JP4105673B2 - 切換式除雪車 - Google Patents

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Description

本発明は、雪かき板を備えた切換式除雪車に関する。
従来、切換式除雪車は、雪かき板を備えた左右の支持翼を操作して、左片流れ、右片流れ、Vラッセルなどの形態に変更して使用できるように構成されているが、それぞれの形態でレールに対する雪かき板の位置が異なる形になってしまうのが一般的である。
ラッセル作業では、特開平8−165623号公報(ロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車)に記載のように、レール間の雪を掘り上げるフランジャの取付が必須である。
特開平8−165623号公報
しかし、特開平8−165623号公報に記載のロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車では、それぞれの形態で異なる位置にフランジャを下げなければならず、必要な全部の幅に取り付けておいて、それぞれの形態で下げられるフランジャだけ選択して下げる形にする必要があった。
しかも、このフランジャは、非常に複雑で必要に応じ必要な部位の雪かき板を選択して降ろす制御が必要となる。
そこで、本発明の目的は、フランジャを取り付ける翼は全ての形態で共通に使う形にしてフランジャは常に一定の所に位置するようにすることにより、分割せずにフランジャを構成できる切換式除雪車を提供することにある。
請求項1に係る発明は、除雪車の前部に回動自在に設けた前部左支持翼と、前部左支持翼に上下動自在に設けた一つの前部左支持翼用フランジャと、前部左支持翼の先端に回動自在に設けた前部左先端翼と、除雪車の前部に回動自在に設けた前部右支持翼と、前部右支持翼に上下動自在に設けた一つの前部右支持翼用フランジャと、前部右支持翼の先端に回動自在に設けた前部右先端翼と、除雪車の後部に回動自在に設けた後部左支持翼と、後部左支持翼の先端に回動自在に設けた後部左先端翼と、除雪車の後部に回動自在に設けた後部右支持翼と、後部右支持翼の先端に回動自在に設けた後部右先端翼とを備えている。前部左支持翼および前部右支持翼は、左片流れラッセル、Vラッセルおよび右流れラッセルの形態を取るに当たり、左片流れラッセルの形態においては、前部左支持翼用フランジャが除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前部左支持翼が回動し、前部右支持翼が中心線と平行に位置し、Vラッセルの形態においては、前部左支持翼用フランジャが除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前部左支持翼が回動するとともに前部左先端翼が進行方向側に回動し、前部右支持翼が前部左先端翼側に僅か回動し、右片流れラッセルの形態においては、前部右支持翼用フランジャが除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前部右支持翼が回動し、前部左支持翼が中心線と平行に位置する。前部左支持翼用フランジャおよび前部右支持翼用フランジャは、左片流れラッセル、Vラッセルおよび右流れラッセルの形態において、除雪車の長手方向の中心線上に位置する場合に下げられ、その他の場合に上げられる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の切換式除雪車において、除雪車には、ロータリ除雪装置が搭載されている。
本発明によれば、ラッセル除雪の左片流れ、右片流れ、Vラッセルの各形態を幾分変形させた形にすることにより、フランジャの取付翼をレールに対し一定の位置になるように構成し、フランジャを開閉や形態変形に拘わらない翼に取り付けることによって、フランジャの構成を簡素化し、各形態で選択して下げる必要がない形にできることから、構造が簡素化できるとともに制御方法も簡素化できることになり、低廉に提供できる。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1を示す。
本実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1は、車体2の前後にロータリ除雪装置3,4を備えている。
ロータリ除雪装置3には、前部左支持翼5と前部右支持翼10とが従来の装置と同様に軸6,11を介して回動自在に設けられている。前部左支持翼5と前部右支持翼10とには、従来の装置と同様に軸8,13を介して前部左先端翼7と前部右先端翼12とが回動自在に設けられている。
また、前部左支持翼5と前部右支持翼10とには、各種形態に切り替えたり、拡幅除雪のために移動させたりする箇所ではない部分に、前部左支持翼用フランジャ9と前部右支持翼用フランジャ14とが上下動自在に設けられている。
前部左支持翼用フランジャ9と前部右支持翼用フランジャ14とは、図2に示すように、雪を掘り上げる1枚のフランジャ板9a,14aと、このフランジャ板9a,14aに連絡する空気圧シリンダ9b,14bとで構成されている。フランジャ板9a,14aは、フランジャ取付体9c,14cにボルト止めするための孔有する縦長形状の切刃で構成されている。そして、フランジャ板9a,14aは、前部左支持翼5と前部右支持翼10とに設けたガイド間5a,10aに沿って上下動するフランジャ取付体9c,14cに伴われて上下動する。
ロータリ除雪装置4には、後部左支持翼15と後部右支持翼19とが従来の装置と同様に軸16,20を介して回動自在に設けられている。後部左支持翼15と後部右支持翼19とには、従来の装置と同様に軸18,22を介して後部左先端翼17と後部右先端翼21とが回動自在に設けられている。
次に、本実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の作用を説明する。
図3〜図9に示すように、前部左支持翼5および前部右支持翼10は、運転席での操作により、図示しない駆動装置や駆動系統を介して左片流れラッセル、Vラッセル、右流れラッセルおよびロータリ除雪の形態を取ることができる。
図3、図4は、左片流れラッセルの形態を示す。
