JP4103244B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭で使用される給湯機や暖房機等、特に燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の燃焼装置は特開平6−129610号公報に記載されているようなものが一般的であった。この燃焼装置は図9に示されているように、ノズル1から噴出される液体燃料を電気式の加熱手段で加熱する気化器2と、この気化器2の下流側に混合気通路3とその更に下流側に燃焼部4を設けている。また混合気通路3と燃焼部4の周囲には2次空気室5が設けられている。燃焼部4は、混合気通路3と連通する多孔状の1次炎口6と、この1次炎口6を複数個に分割し、2次空気室5と連通する2次空気通路7と、この2次空気通路7に連通する希釈通路8と、この希釈通路8と2次空気通路7を連通する2次空気噴出孔9と、希釈通路8に設けられ、1次炎口6の上流側から貫通した、1次炎口6よりも大なる複数個の混合気流入孔10と、希釈通路8に設け、1次炎口6の下流側に開口した複数個の2次炎口11で構成されている。
【0003】
そしてこの燃焼装置は、ノズル1から液体燃料が気化器2へ液滴となって吐出され、加熱気化される。一方、燃焼用空気の一部は1次空気として気化器2内へ導入され、気化された燃料と混合されて可燃混合気となり、混合気通路3で均一に混合された後、1次炎口6で火炎を形成し、燃焼される。一方残りの空気は2次空気室5を介して2次空気通路7の2次空気噴出口9から希釈通路8に供給される。希釈通路8では、混合気流入孔10から供給される可燃混合気とこの空気が混合されて濃度の薄い混合気が形成され、2次炎口11から噴出され、1次炎口6に形成される火炎により着火と保炎が行われ、この濃度の薄い火炎により窒素酸化物を低減するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃焼装置では、燃焼量が小さくなるように可変すると、1次炎口6に火炎が密着し、1次炎口6の温度が上昇して赤熱し、1次炎口6上流側に逆火するので、1次炎口6を損傷するという課題を有していた。また長期間の使用の間に赤熱する部分が熱変形を起こすので、逆火や燃焼不良を起こすという課題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、液体燃料を気化する気化器と、この気化器の一部に濃い濃度の気化ガスを形成するために設けた濃気化室と、この濃気化室と分離し、薄い濃度の気化ガスを形成するために設けた淡気化室と、前記濃気化室の下流側に設けた濃炎口 と、前記淡気化室の下流側に設けた淡炎口と、前記濃気化室に液体燃料を供給する濃燃料ノズルと、前記淡気化室に液体燃料を供給する淡燃料ノズルと、送風通路を介して前記濃気化室および前記淡気化室に空気を送る送風手段と、前記濃燃料ノズルと淡燃料ノズルに燃料供給管を介して液体燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼量の大きさにより濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させる燃料調節手段を有し、前記燃料調節手段は、前記送風通路の送風圧力が上昇した時に、燃料供給配分比率を変化させるものである。
【0006】
上記発明によれば、燃焼量を変化させた時に濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させるので、濃炎口に火炎が密着することを防止し、濃炎口の温度が上昇して赤熱することによる濃炎口の上流側への逆火や長期間の使用の間に赤熱する部分が熱変形を起こして生じる逆火や燃焼不良を防止することができる。また、燃焼量が大きな時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を減少させ、空気不足状態の黄火発生を防止し、燃焼量が小さい時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を増加させ、火炎の密着を防止して濃炎口の赤熱を防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1の発明は、液体燃料を気化する気化器と、この気化器の一部に濃い濃度の気化ガスを形成するために設けた濃気化室と、この濃気化室と分離し、薄い濃度の気化ガスを形成するために設けた淡気化室と、前記濃気化室の下流側に設けた濃炎口と、前記淡気化室の下流側に設けた淡炎口と、前記濃気化室に液体燃料を供給する濃燃料ノズルと、前記淡気化室に液体燃料を供給する淡燃料ノズルと、送風通路を介して前記濃気化室および前記淡気化室に空気を送る送風手段と、前記濃燃料ノズルと淡燃料ノズルに燃料供給管を介して液体燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼量の大きさにより濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させる燃料調節手段を有し、前記燃料調節手段は、前記送風通路の送風圧力が上昇した時に、濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させるものである。
