JP4102649B2 - 水蒸気透過性フィルム - Google Patents
水蒸気透過性フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4102649B2 JP4102649B2 JP2002329589A JP2002329589A JP4102649B2 JP 4102649 B2 JP4102649 B2 JP 4102649B2 JP 2002329589 A JP2002329589 A JP 2002329589A JP 2002329589 A JP2002329589 A JP 2002329589A JP 4102649 B2 JP4102649 B2 JP 4102649B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- polyolefin resin
- film
- water vapor
- ethylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜や果物の鮮度保持包装用や皮膚損傷部位等の創傷面に用いる医療用貼付材として最適な水蒸気透過性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、野菜や果物の鮮度低下を抑制する方法の一つとして、水蒸気透過性を制御するフィルムで包装する方法が用いられている。例えば、特許文献1には、ポリプロピレンなどのフィルムにおいて、孔径と孔数、すなわち孔面積を調節することで、適当な水蒸気透過性を実現する方法が記載されている。
【0003】
しかし、上記のようなフィルムに孔を設ける手法では、孔が小さいとフィルムに印刷する場合にインキによって孔が埋まったり、野菜・果物等の内容物から発生する微細な塵で孔が塞がったりすることがあり、孔が大きくなると、フィルムの強度が低下したり、水蒸気透過性にバラツキが生じるなどの問題があった。また、このような孔を開けるためには、加熱針等の物理的手法やレーザー等光学的手法が用いられているが、いずれも加工によってコスト高となるという欠点がある。
【0004】
また、火傷、皮膚損傷部位等の創傷面に用いる医療用貼付材として、ポリ塩化ビニル等のフィルムに孔を設けることによって水蒸気透過性を制御したフィルムが用いられている。この場合にも、上述したように孔開け加工コストや、細菌や微細な汚染物質の侵入を防止できないといった問題点があり、加えて、ポリ塩化ビニル等の塩素含有化合物は近年、環境保護の観点から、敬遠される傾向にある。
【0005】
一方、代表的な疎水性樹脂であるポリオレフィン樹脂と、代表的な親水性樹脂であるポリビニルアルコール等の水溶性高分子とは、両者の溶解性パラメータ(SP値)が大きく相違しており本質的に相溶性に乏しい。したがって、かりに両者を樹脂混合の一般的な手法である加熱溶融法にて混合しようとしても、相分離が生じて不透明な混合物しか得られず、さらに、水溶性高分子は一般に融点と分解点とが近いため、熱分解による劣化も起こりやすい。このように両者は個別には従来からよく知られた樹脂であるにもかかわらず、均一に混合することが困難であり、かりに混ざったとしても、透明なフィルムを得ることはできなかった。
【0006】
また、一般に、樹脂を溶融押出してフィルムを製造する場合には、フィルムの薄肉化には限度があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−316942号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するものであり、孔を空けずとも水蒸気透過性の調節が非常に容易で、柔軟性、透明性、耐水性、耐溶剤性が良好で、薄肉化可能な水蒸気透過性フィルムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定組成のポリオレフィン樹脂の水性分散体と、水溶性高分子の水溶液との混合水性液から水性媒体を除去することによって得られるフィルムは、上記の課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
ポリオレフィン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを含有するフィルムであって、ポリオレフィン樹脂(A)が、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)とエチレン系炭化水素(A2)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)とから構成され、(A1)〜(A3)の各構成成分の質量比が下記式(1)、(2)を満たし、水溶性高分子(B)が、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルピロリドンであり、ポリオレフィン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が90/10〜25/75の範囲で含有していることを特徴とする水蒸気透過性フィルムである。また、水性媒体中に不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)とエチレン系炭化水素(A2)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)とから構成され、(A1)〜(A3)の各構成成分の質量比が下記式(1)、(2)を満たすポリオレフィン樹脂(A)と、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルピロリドンである水溶性高分子(B)とを、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が90/10〜25/75の範囲で含有する水性液から、水性媒体を留去することを特徴とする水蒸気透過性フィルムの製造方法である。
(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=1/100〜4/100(1)
(A2)/(A3)=75/25〜97/3(2)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の水蒸気透過性フィルムは、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)とエチレン系炭化水素(A2)との共重合体であり不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)を0.01〜30質量%含むポリオレフィン樹脂(A)および水溶性高分子(B)とを、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が95/5〜20/80の範囲で含有している。(A)/(B)が上記範囲にある場合、優れた水蒸気透過度、引張伸度を有しており、両者の性能のバランスと耐溶剤性の点から(A)/(B)は90/10〜25/75の範囲が好ましく、85/15〜30/70の範囲がより好ましく、85/15〜35/65の範囲が特に好ましい。(B)の含有量が5質量%未満では水蒸気透過度が低下し、80質量%を超えると耐水性や引張伸度が低下する。上記の範囲内で(A)/(B)を変えることで水蒸気透過度および引張伸度を所望の性能に制御することができる。