前部左支持翼用フランジャ9がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置するように前部左支持翼5が回動し、前部右支持翼10が中心線Cとほぼ平行に位置する。ここで、前部左支持翼用フランジャ9の中心がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置することが望ましい。前部左先端翼7は、前部左支持翼5と同一線上に位置する。そして、前部左支持翼用フランジャ9は、下げられている。ここで、前部左支持翼5の長さは、前部左支持翼用フランジャ9の構成が可能な長さに決める。左片流れを主として使うので、前部左支持翼5は極力直線に揃うようにする。
前部右支持翼10は、拡幅除雪の際には、実線で示すように外方に開き、格納状態では点線で示すように閉じておく。前部右支持翼10は、右片流れ形態に支障ない寸法で極力長くすると幅が広くとれる。
後部左支持翼15は、格納状態では点線で示すように閉じ、拡幅除雪の際には実線で示すように開く。
後部右支持翼19は、閉じたまま動かさない。
なお、前部右支持翼用フランジャ14は、上げられている。
以上により、レールR間の雪は、前部左支持翼用フランジャ9によって掘り上げられる。
図5、図6は、右片流れラッセルの形態を示す。
右片流れラッセルの形態においては、前部右支持翼用フランジャ14がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置するように前部右支持翼10が回動し、前部左支持翼5が中心線Cと平行に位置する。ここで、前部右支持翼用フランジャ14の中心がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置することが望ましい。そして、前部右支持翼用フランジャ14は、下げられている。
右片流れは特殊なケースでの使用に限定して使うので、前部右支持翼10は、雪の流れを考えて許容できる範囲で角度を調整して形態を作る。前部右支持翼用フランジャ14の取付も可能な長さにする。
前部左先端翼7は、格納状態では点線で示すように閉じ、拡幅除雪の際は実線で示すように開く。前部左先端翼7は、左片流れの角度を考慮して長さを決めることによって拡幅幅が限定されることが多い。
後部左支持翼15は、閉じたまま動かさない。
後部右支持翼19は、格納状態では点線で示すように閉じ、拡幅除雪の際には実線で示すように開く。
なお、前部左支持翼用フランジャ9は、上げられている。
以上により、レールR間の雪は、前部右支持翼用フランジャ14によって掘り上げられる。
図7、図8は、Vラッセルの形態を示す。
Vラッセルの形態においては、前部左支持翼用フランジャ9がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置するように前部左支持翼5が回動するとともに前部左先端翼7が進行方向側に回動し、前部右支持翼10が前部左先端翼7側に僅か回動する。ここで、前部左支持翼用フランジャ9の中心がロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1の長手方向の中心線C上に位置することが望ましい。そして、前部左支持翼用フランジャ9は、下げられている。
前部左支持翼5は、左片流れラッセル時と同じ位置に配される。
前部左支持翼5に合わせて前部左先端翼7と前部右先端翼12、前部右支持翼10で閉じ合わせる。最初に形態を作ってしまい、その後は動かさない。
後部左支持翼15および後部右支持翼19は、格納状態では点線で示すように閉じ、拡幅除雪の際には実線で示すように開く。ここで、後部左支持翼15および後部右支持翼19は、翼の長さが違っていても同じ寸法開く。
このように、Vラッセルの尖りの先端を右寄りにする形にすると、前部左支持翼用フランジャ9の位置は左片流れの場合と同一にでき、また拡幅は後部の翼の開閉動作で行うので、前部の各翼はV形態を作った後は動かさないことにすると、前部左支持翼用フランジャ9の位置は変化せず、拡幅用の後翼の開閉とは無関係に前部左支持翼用フランジャ9を下げることができる。
なお、前部右支持翼用フランジャ14は、上げられている。
以上により、レールR間の雪は、前部左支持翼用フランジャ9によって掘り上げられる。
図9は、ロータリ除雪を示す。
前部左支持翼5および前部右支持翼10は、格納状態では点線で示すように閉じ、拡幅除雪の際には実線で示すように開く。ここで、前部左支持翼5および前部右支持翼10は、翼の長さが違っていても左右同じ位の寸法とする。
後部左支持翼15および後部右支持翼19は、閉じたまま動かさない。
なお、前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14は、上げられている。
以上のように、本実施形態においては、前部左支持翼5の位置を左片流れとVラッセルで全く同じ位置に固定する形にして、左片流れ形態で右側の拡幅は前部右先端翼12のみを開閉することで対応するものとし、左側の拡幅は後部の翼(後部左支持翼15、後部左先端翼17)で分担する形にすることができる。そして、一旦形態を作ったら、前部左支持翼5および前部右支持翼10には、1枚の前部左支持翼用フランジャ9および1枚の前部右支持翼用フランジャ14のみを組み込んでいるので、必要に応じ上げ、下げをしてレールR間の雪を掘り上げる形にすることができる。このように、前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14を、前部左支持翼5および前部右支持翼10のみに組み込む形にして、前部左支持翼5および前部右支持翼10の位置は、左片流れ、変則的なVラッセルで同じ位置として動かさないことから、前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14の位置も変わらないこととなり、拡幅除雪に関係なく前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14を上下でき、使い勝手がよく構造も簡単になる。
