JP4103099B2 - 水処理方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、凝集性高分子を用いた水処理方法に関し、特に環境ホルモン、ダイオキシン類等の難分解性有機化合物で汚染された排水または環境水を、前記高分子の凝集とともに、捕捉、濃縮し、さらに回収物を酸化剤で酸化分解または微生物で分解して処理する水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
凝集性高分子を用いて水中の微量成分を捕捉、濃縮する方法は、分析感度を高める用途、すなわち分析測定の前処理として提案されているが(特開平5−322772号)、広く上水や廃水等の水処理の用途には適用されていない。
【0003】
従来、環境水などの中に存在する微量の難分解性有機化合物を処理するのにオゾン酸化方法が用いられている。この方法は、環境水にオゾンを含むガスをばっ気して、前記物質等を酸化分解するものであるが、前記難分解性有機化合物は微量濃度で存在するために反応効率が悪く、またオゾン酸化反応は一次反応のため、被処理物質の濃度が小さいと反応速度が遅いという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来技術の問題点を解決し、被処理水中の微量有機化合物の濃度を高めながら、効率よく酸化分解または微生物分解する方法を提供することにある。本発明者らは、被処理水中に特定の高分子物質を添加し、その凝集捕捉作用を利用することにより、前記有機化合物を効率よく捕捉し、さらにオゾン等の酸化剤または微生物で処理することにより、前記難分解性化合物等を効率よく分解することができることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願で特許請求される発明は下記のとおりである。
(1)微量のフタル酸エステル、ビスフェノールA、ダイオキシン類、PCB、非イオン性界面活性剤のような内分泌攪乱化学物質およびその類縁の炭化水素化合物、またはクロロベンゼン、クロロフェノールのような有機ハロゲン化合物を含む被処理水中に凝集性高分子としてポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のようなポリN置換アクリルアミド誘導体、ポリN置換メタアクリルアミド誘導体もしくはこれらの共重合体、メチルセルロースまたはポリ(ビニルメチルエーテル)を混合し、20℃以上に加熱、攪拌することにより、生成した凝集物のフロックを、オゾンもしくは過酸化水素、または微生物と接触させ、前記微量の有機化合物を前記高分子とともに分解することを特徴とする水処理方法。
【0006】
本発明において、高分子としては、ポリ−N−アクリロイルピペリジン、ポリ−N−n−プロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルアクリルアミド、ポリ−N−アクリロイルピロリジン、ポリ−N,N−エチルメチルアクリルアミド、ポリ−N−シクロプロピルメタアクリルアミド、ポリ−N−エチルアクリルアミド、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー等を用いることができる。
【0007】
前記高分子物質の形態は、粉末状であり、また原水に添加する場合は0.1〜10wt%の水溶液が好ましい。原水中に添加する前記高分子物質の量は、原水に対して、0.01〜1.0wt%が好ましい。
【0008】
本発明に用いる酸化剤としては、オゾン、過酸化水素、が好ましいが、触媒や紫外線照射下では空気でもよい。該酸化剤の添加量は、凝集フロック中の有機化合物および高分子物質が共に分解する程度の量であることが望ましい。
【0009】
酸化分解処理の態様としては下記があげられる。
(1)オゾンガスのみ吹き込んで処理する。
(2)オゾンガスに過酸化水素水を添加して併用処理する。
(3)アナタース型二酸化チタン存在下で紫外線を照射し、そこにオゾンガスを吹き込んで併用処理する。
(4)アナタース型二酸化チタン存在下で紫外線を照射して処理する。
(5)アナタース型二酸化チタン存在下で紫外線を照射し、過酸化水素水を添加して併用処理する。
(6)紫外線を照射しながら、過酸化水素水を添加して併用処理する。
(7)硫酸第一鉄を共存させ、第一鉄イオン存在下で過酸化水素水を添加してFenton酸化反応処理をする。
(8)二酸化マンガンを触媒としてオゾンガスを接触させて処理する。
(9)銅イオン触媒、遷移金属系触媒に空気を吹き込んで200℃以上、70kg/cm2 以上で反応処理する(湿式酸化処理)。
【0010】
微生物分解による処理の場合は、pseudomonas属細菌を用いることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施例によりさらに詳細に説明する。
図1は、凝集性高分子を用いた本発明の水処理方法の一実施例を示す説明図である。この装置は、原水1および高分子水溶液槽5と、該処理槽5内の原水を加熱するスチームライン11と、該原水中に空気をばっ気するエアコンプレッサー7と、前記処理槽5を溢流部15を経て取り出した凝集フロック13を再溶解した後オゾン酸化させるための反応槽19と、該反応槽19にオゾンを供給するオゾン発生機21と、該反応槽から排出されるオゾンを分解するオゾン分解槽27とから主として構成される。
