JP2003080274A - 汚水の処理方法および装置 - Google Patents

汚水の処理方法および装置

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JP2003080274A
JP2003080274A JP2001248768A JP2001248768A JP2003080274A JP 2003080274 A JP2003080274 A JP 2003080274A JP 2001248768 A JP2001248768 A JP 2001248768A JP 2001248768 A JP2001248768 A JP 2001248768A JP 2003080274 A JP2003080274 A JP 2003080274A
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water
sewage
oxidation reaction
reaction tank
oxidation
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JP2001248768A
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English (en)
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Koji Fuchigami
浩司 渕上
Takeshi Tsuji
猛志 辻
Kenji Maezono
健司 前園
Keisuke Nakahara
啓介 中原
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理水のオゾン消費量が高い場合であって
も、被処理水中に含有される微量のダイオキシン類や環
境ホルモン等の有害物質を効率良く除去することがで
き、さらに促進酸化処理性能を向上させることができ
る。 【解決手段】 被処理水(汚水)1を酸化処理手段(紫
外線照射手段3およびオゾン注入手段5)を備えた酸化
反応槽2に供給して酸化処理し、次いで、酸化処理した
汚水を酸化反応槽2から膜ろ過装置7へ供給して、一部
を膜透過水(処理水)9として得ると共に、残部を循環
水8として酸化反応槽2に返送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚水の処理方法
および装置、特に、一般廃棄物埋立処分場および産業廃
棄物埋立処分場の浸出水や、廃棄物清掃工場における湿
式洗煙排水・床清掃排水等、有害物質を含む廃棄物等を
水洗した際に生じる排水、下水あるいはし尿等の有害物
質を含んだ汚水の処理方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシン類や環境ホルモン等に限ら
ず、広く汚水中に含有される生物難分解性有機物を除去
する方法として、本願発明者等は、特開2001−54
797に示された、図4のような酸化処理と膜処理とを
組み合わせる処理方法を提案した。
【0003】この処理方法は、紫外線照射手段3を備え
た酸化反応槽2に導入された被処理水1(汚水)に対し
て紫外線を照射した後、ポンプ4により被処理水1を酸
化反応槽2から膜ろ過装置7に導入する途中で、オゾン
注入手段5によって被処理水1にオゾン含有ガス6を注
入し、そして、このようにして酸化処理した被処理水1
を膜ろ過装置7に導入し、膜ろ過して処理水9を得ると
共に、膜ろ過手段7に導入された被処理水1の残部を循
環水8として酸化反応槽2に返送することからなるもの
である。
【0004】この処理方法によれば、膜表面が常時オゾ
ンと接触するために有機物によるファウリングが抑制さ
れて高い膜ろ過流束が安定して得られると共に、循環水
中に含まれるオゾンと紫外線との相乗作用によって酸化
反応槽2において促進酸化反応が生じ、強力な酸化力に
よってダイオキシン類等が分解されるため、有害物質の
処理に関して高い処理性能を発揮することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記処理方法
は、被処理水1の有機物や炭酸塩等のオゾンを消費する
物質の濃度が高く、したがってオゾン消費量が高い場合
には、循環水中にほとんどオゾンが残留しないために、
酸化反応槽2において十分に促進酸化反応が生じず、満
足な処理性能が得られないという問題があった。
【0006】従って、この発明の目的は、被処理水のオ
ゾン消費量が高い場合であっても、被処理水中に含有さ
れる微量のダイオキシン類や環境ホルモン等の有害物質
を効率良く除去することができると共に、促進酸化処理
性能を向上させることができる、汚水の処理方法および