また、本実施形態は、いろいろな考え方で構成できるが、一般的には左片流れラッセルを主として使っているのが現状である。このように左片流れラッセルを主として最も良い状態で除雪できるように構成して、その他の形態はその条件を満足させた上で極力良い状態になるように調整して寸法を決めていくことになる。
図10は、本発明の別の実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1Aを示す。
本実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1Aは、後部左支持翼15に後部左支持翼用フランジャ23を設けるとともに、後部右支持翼19に後部右支持翼用フランジャ24を設けた点で、図1に示すロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1とは相違する。ここで、後部左支持翼用フランジャ23と後部右支持翼用フランジャ24とは、前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14と同様に後部左支持翼15および後部右支持翼19に設けられる。
本実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1Aにおける前進時の除雪運転操作は、図1に示すロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1と同様に操作される。
本実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1Aにおける後進時の除雪運転操作は、後部側の翼が図3〜図9における前部側の翼と同様に操作されるとともに前部側の翼が図3〜図9における後部側の翼と同様に操作される。ただし、前部左支持翼用フランジャ9および前部右支持翼用フランジャ14は、後進時には上げられた状態にされている。そのため、進行方向における前部側の翼と後部側の翼の操作は両者とも同じである。
従って、後進時においても図1に示すロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1における各種の形態を取ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1を示す説明図である。 図1における前部左支持翼用フランジャ9と前部右支持翼用フランジャ14とを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1による左片流れラッセルの形態を示す説明図である。 図3における左片流れラッセルの形態を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1による右片流れラッセルの形態を示す説明図である。 図5における右流れラッセルの形態を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1によるVラッセルの形態を示す説明図である。 図7におけるVラッセルの形態を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1によるロータリ除雪を示す説明図である。 本発明の別の実施形態に係るロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車1Aを示す説明図である。
符号の説明
1,1A ロータリ・ラッセル共用型軌道除雪車
2 車体
3,4 ロータリ除雪装置
5 前部左支持翼
6,8,11,13 軸
7 前部左先端翼
9 前部左支持翼用フランジャ
10 前部右支持翼
12 前部右先端翼
14 前部右支持翼用フランジャ
15 後部左支持翼
16,18,20,22 軸
17 後部左先端翼
19 後部右支持翼
21 後部右先端翼
C 中心線
R レール

Claims (2)

  1. 除雪車の前部に回動自在に設けた前部左支持翼と、
    前記前部左支持翼に上下動自在に設けた一つの前部左支持翼用フランジャと、
    前記前部左支持翼の先端に回動自在に設けた前部左先端翼と、
    除雪車の前部に回動自在に設けた前部右支持翼と、
    前記前部右支持翼に上下動自在に設けた一つの前部右支持翼用フランジャと、
    前記前部右支持翼の先端に回動自在に設けた前部右先端翼と、
    除雪車の後部に回動自在に設けた後部左支持翼と、
    前記後部左支持翼の先端に回動自在に設けた後部左先端翼と、
    除雪車の後部に回動自在に設けた後部右支持翼と、
    前記後部右支持翼の先端に回動自在に設けた後部右先端翼と
    を備え、
    前記前部左支持翼および前記前部右支持翼は、左片流れラッセル、Vラッセルおよび右流れラッセルの形態を取るに当たり、
    前記左片流れラッセルの形態においては、前記前部左支持翼用フランジャが前記除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前記前部左支持翼が回動し、前記前部右支持翼が前記中心線と平行に位置し、
    前記Vラッセルの形態においては、前記前部左支持翼用フランジャが前記除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前記前部左支持翼が回動するとともに前記前部左先端翼が進行方向側に回動し、前記前部右支持翼が前記前部左先端翼側に僅か回動し、
    前記右片流れラッセルの形態においては、前記前部右支持翼用フランジャが前記除雪車の長手方向の中心線上に位置するように前記前部右支持翼が回動し、前記前部左支持翼が前記中心線と平行に位置し、
    前記前部左支持翼用フランジャおよび前記前部右支持翼用フランジャは、前記左片流れラッセル、前記Vラッセルおよび前記右流れラッセルの形態において、前記除雪車の長手方向の中心線上に位置する場合に下げられ、その他の場合に上げられる
    ことを特徴とする切換式除雪車。
  2. 請求項1記載の切換式除雪車において、
    前記除雪車には、ロータリ除雪装置が搭載されている
    ことを特徴とする切換式除雪車。
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