【0012】
実用上、本発明のフィルムの水蒸気透過係数は40℃における値が2000g・μm/m2・day以上であることが好ましく、さらに、好ましくは3000g・μm/m2・day以上である。フィルムのヘーズ(%)は特に限定されないが、透明性を要求される場合には20%以下であることが好ましい。さらに好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下である。また、フィルムの引張伸度は25℃における値が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは100%以上であり、特に好ましくは120%以上である。
【0013】
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(A)としては、後述する樹脂の水性化(液状化)、水溶性高分子(B)との相溶性、フィルムの耐水性などの点から不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)を0.01〜30質量%含有している必要がある。不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂(A)中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。エチレン系炭化水素(A2)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン化合物を挙げることができ、この中でもエチレン、プロピレンが好ましく、エチレンが最も好ましい。
【0014】
ポリオレフィン樹脂(A)の中でも、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)、エチレン系炭化水素(A2)に加えて更にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)を含有していることがフィルムの引張伸度や耐水性の点から好ましく、(A1)〜(A3)の各構成成分の質量比が下記式(1)、(2)を満たすものが水蒸気透過度、引張伸度、耐水性、耐溶剤性などのフィルムの各種性能のバランスが良好であるという点から好ましい。
(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=0.01/100〜10/100 (1)
(A2)/(A3)=65/35〜99/1 (2)
【0015】
不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)成分は、後述する樹脂の水性化(液状化)のし易さ、フィルムの耐水性、耐アルカリ性などの点からこの樹脂全体{(A1)+(A2)+(A3)}の0.01〜10質量%含有していることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%であり、1〜4質量%が最も好ましい。
【0016】
エチレン系炭化水素(A2)成分とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)成分との質量比(A2)/(A3)は、後述する樹脂の水性化(液状化)、フィルムの耐水性などの点から65/35〜99/1であることが好ましく、70/30〜97/3であることがさらに好ましく、75/25〜97/3であることが特に好ましい。〔(A2)+(A3)〕に対する(A3)成分の比率が1質量%未満では、ポリオレフィン樹脂の水性化は困難になり、良好な水性分散体を得ることが難しい。一方、化合物(A3)の含有比率が35質量%を超えると、(A2)成分によるポリオレフィン樹脂としての性質が失われ、耐水性等の性能が低下する。
【0017】
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)成分の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プルピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸とアルコールとのエステル化物を挙げることができ、この中でもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
【0018】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(A)としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸またはエチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体が最も好ましい。ここで、アクリル酸エステル単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、そのような場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
【0019】
なお、本発明におけるポリオレフィン樹脂を構成する無水マレイン酸単位等の不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
【0020】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂(A)には、その他のモノマーが、少量、共重合されていても良い。例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二硫化硫黄等が挙げられる。
【0021】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(A)の分子量は特に限定されないが、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートとしては、0.01〜500g/10分が好ましく、より好ましくは0.5〜400g/10分、さらに好ましくは1〜250g/10分、最も好ましくは1〜100g/10分のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、樹脂の水性化は困難になる。一方、ポリオレフィン樹脂の(A)メルトフローレートが500g/10分を超えると、フィルムはもろくなり、機械的強度や引張伸度が低下する。
【0022】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(A)の合成法は特に限定されない。一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸、あるいはその無水物はグラフト共重合(グラフト変性)されていても良い。
