JP4102676B2 - 軒天井用換気装置及び軒天井構造 - Google Patents

軒天井用換気装置及び軒天井構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4102676B2
JP4102676B2 JP2003031425A JP2003031425A JP4102676B2 JP 4102676 B2 JP4102676 B2 JP 4102676B2 JP 2003031425 A JP2003031425 A JP 2003031425A JP 2003031425 A JP2003031425 A JP 2003031425A JP 4102676 B2 JP4102676 B2 JP 4102676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eaves
ceiling
wall
eaves ceiling
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003031425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004239001A (ja
Inventor
貴史 片山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuvi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2003031425A priority Critical patent/JP4102676B2/ja
Publication of JP2004239001A publication Critical patent/JP2004239001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4102676B2 publication Critical patent/JP4102676B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根付き建物における軒天井裏の換気を行うための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、軒天井裏の換気を行うためには、当該軒天井裏と軒下とを連通する換気用通路を形成する必要がある。しかしながら、このような換気用通路を形成すると、降雨が激しい時などは雨水を含んだ空気が軒天井裏に容易に侵入してしまうおそれも生じる。
【0003】
そこで従来は、換気用通路を屈曲させて軒下から軒天井裏への空気の吹き込みを避けるための技術の開発が進められている。
【0004】
例えば特許文献1には、図9(a)に示すような天井板支持金具92が壁90に固定された換気装置が開示されている。前記天井板支持金具92の下端部には側方に開口する軒下開口92bが設けられるとともに、それよりも上側の部分に天井板94の端部が嵌入可能な凹み部92aが形成されている。そして、この凹み部92aの形成によって、前記軒下開口92bから天井裏へ至る換気通路が蛇行する形状となっており、前記軒下開口92bから天井裏への雨水の侵入が抑止されている。
【0005】
さらに、この換気装置では、建物の火災時に熱風が前記換気用通路を通じて軒天井裏に入り込むのを阻止すべく、前記凹み部92aの内側面に不燃性熱膨張材96が固定され、火災時には前記不燃性熱膨張材96が横向きに膨張して前記天井板支持金具92の側壁(前記凹み部と対向する側壁)の内側面に圧接することにより当該金具内の換気用通路を遮断する工夫がなされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−73829号公報(第2〜3頁,図3)
また、特許文献2には、図9(b)に示すような換気口用縁材が開示されている。この縁材は、天井裏口102をもつ天壁100と、この天壁100から垂直方向に沿って下向きに延びる左右一対の側壁103,104と、両側壁103,104の下端同士をつなぐ水平な底壁106とを有し、この底壁106に真上に向かって開口する換気口108が形成されている。この換気口108の形成位置は前記天井裏口102の位置から図の右側に大きくずれており、これによって雨水等の吹き込みが防がれている。