【0008】
そして、燃焼量が小さくなるように可変した時に濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を高めて燃料供給量を増加させ、濃炎口に火炎が密着することを防止するので、濃炎口の温度が上昇して赤熱することによる濃炎口の上流側への逆火や長期間の使用の間に熱変形を起こして生じる逆火や燃焼不良を防止することができる。また、燃焼量が大きな時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を減少させることにより、空気不足状態の黄火発生を防止し、燃焼量が小さい時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を増加させることにより、火炎の密着を防止して濃炎口の赤熱を防止できる。
【0009】
また請求項2の発明は、送風通路の送風圧力が上昇した時に、濃気化室に流入する空気の空気供給配分比率を増加させる空気調節手段Cを有するものである。
【0010】
そして、燃焼量の大きな時は、濃気化室に流入する空気の空気供給配分比率を増加させ、濃炎口から噴出する気化ガスの濃度を低下させ、火炎温度を降下させて窒素酸化物の発生を防止できる。燃焼量が小さい時は、空気供給配分比率を増加させて空気過剰状態を形成し、濃炎口への火炎密着を防止して、濃炎口の赤熱を防止できる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の燃焼装置を示す要部断面図である。
【0013】
図1において、液体燃料である灯油は燃料タンク(図示せず)から燃料ポンプで構成される燃料供給手段20に吸い上げられ、燃料供給管21を介して濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23に分岐されて供給される。燃料ポンプは、電気的なパルスによりシリンダーを往復させて燃料を供給できるように構成されている。濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23は、鋼、黄銅、セラミックス等の硬質の材料で構成されている。24は濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の前方に設けられた気化器で、アルミ、ジュラルミン等のアルミ合金、黄銅、銅、鋼、鋳鉄等の熱伝導の良い、耐熱材料で筒状に形成されている。
【0014】
気化器24の内部は、気化器24の内壁の一部で形成された仕切壁25で分離され、濃燃料ノズル22が挿入され、濃い濃度の気化ガスを形成するための濃気化室26と淡燃料ノズル23が挿入され、薄い濃度の気化ガスを形成する淡気化室27が構成されている。気化器24の側面には、濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の先端が濃気化室26と淡気化室27に臨みながら挿入できるように、それぞれに開口された濃空気口28と淡空気口29を設けた、気化器蓋30が設けられており、この気化器蓋30はアルミ、黄銅、銅、鋳鉄等の熱伝導の良い材料で造られている。気化器蓋30の一部が仕切壁25に密着して、濃気化室26と淡気化室27を独立した空間として構成している。
【0015】
濃燃料ノズル22は、気化器24の内壁を凹ませて構成された濃気化面31に向けて挿入されている。また淡燃料ノズル22は、気化器24の内壁を凹ませて構成された淡気化面32に向けて挿入されている。33は、濃気化面31と淡気化面32の近傍の気化器24側壁に鋳込まれた電熱式のヒータで、ニクロム線、カンタル線等の発熱体で構成されている。濃気化室26の下部には、濃混合気噴出口34が設けられ、その下流側には、アルミ、黄銅、銅、鋳鉄等の熱伝導の良い材料で造られた碗状の濃搬送通路35が設けられている。濃搬送通路35の下流には、鋼、鉄、チタン、ジュラルミン、セラミック等の耐熱材料で造られた多孔状の濃炎口36が設けられている。同じように淡気化室27の下部には、淡混合気噴出口37が設けられ、その下流側には、アルミ、黄銅、銅、鋳鉄等の熱伝導の良い材料で造られた碗状の淡搬送通路38が設けられている。淡搬送通路38の下流には、鋼、鉄、チタン、ジュラルミン、セラミック等の耐熱材料で造られた多孔状の淡炎口39が設けられている。
