JP2009053460A - 波長フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の波長フィルタのパスバンドの中心波長は構成部品である光導波路部材の長さ及び屈折率で決まり、光導波路部材の長さのばらつきがそのまま中心波長のばらつきとなるため、極めて高精度の全長制御が必要である。そのため、従来のエタロン波長フィルタの製造には高精度の組み立て技術が求められ、製造が困難という課題もあった。本発明は、部品数が少なく、高度な製造技術が不要で製造コストが低減でき、パスバンド中心波長の設定に対する汎用性が高く、温度依存性が小さい波長フィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る波長フィルタは、エタロンとして、シングルモードファイバの先端に屈折率分布型レンズを取り付け、その前面に誘電体多層膜ミラーを配置して、これを対向させることとした。
【選択図】図7
【解決手段】本発明に係る波長フィルタは、エタロンとして、シングルモードファイバの先端に屈折率分布型レンズを取り付け、その前面に誘電体多層膜ミラーを配置して、これを対向させることとした。
【選択図】図7
Description
本発明は、シングルモードファイバを対向させたファブリペローエタロンの波長フィルタに関するものである。
従来のファブリペローエタロンの波長フィルタは、図1のように、内部にファイバが挿入されたフェルールである光導波路部材14の両端に反射膜16を直接成膜し、これを円筒スリーブ15に挿入し、両側から光ファイバ11がフェルール12に挿入された光ファイバプラグ13で挟んだ構造である(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2007−121787号公報
しかし、従来のファブリペローエタロン(以下、「ファブリペローエタロン」を「エタロン」と略記する。)の波長フィルタは、特許文献1のように構成部品が多く製造コストがかさむという課題があった。
また、従来の波長フィルタのパスバンドの中心波長は構成部品である図1の光導波路部材14の長さ及び屈折率で決まり、光導波路部材14の長さのばらつきがそのまま中心波長のばらつきとなるため、極めて高精度の全長制御が必要である。そのため、従来のエタロン波長フィルタの製造には高精度の製造技術が求められ、製造が困難という課題もあった。
さらに、光導波路部材14は、波長フィルタのパスバンドの中心波長に応じた長さで作られており、パスバンド毎の専用品のため、波長フィルタのパスバンドの中心波長を変更することが困難で汎用性に課題があった。また、環境温度が変化した場合、光導波路部材14の屈折率や熱膨張収縮による長さの変化により、パスバンドの中心波長の温度依存性が大きいという課題もあった。
そこで、前記課題を解決するため、本発明は、部品数が少なく、高度な製造技術が不要で製造コストが低減でき、パスバンド中心波長の設定に対する汎用性が高く、温度依存性が小さい波長フィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る波長フィルタは、エタロンとして、シングルモードファイバの先端に屈折率分布型レンズを取り付け、その前面に誘電体多層膜ミラーを配置して、これを対向させることとした。
具体的には、本発明に係る波長フィルタは、中心軸から外周に向けて屈折率が低減する屈折率分布型レンズと、前記屈折率分布型レンズの中心軸方向の一端に取り付けられた誘電体多層膜ミラーと、前記屈折率分布型レンズの中心軸方向の他端に互いの光軸が揃うように接続されたシングルモード光ファイバと、を有する導波路2つで形成された光学系を備える波長フィルタであって、前記光学系は、前記導波路の前記誘電体多層膜ミラーがギャップを介して対向しており、一方の前記導波路を伝搬する光の一部を前記ギャップを介して他方の前記導波路に結合することを特徴とする。
本発明に係る波長フィルタは、エタロンを屈折率分布型レンズの先端に付した誘電体多層膜ミラーで構成している。そのため、高度の製造技術が求められ、パスバンド中心波長の設定に対する汎用性が低く、温度依存性が高かった図1の光導波路部材14が不要である。さらに、光ファイバプラグ13も不要であり、構成部品を少なくすることができる。また、導波路間のギャップを調整することでパスバンドの中心波長を容易に変更することができる。
従って、本発明は、部品数が少なく、高度な製造技術が不要で製造コストが低減でき、パスバンド中心波長の設定に対する汎用性が高く、温度依存性が小さい波長フィルタを提供することができる。さらに、屈折率分布型レンズを備えることで、導波路間のギャップの長さ、光軸ずれ及び角度ずれに対する許容範囲が広くなる。