さらに、前記換気口108と天井裏口102との間の位置で前記天壁100の下面には膨張部材110が固定されており、通常時には前記換気口108と天井裏口102との間に蛇行した換気用通路が確保される一方、火災時には昇温した膨張部材110が下向きに膨張して底壁106の下面に圧接することにより、換気口108と天井裏口102との間を遮断するようになっている。
【特許文献2】
特開2002−147835号公報(第2〜3頁,図1〜図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記各特許文献に記載された装置には、次のような解決すべき課題がある。
【0008】
A:換気構造の大きさについて
前記のような換気装置は軒先や軒元に局所的に取付けられる補助具であり、良好な外観を保つためには当該換気装置が極力小さいことが望まれる。
【0009】
ところが、前記特許文献1及び図9(a)に示される換気構造では、天井板支持金具92の上下方向中間部に軒天井板94の端部が嵌入可能な凹み部92aを形成し、この凹み部92aによって蛇行通路を形成するようにしているので、当該天井板支持金具92の下部が前記軒天井板94の下面から下方に大きく突出してしまう欠点がある。
【0010】
一方、特許文献2及び図9(b)に示される換気構造は、薄型で軒天井板の厚みと略同等の高さ寸法に抑えることが可能であるが、換気口108から軒天井裏への吹込みを防ぐために当該換気口108と天井裏口102の位置を軒幅方向(図では左右方向)にかなり大きくずらす必要があり、その分当該軒幅方向の寸法が大きくなってしまう欠点がある。
【0011】
B:火災時対応用の熱膨張材を設ける場合について
前記特許文献1及び図9(a)に示される換気構造では、不燃性熱膨張材96が天井板支持金具92内の入り組んだ換気用通路の途中部分(凹み部92aの内側面)に固定されているため、火災が生じてからこれにより発生する熱が前記不燃性熱膨張材96へ十分に伝わる(すなわち熱膨張材96が所定温度まで昇温する)までに時間差があり、その分、熱膨張材96の膨張作動の応答性が低くなる欠点がある。
【0012】
一方、特許文献2及び図9(b)に示される換気構造は、換気口108が天壁100に向かって開口していて、当該天壁100の下面に膨張部材110が固定されているので、当該膨張部材110は比較的迅速に昇温して膨張することが可能であるが、この膨張部材110が天壁100の下面に固定されていて当該下面から下向きに膨張することにより天壁106の上面に圧接する構造となっているので、天井裏口102を直接塞ぐことができず、その分断熱性に劣る欠点がある。
【0013】
すなわち、この換気構造では、膨張部材110が膨張して底壁108に圧接しても、その傍らで天井裏口102から底壁106に至るまでの空間は軒天井裏に向かって開いたままとなっているので、昇温した底壁106の熱が前記空間及び天井裏口102を通じて軒天井裏へ伝わり易く、十分な断熱性能が得られにくいという欠点がある。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑み、コンパクトな構造で軒下から軒天井裏への空気の直接の吹き込みを阻止しながら良好な換気用通路を確保することができる技術を提供することを目的とし、さらに好ましくは、火災に迅速に反応して軒下と軒天井裏との間を効果的に熱遮断することができる技術を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、軒天井裏側に開口する天井裏口と軒下側に開口する軒下開口とを有して両開口同士を連通する換気用通路を形成する通路形成部材を備えた軒天井用換気装置において、前記通路形成部材は、前記天井裏口が形成された天壁と、その天井裏口を下から覆う形状をもつ内壁と、この内壁をさらに外側から覆う形状をもつ外壁とを有し、この外壁の底部に前記軒下開口が形成されるとともに、前記内壁には前記軒下開口及び前記天井裏口を挟んで軒幅方向両側の位置に当該内壁の内外を連通する連通口が形成されているものである。
【0016】
この装置によれば、その外壁底部の軒下開口から外壁と内壁との間、さらには内壁の両連通口及び内壁内空間を通じて天壁の天井裏口に至る換気用通路が確保される。
【0017】
また、外壁内においては、内壁の両側に換気用通路が形成されているので、外壁及び内壁の高さ寸法を小さく抑えながらも十分な総通路面積を確保することが可能であり、総じて換気装置全体の著しいコンパクト化を図ることができる。