【0016】
濃炎口36は、濃度の濃い混合気(液体燃料の理論空気量よりも少ない空気量で形成されている)により濃火炎40が形成され、淡炎口39は、濃度の薄い混合気(液体燃料の理論空気量よりも多い空気量で形成されている)により淡火炎41が形成される。濃炎口36と淡炎口39は、ほぼ同一平面状に構成され、それぞれ濃搬送通路35と淡搬送通路38の先端に独立して設けられている。また淡炎口39の周囲を濃炎口36で囲むように配置されている。
【0017】
42は燃焼部全体を覆うバーナケースで、その内側の空間は、気化器24、濃搬送通路35と淡搬送通路38、濃炎口36と淡炎口39の周囲を囲むように設けられた空気通路43となっている。44は、濃炎口36と淡炎口39と空気通路43との間に設けられた側壁で、その内側に燃焼室45が形成される。濃炎口36と淡炎口39の装着は、それぞれ濃搬送通路35と淡搬送通路38の側部に濃炎口36と淡炎口39の一部を接触させて複数個の点溶接により行われている。
【0018】
46は気化器24の背面に燃焼室45に張り出すように形成されたフィン状の受熱部である。受熱部46は、濃炎口36の上方に張り出すような位置に構成され、フィン形状を櫛刃のように濃炎口36面に沿って複数個設けられている。また受熱部46は、気化器24の淡気化面32近傍の背面に設置され、淡気化面32に燃焼熱が速く、充分に伝わるように構成されている。
【0019】
47は空気通路43の天板部48に、濃炎口36と淡炎口39の上方を覆うように載置された熱交換器である。49は燃焼用空気を供給するための送風機で構成される送風手段で、羽根車には高圧を出せるターボファンやラジアルファン等を用い、それをモータで回転させるように構成され、空気通路43の側部の一部に連通された送風通路50に連結されている。51は、気化器24の温度を検知するためのサーミスタ、熱電対等で構成される温度検知部である。52は、温度検知部51の値から電熱式のヒータ33をオン、オフさせて、気化器24を所定の温度に加熱、維持する制御部である。制御部52は、運転スイッチの指示や負荷の大きさにより燃料供給手段20と送風手段49をコントロールするように設けられている。
【0020】
53は燃焼量の大きさにより濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給配分比率を変化させるために、燃料供給管21の淡燃料ノズル23側の途中に設けられた燃料調節手段である。燃料調節手段53は、制御部52により燃料供給手段20と連動させながら、コントロールされている。そして、燃焼量を減少させた時(特に最小燃焼量)に定格の燃焼量(最大燃焼量)時の濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給量の配分比率(例えば濃燃料ノズル22側の供給量を1とすると淡燃料ノズル23側の供給量を1から4倍に設定できるが、好ましくは2から3倍が適当である)を変化させて、淡燃料ノズル23側の供給量を減少させて濃燃料ノズル22側の配分比率を増加するように設けられている。燃料調節手段53は、電磁コイル式のソレノイドバルブやモータ駆動式の多方弁により構成されている。 また図1では、気化器24内で、濃気化室26と淡気化室27を仕切壁25により上下方向に設けてあるが、左右方向に並列させて構成する場合もある。
【0021】
また図1では、燃料供給手段20から燃料供給管21を分岐させて濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23を設けてあるが、複数個の燃料供給手段20を設け、それぞれに濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23を連結させて、制御部52により独立したコントロールを行わせる場合もある。
【0022】
次に動作、作用について説明すると、電源(図示せず)を投入すると電熱式のヒータ33に通電され、気化器24が加熱される。気化器24が所定の温度に達すると温度検知部51により検知を行い、制御部52の指示により送風手段49が作動し、燃焼用空気が供給される。これと同時に燃料供給手段20が作動し、燃焼量の大きさ(例えば定格燃焼量)により設定された燃料供給配分の燃料が濃燃料ノズル22から濃気化面31に、淡燃料ノズル23から淡気化面32に噴霧される。
【0023】
