JP4104832B2

JP4104832B2 - 吸収体の積繊装置

Info

Publication number: JP4104832B2
Application number: JP2001075254A
Authority: JP
Inventors: 啓滋鳥越; 英記斎賀; 洋介森
Original assignee: Daio Paper Corp
Current assignee: Daio Paper Corp
Priority date: 2001-03-16
Filing date: 2001-03-16
Publication date: 2008-06-18
Anticipated expiration: 2021-03-16
Also published as: JP2002272782A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に使用される吸収体を成形するための積繊装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品には、尿、便または経血等を吸収するための吸収体が使用されている。かかる吸収体は、例えば図４に示される製造装置４１（従来例）により製造されている。かかる吸収体製造装置４１は、供給されるパルプ材料を細かく粉砕するための解繊装置４４と、この解繊装置４４を囲繞するとともに、粉砕された粉砕パルプを空気流に乗せて搬送するための粉砕パルプ供給ケーシング４６と、この粉砕パルプ供給ケーシング４６の下流側開口部に配設される積繊装置４７と、この積繊装置４７に対向して設けられた転写ドラム４８とからなる。前記積繊装置４７は、図５に示されるように、外周面に適宜の間隔で吸収体成形用凹部５５ａ、５５ａ…を備えるとともに、この吸収体成形用凹部５５ａの底面に多数の吸引孔５５ｂ、５５ｂ…を有する積繊用回転ドラム５５と、この積繊用回転ドラム５５の内部側に配設される吸引チャンバ５６とからなり、図示しない吸引手段によって前記吸引チャンバ５６内が負圧に維持されることにより前記吸収体形成用凹部５５ａ内に空気搬送された粉砕パルプを積繊させるようになっている。なお、前記粉砕パルプ供給ケーシング４６には、高吸収性ポリマーの粉粒物を前記粉砕パルプと共に供給するためのポリマー投入口４５が設けられている。
【０００３】
前記転写ドラム４８に転写された吸収体Ｓは、バキュームコンベア上を搬送されるクレープ紙５０の上面にバキューム装置４９による吸引により転移され、コンベア上を搬送された後、上面側に不織布からなるセカンドシート５１が積層されるようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の前記積繊装置４７の場合には、前記積繊用回転ドラム５５における粉砕パルプの積繊状態が不均一になってしまうという問題があった。すなわち、積繊用回転ドラム５５の内側に設けられる吸引チャンバ５６は前記積繊用回転ドラム５５のほぼ全幅を分担する単一のチャンバ構造となっており、吸収体成形用凹部５５ａでは、相対的に中央部分の負圧が大きく、両側部分では相対的に負圧が小さくなる傾向にある。そのため、図５に示されるように、粉砕パルプの積繊状況を観察すると、吸収体Ｓの中央部の厚みが両側部よりも厚くなり、中央部が膨出した断面形状になっていた。
【０００５】
また、前記積繊装置４７では部分的に目付を変えたり、嵩高部を形成した吸収体を製造することができないなどの問題もある。部分的に嵩高部を有する吸収体を製造する場合には、例えば特開平7-150456号公報に示されるように、積繊ドラムを左右一対で配設し、一方の積繊ドラムにより積繊して形成された吸収体の上面に、他方の積繊ドラムにより積繊して形成された吸収体を重ね合わせた後、搬送ベルト上に転移させるようにするなどの製造方法が提案されているが、かかる積繊装置では装置構造が特殊かつ複雑になるなどの問題がある。
【０００６】