【0023】
水溶性高分子(B)として用いられる樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系化合物、デンプン、変性デンプン、グアガムやカラギーナンなどの多糖類、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、ポリビニルメチルエーテル、ポリオキサゾリン、ポリ(メタ)アクリル酸およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびその塩、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびその塩、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体およびその塩、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体およびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、ポリマレイン酸およびその塩、ポリアクリルアミド等のアミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、コラーゲン等を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用してもよい。中でも、ポリオレフィン樹脂(A)との相溶性の点から、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンが好ましく、さらにフィルムの耐水性、耐溶剤性の点からポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は、85〜100%のものが好ましく、重合度は200〜2000のものが水溶液として取り扱い易く好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量は、水溶液とできる範囲であればよく、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。また、ケン化度は、85〜100%のものが好ましく、重合度は200〜2000のものが好ましい。
【0024】
本発明の水蒸気透過性フィルムの製造方法としては、キャスティング法が好適に用いられる。キャスティング法とは、目的組成の水性液を作製し、これをスチールベルトや水性媒体に侵されないポリマーフィルム、もしくはガラス上に展開させ、水性媒体を除去してフィルムを得る方法である。
具体的な本発明の水蒸気透過性フィルムの製造方法としては、前述したポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体と水溶性高分子(B)の水溶液とを(A)と(B)の固形分質量比(A)/(B)が95/5〜20/80の割合になるように混合した水性液から水性媒体を留去することで作製できる。水性液の固形分含有率は、成膜条件、目的とするフィルムの厚さや性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではないが、水性液の粘性を適度に保ち、かつ良好なフィルム形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。
ここで、水性媒体とは、水を主成分とする媒体であり、水溶性の有機溶剤や塩基性化合物を含有していてもよい。
【0025】
本発明の水蒸気透過性フィルムの厚みとしては、その用途によって適宜選択されるものであるが、1〜200μmが好ましく、2〜100μmがより好ましく、3〜75μmがさらに好ましく、5〜50μmが特に好ましい。フィルム厚みが上記範囲であれば、均一性に優れたフィルムが得られる。
【0026】
本発明の水蒸気透過性フィルムには、その優れた特性を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有することができる。かかる添加剤としては、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤あるいは染料、架橋剤、上記したポリオレフィン樹脂(A)以外の樹脂などを挙げることができる。また、上記に示した添加剤は2種類以上、組み合わせて用いても良い。
【0027】
ポリオレフィン樹脂(A)を水性化する方法は特に限定されないが、フィルムの性能を維持するために乳化剤を用いない方が好ましい。乳化剤がフィルム中に存在すると、それらがブリードアウトして性能が変化する場合がある。
【0028】
ポリオレフィン樹脂(A)を水性化する方法は、例えば、攪拌機を備えた密閉できる容器中に、ポリオレフィン樹脂(A)と水を所定量入れ、塩基性化合物および、必要に応じて有機溶剤の存在下で、加熱・攪拌することでポリオレフィン樹脂(A)を水性媒体中に数平均粒子径0.2μm以下に安定に分散することができる。ポリオレフィン樹脂(A)中の不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)の含有量が多い場合(例えば18質量%以上)、有機溶剤を添加せずとも樹脂を水性化できる。
【0029】
水性化の際に使用する塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和できるものであればよい。フィルムの耐水性の点から揮発性の化合物が好ましく、アンモニアやトリエチルアミンやアルカノールアミン等の有機アミン化合物が好ましい。
有機溶剤としては、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上であることが好ましく、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。
【0030】
本発明のフィルムは孔を空けなくても水蒸気透過度を調節することができるため細菌や汚染物質の侵入を防ぐことができ、さらに柔軟性、耐水性、耐溶剤性等の性能も良好であるため、野菜、果物、花などの鮮度保持包装用や皮膚損傷部位等の創傷面に用いる医療用貼付材として最適である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定又は評価した。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)水性化後のエステル基の残存量
水性化後のポリオレフィン水性分散を150℃で乾燥させた後、オルトジクロロベンゼン(d4)中、120℃にて1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、水性化前のアクリル酸エステルのエステル基量を100としてエステル基の残存率(%)を求めた。
(3)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、ポリオレフィン樹脂固形分濃度を求めた。
