JP4102572B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電システムに関し、特に燃料電池発電システムを駆動するポンプやブロア等の補機電力の効率的な供給を図る燃料電池発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池発電システムは、発電システムを駆動するポンプやブロア等の補機に電源を供給するために、発電システムの起動時から燃料電池の運転動作が確立するまで商用電源や系統電源から補機用の電源を供給していた。また、発電システムが燃料電池の運転動作状態に移行した後には、燃料電池から発電される電力の一部を利用して補機用の電源を供給していた。
【0003】
図4は、従来の燃料電池発電システムのブロック図である。従来の燃料電池発電システムは、燃料電池12と、DC/DCコンバータ20と、DC/ACインバータ22と、AC/DC安定化電源回路と、補機30と、補機31と、補機32と、を備え、燃料電池発電システムの起動時から燃料電池の運転動作が確立するまで、負荷38に電力を供給している系統電源36からAC/DC安定化電源回路24を経由して補機30や、DC/DCコンバータ26付き補機31や、DC/DCコンバータ28付き補機32へ補機用の電力を供給していた。
【0004】
また、燃料電池発電システムが燃料電池の運転動作を維持する状態に移行した後には、系統電源36に代えて、燃料電池12から発電される直流電力をDC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22とを経由させて出力する交流電力を再度AC/DC安定化電源回路24を通じて補機30や、DC/DCコンバータ26付き補機31や、DC/DCコンバータ28付き補機32へ補機用の電力として供給していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような従来の燃料電池発電システムでは、燃料電池12で発電された電力がDC/DCコンバータ20、DC/ACインバータ22を経由して補機に供給されるため、これら変換器の電力変換効率に相当する電力損失が生じていた。また、燃料電池12からDC/DCコンバータ20、DC/ACインバータ22を経由して補機に至るまでの配線長に起因する電圧降下も電力損失となっていた。
【0006】
そこで本発明は、補機用電源の無駄な電力損失を抑え、発電効率を向上させた燃料電池発電システムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、燃料電池発電システム39は、燃料ガス19と酸化剤ガス14との電気化学的反応により発電する燃料電池12と、燃料電池12から出力される直流電圧を所定の直流電圧に変圧するDC/DCコンバータ20と、DC/DCコンバータ20の出力側に接続され、系統電源36と連系するために、DC/DCコンバータ20で変圧された直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータ22と、補機30、31、32に電力を供給する補機動力端子25と、補機動力端子25を、燃料電池12の出力側とDC/ACインバータ22の出力側との間で切り換える切換回路45と、燃料電池12の出力電圧を検知することにより、該出力電圧が予め定めた電圧以上である場合には燃料電池12は通常の運転状態であり、予め定めた電圧未満の場合は燃料電池12は通常の運転時以外の運転状態である、と検知する手段を備え、切換回路45は、燃料電池12が通常の運転時においては、燃料電池12の出力側から電力を補機30、31、32に供給し、燃料電池12の出力電圧が異常に低下した通常の運転時以外では、燃料電池12の出力電圧が回復するまで、系統電源36から電力を補機30、31、32に供給するように電力供給系統を構成する。
【0008】
ここで、燃料電池12は典型的には固体高分子形燃料電池であり、系統電源36とは単相三線式100/200Vや単相200Vのような商用電源を含むものである。
【0009】
このように構成すると、燃料電池発電システムを起動させる時点では系統電源36側から補機30、31、32用の電力を供給することができ、その後、燃料電池12の発電開始に伴い、燃料電池12の出力ラインから補機30、31、32用の電力を供給することができる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明による燃料電池発電システムは、例えば図2に示すように、請求項1又は2に記載の燃料電池発電システムにおいて、DC/ACインバータ22としての系統連系インバータの出力側と切換回路44との間にAC/DC安定化電源回路24を備える。
【0011】