【0012】
上記装置において、原水1は処理槽5に供給され、一方、凝集性高分子水溶液を含む貯留槽3から供給ポンプ4によりライン6を通して高分子水溶液が前記処理槽5に供給され、さらに処理槽の槽底からエアコンプレッサーにより分散板9を通して空気がばっ気される。処理槽の温度は、蒸気管11により所定温度、例えば20℃以上に加熱される。該原水中の有機化合物は、高分子の加熱による凝集とともに凝集物中に吸着され、凝集フロックとなり、液面上に浮遊し、順次溢流部15に移動する。回収された凝集フロックは、ポンプ17によりオゾン酸化反応槽19に供給され、ここで槽底から分散板23を通して導入されるオゾンガスにより酸化分解される。酸化分解によって発生したオゾンはオゾン分解槽27で分解処理された後、清浄ガス29として系外に排出される。一方槽底からは浄化水25が回収される。
【0013】
処理槽5で生成した凝集フロックの捕集装置としては、図2に示すような強制払い出し手段30、例えば回転羽根による掻き出し装置を用いることができる。
【0014】
上記の方法によれば、原水中の有害物質を凝集性高分子の加熱によって生成した凝集物内に吸着させて除去し、さらにこの凝集フロックをオゾン酸化により、前記高分子凝集物とともに酸化分解させ、前記原水を効率良く浄化処理することができる。
【0015】
次に図3は、本発明の他の実施例を示す排水処理装置の説明図である。この装置は図1のオゾン酸化反応槽19を設けずに、1つのタンク内で凝集性高分子による濃縮抽出操作とオゾン酸化分解操作を同時に行なうようにしたものである。即ち、この装置における反応槽31は、槽底に空気の供給手段39とともにオゾンの供給手段37を有しており、散気管9からこれらの混合ガスが噴射される。また浄化水43の回収手段として、同一タンク内に濾過膜35が設けられ、さらに該濾過膜と空気導入手段との間には濾過膜の洗浄を行なう逆洗ライン41が設けられている。また加熱手段としては、スチームジャケット33が設けられ、装置内の温度を調整するために、スチーム供給ライン36と温度検出端38の間に温度制御装置34が設けられている。この装置の操作手順としては、先ずタンク31内に原水1を満たした後、前記高分子水溶液を添加しながら空気を通気して攪拌する。生成した凝集物を次に濾過膜35で濾過分離しながら、浄化水43をタンクから引き抜く。ある程度引き抜いた時点で、濾過膜35を逆洗し、タンク内に凝集液を貯留する。ある程度凝集液が貯留された時点でオゾンを通気し、凝集物の酸化分解を行なう。
【0016】
図2の装置によれば、図1の装置の効果に加え、前記有機化合物の凝集物を酸化剤で酸化する工程を同一装置で行い、コンパクトな装置とすることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、被処理水中の疎水性有害物質を凝集性高分子の加熱による凝集効果を利用して吸着、除去するとともに、該有害物質を含む凝集物を酸化剤または微生物により分解させることにより、従来困難とされていた微量の環境ホルモン等の有害物質を極めて効率よく分解除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子を用いた本発明の排水処理方法の一実施例を示す説明図。
【図2】図1の装置に強制払い出し手段を設けた場合の部分説明図。
【図3】本発明の他の実施例を示す排水処理装置の説明図。
【符号の説明】
1…原水、2…弁、3…貯留槽、4…供給ポンプ、5…処理槽、6…ライン、7…エアコンプレッサー、8…弁、9…分散板、11…スチームライン、13…凝集フロック、15…溢流部、17…ポンプ、19…反応槽、21…オゾン発生機、23…分散板、25…浄化水、27…オゾン分解槽、29…清浄ガス、30…強制払い出し手段、31…反応槽、33…スチームジャケット、34…温度制御装置、35…濾過膜、36…スチーム供給ライン、37…オゾン供給ライン、39…空気供給ライン、41…逆洗ライン、43…浄化水。
Claims (1)
- 微量のフタル酸エステル、ビスフェノールA、ダイオキシン類、PCB、非イオン性界面活性剤のような内分泌攪乱化学物質およびその類縁の炭化水素化合物、またはクロロベンゼン、クロロフェノールのような有機ハロゲン化合物を含む被処理水中に凝集性高分子としてポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のようなポリN置換アクリルアミド誘導体、ポリN置換メタアクリルアミド誘導体もしくはこれらの共重合体、メチルセルロースまたはポリ(ビニルメチルエーテル)を混合し、20℃以上に加熱、攪拌することにより、生成した凝集物のフロックを、オゾンもしくは過酸化水素、または微生物と接触させ、前記微量の有機化合物を前記高分子とともに分解することを特徴とする水処理方法。
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