対応)を形成する機能が求められる。なお、第2実施形態では、一対の回折光学素子21Aおよび21Bにおける回折作用面が同心円的に(二次元的に)配置されているので、マイクロフライアイレンズ10への入射光束のテレセントリシティが実質的に崩れることなく、マスクM上における(ひいてはウェハW上における)照明むらの発生を防止することができる。
また、上述の説明では、回折光学素子21Aおよび21Bをともに光軸AX廻りに回転させているが、回折光学素子21Aを固定し且つ回折光学素子21Bを回転させても良いし、回折光学素子21Bを固定し且つ回折光学素子21Aを回転させても良い。また、上述の説明では、回折光学素子21Aと21Bとが光軸AX廻りに相対的に回転可能に構成されているが、回折光学素子21Aと21Bとを光軸AXとほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成することもできる。
また、上述の説明では、一対の回折光学素子21Aと21Bとが光軸方向に近接して配置されている。しかしながら、これに限定されることなく、図19に示すように、一対の回折光学素子21Aと21Bとの間に、回折光学素子21Aの回折作用面21Aaと回折光学素子21Bの回折作用面21Baとを共役にするリレー光学系25を配置しても良い。この場合、回折光学素子21Aの回折作用面21Aaで回折された光L1は、リレー光学系25の瞳面(照明瞳と共役な位置)25aに2極状の光強度分布を形成した後、回折光学素子21Bの回折作用面21Ba以外の領域(素抜けの領域)を通過し、アフォーカルレンズ6の瞳面(照明瞳と共役な位置)6cに2極状の光強度分布を形成する。
一方、回折光学素子21Aの回折作用面21Aa以外の領域を素通りし、回折光学素子21Bの回折作用面21Baで回折された光L2は、アフォーカルレンズ6の瞳面6cに、回折光学素子21Aにより形成された2極状の光強度分布に重ねて、同じく2極状の光強度分布を形成する。このように、回折光学素子21Aの回折作用面21Aaでの回折光L1と回折光学素子21Bの回折作用面21Baでの回折光L2とは、照明瞳と共役な位置(アフォーカルレンズ6の瞳面)6cにおいて互いに同じ箇所に到達する。
また、上述の説明では、一対の2極照明用の回折光学素子21Aと21Bとにより、2極状の瞳強度分布45を形成する面光源45aと45bとの強度比を調整する強度比可変手段を構成している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図20に示すように、一対の2極照明用回折光学素子21Aおよび21Bに、一対の2極照明用回折光学素子21Cおよび21Dを付設して、4極状の瞳強度分布を形成する各面光源の強度比を調整する強度比可変手段を構成することもできる。なお、図20では、4つの2極照明用回折光学素子21Aと21Bと21Cと21Dとを光軸方向に近接配置しているが、回折光学素子21Aと21Bとの間、21Bと21Cとの間、および/または21Cと21Dとの間にリレー光学系を介在させることもできる。
回折光学素子21Cおよび21Dの具体的な構成については様々な形態が可能である。一般に、回折光学素子21Cには、照明瞳の第1領域に第7光強度分布を形成し、且つ第2領域に第7光強度分布とは強度の異なる第8光強度分布を形成する機能が求められる。一方、回折光学素子21Dには、上記第1領域に第9光強度分布を形成し、且つ上記第2領域に第9光強度分布とは強度の異なる第10光強度分布を形成する機能が求められる。
以下、説明の理解を容易にするために、回折光学素子21Cは回折光学素子21Aと同じ基本構成を有し、回折光学素子21Dは回折光学素子21Bと同じ基本構成を有するものとする。ただし、回折光学素子21Cは回折光学素子21Aが形成する2極状の瞳強度分布を光軸AX廻りに90度回転させて得られる2極状の瞳強度分布を形成し、回折光学素子21Dは回折光学素子21Cが形成する2極状の瞳強度分布を光軸AX廻りに90度回転させて得られる2極状の瞳強度分布を形成するものとする。すなわち、回折光学素子21Cの第1回転位置は回折光学素子21Aの第1回転位置から光軸AX廻りに90度回転した位置であり、回折光学素子21Dの第1回転位置は回折光学素子21Bの第1回転位置から光軸AX廻りに90度回転した位置である。
この場合、回折光学素子21Aおよび21Bをともに第1回転位置または第2回転位置に設置するとともに、回折光学素子21Cおよび21Dをともに第1回転位置または第2回転位置に設置すると、図21(a)に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源46aおよび46bと、光軸AXに関して対称にX方向に並んだ2つの円形状の面光源46cおよび46dとからなる4極状の瞳強度分布46が照明瞳に形成され、面光源46a,46b,46c,46dの規格化強度はともに190になる。
また、回折光学素子21Aおよび21Bをともに第1回転位置または第2回転位置に設置したまま、回折光学素子21Cおよび21Dのうちの一方を第1回転位置に設置し且つ他方を第2回転位置に設置すると、図21(b)および図21(c)に示すように、面光源46aおよび46bの規格化強度はともに190であるが、面光源46cおよび46dのうちの一方の規格化強度は180になり、他方の規格化強度は200になる。
一方、回折光学素子21Cおよび21Dをともに第1回転位置または第2回転位置に設置したまま、回折光学素子21Aおよび21Bのうちの一方を第1回転位置に設置し且つ他方を第2回転位置に設置すると、図21(d)および図21(e)に示すように、面光源46cおよび46dの規格化強度はともに190であるが、面光源46aおよび46bのうちの一方の規格化強度は180になり、他方の規格化強度は200になる。
なお、4つの回折光学素子21A〜21Dの回転位置について、上述の組合せ以外の組合せもあるが、この点についてのさらなる説明および図示を省略する。こうして、図20および図21に示す変形例では、2極照明用の回折光学素子21A,21B,21Cおよび21Dを2つの回転位置の間でそれぞれステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、4極状瞳強度分布46を形成する各面光源46a〜46dの強度比を調整することができる。