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
汚水の酸化処理工程と、前記酸化処理工程で処理された
汚水を膜ろ過処理し、一部を膜透過水として得ると共
に、残部を循環水として前記酸化処理工程に返送する膜
ろ過処理工程とを備えたことに特徴を有するものであ
る。
【0008】この発明によれば、酸化反応槽において汚
水中のダイオキシン類や環境ホルモンは、酸化工程を経
て分解される。汚水中に残留するタイオキシン類や環境
ホルモンは、その大部分が懸濁物質に吸着した状態で存
在し、これを精密膜ろ過処理もしくは限外膜ろ過処理し
た場合、そのほとんどは循環水と共に酸化反応槽に返送
され、再び酸化工程を経て分解除去される。
【0009】請求項2記載の発明は、前記酸化処理工程
が、オゾン注入、紫外線照射および過酸化水素注入の内
の少なくとも2つの操作を使用する工程であることに特
徴を有するものである。
【0010】この発明によれば、これらの酸化処理手段
の内、少なくとも2つを使用することにより、強い酸化
力を有するヒドロキシラジカルが生成するため、ダイオ
キシン類等の有害物質を高効率に酸化分解することがで
きる。
【0011】請求項3記載の発明は、前記膜ろ過処理工
程の前に、前記酸化処理工程で処理された汚水にオゾン
含有ガスを注入することに特徴を有するものである。
【0012】この発明によれば、被処理水のオゾン消費
量が高く酸化反応槽出口においてオゾンがほとんど残留
しない場合においても、膜ろ過装置の手前において再度
オゾンを注入して処理水に溶存オゾンを残留させること
によって、膜表面における有機物によるファウリングを
抑制することが可能となる。このため、薬品洗浄間隔を
長く取ることができると共に、膜透過流束を2〜5m/
日程度と、通常の精密ろ過膜装置もしくは限外ろ過膜装
置と比較して2倍〜10倍程度に高流束化することが可
能となり、設備のコンパクト化をも図ることができる。
【0013】請求項4記載の発明は、前記汚水、前記酸
化処理工程で処理された汚水および前記循環水の内の少
なくとも1つに触媒を注入することに特徴を有するもの
である。
【0014】この発明によれば、紫外線照射とチタニア
等の光酸化触媒との併用による促進酸化処理、あるいは
オゾンと紫外線照射と光酸化触蝶による促進酸化処理、
あるいはオゾンとオゾン分解触媒との併用による促進酸
化処理等を行うことができ、酸化反応槽内におけるダイ
オキシン類や環境ホルモンの分解効率を向上させること
ができる。
【0015】請求項5記載の発明は、前記紫外線照射を
発光ダイオードによって行なうことに特徴を有するもの
である。
【0016】この発明によれば、極めて小さな消費電力
で効率的な促進酸化処理を行なうことができるので、安
価な処理費用で水処理を行なうことができる。
【0017】請求項6記載の発明は、汚水の酸化反応槽
と、前記酸化反応槽で処理された汚水を膜ろ過処理し、
一部を膜透過水として得ると共に、残部を循環水として
前記酸化反応槽に返送する膜ろ過装置とを備えたことに
特徴を有するものである。
【0018】請求項7記載の発明は、前記酸化反応槽
が、オゾン注入手段、紫外線照射手段および過酸化水素
注入手段の内の少なくとも2つの手段を具備することに
特徴を有するものである。
【0019】請求項8記載の発明は、前記膜ろ過装置の
前段に、前記酸化反応槽で処理された汚水にオゾン含有
ガスを注入する手段を有することに特徴を有するもので
ある。
【0020】請求項9記載の発明は、前記酸化反応槽
が、直列に連結された複数の槽からなることに特徴を有
するものである。
【0021】この発明によれば、酸化反応槽での短絡流
による反応効率の低下を防ぐことができ、ダイオキシン
類や環境ホルモンの分解効率を向上させることができ
る。
【0022】請求項10記載の発明は、前記複数の槽
が、酸化処理手段としてオゾン注入手段のみを備えた酸
化反応槽と、酸化処理手段として紫外線照射手段のみを
備えた酸化反応槽を含むことに特徴を有するものであ
る。
【0023】この発明によれば、汚水をまずオゾン処理
することによって紫外線と反応する不飽和結合の分解が
生じ、引き続く紫外線処理によってダイオキシン類等の
有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン反応がより効率的に進
行することになる。また、オゾン含有ガス気泡への紫外
線照射に伴うオゾンと紫外線との相互消費反応が生じな
いため、オゾンおよび紫外線の双方の利用効率が高まる
ため、より低いコストで処理することが可能となる。
【0024】請求項11記載の発明は、前記紫外線照射
手段が発光ダイオードを用いる手段であることに特徴を
有するものである。
【0025】この発明によれば、極めて小さな消費電力
で効率的な促進酸化処理を行なうことができるので、安