(4)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)、重量平均粒子径(mw)を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂水性分散体中の有機溶剤の含有率
島津製作所社製ガスクロマトグラフGC-8A〔FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG-HT(5%)-Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール〕を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
(6)水性化後のメルトフローレート(MFR)
ポリオレフィン水性分散体をガラスシャーレに取り、100℃で6時間乾燥させた。得られたポリオレフィン樹脂のMFRはJIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した。
【0032】
(7)フィルムの厚み
JIS K7130に準じて、HEIDENNHAIN社製の厚み計(ND282型)を用いて5点測定しその平均値をフィルム厚みとした。
(8)フィルムのヘーズ(曇価)
JIS K7105に準じて、日本電色工業社製の濁度、曇り度計(NDH2000)を用いて「ヘーズ(%)」を測定した。
(9)フィルムの耐水性
フィルムの表面を蒸留水をしみこませた布で10回擦り、表面の状態を目視で評価した。
○:外観に変化なし。
△:フィルム表面が曇る。
×:フィルムが溶解する。
(10)フィルムの耐溶剤性
フィルムの表面を下記に示す各種溶剤をしみこませた布で10回擦り、表面の状態を目視で評価した。
溶剤:エタノール(和光純薬社製特級)、トルエン(和光純薬社製特級)、塩化メチレン(和光純薬社製特級)、メチルエチルケトン(和光純薬社製特級)
○:外観に変化なし。
△:フィルム表面が曇る。
×:フィルムが溶解する。
(11)フィルムの耐アルカリ性
20℃においてpH12.0に調整したNaOH水溶液を40℃に加温して攪拌しておき、この液にフィルムを3分間浸漬した。その後、水洗いし、塗膜の状態を目視で評価した。
○:外観に変化なし。
×:フィルムが溶解する。
(12)フィルムの水蒸気透過度、水蒸気透過係数
モコン社製の透湿度測定器(PERMATRAN-W3/31MW)により40℃、100%RHにおけるフィルムの水蒸気透過度を測定した。この値をW(g/m2・day)、フィルムの厚みをT(μm)とし、Z=W×Tの関係式より水蒸気透過係数Z(g・μm/m2・day)を求めた。
(13)フィルムの引張伸度
フィルムを幅10mm×長さ100mmの試験用サンプルに切り出した。JIS K7127に準じて、インテスコ社製の精密万能材料試験機(2020型)にて25℃で測定した応力−ひずみ曲線チャートを用いて下式より引張伸度(%)を求めた。
引張伸度(%)=伸び(mm)/100(mm、支点間距離でありここではサンプル長)×100
(14)細菌、汚染物質等からの密閉性
フィルムで蒸留水を包装し、1分後に蒸留水の漏れの有無を調べた。
○:漏れ無し。
×:漏れ有り。
【0033】
使用した樹脂の組成を表1に示す。なお、表1に記載されている樹脂の融点はDSCで測定した値であり(測定装置:パーキン・エルマー社製DSC−7)、メルトフローレートはJIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
【0034】
【表1】
【0035】
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E-1の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂〔ボンダインHX8210(ア),住友化学工業社製〕、60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、3.7g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)および176.3gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した。このようにして得られた水性分散体250g、蒸留水90gを0.5リットルの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。約90gの水性媒体を留去したところで、加熱を終了し、室温まで冷却した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)して乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E-1を得た。水性分散体E-1の各種特性を表2に示した。
【0036】
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E-2の製造)
ポリオレフィン樹脂としてボンダインLX-4110(イ)(住友化学工業社製)を用い、アミンとしてN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)を用い、アミン量、IPA量を表2のように変更した以外はコート剤組成物E-1の製造と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体E-2を得た。水性分散体E-2の各種特性を表2に示した。
【0037】
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E-3の製造)
ポリオレフィン樹脂としてボンダインTX-8030(ウ)(住友化学工業社製)を用い、アミンとしてN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、DMEA)を用い、アミン量、IPA量を表2のように変更した以外はコート剤組成物E-1の製造と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体E-3を得た。水性分散体E-3の各種特性を表2に示した。
【0038】
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E-4の製造)
ポリオレフィン樹脂としてエチレン−アクリル酸共重合体樹脂〔プリマコール5980I(エ)、アクリル酸20質量%共重合体、ダウケミカル製〕を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのエチレン−アクリル酸共重合体樹脂〔プリマコール5980I(エ)、ダウケミカル社製〕、16.8g(樹脂中のアクリル酸のカルボキシル基に対して1.0倍当量)のTEA、および223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を120℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白濁の水性分散体E-4を得た。この際、フィルター上に樹脂は殆ど残っていなかった。水性分散体E-4の各種特性を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