なお、図20および図21の変形例では、4つの2極照明用回折光学素子21A,21B,21C,21Dを用いて4極状の瞳強度分布を形成する各面光源の強度比を調整している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図22に示すように、4つの4極照明用回折光学素子22A,22B,22C,22Dを用いて、4極状の瞳強度分布を形成する各面光源の強度比を調整する強度比可変手段を構成することもできる。なお、図22では、4つの4極照明用回折光学素子22Aと22Bと22Cと22Dとを光軸方向に近接配置しているが、回折光学素子22Aと22Bとの間、22Bと22Cとの間、および/または22Cと22Dとの間にリレー光学系を介在させることもできる。
4つの4極照明用の回折光学素子22A,22B,22C,22Dの具体的な構成については様々な形態が可能である。以下、説明の理解を容易にするために、4つの回折光学素子22A〜22Dはともに光軸AX廻りに回転可能に構成され、第1回転位置と、第1回転位置から所定の方向に90度回転した第2回転位置と、第2回転位置から所定の方向に90度回転した第3回転位置と、第3回転位置から所定の方向に90度回転した第4回転位置との間でステップ回転されるものとする。
そして、4つの回折光学素子22A〜22Dは、各回転位置において、互いに同じ形態の4極状瞳強度分布、例えば図11に示すような4極状の瞳強度分布を形成するものとする。また、図23(a)に示すように、回折光学素子22Aが第1回転位置において形成する4極状の瞳強度分布47の面光源47a,47c,47dの規格化強度は100であり、面光源47bの規格化強度は90であるものとする。回折光学素子22Bが第1回転位置において形成する4極状の瞳強度分布47の面光源47b,47c,47dの規格化強度は100であり、面光源47aの規格化強度は90であるものとする。
回折光学素子22Cが第1回転位置において形成する4極状の瞳強度分布47の面光源47a,47b,47cの規格化強度は100であり、面光源47dの規格化強度は90であるものとする。回折光学素子22Dが第1回転位置において形成する4極状の瞳強度分布47の面光源47a,47b,47dの規格化強度は100であり、面光源47cの規格化強度は90であるものとする。
この場合、回折光学素子22A〜22Dをともに第1回転位置に設置すると、図23(a)の右端に示すように、光軸AXに関して対称にZ方向に並んだ2つの円形状の面光源47aおよび47bと、光軸AXに関して対称にX方向に並んだ2つの円形状の面光源47cおよび47dとからなる4極状の瞳強度分布47が照明瞳に形成され、面光源47a,47b,47c,47dの規格化強度はともに390になる。
また、回折光学素子22A,22Cおよび22Dをともに第1回転位置に設置したまま、回折光学素子22Bだけを第3回転位置に設置すると、図23(b)に示すように、面光源47cおよび47dの規格化強度はともに390であるが、面光源47aの規格化強度は400になり、面光源47bの規格化強度は380になる。また、回折光学素子22A,22Bおよび22Dをともに第1回転位置に設置したまま、回折光学素子22Cだけを第3回転位置に設置すると、図24(a)に示すように、面光源47aおよび47bの規格化強度はともに390であるが、面光源47cの規格化強度は380になり、面光源47dの規格化強度は400になる。
また、回折光学素子22Aおよび22Dをともに第1回転位置に設置したまま、回折光学素子22Bおよび22Cを第3回転位置に設置すると、図24(b)に示すように、面光源47aおよび47dの規格化強度は400になり、面光源47bおよび47cの規格化強度は380になる。なお、4つの回折光学素子22A〜22Dの回転位置について、上述の組合せ以外の組合せもあるが、この点についてのさらなる説明および図示を省略する。
こうして、図22〜図24に示す変形例では、4極照明用の回折光学素子22A,22B,22Cおよび22Dを4つの回転位置の間でそれぞれステップ回転させることにより、光量損失を小さく抑えつつ、4極状瞳強度分布47を形成する各面光源47a〜47dの強度比を調整することができる。なお、上述の説明では、回折光学素子22A,22B,22Cおよび22Dを4つの回転位置の間でそれぞれステップ回転させているが、これに限定されることなく、第1回転位置と、第1回転位置から180度回転した第2回転位置との間でステップ回転させても良い。
なお、上述の各実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。このような可変パターン形成装置を用いれば、パターン面が縦置きでも同期精度に及ぼす影響を最低限にできる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含むDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。DMDを用いた露光装置は、例えば特開平8−313842号公報、特開2004−304135号公報に開示されている。また、DMDのような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。なお、パターン面が横置きの場合であっても可変パターン形成装置を用いても良い。
上述の各実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、上述の各実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図25は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図25に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の各実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