燃料は高温の濃気化面31と淡気化面32で気化され、送風通路50を介して濃空気口28と淡空気口29から濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23のそれぞれの燃料供給量に適合するように配分を決められ、供給される1次空気と混合されながら、一部は、濃混合気噴出口34を通り濃搬送通路35に搬送され、均一な混合気となり濃炎口36から噴出される。同じように他方は、淡混合気噴出口37を通り淡搬送通路38に搬送され、均一な混合気となり淡炎口39から噴出される。そしてあらかじめ火花放電を行っていた点火電極(図示なし)により濃炎口36から噴出する混合気に着火し、濃火炎40が形成され燃焼を開始する。淡炎口39から噴出された濃度の薄い混合気は、濃火炎40により着火が行われ、淡火炎41が形成される。以後、濃火炎40の熱を気化器24の受熱部46で受けて、気化器24は加熱される。
【0024】
濃炎口36上に形成された濃火炎40や淡炎口39上に形成された淡火炎41は、炎検知部(フレームロッド:図示なし)によりその状態を監視され、安定燃焼を持続させる。また燃焼で生じた高温の燃焼ガスは、熱交換器47で熱交換され排出される。
【0025】
ここで、燃焼量を小さく絞る(例えば最小燃焼量)と制御器52により燃料調節手段53が作動し淡燃料ノズル23側の燃料供給管21の通路抵抗を増加させ、濃燃料ノズル22側の燃料が供給される割合が高くなる。濃炎口36に形成される濃火炎40の濃度が高くなると、濃炎口36の負荷が上昇して、燃焼量が小さくても濃炎口36に濃火炎40が密着しないので、濃炎口36への濃火炎40密着による赤熱状態が防止され、濃搬送通路35内への逆火や濃炎口36の熱変形を防止できる。
【0026】
また濃炎口36が赤熱しないので、長期間の小燃焼量状態の使用に対して熱変形を防止することができる。
【0027】
また濃炎口36が赤熱しないので、排気の出口に強風が当たり、燃焼室45に逆圧がかかっても逆火しない状態を保つことができる。
【0028】
また気化器24の内部を濃気化室26と淡気化室27に分離して、それぞれに燃料供給管21から分岐した濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23を設けたので、それぞれに適正な配分の燃料を供給でき、燃料配分の可変を正確に行うことができる。これにより、窒素酸化物や一酸化炭素や刺激臭の発生を防止することができる。
【0029】
また最大燃焼量の場合と最小燃焼量の場合とで濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23への燃料供給の配分比率を変化させるので、最大燃焼量の場合では、濃燃料ノズル22への燃料供給を抑制し、淡炎口39に混合気濃度の低い希薄な淡火炎41を多量に形成できる構成を用いて燃焼反応を抑制し、火炎温度を低下させることにより排気ガス中の窒素酸化物の低減を促進できる。また最小燃焼量の場合では、濃炎口36と淡炎口39の負荷の減少により窒素酸化物の発生が抑制されるので、濃炎口36への燃料供給を増加させても窒素酸化物の発生を悪化させることなく、濃炎口36の赤熱を防止する状態を作ることができる。
【0030】
また淡炎口39の周囲を濃炎口36で囲むように配置し、燃焼量が小さくなるように絞った時に濃炎口36の負荷を増加させる。このため火炎温度の高い濃火炎40の割合が増加し、全体の燃焼量が減少して、火炎温度が低く、燃焼が悪化し易い傾向にある淡火炎41の周囲を、火炎温度の高い濃火炎40で包み込み、淡火炎41の崩壊を防止して、一酸化炭素や刺激臭の発生を防止することができる。
【0031】
(実施例2)
図2は実施例2の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0032】
実施例1と異なる点は濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給配分比率を可変する時に、濃気化室26と淡気化室27に流入する空気の空気供給配分比率を変化させる空気調節手段54を有する点である。空気調節手段54は、気化器蓋30に設けられた淡空気口29の上流側に筒状の導入通路55を設け、その中に淡燃料ノズル23を挿入し、導入通路55の入り口側に開閉板56を設けている。開閉板56は、モータにより回転させるか、電磁コイル式のソレノイドにより押し引きにより導入通路55の通路抵抗を増加させ、濃燃料ノズル22の燃料を増加させた時に濃気化室26への空気供給を増加させる。また開閉板56には、開口部57が設けられ、開閉板56が導入通路55の入り口を閉止して開口部57により通路抵抗が設定できるように構成してある。