本発明に係る波長フィルタは、前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリをさらに備え、前記光学系の前記導波路は、それぞれ前記キャピラリ内に固定されることが好ましい。
導波路を寸法精度の高いキャピラリに挿入することで、屈折率分布型レンズによる調芯許容範囲の広さから特に調芯を必要とせず、十分に実用範囲の結合損失を得ることができる。そのため、高度な組み立て技術を全く用いないで容易にコリメート光学系を形成できる。従って、キャピラリを備えることで、無調芯で波長フィルタを組み立てでき、高歩留まりとすることができる。
本発明に係る波長フィルタは、前記誘電体多層膜ミラー間のギャップに封入された不活性ガスと、前記キャピラリの温度を制御する温度制御手段と、をさらに備えることが好ましい。ギャップ内部を不活性ガスで封止すると外部環境(特に湿度)の変化にして安定したエタロンが構成できる。さらに、温度制御手段でキャピラリの温度を一定にすれば、完全に温度無依存の波長フィルタとすることができる。
本発明に係る波長フィルタは、前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリと、前記キャピラリの一端に接続された負の膨張係数の伸縮部材と、をさらに備え、前記光学系の一方の前記導波路は前記伸縮部材に固定されており、前記光学系の他方の前記導波路は前記キャピラリ内に固定されていることが好ましい。
本発明に係る波長フィルタは、キャピラリの伸縮方向とキャピラリに直列に接続された伸縮部材の伸縮方向とが逆であるため、全体として熱変動による導波路間のギャップ(キャビティ長)の変化をキャンセルすることができる。
本発明に係る波長フィルタは、前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリと、前記キャピラリの一端に接続され、前記キャピラリ内部に挿入する挿入部を有する正の膨張係数の伸縮部材と、をさらに備え、前記光学系の一方の前記導波路は前記伸縮部材の前記挿入部に固定されており、前記光学系の他方の前記導波路は前記キャピラリ内に固定されていることが好ましい。
本発明に係る波長フィルタは、キャピラリに挿入された伸縮部材の伸縮方向がキャピラリの伸縮方向と逆であるため、全体として熱変動による導波路間のギャップ(キャビティ長)の変化をキャンセルすることができる。
本発明に係る波長フィルタの前記キャピラリは、内部に形成される前記光学系が複数であってもよい。
1つの波長フィルタで複数の光学系をもつことができ、部品数の低減を図ることができる。
本発明によれば、高度な組み立て技術が不要で製造コストが低減でき、要求されるパスバンド中心波長の設定に対する汎用性が高く、温度依存性が小さい波長フィルタを提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
図2は、本実施形態の波長フィルタ301の構成を示す図である。波長フィルタ301は、中心軸から外周に向けて屈折率が低減する屈折率分布型レンズ51と、屈折率分布型レンズ51の中心軸方向の一端に取り付けられた誘電体多層膜ミラー52と、屈折率分布型レンズ51の中心軸方向の他端に互いの光軸が揃うように接続されたシングルモード光ファイバ53と、を有する導波路61を2つで形成された光学系を備える。この光学系は、導波路61の誘電体多層膜ミラー52がギャップLcを介して対向しており、一方の導波路61を伝搬する光の一部がギャップLcを介して他方の導波路61に結合することを特徴とする。
図2は、本実施形態の波長フィルタ301の構成を示す図である。波長フィルタ301は、中心軸から外周に向けて屈折率が低減する屈折率分布型レンズ51と、屈折率分布型レンズ51の中心軸方向の一端に取り付けられた誘電体多層膜ミラー52と、屈折率分布型レンズ51の中心軸方向の他端に互いの光軸が揃うように接続されたシングルモード光ファイバ53と、を有する導波路61を2つで形成された光学系を備える。この光学系は、導波路61の誘電体多層膜ミラー52がギャップLcを介して対向しており、一方の導波路61を伝搬する光の一部がギャップLcを介して他方の導波路61に結合することを特徴とする。
屈折率分布型レンズ51は、例えば、GRINレンズ又はグレーデッドインデックスファイバを一定の長さで切り出したものである。誘電体多層膜ミラー52は、例えば、ハーフミラーである。SiO2やTiO2を蒸着又はスパッタすることで形成できる。