ここで、レジストパターンとは、上述の各実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の各実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板つまりプレートPとしてパターンの転写を行う。
図26は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図26に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。
ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の各実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の各実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。
ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の各実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。
また、上述の各実施形態では、露光装置においてマスクを照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
本発明の第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 光束分離用の回折光学素子により2極照明用の回折光学素子に2極状の光強度分布が形成される様子を示す図である。 2極照明用の回折光学素子に複数の回折領域が形成されている様子を示す図である。 2極照明用の回折光学素子により照明瞳に形成された2極状の瞳強度分布を示す図である。 2極状の瞳強度分布における一方の面光源と他方の面光源との強度比の変化を示す図である。 一対のプリズム部材により光束分離部材を構成した例を概略的に示す図である。 一対のプリズム部材により光束分離部材を構成した別の例を概略的に示す図である。 ビームスプリッターと偏向部材とにより光束分離部材を構成した例を概略的に示す図である。 光束分離用の回折光学素子により4極照明用の回折光学素子に4極状の光強度分布が形成される様子を示す図である。 4極照明用の回折光学素子に複数の回折領域が形成されている様子を示す図である。 4極照明用の回折光学素子により照明瞳に形成された4極状の瞳強度分布を示す図である。 4極状の瞳強度分布における4つの面光源の強度比の変化を示す第1の図である。 4極状の瞳強度分布における4つの面光源の強度比の変化を示す第2の図である。 本発明の第2実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 図14における第1回折光学素子の構成を概略的に示す図である。 図14における第2回折光学素子の構成を概略的に示す図である。 (a)は第1回折光学素子により形成される2極状瞳強度分布を、(b)は第2回折光学素子により形成される2極状瞳強度分布を示す図である。 2極状の瞳強度分布における2つの面光源の強度比の変化を示す図である。 一対の回折光学素子を共役にするリレー光学系を配置した構成を示す図である。 一対の2極照明用回折光学素子に一対の2極照明用回折光学素子を付設して4極状の瞳強度分布を形成する各面光源の強度比を調整する変形例を示す図である。 図20の変形例の4極状瞳強度分布における各面光源の強度比の変化を示す図である。 4つの4極照明用回折光学素子を用いて4極状の瞳強度分布を形成する各面光源の強度比を調整する変形例を示す図である。 図22の変形例の4極状瞳強度分布における各面光源の強度比の変化を示す第1の図である。 図22の変形例の4極状瞳強度分布における各面光源の強度比の変化を示す第2の図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 光源
3,3A 回折光学素子(光束分離部材)
4 リレー光学系
5,5A 回折光学素子(複数極照明用の回折光学部材)
6 アフォーカルレンズ
8 円錐アキシコン系
9 ズームレンズ
10 マイクロフライアイレンズ
11 コンデンサー光学系
12 マスクブラインド
13 結像光学系
AS 開口絞り
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ

Claims (16)

  1. 光源からの光に基づいて被照射面を照明する照明光学系において、
    照明瞳の第1領域に第1光強度分布を形成し、前記第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成する瞳強度分布形成手段を備え、
    前記瞳強度分布形成手段は、前記第1光強度分布と前記第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段を有し、
    前記強度比可変手段は、入射光束を複数の光束に分離する光束分離部材と、該光束分離部材により分離された前記複数の光束に基づいて前記第1光強度分布および前記第2光強度分布を形成する回折光学部材とを有し、前記光束分離部材と前記回折光学部材とは、光軸廻りまたは該光軸とほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記回折光学部材は、前記光軸または前記所定の軸線を中心とする円の周方向に配列された複数の回折領域を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記複数の回折領域は、周方向に隣り合う2つの回折領域のうちの一方の回折領域を介して得られる前記第1光強度分布または前記第2光強度分布の強度と他方の回折領域を介して得られる前記第1光強度分布または前記第2光強度分布の強度とが実質的に異なるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の照明光学系。