【0033】
なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0034】
次に動作、作用について説明すると、燃焼量が小さくなるように可変した時に濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を増加させるとともに、開閉板56を作動して導入通路55を介して淡気化室27に流入する空気を抑制し、濃気化室26に流入する空気の空気供給配分比率を増加させ、濃炎口36に火炎を密着させない空気量を供給する。これにより、濃炎口36の温度が上昇して赤熱することによる濃炎口36の上流側への逆火や長期間の使用の間に赤熱する部分が熱変形を起こして生じる逆火や燃焼不良を防止することができる。また燃料供給量を減少させた淡気化室27に適正な空気量を供給するので、良好な燃焼を維持できる。また濃火炎40の濃度が高くなるところに新たな空気を追加するので、黄火やすすの発生を防止できる。
【0035】
(実施例3)
図3は実施例3の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0036】
実施例2と異なる点は濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給比率を変化させる時に、所定の時間だけ遅らせて濃気化室26と淡気化室27に流入する空気の空気供給配分比率を変化させる空気調節手段54を有する点である。空気調節手段54は、燃料調節手段53が作動した後に、タイマー59により所定時間を確認した制御部52により作動させられるように構成してある。
【0037】
なお、実施例2と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0038】
次に動作、作用について説明すると、燃焼量が小さくなるように可変し、濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を増加させ、淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を減少させた時に、燃料供給管21を介した燃料供給手段20による燃料供給の切り替えの遅れに対して、タイマー59により所定の時間だけ遅らせて濃気化室26と淡気化室27に流入する空気の空気供給配分比率を変化させるので、各燃料供給量に対して適正な空気量を常に供給でき、良好な燃焼特性を維持できる。また最大燃焼量から最小燃焼量の可変幅の大きな場合においても、変化に追随する空気供給を行えるので良好な燃焼を維持できる。
【0039】
(実施例4)
図4は実施例4の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0040】
実施例1または2または3と異なる点は着火時に、燃料調節手段53が定格設定とは異なる濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給配分比率を設定する点である。燃料調節手段53は、制御部52によりコントロールされ、点火電極60が点火トランス61により火花放電を開始する前に設定動作を開始する。また着火燃焼量は、定格燃焼量(最大燃焼量)よりも小さく設定され、点火電極60の先端は濃炎口36に向けて配置され、その間に火花放電を飛ばすように構成される。また燃料供給配分比率は、濃燃料ノズル22側を増加させるように構成される。
【0041】
なお、実施例1または2または3と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0042】
次に動作、作用について説明すると、濃い濃度の気化ガスを形成する濃炎口36の燃料供給配分比率をさらに増加させて、濃炎口36での燃焼の負荷を上昇させることにより着火を確実に行うことができる。また着火燃焼量は、定格燃焼量(最大燃焼量)よりも小さく設定されるので、着火時の音を低減できる。また着火燃焼量を小さく設定した時に燃料供給配分比率を可変できるので、最適な着火のための濃度に設定できる。また燃料供給配分比率は、着火のために濃炎口36の燃料供給量を増加させるが、淡炎口39側の燃料供給量を淡火炎41の火炎形態を崩壊させない範囲で減少すると、一酸化炭素や刺激臭の発生を防止できる。
【0043】
(実施例5)
図5は実施例5の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0044】
実施例1または2または3または4と異なる点は着火時に、淡気化室27に流入する空気供給配分比率を減少する空気調節手段A62を有する点である。