導波路61は、シングルモード光ファイバ53の先端に屈折率分布型レンズ51を融着接続した後に、屈折率分布型レンズ51を適当な長さでカットして製造する。屈折率分布型レンズ51の屈折率分布と長さを適当にするとシングルモード光ファイバ53から屈折率分布型レンズ51に入った光はコリメート光として導波路61から出射される。2本の導波路61の屈折率分布型レンズ51を対向させると極めて結合損失の小さいコリメート光学系が構成できる。
対向させた屈折率分布型レンズ51の両方の先端に誘電体多層膜ミラー52を形成すると、エアギャップのエタロンが構成できる。最小損失を与える両誘電体多層膜ミラー52間のギャップLcの距離は屈折率分布型レンズ51の開口率(NA)や長さで決定されるが、レンズ作用のため光軸方向のギャップLcの距離が変化しても大きな損失変化が生じないという特徴がある。この結果、波長フィルタ301は、ギャップLcの距離を変化させることで、目的とするパスバンドの中心波長を容易に低損失のまま調整でき、パスバンド中心波長の設定に対する汎用性が高い波長フィルタとすることができる。
波長フィルタ301は、屈折率分布型レンズの先端でエタロンを構成するため、図1で説明した光導波路部材14や光ファイバプラグ13が不要である。波長フィルタ301は構成部品が少なく、製造コストを低減できる。また、波長フィルタ301は、光導波路部材14や光ファイバプラグ13を作る高度の製造技術が不要であり、製造が容易である。また、波長フィルタ301は、光導波路部材14を使用しないため、モジュール構造を工夫することでパスバンドの中心波長の温度依存性も小さくすることができる。さらに、屈折率分布型レンズを備えたことによりギャップの長さ、光軸ずれ及び角度ずれに対する実装許容範囲が広がり、高度の組み立て技術が不要で製造が容易である。
シングルモード光ファイバ53の径と屈折率分布型レンズ51の径とは等しくなくてもよい。図3は、屈折率分布型レンズ51の径の方が大きい場合の導波路62で形成した波長フィルタ302を示している。図4は屈折率分布型レンズ51の径の方が小さい場合の導波路63で形成した波長フィルタ303を示している。また、図5、図6はそれぞれ屈折率分布型レンズ51としてグレーデッドインデックスファイバを一定の長さで切り出したものを用いた波長フィルタ304、波長フィルタ305を示している。後述するキャピラリに図3の導波路61及び図6の導波路65を挿入する場合、屈折率分布型レンズ51が入る大きさのキャピラリを選択する。図3の導波路62、図4の導波路63及び図6の導波路65の場合、シングルモード光ファイバ53と屈折率分布型レンズ51とを融着させたときに、ふくらみが生じてもキャピラリへの挿入に影響しない。
(実施の形態2)
波長フィルタを容易に構成する方法として、キャピラリ内で導波路61を対向させてエタロンを構成する方法がある。図7は、本実施形態の波長フィルタ311の構成を示す図である。波長フィルタ311は、導波路61a及び導波路61bの誘電体多層膜ミラーが互いに対向するようにキャピラリ71に両端から挿入され、内部で前記光学系が形成される構成を備える。導波路61a及び導波路61bは図2で説明した導波路61と同じ構成である。
波長フィルタを容易に構成する方法として、キャピラリ内で導波路61を対向させてエタロンを構成する方法がある。図7は、本実施形態の波長フィルタ311の構成を示す図である。波長フィルタ311は、導波路61a及び導波路61bの誘電体多層膜ミラーが互いに対向するようにキャピラリ71に両端から挿入され、内部で前記光学系が形成される構成を備える。導波路61a及び導波路61bは図2で説明した導波路61と同じ構成である。
キャピラリ71は、内径寸法公差が小さい精密ガラスキャピラリが好ましい。キャピラリ71に導波路61a及び導波路61bを挿入するので、キャピラリ71の内径はシングルモード光ファイバ53の外径より若干大きい。また、図4の波長フィルタ303のように屈折率分布型レンズ51の外径は、シングルモード光ファイバ53の外径より小さいことが好ましい。具体的には、シングルモード光ファイバ53のコア径は10μm、外径は125±0.5μmである。キャピラリ71の内径は126μm以上127μm以下である。
キャピラリ71の両端から導波路61a及び導波路61bを挿入し、キャピラリ71内部で誘電体多層膜ミラー52を対向させてギャップLcを形成すると低損失のコリメート光学系が構成でき、エタロンが容易に構成できる。波長フィルタ311は、所望のパスバンド中心波長となるギャップLcとなるように導波路61a及び導波路61bをキャピラリ71の内面に固定される。導波路61aとキャピラリ71との固定部を接着層76で示す。