そこで本発明の主たる課題は、吸収体の厚みを幅方向に均一化することが可能であるとともに、簡単な操業変更により、部分的に目付量を変化させたり、嵩高部を形成することが可能となる吸収体の積繊装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、内面側から吸引を行うことにより、回転する積繊ドラムの表面に、空気流に乗って搬送された粉砕パルプを積繊させ吸収体を成形する積繊装置において、
前記積繊ドラムは、外周面に適宜の間隔で、一定深さの吸収体成形用凹部を備えるとともに、この吸収体成形用凹部の底面に多数の吸引孔を有する積繊用回転ドラムと、この積繊用回転ドラムの内側に配設されたほぼ積繊用回転ドラムの積繊領域に亘る幅で前記吸収体成形用凹部に粉砕パルプを積繊するとともに、吸着しながら成形された吸収体を搬送するために負圧を発生させる吸引チャンバ領域及び吸収体を転写するために空気を供給し正圧を発生させる給気チャンバ領域とを備え、
前記吸引チャンバ領域において、内側に２枚の仕切り壁が設けられ、ほぼ積繊用回転ドラムの積繊領域幅が流れ方向に沿う縦方向断面で中央部吸引チャンバ、この中央部吸引チャンバの両側にそれぞれ隣接する側部吸引チャンバの３室からなるとともに、それぞれの幅寸法が１００mm以内である３つの吸引チャンバに区画され、各吸引チャンバ毎にそれぞれ吸引力が調整可能な吸引手段を設け、
前記各吸引チャンバの吸引力を同一設定にすることにより厚みが均等の吸収体の製造を可能にするとともに、中央部吸引チャンバの吸引力を側部吸引チャンバの吸引力よりも高く設定することにより中央部に高目付かつ嵩高部を有する吸収体を製造可能とし、前記積繊ドラムの給気チャンバ領域に隣接して、内側に吸引チャンバ領域とコンベアに転写させる部分に給気チャンバ領域とを備えた転写ドラムが配設されていることを特徴とするものである。
【０００８】
本発明においては、例えば積繊ドラム内側の吸引チャンバを、流れ方向に沿う縦方向断面で複数の吸引チャンバに区画し、各区画された吸引チャンバ毎に吸引力を調整しながら負圧を発生させるようにする。したがって、厚さが均一の吸収体を製造したい場合には、各吸引チャンバの負圧を同等とすれば良いし、仮に中央部に高目付・嵩高部を形成した吸収体を製造したい場合には、中央部吸引チャンバの負圧を他よりも高くすることにより、吸収体中央部の目付量を上げるようにすればよい。また、前記区画された吸引チャンバ領域毎に、パルプまたは化学繊維等原料の種類を異ならせたり、配合率を変えたりしながら積繊させることも可能になる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図１は本発明に係る吸収体の製造装置１の概略図であり、図２はその積繊ドラム９の断面図である。
【００１０】
前記吸収体製造装置１は主に、装置内に送られてきたパルプ原紙３を解繊する解繊装置５と、この解繊装置５を囲繞するとともに、粉砕された粉砕パルプを空気流に乗せて搬送するための粉砕パルプ供給ケーシング８と、この粉砕パルプ供給ケーシング８の下流側開口部に配設される積繊装置９と、この積繊装置９に対向して設けられた転写ドラム１１とからなるものである。
【００１１】
以下、具体的に詳述すると、
吸収体製造装置１の隣接位置に配置されたパルプ原反２から繰り出されたパルプ原紙３は案内ローラ４，４…を経て前記解繊装置５に供給される。前記解繊装置５のロール表面には多数の粉砕刃５ａ、５ａ…が設けられており、供給された前記パルプ原紙３を細かく解繊する。細かくされた粉砕パルプ７は、後述の積繊装置９による吸引作用によって前記粉砕パルプ供給ケーシング８内の空気流に乗って下流側に搬送される。
【００１２】
前記粉砕パルプ供給ケーシング８には、上面側にポリマー投入口６が設けられており、前記粉砕パルプと共に空気流に乗って、下流側に配設された積繊装置９の周面に供給される。
【００１３】
前記積繊装置９は、図２に示されるように、外周面に適宜の間隔で吸収体成形用凹部１０ａ、１０ａ…を備えるとともに、この吸収体成形用凹部１０ａの底面に多数の吸引孔１０ｂ、１０ｂ…を有する積繊用回転ドラム１０と、この積繊用回転ドラム１０の内側に配設された吸引・給気チャンバ１１とから構成されている。前記吸引・給気チャンバ１１は、ほぼ積繊用回転ドラム１０の積繊領域に亘る幅で前記吸収体成形用凹部１０ａに粉砕パルプを積繊するとともに、吸着しながら成形された吸収体を搬送するために、負圧を発生させる吸引チャンバ領域１１Ａ（符号−）と、後述の転写ドラム１３に吸収体Ｓを転写するために空気を供給し、正圧を発生させる給気チャンバ領域１１Ｂ（符号＋）とを備えている。
【００１４】
前記吸引チャンバ領域１１Ａにおいては、同図に示されるように、内側に２枚の仕切り壁１１ａ、１１ｂが設けられており、ほぼ積繊用回転ドラム１０の積繊領域幅Ｂが流れ方向に沿う縦方向断面で３つの吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃに区画されている。これら各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃには、それぞれ吸引力が調整可能なコンプレッサー等の吸引手段が設けられ、各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃ毎に負圧が調整可能となっている。この場合、各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃの幅Ｍは負圧に偏りが生じないように、２００mm以内、好ましくは１００mm以内とするのが望ましい。なお、前記給気チャンバ領域１１Ｂについては、単に転写ドラム１３へ吸収体を転写するためのものであるため、特に内部を区画する必要はない。
【００１５】
かかる吸引チャンバ領域１１Ａにおいて、各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃの吸引力Ｑ₁〜Ｑ₃を同じに設定すれば、図２に示されるように、厚みが均等の吸収体Ｓを製造することが可能となり、また中央部に高目付かつ嵩高部Ｓ_Kを有する吸収体Ｓ’を製造したい場合には、図３に示されるように、中央部の吸引チャンバ１２Ｂの吸引力Ｑ₂を両側の吸引チャンバ１２Ａ、１２Ｃの吸引力Ｑ₁、Ｑ₃（Ｑ₁＝Ｑ₃）よりも高く設定することになる。さらに、各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃに区画された領域毎に繊維の供給路を別々に構成し、例えば中央部（吸引チャンバ１２Ｂ）にはパルプ繊維、両側部（吸引チャンバ１２Ａ、１２Ｃ）には化学繊維を積繊させるなど原料の種類を異ならせたり、各吸引チャンバ１２Ａ〜１２Ｃに区画された領域毎に繊維の配合率を異ならせたりすることも可能になる。
【００１６】
前記積繊用回転ドラム１０の吸収体成形用凹部１０ａ内に積繊された粉砕パルプ（高吸収性ポリマー含有）は、吸引によって吸着保持されながら周方向（時計回り方向）に搬送され、給気チャンバ領域１１Ｂに達すると、転写ドラム１３側に転写される。
【００１７】
前記転写ドラム１３は、内側に吸引チャンバ領域１４Ａ（符号−）と、後述のバキューム装置付きコンベア１５に転移させる部分に給気チャンバ領域１４Ｂ（符号＋）とを備えており、前記積繊用回転ドラム１０に吸着保持されている吸収体Ｓが給気チャンバ領域１１Ｂに達すると、背圧によって押し出されるようになるとともに、転写ドラム１３側から受ける吸引力によって転写ドラム１３側に転移する。
【００１８】
転写ドラム１３に転移された吸収体Ｓは、吸着保持されながら周方向（半時計回り方向）に搬送され、同転写ドラム１３の給気チャンバ領域１４Ｂに達すると、バキューム装置付きコンベア１５に転写される。
【００１９】
前記転写ドラム１３から吸収体を受け取るバキューム装置付きコンベア１５は、プーリ１６，１７間に通気性コンベアベルト１８を掛け渡すとともに、適所に受けローラ１９を配し、かつ通気性コンベアベルト１８を間に挟んで前記転写ドラム１３の下方側位置に吸引装置２０が配設された構造のコンベアである。
【００２０】
このバキューム装置付きコンベア１５には、吸収体Ｓの下面側を覆うクレープ紙２１が案内ローラ２２ａ〜２２ｄを経て供給され、前記吸収体Ｓが前記クレープ紙２１上に積層されるようになっている。吸収体Ｓはクレープ紙２１と共に下流側に搬送され、その後カレンダ２５位置に達すると、案内ローラ２４ａ、２４ｂを経てカレンダ２５に供給された不織布からなるセカンドシート２３（紙おむつの表面シートの裏側に設けられる。）が前記吸収体Ｓの上面側に積層されるようになっている。前記クレープ紙２１、吸収体Ｓおよびセカンドシート２３は、その後図示されない切断装置により所定位置で切断され、個々の吸収体ユニットを得るようになっている。
【００２１】
以上、本発明に係る積繊装置等について説明したが、吸引チャンバ領域１１Ｂの区画数は３室が操業上好ましいが、２室、または４以上に区画するようにしてもよい。また、本実施形態例では、積繊体として回転ドラムを用いる場合を例に挙げたが、平板状の積繊体に対しても同様に適用することが可能である。
【００２２】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、吸収体の厚みを幅方向に均一化することが可能であるとともに、簡単な操業変更により、部分的に目付量を変化させたり、嵩高部を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る吸収体製造装置１の概略図である。
【図２】均等厚の吸収体を成形する場合の吸引状態を示す積繊装置９の断面図である。
【図３】中央に高目付かつ嵩高部分を有する吸収体を成形する場合の吸引状態を示す積繊装置９の断面図である。
【図４】従来例に係る吸収体製造装置４１の概略図である。
【図５】積繊装置４７の断面図である。
【符号の説明】
１…吸収体製造装置、２…パルプ原反、３…パルプ原紙、５…解繊装置、６…ポリマー投入口、８…粉砕パルプ供給ケーシング、９…積繊装置、１０…積繊用回転ドラム、１０ａ…吸収体成形用凹部、１０ｂ…吸引孔、１１…吸引・給気チャンバ、１１Ａ…吸引チャンバ領域、１１Ｂ…給気チャンバ領域、１２Ａ〜１２Ｃ…吸引チャンバ、１３…転写ドラム、１５…バキューム装置付きコンベア、２１…クレープ紙、２３…セカンドシート（不織布）

Claims

内面側から吸引を行うことにより、回転する積繊ドラムの表面に、空気流に乗って搬送された粉砕パルプを積繊させ吸収体を成形する積繊装置において、
前記積繊ドラムは、外周面に適宜の間隔で、一定深さの吸収体成形用凹部を備えるとともに、この吸収体成形用凹部の底面に多数の吸引孔を有する積繊用回転ドラムと、この積繊用回転ドラムの内側に配設されたほぼ積繊用回転ドラムの積繊領域に亘る幅で前記吸収体成形用凹部に粉砕パルプを積繊するとともに、吸着しながら成形された吸収体を搬送するために負圧を発生させる吸引チャンバ領域及び吸収体を転写するために空気を供給し正圧を発生させる給気チャンバ領域とを備え、
前記吸引チャンバ領域において、内側に２枚の仕切り壁が設けられ、ほぼ積繊用回転ドラムの積繊領域幅が流れ方向に沿う縦方向断面で中央部吸引チャンバ、この中央部吸引チャンバの両側にそれぞれ隣接する側部吸引チャンバの３室からなるとともに、それぞれの幅寸法が１００mm以内である３つの吸引チャンバに区画され、各吸引チャンバ毎にそれぞれ吸引力が調整可能な吸引手段を設け、
前記各吸引チャンバの吸引力を同一設定にすることにより厚みが均等の吸収体の製造を可能にするとともに、中央部吸引チャンバの吸引力を側部吸引チャンバの吸引力よりも高く設定することにより中央部に高目付かつ嵩高部を有する吸収体を製造可能とし、前記積繊ドラムの給気チャンバ領域に隣接して、内側に吸引チャンバ領域とコンベアに転写させる部分に給気チャンバ領域とを備えた転写ドラムが配設されていることを特徴とする吸収体の積繊装置。