価な処理費用で水処理を行なうことができる。
【0026】請求項12記載の発明は、前記酸化反応槽
の内面に光触媒の薄膜を具備することに特徴を有するも
のである。
【0027】この発明によれば、二酸化チタン等の光触
媒の薄膜を内面に具備する酸化反応槽を用いるため、紫
外線照射と併用することによって、促進酸化処理効率を
向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、この発明の、汚水の処理方
法の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】図1は、この発明の第1実施形態を示すフ
ロー図である。
【0030】図1において、1は、被処理水、2は、酸
化反応槽、3は、紫外線ランプを備えた紫外線照射手
段、4は、ポンプ、5は、オゾン注入手段、6は、オゾ
ン含有ガス、7は、膜ろ過装置、8は、循環水、そし
て、9は、処理水(膜透過水)である。
【0031】被処理水1は、紫外線照射手段3およびオ
ゾン注入手段5を備えた酸化反応槽2に供給され、紫外
線の照射およびオゾン含有ガス6の注入によって促進酸
化処理され、次いで、ポンプ4により酸化反応槽2から
膜ろ過装置7へ供給される。
【0032】被処理水1の一部は、処理水9として膜ろ
過装置7から流出し、残りの被処理水1は、循環水8と
して酸化反応槽2に返送される。
【0033】従って、被処理水1中のダイオキシン類や
環境ホルモンは、紫外線照射およびオゾン酸化を経て分
解された後、被処理水1と共に膜ろ過装置7に供給され
るが、被処理水1中に残留するダイオキシン類や環境ホ
ルモンは、その大部分が懸濁物質に吸着した状態で存在
するため、これを膜ろ過処理した場合、そのほとんどは
循環水8と共に酸化反応槽2に返送され、再び紫外線照
射およびオゾン酸化を経て大部分が分解除去されると共
に、残余の有害物質吸着量が大幅に減少した懸濁物質
が、膜面に吸着した後に洗浄操作によって系外へ排出さ
れる。
【0034】ここで、酸化反応槽2内ではオゾン酸化と
紫外線照射による促進酸化処理が行われ、ダイオキシン
類や環境ホルモン等の有害物質が高い効率で除去され
る。これは、オゾンと紫外線との反応の結果生成するヒ
ドロキシルラジカル等のラジカルが、強力な酸化力によ
って被処理水1中のダイオキシン類や環境ホルモン等の
有害物質を、炭酸ガス、水および無機塩類まで酸化分解
処理するか、脱塩素化等の反応が生じて無害化処理する
か、あるいは生物易分解性有機物へと転換するためであ
る。
【0035】用いる紫外線照射手段としては、主波長が
254nmの紫外線を放射する低圧水銀ランプが通常用
いられるが、高圧水銀ランプやエキシマランプ、キセノ
ンランプ、ブラックライトあるいは発光ダイオード等を
用いることもできる。特に、電力を紫外光に変換するエ
ネルギー効率の高い発光ダイオードを用いた場合には、
より低コストで処理を行なうことができる。この発光ダ
イオードとしては、紫外光を放射できるものであれば、
どのようなものであっても良いが、例えば、pn接合さ
れた窒化ガリウム系光半導体の結晶体等を用いることが
できる。
【0036】また、低圧水銀ランプのように紫外線照射
手段の主波長がオゾンの吸収波長である254nmある
いは190nmの近傍にある場合には、オゾン注入と併
用することによって、促進酸化処理効果が得られ好適で
あるが、そうでなくても窒化ガリウム系発光ダイオード
等のように400nm以下の波長を発するものであれ
ば、二酸化チタン等の光触媒と併用することによって、
促進酸化処理効果が得られるのでやはり好都合である。
【0037】光触媒を用いる手段としては、酸化反応
槽、または汚水を酸化反応槽から膜ろ過装置へ導入する
間に、または膜ろ過装置の循環水を酸化反応槽に戻す間
に、汚水に粉末状の触媒を注入する方法か、あるいは酸
化反応槽の内壁に光触媒の薄膜を具備する方法を採って
も良い。
【0038】紫外線ランプの能力としては、低圧水銀ラ
ンプを用いた場合には、被処理水1m3当たりの消費電
力量が0.5から10kWh/m3、好ましくは1から
5kWh/m3の範囲内にある場合に低コストで高い分
解効率が得られるが、原水中の有機物濃度、ダイオキシ
ン類や環境ホルモン等の処理対象物の濃度および処理目
標値等を考慮して適切な値に設定することが好ましい。
【0039】原水流量基準による酸化反応槽2の滞留時
間は、5から60分、好ましくは10から30分の範囲
内とした場合に低コストで高い分解効率が得られる。即
ち、一般に酸化剤に関して同一の注入率あるいはエネル
ギー投入量で比較した場合、反応時間が長いほど高い処
理効果が得られる。従って、滞留時間がこれより短い場
合は酸化反応が不十分となり、また長い場合には所要敷
地面積が大きくなると共に処理設備の建設コストが過大
となる。
【0040】オゾンの注入率は、5から300mg/