導波路61a、導波路61b、キャピラリ71及び接着剤があれば、無調芯で簡単に波長フィルタを組み立てでき、低コストであるとともにパスバンドの中心波長を簡単に変えることができるために顧客の要求に合わせた製品の大量製造が可能となる。
(実施の形態3)
図8は、本実施形態の波長フィルタ312の構成を示す図である。波長フィルタ312と図7の波長フィルタ311との違いは、波長フィルタ312が温度制御手段72を備え、ギャップLcに不活性ガスが封入されていることである。
図8は、本実施形態の波長フィルタ312の構成を示す図である。波長フィルタ312と図7の波長フィルタ311との違いは、波長フィルタ312が温度制御手段72を備え、ギャップLcに不活性ガスが封入されていることである。
シングルモード光ファイバ53(石英ファイバ)及び屈折率分布型レンズ51の熱膨張係数は0.54×10−6/Kである。一方、キャピラリ71(ガラスキャピラリ)の熱膨張係数は5.1×10−6/Kである。例えば、周囲温度が25℃から85℃まで変化したとき、25℃のキャピラリ71の長さを10mmとすると、温度上昇によるキャピラリ71の伸びは3.06μmとなる。一方、導波路61aと導波路61bとを合わせた伸びは0.32μmである。したがって、エタロンのギャップLcの長さは、25℃で10μmにセットした場合、85℃で2.74μmだけ伸びて12.74μmとなる。このように、従来の波長フィルタが使用していた光導波路部材14以外にも、環境温度上昇によるキャピラリ71や導波路61自身の伸びで、パスバンドの中心波長は変化する。
そこで、波長フィルタ312は、キャピラリ71の温度を制御する温度制御手段72を備える。温度制御手段72は、例えば、ペルチェ素子である。温度制御手段72により、キャピラリ71、導波路61a及び導波路61bの温度は一定となる。従って、波長フィルタ312は、温度制御手段72によりキャピラリ71、導波路61a及び61bの伸縮を防ぎ、ギャップLcの長さを一定にすることで、パスバンドの中心波長を環境温度に無依存としている。さらに、ギャップLc内部を不活性ガスで封止すると外部環境(特に湿度)の変化にして安定したエタロンが構成できる。不活性ガスは、例えば、窒素ガスである。波長フィルタ312は、パスバンドの中心波長が環境から影響を受けない安定した波長フィルタとすることができる。
(実施の形態4)
図9は、本実施形態の波長フィルタ313の構成を示す図である。波長フィルタ313と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ71の一端に接続された負の膨張係数の伸縮部材73を備えていることである。導波路61bは伸縮部材73に固定されており、導波路61aはキャピラリ71内に固定されている。
図9は、本実施形態の波長フィルタ313の構成を示す図である。波長フィルタ313と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ71の一端に接続された負の膨張係数の伸縮部材73を備えていることである。導波路61bは伸縮部材73に固定されており、導波路61aはキャピラリ71内に固定されている。
図9の波長フィルタ313は、負の膨張係数の伸縮部材73によりキャピラリ71、導波路61a及び導波路61bの伸縮をキャンセルしてギャップLcの長さを一定にすることで、パスバンドの中心波長を環境温度に無依存としている。具体例を次に示す。
図9のように、キャピラリ71の一方の端に一定の長さの伸縮部材73を接着する。さらに、伸縮部材73のキャピラリ71との接着点と反対側で導波路61bを接着している。ここで、キャピラリ71との接着点と導波路61bとの接着点との間の光軸方向の距離を伸縮部材73の長さとする。セラミックを伸縮部材73として使用できる。例えば、伸縮部材73は、商品名 CRESAT(日本電気硝子製)である。典型的なCRESATの熱膨張係数は−0.82×10−6/Kである。CRESATの長さを調整して温度変化分をキャンセルさせる。
例えば、先の例で示したように25℃から85℃への温度変化でギャップLcの長さが2.74μm伸びた場合、2.74μmだけ収縮するようにするとギャップLcの長さは温度で変化せず、この結果パスバンドの中心波長も温度で変化しない。すなわち温度無依存の波長フィルタとすることができる。具体的には、CRESATの長さを5.56mmとするとギャップLcの長さは温度無依存となる。この結果、温度無依存の波長フィルタが実現できた。なお、この5.56mmは接着部などを考慮せずに計算した値であり、実際のモジュールでは事前試作で温度無依存になる長さを実験的に求める必要がある。