実施例1
ポリビニルアルコール(ユニチカケミカル社製UF100、ケン化度99.4%、平均重合度1000)を純水に溶解し、10質量%の水溶液を得た。この水溶液とポリオレフィン樹脂水性分散体E-1(HX8210)とを固形分質量比が60/40になるように混合、攪拌して得られた液を厚み約190μmの延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの未処理面にマイヤーバーを用いてコートした後、120℃で2分間、乾燥させてPETフィルム上にポリオレフィン樹脂と水溶性高分子を含有するフィルムを形成させた。その後、両者のフィルムを剥離し、目的とするフィルムを得た。
【0041】
実施例2〜5
ポリオレフィン樹脂とポリビニルアルコールとの割合を表3のように変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0042】
実施例6、7
ポリオレフィン樹脂水性分散体としてE-2(LX4110)を用い、ポリオレフィン樹脂とポリビニルアルコールとの割合を表3のようにした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0043】
実施例8、9
ポリオレフィン樹脂水性分散体としてE-3(TX8030)を用い、ポリオレフィン樹脂とポリビニルアルコールとの割合を表3のようにした以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0044】
実施例10(参考例A)
ポリオレフィン樹脂水性分散体としてE−4(5980I)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0045】
実施例11
水溶性高分子としてエチレン−ビニルアルコール共重合体(クラレ社製、AQ4105、エチレン含有量9モル%、ケン化度98.5%、平均重合度500)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0046】
実施例12
水溶性高分子としてポリビニルピロリドン(和光純薬社製、K-90)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0047】
比較例1、2
ポリオレフィン樹脂とポリビニルアルコールとの割合を表3のように変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
【0048】
実施例1〜12および比較例1,2で得られたフィルムの性能評価結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
実施例1〜9は、いずれも優れた透明性、水蒸気透過性、柔軟性を示した。また、実施例1〜5の結果をプロットした図1からわかるように、フィルム中の水溶性高分子の割合が高くなるにつれて水蒸気透過度はほぼ直線的に大きくなり、フィルムの組成を選択することにより、容易に水蒸気透過性の制御が可能である。ポリオレフィン樹脂として不飽和カルボン酸含有量の多い樹脂を用いると(実施例10(参考例A))、耐アルカリ性が悪化したが、その他の性能は良好であった。水溶性高分子として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いてもフィルム性能は良好であった(実施例11)が、ポリビニルピロリドンを用いた場合、耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性が悪化した(ただし、水蒸気透過度、引張伸度の値は良好であった)(実施例12)。比較例1、2に示すようにポリオレフィン樹脂と水溶性高分子との割合が本発明の範囲を外れると水蒸気透過度や引張伸度が著しく悪化した(耐水性、耐アルカリ性、耐溶剤性も悪化する場合があった)。
【0051】
【発明の効果】
特定組成のポリオレフィン樹脂と水溶性高分子とを特定の割合で含有させた組成物から得られるフィルムは、上記割合を調整することで水蒸気透過性の調節が非常に容易であり、かつ良好な柔軟性(引張伸度が大きい)、耐水性、耐溶剤性を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜5におけるフィルムの水蒸気透過係数とPVA含有量の関係を示すグラフである。
Claims (5)
- ポリオレフィン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを含有するフィルムであって、ポリオレフィン樹脂(A)が、不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)とエチレン系炭化水素(A2)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)とから構成され、(A1)〜(A3)の各構成成分の質量比が下記式(1)、(2)を満たし、水溶性高分子(B)が、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルピロリドンであり、ポリオレフィン樹脂(A)と水溶性高分子(B)とを、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が90/10〜25/75の範囲で含有していることを特徴とする水蒸気透過性フィルム。
(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=1/100〜4/100(1)
(A2)/(A3)=75/25〜97/3(2) - 40℃、100%RHでの水蒸気透過係数が2000g・μm/m2・day以上である請求項1記載の水蒸気透過性フィルム。
- ヘーズが20%以下である請求項1記載の水蒸気透過性フィルム。
- 25℃における引張伸度が80%以上である請求項1記載の水蒸気透過性フィルム。
- 水性媒体中に不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)とエチレン系炭化水素(A2)とアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(A3)とから構成され、(A1)〜(A3)の各構成成分の質量比が下記式(1)、(2)を満たすポリオレフィン樹脂(A)と、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリビニルピロリドンである水溶性高分子(B)とを、(A)と(B)の質量比(A)/(B)が90/10〜25/75の範囲で含有する水性液から、水性媒体を留去することを特徴とする水蒸気透過性フィルムの製造方法。
(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}=1/100〜4/100(1)