l、好ましくは30から100mg/lの範囲内とした
場合に低コストで高い分解効率が得られるが、紫外線消
費電力量の場合と同様に、処理条件を考慮して適切な値
に設定することが望ましい。
【0041】なお、オゾン注入率を処理水9中にオゾン
が残留する程度の値に設定すれば、有機性物質の膜内部
へのファウリングを抑制できるため、薬品洗浄間隔を長
く取ることができると共に、膜透過流束を2から5m/
日程度と、膜ろ過装置と比較して2から10倍程度に高
流束化することが可能となり、設備のコンパクト化をも
図ることができる。
【0042】循環水量と透過水量との比は、1:1から
9:1の範囲内にある場合に最も効果的であり、これよ
り低い場合には、処理効率が低くなり且つ膜の目詰まり
が大きくなる。逆にこれより低い場合には、膜供給ポン
プの動力費が嵩むため経済的でない。一般に、循環水量
が多い場合は酸化反応槽内の流速が大きくなり、反応槽
内の水理特性はプラグフローに近づく。また、循環水量
が多いと膜面流速が速くなるため膜表面への汚濁物質に
よる目詰まりが少なくなる。
【0043】次に、この発明の汚水中の有害物質の処理
方法の第2実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0044】図2は、この発明の第2実施形態を示すフ
ロー図である。
【0045】図2において、1は、被処理水、2は、酸
化反応槽、4は、ポンプ、5は、オゾン注入手段、6
は、オゾン含有ガス、7は、膜ろ過装置、8は、循環
水、9は、処理水(膜透過水)、そして、10は、過酸
化水素である。
【0046】被処理水1は、オゾン注入手段5を備えた
酸化反応槽2に供給され、オゾン含有ガス6の注入およ
び過酸化水素10の注入によって促進酸化処理され、次
いで、ポンプ4により酸化反応槽2から膜ろ過装置7へ
供給される。被処理水1の一部は、処理水9として膜ろ
過装置7から流出し、残りの被処理水1は、循環水8と
して酸化反応槽2に返送される。
【0047】第2実施形態における促進酸化反応は、オ
ゾンと過酸化水素との反応によって生じるヒドロキシラ
ジカルに由来するものであり、過酸化水素の注入率は、
被処理水の水質によっても異なるが、オゾン注入率の1
から50%の範囲内であれば効率的な処理を行うことが
可能である。
【0048】ダイオキシン類や環境ホルモン等の有害物
質の除去様式、紫外線照射条件やオゾン注入条件、これ
らの処理条件がダイオキシン類や環境ホルモン等の有害
物質の除去に及ぼす影響、オゾンによる膜のファウリン
グ抑制および高流速化に関する効果については第1実施
形態と全く同様であるが、第2実施形態においては、紫
外線ランプを使用せずに促進酸化を行っているため、設
備コストを若干低減できる。
【0049】次に、この発明の汚水中の有害物質の処理
方法の第3実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0050】図3は、この発明の第3実施形態を示すフ
ロー図である。
【0051】図3において、1は、被処理水、2は、酸
化反応槽、3は、紫外線ランプを備えた紫外線照射手
段、4は、ポンプ、5は、オゾン注入手段、6は、オゾ
ン含有ガス、7は、膜ろ過装置、8は、循環水、そし
て、9は、処理水(膜透過水)である。
【0052】被処理水1は、オゾン注入手段5を備えた
酸化反応槽2に供給される。酸化反応槽1内の被処理水
1には、オゾン含有ガス6が注入され、被処理水1中の
環境ホルモンあるいは不飽和結合を有する色度成分等の
有機性の還元性物質が酸化処理される。次いで、被処理
水1は、紫外線照射手段3を備えた酸化反応槽2に供給
される。ここでは被処理水1中に残留する溶存オゾン
と、紫外線照射手段3により照射される紫外線との反応
によって生じるヒドロキシラジカルによって、あるいは
紫外線の照射による直接反応によって、水中のダイオキ
シン類等の有機ハロゲン化合物が促進酸化処理される。
次いで、促進酸化処理された被処理水1は、ポンプ4に
より酸化反応槽2から膜ろ過装置7へ供給される。被処
理水1の一部は、処理水9として膜ろ過装置7から流出
し、残りの被処理水1は、循環水8として酸化反応槽2
に返送される。
【0053】従って、被処理水1中のダイオキシン類や
環境ホルモンは、オゾン酸化および紫外線照射を順次経
て分解された後、汚水と共に膜ろ過装置7に供給される
が、被処理水1中に残留するダイオキシン類や環境ホル
モンは、その大部分が懸濁物質に吸着した状態で存在す
るため、これを膜ろ過処理した場合、そのほとんどは循
環水8と共に酸化反応槽2に返送され、再びオゾン酸化
および紫外線照射との併用による促進酸化処理を経て分
解除去されて行く。
【0054】紫外線照射手段3の紫外線ランプの能力と
しては、第1実施形態および第2実施形態の場合と同様
に、被処理水1m3当たりの消費電力量が0.5から1
0kWh/m3、好ましくは1から5kWh/m3とした
場合に低コストで高い分解効率が得られるが、原水中の
有機物濃度、ダイオキシン類や環境ホルモン等の処理対
象物質の濃度および処理目標値等を考慮して適切な値に
投定することが好ましい。また、原水流量基準による酸
化反応槽の滞留時間は、5から60分、好ましくは10
から30分の範囲内とした場合に低コストで高い分解効
率が得られる。
【0055】また、膜ろ過装置7に供給される被処理水
1中にオゾンが残留するようにオゾン注入率の値を設定
すると、有機性物質の膜内部へのファウリングを抑制で
きることは、第1実施形態の場合と同様である。
【0056】
【実施例】次に、この発明を実施例によりさらに説明す
る。
【0057】(実施例1)第1実施形態の処理方法で処
理した結果を表1に示す。但し、処理条件は、以下の通
りであった。 (1)対象処理水:浸出水をカルシウム沈澱処理、生物
処理および凝集沈澱処理したもの(水質は、表2に示
す) (2)酸化反応槽滞留時間:30分(対象水流量基準) (3)紫外線照射手段:低圧水銀ランプ、出力130W (4)投入紫外線エネルギー量:2.5kWh/m3 (5)オゾン注入率:40mg/l (6)膜透過流束:3m/日 (7)膜孔径:0.1μm (8)循環水量:透過水量=2:1 (9)膜処理での水回収率:89%
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1から明らかなように、被処理水中のダ
イオキシン類濃度が膜による固液分離効果およびオゾン
と紫外線との併用による促進酸化分解効果の双方の作用
によって大幅に減少していることが分かった。また、膜
逆洗排水から系外に流出したダイオキシン類の量に関し
ても、流入したダイオキシン類量のおよそ10%まで低
減できることが分かった。
【0061】(実施例2)実施例1と同一の被処理水
を、上記実施形態3の処理方法によって処理した結果を
表3に示す。但し、処理条件は、以下の通りであった。 (1)酸化反応槽滞留時間:30分(15分+15分) (2)紫外線照射手段:低圧水銀ランプ、出力130W (3)投入紫外線エネルギー量:2.5kWh/m3 (4)オゾン注入率:40mg/l (5)膜透過流束:3m/日 (6)膜孔径:0.1μm (7)循環水量:透過水量=2:1 (8)膜処理での水回収率:89%
【0062】
【表3】
【0063】表3から明らかなように、被処理水中のダ
イオキシン類濃度の処理効果が、実施例1に比べてさら
に向上していることが分かった。
【0064】(比較例)実施例1と同一の被処理水を、
従来技術である図4の処理方法によって処理した結果
を、表4に示す。但し、処理条件は、以下の通りであっ
た。 (1)酸化反応槽滞留時間:30分(対象水流量基準) (2)紫外線照射手段:低圧水銀ランプ、出力130W (3)投入紫外線エネルギー量:2.5kWh/m3 (4)オゾン注入率:40mg/l (5)膜透過流束:3m/日 (6)膜孔径:0.1μm (7)循環水量:透過水量=2:1 (8)膜処理での水回収率:89%
【0065】
【表4】
【0066】表4から明らかなように、被処理水におい
て、CODやTOCといった有機物指標、炭酸塩濃度と
相関関係にあるアルカリ度や塩化物イオンの濃度が比較
的高い場合には、膜流入直前に注入したオゾンが直ちに
消費されるため、循環水が酸化反応塔に返送される際に
溶存オゾンが同伴されず、酸化反応塔におけるダイオキ
シン除去反応は、紫外線照射による分解反応のみとな
り、オゾンとの併用による促進酸化効果は得られない。
従って、実施例1の結果と比べて、処理水および膜逆洗
排水共にダイオキシン類の濃度は高い値であった。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ダイオキシン類や環境ホルモン等の有害物質が疎水
性であり、その大部分が汚水中で懸濁物質に吸着して存
在しているという性質を利用して、被処理水のオゾン消
費量が比較的高い場合においても、促進酸化処理と膜ろ
過処理とを合理的に組み合わせることによって、汚泥ヘ
ダイオキシン類や環境ホルモン等の有害物質を移行・濃
縮させることなく、汚水中のダイオキシン類や環境ホル
モン等の有害物質を分解除去することができるといった
有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示すフロー図であ
る。
【図2】この発明の第2実施形態を示すフロー図であ
る。
【図3】この発明の第3実施形態を示すフロー図であ
る。
【図4】従来の、汚水中の有害物質の処理方法を示すフ
ロー図である。
【符号の説明】
1:被処理水 2:酸化反応槽 3:紫外線照射手段 4:ポンプ 5:オゾン注入手段 6:オゾン含有ガス 7:膜ろ過装置 8:循環水 9:処理水 10:過酸化水素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 C02F 1/44 K 1/78 1/78 C07B 35/06 C07B 35/06 37/06 37/06 // C07D 319/24 C07D 319/24 (72)発明者 前園 健司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中原 啓介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 KA01 KA03 KB04 KB30 KD21 KD22 PA01 PB08 PC61 4D037 AA11 AB11 AB14 AB16 BA18 CA03 CA12 4D050 AA12 AB07 AB19 BB02 BB09 BC06 BC09 BD02 BD03 BD06 CA09 4G069 AA02 BA04A BA04B BA48A CA05 CA07 CA19 EA07 4H006 AA05 AC13 AC26 BA95 BE31 BE32

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水の酸化処理工程と、前記酸化処理工
    程で処理された汚水を膜ろ過処理し、一部を膜透過水と
    して得ると共に、残部を循環水として前記酸化処理工程
    に返送する膜ろ過処理工程とを備えたことを特徴とす
    る、汚水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化処理工程が、オゾン注入、紫外
    線照射および過酸化水素注入の内の少なくとも2つの操
    作を使用する工程であることを特徴とする、請求項1記
    載の、汚水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記膜ろ過処理工程の前に、前記酸化処
    理工程で処理された汚水にオゾン含有ガスを注入するこ
    とを特徴とする、請求項1または2記載の、汚水の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 前記汚水、前記酸化処理工程で処理され
    た汚水および前記循環水の内の少なくとも1つに触媒を
    注入することを特徴とする、請求項1から3の内の何れ
    か1つに記載の、汚水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記紫外線照射を発光ダイオードによっ
    て行なうことを特徴とする、請求項2から4の内の何れ
    か1つに記載の、汚水の処理方法。
  6. 【請求項6】 汚水の酸化反応槽と、前記酸化反応槽で
    処理された汚水を膜ろ過処理し、一部を膜透過水として
    得ると共に、残部を循環水として前記酸化反応槽に返送
    する膜ろ過装置とを備えたことを特徴とする、汚水の処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記酸化反応槽が、オゾン注入手段、紫
    外線照射手段および過酸化水素注入手段の内の少なくと
    も2つの手段を具備することを特徴とする、請求項6記
    載の、汚水の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記膜ろ過装置の前段に、前記酸化反応
    槽で処理された汚水にオゾン含有ガスを注入する手段を
    有することを特徴とする、請求項6または7記載の、汚
    水の処理装置。
  9. 【請求項9】 前記酸化反応槽が、直列に連結された複
    数の槽からなることを特徴とする、請求項6から8の内
    の少なくとも1つに記載の、汚水の処理装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の槽が、酸化処理手段として
    オゾン注入手段のみを備えた酸化反応槽と、酸化処理手
    段として紫外線照射手段のみを備えた酸化反応槽を含む
    ことを特徴とする、請求項9記載の、汚水の処理装置。
  11. 【請求項11】 前記紫外線照射手段が発光ダイオード
    を用いる手段であることを特徴とする、請求項7から1
    0の内の何れか1つに記載の、汚水の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記酸化反応槽の内面に光触媒の薄膜
    を具備することを特徴とする、請求項6から11の内の
    何れか1つに記載の、汚水の処理装置。
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