JP4929229B2 - 吸収体の製造方法 - Google Patents
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本発明の製造方法は、帯状のシートをサクションロールに吸着させる第一工程と、前記サクションロール上の前記帯状のシートの両側に少なくともパルプを含むパルプ組成物を吸着させてマット状とし、パルプマットを形成させる第二工程と、前記サクションロールに吸着された前記帯状のシートおよびその両側のパルプマットを基材シートに転載して、積層物を形成させる第三工程とを含む。または、帯状のシートを幅方向に切断し、切断されたシート切断物をサクションロールに吸着させる第一工程と、前記サクションロール上の前記シート切断物の周りに少なくともパルプを含むパルプ組成物を吸着させてマット状とし、パルプマットを形成させる第二工程と、前記サクションロールに吸着された前記シート切断物およびその周りのパルプマットを基材シートに転載して、積層物を形成させる第三工程とを含んでもよい。
図1において、まず、帯状のシートとしてのSAPシートがSAPシートロール9から巻き出される。巻き出されたSAPシートはサクションドラム1の周面上に供給される。なお、巻き出されたSAPシートをカッター15aにより、所定長さに切断しても良い。この場合、切断されたSAPシート切断物がサクションドラム1の周面上に供給される。
サクションドラム1の上方では、解繊機3によって原料パルプが解繊されている。解繊されたフラッフパルプはサクションドラム1に向って供給され、次いでサクションドラム1内部に配設されている吸引機13aにより吸引され、サクションドラム1の周面上に吸着され、積繊され、パルプマットが形成される。ただし、サクションドラム1の周面上の既にSAPシートまたはSAPシート切断物が吸着されている部位は、SAPシートまたはSAPシート切断物により遮蔽され、フラッフパルプが吸着・積繊されず、パルプマットが形成されない。
ティシュペーパーロール5から基材シートとしてのティシュペーパーが巻き出され、ホットメルト接着剤塗布機7aによりホットメルト接着剤が塗布され、サクションドラム1の周面下部に供給される。サクションドラム1は、図1中左下およそ1/3の部分には吸引機13aが配設されておらず、サクションドラム1が回転して吸引機13bの位置にまで到達すると、サクションドラム1の吸引は解かれる。一方、サクションドラム1に対向する吸引機13bの吸引力によりSAPシートまたはSAPシート切断物およびその周囲に形成されているパルプマットは、ティシュペーパーを介して吸引され、ティシュペーパー上に転載される。
本発明の製造方法で得られる吸収体の一実施形態は、例えば、図2Aまたは図2Bおよび図3に示す吸収体21のように、第一層シートとしての基材シートであるティシュペーパー27a上に高吸水性シート23が積層され、ティシュペーパー27a上において、図2Aに示すように前記高吸水性シート23の短手方向両端面に沿ってかまたは、図2Bに示すように前記高吸水性シート23の側面全体を取り囲むように、少なくともパルプを含むパルプ組成物がマット状に形成されたパルプマット25が配設されて第二層シートが形成された構造を有する。さらに、この積層構造の上にティシュペーパー27bを積層しても良い。この場合、ティシュペーパー27a、27bの周縁部には、ホットメルト接着剤が塗布され、ホットメルト接着剤にてばらけないように接着される。
本明細書にいう「帯状のシート」としては、高吸水性シート、拡散シート、およびパルプシート等を例示することができる。より詳しくは、高吸水性シートとしては、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer:SAP)を含む吸収性材料を例示することができる。また、拡散シートとしては、特開2001−258932号公報および特許第2702852号公報等に開示されているものを例示することができる。さらに、パルプシートとしては、主にフラッフパルプからなるシートのほかに、アクイジションまたはトランスファと呼称される嵩高な不織布状ウェブ、および弾性復元力の大きな部分架橋処理を施したフラッフパルプであるカーリーファイバー等の機能性パルプシートを例示することができる。
「パルプマット」とは、字義通り、パルプがマット状に形成されたものである。「パルプマット」は、「パルプ」を嵩高なマット状に加工することにより形成することができる。中でも、フラッフパルプを嵩高なマット状に加工したものを好適に用いることができる。このフラッフパルプとしては、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを用いることが好ましい。
本明細書にいう「基材シート」は、好ましくは、可撓性材料からなるシート状部材である。「可撓性材料」としては、紙や布のシート、より具体的には、ティシュペーパー、吸水紙、不織布等からなるシートを好適に用いることができる。
吸収体は、着用者の尿、体液等の排泄物を吸収し、保持するための部材であり、尿や体液を吸収し保持する必要から、吸収性材料によって構成される。前記一実施形態に係る吸収体は、基材シートの上に高吸水性シートとパルプマットという2種類の吸収性材料を構成材料として備えており、高吸水性シートの側面全体を取り囲むように、パルプマットが配設された構造を有するものである。
本発明の製造方法で得られる吸収体を使用した使い捨ておむつとしては、前記吸収体と、前記吸収体の表面を被覆するように配置され、少なくとも一部が液透過性材料からなるトップシートと、前記吸収体の裏面を被覆するように配置され、液不透過性材料からなるバックシートと、を備えたものを例示することができる。
前記使い捨ておむつでは、吸収体として、既に説明した本発明の製造方法で得られる吸収体を用いる。吸収体は、トップシートとバックシートの間の少なくとも一部に介装されることが好ましい。通常、吸収体は、トップシートとバックシートの間に挟み込まれ、その周縁部が封着されることによって、トップシートとバックシートとの間に介装される。従って、吸収体の周縁部にはトップシートとバックシートの間に吸収体が介装されていないフラップ部が形成されることになる。
トップシートは、吸収体の表面(おむつの装着時において着用者の肌側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。トップシートは、その裏面側に配置された吸収体に、着用者の尿を吸収させる必要から、少なくとも一部(その全部ないし一部)が液透過性材料により構成される。
バックシートは、吸収体の裏面(おむつの装着時において着用者の着衣側に位置する面)を被覆するように配置されるシートである。バックシートは、着用者の尿がおむつ外部に漏洩してしまうことを防止する必要から、液不透過性材料によって構成される。
本発明の製造方法で得られる吸収体を使用した使い捨ておむつは、前記吸収体、トップシート、バックシートを備える他、従来公知の使い捨ておむつが備えることがある他の構成要素を備えていてもよい。例えば、脚周り、ウエスト周りに伸縮材を備えていてもよいし、吸収体の側縁に立体ギャザーを備えていてもよい。また、テープ型おむつのように装着用の止着テープを備えていてもよい。
Claims (3)
- 帯状のシートをサクションロールに吸着させる第一工程と、
前記サクションロール上の前記帯状のシートの両側に少なくともパルプを含むパルプ組成物を吸着させてマット状とし、パルプマットを形成させる第二工程と、
前記サクションロールに吸着された前記帯状のシートおよびその両側のパルプマットを基材シートに転載して、積層物を形成させる第三工程とを含む吸収体の製造方法。 - 帯状のシートを幅方向に切断し、切断されたシート切断物をサクションロールに吸着させる第一工程と、
前記サクションロール上の前記シート切断物の周りに少なくともパルプを含むパルプ組成物を吸着させてマット状とし、パルプマットを形成させる第二工程と、
前記サクションロールに吸着された前記シート切断物およびその周りのパルプマットを基材シートに転載して、積層物を形成させる第三工程とを含む吸収体の製造方法。 - 前記帯状のシートが高吸水性シートである請求項1または2に記載の吸収体の製造方法。
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