このように構成すると、燃料電池発電システムを起動させる時点では系統電源36側からAC/DC安定化電源回路24を経由して補機30、31、32用の電力を安定して供給することができ、その後、燃料電池12の発電開始に伴い、燃料電池12の出力ラインから補機30、31、32用の電力を供給することができる。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による燃料電池発電システムは、例えば図3に示すように、請求項1に記載の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池12の出力側と切換回路44との間にDC/DC安定化電源回路50を備える。
【0013】
このように構成すると、燃料電池発電システムを起動させる時点では系統電源36側から補機30、31、32用の電力を供給することができ、その後、燃料電池12の発電開始に伴い、燃料電池12の出力ラインからDC/DC安定化電源回路50を経由して補機30、31、32用の電力を安定して供給することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似記号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
図1は、本発明による第1の実施の形態である燃料電池発電システムのブロック図である。燃料電池発電システム39は、水素を含む燃料ガス19と空気または酸素を含む酸化剤ガス14との電気化学的反応により発電する燃料電池12と、燃料電池12から出力される、例えば約50Vの直流電圧を約300Vの所定の直流電圧に変圧するDC/DCコンバータ20と、DC/DCコンバータ20の出力側に接続され、系統電源36と連系するために、DC/DCコンバータ20で変圧された約300Vの直流電圧を200V/50Hz又は200V/60Hzの交流電圧に変換するDC/ACインバータ22と、燃料電池12用の二電源回路33付き補機30と二電源回路27付き補機31と、二電源回路29付き補機32に電力を供給する補機動力端子25と、補機動力端子25を、燃料電池12の出力側とDC/ACインバータ22としての系統連系インバータの出力側との間で補機用電力を切り換える切換回路45と、メインコントロール部42とを備える。
【0016】
メインコントロール部42は、マイクロプロセッサや制御用コンピュータで構成し、燃料電池12、DC/DCコンバータ20、DC/ACインバータとしての系統連系インバータ、切換回路45、及び、補機30、31、32を制御信号により制御する。
【0017】
また、メインコントロール部42は、燃料電池12の出力電圧やDC/ACインバータ22の出力電圧、系統電源36の電圧を各々監視して、負荷38に電力を供給している系統電源36の交流電力の位相及び電圧と比較しながら、系統連系インバータから供給する電力を系統電源36に同期させるように発電制御をすることができる。
【0018】
燃料電池発電システム39は、内部のACバスに関連するA側節点とDCバスに関連するB側節点を有し、起動時において、切換回路45としてのスイッチング素子又は電磁リレー若しくは半導体スイッチングトランジスタのチャネルを補機動力端子25のA側節点と系統電源36との間を電気的に導通させるように切換回路45のA側節点の導通チャネル41を閉状態にする。なお、この時点では、切換回路45のB側節点の導通チャネル43は開放状態である。
【0020】
補機30は、ACバスに接続された二電源回路33を通じて電力の供給を受け、補機31は、ACバスに接続された二電源回路27を通じて電力の供給を受け、補機32は、ACバスに接続された二電源回路29を通じて電力の供給を受けることにより、系統電源36側から燃料電池発電システム39の起動時の電力供給を受けることができる。
【0021】
ここで、二電源回路33は、ACバス入力とDCバス入力の2系統のバス入力を有し、切換回路45によりACバスがアクティブ状態に達したときは、ACバスから交流電源の供給を受けて直流電圧に整流し補機30の定格電圧へ降圧した直流電圧を出力するアダプタとして機能する電気回路である。
【0022】
また、二電源回路33は、切換回路45によりDCバスがアクティブ状態に達したときは、DCバスから直流電源の供給を受けて補機30の定格電圧へ適合させた直流電圧を出力するDC/DCコンバータとして機能する電気回路である。
【0023】
さらに、他の二電源回路27、29も同様に、ACバスとDCバスのアクティブ状態を検知する若しくはメインコントロール部42から制御信号を受信してACバスとDCバスを切り換えて補機31、32の定格電圧を出力する電気回路である。
【0024】
メインコントロール部42の電源は、燃料電池の始動時に、系統電源36の交流電圧を整流して電源供給しても良く、燃料電池発電システム39内部のバッテリを含む蓄電及び放電システムから電源供給しても良い。
【0025】
上記メインコントロール部42へ蓄電及び放電システムから電源供給をする場合には、燃料電池12の通常動作モード時に、バッテリを含む蓄電及び放電システムを燃料電池の出力電圧から充電することができる。
【0026】
補機30は、例えば、燃料電池12に原燃料16や酸化剤ガス14としての空気や酸素を供給するブロアに相当する機器であり、補機31は、例えば、燃料電池12の冷却水を循環させるポンプに相当する機器であり、補機32は、例えば、改質器18に水を供給するポンプに相当する機器である。
【0027】
燃料電池発電システム39は、起動後において、メインコントロール部42の制御により通常の運転状態に移行した段階で切換回路45としてのスイッチング素子又は電磁リレー若しくは半導体スイッチングトランジスタのチャネルを補機動力端子25のB側節点と燃料電池12の出力側との間を電気的に導通させるように切換回路45のB側節点の導通チャネル43を閉状態にする。なお、この時点で、切換回路45のA側節点の導通チャネル41は開放状態に移行するように制御される。
【0028】
補機動力端子25のB側節点は、DCバスに接続され、各二電源回路33、27、29のDC入力へ燃料電池12の直流電圧を供給するように構成されている。
【0029】
燃料電池発電システム39は、通常の運転時において、上記燃料電池12の出力側から切換回路45を通じて電力を補機30、31、32に供給しながら、メインコントロール部42により発電制御を行う。
【0030】
また、燃料電池発電システム39は、燃料電池12から、例えば約50V程度の直流電圧をDC/DCコンバータ20により約300V程度の直流電圧に昇圧変換し、DC/ACインバータ22としての系統連系インバータを制御し、系統電源36と同期させて、例えば周波数50Hz、電圧200Vの交流電力を負荷38へ供給するように発電制御を行う。
【0031】
上記系統連系インバータは、周波数50Hz又は60Hz、電圧200Vの交流電圧を出力するように構成したが、本実施の形態では、メインコントロール部48に指令を与えるだけで、任意の周波数及び電圧を選択することができる。例えば、周波数60Hz、電圧200Vの交流電圧や、周波数50Hz、電圧100Vの交流電圧や、外国仕様の負荷38としての電気機器に電力を供給する場合には、110Vの交流電圧を出力することができる。
【0032】
補機30、31、32に対する電力は、燃料電池12の出力側から直接供給しているので、DC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22としての系統連系インバータの変換効率に相当する電力損失及びDC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22を経由する補機までの配線上の電圧降下を払拭することができるので、通常運転中の燃料電池発電システム39の発電効率を総合的に向上させることができる。
【0033】
また、上記実施の形態では通常運転中の燃料電池発電システム39は、燃料電池12から直接補機に対して電力を供給するように構成したが、通常運転中の燃料電池発電システム39の補機30、31、32に対する電力を系統電源36から適宜供給するように切換回路45を構成しなおしても良い。
【0034】
すなわち、メインコントロール部42は、燃料電池12の電気化学的反応が燃料ガス19又は酸化剤ガス14の供給中断等により一時的に低下した状態を検知したときや、過負荷により燃料電池12の出力電圧が異常に低下した状態を検知した場合には、燃料電池12の電気化学的反応が回復するまで補機30、31、32に対する電力を系統電源36から供給するように切換回路45を構成し直す。つまり電力供給系統を再構成する。
【0035】
図2は、本発明による第2の実施の形態である燃料電池発電システムのブロック図である。燃料電池発電システム40は、燃料ガス19と酸化剤ガス14との電気化学的反応により発電する燃料電池12と、燃料電池12から出力される、例えば約50Vの直流電圧を約300Vの所定の直流電圧に変圧するDC/DCコンバータ20と、DC/DCコンバータ20の出力側に接続され、系統電源36と連系するために、DC/DCコンバータ20で変圧された約300Vの直流電圧を200V/50Hz又は200V/60Hzの交流電圧に変換するDC/ACインバータ22としての系統連系インバータと、燃料電池12用の補機30と、DC/DCコンバータ26付き補機31と、DC/DCコンバータ28付き補機32に電力を供給する補機動力端子25と、補機動力端子25を、燃料電池12の出力側とDC/ACインバータ22としての系統連系インバータの出力側との間で補機用電力を切り換える切換回路44と、DC/ACインバータ22の出力側と切換回路44との間に配置されるAC/DC安定化電源回路24と、メインコントロール部42とを備える。
【0036】
メインコントロール部42は、上記実施の形態と同様に、マイクロプロセッサや制御用コンピュータで構成し、燃料電池12、DC/DCコンバータ20、DC/ACインバータとしての系統連系インバータ、切換回路44、及び、補機30、31、32を制御する。
【0037】
燃料電池発電システム40は、起動時において、切換回路44としてのスイッチング素子又は電磁リレー若しくは半導体スイッチングトランジスタのチャネルを補機動力端子25と系統電源36との間を電気的に導通させるように切換回路44のA側節点の導通チャネルを閉状態にする。なお、この時点では、切換回路44のB側節点の導通チャネルは開放状態である。
【0038】
補機30は、補機動力端子25に接続されたDCバスを通じて電力の供給を受け、補機31は、DCバスに接続されたDC/DCコンバータ26を通じて電力の供給を受け、補機32は、DCバスに接続されたDC/DCコンバータ28を通じて電力の供給を受けることにより、系統電源36側からAC/DC安定化電源回路24を介して燃料電池発電システム39の起動時の電力供給を受けることができる。なお、補機30、補機31、及び、補機32は、上記第1の実施の形態と同様の機器であり説明を省略する。
【0039】
AC/DC安定化電源回路24は、補機30の定格電源を供給する第1の直流電源として機能する。また、DC/DCコンバータ26は、この第1の直流電源から補機31の定格電源を供給する第2の直流電源として機能する。さらに、DC/DCコンバータ28は、第1の直流電源から補機32の定格電源を供給する第3の直流電源として機能する。
【0040】
このように、補機の多様な定格電源に適用させるため複数段のDC/DCコンバータを組み合わせることにより、各DC/DCコンバータを小型に構成することができ、しかもDCバスの本数を減少させることができるので、燃料電池発電システムのコストを低減させることができる。
【0041】
燃料電池発電システム40は、起動後において、メインコントロール部42の制御により通常の運転状態に移行した段階で切換回路44としてのスイッチング素子又は電磁リレー若しくは半導体スイッチングトランジスタのチャネルを補機動力端子25と燃料電池12の出力側との間を電気的に導通させるように切換回路44のB側節点の導通チャネルを閉状態にする。なお、この時点で、切換回路44のA側節点の導通チャネルは開放状態に移行するように制御される。
【0042】
燃料電池発電システム40は、通常の運転時において、上記燃料電池12の出力側から切り替え回路44を通じて電力を補機30、31、32に供給しながら、メインコントロール部42により発電制御を行う。
【0043】
また、燃料電池発電システム40内部の電力変換方式は、上記第1の実施の形態と同様の方式を採用することができるので説明を省略する。
【0044】
本実施の形態では、補機30、31、32に対する電力は、燃料電池12の出力側から直接供給しているので、DC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22としての系統連系インバータとAC/DCインバータ22の変換効率に相当する電力損失及びDC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22とAC/DCインバータ22を経由する補機までの配線上の電圧降下を払拭することができるので、通常運転中の燃料電池発電システム39の発電効率を総合的に向上させることができる。
【0045】
また、上記実施の形態では通常運転中の燃料電池発電システム40は、燃料電池12から直接補機に対して電力を供給するように構成したが、通常運転中の燃料電池発電システム40の補機30、31、32に対する電力を系統電源36から適宜供給するように切換回路44を構成しなおしても良い。
【0046】
すなわち、メインコントロール部42は、燃料電池12の電気化学的反応が燃料ガス19又は酸化剤ガス14の供給中断等により一時的に低下した状態を検知したときや、過負荷により燃料電池12の出力電圧が異常に低下した状態を検知した場合には、燃料電池12の電気化学的反応が回復するまで補機30、31、32に対する電力を系統電源36から供給するように切換回路45を構成しなおすことができる。
【0047】
さらに、上述の切替回路44を切替える際に生じる直流電源の瞬断を防止するために、AC/DC安定化電源24からダイオード7を介してDCバスへ直流電圧を供給し、燃料電池12の出力端子をスイッチ5及びダイオード6を介してDCバスへ接続することで、燃料電池12からも直流電圧をDCバスへ供給することもできる。
【0048】
例えば、スイッチ5を閉状態にした場合、切替回路44の切替操作により補機に対する直流電源の瞬断を防止することができる。一方、燃料電池12の出力電圧がAC/DC安定化電源24から供給される直流電圧より高電圧の状態であって、スイッチ5を開放状態に維持する設定により燃料電池12の出力端子から電流を供給させないというオプションも選択することができる。
【0049】
図3は、本発明による第3の実施の形態である燃料電池発電システムのブロック図である。燃料電池発電システム46は、上記第2の実施の形態に、燃料電池12の出力側と切換回路44との間に配置するDC/DC安定化電源回路50を更に備える。
【0050】
メインコントロール部48は、上記実施の形態と同様に、マイクロプロセッサや制御用コンピュータで構成し、燃料電池12、DC/DCコンバータ20、DC/ACインバータとしての系統連系インバータ、切換回路44、及び、補機30、31、32を制御する。
【0051】
燃料電池発電システム46の起動は、上記第2の実施の形態と同様に構成できるので、説明を省略する。
【0052】
補機30は、補機動力端子25に接続されたDCバスを通じて電力の供給を受け、補機31は、DCバスに接続されたDC/DCコンバータ26を通じて電力の供給を受け、補機32は、DCバスに接続されたDC/DCコンバータ28を通じて電力の供給を受けることにより、系統電源36側からAC/DC安定化電源回路24を介して燃料電池発電システム39の起動時の電力供給を受けることができる。なお、補機30、補機31、及び、補機32は、上記第2の実施の形態と同様の機器であり説明を省略する。
【0053】
燃料電池発電システム46は、起動後において、メインコントロール部48の制御により通常の運転状態に移行した段階で切換回路44としてのスイッチング素子又は電磁リレー若しくは半導体スイッチングトランジスタのチャネルを補機動力端子25と燃料電池12の出力側との間にDC/DC安定化電源回路50を介して電気的に導通させるように切換回路44のB側節点の導通チャネルを閉状態にする。なお、この時点で、切換回路44のA側節点の導通チャネルは開放状態に移行するように制御される。
【0054】
燃料電池発電システム46は、通常の運転時において、上記燃料電池12の出力側からDC/DC安定化電源回路50を介して切り替え回路44を通じ電力を補機30、31、32に供給しながら、メインコントロール部48により発電制御を行う。
【0055】
また、燃料電池発電システム46内部の電力変換方式は、上記第1の実施の形態と同様の方式を採用することができるので説明を省略する。
【0056】
本実施の形態では、補機30、31、32に対する電力は、燃料電池12の出力側からDC/DC安定化電源回路50を介して供給しているので、DC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22としての系統連系インバータとAC/DCインバータ22の変換効率に相当する電力損失及びDC/DCコンバータ20とDC/ACインバータ22とAC/DCインバータ22を経由する補機までの配線上の電圧降下を払拭することができるので、通常運転中の燃料電池発電システム39の発電効率を総合的に向上させることができる。
【0057】
しかも、燃料電池12から出力される直流電圧が補機30等の要求する所定の直流電圧値とずれていた場合であっても、DC/DC安定化電源回路50により補正した安定化直流電圧を補機30等に供給することができる。この場合、DC/DC安定化電源回路50の変換効率に相当する電力損失を生じるが、補機30等の定格電圧を確保するためには有効な手段である。
【0058】
上記実施の形態では通常運転中の燃料電池発電システム46は、燃料電池12からDC/DC安定化電源回路50を介して補機30等に対して電力を供給するように構成したが、通常運転中の燃料電池発電システム46の補機30、31、32に対する電力を系統電源36から適宜供給するように切り替え回路44を再構成しても良い。
【0059】
すなわち、メインコントロール部48は、燃料電池12の電気化学的反応が燃料ガス19又は酸化剤ガス14の供給中断等により一時的に低下した状態を検知したときや、過負荷により燃料電池12の出力電圧が異常に低下した状態を検知した場合には、燃料電池12の電気化学的反応が回復するまで補機30、31、32に対する電力を系統電源36から供給するように切り替え回路44を再構成することができる。
【0060】
なお、切替回路44を補完又は代替するスイッチ5、ダイーオード6及びダイオード7は上記実施の形態と同様の部材が使用できるので、説明を省略する。