(実施の形態5)
図10は、本実施形態の波長フィルタ314の構成を示す図である。波長フィルタ314と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ71の一端に接続され、キャピラリ71内部に挿入する挿入部74eを有する正の膨張係数の伸縮部材74を備えていることである。導波路61bは伸縮部材74の挿入部74eに固定されており、導波路61aはキャピラリ71内に固定されている。
図10は、本実施形態の波長フィルタ314の構成を示す図である。波長フィルタ314と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ71の一端に接続され、キャピラリ71内部に挿入する挿入部74eを有する正の膨張係数の伸縮部材74を備えていることである。導波路61bは伸縮部材74の挿入部74eに固定されており、導波路61aはキャピラリ71内に固定されている。
図10の波長フィルタ314は、挿入部74eの伸縮方向がキャピラリ71の伸縮方向と逆の方向であることを利用している。波長フィルタ314は、正の膨張係数の伸縮部材74によりキャピラリ71、導波路61a及び導波路61bの伸びをキャンセルしてギャップLcの長さを一定にすることで、パスバンドの中心波長を環境温度に無依存としている。具体例を次に示す。
図10のように、キャピラリ71の一方の端から内部に挿入部74eを挿入して伸縮部材74をはめ込む。伸縮部材74とキャピラリ71との接着点はキャピラリ71の一方の端である。伸縮部材74と導波路61bとの接着点は、挿入部74eの先端である。ここで、キャピラリ71との接着点と導波路61bとの接着点との間の光軸方向の距離を素材74の長さとする。伸縮部材74の熱膨張による導波路61bとの接着点の移動方向がキャピラリ71の熱膨張による伸びの方向と逆であることを利用して、キャピラリ71、導波路61a及び導波路61bの伸びをキャンセルしてギャップLcの長さを一定にする。例えば、キャピラリ71の長さを13.58mmとする。伸縮部材74としてSUS303又はSUS304(熱膨張係数17.3×10−6/K)を用いた場合、伸縮部材74の長さを3.58mmとするとギャップLcの長さは温度無依存となる。この結果、温度無依存の波長フィルタが実現できた。なお、この3.58mmは接着部などを考慮せずに計算した値であり、実際のモジュールでは事前試作で温度無依存になる長さを実験的に求める必要がある。
キャピラリ71と伸縮部材74との接着部では温度変化で大きな応力を発生する。応力を緩和するための手段として、例えば伸縮部材74の熱膨張係数をキャピラリ71の値に近い値とし、伸縮部材74の長さの伸縮量を大きくするために挿入部74eの長さを長くしておく。また、応力を緩和するための他の手段として、接着層76にKOVARなどキャピラリ71に近い熱膨張係数の伸縮部材を利用することもできる。
(実施の形態6)
図11は、本実施形態の波長フィルタ315の構成を示す図である。波長フィルタ315と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ91の内部に形成される光学系が複数であることである。キャピラリ91は図7で説明したキャピラリ71と同様であるが、導波路を挿入する孔を2つ有している。キャピラリ91の光軸方向に垂直な面での断面図を図12に示す。キャピラリ91は、例えば、直径1.8mmであり、導波路を挿入する孔82の内径が127μmである。また、キャピラリ91の孔82は3つ以上であってもよい。さらに、キャピラリ91の孔82は図13や図14に示すように複数の導波路が差し込める形状であってもよい。
図11は、本実施形態の波長フィルタ315の構成を示す図である。波長フィルタ315と図7の波長フィルタ311との違いは、キャピラリ91の内部に形成される光学系が複数であることである。キャピラリ91は図7で説明したキャピラリ71と同様であるが、導波路を挿入する孔を2つ有している。キャピラリ91の光軸方向に垂直な面での断面図を図12に示す。キャピラリ91は、例えば、直径1.8mmであり、導波路を挿入する孔82の内径が127μmである。また、キャピラリ91の孔82は3つ以上であってもよい。さらに、キャピラリ91の孔82は図13や図14に示すように複数の導波路が差し込める形状であってもよい。