【0045】
空気調節手段A62は、制御部52によりコントロールされ、点火電極60が点火トランス61により火花放電を開始する前に設定動作を開始する。また着火時の淡気化室27の空気供給配分比率は、定格燃焼量(最大燃焼量)時よりも小さく設定され、淡気化室27側の混合気濃度を高めるように構成される。
【0046】
なお、実施例1または2または3または4と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0047】
次に動作、作用について説明すると、淡炎口39から噴出する薄い濃度の気化ガスの濃度を濃くすることにより、濃炎口36への薄い濃度の気化ガスの影響を抑制して、濃炎口36での着火を確実に行うことができる。また淡炎口39から噴出する気化ガスの濃度を濃炎口36から噴出する気化ガスの濃度に近づけるので、淡炎口39を介して他方向の濃炎口36への火移り着火を確実に行うことができる。また濃炎口36と淡炎口39が交互に複数個に並列に配置されている場合も、淡炎口39から噴出する気化ガスの濃度を高めるために空気量を減少させているので、火移り着火を確実に行うことができる。
【0048】
(実施例6)
図6は実施例6の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0049】
実施例1または2または3または4または5と異なる点は消火時に、淡気化室27に流入する空気供給配分比率を減少する空気調節手段B63を有するも点である。空気調節手段B63は、制御部52によりコントロールされ、消火の指示が示された時に設定動作を開始する。
【0050】
なお、実施例1または2または3または4または5と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0051】
次に動作、作用について説明すると、淡炎口39から噴出する薄い濃度の気化ガスの濃度を濃くすることにより、淡火炎41の消炎時に余剰の空気による冷却のために、淡火炎温度が低下して発生する消火時の燃料の未燃分や刺激臭を防止できる。
【0052】
(実施例7)
図7は実施例7の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0053】
実施例1または2または3または4または5または6と異なる点は送風通路50の送風圧力が上昇した時に、燃料調節手段53が濃燃料ノズル22と淡燃料ノズル23の燃料供給配分比率を可変する点である。そして燃焼量が大きな時は、濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を現象させるように、また燃焼量が小さい時は、濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を増加するように設けられている。燃料調節手段53は、制御部52によりコントロールされ、その制御部52が送風手段49の送風通路50に接する通路の近傍に臨まされた圧力検知部64の信号を受けた時に設定動作を開始する。また圧力検知部64は、送風手段49や送風通路50の内圧が上昇することにより、送風経路に逆圧が生じたことを検知するように、ダイアフラムやストレインゲージ等のように加圧された時の歪みを利用して判定できるように構成されている。
【0054】
なお、実施例1または2または3または4または5または6と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0055】
次に動作、作用について説明すると、燃焼量が大きな時は濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を減少させることにより、空気量の多い淡燃料ノズル23側に燃料を迂回させて、送風通路50の内圧が高く送風手段49からの空気供給量が減少するため空気不足が発生する濃火炎40の黄火発生を防止することができる。また燃焼量が小さい時は、濃燃料ノズル22の燃料供給配分比率を増加させることにより、濃炎口36の負荷を上昇させて濃炎口36に対する濃火炎40の密着を防止することにより赤熱を防止できる。
【0056】
(実施例8)
図8は実施例8の燃焼装置を示す要部拡大断面図である。
【0057】
実施例1または2または3または4または5または6または7と異なる点は送風通路50の送風圧力が上昇した時に、濃気化室26に流入する空気の空気供給配分比率を増加する空気調節手段C65を有する点である。空気調節手段C65は、制御部52によりコントロールされ、その制御部52が送風手段49の送風通路50に接する通路の近傍に臨まされた圧力検知部64の信号を受けた時に設定動作を開始する。空気調節手段C65は、淡気化室27の上流側に設けられた導入通路55で作動させることにより濃気化室26に流入する空気の配分比率を増加できる構成にしている。