【0061】
以上説明したように、燃料電池発電システムにおいて、燃料電池から電力供給が開始される前に、燃料電池を稼動させる補機用電力を商用電力である系統電源から供給して燃料電池発電システムを起動させ、燃料電池から継続的に電力が出力される段階から補機用電力供給機構を再構成し、補機用電力源を系統電源の電力から切り離し、燃料電池の出力端子側へ接続し直す又は切り替えることができる。
【0062】
よって、補機は、系統電源に接続する直流昇圧回路や直流交流インバータの変換効率に起因する電力損失や配線上の電圧降下に起因する電力損失から開放された電力源から安定した電力の供給を受けることができ、燃料電池発電システム全体の発電効率を向上させることができる。
【0063】
また、メインコントローラ部の制御の下、通常運転時の燃料電池の出力電圧を監視し、燃料電池の低負荷時又は高負荷時において燃料電池の電気的化学反応が低下した際には、補機用電力源を燃料電池側から外部電源に一時的に切り替えるように再構成することができ、信頼性の高い燃料電池発電システムを提供することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、起動時に系統電源から補機の電力を供給し、燃料電池の通常の運転動作時には、燃料電池から系統電源へ出力する主電力系と、燃料電池の出力端子から補機用の電力を供給するので、補機用の電力供給効率が向上し、燃料電池発電システム全体の発電効率を向上させることができる。
【0065】
また、系統連系インバータの出力側から補機の電力を供給するシステムに比べて本発明のように、燃料電池の出力端子から補機用電力を供給することで、DC/DCコンバータや系統連系インバータの出力容量を小規模に構成することができるので、システムを小型化し、製造コストを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態である燃料電池発電システムの模式的なブロック図である。
【図2】第2の実施の形態である燃料電池発電システムの模式的なブロック図である。
【図3】第3の実施の形態である燃料電池発電システムの模式的なブロック図である。
【図4】従来の燃料電池発電システムの模式的なブロック図である。
【符号の説明】
12 燃料電池
14 酸化剤ガス
16 原燃料
18 改質器
19 燃料ガス
20 DC/DCコンバータ
22 DC/ACインバータ
24 安定化電源回路
26 DC/DCコンバータ
27 二電源回路
28 コンバータ
29 二電源回路
30 補機
31 補機
32 補機
33 二電源回路
36 系統電源
38 負荷
39 燃料電池発電システム
40 燃料電池発電システム
41 A側節点の導通チャネル
42 メインコントロール部
43 B側節点の導通チャネル
44 切換回路
45 切換回路
46 燃料電池発電システム
48 メインコントロール部
50 安定化電源回路

Claims (3)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学的反応により発電する燃料電池と;
    前記燃料電池から出力される直流電圧を所定の直流電圧に変圧するDC/DCコンバータと;
    前記DC/DCコンバータの出力側に接続され、系統電源と連系するために、前記DC/DCコンバータで変圧された直流電圧を交流電圧に変換するDC/ACインバータと;
    補機に電力を供給する補機動力端子と;
    前記補機動力端子を、前記燃料電池の出力側と前記DC/ACインバータの出力側との間で切り替える切換回路と;
    前記燃料電池の出力電圧を検知することにより、該出力電圧が予め定めた電圧以上である場合には前記燃料電池は通常の運転状態であり、予め定めた電圧未満の場合は前記燃料電池は通常の運転時以外の運転状態である、と検知する手段を備え;
    前記切換回路は、前記燃料電池が通常の運転時においては、前記燃料電池の出力側から電力を前記補機に供給し、前記燃料電池の出力電圧が異常に低下した通常の運転時以外では、前記燃料電池の出力電圧が回復するまで、前記系統電源から電力を前記補機に供給するように電力供給系統を構成する、
    燃料電池発電システム。
  2. 前記DC/ACインバータの出力側と前記切換回路との間にAC/DC安定化電源回路を備える、請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記燃料電池の出力側と前記切換回路との間にDC/DC安定化電源回路を備える、請求項1又は請求項2に記載の燃料電池発電システム。
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