  4. 前記複数の回折領域は、前記光軸または前記所定の軸線を挟んで対向する2つの回折領域のうちの一方の回折領域を介して得られる前記第1光強度分布の強度と他方の回折領域を介して得られる前記第2光強度分布の強度との和が一定になるように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の照明光学系。
  5. 前記光束分離部材は、前記回折光学部材側に凸状の屈折面を向けた第1プリズム部材と、該第1プリズム部材と前記回折光学部材との間の光路中に配置されて前記第1プリズム部材側に凸状の屈折面を向けた第2プリズム部材とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  6. 前記光束分離部材は、前記回折光学部材側に凹状の屈折面を向けた第1プリズム部材と、該第1プリズム部材と前記回折光学部材との間の光路中に配置されて前記第1プリズム部材側に凸状の屈折面を向けた第2プリズム部材とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  7. 前記光束分離部材は、ビームスプリッターと、該ビームスプリッターを透過した光束または前記ビームスプリッターで反射された光束を偏向する偏向部材とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  8. 前記光束分離部材は、第2の回折光学部材と、該第2の回折光学部材と前記回折光学部材との間の光路中に配置されたリレー光学系とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明光学系。
  9. 光源からの光に基づいて被照射面を照明する照明光学系において、
    照明瞳の第1領域に第1光強度分布を形成し、前記第1領域から間隔を隔てた第2領域に第2光強度分布を形成する瞳強度分布形成手段を備え、
    前記瞳強度分布形成手段は、前記第1光強度分布と前記第2光強度分布との強度比を変化させる強度比可変手段を有し、
    前記強度比可変手段は、前記第1領域に第3光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第3光強度分布とは強度の異なる第4光強度分布を形成する第1回折光学部材と、
    前記第1領域に第5光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第5光強度分布とは強度の異なる第6光強度分布を形成する第2回折光学部材とを有し、
    前記第1回折光学部材と前記第2回折光学部材とは、光軸廻りまたは該光軸とほぼ平行な所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする照明光学系。
  10. 前記第1領域と前記第2領域とは、前記光軸または前記所定の軸線を挟んで対称な位置にあることを特徴とする請求項9に記載の照明光学系。
  11. 前記第1回折光学部材と前記第2回折光学部材とは、前記光軸方向に近接して配置されていることを特徴とする請求項9または10に記載の照明光学系。
  12. 前記強度比可変手段は、前記第1領域に第7光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第7光強度分布とは強度の異なる第8光強度分布を形成する第3回折光学部材と、
    前記第1領域に第9光強度分布を形成し、且つ前記第2領域に前記第9光強度分布とは強度の異なる第10光強度分布を形成する第4回折光学部材とを備え、
    前記第3回折光学部材と前記第4回折光学部材とは、前記光軸廻りまたは前記所定の軸線廻りに相対的に回転可能に構成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の照明光学系。
  13. 前記第1回折光学部材および前記第2回折光学部材には、前記光軸または前記所定の軸線を中心とする複数の同心円によって規定された円形状および円環状の領域の一部または全部がほぼ同じように形成され、
    前記第1回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から奇数番目の領域に回折作用面が形成され、
    前記第2回折光学部材では、前記円形状または円環状の領域のうち、中心から偶数番目の領域に回折作用面が形成されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の照明光学系。
  14. 前記円形状の領域の半径の寸法と前記円環状の各領域の半径方向の寸法とは互いにほぼ等しいことを特徴とする請求項13に記載の照明光学系。
  15. 所定のパターンを照明するための請求項1乃至14のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置。
  16. 請求項15に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光する露光工程と、
    前記パターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記パターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成する現像工程と、
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工する加工工程とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107346059A (zh) * 2016-05-02 2017-11-14 株式会社三丰 可变焦距成像系统

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