【0058】
なお、実施例1または2または3または4または5または6または7と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0059】
次に動作、作用について説明すると、濃炎口36の濃い濃度の気化ガスの濃度を空気を多めに流入させることにより、濃炎口36への濃火炎40の密着を空気過剰状態を形成することにより防止して、濃炎口36の赤熱を防止できる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1にかかる燃焼装置によれば、燃焼量を可変する時に濃燃料ノズルと淡燃料ノズルから供給される燃料の配分比率を変化させる燃料調節手段を設けたので、燃焼量を小さく設定した時に濃燃料ノズル側の燃料供給配分比率を高め、濃炎口に火炎が密着することを防止して逆火や熱変形を防止することができる。また、送風通路の送風圧力が上昇した時に、燃料調節手段が濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させるので、燃焼量が大きな時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を減少させることにより、空気不足状態の黄火発生を防止し、燃焼量が小さい時は、濃燃料ノズルの燃料供給配分比率を増加させることにより、火炎の密着を防止して濃炎口の赤熱を防止できる。
【0061】
また、請求項2の発明によれば、送風通路の送風圧力が上昇した時に、濃気化室に流入する空気の空気供給配分比率を増加させる空気調節手段Cを設けたので、燃焼量の大きな時は、濃気化室に流入する空気の空気供給配分比率を増加させ、濃炎口から噴出する気化ガスの濃度を低下させ、火炎温度を降下させて窒素酸化物の発生を防止でき、燃焼量が小さい時は、空気供給配分比率を増加させて空気過剰状態を形成し、濃炎口への火炎密着を防止して、濃炎口の赤熱を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における燃焼装置の要部断面図
【図2】 本発明の実施例2における燃焼装置の要部拡大断面図
【図3】 本発明の実施例3における燃焼装置の要部拡大断面図
【図4】 本発明の実施例4における燃焼装置の要部拡大断面図
【図5】 本発明の実施例5における燃焼装置の要部拡大断面図
【図6】 本発明の実施例6における燃焼装置の要部拡大断面図
【図7】 本発明の実施例7における燃焼装置の要部拡大断面図
【図8】 本発明の実施例8における燃焼装置の要部拡大断面図
【図9】 従来の燃焼装置の要部断面図
【符号の説明】
20 燃料供給手段
21 燃料供給管
22 濃燃料ノズル
23 淡燃料ノズル
24 気化器
26 濃気化室
27 淡気化室
36 濃炎口
39 淡炎口
50 送風通路
53 燃料調節手段
54 空気調節手段
62 空気調節手段A
63 空気調節手段B
65 空気調節手段C
Claims (2)
- 液体燃料を気化する気化器と、この気化器の一部に濃い濃度の気化ガスを形成するために設けた濃気化室と、この濃気化室と分離し、薄い濃度の気化ガスを形成するために設けた淡気化室と、前記濃気化室の下流側に設けた濃炎口と、前記淡気化室の下流側に設けた淡炎口と、前記濃気化室に液体燃料を供給する濃燃料ノズルと、前記淡気化室に液体燃料を供給する淡燃料ノズルと、送風通路を介して前記濃気化室および前記淡気化室に空気を送る送風手段と、前記濃燃料ノズルと淡燃料ノズルに燃料供給管を介して液体燃料を供給する燃料供給手段と、燃焼量の大きさにより濃燃料ノズルと淡燃料ノズルの燃料供給配分比率を変化させる燃料調節手段を有し、前記燃料調節手段は、前記送風通路の送風圧力が上昇した時に、燃料供給配分比率を変化させる燃焼装置。
- 送風通路の送風圧力が上昇した時に、濃気化室に流入する空気の空気供給配分比率を増加させる空気調節手段を有する請求項1に記載の燃焼装置。
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-
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- 1999-05-19 JP JP13818099A patent/JP4103244B2/ja not_active Expired - Lifetime
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