JP4104802B2 - エアギャップ型エタロンを用いた利得等化装置、波長特性可変装置および光増幅器 - Google Patents

エアギャップ型エタロンを用いた利得等化装置、波長特性可変装置および光増幅器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファブリペロー干渉計であるエアギャップ型エタロンを用いた利得等化装置、波長特性可変装置および光増幅器に関し、特に、波長特性の温度依存性(以下、波長温度特性)を自在に調整できるエアギャップ型エタロンおよびそれを用いた利得等化装置、波長特性可変装置および光増幅器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信においては、伝送容量の増大に伴い、波長多重(WDM)伝送方式が採用されている。このWDM伝送方式では、伝送容量をさらに増やすために、異なるチャンネルの波長が互いに接近してきている。このように互いに接近した波長を有するチャンネルの信号光を正しく送受信するためには、伝送装置に使用されるエタロン等の光学フィルタの波長特性が、温度などの環境の変化に対して安定していることが必要である。したがって、波長温度特性の非常に小さい光学フィルタが要求される。
【0003】
また、長距離光伝送においては、伝送距離増大のために、例えばエルビウム(Er)添加光ファイバ増幅器(Erbium-Doped optical Fiber Amplifier、以下EDFAとする)等が光中継器として広く用いられている。このEDFAの利得特性は、一般に光ファイバの組成などに基づく波長特性を有しているため、利得波長特性と逆の損失波長特性を有するエタロンなどの光学フィルタを利得等化装置(Gain-Equa1izer、以下GEQとする)として用い、上記の利得波長特性を平坦化する技術が実用化されている。
【0004】
ところで、EDFAの利得波長特性は、エルビウム添加光ファイバ(EDF)の温度に応じても変化するので、周囲の環境温度変化の影響を受けることになる。このため、WDM伝送装置において、各波長の光信号についての光SNRに偏差が生ずるという問題があった。この問題に対処するためには、温度が変動してEDFAの利得波長特性が変化しても、受動的に利得波長特性を平坦化できるような利得等化装置が望まれる。しかし、上記のような利得等化装置の実現には、前述した場合とは逆に、波長温度特性の大きい光学フィルタが必要となる。
【0005】
さらに、海底中継用の超長距離伝送においても、上記EDFAが広く用いられている。このような用途では、光ファイバ伝送路の修理や経年変化によりEDFAへの入力レベルが変化すると、EDFAが出力レベルー定制御されている場合、EDFAの利得が変化してしまうという問題があった。EDFAの利得が変化すると、波長特性に傾斜(チルト)が生じるため、波長特性の傾斜を補償できるような波長特性可変装置が望まれる。しかし、こうした波長特性可変装置の実現には、例えば波長温度特性が大きく、かつ、波長温度特性の変化方向が逆であるような2つの光学フィルタが必要となる。
【0006】
このように光学フィルタには、透過波長特性のみならず、その温度依存性に対しても用途や目的に応じて様々な要求があり、それらの要求に応じて光学フィルタの設計を行う必要がある。上記のような光学フィルタとしては、一般に、ソリッド(固体)型およびエアギャップ(空隙)型のエタロン(ファブリペロー干渉計)や誘電体多層膜フィルタ、ファイバーブラッググレーティング(FBG)などが用いられている。
【0007】
従来のエタロンの具体的な構成としては、例えば、特開平7−86673号公報、特開平3−185402号公報、特開平7−27943号公報、特開平9−257567号公報等に記載されたものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような光学フィルタの中で、誘電体多層膜フィルタやFBGについては、製造プロセス上使用できる材料が石英(SiO2)等に限られており、材料の物性値(膨張係数と屈折率の温度係数)に応じて波長温度特性が決まってしまうため、波長温度特性の設計自由度が極めて低いという欠点がある。
【0009】
また、ソリッド型エタロンについては、各種の透明な多成分ガラス材料が適用できるが、やはり材料の物性値(膨張係数と屈折率の温度係数)に応じて波長温度特性が決まってしまうため、波長温度特性の設計自由度が限られてしまう。なお、透明な材料としてはアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂も考えられる。しかし、上記のような合成樹脂は、吸水性があるため湿度の影響を受け易いことや、加工上良い平面度が得られないこと、耐光性が低く高強度の光が入射すると変質が生じること等の理由のため、エタロンの材料として用いることは困難である。
【0010】
エアギャップ型エタロンについては、従来、例えば図21に示すように、2枚のガラス等の透明平行平板の間にギャップ材料を挟む構成となっている。なお、各透明平行平板には、外方側の平面に反射防止膜が形成され、内方側の平面に反射増加膜が形成されている。このような構成では、ギャップ材料として透明な材料だけでなく不透明な材料も適用できることから、材料を選択する自由度はソリッド型に比べてやや高い。しかし、環境に対する安定性や、平面への加工性等を考慮すると、ギャップ材料はガラス材料や一部の金属等に限られてしまい、波長温度特性の設計自由度が十分であるとは言えない現状である。
【0011】
このように、従来の光学フィルタでは所望の波長温度特性を得ることが現実的には困難となることが多かった。また、所定の波長温度特性を有する光学フィルタを必要とするような波長検出装置、利得等化装置、波長特性可変装置などの各種装置においても、適した光学フィルタが得られないために、所望の性能が得られない等の問題があった。
【0012】
ここで、前述の各公報に記載された従来のエタロンの問題点を具体的に説明する。
まず、特開平7−86673号公報に記載されたエタロンは、膨張係数が正の材料と負の材料とを接合してギャップ材料を構成したものであって、エアギャップ型エタロンのギャップ長の温度変化を無くし、波長温度特性を無くすことを目的としたものである。このような構成のエタロンでは、波長温度特性が小さいエタロンを実現することは可能であるが、波長温度特性の大きいエタロンまでを実現することは困難である。また、上記従来技術を用いてエタロンを構成する場合、膨張係数が負であるような特殊なセラミックを用いなければならず、波長温度特性の設計自由度が限られてしまうという欠点がある。さらに、2つのギャップ材料の厚さの比が各材料の膨張係数で決まってしまうため、例えば、自由スペクトル領域(Free Spectral Range、以下FSRとする)が大きくギャップ長が小さい設定の場合には、厚さの薄いギャップ材料が必要となるが、そのようなギャップ材料の実現は製造上困難となることが予想され、実用的ではないという問題がある。
【0013】
特開平3−185402号公報または特開平9−257567号公報に記載されたエタロンは、ソリッド型エタロンの周辺に膨張係数の異なる材料を接合させた構成で、温度が変化したとき、エタロンに熱歪みと熱応力を与えて結果的にソリッドエタロンの光学的厚さ(干渉長)を一定に保つように作用するものである。しかし、このような構成のエタロンでも、波長温度特性の大きなものを実現することは困難であり、また、エタロンに熱歪みと熱応力を積極的に与えているため、エタロンが破壊するなどの虞があった。