(A2)/(A3)=75/25〜97/3(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329589A JP4102649B2 (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 水蒸気透過性フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002329589A JP4102649B2 (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 水蒸気透過性フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004161891A JP2004161891A (ja) | 2004-06-10 |
JP4102649B2 true JP4102649B2 (ja) | 2008-06-18 |
Family
ID=32807537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002329589A Expired - Lifetime JP4102649B2 (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 水蒸気透過性フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4102649B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2106420B1 (en) * | 2007-01-26 | 2016-01-06 | Plantic Technologies Limited | Composition comprising biopolymer |
JP5337078B2 (ja) * | 2010-03-01 | 2013-11-06 | 共同印刷株式会社 | エチレン−ビニルアルコール系ポリマーアロイ組成物、該組成物からなるフィルム、該フィルムを備える包装材、及び、該組成物の製造方法 |
CN113234260B (zh) * | 2021-06-04 | 2023-06-13 | 重庆工商大学 | 一种瓜尔胶基纳米复合膜的制备方法 |
-
2002
- 2002-11-13 JP JP2002329589A patent/JP4102649B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004161891A (ja) | 2004-06-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018121657A1 (zh) | 一种防雾聚烯烃接枝物及其制备方法 | |
JP4086961B2 (ja) | グラフトポリマー | |
CN111032312B (zh) | 水溶性包装用膜 | |
FR2969160A1 (fr) | Copolymere polyamide-polyolefine | |
TW593589B (en) | Process for the preparation of a barrier coating | |
JP4102649B2 (ja) | 水蒸気透過性フィルム | |
JP2019530565A (ja) | ガスバリア性を有するポリマーフィルムの製造方法 | |
WO2011089432A1 (en) | Improved hydrogel synthesis | |
JP2008056877A (ja) | ポリオレフィン樹脂水性分散体の製造方法 | |
Xu et al. | Thermo-sensitive hydrogels for forward osmosis with NIR light-induced freshwater recovery | |
JP2005248026A (ja) | 防湿用コーティング剤およびこれを塗工した防湿加工品 | |
JP7072129B1 (ja) | ポリビニルアルコール樹脂フィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルムの判別方法、及びポリビニルアルコール樹脂フィルムの製造方法 | |
Mosnáček et al. | Photochemical grafting of polysulfobetaine onto polyethylene and polystyrene surfaces and investigation of long‐term stability of the polysulfobetaine layer in seawater | |
JP5443215B2 (ja) | 水性防曇コート剤及び防曇性の改良された材料 | |
JP7431627B2 (ja) | ポリビニルアルコールフィルム、及びパッケージ材料 | |
JP5021751B2 (ja) | エチレン−アクリレート系共重合体を含んで成る酸素遮断性フィルム及び容器 | |
JP4573934B2 (ja) | アルカリ性物質包装用フィルム | |
JP4546024B2 (ja) | 水性防曇コート剤及び防曇性の改良された材料 | |
Mateescu et al. | Novel surface-attached gels from photo-crosslinkable polyacrylamides for the cleaning of works of art | |
JPH101515A (ja) | ポリビニルアルコール系組成物及びその製造方法、及び包装材料 | |
CN110636978B (zh) | 自支撑分散剂膜及包含其的单位剂量包装 | |
JP2019503409A (ja) | 水性媒体中に分散された液滴 | |
JP4428938B2 (ja) | 水性組成物とその製法 | |
JP2003103734A (ja) | 積層体フィルムおよびその製造方法 | |
JPH0952918A (ja) | 臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051026 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071225 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080222 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080318 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080324 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4102649 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140328 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |