JPH0952918A - 臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法 - Google Patents

臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法

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JPH0952918A
JPH0952918A JP20312195A JP20312195A JPH0952918A JP H0952918 A JPH0952918 A JP H0952918A JP 20312195 A JP20312195 A JP 20312195A JP 20312195 A JP20312195 A JP 20312195A JP H0952918 A JPH0952918 A JP H0952918A
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ethylene
olefin copolymer
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odor
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JP20312195A
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Hiroshi Furuta
啓 古田
Koutarou Date
浩太朗 伊達
Tatsuhiko Ogusu
達彦 小楠
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重
合体を得る。 【解決手段】 メタロセン触媒存在下、共重合して得ら
れるエチレン・α−オレフィン共重合体1kgあたり、
(a)30〜150℃の空気または不活性ガスによっ
て、0.03〜3m3/hrの流量で0.5〜72時間
乾燥、および/または(b)30℃以上エチレン・α−
オレフィン共重合体の融点未満の熱水で、0.001〜
0.5m3/hrの流量の空気または不活性ガスを導入
して、0.5〜30時間浸漬する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン・α−オレ
フィン共重合体に関し、詳しくは、特に食品用容器、食
品包装用フィルム、シートあるいは医療用容器などの用
途に適する臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重
合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン・α−オレフィン共重合体は、
主用途の包装材料として、易ヒートシール性、内容物に
対する安全性、衛生性などに優れていることから、包装
材料の最内面に使用されることが多い。しかし、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体には、未反応モノマー、重
合系や触媒に添加された各種溶剤、重合時に副生した各
種低分子量化合物などの重合操作に由来する揮発成分が
残留し、それによって加工時の発煙、目やに、異臭の発
生原因となるばかりか、加工後の包装材料にまで臭気が
残る場合がある。このような材料を食品の包装に使用す
ると、エチレン・α−オレフィン共重合体から発生した
臭気が移行して、食品の香りだけでなく味をも損なうこ
とになるため、特に包装材料として使用する場合は、臭
気を低減させる必要がある。また、チーグラー型触媒存
在下で重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重
合体の臭気の低減方法として、例えば、重合操作の際に
おける乾燥を十分に行う方法、溶媒で抽出する方法、造
粒時に脱気する方法、熱風によって加熱する方法などが
知られている。しかし、チーグラー型触媒存在下で重合
して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、こ
れらいずれの方法によっても臭気成分の除去が困難であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、臭気の少な
いエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法の提供
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メタロセ
ン触媒存在下で重合して得られるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体を極めて容易に臭気の少ないものとするこ
とができること、およびその中の揮発成分の含有量と臭
気の強さとの間には相関があることを見出し、本発明に
到達した。
【0005】すなわち、本発明は、メタロセン触媒存在
下、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重
合して得られる樹脂をエチレン・α−オレフィン共重合
体1kgあたり、(a)30〜150℃の空気または不
活性ガスによって、0.03〜3m3/hrの流量で
0.5〜72時間乾燥、および/または(b)30℃以
上エチレン・α−オレフィン共重合体の融点未満の熱水
で、0.001〜0.5m3/hrの流量の空気または
不活性ガスを導入して、0.5〜30時間浸漬し、ヘッ
ドスペースガスクロマトグラフィーによって測定した炭
素数12以下の揮発成分の総量(ノルマルヘキサン換
算)の乾燥前/乾燥後の値(Q)を200以上にするこ
とを特徴とするエチレン・α−オレフィン共重合体の製
造方法に関する。
【0006】以下、本発明の詳細について説明する。
【0007】本発明に用いられるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、例えば、以下に例示するような公報に
開示されている方法によって製造することができる。
【0008】特開昭60−35006号公報、特開昭6
0−35007号公報、特開昭60−35008号公
報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−2
2804号公報、特開平3−163008号公報、特開
昭58−19309号公報、特開昭60−862号公
報、特開昭63−61010号公報、特開昭63−15
2608号公報、特開昭63−264606号公報、特
開昭63−280703号公報、特開昭64−6003
号公報、特開平1−95110号公報、特開平3−62
806号公報、特開平1−259004号公報、特開昭
64−45406号公報、特開昭60−106808号
公報、特開昭60−137911号公報、特表昭63−
501369号公報、特開昭61−221207号公
報、特開平2−22307号公報、特開平2−1731
10号公報、特開平2−302410号公報、特開平1
−129003号公報、特開平1−210404号公
報、特開平3−66710号公報、特開平3−7071
0号公報、特開平1−207248号公報、特開昭63
−222177号公報、特開昭63−222178号公
報、特開昭63−222179号公報、特開平1−12
407号公報、特開平1−301704号公報、特開平
1−319489号公報、特開平3−74412号公
報、特開昭61−264010号公報、特開平1−27
5609号公報、特開昭63−251405号公報、特
開昭64−74202号公報、特開平2−41303号
公報、特開平1−31488号公報、特開平3−565
08号公報、特開平3−70708号公報、特開平3−
70709号公報、特開平4−8704号公報、特開平
4−11604号公報、特開平4−213305号公
報、特開平5−310829号公報、特開平5−320
242号公報、特開平6−228222号公報、EP0
612769号公報などが挙げられる。
【0009】このエチレン・α−オレフィン共重合体
は、例えば、シクロペンタジエニル誘導体を含有する有
機遷移金属(I)と、これと反応してイオン性の錯体を
形成する化合物(II)および/または有機金属化合物
(III)からなる触媒の存在下で、エチレン単独また
はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合
することにより製造できるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0010】炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウ
ンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラ
デセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘ
プタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−
エイコセン、スチレンなどを挙げることができ、これら
のうち1種または2種以上を共重合に用いることができ
る。
【0011】また、上記のエチレン・α−オレフィン共
重合体の形態は特に制限はなく、重合操作によって得ら
れた粉末、それを造粒して得られたペレット、各種の方
法によって成形して得られた容器、フィルム、シート、
その他の成形品などのいづれであってもよい。
【0012】また、本発明の効果を損なわない程度の範
囲で、必要に応じて、他の樹脂、酸化防止剤、帯電防止
剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、無機・有機充填剤、造核剤、透明化剤、着色剤、有
機過酸化物、触媒中和剤、可塑剤等の一般に熱可塑性プ
ラスチックに用いられる添加剤を使用してもよい。
【0013】メタロセン触媒を使用して得られるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー型触媒を使
用して得られたものよりも組成分布が狭いため、臭気の
原因となる低分子量成分の残存量が少なく、また、重合
活性が高いために残留溶媒量が少なく、容易に臭気の少
ないものにすることが可能である。
【0014】重合方法については、メタロセン触媒存在
下で重合が行われれば、いづれの方法を用いてもよく、
例えば、高圧重合法における重合は、重合体を溶液状態
に維持し、かつ重合活性を高めるために120℃以上、
分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ重合
活性を低下させないために300℃以下の温度で、50
0kgf/cm2G以上の圧力で行うのが好ましい。ま
た、気相重合法における重合は、共重合体が粉体状態で
あることから高温は好ましくなく、100℃以下である
ことが必要であり、重合温度の下限は特に限定されない
が、重合活性を高めるために50℃以上が好ましい。ま
た、重合活性を高めるために、予めオレフィンにより予
備重合せしめた触媒成分と有機アルミニウム化合物およ
びイオン化イオン性化合物を用いて行うのが好ましい。
また、溶液重合法における重合は、重合温度は、共重合
体が溶液状態であることおよび重合活性を上げることを
考慮して、120℃以上であることが必要である。重合
温度の上限は特に限定されないが、分子量低下の原因と
なる連鎖移動反応を抑え、かつ触媒効率を低下させない
ために300℃以下が好ましい。また、重合時の圧力に
ついては特に限定されないが、重合活性を上げるために
大気圧以上が好ましい。
【0015】臭気の改善されたエチレン・α−オレフィ
ン共重合体を得るには、製造工程の中で、粉末の乾燥を
十分に行う方法、炭化水素溶媒で洗浄する方法、ペレッ
トに造粒する工程において、押出機に脱気設備を設け、
溶融時に脱気する方法、また、該脱気に際し、水を添加
し、脱気効果を高める方法、さらにまた、ホッパードラ
イヤーなどによりペレットを再度熱風下で乾燥する方法
や熱水にペレットを浸漬する方法などがあり、特にホッ
パードライヤーでの熱風乾燥や熱水にペレットを浸漬す
る方法が効果的である。
【0016】熱風によって乾燥する方法においては、特
に限定されるものではないが、例えば、ホッパードライ
ヤーにエチレン・α−オレフィン共重合体のペレットを
入れ、エチレン・α−オレフィン共重合体1kgあたり
0.03〜3m3/hr、好ましくは0.05〜2m3
hrの熱風を0.5〜72時間、好ましくは1〜48時
間送風し、熱風を30〜150℃、好ましくは共重合体
の軟化点より10℃低い温度に加熱することによって行
えばよく、送風する媒体としては、通常、空気または不
活性ガスが用いられるが、好ましくは空気である。処理
時間が0.5時間未満では、十分な低臭化効果が得られ
ず、また、72時間を越えるとサイロ数が増加し、生産
上好ましくない。また、処理温度が30℃未満では十分
な効果が得られず、150℃を越えるとホッパードライ
ヤー中で共重合体の融着を引き起こすので好ましくな
い。熱風量が0.03m3/hrより少ない場合には、
揮発成分の拡散が不十分となるため十分な効果が得られ
ない。また、3m3/hrより多い場合には、生産効率
が悪くなるため好ましくない。
【0017】また、熱水に浸漬する方法においては、特
に限定されるものではないが、浸漬させる熱水の温度
は、30℃以上エチレン・α−オレフィン共重合体の融
点未満の温度であり、通常、30℃以上130℃以下、
好ましくは40℃以上100℃以下で浸漬させる。浸漬
させる熱水の量は、通常、処理されるエチレン・α−オ
レフィン共重合体と同容量以上が用いられるが、好まし
くは2倍量以上が用いられる。処理時間は特に制限がな
く、熱水の温度および熱水中に導入する気体量により適
時調整されるが、通常、0.5〜30時間、好ましくは
1〜12時間である。熱水中に導入する気体としては、
空気、不活性ガス等の一般的な気体が用いられるが、好
ましくは空気または空気と不活性ガスとの混合気体が用
いられ、導入量は、エチレン・α−オレフィン共重合体
1kgあたり0.001〜0.5m3/hr、好ましく
は0.03〜0.3m3/hrの範囲である。上記処理
温度が30℃未満では十分な効果が得られず、エチレン
・α−オレフィン共重合体の融点以上では共重合体の融
着を引き起こすので好ましくない。また、浸漬させる熱
水量がエチレン・α−オレフィン共重合体と同容量より
少ない場合には、共重合体が熱水で十分に浸漬されない
ため十分な効果が得られない。また、導入気体量が0.
001m3/hrより少ない場合には、揮発成分の拡散
が不十分となるため十分な効果が得られない。また、
0.5m3/hrより多い場合には、生産効率が悪くな
るため好ましくない。処理時間が0.5時間未満では、
十分な低臭化効果が得られず、また、30時間を越える
と生産効率が悪くなるため、生産上好ましくない。
【0018】さらに、上記2つの処理方法を併用しても
よい。
【0019】上記の処理方法により臭気の改善を行うに
際しては、炭素数12以下の炭化水素からなる揮発成分
の総量を指標とし、該総量(ノルマルヘキサン換算)の
乾燥前/乾燥後の値(Q)が200以上になるように各
処理条件を設定すれば、十分な臭気改善を達成すること
ができる。
【0020】(ヘッドスペースガスクロマトグラフィー
による臭気の測定)本発明のメタロセン触媒存在下で重
合して得られる臭気の少ないエチレン・α−オレフィン
共重合体は、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーで
測定した炭素数12以下の炭化水素からなる揮発成分の
総量(ノルマルヘキサン換算)の乾燥前/乾燥後の値
(Q)が200以上のものである。この値が200以上
であれば、該共重合体から発生する臭気や該共重合体で
包装された内容物へ移行する臭気は、人の嗅覚では感じ
とれないか、または気にならない程度のものとすること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0022】エチレン・α−オレフィン共重合体が含有
する揮発成分は、密閉容器内の該共重合体を窒素雰囲気
下150℃で60分加熱後、気相部をヘッドスペースガ
スクロマトグラフィーにより分析することによって行っ
た。
【0023】ヘッドスペースガスクロマトグラフィー測
定および臭気評価条件の詳細は、次のとおりである。
【0024】(ヘッドスペースガスクロマトグラフィー
測定)エチレン・α−オレフィン共重合体の測定は、以
下の〜の条件に従って行った。
【0025】装置 ヘッドスペースガスクロマトグラフィー:島津GC9A カラム 充填剤:クロマトパッキング社ULBON−HP キャピラリー:内径0.53mm、長さ15m 測定試料 試料量:7g(窒素雰囲気下で精秤) 試料ビン:ガラス製(容量20cc) ガスクロマトグラフィーの条件 保温温度:150℃ 保温時間:60分 カラム初期温度:45℃ カラム初期時間:10分 カラム昇温速度:10℃/分 カラム最終温度:250℃ カラム最終時間:10分 気化室温度:150℃ シリンジ温度:150℃ 検出器極性:1 検出器レンジ:1 周期:70分 上記の〜の条件で測定を行い、炭素数12以下の炭
化水素の総ピーク面積を揮発分の総量とし、定量は、ノ
ルマルヘキサン換算で行った。
【0026】(ペレットの臭気評価)ペレット100g
を500ccのガラス製試料ビンに充填し、密封した
後、室温で24時間放置し、10名のパネラーにより、
臭いの強さを判定した。パネラーにおける判定基準は、 0:全く臭わない 1:わずかに臭う 2:はっきり臭う 3:激しく臭う とし、10名の合計値で評価した。
【0027】(フィルムの臭気評価)ペレット10kg
を直径50mmのインフレーション装置にて、成形温度
160℃で厚さ50μmのフィルムとした。フィルム5
0gを2cm平方に切り出し、500ccのガラス管に
充填、密封した後、40℃のオーブンにて60分間加熱
した。この後、室温まで冷却し、上記パネラーによる同
様の判定を行った。
【0028】(水充填フィルムの味覚評価)上記フィル
ムの臭気評価用に成膜したフィルムを20cm平方に切
り出し、2枚を重ねて3方をヒートシールし、袋を作成
した。この袋にミネラルウォター50mlを充填し、残
る1方をヒートシールして密封袋とした後、5℃の冷蔵
庫に3日間保存し、味覚評価用サンプルとした。3日
後、各密封袋中のミネラルウォターをガラス製のコップ
に入れ、上記パネラーによる味覚評価を行った。判定基
準は、元のミネラルウォターの味覚と比較して、 0:全く違わない 1:わずかに違う 2:はっきり違う とし、10名の合計値で表した。
【0029】実施例1 高温高圧重合用に装備された反応器を用いて重合を行っ
た。まずエチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器
に圧入し、全圧を900kgf/cm2Gに、1−ヘキ
セン濃度を37.4モル%になるように設定した。そし
て、反応器を1500rpmで撹拌した。一方、別の容
器でシクロペンタジエニル誘導体を含有する有機遷移金
属化合物(I)としてジフェニルメチレン(シクロペン
タジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ドのトルエン溶液に、有機金属化合物(III)として
トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液をアルミニ
ウムがジルコニウム当たり250倍モルになるように加
えた。さらに、前記触媒成分と反応してイオン性の錯体
を形成する化合物(II)としてN,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
トのトルエン溶液をホウ素がジルコニウム当たり2倍モ
ルになるように加えて触媒溶液を得た。その後、得られ
た触媒溶液を120cm3/時間の速度で反応器に連続
的に供給し、反応器の温度を165℃になるように設定
して重合を行いポリマーを得た。続いて、上記ポリマー
100重量部に対して、イルガノックス1076[日本
チバガイギー製]を0.15重量部、IRGAFOS
P−EPQ FF[日本チバガイギー製]を0.03重
量部、IRGAFOS 168[日本チバガイギー製]
を0.08重量部、ニュートロン S [日本精化製]
を0.04重量部、シルトンPF−6[水沢化学工業
製]を0.2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合
後、単軸押出機で溶融混練し、冷却しペレット化した。
その後、ホッパードライヤーにペレットを投入し、60
℃で48時間、送風媒体として空気を用いて熱風乾燥を
行い、上記ペレットをヘッドスペースガスクロマトグラ
フィー分析により測定した結果、Q値は252であっ
た。同ペレットの臭いの評価を行った結果、臭気レベル
は4であった。また、同ペレットをフィルム化し、臭い
の評価を行った結果、臭気レベルは3であった。また、
同フィルムを製袋し、水を充填し、味覚評価を行ったと
ころ、味覚レベルは3であった。その結果を表1に示
す。
【0030】実施例2 重合温度を140℃、1−ブテンを64.1モル%と
し、40℃で24時間処理を行った以外は、実施例1に
従って行った。その結果を表1に示す。
【0031】実施例3 ペレット化した後、60℃の熱水に共重合体1kgに対
して0.3m3/hrの空気を導入しながら12時間浸
漬し、その後、乾燥器に導入して40℃で12時間乾燥
を行った以外は実施例1に従って行った。その結果を表
1に示す。
【0032】実施例4 [予備重合触媒の調整]500mlのガラスフラスコ
に、シリカ(表面積126m2/g、細孔径282オン
グストローム、細孔容積1.13cc/g、700℃,
5時間焼成)1.29gとトルエン30mlを加え懸濁
状にした。そこへメチルアルミノキサンのトルエン溶液
(3.12モル/l)5.04mlを加え、室温で1時
間撹拌した。その後、エチレンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロライドのトルエン溶液(0.0019モ
ル/l)108mlを加え、室温で30分間撹拌した。
次いで、デカン85mlを加え、エチレンを常圧で導入
し、30℃で7時間予備重合を行った。予備重合終了
後、ブリッジフィルターにより溶液を除去し、ヘキサン
200mlで洗浄を5回行った。この結果、シリカ1g
に対してジルコニウム0.0097ミリモル、アルミニ
ウム7.04ミリモルおよびポリエチレン16.3gを
含有する予備重合触媒が得られた。
【0033】[重合]内容積2lのステンレススチール
製電磁撹拌式オートクレーブ内を窒素で置換し、200
℃で20時間乾燥した食塩200gを触媒の分散媒とし
て入れ、内温を75℃に調整した。次いで、上記で調整
した予備重合触媒(ジルコニウム2.5マイクロモルに
相当)とトリイソブチルアルミニウム1.5ミリモルお
よびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート12.5マイクロモルを混
合したものをオートクレーブへ挿入した。直ちに1−ブ
テンを内圧が0.1kgf/cm2Gとなるように導入
した。続いてエチレンガスを導入し、オートクレーブ内
圧が8kgf/cm2Gとなるように連続的にエチレン
ガスを加えながら80℃で30分間重合を行った。重合
終了後冷却し、未反応ガスを追い出して生成ポリマーと
食塩の混合物を取り出した。この混合物を純水で洗浄
し、食塩を溶解除去した後に乾燥し、ポリマーを得た。
その後は、60℃で24時間処理を行った以外は実施例
1に従って行った。その結果を表1に示す。
【0034】実施例5 溶媒としてIPソルベント1620(出光石油化学製)
600mlを1l反応器に加え、これに1−ヘキセン
20mlを加え、反応器の温度を150℃に設定した。
そして、この反応器に圧力が20kgf/cm2Gとな
るようにエチレンを供給した。一方、別の容器において
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオ
レニル)ジルコニウムジクロライド0.5マイクロモル
をトルエンに溶解し、そこにトリイソブチルアルミニウ
ムのトルエン溶液(トリイソブチルアルミニウム20w
t%)をアルミニウム換算125マイクロモル加えて1
時間撹拌した。次に、この混合物をN,N−ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート 1.0マイクロモルをトルエン1mlに溶解した
溶液に加えて10分間撹拌し、ここで得られた混合物を
窒素圧で前記反応器に供給した。混合物を反応器に供給
した後、150℃に保持したまま反応器を1500rp
mで1時間撹拌し、共重合反応を行わせ、得られた反応
生成物を真空下、100℃で6時間乾燥し、ポリマーを
得た。その後は、実施例1に従って行った。その結果を
表1に示す。
【0035】実施例6 実施例1の方法に従ってペレット化し、ホッパードライ
ヤーにペレットを投入し、60℃で共重合体1kgに対
して0.1m3/hrの空気を導入して48時間熱風乾
燥を行った。その後、60℃の熱水に共重合体1kgに
対して0.03m3/hrの空気を導入しながら12時
間浸漬した後、乾燥器に導入して40℃で12時間乾燥
を行った。その結果を表1に示す。
【0036】比較例1 高温高圧重合用に装備された反応器を用いて重合を行っ
た。まずエチレンおよび1−ヘキセンを連続的に反応器
に圧入し、全圧を800kgf/cm2Gに、1−ヘキ
セン濃度を45.2モル%になるように設定した。そし
て、反応器を1500rpmで撹拌した。別の容器でチ
ーグラー型触媒とトリエチルアルミニウムをそのモル比
がAl/Ti=3になるようにノルマルヘプタンに溶解
して触媒溶液を得た。その後、得られた触媒溶液を反応
器に連続的に供給し、反応温度を220℃になるように
設定して重合を行いポリマーを得た。空気の導入量を
2.0m3/hrとした以外は実施例1に従って行っ
た。その結果を表1に示す。
【0037】比較例2 ホッパードライヤーで240時間熱風乾燥を行った以外
は比較例1に従って行った。その結果を表1に示す。
【0038】比較例3 ペレット化した後、60℃の熱水に共重合体1kgに対
して0.3m3/hrの空気を導入しながら12時間浸
漬し、その後、乾燥器に導入して40℃で12時間乾燥
を行った以外は比較例1に従って行った。その結果を表
1に示す。
【0039】比較例4 比較例1で処理を行った後、60℃の熱水に共重合体1
kgに対して0.3m3/hrの空気を導入しながら1
2時間浸漬し、その後、乾燥器に導入して40℃で12
時間乾燥を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のエチレン・α−オレフィン共重
合体の製造方法は、その中に含まれる炭素数12以下の
炭化水素からなる揮発成分の総量をQ値が200以上に
なるように処理を行うことにより、臭気を少なくするこ
とができるという効果を有するものであり、本発明の製
造方法によれば、臭気の少ないエチレン・α−オレフィ
ン共重合体を極めて容易に製造することができる。その
ため、本発明により得られるエチレン・α−オレフィン
共重合体は、特に食品用容器、食品包装用フィルム、シ
ートおよび医療容器などに適し、実用上極めて有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタロセン触媒存在下、エチレンと炭素数
    3〜20のα−オレフィンを共重合して得られる樹脂を
    エチレン・α−オレフィン共重合体1kgあたり、
    (a)30〜150℃の空気または不活性ガスによっ
    て、0.03〜3m3/hrの流量で0.5〜72時間
    乾燥、および/または(b)30℃以上エチレン・α−
    オレフィン共重合体の融点未満の熱水で、0.001〜
    0.5m3/hrの流量の空気または不活性ガスを導入
    して、0.5〜30時間浸漬し、ヘッドスペースガスク
    ロマトグラフィーによって測定した炭素数12以下の揮
    発成分の総量(ノルマルヘキサン換算)の乾燥前/乾燥
    後の値(Q)を200以上にすることを特徴とするエチ
    レン・α−オレフィン共重合体の製造方法。
JP20312195A 1995-08-09 1995-08-09 臭気の少ないエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法 Pending JPH0952918A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0808850A1 (en) * 1996-05-21 1997-11-26 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Method of treating polyolefin
WO2001072877A1 (fr) * 2000-03-31 2001-10-04 Zeon Corporation Article moule
JP2004527622A (ja) * 2001-04-25 2004-09-09 ビーピー ケミカルズ リミテッド 揮発性物質を分離するための重合体処理
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US7790842B2 (en) 2002-10-30 2010-09-07 Ineos Manufacturing Belgium Nv Polymer treatment

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