【0014】
特開平7−27943号公報に記載されたエタロンは、ソリッド型エタロンとエアギャップ型エタロンとを組み合わせた構成で、温度が上昇した場合、ソリッド型エタロンの熱膨張と屈折率の増加により光学的厚さ(干渉長)が大きくなるが、その大きくなった分を相殺するようにエアギャップ型エタロンの光学的厚さが小さくなるようにして、結果的にトータルの光学的厚さを一定に保つように作用するものである。しかし、このような構成のエタロンでも、波長温度特性の大きなものを実現することは困難であり、また、ソリッド型エタロンを一部に含むため、上述したように波長温度特性の設計自由度が限られてしまうという欠点があった。
【0015】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、波長温度特性の設計自由度が高く、波長温度特性を自在に調整できるエアギャップ型エタロンを用いた利得等化装置、波長特性可変装置および光増幅器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明による利得等化装置は、周期的な透過波長特性が所定の温度で略1/2周期ずれており、かつ、前記透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタを備え、該複数の光学フィルタを合成した透過波長特性が、温度変動に応じて受動的に変化する利得等化装置であって、前記複数の光学フィルタの少なくとも1つがエアギャップ型エタロンを用いて構成されている。前記エアギャップ型エタロンは、少なくとも1つの平面を有する固定部材と、入射光に対して透明であって、平行な平面を有し、一方の平面が前記固定部材の平面上に接合された第1平行部材と、平行な平面を有し、該平行な平面間の距離が、前記第1平行部材の平行な平面間の距離よりも長く、かつ、前記第1平行部材の膨張係数とは異なる膨張係数を有すると共に、一方の平面が前記第1平行部材の周囲を囲むように前記固定部材の平面上に接合された、少なくとも1つの第2平行部材と、入射光に対して透明であって、対向する平面を有し、一方の平面が、前記第2平行部材の前記固定部材との接合面に対向する他方の平面上に接合された透明部材と、を備え、前記第1平行部材および前記透明部材の互いに対向する平面間に位置するエアギャップを基に、ファブリペロー干渉計が形成され、かつ、前記エアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、前記第1平行部材の平行な平面間の距離、前記第1平行部材の膨張係数、前記第2平行部材の平行な平面間の距離および前記第2平行部材の膨張係数がそれぞれ設定され、前記ファブリペロー干渉計における透過波長特性の温度特性が所定の値にされている。
【0017】
かかる構成では、複数の光学フィルタの少なくとも1つがエアギャップ型エタロンを用いて構成されており、該エアギャップ型エタロンに入射された光が、第1平行部材および透明部材の互いに対向する平行な平面で多重反射され、ファブリペロー干渉が生じるようになる。第1平行部材および透明部材の反射面間に形成されるエアギャップの長さは、固定部材の平面を基準にして、第1、2平行部材の厚さ(平行な平面間の距離)の差で決まることになる。これにより、エアギャップの光学的距離が所要の光学特性に応じて決まっていても、第1、2平行部材の厚さおよび膨張係数をそれぞれ設計パラメータとして扱うことができるようになり、これらの設計パラメータを適切に設定することで、透過波長特性の温度依存性を広範囲に調整することが可能になる。本利得等化装置では、上記エアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように設計パラメータが設定されており、透過波長特性の温度依存性が大きなエアギャップ型エタロンを含んだ複数の光学フィルタを合成して得られる透過波長特性に従って、温度変動にも追従した利得等化が行われるようになる。このような利得等化装置は、例えば、利得波長特性の温度依存性が大きな光増幅器から出力される光信号の波長特性を平坦化する補償手段として好適である。
【0018】
上記エアギャップ型エタロンの具体的な構成として、固定部材は、光が通過する穴部を有し、第1平行部材は、一方の平面に反射防止膜が形成され、該反射防止膜の形成された平面が、固定部材の穴部周辺の平面上に接合され、透明部材は、第2平行部材との接合面に対向する他方の平面に反射防止膜が形成されるようにしてもよい。
【0019】
あるいは、固定部材は、入射光に対して透明であり、平面に対向する面に反射防止膜が形成され、透明部材は、第2平行部材との接合面に対向する他方の平面に反射防止膜が形成されるようにしても構わない。
【0020】
さらに、上記エアギャップ型エタロンについては、第1平行部材および透明部材の互いに対向する各平面に、反射増加膜がそれぞれ形成されるようにしてもよい。
【0021】
かかる構成では、第1平行部材および透明部材の対向する各平面におけるフレネル反射が十分でないときなどに、各々の平面に反射増加膜を形成することによって、所要の最大損失が得られるようになる。
【0026】
本発明による波長特性可変装置は、周期的な透過波長特性を有し、かつ、該透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタと、該複数の光学フィルタの温度を制御する温度制御手段とを備え、複数の光学フィルタを合成した透過波長特性の傾斜量が、温度制御手段による温度制御により能動的に変化可能な波長特性可変装置であって、さらに複数の光学フィルタがエアギャップ型エタロンを少なくとも2つ用いて構成されている。前記各エアギャップ型エタロンは、それぞれ、少なくとも1つの平面を有する固定部材と、入射光に対して透明であって、平行な平面を有し、一方の平面が前記固定部材の平面上に接合された第1平行部材と、平行な平面を有し、該平行な平面間の距離が、前記第1平行部材の平行な平面間の距離よりも長く、かつ、前記第1平行部材の膨張係数とは異なる膨張係数を有すると共に、一方の平面が前記第1平行部材の周囲を囲むように前記固定部材の平面上に接合された、少なくとも1つの第2平行部材と、入射光に対して透明であって、対向する平面を有し、一方の平面が、前記第2平行部材の前記固定部材との接合面に対向する他方の平面上に接合された透明部材と、を備え、前記第1平行部材および前記透明部材の互いに対向する平面間に位置するエアギャップを基に、ファブリペロー干渉計が形成され、かつ、前記エアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、前記第1平行部材の平行な平面間の距離、前記第1平行部材の膨張係数、前記第2平行部材の平行な平面間の距離および前記第2平行部材の膨張係数がそれぞれ設定され、さらに、前記各エアギャップ型エタロンの透過波長特性の温度依存性の変化方向が逆方向とされている。
【0027】
かかる構成では、透過波長特性の温度依存性が大きく、その変化方向が逆方向となるようなエアギャップ型エタロンを用いて複数の光学フィルタが構成され、該光学フィルタの温度を温度制御手段により変化させるとエアギャップ型エタロンの透過波長特性が互いに逆方向にシフトする。これにより、複数の光学フィルタを合成して得られる透過波長特性の傾斜量が温度制御により可変にできるようになる。このような波長特性可変装置は、例えば、動作条件に応じて利得波長特性が変化する光増幅器から出力される光信号の波長特性を平坦化する補償手段として好適である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に用いられるエアギャップ型エタロンの第1実施形態の構成を示す断面図である。
【0029】
図1において、本エタロン1は、例えば、固定部材としての固定台2、第1平行部材としての透明平行平板3、第2平行部材としての平行平板4および透明部材としての透明平板5と、を備えて構成される。
【0030】
固定台2は、例えば、光が透過する穴部2Aを有し、一方の面(図で左側面)が平面となっている。この固定台2は、穴部2A以外の部分を光が透過しないので、入射光に対して必ずしも透明である必要はなく、金属等のように不透明な材料を用いても構わない。また、他方の面(図で右側面)は必ずしも平面である必要はない。
【0031】
透明平行平板3は、一方の平面(図で右側面)に反射防止膜3Aが形成され、他方の平面(図で左側面)に反射増加膜3Bが形成されている。この透明平行平板3は、入射光に対して透明な材料を用いて形成され、上記一方の平面および他方の平面の間の距離(以下、透明平行平板3の厚さとする)をd1とすると共に、線膨張係数をα1とする。また、ここでは反射防止膜3Aの形成された平面が、固定台2の一方の平面上における穴部2Aの周辺に接合されている。固定台2との接合方法は、例えばオプティカルコンタクトや熱拡散等の方法を用いることができる。なお、反射防止膜3Aおよび反射増加膜3Bは、例えば誘電体多層膜などにより形成されている。
【0032】
平行平板4は、その厚さd2(平行な平面間の距離)が透明平行平板3の厚さd1よりも厚くなるように形成され、透明平行平板3の周囲を囲むように(図の断面では透明平行平板3の上下の位置において)、一方の平面(図で右側面)が固定板2の平面(図で左側面)上に接合されている。この平行平板4は、透明平行平板3の線膨張係数α1とは異なる膨張係数α2を有する材料から形成される。また、平行平板4には光が透過しないので、その材料は必ずしも透明である必要はなく、金属等のように不透明な材料であっても構わない。なお、上記の平行平板4は、透明平行平板3を取り囲む所要の形状を有した一つ(一体)の部材で構成してもよく、あるいは、材料および厚さがそれぞれ同一である複数の平行平板を組み合わせて構成しても構わない。
【0033】
透明平板5は、一方の平面(図で左側面)に反射防止膜5Aが形成され、他方の平面(図で右側面)に反射増加膜5Bが形成され、該反射増加膜5Bの形成されている平面が、平行平板4の固定台2に対向する平面(図で左側面)上に接合されている。この透明平板5は、必ずしも平行平板である必要はなく、例えば、反射防止膜5Aの形成されている平面と反射増加膜5Bの形成されている平面との間におけるファブリペロー干渉を抑制するために、各平面のなす角度を数度程度傾斜させるようにしてもよい。
【0034】
上記のような構成を有するエアギャップ型エタロン1では、透明平行平板3の反射増加膜3Bが形成されている平面と、透明平板5の反射増加膜5Bが形成されている平面との間に位置するエアギャップにおいて、ファブリペロー干渉計が形成されている。なお、ここではエアギャップ長をd(=d2−d1)とする。
【0035】
次に、上記のような構成のエタロン1の作用について説明する。
まず最初に、一般的なエタロンの波長特性について概説しておく。
エタロンの波長特性、すなわち、透過率Itと波長λの関係は、一般に次の(1)式で与えられる。
【0036】
It=1/{(1+4R×sin2(2π×n×d×cosθ/λ)/(1−R)2} …(1)
ただし、R;反射膜の反射率、n;ギャップの屈折率、d;ギャップの物理的距離、θ;光の入射角度である。
【0037】
(1)式より、エタロンの波長特性は、透過率が最大となる波長(以下、中心波長λcとする)が周期的に存在することが分かる。ここで、中心波長λcは、次の(2)式で与えられる。
【0038】
λc=2×n×d×cosθ/m …(2)
ただし、m;次数である。
(2)式より、中心波長λcは、ギャップの屈折率nと物理的距離dの積n×d(光学的距離)に比例することが分かる。このため、周囲温度が変化することにより、ギャップの屈折率nおよび物理的距離dが変化すると、光学的距離n×dが変化し、中心波長λcが変化する。すなわち、エタロンの波長特性が波長方向にシフトすることになる。図2には、例えば石英を用いた一般的なソリッド型エタロンの波長温度特性を示しておく。
【0039】
また、上述の図21に示したような従来のエアギャップ型エタロンについては、空気の屈折率の温度変化とギャップ材料の厚さ(距離)の温度変化(すなわち熱膨張)とによって、波長温度特性が決まることになる。一般に、温度がΔt度変化した場合の屈折率n’および厚さd’は、次の(3)式および(4)式のように定義される。
【0040】
n’=n+nt×Δt …(3)
d’=d+d×α×Δt …(4)
ただし、nt;屈折率の温度係数、α;線膨張係数である。
【0041】
したがって、エアギャップ型エタロンについての1℃当たりの光学的距離n×dの変化量は、上記(3)式および(4)式より、次の(5)式で表される。
n’d’−nd=(nα+nt+ntα)d=nαd+ntd …(5)
ただし、ここではntα≒0としている。
【0042】
上記の(5)式において、従来のエアギャップ型エタロンでは、開放空間の空気の屈折率nが1.000264、温度係数ntが−8.1×10-7/℃で一義的に決まり、エアギャップの物理的距離dは要求される波長特性に応じて決まってしまうが、線膨張係数αは、ギャップ材料の選択によって変えることができる。したがって、従来のエアギャップ型エタロンでは、設計の自由度が線膨張係数αのみとなる。
【0043】
これに対し、本実施形態のエアギャップ型エタロン1は、上述の図1に示したように、透明平行平板3上の反射増加膜3Bと透明平板5上の反射増加膜5Bとの間のエアギャップでファブリペロー干渉を生じさせているが、2枚の平板3,5の間でギャップ材料を挟む構成をとっておらず、固定台2の平面を基準にして、平行平板3(厚さd1、線膨張率α1)と、平行平板3よりもdだけ厚い平行平板4(厚さd2、線膨張率α2)とを固定しており、エアギャップ長は、各平板3,4の厚さの差d=d2−d1となっている。このため、エアギャップ長dが要求される光学特性で決まっていても、厚さd1,d2は自由に変えることができ、また、各平板3,4の線膨張係数α1,α2も2つの設計パラメータとなる。
【0044】
具体的に、本実施形態のエアギャップ型エタロン1について、1℃当たりの光学的距離n×dの変化量は、次の(6)式で表される。
Figure 0004104802
上記(6)式より、前述した(5)式と比較して、パラメータが増えていることが分かる。また、厚さd1,d2を大きくする程、温度に対する光学的距離n×dの変化量、すなわち、波長温度特性が大きくなることも予想できる。さらに、(6)式の値がちょうど零となるようなパラメータd1,α1,d2,α2を選べば、波長温度特性を極めて小さくすることができる。加えて、α1>α2となるように材料を選べば、負の波長温度特性(温度が上昇すると短波長方向にシフトする)をエタロン1に持たせることも可能となる。
【0045】
ここで、第1実施形態のエタロン1に要求される光学特性を具体的に設定してさらに詳しく説明する。
本エタロン1の光学特性として、例えば、透過ピーク波長の間隔を示す自由スペクトル領域(FSR)が0.8nmであり、最大損失が−4.5dBとなる波長特性を有し、かつ、波長温度特性が略零となるような設定条件を考えてみる。なお、本発明によるエアギャップ型エタロンの光学特性は、上記の設定に限られるものではない。
【0046】
まず、FSR=0.8nm、最大損失=−4.5dBの条件から、エアギャップ長dは1.5mmと決まり、各反射増加膜3B,5Bの反射率は25%と決まる。本実施形態のエタロン1では、エアギャップ長dが透明平行平板3の厚さd1と平行平板4の厚さd2との差で定まるため、エアギャップ長dを1.5mmと決めても、各厚さd1,d2には設計自由度がある。また、透明平行平板3と平行平板4とが互いに異なる膨張係数を有する異種材料から形成されているため、各々の膨張係数を自由に組合せることができる。そこで、本実施形態では、エタロン1の波長温度特性を略零とするために、例えば、各パラメータの設計値を次の表1のように設定した。ただし、空気の屈折率nを1.000264、温度係数ntを−8.1×10-7/℃としている。
【0047】
【表1】
Figure 0004104802
表1において、透明平行平板3と平行平板4の各材料は、共に一般的な市販の光学ガラス(オハラ社製)であり、化学的耐久性の高い材料を選択している。ガラスは、透明性が高い上に機械的研磨や化学的研磨により容易に平行度の高い平行平板を作製可能な材料であり、厚さも0.0001mm程度の精度を出すことができるため、好適な材料である。また、透明平板5の材料には特に制限がなく、表1のどちらかのガラス材料を用いることもできる。なお、固定台2には金属等のような不透明材料を用いても良く、ガラスを用いても構わない。
【0048】
図3は、上記のような設定条件としたエタロン1についての波長温度特性を測定した結果を示す図である。図3に示すように、エタロン1は、0〜65℃の温度差でも波長シフトが殆ど観察されず、波長温度特性が略零であることが分かる。
【0049】
ここで、本実施形態のエタロン1の作用効果について、上述の図21に示した従来のエタロンの場合と比較してみる。
従来のエタロンでは、第1実施形態と同様の光学特性(FSR=0.8nm、最大損失=−4.5dB)を実現させる場合、ギャップ材料の厚さが1.5mmと決まり、反射増加膜の反射率が25%と決まる。ここで、空気の屈折率n=1.000264、温度係数nt=−8.1×10-7/℃とすると、波長温度特性を零にするためには、線膨張係数α=8.1×10-7/℃を有する材料がギャップ材料として必要になる。しかし、このような特性を有する材料は一般的には存在しないため、ここでは、上記の特性に最も近い石英(α=5.5×10-7/℃)をギャップ材料として用いることにした。
【0050】
図4は、ギャップ材料に石英を用いた従来のエアギャップ型エタロンの波長温度特性を示す図である。図4に示すように、従来構成のエタロンでは、−1pm/℃を超える波長温度特性が生じてしまう。このようなエタロンは、温度変化による波長の安定性が厳しく求められる用途では、十分とはいえない。なお、温度が0℃から65℃へ上昇した時にピーク波長が短波長にシフトしているのは、空気の屈折率が低下しているためである。一方、本実施形態によるエアギャップ型エタロン1では、前述の図3に示したように、0〜65℃の間で波長温度特性が略零となり、上記のような用途に対しても十分に使用可能である。
【0051】
上述したように、第1実施形態によれば、波長温度特性が略零のエアギャップ型エタロンを、一般的な材料を用い高い設計自由度を持って容易に実現することが可能である。
【0052】
次に、本発明によるエアギャップ型エタロンの第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態のエアギャップ型エタロンの構成を示す断面図である。ただし、第1実施形態の構成と同一の部分には同一の符号が付してある。
【0053】
図5において、本実施形態のエタロン1’は、例えば、固定部材としての透明固定台6、透明平行平板3、平行平板4および透明平板5とを備えて構成される。
【0054】
透明固定台6は、一方の面が平面となっている平板で、他方の面には、第1実施形態の場合に透明平行平板3の片面に形成されていた反射防止膜3Aと同様な反射防止膜6Aが形成されている。なお、反射防止膜6Aが形成される他方の面は必ずしも平面である必要はない。
【0055】
透明平行平板3は、第1実施形態の場合と異なり一方の平面(図で右側面)には反射防止膜が形成されずに、他方の平面(図で左側面)にだけ反射増加膜3Bが形成されている。この透明平行平板3の一方の平面は、透明固定台6の反射防止膜6Aが形成されていない平面上に、第1実施形態の場合と同様の方法により接合されている。この透明平行平板3の厚さおよび線膨張係数は、第1実施形態の場合と同様にd1およびα1とする。
【0056】
なお、平行平板4および透明平板5の構成は、第1実施形態の場合と同一である。
上記のような構成のエアギャップ型エタロン1’では、透明平行平板3の反射増加膜3Bが形成されている平面と、透明平板5の反射増加膜5Bが形成されている平面との間に位置するエアギャップにおいて、ファブリペロー干渉計が形成されている。
【0057】
ここで、第2実施形態の構成が第1実施形態の構成と異なる点をまとめると、第2実施形態の構成では、透明固定台6に光が透過するためその片面に反射防止膜6Aが必要になることと、透明固定台6と透明平行平板3との接合部分は屈折率差が小さいため反射がほとんどなく、透明平行平板3の接合面には反射防止膜が特に必要ないことである。
【0058】
ここで、第2実施形態についても、第1実施形態の場合と同様にして、FSRが0.8nmであり、最大損失が−4.5dBとなる波長特性を有し、かつ、波長温度特性が略零となるような、具体的な光学特性を設定するものとする。上記のような設定条件では、例えば、各パラメータの設計値が次の表2に示すようなものとなる。
【0059】
【表2】
Figure 0004104802
表2において、透明平行平板3と平行平板4の各材料は、共に一般的な市販の光学ガラス(オハラ社製)であり、化学的耐久性の高い材料であるが、上述の表1に示した第1実施形態の場合とは異なる材料を用いている。このため、透明平行平板3と平行平板4の線膨張係数および厚さは、第1実施形態のときの値とはそれぞれ異なっている。また、透明固定台6および透明平板5の各材料には特に制限がなく、表2のどちらかのガラス材料を用いることもできる。
【0060】
図6は、上記のような設定条件としたエタロン1’についての波長温度特性を測定した結果を示す図である。図6に示したように、エタロン1’は、0〜65℃の温度差でもほとんど波長シフトが観察されず、波長温度特性が略零であることが分かる。
【0061】
このように第2実施形態によっても、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、上述した第1、2実施形態では、エアギャップ型エタロン1,1’の波長温度特性が略零となるように各パラメータの値を設定したが、本発明はこれに限られるものではない。上述の(6)式において説明したように、例えば、透明平行平板3および平行平板4の各厚さd1,d2を大きくすることによって、エタロンの波長温度特性を大きくすることも可能であり、また、透明平行平板3および平行平板4の各線膨張係数がα1>α2となるように材料を選べば、負の波長温度特性を有するエタロンを実現することも可能となる。具体的な設定例については、後述する各装置の実施形態において説明することにする。
【0062】
次に、本発明に関連する一例として、エアギャップ型エタロンを用いた波長検出装置について説明する。
図7は、上記エアギャップ型エタロンを用いた波長検出装置構成を示す概略図である。
【0063】
図7において、本波長検出装置10は、2つの光ファイバ11A,11Bと、2つのコリメータレンズ12A,12Bと、第1、2分岐部としての2つのビームスプリッタ13A,13Bと、光学フィルタ14と、第1、2受光部としての2つの受光素子15A,15Bと、上記各部品を所定の位置に保持する筐体16とを備えて構成される。
【0064】
光ファイバ11Aは、外部からの光信号を波長検出装置10に導くための光伝送路である。コリメータレンズ12Aは、光ファイバ11Aのコアから出射された拡散光を平行光として主光路を形成し、該平行光をビームスプリッタ13Aに送る。ビームスプリッタ13Aは、主光路に対して約45度傾けて配置され、コリメータレンズ12Aを通過した平行光の一部を約90度方向に分岐して、光学フィルタ14に送る。
【0065】
光学フィルタ14は、上述した第1実施形態のエアギャップ型エタロン1または第2実施形態のエアギャップ型エタロン1’が用いられ、ビームスプリッタ13Aで分岐された光信号を所要の波長特性に従って透過し、該透過光を受光素子15Aに送る。受光素子15Aは、光学フィルタ14を透過した光信号のパワーに応じた電気信号を発生する。
【0066】
また、ビームスプリッタ13Aを透過した光信号は、ビームスプリッタ13Bに送られる。ビームスプリッタ13Bは、ビームスプリッタ13Aと同様に主光路に対して約45度傾けて配置され、ビームスプリッタ13Aを透過した平行光の一部を約90度方向に分岐して、受光素子15Bに送る。受光素子15Bは、ビームスプリッタ13Bで分岐された光信号のパワーに応じた電気信号を発生する。
【0067】
さらに、ビームスプリッタ13Bを透過した主光路の光信号は、コリメータレンズ12Bに送られる。コリメータレンズ12Bは、ビームスプリッタ13Bからの透過光を集束光として、光ファイバ11Bのコアに結合させる。光ファイバ11Bは、コリメータレンズ12Bを介して結合された光信号を波長検出装置10の外部に出力するための光伝送路である。
【0068】
上記のような構成の波長検出装置10では、例えば、波長帯域の広い白色光が光ファイバ11Aを介して入射された場合、該入射光は、コリメータレンズ12Aで平行光とされた後に、その一部がビームスプリッタ13Aで分岐され、光学フィルタ14を透過して受光素子15Aで受光される。受光素子15Aでは、例えば図8の実線に示すように、光学フィルタ14として用いられるエアギャップ型エタロンで決まる単峰性の波長特性を有する電気信号が得られる。
【0069】
一方、ビームスプリッタ13Aを透過し、ビームスプリッタ13Bで分岐された光信号は、光学フィルタを介すことなく受光素子15Bで受光される。受光素子15Bでは、例えば図8の破線に示すように、平坦な波長特性(基準波長特性)を有する電気信号が得られる。ただし、各ビームスプリッタ13A,13Bの反射波長特性と各受光素子15A,15Bの波長感度特性とは、使用する波長範囲で十分に平坦な特性を有するものとする。
【0070】
ここで、例えば、単色光を1550.2nmから1550.8nmまで波長を変化させながら光ファイバ11Aに通し、受光素子15Aの出力電流を受光素子15Bの出力電流で除算すると、図8に示した受光素子15Aの単峰性の波長特性と受光素子15Bの基準波長特性との交点の波長において、除算結果がちょうど1となる。上記交点となる波長は、受光素子15A,15Bの各出力電流値が抵抗などによりレベル調整可能であるため、受光素子15A,15Bの一方若しくは両方の電流レベルを変化させることにより電気的に調整可能である。なお、図8には、受光素子15Bの電流レベルを受光素子15Aに対して相対的に低下させた場合の一例が示してある。
【0071】
上記のようにして、各受光素子15A,15Bの出力電流の除算結果が1になる波長を検出することで、光ファイバ11Aを介して入力される光信号の波長が、前述の交点に対応する波長に一致するものであることを検出できるようになる。このような波長検出装置10の具体的な用途としては、例えば、半導体レーザダイオード等の単色光源の出力光を波長検出装置10の主光路に導入して、各受光素子15A,15Bの出力電流の除算結果が1となるようなフィードバック制御を単色光源かけることで、出力光の波長を特定の波長にロックさせることもできる。このような用途で用いられる場合は、いわゆる波長ロッカーとして機能することになる。
【0072】
上記のような本装置の波長検出機能は、上述した第1実施形態または第2実施形態の場合のような波長温度特性の小さいエアギャップ型エタロンを光学フィルタ14として用いることにより、検出される波長の温度依存性を略零とすることができ、温度などの環境の変化に対して極めて安定なものとなる。
【0073】
次に、本発明によるエアギャップ型エタロンを用いた利得等化装置(GEQ)について説明する。
図9は、本発明によるGEQの実施形態の構成を示す概略図である。
【0074】
図9において、本GEQ20は、2つのファイバ21A,21Bと、2つのコリメータレンズ22A,22Bと、2つの光学フィルタ23,24と、上記各部品を所定の位置に保持する筐体25とを備えて構成される。
【0075】
光ファイバ21Aは、外部からの光信号をGEQ20に導くための光伝送路である。コリメータレンズ22Aは、光ファイバ21Aのコアから出射された拡散光を平行光として、各光学フィルタ23,24を介してコリメータレンズ22Bに送る。コリメータレンズ22Bは、光学フィルタ24を通過した光信号を集束光として、光ファイバ21Bのコアに結合させる。光ファイバ21Bは、コリメータレンズ22Bを介して結合された光信号をGEQ20の外部に出力するための光伝送路である。
【0076】
各光学フィルタ23,24は、それぞれの周期的な透過波長特性が所定の温度で1/2周期程度ずれており、かつ、各々の透過波長特性の温度依存性が互いに異なるものを用いる。このような特性を有する光学フィルタとしては、エタロンが好適である。
【0077】
ここで、各光学フィルタ23,24に用いられるエタロンについて詳細に説明する。
本実施形態において2つのエタロンに要求される光学特性は、例えば、FSRが共に28nm程度であり、最大損失が共に−0.9dB程度であって、かつ、互いの周期的な透過波長特性が、所定の温度(例えば25℃等)において1/2周期程度ずれていると共に、一方の波長温度特性が比較的小さく(例えば13pm/℃等)、他方の波長温度特性が比較的大きく(例えば85pm/℃等)なるような特性が必要となる。ここでは、光学フィルタ23として波長温度特性の比較的小さいエタロンを用い、光学フィルタ24として波長温度特性の比較的大きいエタロンを用いることにする。ただし、各光学フィルタ23,24の波長温度特性は、上記の場合に限られるものではなく逆の設定であっても構わない。
【0078】
波長温度特性の比較的小さいエタロン(光学フィルタ23)としては、図示しないが一般的なソリッド型エタロンを用いることができる。次の表3には、上記ソリッド型エタロンのパラメータの設計値の一例を示しておく。
【0079】
【表3】
Figure 0004104802
表3に示すようなソリッド型エタロンは、FSRが28nmで、波長温度特性が13pm/℃となる。ここで、ギャップ材料として用いたガラス(S−BAM9:オハラ社製)の屈折率に応じて生ずるガラスの表面反射(フレネル反射)は5%程度であり、最大損失は−0.9dB程度となるため、ギャップ材料の表面に反射増加膜を形成する必要は特にない。
【0080】
なお、ここでは波長温度特性の小さいエタロンとして一般的なソリッド型エタロンを用いることにしたが、本発明はこれに限らず、上述の第1実施形態または第2実施形態で示したエアギャップ型エタロンを用いてもよい。
【0081】
一方、波長温度特性の比較的大きいエタロン(光学フィルタ24)としては、本発明によるエアギャップ型エタロンを用いる。このエアギャップ型エタロンの構成は、上述した第1実施形態の構成(図1参照)または第2実施形態の構成(図5参照)と同様であって、波長温度特性を大きくするために各パラメータの値を変更したものである。次の表4には、上記エアギャップ型エタロンのパラメータ設計値の一例を示しておく。
【0082】
【表4】
Figure 0004104802
表4に示すようなエアギャップ型エタロンは、FSRが28nmで、波長温度特性が85pm/℃となる。ここでも、上記ソリッド型エタロンの場合と同様に、各平板3,4に用いたガラス(S−BSM9,S−PBL26:オハラ社製)の屈折率に応じて生ずるガラスの表面反射(フレネル反射)は5%程度であり、最大損失は−0.9dB程度となるため、各平板3,4の表面に形成される反射増加膜を省略することが可能である。
【0083】
なお、上記のような波長温度特性の比較的大きいエタロンを従来技術を用いて実現することは難しい。具体的には、波長温度特性が85pm/℃と大きいエタロンを従来のソリッド型で構成した場合を考えると、市販されているガラスでは20pm/℃程度が限界であり、所望の波長温度特性は得られない。また、図21に示したような従来のエアギャップ型で構成した場合を考えると、ギャップ材料として、線膨張係数が5×10-5/℃程度の材料を用いることにより、所望の波長温度特性が大きいエタロンが得られる計算となるが、そのように線膨張係数が大きい材料は一般的には有機物しかない。しかし、有機物では環境に対する安定性や平面への加工性が悪く実用的でないことは、上述したとおりである。
【0084】
次に、本実施形態のGEQ20の作用について説明する。ここでは、例えば、GEQ20を用いてEDFAの利得温度特性を受動的に補償する一例を考える。EDFAの利得波長特性は、一般に1535nmと1555nm付近に利得ピークを持った複雑な形状をしている。この利得波長特性は、従来、例えば逆の透過波長特性を有する固定GEQを設けることにより相殺(補償)され、所定の温度において平坦な利得波長特性を有するEDFAが実現されてきた。しかし、上記EDFAの利得波長特性は、周囲の温度が変動することによって変化してしまう。
【0085】
例えば、25℃においてEDFAの利得波長特性が完全に平坦化されるように固定GEQの透過波長特性を最適化したとき、温度が0〜65℃の間で変動した場合には、図10に示すようにEDFAの利得温度特性(25℃で規格化された利得温度特性)が変化する。すなわち、上記EDFAの利得温度特性は、ちょうど特定の波長で固定された定在波の振幅が変化したような振る舞いをしており、波長特性の形状自体が温度変動に応じて変化している。このような利得温度特性を、1つの光学フィルタ(エタロン)を用い、その温度特性(波長シフト)を利用して補償することは困難である。
【0086】
そこで、本実施形態の利得等化装置20は、波長特性が異なり、かつ、波長温度特性の異なる2つのエタロンを組み合わせて用いることで、上記のようなEDFAの利得温度特性の補償を実現する。
【0087】
図11は、本利得等化装置20の光学フィルタ23,24として適用される各エタロンについて、25℃における各々の透過波長特性と、それらを組み合わせて合成した透過波長特性とを示す図である。
【0088】
図11に示すように、光学フィルタ23,24の各透過波長特性は周期的であり、各々が約1/2周期(π)ずれている。また、合成された透過波長特性は、EDFAの波長帯域(ここでは、1535〜1560nm程度)でほぼ平坦となっており、25℃においてEDFAの利得温度特性に影響を与えないように設計されている。
【0089】
図12〜図14は、温度が変化(0〜65℃)した場合の透過波長特性を示す図であって、図12は、光学フィルタ23(ソリッド型エタロン)の波長温度特性、図13は、光学フィルタ24(エアギャップ型エタロン)の波長温度特性、図14は、各光学フィルタの特性を合成した波長温度特性である。
【0090】
図12に示すように、光学フィルタ23は、温度変化による波長シフト量が比較的小さく(13pm/℃程度)、また、図13に示すように、光学フィルタ24は、温度変化による波長シフト量が比較的大きい(85pm/℃程度)ことが分かる。さらに、図14に示すように、合成された透過波長特性は、前述の図10に示したEDFAの利得温度特性に対して、ほぼ逆の波長特性となっている。すなわち、各光学フィルタ23,24を組み合わせた透過波長特性の温度依存性は、特定の波長で固定された定在波の振幅がEDFAの利得温度特性とは逆に変化するような振る舞いをしている。
【0091】
上記のような光学フィルタ23,24を用いて構成したGEQ20(図9)を、固定GEQにより所定温度(25℃)で利得波長特性が平坦化されたEDFAに接続することによって、EDFAの利得温度特性の補償が実現される。
【0092】
図15は、GEQ20による補償後の波長温度特性(0〜60℃)を示したものである。ただし、ここでは環境の温度変化に対応してEDFAおよびGEQ20の各温度が同じになるものとする。図15に示すように、GEQ20の透過波長特性の温度依存性によって、EDFAの利得温度特性が相殺され、波長温度特性がかなり平坦化されている。具体的には、GEQ20を接続しない場合のEDFAの利得温度特性に比べて、波長平坦性(波長帯域における利得偏差)は半分以下に低減される。
【0093】
上述したように、本実施形態のGEQ20は、例えばEDFAに接続して用いることで、温度変化によってEDFAの利得波長特性が変化しても、その特性を受動的に平坦化することができる。このようなGEQ20を接続したEDFAをWDM伝送装置に適用すれば、各波長の光信号について光SNRの偏差が生じ難くなり、非常に有用である。
【0094】
次に、本発明によるエアギャップ型エタロンを用いた波長特性可変装置について説明する。
図16および図17は、本発明による波長特性可変装置の実施形態の構成を示す図であって、図16は上面図、図17は側方断面図である。
【0095】
図16および図17において、本波長特性可変装置30は、2つのファイバ31A,31Bと、2つのコリメータレンズ32A,32Bと、2つの光学フィルタ33A,33Bと、温度検出素子34と、温度制御素子35と、上記各部品を所定の位置に保持する筐体36とを備えて構成される。ここでは、温度検出素子34および温度制御素子35が温度制御手段として機能する。
【0096】
光ファイバ31Aは、外部からの光信号を波長特性可変装置30に導くための光伝送路である。コリメータレンズ32Aは、光ファイバ31Aのコアから出射された拡散光を平行光として、各光学フィルタ33A,33Bを介してコリメータレンズ32Bに送る。コリメータレンズ32Bは、光学フィルタ33Bを通過した光信号を集束光として、光ファイバ31Bのコアに結合させる。光ファイバ31Bは、コリメータレンズ32Bを介して結合された光信号を波長特性可変装置30の外部に出力するための光伝送路である。
【0097】
各光学フィルタ33A,33Bは、本発明によるエアギャップ型エタロンがそれぞれ用いられる。各光学フィルタ33A,33Bに要求される光学特性については後述する。
【0098】
温度検出素子34は、ここでは光学フィルタ33Aに取り付けられており、光学フィルタ33Aの温度を検出する。この温度検出素子34としては、例えば白金抵抗センサ等を用いることが可能である。温度制御素子35は、ここでは筐体36の上に載置され、該温度制御素子35の上には2つの光学フィルタ33A,33Bが所定位置に載置されている。この温度制御素子35は、温度検出素子34で検出された温度に応じて、各光学フィルタ33A,33Bの温度を制御するものであり、具体的には、例えばペルチェ素子等を用いることが可能である。ペルチェ素子を用いる場合、温度検出素子34で検出された温度に従って、ペルチェ素子に流す電流値を制御する図示しない温度制御回路が設けられる。
【0099】
なお、上記の構成において、光学フィルタ33Aにのみ温度検出素子34を設けた理由は、各光学フィルタ33A,33Bの熱伝導率が同程度であり、温度制御素子35上に載置された2つの光学フィルタ33A,33Bの温度がほぼ同じになると考えられるためである。
【0100】
ここで、各光学フィルタ33A,33Bに用いられるエアギャップ型エタロンについて詳細に説明する。
本波長特性可変装置30に用いられる2つのエアギャップ型エタロンに要求される光学特性は、例えば、FSRが100〜120nm程度であり、最大損失が−4.5dB程度であって、かつ、波長温度特性が非常に大きなもの(約500pm/℃)であると共に、各々の波長温度特性の変化方向(波長シフトの方向)が互いに逆方向になるような特性が必要となる。それぞれのエアギャップ型エタロンの構成は、上述した第1実施形態の構成(図1参照)または第2実施形態の構成(図5参照)と同様であって、波長温度特性を非常に大きくするために各パラメータの値を変更したものである。次の表5には、各光学フィルタ33A,33Bのパラメータ設計値の一例を示しておく。
【0101】
【表5】
Figure 0004104802
表5に示すような設定とすることで、光学フィルタ33Aは波長温度特性が+500pm/℃となり、光学フィルタ33Bは波長温度特性が−500pm/℃となる。なお、最大損失が−4.5dB程度の光学特性を実現するためには、反射増加膜3B,5Bの反射率を25%程度とすればよい。
【0102】
なお、上記のような波長温度特性の非常に大きいエタロンを従来技術を用いて実現するのが困難であることは、上述のGEQの実施形態で説明した内容と同様である。
【0103】
次に、本波長特性可変装置30の作用について説明する。
本波長特性可変装置30では、温度検出素子34の検出結果に従って各光学フィルタ33A,33Bの温度を判断し、温度制御素子35により各光学フィルタ33A,33Bの温度を能動的に制御することで、可変の透過波長特性を実現する。
【0104】
図18〜図20は、温度が変化(0〜65℃)した場合の透過波長特性を示す図であって、図18は、光学フィルタ33Aの波長温度特性、図19は、光学フィルタ33Bの波長温度特性、図20は、各光学フィルタの特性を合成した波長温度特性である。
【0105】
図18および図19に示すように、各光学フィルタ33A,33Bは、温度変化による波長シフト量が非常に大きく(±500pm/℃)、各々の波長シフトの方向が互いに逆方向であることが分かる。また、図20に示すように、合成された透過波長特性は、1530〜1570nmの波長範囲で波長特性の傾斜が±7dB程度に変化していることが分かる。
【0106】
このように本実施形態の波長特性可変装置30では、2つの光学フィルタ33A,33Bにより合成された透過波長特性の傾斜量を、各光学フィルタ33A,33Bの温度制御により能動的に変化させることが可能となる。
【0107】
なお、上記の波長特性可変装置30では、1つの温度検出素子34と1つの温度制御素子35を用いて、2つの光学フィルタ33A,33Bを同じ温度で制御するようにしたが、これ以外にも、例えば2つの光学フィルタ33A,33Bごとに温度検出素子および温度制御素子をそれぞれ設けて、各光学フィルタ33A,33Bの温度を別々に制御しても構わない。この場合、2つの光学フィルタ33A,33Bとして、波長シフトの方向が同じエアギャップ型エタロンを適用し、各々の温度を逆方向に制御する応用も可能である。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の利得等化装置は、周期的な透過波長特性が所定の温度で略1/2周期ずれており、かつ、前記透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタの少なくとも1つをエアギャップ型エタロンとし、そのエアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、第1平行部材の平行な平面間の距離、第1平行部材の膨張係数、第2平行部材の平行な平面間の距離および第2平行部材の膨張係数をそれぞれ設定して、波長温度特性の大きなエアギャップ型エタロンとしたことで、複数の光学フィルタを合成して得られる透過波長特性に従って、温度変動に追従した利得等化が可能になる。
また、本発明の波長特性可変装置は、周期的な透過波長特性を有し、かつ、該透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタを少なくとも2つのエアギャップ型エタロンを用いて構成し、各々のエアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、第1平行部材の平行な平面間の距離、第1平行部材の膨張係数、第2平行部材の平行な平面間の距離および第2平行部材の膨張係数をそれぞれ設定し、さらに、各エアギャップ型エタロンの透過波長特性の温度依存性の変化方向を逆方向としたことで、複数の光学フィルタを合成して得られる透過波長特性の傾斜量が温度制御により可変にすることが可能になる。
さらに、本発明の光増幅器は、上記のような利得等化装置または波長特性可変装置を用いることで、動作条件に応じて変化する利得波長特性の平坦化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエアギャップ型エタロンの第1実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】石英を用いた一般的なソリッド型エタロンの波長温度特性を示す図である。
【図3】第1実施形態のエタロンについての波長温度特性を測定した結果を示す図である。
【図4】石英を用いた従来のエアギャップ型エタロンの波長温度特性を示す図である。
【図5】本発明によるエアギャップ型エタロンの第2実施形態の構成を示す断面図である。
【図6】第2実施形態のエタロンについての波長温度特性を測定した結果を示す図である。
【図7】本発明による波長検出装置の実施形態の構成を示す概略図である。
【図8】波長検出装置の実施形態について、各受光素子で得られる電気信号の波長特性を示す図である。
【図9】本発明による利得等化装置(GEQ)の実施形態の構成を示す概略図である。
【図10】一般的なEDFAの利得温度特性を示す図である。
【図11】利得等化装置の実施形態について、光学フィルタ23,24の25℃における透過波長特性と、それらを合成した透過波長特性とを示す図である。
【図12】利得等化装置の実施形態について、光学フィルタ23の波長温度特性を示す図である。
【図13】利得等化装置の実施形態について、光学フィルタ24の波長温度特性を示す図である。
【図14】利得等化装置の実施形態について、光学フィルタ23,24の特性を合成した波長温度特性を示す図である。
【図15】利得等化装置の実施形態における補償後のEDFAの波長温度特性を示す図である。
【図16】本発明による波長特性可変装置の実施形態の構成を示す上面図である。
【図17】本発明による波長特性可変装置の実施形態の構成を示す側方断面図である。
【図18】波長特性可変装置の実施形態について、光学フィルタ33Aの波長温度特性を示す図である。
【図19】波長特性可変装置の実施形態について、光学フィルタ33Bの波長温度特性を示す図である。
【図20】波長特性可変装置の実施形態について、光学フィルタ33A,33Bの特性を合成した波長温度特性を示す図である。
【図21】従来のエアギャップ型エタロンの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1’…エアギャップ型エタロン
2…固定台
2A…穴部
3…透明平行平板
3A,5A,6A…反射防止膜
3B,5B…反射増加膜
4…平行平板
5…透明平板
6…透明固定台
10…波長検出装置
11A,11B,21A,21B,31A,31B…光ファイバ
12A,12B,22A,22B,32A,32B…コリメータレンズ
13A,13B…ビームスプリッタ
14,23,24,33A,33B…光学フィルタ
15A,15B…受光素子
16,25,36…筐体
20…利得等化装置(GEQ)
30…波長特性可変装置
34…温度検出素子
35…温度制御素子

Claims (4)

  1. 周期的な透過波長特性が所定の温度で略1/2周期ずれており、かつ、前記透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタを備え、該複数の光学フィルタを合成した透過波長特性が、温度変動に応じて受動的に変化する利得等化装置であって、
    前記複数の光学フィルタの少なくとも1つがエアギャップ型エタロンを用いて構成されており、
    前記エアギャップ型エタロンは、
    少なくとも1つの平面を有する固定部材と、
    入射光に対して透明であって、平行な平面を有し、一方の平面が前記固定部材の平面上に接合された第1平行部材と、
    平行な平面を有し、該平行な平面間の距離が、前記第1平行部材の平行な平面間の距離よりも長く、かつ、前記第1平行部材の膨張係数とは異なる膨張係数を有すると共に、一方の平面が前記第1平行部材の周囲を囲むように前記固定部材の平面上に接合された、少なくとも1つの第2平行部材と、
    入射光に対して透明であって、対向する平面を有し、一方の平面が、前記第2平行部材の前記固定部材との接合面に対向する他方の平面上に接合された透明部材と、を備え、
    前記第1平行部材および前記透明部材の互いに対向する平面間に位置するエアギャップを基に、ファブリペロー干渉計が形成され、かつ、前記エアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、前記第1平行部材の平行な平面間の距離、前記第1平行部材の膨張係数、前記第2平行部材の平行な平面間の距離および前記第2平行部材の膨張係数がそれぞれ設定され、前記ファブリペロー干渉計における透過波長特性の温度特性が所定の値にされたことを特徴とする利得等化装置。
  2. 請求項1に記載の利得等化装置を用いた光増幅器であって、
    前記利得等化装置が、温度変動による利得の波長特性とは逆の透過波長特性を有し、温度変動に拘わらず利得の波長特性が平坦化されたことを特徴とする光増幅器。
  3. 周期的な透過波長特性を有し、かつ、該透過波長特性の温度依存性が互いに異なる複数の光学フィルタと、該複数の光学フィルタの温度を制御する温度制御手段とを備え、前記複数の光学フィルタを合成した透過波長特性の傾斜量が、前記温度制御手段による温度制御により能動的に変化可能な波長特性可変装置であって、
    前記複数の光学フィルタがエアギャップ型エタロンを少なくとも2つ用いて構成されており、
    前記各エアギャップ型エタロンは、それぞれ、
    少なくとも1つの平面を有する固定部材と、
    入射光に対して透明であって、平行な平面を有し、一方の平面が前記固定部材の平面上に接合された第1平行部材と、
    平行な平面を有し、該平行な平面間の距離が、前記第1平行部材の平行な平面間の距離よりも長く、かつ、前記第1平行部材の膨張係数とは異なる膨張係数を有すると共に、一方の平面が前記第1平行部材の周囲を囲むように前記固定部材の平面上に接合された、少なくとも1つの第2平行部材と、
    入射光に対して透明であって、対向する平面を有し、一方の平面が、前記第2平行部材の前記固定部材との接合面に対向する他方の平面上に接合された透明部材と、を備え、
    前記第1平行部材および前記透明部材の互いに対向する平面間に位置するエアギャップを基に、ファブリペロー干渉計が形成され、かつ、前記エアギャップの光学的距離の温度依存性が25pm/℃以上となるように、前記第1平行部材の平行な平面間の距離、前記第1平行部材の膨張係数、前記第2平行部材の平行な平面間の距離および前記第2平行部材の膨張係数がそれぞれ設定され、さらに、
    前記各エアギャップ型エタロンの透過波長特性の温度依存性の変化方向が逆方向であることを特徴とする波長特性可変装置。
  4. 請求項3に記載の波長特性可変装置が用いられると共に、動作条件に応じて利得の波長特性が異なる光増幅器であって、
    前記波長特性可変装置が、前記動作条件に応じた利得の波長特性の変化とは逆に変化するような透過波長特性を有し、動作条件に拘わらず利得の波長特性が平坦化されたことを特徴とする光増幅器。
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