図11では、両光学系ともギャップLcの長さを等しくしているが、互いに異なるギャップLcの長さとしてもよい。異なる中心波長のパスバンドをもつ波長フィルタとすることができる。波長フィルタ315の両光学系のギャップLcの長さを同じにして、図15のように両光学系を直列に接続すれば、よりシャープなエッジを持つ波長フィルタが構成できる。直列接続にする手段は、図15のようにファイバ間を融着接続する手段以外に、コネクタで接続する手段がある。
本発明の波長フィルタは、ギャップLcの長さを積極的に変化させることでパスバンドの中心波長を変化させる可変波長フィルタとすることができる。
301〜305、311〜317:波長フィルタ
11:光ファイバ
12:フェルール
12a:内孔
13:光ファイバプラグ
14:光導波路部材
15:円筒スリーブ
16:反射膜
30:コア
31:クラッド
51:屈折率分布型レンズ
52:誘電体多層膜ミラー
53、55:シングルモード光ファイバ
61、61a、61b、62、63、64、65:導波路
71、91:キャピラリ
72:温度制御手段
73:負の膨張係数を有する伸縮部材
74:正の膨張係数を有する伸縮部材
74e:挿入部
76:接着層
82:孔
Lc:ギャップ
11:光ファイバ
12:フェルール
12a:内孔
13:光ファイバプラグ
14:光導波路部材
15:円筒スリーブ
16:反射膜
30:コア
31:クラッド
51:屈折率分布型レンズ
52:誘電体多層膜ミラー
53、55:シングルモード光ファイバ
61、61a、61b、62、63、64、65:導波路
71、91:キャピラリ
72:温度制御手段
73:負の膨張係数を有する伸縮部材
74:正の膨張係数を有する伸縮部材
74e:挿入部
76:接着層
82:孔
Lc:ギャップ
Claims (6)
- 中心軸から外周に向けて屈折率が低減する屈折率分布型レンズと、
前記屈折率分布型レンズの中心軸方向の一端に取り付けられた誘電体多層膜ミラーと、
前記屈折率分布型レンズの中心軸方向の他端に互いの光軸が揃うように接続されたシングルモード光ファイバと、
を有する導波路2つで形成された光学系を備える波長フィルタであって、
前記光学系は、前記導波路の前記誘電体多層膜ミラーがギャップを介して対向しており、一方の前記導波路を伝搬する光の一部を前記ギャップを介して他方の前記導波路に結合することを特徴とする波長フィルタ。 - 前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリをさらに備え、
前記光学系の前記導波路は、それぞれ前記キャピラリ内に固定されることを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。 - 前記誘電体多層膜ミラー間のギャップに封入された不活性ガスと、
前記キャピラリの温度を制御する温度制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の波長フィルタ。 - 前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリと、
前記キャピラリの一端に接続された負の膨張係数の伸縮部材と、
をさらに備え、前記光学系の一方の前記導波路は前記伸縮部材に固定されており、前記光学系の他方の前記導波路は前記キャピラリ内に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。 - 前記導波路が両端から挿入され、内部で前記光学系が形成されるキャピラリと、
前記キャピラリの一端に接続され、前記キャピラリ内部に挿入する挿入部を有する正の膨張係数の伸縮部材と、
をさらに備え、前記光学系の一方の前記導波路は前記伸縮部材の前記挿入部に固定されており、前記光学系の他方の前記導波路は前記キャピラリ内に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の波長フィルタ。 - 前記キャピラリは、内部に形成される前記光学系が複数であることを特徴とする請求項2から5に記載のいずれかの波長フィルタ。
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- 2007-08-28 JP JP2007220515A patent/JP2009053460A/ja active Pending
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