【0018】
さらに、この装置では、軒下開口から天井裏口への雨水等の直接的な侵入を内壁の存在によって阻止しているので、両口の軒幅方向の距離を大きくとる必要がない。従って、例えば、前記軒下開口を上から見て少なくとも一部が天井裏口と重なり合う位置に形成することも可能であり、引用文献2のように軒下開口と天井裏口とが軒幅方向に完全にずれた位置に設けられる換気装置に比べ、軒幅方向の寸法は大幅に削減される。しかも、軒下開口と天井裏口との間には内壁が介在しているので、軒下開口から天井裏口へ直接雨水が侵入することが防がれる。
【0019】
さらに、この換気装置では、前記内壁の底部に昇温時に上向きに膨張する熱膨張材が固定され、その膨張した熱膨張材が前記天壁の下面に圧接して前記天井裏口を塞ぐように当該熱膨張材の固定位置が設定されている構成とすることにより、通常時には前記換気用通路を確保しながら、火災時に当該換気用通路を有効かつ迅速に遮断することが可能になる。
【0020】
すなわち、この換気装置において、火災時に軒下が昇温すると、その熱が軒下開口を通じて内壁底部さらにはこれに固定された熱膨張材に伝えられ、当該熱膨張材が速やかに昇温して上方に膨張する。これにより、当該熱膨張材は天壁下面に圧接して軒下開口を直接塞ぐことになる。
【0021】
また、前記通路形成部材が、前記天壁及び外壁を形成する外側部材と、この外側部材の内側に取付けられて前記内壁を構成する内側部材とを有し、これらの外側部材及び内側部材はそれぞれ単板を折り曲げることにより形成されている換気装置では、例えば前記内側部材を予め成形しておいてからこれを外側部材と合体させることにより装置全体を容易に組み立てることが可能であるのに加え、板材を用いるだけの簡素な構成で、内壁及び外壁を含む複雑な内外二重構造によって上述の良好な換気用通路を得ることができる。
【0022】
具体的には、前記外側部材は、前記天壁の軒幅方向両側縁が上下方向に隙間を残して下向きに180°折り返されることにより形成された支持部を有しており、前記内側部材の軒幅方向両側部には前記隙間内に位置して前記支持部により下から支持される耳部を有するものが、好適である。この構造によれば、簡素な構成で外側部材の内側に内側部材を安定した状態で取付けることができる。
【0023】
前述のように、本発明にかかる換気装置では、通路形成部材の高さ寸法を小さく抑えることが可能であるため、例えば前記天壁及び外壁が略矩形状の断面を形成し、かつ、軒天井板の厚みと略同等の高さ寸法を有する形状とすることが可能であり、これによって、十分な流路面積をもつ換気用通路を確保しながら、通路形成部材下面と軒天井板下面の高さ位置を略合致させて良好な外観を維持することが可能になる。
【0024】
また、前記内壁の両側部に前記連通口を設けるようにすれば、当該内壁底部に連通口を設ける必要がなくなるため、その分天井裏口や軒下開口の面積をより大きく確保することが可能になる。
【0025】
また、前記外壁の側部にその側方から前記軒天井板の端部が嵌入可能な嵌入部が形成されている構成とすれば、前記通路形成部材と軒天井板とが連続する良好な外観をもつ軒天井構造、すなわち、前記軒天井用換気装置の通路形成部材の嵌合部に軒天井板の軒天井板の端部が側方から嵌合された状態でこれら軒天井板と軒天井用換気装置とが軒元と軒先との間に配設されている軒天井構造を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にかかる軒天井用換気装置を軒先側に設置した実施形態を示したものである。
【0027】
図において、軒先側に破風板からなる鼻隠し18が設けられており、この鼻隠し18は鼻隠し下地19を介して野縁20の軒先側端部に取付けられている。そして、この野縁20の下方に軒天井板22及び本発明にかかる軒天井用換気装置24が水平方向に並べて設けられている。
【0028】
軒天井用換気装置24は、前記鼻隠し18と軒天井板22との間に介在し、軒下側(図では下側)と軒天井裏側(図では上側)との通気を行う。この軒天井用換気装置24及び軒天井板22はそれぞれ釘26,28によって前記野縁20に固定されている。
【0029】
図2及び図3に前記軒天井用換気装置24の全体構造を示す。この軒天井用換気装置24は、図2及び図3の奥行き方向(軒幅方向と直交する方向)に延びて換気用通路を形成する通路形成部材を備え、この通路形成部材は、図4(a)に示す外側部材30と、図5に示す内側部材40とで構成され、これら外側部材30及び内側部材40は単一の金属板を適当な部分で曲げ加工することにより成形されている。
【0030】
具体的に、外側部材30は、水平な天壁31と、この天壁31の両端部(詳しくは軒天井用換気装置24が軒天井に設置された状態での軒幅方向(以下、単に「軒幅方向」と称する。)の両端部)が下向きに180°折り返されて形成された支持部32A,32Bと、支持部32A,32Bの内側端部から下方に延びる側壁33A,33Bと、各側壁33A,33Bから水平方向内向きに延びる底壁34A,34Bと、各底壁34A,34Bの内側端部が180°上向きに折り返されてなる補強部35A,35Bとを有し、天壁31と各支持部32A,32Bとの間に内側部材40の板厚と同等またはそれよりも僅かに大きな隙間39A,39Bがそれぞれ確保されている。
【0031】
両底壁34A,34Bの内側端部同士の間には、十分な幅の軒下開口36が確保される一方、前記天壁31にはその長手方向に並ぶ多数の天井裏口31aが形成されており、これら天井裏口31aはその少なくとも一部(図例では右半部)が上から見て前記軒下開口36と重複する位置に設けられている。
【0032】
前記底壁31と、両側壁33A,33Bと、両底壁34A,34Bは、図4(b)に示すように正面視略矩形状の断面を形成しており、かつ、側壁33A,33Bは軒天井板22の厚み寸法と略同等の高さ寸法を有している。さらに、前記側壁33A,33Bのうち軒元側側壁33Bの下端部分は軒先側(通路形成部材の外側;図2〜4では右側)に折り畳まれて当該軒先側に突出する突出部37を形成しており、この突出部37と軒元側の支持部32Bとの間(すなわち軒元側側壁33Bの外側)に前記天井板22の軒先側端部が側方から嵌入されるようになっている(図3二点鎖線参照)。
【0033】
すなわち、前記突出部37と支持部32Bとにより、前記軒天井板22の軒先側端部が側方から嵌入可能な嵌入部38が形成されており、このような嵌入によって、軒天井板22と通路形成部材との連結作業が簡略化されるとともに、軒天井板22の寸法や据付位置に誤差があってもこれを前記嵌合部30で吸収して不都合なく軒天井板22と軒天井用換気装置24とを軒元と軒先との間に配設することが可能となっている。
【0034】
また、前記補強部35aは底壁34A,34Bの端部をそれぞれ折り返すことにより形成されているため、当該端部の端面が雨水にさらされにくく、その分さびにくい構造となっている。
【0035】
一方、内側部材40は、図5(a)に示されるように、水平な底壁41と、この底壁41の軒幅方向両端部から上方に立ち上がる側壁42A,42Bと、各側壁42A,42Bの上端から軒幅方向両外側に延びる耳部43A,43Bとを一体に有し、側壁42A,42Bには図5(b)にも示すような多数の連通口44が長手方向(図5(a)では奥行き方向)に並ぶように穿設されている。
【0036】
また、内側部材40の各寸法は、外側部材30との対比において次の条件を満たすように設定されている。
【0037】
イ)側壁42A,42B同士の離間寸法(すなわち底壁41の軒幅方向の寸法)が外側部材30における両側壁33A,33B同士の離間寸法よりも小さい。
【0038】
ロ)側壁42A,42Bの高さ寸法が外側部材30における側壁33A,33Bの高さ寸法よりも小さい。
【0039】
ハ)軒幅方向の最大寸法(耳部43Aの先端から耳部43Bの先端までの距離)が、外側部材30における隙間39Aの先端部から隙間39Bの先端部までの距離よりも少し小さい。
【0040】
そして、前記耳部43A,43Bがそれぞれ外側部材30の隙間39A,39B内に位置した状態で支持部32A,32Bにより下から支持されている。この取付状態において、内側部材40の底壁41が外側部材30の底壁34A,34Bから上方に離間し、かつ、内側部材40の側壁42A,42Bが外側部材30の側壁33A,33Bから内方に離間するようにして、当該内側部材40が外側部材30の内側に格納されている。
【0041】
この取付状態において、内側部材40の両側壁42A,42B及び底壁41は天井裏口31aを下側から覆う内壁を形成しており、外側部材30の両側壁33A,33B及び両底壁34A,34Bは前記内壁をさらに外側から覆う外壁を形成している。そして、内側部材40の底壁41と外側部材30の両底壁34A,34Bとの間、及び、内側部材40の両側壁42A,42Bと外側部材30の両側壁33A,33Bとの間には、前記軒下開口36から軒幅方向両側に迂回して内側部材40の連通口44に至る迂回通路50が確保されている。
【0042】
なお、前記支持部32A,32B及び耳部43A,43Bは、これに釘26を打ち込んで装置全体を野縁20側に固定するための取付部としての役目も担っている。
【0043】
さらに、前記内側部材40の底壁41の上面には、熱膨張材46が固定されている。
【0044】
この熱膨張材46は、通常は偏平な形状を有していて外側部材30の天壁31から下方に十分離間しており、これによって天井裏口31aを開放する一方、火災発生時には昇温して体積が著しく膨張(図3の二点鎖線に示すように上方へ膨張)することにより、前記底壁31の下面に圧接してその天井裏口31aを直接かつ完全に塞ぐものである。このような作用を得るべく、前記熱膨張材46は前記天井裏口31aの真下の位置(図例では底壁31の中央位置)に据付けられている。
【0045】
この熱膨張材46の材質は、十分な体積膨張率と不燃性及び空気遮断性とを併有するものであればよい。具体的には、熱膨張性黒鉛(天然鱗片状黒鉛を化学処理することにより高温加熱時に芋虫状に膨張するようにしたもの)を含んで200℃程度で膨張を開始するように調整されたもの(例えば住友スリーエム株式会社製の「ウルトラGS」)や、前記特許文献1(特開平6−73829号公報)に不燃性体積膨張材として記載されたもの(特公昭63−132968号公報記載の防火組成物や特公平3−235号公報記載の防火・耐火被覆マット)等が好適である。
【0046】
また、本発明では通路形成部材の具体的な材質も問わず、ある程度の強度及び耐熱性を有するものであればよく、構造用の金属材料(例えばステンレス鋼板)等を使用することが可能である。ただし、少なくとも内壁(図例では内側部材40)についてはなるべく熱伝導性の高いもので構成されていることが、より好ましい。
【0047】
なお、前記熱膨張材46は、組立状態において内壁内側の奥まった位置に配置されることになるが、この熱膨張材46を予め内側部材40に設置しておいてからこの内側部材40と外側部材30とを合体させることによって装置全体の組み付けを容易に行うことが可能である。
【0048】
例えば、図7(a)に示すように、前記外側部材30をその天壁31と両側壁32A,32Bとの境界部分で拡開された形状に成形しておき、この状態で、前記熱膨張材46が設置された内側部材40を外側部材30の内側にセットした後、天壁31に対する両支持部32A,32Bの折り曲げ角度を180°にすることにより、図7(b)に示すように両支持部32A,32Bで耳部43A,43Bが下から支持された状態を得ることができる。
【0049】
次に、この軒天井用換気装置24及び軒天井構造の通常時(火災が発生していない時)及び火災時における作用を説明する。
【0050】
まず、通常時には、熱膨張材46が偏平な形状を維持しており、当該熱膨張材46とこれに対向する天壁31との間に大きな間隔が確保されているため、通路形成部材内に十分な流通面積をもつ換気用通路が形成されている。例えば、軒下側の空気は、図3に破線矢印で示すように、軒下開口36から換気装置24内に侵入した後、内壁と外壁との間に形成された左右両側の迂回通路50に分流してそれぞれ左右連通口44から内壁内(内側部材40の内側空間)に侵入し、天井裏口31aから軒天井裏に流入することが可能である。
【0051】
このように、軒下開口36と天井裏口31aとの間に内側部材40の底壁41が介在していてこれを迂回するように空気が流れるため、前記軒下開口36と天井裏口31aとの相対位置を両者が上から見て互いに重複する位置に設定して軒幅方向の寸法を抑えながらも、例えば降雨の激しい時に雨水を含んだ空気が軒下開口36から天井裏口31aを通じて軒天井裏に直接吹き込むという不都合を回避することができる。また、左右両側に迂回通路50及び連通口44が確保されているため、図示のように外側部材側壁33A,33Bの高さ寸法を小さく抑えて軒天井板22からの下方への突出寸法をほぼ無くしながらも、通路形成部材内に十分な総流路面積をもつ換気通路を確保することができる。
【0052】
一方、建物の火災が発生すると、軒下で発生した熱風が軒下開口36を通じて通路形成部材内に吹き込み、板状の内側部材40の底壁41に直接当たる。従って、この底壁41及び当該底壁41に固定される熱膨張材46は、火災が発生してから短時間で昇温する。特に、底壁41が熱容量の小さいアルミニウム板またはアルミニウム合金板で形成されている場合には昇温時間がより短くなる。このようにして前記熱膨張材46が所定温度に達した時点で、当該熱膨張材46は上向きに膨張して天壁31の下面に圧接し、その天井裏口31aを下から直接かつ完全に塞いで換気用通路を遮断する。
【0053】
すなわち、この換気装置24によれば、火災により発生した熱風が直接底壁41に当たることによって熱膨張材46が速やかに昇温し、膨張して天井裏口31aを塞ぐため、前記熱風が換気用通路を通じて軒天井裏に流入することが迅速に阻止され、軒天井裏の高温化を有効に抑止することができる。しかも、前記熱膨張材46は天井裏口31aを下側から直接かつ完全に塞いでしまうので、例えば前記図9(b)に示すように膨張部材110が膨張しても天井裏口102の下方の空間が底壁106に至るまで大きく開放されている構造に比べ、より高い断熱効果を得ることができる。
【0054】
なお、軒天井用換気装置24と軒天井板22の配置は適宜設定可能であり、例えば軒天井用換気装置24を軒天井板22よりも軒元側に設けてもよい。その実施の形態を図6に示す。
【0055】
図において、建屋側(軒元側)には柱10及び桁11が設置され、その外側面に胴縁12が設けられ、さらにその外側に外壁材14が設けられている。そして、前記胴縁12と図略の軒先側破風板との間に野縁20が設けられるとともに、この野縁20の下方に軒天井板22及び本発明にかかる軒天井用換気装置24が水平方向に並べて設けられており、この軒天井用換気装置24が前記胴縁12と軒天井板22との間に介在した状態となっている。このように、軒天井用換気装置24が軒天井板22よりも軒元側の位置に設けられている構成では、降雨時に雨水を含んだ空気が通路形成部材内に流入することがより有効に抑止される。
【0056】
その他、本発明は例えば次のような実施の形態をとることも可能である。
【0057】
・内壁は、少なくとも天井裏口31aを下から覆う形状であればよく、例えば下向きに凸の半円筒状であってもよいし、矩形以外の角形でもよい。いずれの場合も、天井裏口31aを挟んでその両側の位置に連通口44及び迂回通路50を確保することにより、装置全体のコンパクト化を図りながら十分な総流路面積を確保することができる。外壁の形状も特に問わないが、図示のような矩形状の断面を形成する形状にしてその高さ寸法を軒天井板22の厚み寸法と略同等にすれば、軒天井板22と換気装置24の底面を揃えてより良好な外観を確保することができる。
【0058】
・本発明では、必ずしも天井裏口と軒下開口とが上から見て重複していなくてもよく、例えば図8(a)に示すように天井裏口31aと軒下開口36とが軒幅方向に完全にずれていてもよい。この場合でも、前記図9(b)に示す構造に比べると両口31a,36の離間寸法ひいては装置全体の軒幅方向の寸法を小さく抑えることが可能である。
【0059】
・図1〜図7に示した装置では、内側部材40の両側壁42A,42Bに連通口44が設けられた構造となっているが、例えば図8(b)に示すように底壁41において天井裏口31a及び軒下開口36を挟む両側の位置に連通口44が設けられた構造においても、軒下開口36から天井裏口31aへの雨水等の直接的な吹込みを防ぎながら、通路面積を確保することが可能である。
【0060】
・本発明は熱膨張材46を使用しない場合にも装置全体のコンパクト化及び十分な流路面積をもつ換気用通路の確保という効果を得ることができるものである。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、軒天井裏側に開口する天井裏口と軒下側に開口する軒下開口とを有して両開口同士を連通する換気用通路を形成する通路形成部材を備えた軒天井用換気装置において、前記通路形成部材は、前記天井裏口が形成された天壁と、その天井裏口を下から覆う形状をもつ内壁と、この内壁をさらに外側から覆う形状をもつ外壁とを有し、この外壁の底部に前記軒下開口が形成されるとともに、前記内壁には前記天井裏口及び軒下開口を挟んで軒幅方向両側の位置に当該内壁の内外を連通する連通口が形成されているものであるので、コンパクトな構造で軒下から軒天井裏への空気の直接の吹き込みを阻止しながら良好な換気用通路を確保することができる効果がある。
【0062】
さらに、この換気装置において、前記内壁の底部に昇温時に上向きに膨張する熱膨張材が固定され、その膨張した熱膨張材が前記天壁の下面に圧接して前記天井裏口を塞ぐように当該熱膨張材の固定位置が設定されている構成とすれば、通常時には前記換気用通路を確保しながら、火災時に当該換気用通路を有効かつ迅速に遮断する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軒天井用換気装置を軒先側に設置した実施の形態を示す断面正面図である。
【図2】前記軒天井構造における軒天井用換気装置を示す斜視図である。
【図3】前記軒天井用換気装置の断面正面図である。
【図4】(a)は前記軒天井用換気装置における外側部材の平面図、(b)はその断面正面図である。
【図5】(a)は前記軒天井用換気装置における内側部材の断面正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図6】本発明の軒天井用換気装置を軒元側に設置した実施の形態を示す断面正面図である。
【図7】(a)(b)は前記軒天井用換気装置の製造方法の一例を示す断面正面図である。
【図8】(a)(b)は前記軒天井用換気装置の変形例を示す断面正面図である。
【図9】(a)(b)は従来の軒天井用換気装置を示す断面正面図である。
【符号の説明】
22 軒天井板
24 軒天井用換気装置
30 外側部材
31 天壁
31a 天井裏口
32A,32B 支持部
33A,33B 側壁
34A,34B 底壁
36 軒下開口
38 嵌入部
39A,39B 隙間
40 内側部材
41 底壁
42A,42B 側壁
43A,43B 耳部
44 連通口
46 熱膨張材
50 蛇行通路

Claims (9)

  1. 軒天井裏側に開口する天井裏口と軒下側に開口する軒下開口とを有して両開口同士を連通する換気用通路を形成する通路形成部材を備えた軒天井用換気装置において、前記通路形成部材は、前記天井裏口が形成された天壁と、その天井裏口を下から覆う形状をもつ内壁と、この内壁をさらに外側から覆う形状をもつ外壁とを有し、この外壁の底部に前記軒下開口が形成されるとともに、前記内壁には前記軒下開口及び前記天井裏口を挟んで軒幅方向両側の位置に当該内壁の内外を連通する連通口が形成されていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  2. 請求項1記載の軒天井用換気装置において、前記軒下開口は、上から見て前記天井裏口と少なくとも一部が重複する位置に形成されていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  3. 請求項1または2記載の軒天井用換気装置において、前記内壁の底部に昇温時に上向きに膨張する熱膨張材が固定され、その膨張した熱膨張材が前記天壁の下面に圧接して前記天井裏口を塞ぐように当該熱膨張材の固定位置が設定されていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軒天井用換気装置において、前記通路形成部材は、前記天壁及び外壁を形成する外側部材と、この外側部材の内側に取付けられて前記内壁を構成する内側部材とを有し、これらの外側部材及び内側部材はそれぞれ単板を折り曲げることにより形成されていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  5. 請求項4記載の軒天井用換気装置において、前記外側部材は、前記天壁の軒幅方向両側縁が上下方向に隙間を残して下向きに180°折り返されることにより形成された支持部を有しており、前記内側部材の軒幅方向両側部には前記隙間内に位置して前記支持部により下から支持される耳部を有することを特徴とする軒天井用換気装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の軒天井用換気装置において、前記天壁及び外壁は略矩形状の断面を形成しており、かつ、軒天井板の厚みと略同等の高さ寸法を有することを特徴とする軒天井用換気装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の軒天井用換気装置において、前記内壁の両側部に前記連通口が設けられていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  8. 請求項6または7記載の軒天井用換気装置において、前記外壁の側部にその側方から前記軒天井板の端部が嵌入可能な嵌入部が形成されていることを特徴とする軒天井用換気装置。
  9. 請求項8記載の軒天井用換気装置と、軒天井板とを含み、この軒天井板の端部が前記軒天井用換気装置の通路形成部材の嵌合部に側方から嵌合された状態でこれら軒天井板と軒天井用換気装置とが軒元と軒先との間に配設されていることを特徴とする軒天井構造。
JP2003031425A 2003-02-07 2003-02-07 軒天井用換気装置及び軒天井構造 Expired - Fee Related JP4102676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003031425A JP4102676B2 (ja) 2003-02-07 2003-02-07 軒天井用換気装置及び軒天井構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003031425A JP4102676B2 (ja) 2003-02-07 2003-02-07 軒天井用換気装置及び軒天井構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004239001A JP2004239001A (ja) 2004-08-26
JP4102676B2 true JP4102676B2 (ja) 2008-06-18

Family

ID=32958021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003031425A Expired - Fee Related JP4102676B2 (ja) 2003-02-07 2003-02-07 軒天井用換気装置及び軒天井構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4102676B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308964A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Tookoo:Kk 軒天井換気部材
JP7009185B2 (ja) * 2017-11-30 2022-01-25 日本住環境株式会社 軒天換気材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004239001A (ja) 2004-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5463113B2 (ja) 軒先構造
JP5990369B2 (ja) 換気部材
JP4102676B2 (ja) 軒天井用換気装置及び軒天井構造
JP4095433B2 (ja) 軒天井用換気装置及び軒天井構造
JP4055889B2 (ja) 軒天井用換気装置及び軒天井構造
JP4017259B2 (ja) 防炎シャッタ
JP3238579B2 (ja) 軒先換気部材
JP5232071B2 (ja) 軒先構造
JP4363608B2 (ja) 小屋裏の換気構造
JP2002256649A (ja) 軒天部防耐火構造及び防火ダンパー及び軒天ガラリ
JP4490531B2 (ja) 換気用防火ダンパー
JP4094130B2 (ja) 換気棟
JP4365760B2 (ja) 換気棟
JP4851662B2 (ja) 軒天防火構造
JP2500106Y2 (ja) 棟換気装置
JP4551173B2 (ja) 屋根の換気構造
JP7399496B2 (ja) 軒天換気構造体及び軒天換気部材
JPS6023435Y2 (ja) 換気装置付出窓
JP2019065533A (ja) 通気構造
JP6927839B2 (ja) 軒先構成体
JPH09242206A (ja) 小屋裏の居室の換気装置
JP4109646B2 (ja) 建物外壁用連続開口パネル
JP4171560B2 (ja) 軒先換気部材と軒先換気構造
JP4171312B2 (ja) 防火換気装置及び棟部の防火換気構造
JP3269783B2 (ja) 換気装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees